JPH06241777A - 原子間力顕微鏡用カンチレバー、その製造方法、このカンチレバーを用いた原子間力顕微鏡及びこのカンチレバーを用いた試料表面密着性評価方法 - Google Patents

原子間力顕微鏡用カンチレバー、その製造方法、このカンチレバーを用いた原子間力顕微鏡及びこのカンチレバーを用いた試料表面密着性評価方法

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JPH06241777A
JPH06241777A JP5026841A JP2684193A JPH06241777A JP H06241777 A JPH06241777 A JP H06241777A JP 5026841 A JP5026841 A JP 5026841A JP 2684193 A JP2684193 A JP 2684193A JP H06241777 A JPH06241777 A JP H06241777A
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probe
film
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JP5026841A
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English (en)
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Takao Yasue
孝夫 安江
Sunao Nishioka
直 西岡
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01QSCANNING-PROBE TECHNIQUES OR APPARATUS; APPLICATIONS OF SCANNING-PROBE TECHNIQUES, e.g. SCANNING PROBE MICROSCOPY [SPM]
    • G01Q60/00Particular types of SPM [Scanning Probe Microscopy] or microscopes; Essential components thereof
    • G01Q60/24AFM [Atomic Force Microscopy] or apparatus therefor, e.g. AFM probes
    • G01Q60/38Probes, their manufacture, or their related instrumentation, e.g. holders
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y35/00Methods or apparatus for measurement or analysis of nanostructures
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S977/00Nanotechnology
    • Y10S977/84Manufacture, treatment, or detection of nanostructure
    • Y10S977/849Manufacture, treatment, or detection of nanostructure with scanning probe
    • Y10S977/86Scanning probe structure
    • Y10S977/875Scanning probe structure with tip detail
    • Y10S977/879Material

Abstract

(57)【要約】 【目的】 この発明は、二物質表面間の密着性を定量的
に評価することを目的とする。 【構成】 原子間力顕微鏡のカンチレバーの探針12の
表面を所望の膜、例えばレジスト膜11bで形成し、こ
の探針12と試料との間に作用する原子間力を測定し、
この原子間力に基づいて探針12の表面に形成された膜
11bと試料表面との間の密着性を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、原子間力顕微鏡に用
いられるカンチレバーに関する。また、この発明は、カ
ンチレバーの製造方法、カンチレバーを用いた原子間力
顕微鏡及び試料表面密着性評価方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばシリコン基板上にレジスト
膜を形成したときのレジスト膜の密着性は、形成された
レジスト膜を試験機等により引っ掻いてレジスト膜の破
れあるいはすり傷を目視で観察することにより評価され
ていた。あるいは、ナイフでレジスト膜を貫通する切り
傷をつけた後にその表面に粘着テープを一旦張り付けて
引きはがし、このとき粘着テープと共にレジスト膜がど
の程度はがれるかを目視で観察することにより密着性を
評価していた。
【0003】このように、従来は目視検査により試料表
面とその上に形成された膜との密着性を評価していたの
で、定量的な評価を行うことができなかった。このた
め、何等かの方法で密着性を定量的に評価することが望
まれていた。
【0004】一方、カンチレバー上に設けた探針を試料
表面に接近させたときに探針の電子雲と試料表面原子の
電子雲との重なり合いにより生じる原子間力を利用し
