JPH0624274U - シングルレバー式混合水栓 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】可動板の流路に嵌合したガイドと連繋したレバ
ーの下方への傾動操作で吐水を開始するシングルレバー
式混合水栓に於いて、固定板と可動板の摺接面に潤滑剤
を塗布しなくても軽快にレバーを操作することができる
ようにする。 【構成】固定板１及び可動板５のいづれか一方又は両方
をセラミックスと比較して潤滑性のすぐれた樹脂により
形成することで、潤滑剤を塗布しなくてもレバーを軽快
に操作することができるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、混合水の流量及び混合比率を単一のレバーで調節することのできる シングルレバー式混合水栓の操作性の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般にシングルレバー式混合水栓は本体内部に収容されたセラミックス製の可 動板が同じくセラミックス製の固定板に対してあらゆる方向に摺動できるように 重ね合わされていて、可動板と連繋したレバーを上下に操作することで吐水、止 水を行ない、左右に操作することで混合水の温度を調節するものであるが、レバ ーを止水位置から下に向けることで吐水を行なうタイプのものと、レバーを止水 位置から上に向けることで吐水を行なうタイプのものがあり、２つの混合水栓は 吐水、止水の操作方向が逆である。通常普及しているのはレバーを止水位置から 下に向けることで吐水を行なうタイプのものであるが、このようなシングルレバ ー式混合水栓として特公平１−１５７４５号公報の第２図、第５図及び第７図（ 本願図面の図７乃至図９）のものがある。上記図７乃至図９に就いて簡単に説明 すると、可動板５１は本体軸と偏心して上端が開放する空洞部５２を形成すると ともに、該空洞部５２の底面には混合水用弁孔５３と劣弧状の湯水用弁孔５４を 開設し、空洞部５２に流路５５を残して嵌め合わせたバルブガイド５６の上端面 に凹設した凹部５７内にレバー５８と連繋したレバーガイド５９が係合しており 、レバー５８を中央の位置から下方に押し下げると図８に示すように固定板６０ の水、湯流入用弁孔６１，６２の水及び湯が可動板５１の流路５５内に流入し、 混合水用弁孔５３を通って吐出管６３から混合水を吐出し、レバー５８を左に最 大量旋回させると、図９のように固定板６０の湯流入用弁孔６２のみが可動板５ １の湯水用弁孔５４に整合し、かつ水流入用弁孔６１は可動板５１の底壁５１ａ で密閉されて湯のみが吐出管６３から供給されるものである。

【０００３】 上記のものにあっては、充分な流量を確保するために可動板の全高を高くし、 レバーにより可動板を移動させるための支点となる凹部が可動板の空洞部に嵌め 合わせたバルブガイドに設けられているため、可動板と固定板の摺接面からかな り離れた位置を支点として可動板を移動させなければならず、材質が硬く自己潤 滑性のないセラミックス製の固定板及び可動板では摺動抵抗が大きくレバーが円 滑に作動しない。そのため固定板と可動板の間に潤滑剤を塗布する必要があるが 、長期間の使用により潤滑剤が流出したり消耗した場合、再びレバーの操作が重 くなるため潤滑剤を補給しなければならなかった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、可動板の流路に嵌合したガイドと連繋した レバーの下方への傾動操作で吐水を開始するシングルレバー式混合水栓に於いて 、固定板と可動板の摺接面に潤滑剤を塗布しなくても軽快にレバーを操作するこ とができるシングルレバー式混合水栓を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、給水孔、給湯孔及び吐出孔を備えた固定板と、該固定板側に開口し た流路を内部に形成した可動板とを摺り合せ状に向い合せて内装し、前記流路に 嵌合したガイドと連繋したレバーの下方への傾動操作で吐水を開始し、上方への 傾動操作で吐水を停止し、左右へ回動することで温度を調節するシングルレバー 式混合水栓に於いて、前記固定板及び可動板のいづれか一方又は両方を樹脂によ り形成したものである。

【０００６】

【作用】

固定板及び可動板のいづれか一方又は両方をセラミックスの代わりに潤滑性の すぐれた樹脂により形成することで、レバーにより可動板を移動させるための支 点が可動板の流路に嵌合したガイドにあるシングルレバー式混合水栓に於いて、 摺接面に潤滑剤を塗布しなくてもレバーを円滑に操作することができる。

【０００７】

【実施例】 以下、本考案の実施例を図に基づいて詳細に説明する。この実施例は、図１及 び図２に示すように混合水栓の本体Ａ内部に収容される固定板１は、円板形を呈 して、両面に貫通する給水孔２、給湯孔３及び吐出孔４を備え、その給水孔２は 給水源に通じる給水管１２に、給湯孔３は給湯源に通じる給湯管（図示省略）に 、吐出孔４は吐出管１１にそれぞれ連通するように対応させてある。

