JPH0563172A - 半導体装置とその製造方法 - Google Patents

半導体装置とその製造方法

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JPH0563172A
JPH0563172A JP3221874A JP22187491A JPH0563172A JP H0563172 A JPH0563172 A JP H0563172A JP 3221874 A JP3221874 A JP 3221874A JP 22187491 A JP22187491 A JP 22187491A JP H0563172 A JPH0563172 A JP H0563172A
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film
layer
semiconductor layer
semiconductor
thin film
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JP3221874A
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Inventor
Toshiteru Kaneko
寿輝 金子
Kenichi Kizawa
賢一 鬼沢
Yoshiaki Kita
芳明 北
Yoshio Abe
良夫 阿部
Kenichi Hashimoto
健一 橋本
Yuzo Kozono
裕三 小園
Kazuhiro Ogawa
和宏 小川
Mamoru Morita
守 森田
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高感度な受光素子と、高速走査可能な駆動用素
子を、同一基板上に、同じ膜構成で形成することができ
る半導体装置と、その製造方法を提供することを目的と
する。 【構成】光電変換を行なう非晶質半導体層を有する受光
素子と、多結晶半導体層を有する薄膜トランジスタを有
することを特徴とする半導体装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜を有する半導体デ
バイスとその製造方法に関し、特に、アモルファス半導
体を用いたディスプレイやイメ−ジセンサなどの薄膜デ
バイスに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、薄膜を構成要素として有する装置
において、その駆動部として電子部品が必要な場合、L
SIを薄膜の基板上に、実装することにより電子回路部
を形成していた。近年、薄膜技術の進歩につれて、薄膜
トランジスタ(TFT)やダイオ−ド等の電子回路機能
を、薄膜の基板上に、直接、形成することが可能になり
つつある。例えば、液晶ディスプレイでは、従来、液晶
を単純マトリックス回路で駆動させていたが、近年、液
晶の各画素ごとに形成したアモルファスシリコン薄膜ト
ランジスタ(a−Si TFT)で、スイッチングする
ことにより、コントラストを向上させることが可能にな
っている。これにより、液晶ディスプレイの画質を、C
RT並みに向上することが可能になっている。また、フ
ァクシミリやスキャナの、画像の入力に用いられる密着
型イメ−ジセンサでは、受光素子ごとに設けられるスイ
ッチを、受光素子と同一基板上にTFTで作り込むこと
によって、別途実装するLSIの個数を減らすことがで
きる。これにより、コストを大幅に低減でき、しかも、
受光素子の集積度を上げることが可能になり、400d
piの高精細読み取りにも容易に対応することが可能に
なっている。
【0003】密着型イメ−ジセンサでは、受光素子のホ
トダイオ−ドやホトコンダクタに、可視光の波長領域で
光感度の高い、水素化アモルファスシリコン(a−S
i:H)や、硫化カドミウム(CdS)が用いられる。
一方、受光素子の駆動回路用素子としては、移動度が大
きく、高速の走査回路が実現可能な、結晶シリコンのL
SIや、薄膜プロセスで形成可能な、多結晶シリコン
(poly−Si)TFTが、適している。
【0004】受光素子と駆動用回路素子を、同一基板上
に形成する場合には、受光素子にCdSを用いると、駆
動回路用素子のシリコンとは、別のプロセスで形成する
必要がある。一方、受光素子にa−Si:Hを用いた場
合には、受光素子と駆動回路用素子のシリコン膜を、同
じプロセスで、同時に作成することも可能であるため、
製造工程を減少できるという大きなメリットがある。
【0005】しかし、高感度の受光素子には、水素を含
んだアモルファスシリコン(a−Si:H)を用いる必
要があり、また、高速走査可能な駆動用回路素子をに
は、結晶シリコンを用いる必要がある。例えば、受光素
子にあわせてa−Si:H膜で、駆動用回路素子を作成
した場合には、駆動用回路素子の移動度が0.2〜0.6cm
2/Vsと小さくなる。そのため、受光素子と、駆動用
回路素子を同じシリコン膜で同時に作成した場合、高感
度かつ高速走査可能な密着型イメージセンサを実現する
ことは、困難であった。
【0006】そこで、IEEE. Electron Devices Vol.ED-
32,No.8,p1546,1985に記載のように、受光素子と駆動用
回路を同一基板上に形成する密着型イメージセンサで
は、まず、a−Si膜からなる受光素子を形成し、その
後に、駆動用回路として多結晶シリコン膜からなる薄膜
トランジスタ(poly−Si TFT)を別プロセス
で形成する方法が発表されている。また、特開平2−1
30912に記載のTFTでは、ガラス基板上に、まず
a−Si膜を低温で形成し、その上部をレ−ザアニ−ル
で結晶化することにより、動作速度の速いpoly−S
i TFTを、低融点で安価なガラス基板上に形成する