て、原子間力によるカンチレバーの反りが一定になるよ
うに試料の位置を制御しながら試料面上を原子的な精度
で走査し、この制御量から試料表面の凹凸画像を描き出
す原子間力顕微鏡が知られている。
【0005】従来の一般的な原子間力顕微鏡は図17に
示す如きカンチレバーを備えている。このカンチレバー
は、2mm×5mm程度の大きさのガラス基板3の一端
に固定されたV字形の平面形状を有するカンチレバー本
体1を備えており、このカンチレバー本体1の先端部に
探針2が形成されている。例えば、カンチレバー本体1
及び探針2は共に窒化ケイ素から形成されており、長さ
100μm、厚さ0.7μmのカンチレバー本体1の先
端部に底辺5μmの角錐状の探針2が形成される。な
お、このカンチレバーのバネ定数は0.58N/m、共
振周波数は77kHzである。
【0006】このようなカンチレバーの製造方法を図1
8に示す。まず、図18(a)に示されるように(10
0)シリコン基板4の表面上にレジスト5を塗布し、図
18(b)に示されるようにこのレジスト5の一部を矩
形状にパターニングする。次に、図18(c)に示され
るように、レジスト5をマスクとしてシリコン基板4を
ウエット処理することにより、シリコン基板4を(11
1)方向に選択エッチングし、エッチピット4aを形成
する。その後、図18(d)に示されるようにレジスト
5を除去し、図18(e)のようにシリコン基板4の表
面全面に窒化ケイ素膜1aを形成する。
【0007】さらに、図18(f)に示されるように、
窒化ケイ素膜1aの上にガラス板3aを接着する。窒化
ケイ素膜1aを臨むガラス板3aの表面は予めソー・カ
ット部分3bによって二分されており、シリコン基板4
のエッチピット4aの上に位置するガラス板3aの表面
部分には窒化ケイ素膜1aとの離型を目的としたクロム
コート膜3cが形成されている。次に、図18(g)に
示されるようにガラス板3aのソー・カット部分3bの
裏側部分をソー・カットしてガラス板3aを部分3dと
3eとに二分した後、図18(h)に示されるようにエ
ッチピット4aの上にあるガラス板3eを除去する。さ
らに、シリコン基板4を除去することにより、図18
(i)に示されるカンチレバーが形成される。
【0008】図19を参照して原子間力顕微鏡の動作に
ついて説明する。原子間力顕微鏡に於いては、カンチレ
バー先端部の探針2と試料8との間に、探針2の表面原
子の電子雲と試料表面原子の電子雲との重なり合いによ
り生じる原子間の斥力が作用して、カンチレバーが反
る。レーザ発振器6から発せられたレーザ光6aはレン
ズ10を介してカンチレバーのカンチレバー本体1先端
部の上面に収束されてここで反射し、反射光がフォトデ
ィテクタ7に入射する。カンチレバーが反ると、フォト
ディテクタ7上の反射光の入射位置が変化するので、反
射光の入射位置からカンチレバーの微小な“反り”が感
知でき、フォトディテクタ7上の反射光の入射位置が一
定となるようにピエゾ素子9をZ方向にフィードバック
動作させつつ、ピエゾ素子9をXY方向にも同時に走査
させる。このときピエゾ素子9に印加したXYZ方向に
関する各電圧を用いることにより、ディスプレイ上に試
料8の表面の凹凸像を出力することができる。
【0009】このような原子間力顕微鏡においては、探
針2が試料8等に接触してもその先端部が損傷を受けに
くいように、探針2の材料として強度の優れた物質が選
択され、上述したように従来は窒化ケイ素が用いられて
いた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】先に述べた通り、従来
は、試料表面上に形成された膜に傷を付けたり、あるい
は試料表面上の膜を故意に引きはがして膜を破壊し、そ
の破壊の程度を目視で検査することによって試料表面の
密着性を評価していた。このため、密着性を定量的に評
価することができず、また密着性の評価を行うことによ
り既に成膜された試料表面が破壊されてしまうという問
題点があった。
【0011】この発明はこのような問題点を解消するた
めになされたもので、原子間力顕微鏡においては探針と
試料表面との間に作用する原子間力を測定することがで
きることに着目し、試料表面とその上に形成される物質
との密着性がその物質と試料表面との間に作用する原子
間力に関係することを見い出し、原子間力を測定するこ
とにより試料表面とその上に形成される物質との密着性
を定量的に評価しようとするものである。
【0012】しかしながら、原子間力顕微鏡を用いて探
針を形成する物質M1と試料表面を形成する物質M2と
の間の原子間力を検出し、その原子間力により物質M1
とM2とを密着させたときの密着性を評価しようとする
場合、従来は強度の面から探針を形成する物質M1が窒
化ケイ素に限定されていたために、窒化ケイ素と物質M
2との間の原子間力しか測定することができなかった。
【0013】一方、例えば、半導体集積回路装置を製造
する際には、半導体基板の表面上に窒化膜の他、酸化
膜、ポリシリコン膜及びアルミニウム膜等の各種の膜を
密着形成したり、これらの膜を互いに積層形成する必要
がある。さらに、各膜をパターニングするためにホトリ
ソグラフィ工程においては、これら各種の膜の上にレジ
ストパターンが形成されることがある。このため、窒化
ケイ素と他の物質との間の密着性だけではなく、窒化ケ
イ素以外の二つの物質を互いに密着形成した場合の密着
性をも評価する必要があった。上述したように従来の原
子間力顕微鏡では、窒化ケイ素と他の物質M2との間の
原子間力しか測定することができないため、この従来の