【０００８】 別に設けた同じく円板形の可動板５は、前記固定板１と比較してひと回り外径 が小さく、全高を高く形成し、固定板１と向き合って摺動させることで前記給水 孔２又は給湯孔３のどちらか一方或いは両方と連通して水、湯を前記吐出孔４へ 連通させる流路６を両面に貫通して形成している。

【０００９】 前記固定板１及び可動板５の材質として、セラミックスと比較して自己潤滑性 を備え摺動特性の優れた樹脂により形成する。なお、固定板１又は可動板５のう ち、どちらか一方は従来通りセラミックス製としても良好な摺動特性を得ること ができる。

【００１０】 前記可動板５の流路６には上部からパッキン８を介してガイド７が嵌合して配 置され、該ガイド７の上端面に凹設した凹部９にレバー１０と連繋した把手軸１ ０ａの下端が嵌入し、レバー１０の左右回動方向及び上下方向への操作によって 前記ガイド７の凹部９を支点として可動板５が固定板１上を摺動することによっ て吐出管１１から供給される混合水の温度及び流量を調節する。

【００１１】 いま、図１に示す混合水栓の状態では、湯水とも止水された状態で、その固定 板１と可動板５の弁開閉の位置関係は図３に示すように給水孔２及び給湯孔３が 可動板５によって閉塞されている。この状態からレバー１０を図１に示す矢印Ｐ 方向へ操作すると、固定板１と可動板５の位置関係は図４に示すように、可動板 ５の流路６が固定板１の給水孔２及び給湯孔３の双方の一部を開口連通して湯と 水の同量を供給し、この給水孔２及び給湯孔３から供給される湯水は、流路６と 通じる吐出孔４を経て吐出管１１から外部へ放出される。この状態のままレバー １０を右方向へ回転操作すると、固定板１と可動板５との位置関係は、図５に示 すように可動板５の流路６は固定板１の給水孔２のみと連通し、冷水のみを吐出 管１１から放出する。次にレバー１０を左方向へ回転操作することによって、固 定板１と可動板５との位置関係を、図６に示すように可動板５の流路６は、固定 板１の給湯孔３のみと連通して熱湯の供給を行なう。

【００１２】

【考案の効果】

この考案は、上記の構成であるから、次の利点を有する。 （１）可動板の流路に嵌合したガイドと連繋したレバーの下方への傾動操作で吐 水を開始し、上方への傾動操作で吐水を停止し、左右へ回動することで温度を調 節するシングルレバー式混合水栓に於いて、前記固定板及び可動板のいづれか一 方又は両方を樹脂により形成したので、レバーにより可動板を移動させるための 支点が、可動板と固定板の摺接面よりもかなり離れた位置であるガイドにあって も、可動板を樹脂のもつ自己潤滑性により軽快に作動させることができる。 （２）固定板及び可動板のいづれか一方又は両方を樹脂により形成したので、両 板の摺接面に潤滑剤を塗布しなくても軽快なレバー操作を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案シングルレバー式混合水栓の一部破断した
平断面図である。

【図２】固定板及び可動板の斜視図である。

【図３】固定板と可動板の対応位置関係を示す説明図
で、湯水止水時である。

【図４】固定板と可動板の対応位置関係を示す説明図
で、湯水全開吐水時である。

【図５】固定板と可動板の対応位置関係を示す説明図
で、水のみ全開時である。

【図６】固定板と可動板の対応位置関係を示す説明図
で、湯のみ全開時である。

【図７】従来のシングルレバー式混合水栓の側断面図で
ある。

【図８】図７に於ける混合水栓の湯水全開吐水時であ
る。

【図９】図７に於ける混合水栓の湯のみ全開時である。

【符号の説明】

１．固定板 ２．給水孔 ３．給湯孔 ４．吐出孔 ５．可動板 ６．流路 ７．ガイド １０．レバー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】給水孔、給湯孔及び吐出孔を備えた固定板
   と、該固定板側に開口した流路を内部に形成した可動板
   とを摺り合わせ状に向い合せて内装し、前記流路に嵌合
   したガイドと連繋したレバーの下方への傾動操作で吐水
   を開始し、上方への傾動操作で吐水を停止し、左右へ回
   動することで温度を調節するシングルレバー式混合水栓
   に於いて、前記固定板及び可動板のいづれか一方又は両
   方を樹脂により形成したことを特徴とするシングルレバ
   ー式混合水栓。