方法が、提案されている。更に、特開平2−14355
9に記載の、受光素子と駆動用回路を同一基板上に形成
する密着型イメージセンサでは、非晶質シリコン層の所
望の領域をレーザアニールして、poly−Si層を形
成し、この部分を薄膜トランジスタの活性層とする方法
が、提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、受光素子を形
成した後、駆動用回路を別のプロセスで形成する方法
は、プロセスが複雑で長いものとなり、製造効率が悪く
なるという問題があった。また、a−Si層をレーザア
ニールにより、poly−Si化して、薄膜トランジス
タの活性層とする方法は、通常の方法で形成したa−S
i層を使用した場合、レーザ光により膜が劣化し、膜剥
がれが生じて、薄膜トランジスタの性能が劣化してしま
うという問題があった。
【0008】本発明の目的は、高感度な受光素子と、高
速走査可能な駆動用素子を、同一基板上に、同じ膜構成
で形成することができる半導体装置と、その製造方法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば光電変換
を行なう非晶質半導体層を有する受光素子と、多結晶半
導体層を有する薄膜トランジスタとを有することを特徴
とする半導体装置が提供される。
【0010】前記受光素子は、さらに多結晶半導体層を
有し、前記薄膜トランジスタは、さらに非晶質半導体層
を有することが可能である。
【0011】また、前記薄膜トランジスタの多結晶半導
体層は、一部に非晶質半導体層を有することことが可能
である。前記薄膜トランジスタの多結晶半導体層は、前
記薄膜トランジスタの他の半導体層と比較して、相対的
に低水素濃度であることが可能である。
【0012】また、本発明の別の態様によれば、非晶質
半導体層上に、前記非晶質半導体の反射率より相対的に
反射率が高い高反射率部を形成し、レーザ光を前記非晶
質半導体上に均一に照射することにより、前記高反射部
が形成されていない半導体薄層を選択的に結晶化させる
ことを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0013】
【作用】基板上に、光電変換を行う半導体層を有する受
光素子と、前記受光素子の出力信号を処理するための半
導体層を有する薄膜トランジスタを形成する。受光素子
の半導体層は非晶質半導体層を有し、この層を光電変換
を行う層として用ることにより、受光素子を高感度にす
ることができ、薄膜トランジスタの半導体層は、多結晶
半導体層を有し、この層を薄膜トランジスタの活性層と
して用いることにより、薄膜トランジスタを高速走査可
能にすることができる。
【0014】また、受光素子と薄膜トランジスタの半導
体層が、多結晶半導体層と非晶質半導体層の2層を有す
る構造にすることにより、受光素子と薄膜トランジスタ
を同一膜構成で、同一基板上に作製することが可能にな
る。この膜構成を取ることにより、受光素子と薄膜トラ
ンジスタを同工程で形成でき、製造効率を上げることが
できる。受光素子は、多結晶と非晶質の2層の半導体層
のうち非晶質半導体層を光電変換層として使用し、多結
晶半導体層は光電変換層として使用しない。薄膜トラン
ジスタは、多結晶と非晶質の2層の半導体層のうち、多
結晶半導体層を活性層として使用し非晶質半導体層は活
性層として使用しない。
【0015】また、受光素子と薄膜トランジスタに、同
一膜で非晶質半導体層を設け、受光素子は、この非晶質
半導体層を光電変換層として用い、薄膜トランジスタ
は、この非晶質半導体層を加熱して得られた多結晶半導
体層を活性層として用いる構造とすることができる。こ
の構造においても、受光素子と薄膜トランジスタを同工
程で同一基板上に作製することが可能であり、薄膜トラ
ンジスタ部分の非晶質半導体層を加熱して多結晶半導体
層とする工程を加えるのみでよい。加熱して多結晶化す
る非晶質半導体層は、低水素化した層であると、加熱に
よる膜剥がれや、表面の荒れなどのダメージを受けにく
い。
【0016】非晶質半導体層上に、反射率が非晶質半導
体の反射率より相対的に高い高反射部を形成して、全面
に均一にレーザ光を照射することにより、高反射部の形
成されていない部分を選択的に結晶化させることができ
る。高反射部が形成されている部分は、レーザ光をほと
んど反射するため熱を受けず、高反射部のない部分だけ
がレーザ光を吸収し加熱される。この方法を用いること
により、半導体装置上の薄膜トランジスタの半導体のみ
を加熱するなどの、微小部分をアニールすることが可能
である。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を用いて説明す
る。
【0018】(実施例1)図1は、本発明の第1の実施
例のである受光素子とTFTを有する半導体装置の断面
構造図である。図1に示すように、ガラス基板10上に
は、受光素子1と、スイッチング用薄膜トランジスタ
(以下、TFTと称す)2が形成されている。膜構成と
しては、ガラス基板10上に、厚さ約120nmのAl
膜9が形成され、この上に、約350nmの低水素化し
たSiN膜4が形成されている。更に、受光素子1の部
分に、膜厚200〜300nmの低水素化したノンドー
プアモルファスシリコン(i−a−Si)膜11、TF
T2の部分に、膜厚200〜300nm低水素化した多
結晶シリコン(poly−Si)膜5が形成されてい
る。poly−Si膜5は、一部にa−Si膜11を有
している。更にその上には、膜厚50nmのホスフィン
ドープアモルファスシリコン(n+−a−Si)膜6
と、Cr/Alの2層膜7が形成されている。
【0019】Al膜9は、受光素子1において、基板1
0側から入射する光を遮光する遮光膜として機能し、T