原子間力顕微鏡を応用して窒化ケイ素以外の二つの物質
を互いに密着形成する場合の密着性の評価を行うことは
不可能であった。
【0014】この発明は、以上のような点に鑑み、試料
表面上に形成しようとする物質で探針の表面を形成する
ことにより、この物質と試料表面との間の密着性を、試
料表面を破壊することなく且つ定量的に評価することが
できる原子間力顕微鏡及び試料表面密着性評価方法を提
供することを目的としている。また、この発明は、この
ような原子間力顕微鏡に用いられるカンチレバーとその
製造方法を提供することも目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る原子間力
顕微鏡用カンチレバーは、探針と、前記探針を支持する
と共に前記探針と試料との間に作用する原子間力に応じ
て湾曲するカンチレバー本体とを備え、少なくとも前記
探針の表面がレジスト膜から形成されたものである。
【0016】請求項2に係る原子間力顕微鏡用カンチレ
バーは、探針と、前記探針を支持すると共に前記探針と
試料との間に作用する原子間力に応じて湾曲するカンチ
レバー本体とを備え、少なくとも前記探針の表面がスパ
ッタ膜から形成されたものである。
【0017】請求項3に係る原子間力顕微鏡用カンチレ
バーの製造方法は、シリコン基板の表面を選択性エッチ
ングすることによりここにエッチピットを形成し、少な
くともシリコン基板のエッチピット部分の上にレジスト
膜を形成し、レジスト膜の表面上に窒化膜を形成し、エ
ッチピット部分を除く所定箇所の窒化膜上にガラス基板
を形成し、シリコン基板を除去する方法である。
【0018】請求項4に係る原子間力顕微鏡用カンチレ
バーの製造方法は、シリコン基板の表面を選択性エッチ
ングすることによりここにエッチピットを形成し、エッ
チピット部分を含むシリコン基板の表面上に窒化膜を形
成し、エッチピット部分を除く所定箇所の窒化膜の表面
上にガラス基板を形成し、シリコン基板を除去し、少な
くともエッチピット部分を含む窒化膜の裏面上にスパッ
タ膜を形成する方法である。
【0019】請求項5に係る原子間力顕微鏡用カンチレ
バーの製造方法は、シリコン基板の表面を選択性エッチ
ングすることによりここにエッチピットを形成し、シリ
コン基板のエッチピット内をレジスト膜で埋設し、エッ
チピット部分を含むシリコン基板の表面上に窒化膜を形
成し、エッチピット部分を除く所定箇所の窒化膜上にガ
ラス基板を形成し、シリコン基板を除去する方法であ
る。
【0020】請求項6に係る原子間力顕微鏡用カンチレ
バーの製造方法は、シリコン基板の表面を選択性エッチ
ングすることによりここにエッチピットを形成し、シリ
コン基板のエッチピット内にスパッタ膜を形成し、スパ
ッタ膜上にレジスト膜を形成することによりエッチピッ
ト内を埋設し、エッチピット部分を含むシリコン基板の
表面上に窒化膜を形成し、エッチピット部分を除く所定
箇所の窒化膜上にガラス基板を形成し、シリコン基板を
除去する方法である。
【0021】請求項7に係る原子間力顕微鏡は、試料を
支持するピエゾ素子と、表面が所望の膜から形成された
探針とこの探針を支持し且つ探針と試料との間に作用す
る原子間力に応じて湾曲するカンチレバー本体とを有す
ると共に前記ピエゾ素子に支持された試料に近接して設
けられるカンチレバーと、前記カンチレバーのカンチレ
バー本体にレーザ光を照射するレーザ発振器と、前記カ
ンチレバーのカンチレバー本体で反射したレーザ光を検
出するフォトディテクタと、前記ピエゾ素子に電圧を印
加して試料を移動させると共に前記フォトディテクタの
出力から前記カンチレバーの探針と試料との間に作用す
る原子間力を測定する制御部とを備えたものである。
【0022】請求項8に係る試料表面密着性評価方法
は、カンチレバーのカンチレバー本体に支持され且つ表
面が所望の膜から形成された探針を試料に接近させ、カ
ンチレバー本体にレーザ光を照射し、カンチレバー本体
で反射したレーザ光を検出することにより探針と試料と
の間に作用する原子間力を測定し、測定された原子間力
から探針の表面に形成された所望の膜と試料表面との間
の密着性を評価する方法である。
【0023】
【作用】請求項1に係る原子間力顕微鏡用カンチレバー
に於いては、少なくとも探針の表面がレジスト膜から形
成されたものであるので、レジスト膜を試料表面上に形
成したときの密着性の評価ができる。
【0024】請求項2に係る原子間力顕微鏡用カンチレ
バーは、少なくとも探針の表面がスパッタ膜から形成さ
れたものであるので、スパッタ膜を試料表面上に形成し
たときの密着性の評価ができる。
【0025】請求項3に係る原子間力顕微鏡用カンチレ
バーの製造方法は、シリコン基板のエッチピット部分の
上にレジスト膜を形成し、レジスト膜の表面上に窒化膜
を形成し、エッチピット部分を除く所定箇所の窒化膜上
にガラス基板を形成し、シリコン基板を除去する方法で
あるので、探針の表面がレジスト膜から形成されたカン
チレバーが製造できる。
【0026】請求項4に係る原子間力顕微鏡用カンチレ
バーの製造方法は、エッチピット部分を含むシリコン基
板の表面上に窒化膜を形成し、エッチピット部分を除く
所定箇所の窒化膜の表面上にガラス基板を形成し、シリ
コン基板を除去し、少なくともエッチピット部分を含む
窒化膜の裏面上にスパッタ膜を形成する方法であるの
で、探針の表面がスパッタ膜から形成されたカンチレバ
ーが製造できる。
【0027】請求項5に係る原子間力顕微鏡用カンチレ
バーの製造方法は、シリコン基板のエッチピット内をレ