FT2において、ゲート電極として機能する。SiN膜
4は、受光素子1およびTFT2の、ゲート絶縁膜とし
て機能する。i−a−Si膜11は、受光素子1の光電
変換層、poly−Si膜5は、TFT2の活性層とし
て機能する。n+−a−Si膜6は、受光素子1のコン
タクト層、TFT2のブロッキング層およびコンタクト
層として機能する。Cr/Alの2層膜7は、受光素子
1では電極、TFT2では光電流を取り出すソース、ド
レイン電極として機能する。Al膜9は、Cr膜等の他
の金属膜で形成することもできる。SiN膜4は、Al
23,SiO2,SiON膜で形成しても良い。また、
Cr/Alの2層膜7は、Cr膜またはAl膜の単層膜
でも良い。
【0020】次に、図2を用いて、本実施例の半導体装
置を密着型イメージセンサをして使用し、FAXに搭載
した場合の動作の一例を説明する。受光素子1およびT
FT2(図2では図示せず)は、上述の膜構成の上に、
絶縁膜200を更に積層され、その上を保護層400に
よって保護されて、紙送り機構300によって送られた
原稿30に密着している。光源である発光素子40から
発せられた光は、原稿30に照射され、反射光がイメー
ジセンサの受光素子1に入射し、受光される。受光素子
1の遮光膜であるAl膜9は、発光素子40から発せら
れた光のうち、原稿30に当たらなかった光が、受光素
子1のガラス基板10側から、入射するのを防ぐ。光電
変換層のi−a−Si膜11は、絶縁膜200を通し
て、原稿30からの反射光を受光し、光電変換により電
荷を発生する。発生した電荷は、出力信号として、受光
素子1の電極7から、TFT2(図2では図示せず)の
ソース、ドレイン電極7に出力され、ゲート電極9によ
り、スイッチングされる。
【0021】次に、本実施例の半導体装置の製造方法に
ついて述べる。まず、ガラス基板10上に、Al膜9を
スパッタリング法で形成し、ウエットエッチングを用い
たフォトリソグラフィによりパターニングした。
【0022】次に、低水素化したSiN膜4を、以下の
ようなプラズマCVD(Chemical Vapor
Deposition)法で形成した。マイクロ波プ
ラズマによって、活性な水素、フッ素やAr原子を発生
させ、そこに形成途中のSiN膜をさらすことにより、
Si−Hの弱い水素結合を断ち切ったSiN膜を形成し
た。Hを断ちきられたSiに、Nラジカルから窒素を供
給した。この方法を用いることにより、容易にSiN結
合を形成でき、膜中水素量1×1022/cm3以下のS
iN膜を形成した。原料ガスにモノシラン、水素、窒素
を用い、流量比を1:10:15に設定し、RFパワー
0.1W/cm2程度にした場合には、膜中の水素量が
9×1021/cm3と、さらに低く押さえられ、かつ未
結合手が少なく、また膜中の欠陥の少ないSiN膜が形
成された。一方、比較例として、原料ガスにアンモニア
ガスを用いた場合、過剰の水素が膜中に取り込まれ、膜
中水素量は3×1022/cm3となり好ましくなかっ
た。プラズマCVD法以外では、スパッタリング法を用
いて、Si34タ−ゲットを、水素ガス雰囲気中でスパ
ッタリングして成膜しても、低水素化したSiN膜4を
形成することができた。
【0023】上述の低水素化したSiN膜4の上に、低
水素化したa−Si膜11を、プラズマCVD法で作製
した。このa−Si膜11は、そのまま受光素子のi−
a−Si膜11として用い、一部をレーザアニール法で
多結晶化して、TFTのpoly−Si膜5に加工す
る。低水素化したa−Si膜11は、膜表面が荒れた
り、剥離することなく、poly−Si膜5に加工する
ことができる。低水素化することによって、ダングリン
グボンド(未結合手)が増加すると、受光部のa−Si
膜11の光感度が低下するので、低水素であっても膜中
のダングリングボンドの割合は低く抑えておく。また、
レーザアニール時には、a−Si膜11の下層に熱が伝
わるため、下層から水素が脱気して、上層のa−Si膜
11を水素化し、膜表面の荒れや、剥離を引き起こすの
を防ぐため、下層には上述の方法で形成した低水素化し
たSiN膜4を使用した。
【0024】低水素で、ダングリングボンドの割合の低
いa−Si膜11は、以下のように作製した。まず、
2.45GHzのマイクロ波で、水素のプラズマを形成
し、この中に原料ガスとしてモノシランを供給し、モノ
シランをマイクロ波プラズマで分解して、a−Si膜1
1を形成した。前述の水素プラズマが、水素を引き抜く
働きをするため、水素濃度0.5%以上9%以下に低水
素化したa−Si膜が得られた。ここでは水素のプラズ
マを用いたが、アルゴン、フッ素等のプラズマを用いて
も同様の効果が得られた。また、モノシランの分解は、
RFプラズマでも同様に形成できた。
【0025】a−Si膜11の上には、n+−a−Si
膜6を、プラズマCVD法で作製した。さらに、n+−
a−Si膜6の、受光素子1の受光窓部分と、TFT2
のソース・ドレイン間の窓部分をフォトリソグラフィお
よびドライエッチングにより、形成した。さらに低水素
化したa−Si膜とn+−a−Si膜6を、ドライエッ
チングを用いたフォトリソグラフィにより、島状に加工
し、受光素子1部分とTFT2部分とに分離した。その
上に、ソースおよびドレイン電極のCr/Al膜の2層
膜7を、スパッタリング法で、Cr膜、Al膜の順に積
層した。上述のように、TFT2のソース・ドレイン間
の窓部分を、予め、除いていたので、a−Si膜11上
には直接Cr/Al膜の2層膜が、積層された。このよ
うに、a−Si膜上にCr膜を直接、スパッタリング法
で積層する工程を用いたのは、a−Si膜の表面に、高
いエネルギーを持つCr分子を衝突させ、Cr膜とa−
Si膜の界面に、CrとSiの反応生成物の層を形成す
るためである。この反応生成物をレーザーアニールによ
る多結晶化の種結晶として利用する。Cr膜は、スパッ
タリング法以外にも蒸着法等で形成することも可能であ
り、この場合には、形成後に、200度で1時間程度ア
ニールすることにより同様に、反応生成物層を形成する
ことができる。
【0026】次に、Cr/Al膜の2層膜7を、ウエッ
トエッチングを用いたフォトリソグラフィでパターニン
グし、受光素子1の受光窓部分およびTFT2のソース
ドレイン電極間を形成した。Al/Cr2層膜7の、C
r膜は硝酸第2セリウムアンモン水溶液でエッチングし
た。CrとSiの反応生成物は、ウエットエッチングで
は、除去されずa−Si表面に残った。
【0027】前述のa−Si膜のうちTFT2の部分
を、レーザアニール法により加熱して多結晶化した。膜
厚が比較的厚い場合には、波長が780nmと長く、チ
ャネル領域まで入射するArレ−ザが適していた。図4
に示すように、a−Si膜11の表面のCrとSiの反
応生成物が種結晶41となり、低い加熱温度で、容易に
多結晶化した。a−Si膜の表面からSiN膜4の方向
に向かって、結晶は次第に大きく成長し、チャネルが形
成されるpoly−Si膜5とゲ−ト絶縁膜4の界面で
は、結晶粒径の大きい多結晶シリコンとなり、高い移動
度のTFTが形成できた。
【0028】図5に、一般的な結晶の核発生から成長過
程における、核発生時のエネルギ−状態を示す。図5に
示すように、種結晶が予め無い場合には、臨界核半径r
1の核ができないと結晶成長は進まず、結晶核生成のた
めの自由エネルギ−は高くなり、高い温度まで上げる必
要が生じる。この高温により、poly−Si膜5は、
ダメ−ジを発生しやすくなる。一方、予め上記のような
種結晶41を形成しておくと、臨界核半径はr2まで少
なくすることができ、したがって、より低温で核を発生
させ、多結晶化することができる。
【0029】また、受光素子1とTFT2との間隔は狭
いため、TFT2のa−Si膜11のみを加熱するため
に、レーザアニールは、正確な選択性が要求される。さ
らに、製造効率を上げるためには、レ−ザ照射時間は、
短時間であったほうがよい。本実施例では、電極7を形
成した後に、レーザアニールを行なう工程を取ることに
より、電極層7がメタルマスクとして働き、TFT2の
ソース・ドレイン間のa−Si膜部分だけを選択的に、
比較的強いレーザ出力を用いて短時間に、他の部分にダ
メージを与えることなく、加熱することができた。図3
に示すように、一般的に、メタルマスクの反射率
(R1)が、a−Si膜の反射率(R2)より30%以上
高い場合、メタルマスクで覆われている部分がダメージ
を受けず、a−Si膜のみが加熱がされる。反射率
1、R2を測定したところ、a−Si膜の反射率R2
約60%あり、電極層7の上層であるAl膜の反射率R
1は90%以上あり、メタルマスクとして適していた。
ソース・ドレイン電極7が、形状的に、マスクとして使
用できない場合には、この電極をまずマスクとして加工
してレ−ザを照射した後、電極形状に再び加工すれば良
い。
【0030】本実施例では、i−a−Si膜11を有す
る受光素子1と、poly−Si膜5を有するTFT2
を同時に一つの膜構成から作製することができ、製造工
程を減らすことができた。低水素化したSiN膜4およ
びa−Si膜を形成した後、レーザアニール法で、TF
T2のa−Si膜のみを加熱し、poly−Si膜5を
作製する工程を用いたことにより、表面の荒れや膜剥が
れの生じず、高性能なTFT2を作製することができ
た。また、上述した方法で作製した低水素化したa−S
i膜11の、ダングリングボンドは、通常の方法で作製
した場合と、同程度であるため、受光素子1の性能を低
下させることはなかった。さらに、レーザアニールする
前に、TFT2のa−Si膜と電極7の界面に、種結晶
41となるCrとSi反応生成物を作製しているため、
多結晶化を容易に、行なうことができた。種結晶41を
a−Si膜の表面に形成したので、a−Si膜5の表面
部から、ゲ−ト絶縁膜4との界面に向かって結晶化が進
み、チャネルが形成されるゲート絶縁膜4との界面付近
では、結晶粒径の大きい多結晶シリコンとなり、高い移
動度のTFT2が形成できた。
【0031】poly−Si膜5、i−a−Si膜11
の形成は、スパッタリング法や熱CVD法により、ま
ず、水素を含まないa−Si膜を形成し、poly−S
i膜5の部分だけを加熱し、多結晶化させた後に、全体
を活性な水素で内部まで水素化する手法を用いることも
できる。a−Si膜11およびn+−a−Si膜6のパ
ターニングは、ウエットエッチングにより行なうことも
できる。また、Al膜9およびCr/Al膜の2層膜7
のパターニングは、ドライエッチングによって行なうこ
ともできる。
【0032】Cr/Alの2層膜7のソース・ドレイン
間のエッチングに、ドライエッチングやイオンミリング
等のドライプロセスを用いた場合、a−Si膜の表面
を、オーバーエッチングにより、種々の活性種やイオン
で叩くことにより、材料に歪や欠陥を発生させ、この歪
や欠陥を種結晶41の代わりに、結晶核として利用し、
多結晶化を行なうことができる。この場合、CrとSi
反応生成物を形成する必要がないので、n+−a−Si
膜6の、ソースドレイン間の窓部分をエッチングする工
程を省き、Cr/Alの2層膜7を形成し、Cr/Al
の2層膜7とn+−a−Si膜6を連続してドライエッ
チングすることができ、さらに製造効率を上げることが
可能である。
【0033】種結晶41として用いることができる反応
生成物としては、CrとSiの反応生成物の他、プラチ
ナとSiの反応生成物であるプラチナシリサイド、パラ
ジウムとSiの反応生成物であるパラジウムシリサイド
等がある。例えば、ソ−スおよびドレイン電極7とし