ジスト膜で埋設し、エッチピット部分を含むシリコン基
板の表面上に窒化膜を形成し、エッチピット部分を除く
所定箇所の窒化膜上にガラス基板を形成し、シリコン基
板を除去する方法であるので、探針表面がレジスト膜で
形成されたカンチレバーが得られる。
【0028】請求項6に係る原子間力顕微鏡用カンチレ
バーの製造方法は、シリコン基板のエッチピット内にス
パッタ膜を形成し、スパッタ膜上にレジスト膜を形成す
ることによりエッチピット内を埋設し、エッチピット部
分を含むシリコン基板の表面上に窒化膜を形成し、エッ
チピット部分を除く所定箇所の窒化膜上にガラス基板を
形成し、シリコン基板を除去する方法であるので、探針
表面がスパッタ膜で形成されたカンチレバーが得られ
る。
【0029】請求項7に係る原子間力顕微鏡は、探針の
表面が所望の膜から形成されているので、所望の二つの
物質間の原子間力を測定し、この原子間力から試料表面
の密着性を評価することができる。
【0030】請求項8に係る試料表面密着性評価方法
は、カンチレバー本体に支持され且つ表面が所望の膜か
ら形成された探針を試料に接近させ、探針と試料との間
に作用する原子間力を測定し、測定された原子間力から
探針の表面に形成された所望の膜と試料表面との間の密
着性を評価する方法である。
【0031】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。 実施例1.図1はこの発明の実施例1に係る原子間力顕
微鏡用カンチレバーを示す。2×5mm程度の矩形状の
ガラス基板13の一端に長さ100μmのV字形の平面
形状を有するカンチレバー本体11が固定されており、
このカンチレバー本体11の先端部に底辺5μmの角錐
状の探針12が形成されている。カンチレバー本体11
及び探針12は、それぞれ厚さ0.7μmの窒化ケイ素
(Si34)膜11aとレジスト膜11bとの二層膜か
らなっている。
【0032】このようなカンチレバーの製造方法を図2
に示す。まず、図2(a)に示されるように(100)
シリコン基板14の表面上にレジスト15を塗布し、図
2(b)に示されるようにこのレジスト15の一部を矩
形状にパターニングする。次に、図2(c)に示される
ように、レジスト15をマスクとしてシリコン基板14
をウエット処理することにより、シリコン基板14を
(111)方向に選択エッチングし、エッチピット14
aを形成する。その後、図2(d)に示されるようにレ
ジスト15を除去し、図2(e)のようにシリコン基板
14の表面全面にレジスト膜11bを塗布した後、レジ
スト膜11bの上に窒化ケイ素膜11aを形成する。
【0033】さらに、図2(f)に示されるように、窒
化ケイ素膜11aの上にガラス板13aを接着する。窒
化ケイ素膜11aを臨むガラス板13aの表面は予めソ
ー・カット部分13bによって二分されており、シリコ
ン基板14のエッチピット14aの上に位置するガラス
板13aの表面部分には窒化ケイ素膜11aとの離型を
目的としたクロムコート膜13cが形成されている。次
に、図2(g)に示されるようにガラス板13aのソー
・カット部分13bの裏側部分をソー・カットしてガラ
ス板13aを部分13dと13eとに二分した後、図2
(h)に示されるようにエッチピット14aの上にある
ガラス板13eを除去する。さらに、シリコン基板14
を除去することにより、図2(i)に示されるカンチレ
バーが形成される。
【0034】図3はこの発明に係る原子間力顕微鏡を示
すブロック図である。レーザ発振器16の下方にレンズ
20を介して図1に示されたカンチレバーのカンチレバ
ー本体11が配置され、カンチレバーの直下にピエゾ素
子19が配置されている。カンチレバーの上方にはフォ
トディテクタ17が配置され、このフォトディテクタ1
7にピエゾ素子19をXYZ方向に走査するための制御
部21が接続されている。さらに、ディスプレイ22が
制御部21に接続されている。
【0035】次に、図3の原子間力顕微鏡の動作につい
て説明する。ピエゾ素子19の上に試料18を載置して
レーザ発振器16からレーザ光16aを発振させると、
レーザ光16aはレンズ20を介してカンチレバーのカ
ンチレバー本体11先端部の上面に収束されてここで反
射し、反射光がフォトディテクタ17に入射する。カン
チレバー先端部の探針12と試料18との間に作用する
原子間力によってカンチレバーが微小に反ると、フォト
ディテクタ17上への反射光の入射位置がずれることに
なる。
【0036】この発明に於いては、原子間力顕微鏡は、
試料18の表面の凹凸画像を得るのではなく、探針12
と試料18との間の原子間力に基づいてその間の密着性
を評価するのに用いられる。ピエゾ素子19をZ方向に
変化させて試料18のZ方向変位量に対するカンチレバ
ーの反り量を測定することにより試料18とカンチレバ
ーのレジスト膜11bとの間の密着性を次のようにして
定量的に求めることができる。
【0037】まず、カンチレバーの反り量は、カンチレ
バー本体11にレーザ光16aを照射したときのフォト
ディテクタ17上への反射光の入射位置により測定され
る。フォトディテクタ17の出力電圧をVd、任意の設
定電圧をVsとし、ピエゾ素子19をZ方向に移動させ
るための図示しないステッピングモータを用いて試料1
8をカンチレバーの探針12に近付ける。試料18がカ
ンチレバー本体11の探針12に近接したところで、制
御部21からピエゾ素子19に電圧を印加し、ピエゾ素
子19をZ方向に移動させて試料18と探針12とをさ
らに近付ける。試料18と探針12との間に原子間力が