て、アルミ合金を用いる場合、合金添加物としてシリコ
ン、パラジウムを用いることができる。このAl−Si
−Pd合金を、200〜300℃でアニ−ルすることに
より、アルミ内に微細なパラジウム化合物が均一に析出
する。ソ−スおよびドレイン間をエッチングで除去した
後も、活性層との界面に析出した反応生成物が残留す
る。Al−Si−Pd合金を電極として用いた場合、レ
ーザーアニールによる多結晶化温度を約200℃下げる
ことができ、低温で良好なポリシリコンを得ることがで
きる。また、合金添加物としてシリコンを添加しないA
l−Pd合金でも、活性層のシリコンを一部吸い挙げる
ことにより、同様の効果がある。Al−1.0%Pd合
金を用いる場合には、スパッタリング法で形成し、リン
酸、酢酸、硝酸の混酸でウエットエッチングすれば良
い。
【0034】また、レ−ザアニールを行なう工程を、i
−a−Si膜11の成膜直後にすることも可能である。
この場合には、種結晶41を生じさせるために、上述し
たような方法で一旦金属膜を成膜した後、エッチングに
より除いても良いし、i−a−Si膜11を、イオンミ
リングやドライエッチングにより叩き、歪や欠陥を発生
させてもよい。
【0035】図6には、図1と同じ並列型の半導体装置
において、TFT2のpoly−Si膜の膜厚を薄くし
た例を示す。他の膜構成、および作製方法は、上述した
ものと同様であるが、受光素子1とTFT2に形成した
膜厚300nmのa−Si膜を、TFT2の部分のみ、
膜厚100nmまで、選択的にエッチングした。このよ
うにTFT2のpolyーSi膜5を薄くすることによ
って、poly−Si膜TFT2のoff電流をさらに
低減することができた。
【0036】(実施例2)本発明の第2の実施例の受光
素子とTFTを有する半導体装置を説明する。膜構成と
膜の機能は、実施例1と同様であるが、図1のブロッキ
ング層およびコンタクト層6として、Cr−Siの反応
生成物層20を使用した。Cr−Siの反応生成物膜2
0は、n+−a−Si膜6と、同程度かそれ以上の導電
率を有するので、ブロッキング層およびコンタクト層と
して使用することができる。
【0037】本実施例の、半導体装置の製造方法を説明
する。Al膜9、低水素化したSiN膜4および低水素
化したa−Si膜を形成した。形成方法は、実施例1と
同じであるので省略する。低水素化したa−Si膜を、
ドライエッチングを用いたフォトリソグラフィにより、
島状に加工し、受光素子1部分とTFT2部分と分離し
た。次に、ソース・ドレイン電極のCr/Alの2層膜
をCr膜、Al膜の順にスパッタリング法により形成し
た。これを230℃で1時間アニールすることにより、
Cr膜とa−Si膜の界面にCrとSi反応生成物層を
形成した。本実施例のCrとSiの反応生成物層は、ア
ニールを行なわなかった実施例1の反応生成物層より、
厚く形成された。次に、ソース・ドレイン電極間の窓部
分をウエットエッチングを用いたフォトリソグラフィに
より形成した。CrとSiの反応生成物層20は、ウエ
ットエッチングでは除去されず、a−Si層の表面に残
った。Arレーザを、TFT2のソース・ドレイン間の
窓部分に照射し、CrとSiの反応生成物を種結晶にし
て、a−Si膜を多結晶化しpoly−Si膜5を形成
した。その後、ドライエッチング法により、ソース・ド
レイン電極間のCrとSiの反応性生物層6を除き、素
子を完成させた。
【0038】上述のCr/Al膜の2層膜7を230℃
で1時間アニールを行なう工程に代わって、レーザーア
ニールを行なっても良い。レーザー光の10%弱程度の
パワーが、Cr/Alの2層膜を通して、a−Si膜に
到達するのでCr/a−Si界面をアニールしたのと同
様の効果がある。
【0039】本実施例では、ソース・ドレイン電極7と
してCr/Alの2層膜を用いたが、Al−Pdまたは
Al−Si−Pdを用いても良い。この場合、電極7/
a−Si界面には、Pd−Si化合物層が形成される。
【0040】(実施例3)図7に、本発明の別の実施例
の受光素子とTFTを有する半導体装置を示す。膜構成
としては、ガラス基板10上に、Al膜3が形成され、
その上に、SiN膜42、さらに、膜厚10〜40nm
の薄いpoly−Si膜13、膜厚200〜500nm
のa−Si膜14を積層して形成されている。その上に
は、ホスフィンをドープしたn+−a−Si膜6、Cr
/Al膜の2層膜7を形成する。
【0041】Al膜9、SiN膜42およびn+−a−
Si膜6の機能は、実施例1と同様であるので説明を省
略する。poly−Si膜13は、TFT2の活性層と
して、a−Si膜14は受光素子1の光電変換層として
機能する。受光素子1のa−Si膜14で発生した光電
流は、TFT2のソース電極から、a−Si膜14を通
りぬけてpoly−Si膜13を流れ、再び、a−Si
膜14を通りぬけて、ドレイン電極9に流れて、ゲート
電極9によりスイッチングされる。受光素子部のpol
y−Si膜13は、遮光層のAl膜9を、接地または負
電圧を印加することにより、暗電流を低く抑えることが
できる。遮光層のAl膜9に印加する電圧は、通常TF
T2のしきい値電圧が、1〜3Vであることを考慮する
と、特に負電圧を印加せず、受光素子1の遮光層のAl
膜9をグラウンドレベルに接続するだけでも暗電流を低
く押さえることができる。
【0042】本実施例の、半導体装置の製造方法を説明
する。ガラス基板10上に、Al膜9をスパッタリング
法により形成し、ウエットエッチングを用いたフォトリ
ソグラフィにより、パターニングした。その上に、Si
N膜42を通常のプラズマCVD法により形成した。次
に、以下のような方法で、poly−Si膜13を形成
した。まず、原料ガスとしてSiHF系ガス、またはモ
ノシランとフッ素または水素を用い、基板上にSi膜を
形成した。次に、この膜を活性な水素またはフッ素プラ
ズマにさらすことによって、膜中の水素、フッ素を除去
するともに、Si−Siの結合距離と結合角のゆらぎを
無くしてpoly−Si膜13を形成した。この方法
は、低温で成膜を行なうことが可能であり、既に形成さ
れているSiN膜42にダメージを与えることなく、形
成することができる。poly−Si膜13は、実施例
1と異なり、選択的に形成する必要がないため、成膜時
から基板全面にpoly−Si膜13を形成し、その
後、連続してa−Si層を形成する。また、工程数は増
加するが、一度薄いa−Si膜を形成後、レ−ザアニー
ルやラピッドサ−マルアニ−ル(RTA)などの方法で
基板全面を急速に800〜1000℃程度まで加熱して
結晶化させても良い。
【0043】この上に、a−Si膜14、n+−a−S
i膜6をプラズマCVD法で形成し、フォトリソグラフ
ィにより島状加工し、受光素子1とTFT2のSi膜1
3、14、6を分離した。その上にCr/Alの2層膜
7をスパッタリング法で形成し、フォトリソグラフィに
より受光窓部分と、ソースドレイン間の窓部分のCr/
Alの2層膜とn+−a−Si膜6を除き、素子を完成
させた。
【0044】図7に示す構造のホトコンダクタ型受光素
子1は、膜厚が厚いほど光電変換の出力が高いため、膜
厚は200〜500nmと比較的厚く方が良い。
【0045】本実施例の密着型イメ−ジセンサは、受光
素子1とTFT2とが、基本的に同一の膜構成であるた
め、従来と比較して、工程数を大幅に低減することがで
きる。例えば、従来の、密着型イメ−ジセンサとして高
速のpoly−SiTFTとa−Si受光素子とを同一
基板上に形成するためには、コプラナ型TFTをホトマ
スク5枚用いて形成後、受光素子形成用にマスクを3枚
用いて形成していた。すなわち、従来の密着型イメ−ジ
センサのプロセスには計8枚のマスクを用いて、フォト
リソグラフィを行なっていた。一方、本発明では、po
ly−Si膜を有するTFT2と受光素子1とを、ホト
マスク4枚だけで作製することができる。従って、高速
型密着型イメ−ジセンサの作製歩留を2倍以上に向上さ
せることができる。また、poly−Si層とa−Si
層とを連続して形成できるため、TFT用と受光素子用
の半導体膜を一度で形成でき、スループットを大幅に向
上させることができる。
【0046】図8に、poly−Si膜13の膜厚を2
0nm、i−a−Si膜14の膜厚を、300nmとし
て形成した場合のTFT2の特性を示す。活性層がpo
ly−Si膜13であるため、移動度μは12cm2
Vsと、通常のa−SiTFTより1ケタ以上高い値が
得られた。また、TFT2の上部を絶縁膜で覆った場合
には、off電流を、さらに2桁程度低くすることがで
きる。
【0047】図9に、a−Si膜14の膜厚を、300
nmとして形成した場合の、受光素子1の光電流Iph
と暗電流Id特性を示す。図9からわかるように、光/
暗電流比は約80である。受光素子1の上部に絶縁膜を
形成した場合、素子表面のリ−ク電流を低減され、さら
に光/暗電流比を、1けた程度高くすることができる。
【0048】図10に、本実施例の積層型TFTと比較
例のTFTの特性を示す。比較例としては、活性層をa
−Si膜のみで形成したa−SiTFTを用い、本実施
例の図7に示す構造の積層型TFT2の特性とを比較し
た。本実施例の基板全面での多数の素子の平均移動度
は、7.0cm2/Vsが得られ、従来のa−SiTF
Tの0.3〜0.4cm2/Vsと比較して、15倍以
上に向上していることがわかる。一方、しきい値電圧お
よびoff電流は、a−SiTFTと同程度となってい
る。本デ−タは、図7に示すように、素子表面に絶縁膜
を設けていない状態での測定値であるため、絶縁膜を素
子表面に設けることによって、off電流を更に3ケタ
程度抑制でき、実際の回路に使用した場合には、全く問
題はなかった。
【0049】以上のように、本実施例に示した図7のよ
うな構造の半導体装置を用いることにより、高い光電変
換特性と高移動度との両立した半導体装置を、従来の半
分以下の短い作製工程で、高い歩留まりで得ることが可
能になった。
【0050】図11は、図7の半導体装置のTFT移動
度を、更に、向上させるために、a−Si膜を、幅の狭
い島状に加工した後で、コンタクト層とソ−ス、ドレイ
ン電極を形成した例である。本素子構造では、ソ−ス・
ドレイン電極7の間を流れる電流が、高抵抗のa−Si
膜14を通らず、直接、活性層のpoly−Si膜13
に流れるため、活性層のpoly−Si膜13の高い電
界効果移動度を、そのまま利用することができる。本構
造のTFT2の電界効果移動度を測定したところ、20
cm2/Vsが得られた。
【0051】図12は、図11の膜構造の半導体装置
の、受光素子1とTFT2のそれぞれの特性を、更に、
最適化するために、受光素子1のa−Si層の膜厚よ
り、TFT2の膜厚を薄く形成した例である。受光素子
1では、光電変換層のa−Si膜の膜厚が厚い程、光/
暗電流比を大きくできる。一方、TFT2では、a−S
i膜14は薄い程、a−Si膜とpoly−Si膜をあ
わせた抵抗が大きくなり、ソース・ドレイン電極間に電
流を流さないoff時に、off電流を小さくできる。
従って、図12に示すように、a−Si膜14を、ま
ず、受光素子1に適するように、厚く形成した後、TF
T2のa−Si膜14だけ選択的にエッチングして、膜
厚を薄くした。図12の構造によって、受光素子におい
て高い光/暗電流比を確保したまま、TFTのoff電
流を低く抑えることができた。
【0052】本実施例では、n+−a−Si層をエッチ
ングする際に、poly−Si膜13とn+−a−Si
膜6とエッチングの選択比が十分取れるように、エッチ