作用してカンチレバー本体11が反り、これによりフォ
トディテクタ17上の反射光の入射位置が移動すると、
フォトディテクタ17の出力電圧Vdが変化する。この
出力電圧Vdと設定電圧Vsとの和で表されるずれ電圧
が0となったとき、制御部21内のフィードバック回路
をオンしてずれ電圧が0を維持するようにピエゾ素子1
9に印加する電圧を制御する。このフィードバック位置
におけるピエゾ素子19へのZ方向印加電圧をVzとす
る。
【0038】フィードバック回路をオフした後、電圧V
cを中心として±160Vの三角波電圧をピエゾ素子1
9にさらに印加し、試料18をZ方向に上下させる。こ
のときの試料18のZ方向変位量に対するカンチレバー
本体11の反り量をフォトディテクタ17の出力電圧値
から読み取る。ここで、ピエゾ素子19のZ方向の印加
電圧Vzとずれ電圧Vd+Vsとの関係をグラフ化する
と図4のようになる。その後、フィードバック回路をオ
ンして初めの位置まで試料18をZ方向に移動させる。
【0039】ここで、図4のグラフの各点A〜Gにおけ
るカンチレバー本体11上の探針12と試料18の表面
との関係をそれぞれ図5(a)〜(g)に示す。図4に
おいて、縦軸はずれ電圧Vd+Vs、すなわちカンチレ
バーと試料18の表面との間に作用する力を表し、この
縦軸方向のある位置で力F=0となる。F=0より縦軸
方向+側の領域では反発力、−側の領域では引力が作用
し、F=0を示す直線から離れるほどその力は大きくな
る。一方、横軸はピエゾ素子19のZ方向の印加電圧V
z、すなわち試料18のZ方向位置を示し、図4の左方
向に向かうほど試料18とカンチレバー本体の探針12
とが接近する。
【0040】まず、F=0の直線上の点Aでは図5
(a)に示されるようにカンチレバーと試料18との間
に力は作用しない。ピエゾ素子19への印加電圧Vzを
次第に増して試料18をカンチレバーに接近させると、
試料18の表面上の水分等の汚染物の層である、いわゆ
るコンタミ層18aに吸着されて図4の点Bでカンチレ
バーに急激に引力が作用し、図5(b)のようにカンチ
レバーの探針12は試料18に最接近する。さらに試料
18をZ方向に上昇させると、カンチレバーの探針12
と試料18との間に作用していた引力が小さくなって点
CでF=0となり、その後これらの間に反発力が作用す
る。すなわち、点Cで図5(c)のようにカンチレバー
本体11の反りがなくなり、点Dでは図5(d)のよう
にカンチレバー本体11は探針12を試料18から遠ざ
ける向きに湾曲する。
【0041】この状態から今度はピエゾ素子19への印
加電圧Vzを次第に減じて試料18をカンチレバーから
遠ざけていくと、反発力は次第に小さくなって点EでF
=0となり、図5(e)のようにカンチレバー本体11
の反りがなくなる。さらに試料18をカンチレバー本体
11上の探針12から遠ざけると、これらの間に引力が
作用する。引力はますます大きくなり、図5(f)のよ
うにカンチレバー本体11は試料18に向かって反る
が、点Fに至ると急激に引力領域から点Gにジャンプし
て図5(g)のようにカンチレバー本体11の探針12
が試料18のコンタミ層18aから離れ、カンチレバー
本体11は略々反りのない直線状の状態となる。
【0042】このとき、図4の点Eから点Fに至るまで
のピエゾ素子19への印加電圧Vzの変化量△Vzによ
って決定される試料18のZ方向の移動量により、試料
18と探針12との間の原子間力が定量的に測定でき
る。特に、この実施例ではカンチレバーの試料18に面
した部分にレジスト膜11bが形成されているので、レ
ジスト膜と試料18との間の原子間力の測定が可能とな
り、この原子間力からレジスト膜と試料18との間の密
着性が判定できる。試料18の表面には一般にコンタミ
層18aが存在するため、探針12と試料18との間で
測定される原子間力には、コンタミ層18aが影響して
いる。従って、原子間力顕微鏡により測定される原子間
力は、正確にはコンタミ層を含めた試料表面とカンチレ
バーの探針12との間に作用する原子間力である。しか
しながら、試料表面密着性の評価の目的のためには、コ
ンタミ層18aの影響は十分小さいので、コンタミ層1
8aを含む試料表面と探針との間の原子間力を用いるこ
とができる。
【0043】この実施例のカンチレバーを用いてそれぞ
れTiN膜からなる6つの試料S1〜S6の各表面とカ
ンチレバーに形成されたレジスト膜11bとの間の原子
間力を測定した。試料S1〜S6の表面はそれぞれ厚さ
200nmのTEOSの上に厚さ65nmのTiNが形
成されており、これら試料のうち、試料S1〜S4はラ
ンプアニール処理が施されないもの、試料S5及びS6
はランプアニール処理が施されたものである。これらの
試料S1〜S6をそれぞれ一辺8mm角に切り出し、こ
れを原子間力顕微鏡のピエゾ素子の上に順次取り付け、
レジスト膜11bを有する図1のカンチレバーを用いて
各試料表面のTiN膜とカンチレバーのレジスト膜11
bとの間の原子間力を測定したところ、図6に示すよう
な結果が得られた。すなわち、ランプアニール処理を施
した試料S5及びS6がランプアニール処理を施さない
試料S1〜S4の数倍の原子間力を示している。
【0044】一方、試料S1〜S6の表面上にそれぞれ
カンチレバーのレジスト膜11bと同じ材料のレジスト
膜を実際に形成し、形成されたレジスト膜にナイフで切
り傷をつけた後にその表面に粘着テープを一旦張り付け
て引きはがし、このときのレジスト膜のはがれの状態を
目視で観察する従来の検査方法を用いて、各試料の表面
とその上に形成されたレジスト膜との密着性を評価し
た。このようにして密着性を「良好」、「やや良好」及
び「不良」の三段階評価した結果を図6に示す。図6に
おいて、密着性良好は○印、密着性やや良好は△印、密
着性不良は×印でそれぞれ示されている。すなわち、試
料S1〜S4が「不良」及び「やや良好」となり、試料
S5及びS6が「良好」という結果となった。
【0045】この図6に示す結果から、試料表面とその
上に形成されたレジスト膜との密着性は、各試料表面と
カンチレバー表面のレジスト膜との間の原子間力に左右
され、試料とレジスト膜との間の原子間力が大きいほど
優れた密着性を示すことがわかる。そこで、試料表面と
カンチレバーのレジスト膜との間の原子間力を測定する
ことにより、試料とその上に形成されるレジスト膜との
密着性を定量的に測定することが可能となる。
【0046】なお、ピエゾ素子19にオフセット電圧を
加えて試料18のXY面内での位置を変化させることに
より、試料18の表面上の任意の点における密着性を評
価することができ、測定データの信頼性を向上させるこ
とが可能となる。図6に示された試料S1〜S5ではそ
れぞれ複数箇所における原子間力が測定されている。
【0047】また、レジスト膜11bとしては各種のも
のを用いることができるが、例えばフォトレジストとし
て用いられる環状ゴム系レジスト及びポリケイ皮酸ビニ
ル系レジスト、遠紫外線用レジストとして用いられるポ
リメチルメタアクリレート(PMMA)及びポリメチル
イソプロペニルケトン(PMIPK)、電子線用レジス
トとして用いられるシリコーン樹脂系レジスト及びエポ
キシ高分子系レジストの他、X線用レジストも使用する
ことができる。
【0048】なお、図3に示される原子間力顕微鏡を用
いて従来と同様に試料18の表面の凹凸画像を得ること
もできる。この場合、制御部21によりフォトディテク
タ17上の反射光の入射位置が一定となるようにピエゾ
素子19をZ方向にフィードバック動作させつつ、ピエ
ゾ素子19をXY方向にも同時に走査させる。このとき
制御部21からピエゾ素子19に印加したXYZ方向に
関する各電圧を用いることにより、ディスプレイ22上
に試料18の表面の凹凸画像が表示される。
【0049】実施例2.図7に実施例2に係るカンチレ
バーを示す。2×5mm程度の矩形状のガラス基板13
の一端に長さ100μmのV字形の平面形状を有するカ
ンチレバー本体31が固定されており、このカンチレバ
ー本体31の先端部に底辺5μmの角錐状の探針32が
形成されている。カンチレバー本体31及び探針32
は、それぞれ厚さ0.7μmの窒化ケイ素膜11aとス
パッタ膜11cとの二層膜からなっている。
【0050】このようなカンチレバーの製造方法を図8
に示す。まず、図8(a)に示されるように(100)
シリコン基板14の表面上にレジスト15を塗布し、図
8(b)に示されるようにこのレジスト15の一部を矩
形状にパターニングする。次に、図8(c)に示される
ように、レジスト15をマスクとしてシリコン基板14
をウエット処理することにより、シリコン基板14を
(111)方向に選択エッチングし、エッチピット14
aを形成する。その後、図8(d)に示されるようにレ
ジスト15を除去し、図8(e)のようにシリコン基板
14の表面全面に窒化ケイ素膜11aを形成する。
【0051】さらに、図8(f)に示されるように、窒
化ケイ素膜11aの上にガラス板13aを接着する。窒
化ケイ素膜11aを臨むガラス板13aの表面は予めソ
ー・カット部分13bによって二分されており、また、
シリコン基板14のエッチピット14aの上に位置する
ガラス板13aの表面部分には窒化ケイ素膜11aとの
離型を目的としたクロムコート膜13cが形成されてい
る。次に、図8(g)に示されるようにガラス板13a
のソー・カット部分13bの裏側部分をソー・カットし
てガラス板13aを部分13dと13eとに二分した
後、図8(h)に示されるようにエッチピット14aの
上にあるガラス板13eを除去する。さらに、図8
(i)に示されるようにシリコン基板14を除去した
後、図8(j)に示されるように窒化ケイ素膜11aの
裏面全面にスパッタ法を用いて例えばアルミニウンム等
のメタル系膜のデポジションを行う。これにより、図8
(k)に示されるように窒化ケイ素膜11aの裏面にス
パッタ膜11cが形成され、この実施例のカンチレバー
が製造される。
【0052】なお、スパッタ膜11cとしては、アルミ
ニウムの他、モリブデン、タングステン等の金属膜、さ
らにはこれら金属の酸化物、窒化物等各種のスパッタ膜
を用いることができる。
【0053】この実施例2に係るカンチレバーは、窒化
ケイ素膜11aの裏面に形成されたスパッタ膜11cを
有しているので、スパッタ膜と試料との間の密着力の測
定が可能となる。例えば、試料表面がレジスト膜から形
成されている場合には、スパッタ膜とレジスト膜との間
の密着力を評価することができる。
【0054】実施例3.図9に実施例3に係るカンチレ
バーを示す。2×5mm程度の矩形状のガラス基板13
の一端に長さ100μmのV字形の平面形状を有するカ
ンチレバー本体41が固定されており、このカンチレバ
ー本体41の先端部に底辺5μmの角錐状の探針42が
形成されている。カンチレバー本体41の先端部及び探
針42は、それぞれ厚さ0.7μmの窒化ケイ素膜11
aとレジスト膜11bとの二層膜からなり、カンチレバ
ー本体41の他の部分は厚さ0.7μmの窒化ケイ素膜
11aのみからなっている。