ング条件を選択した場合には、TFT2のa−Si膜1
4が無い構造の半導体装置を作製することができる。
【0053】(実施例4)図13に、本発明の実施例の
TFTを示す。図13に示すように、活性層として、水
素量1%程度のa−Si層111と、通常のa−Si層
112を有する。水素量を1%程度に低く抑えたa−S
i膜111は、Si−Si結合の結合角、または結合距
離のゆらぎが小さく、電子、正孔ともにその移動度が高
い。しかし、成膜とエッチングを繰り返すことによって
膜を形成するため、成膜速度が遅いため、図13のよう
に、水素量1%程度のa−Si膜111と、通常のa−
Si膜112の2層構造にすることにより、高い移動度
のa−SiTFTを、高いスル−プットで形成すること
ができる。図13に示したTFTは、電子移動度が1〜
2cm2/Vs程度まで高くすることが可能であり、こ
のTFTを密着型イメ−ジセンサに用いた場合、走査及
び読み取り回路の構成方法を工夫することによって、4
00dpiの高精細を高速で走査することが可能であ
る。
【0054】(実施例5)図14に、受光素子1の光応
答性を改善した受光素子とTFTを有する半導体装置の
例を示す。図14に示すように、n+−a−Si膜6の
下層に、膜厚5〜50nmのSiN膜141を形成し、
光電変換層として水素量5%以下のa−Si膜11を用
いた。他の膜構成は、図1に示した半導体装置と同様に
した。このSiN膜141は、受光素子1において、2
次光電流の電極からの注入を防止し、プレ−ナ型受光素
子1の応答性を向上する。また、TFT2において、S
iN膜141は、n+−a−Si膜6を、エッチングす
る際に、低水素化poly−Si膜5を保護するパッシ
ベーッション層となる。SiN膜141は、プラズマC
VDにより形成した。
【0055】SiN膜141を用いない場合には、受光
素子1の光応答性は5msecであったが、本実施例の
受光素子1の光応答性は、1msecに高速化すること
ができた。また、本実施例では、水素濃度5%以下のa
−Si膜11を用いたため、高い光電流のままで、光導
電性を2ケタ程度向上させることができ、簡単な読み取
り回路でありながら、高速光応答の半導体装置を得るこ
とができた。
【0056】図14に示したTFT2は、polyーS
i膜5を有しているが、図7に示すような、poly−
Si膜とa−Si膜の積層構造にしても良い。
【0057】本実施例の半導体装置を密着型イメージセ
ンサを用いることにより、1msec/lineの読み
取り速度により、16本/mmの高精細で、A4サイズ
を3secで読み取ることができる。従って、本実施例
の密着型イメ−ジセンサをファクシミリに用いた場合に
は、高速、高精細でありながら、小型なファクシミリを
実現することができる。
【0058】(実施例6)カラ−読み取りできるスキャ
ナやファクシミリのイメ−ジセンサ部に、本発明を適用
した密着型イメージセンサを、応用した場合を述べる。
【0059】それぞれイエロ−、シアン、マゼンダのフ
ィルタを用いた、3本のセンサで同時に一枚の原稿を読
むことで、カラ−原稿を高速で読み取ることができる。
この際、上記実施例の高速のpoly−SiTFTで構
成した走査回路を、基板上に作り込むことによって、セ
ンサ1本の幅を3mm以内に抑えられることから、3本
でも10mm以下に細くすることが可能である。さら
に、作製プロセスに使用するホトマスク数が、実施例3
で述べたように、4枚と少ないために、3本分と素子数
が多くなっても、作製歩留が低下せず、生産効率を大幅
に向上させることができる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、光電変換層に非晶質半
導体層を有する受光素子と、活性層に多結晶半導体層を
有する薄膜トランジスタを、同一基板上に同じ膜構成で
形成可能な半導体装置と、その製造方法を提供すること
ができる。従って、高感度な受光素子と、高速走査可能
な薄膜トランジスタを有する半導体装置を、高い製造高
率で製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に記載した本発明の半導体装置の断面
図。
【図2】実施例1の半導体装置を密着型イメ−ジセンサ
として用いた原稿読み取り装置の読み取り部の断面図。
【図3】レーザアニール時のレーザ光の反射を示す説明
図。
【図4】レーザアニールによるa−Si膜の多結晶化を
示す説明図。
【図5】加熱時の半導体の自由エネルギーを示すグラ
フ。
【図6】実施例1に記載した本発明の半導体装置の別の
例の断面図。
【図7】実施例3に記載した本発明の半導体装置の断面
図。
【図8】実施例3に記載した本発明の半導体装置のTF
T部の特性を示すグラフ。
【図9】実施例3に記載した本発明の半導体装置の受光
素子部の特性を示すグラフ。
【図10】実施例3に記載した本発明の半導体装置のT
FT部の特性を示す説明図。
【図11】実施例3に記載した本発明の半導体装置の別
の例の断面図。
【図12】実施例3に記載した本発明の半導体装置の別
の例の断面図。
【図13】実施例4に記載した本発明の半導体装置の断
面図。
【図14】実施例5に記載した本発明の半導体装置の断
面図。
【符号の説明】
1…受光素子、2……TFT素子、4…低水素化SiN
膜、5…低水素化poly−Si膜、6…n+−a−S
i膜、7…Cr/Alの2層膜、9…Al膜、10…ガ
ラス基板、11…低水素化a−Si膜、13…poly
−Si膜、14…a−Si膜、30…原稿、40…発光
素子、41…種結晶、42…SiN膜、111…低水素
化a−Si膜、112…高水素化a−Si膜、141…