【0055】このようなカンチレバーの製造方法を図1
0に示す。まず、図10(a)に示されるように(10
0)シリコン基板14の表面上にレジスト15を塗布
し、図10(b)に示されるようにこのレジスト15の
一部を矩形状にパターニングする。次に、図10(c)
に示されるように、レジスト15をマスクとしてシリコ
ン基板14をウエット処理することにより、シリコン基
板14を(111)方向に選択エッチングし、エッチピ
ット14aを形成する。その後、図10(d)に示され
るようにレジスト15を除去し、図10(e)のように
シリコン基板14の表面全面にレジスト膜11bを形成
する。
【0056】さらに、図10(f)に示されるように、
レジスト膜11bをパターニングすることによりエッチ
ピット14a付近のレジスト膜11bを残して他の部分
のレジスト膜11bを除去する。図10(g)に示され
るようにシリコン基板14及びレジスト膜11bの上に
窒化ケイ素膜11aを形成し、図10(h)に示される
ようにその上にガラス板13aを接着する。窒化ケイ素
膜11aを臨むガラス板13aの表面は予めソー・カッ
ト部分13bによって二分されており、シリコン基板1
4のエッチピット14aの上に位置するガラス板13a
の表面部分には窒化ケイ素膜11aとの離型を目的とし
たクロムコート膜13cが形成されている。次に、図1
0(i)に示されるようにガラス板13aのソー・カッ
ト部分13bの裏側部分をソー・カットしてガラス板1
3aを部分13dと13eとに二分した後、図10
(j)に示されるようにエッチピット14aの上にある
ガラス板13eを除去する。さらに、図10(k)に示
されるようにシリコン基板14を除去することによりこ
の実施例のカンチレバーが製造される。
【0057】この実施例3に係るカンチレバーでは、ガ
ラス基板13に固定されるカンチレバー本体41の根元
部分が厚さ0.7μmの窒化ケイ素膜11aの一層から
なっているので、カンチレバー本体全体を二層膜により
厚く形成した場合に生じるカンチレバーのバネ定数の増
加及び共振周波数の低下を防ぐことができる。バネ定数
が増大すると感度が悪くなり、共振周波数が低下すると
音や床の振動の影響を受け易くなる。具体的には、この
実施例3のカンチレバーは、図17に示した従来のカン
チレバーと同様にバネ定数0.58N/m、共振周波数
77kHzを有している。このため、音や床の振動の影
響を受けにくく、さらに高精度に密着性を評価すること
ができる。
【0058】実施例4.図11に実施例4に係るカンチ
レバーを示す。2×5mm程度の矩形状のガラス基板1
3の一端に長さ100μmのV字形の平面形状を有する
カンチレバー本体51が固定されており、このカンチレ
バー本体51の先端部に底辺5μmの角錐状の探針52
が形成されている。カンチレバー本体51の先端部及び
探針52は、それぞれ厚さ0.7μmの窒化ケイ素膜1
1aとスパッタ膜11cとの二層膜からなり、カンチレ
バー本体41の他の部分は厚さ0.7μmの窒化ケイ素
膜11aのみからなっている。
【0059】このようなカンチレバーの製造方法を図1
2に示す。まず、図12(a)に示されるように(10
0)シリコン基板14の表面上にレジスト15を塗布
し、図12(b)に示されるようにこのレジスト15の
一部を矩形状にパターニングする。次に、図12(c)
に示されるように、レジスト15をマスクとしてシリコ
ン基板14をウエット処理することにより、シリコン基
板14を(111)方向に選択エッチングし、エッチピ
ット14aを形成する。その後、図12(d)に示され
るようにレジスト15を除去し、図12(e)のように
シリコン基板14の表面全面に窒化ケイ素膜11aを形
成する。
【0060】さらに、図12(f)に示されるように、
窒化ケイ素膜11aの上にガラス板13aを接着する。
窒化ケイ素膜11aを臨むガラス板13aの表面は予め
ソー・カット部分13bによって二分されており、シリ
コン基板14のエッチピット14aの上に位置するガラ
ス板13aの表面部分には窒化ケイ素膜11aとの離型
を目的としたクロムコート膜13cが形成されている。
次に、図12(g)に示されるようにガラス板13aの
ソー・カット部分13bの裏側部分をソー・カットして
ガラス板13aを部分13dと13eとに二分した後、
図12(h)に示されるようにエッチピット14aの上
にあるガラス板13eを除去する。さらに、図12
(i)に示されるようにシリコン基板14を除去した
後、図12(j)に示されるように窒化ケイ素膜11a
の裏面にスパッタ法を用いてメタル系膜のデポジション
を行うが、このときマスク13fによりスパッタのシャ
ドウィングを行い、図12(k)に示されるように窒化
ケイ素膜11aの先端部の裏面にのみ選択的にスパッタ
膜11cを形成する。
【0061】このようなカンチレバーの製造方法によ
り、探針の表面部分がスパッタ膜11cからなると共に
バネ定数及び共振周波数が先に説明した実施例3と同程
度のカンチレバーが得られる。すなわち、音や床の振動
の影響を受けずに高精度に密着性を評価することが可能
となる。
【0062】実施例5.図13に実施例5に係るカンチ
レバーを示す。2×5mm程度の矩形状のガラス基板1
3の一端に長さ100μmのV字形の平面形状を有する
カンチレバー本体61が固定されており、このカンチレ
バー本体61の先端部に底辺5μmの角錐状の探針62
が形成されている。カンチレバー本体61は厚さ0.7
μmの窒化ケイ素膜からなり、探針62はレジスト膜か
らなっている。
【0063】このようなカンチレバーの製造方法を図1