SiN膜、200…絶縁膜、400…保護層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 9056−4M 311 S (72)発明者 阿部 良夫 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 橋本 健一 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 小園 裕三 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 小川 和宏 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 森田 守 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町216番地 株 式会社日立製作所戸塚工場内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光電変換を行なう非晶質半導体層を有する
    受光素子と、多結晶半導体層を有する薄膜トランジスタ
    とを有することを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記受光素子は、さら
    に多結晶半導体層を有し、前記薄膜トランジスタは、さ
    らに非晶質半導体層を有することを特徴とする半導体装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記薄膜トランジスタ
    の多結晶半導体層は、一部に非晶質半導体層を有するこ
    とを特徴とする半導体装置。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3において、前記薄膜
    トランジスタはソースとドレインを有し、前記ソースと
    ドレインは、金属と前記薄膜トランジスタの半導体層と
    の反応生成物層を有することを特徴とする半導体装置。
  5. 【請求項5】請求項1、3または4において、前記薄膜
    トランジスタの多結晶半導体層は、前記薄膜トランジス
    タの他の半導体層と比較して、相対的に低水素濃度であ
    ることを特徴とする半導体装置。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記薄膜トランジスタ
    の多結晶半導体層は、下層に低水素化した絶縁層を有す
    ることを特徴とする半導体装置。
  7. 【請求項7】請求項5または6において、前記多結晶半
    導体層は、水素量0.5%以上9%以下の半導体層であ
    ることを特徴とする半導体装置。
  8. 【請求項8】請求項6または7において、前記低水素化
    した絶縁膜は、水素量1×1022/cm3以下であるこ
    とを特徴とする半導体装置。
  9. 【請求項9】請求項1、3、4、5、6、7または8に
    おいて、前記薄膜トランジスタの前記多結晶半導体層
    は、基板に近い側ほど相対的に大きい結晶粒径を有する
    ことを特徴とする半導体装置。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記薄膜トランジス
    タの多結晶半導体層は、表面に金属と前記薄膜トランジ
    スタの半導体との反応生成物を有することを特徴とする
    半導体装置。
  11. 【請求項11】請求項4または10において、前記薄膜
    トランジスタは電極を有し、前記反応生成物は前記電極
    を構成する金属と前記半導体との反応生成物であること
    を特徴とする半導体装置。
  12. 【請求項12】少なくとも1以上の非晶質半導体層を有
    する薄膜トランジスタにおいて、前記非晶質半導体層
    は、水素濃度2%以下の非晶質半導体層を有することを
    特徴とする薄膜トランジスタ。
  13. 【請求項13】基板と、前記基板上に形成された、光電
    変換を行なう半導体層と、電極と、前記光電変換を行な
    う半導体層と電極の接触を取るコンタクト層とを有する
    半導体装置において、前記光電変換を行なう半導体層と
    前記コンタクト層の間に絶縁層を設けたことを特徴とす
    る半導体装置。
  14. 【請求項14】非晶質半導体層上に、前記非晶質半導体
    の反射率より相対的に反射率が高い高反射率部を形成
    し、レーザ光を前記非晶質半導体上に均一に照射するこ
    とにより、前記高反射部が形成されていない半導体薄層
    を選択的に結晶化させることを特徴とする半導体装置の
    製造方法。
  15. 【請求項15】半導体層上に、金属膜をスパッタリング
    法で形成することにより、前記半導体と金属膜の界面に
    金属と半導体の反応生成物層を形成することを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】半導体層上に、金属膜を形成した後、前
    記半導体層と前記金属膜を熱処理することにより、前記
    半導体層と前記金属膜の界面に、金属と半導体の反応生
    成物層を形成することを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  17. 【請求項17】原稿を読み取る半導体層を有する受光素
    子と、前記受光素子の出力信号を処理する半導体層を有
    する薄膜トランジスタとを有するイメージスキャナにお
    いて、前記受光素子の半導体層は、非晶質半導体層を有
    し、前記薄膜トランジスタの半導体層は、多結晶半導体
    層を有することを特徴とするイメージスキャナ。
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