4に示す。まず、図14(a)に示されるように(10
0)シリコン基板14の表面上にレジスト15を塗布
し、図14(b)に示されるようにこのレジスト15の
一部を矩形状にパターニングする。次に、図14(c)
に示されるように、レジスト15をマスクとしてシリコ
ン基板14をウエット処理することにより、シリコン基
板14を(111)方向に選択エッチングし、エッチピ
ット14aを形成する。その後、図14(d)に示され
るようにレジスト15を除去し、図14(e)のように
シリコン基板14の表面全面にレジスト膜11bを形成
する。
【0064】さらに、図14(f)に示されるようにレ
ジスト膜11bの全面上に別のレジスト膜11dを厚く
形成した後、図14(g)に示されるようにエッチバッ
ク法を用いて平坦部分のシリコン基板14が露出するま
でレジスト膜11b及び11dをエッチングする。この
とき、エッチピット14aはレジスト膜11b及び11
dにより埋設されている。次に、図14(h)に示され
るように平坦になったシリコン基板14、レジスト膜1
1b及び11dの上に窒化ケイ素膜11aを形成し、図
14(i)に示されるようにその上にガラス板13aを
接着する。窒化ケイ素膜11aを臨むガラス板13aの
表面は予めソー・カット部分13bによって二分されて
おり、シリコン基板14のエッチピット14aの上に位
置するガラス板13aの表面部分には窒化ケイ素膜11
aとの離型を目的としたクロムコート膜13cが形成さ
れている。次に、図14(j)に示されるようにガラス
板13aのソー・カット部分13bの裏側部分をソー・
カットしてガラス板13aを部分13dと13eとに二
分した後、図14(k)に示されるようにエッチピット
14aの上にあるガラス板13eを除去する。さらに、
図14(l)に示されるようにシリコン基板14を除去
することによりこの実施例のカンチレバーが製造され
る。
【0065】この実施例5に係るカンチレバーでは、探
針62のみがレジスト膜からなり、カンチレバー本体6
1は窒化ケイ素膜11aの一層からなっているので、カ
ンチレバーのバネ定数の増加及び共振周波数の低下を有
効に防ぎ、先に説明した実施例3のカンチレバーのバネ
定数及び共振周波数と同程度にすることができる。すな
わち、音や床の振動の影響を受けずに高精度に密着性を
評価することが可能となる。
【0066】実施例6.図15に実施例6に係るカンチ
レバーを示す。2×5mm程度の矩形状のガラス基板1
3の一端に長さ100μmのV字形の平面形状を有する
カンチレバー本体71が固定されており、このカンチレ
バー本体71の先端部に底辺5μmの角錐状の探針72
が形成されている。カンチレバー本体71は厚さ0.7
μmの窒化ケイ素膜からなり、探針72の表面はスパッ
タ膜からなっている。
【0067】このようなカンチレバーの製造方法を図1
6に示す。まず、図16(a)に示されるように(10
0)シリコン基板14の表面上にレジスト15を塗布
し、図16(b)に示されるようにこのレジスト15の
一部を矩形状にパターニングする。次に、図16(c)
に示されるように、レジスト15をマスクとしてシリコ
ン基板14をウエット処理することにより、シリコン基
板14を(111)方向に選択エッチングし、エッチピ
ット14aを形成する。その後、図16(d)に示され
るようにレジスト15を除去し、図16(e)のように
シリコン基板14の表面全面にスパッタ膜11cを形成
する。
【0068】さらに、図16(f)に示されるようにス
パッタ膜11cの全面上にレジスト膜11dを厚く形成
した後、図16(g)に示されるようにエッチバック法
を用いて平坦部分のシリコン基板14が露出するまでレ
ジスト膜11d及びスパッタ膜11cをエッチングす
る。このとき、エッチピット14aはスパッタ膜11c
及びレジスト膜11dにより埋設されている。次に、図
16(h)に示されるように平坦になったシリコン基板
14、スパッタ膜11c及びレジスト膜11dの上に窒
化ケイ素膜11aを形成し、図16(i)に示されるよ
うにその上にガラス板13aを接着する。窒化ケイ素膜
11aを臨むガラス板13aの表面は予めソー・カット
部分13bによって二分されており、シリコン基板14
のエッチピット14aの上に位置するガラス板13aの
表面部分には窒化ケイ素膜11aとの離型を目的とした
クロムコート膜13cが形成されている。次に、図16
(j)に示されるようにガラス板13aのソー・カット
部分13bの裏側部分をソー・カットしてガラス板13
aを部分13dと13eとに二分した後、図16(k)
に示されるようにエッチピット14aの上にあるガラス
板13eを除去する。さらに、図16(l)に示される
ようにシリコン基板14を除去することによりこの実施
例のカンチレバーが製造される。
【0069】この実施例6に係るカンチレバーでは、探
針72の表面のみがスパッタ膜からなり、カンチレバー
本体71は窒化ケイ素膜11aの一層からなっているの
で、カンチレバーのバネ定数及び共振周波数を所望の範
囲内としたカンチレバーが製造できる。すなわち、例え
ば先に説明した実施例3のカンチレバーのバネ定数及び
共振周波数と同程度にすることができ、音や床の振動の
影響を受けずに高精度に密着性を評価することが可能と
なる。
【0070】以上の各実施例では、カンチレバーの探針
部分をレジスト膜あるいはスパッタ膜から形成したが、
これに限るものではなく、例えばCVD法及び熱生成法
により形成したSiO2膜、ポリシリコン膜、Al系
膜、W系膜、Mo系膜、Ti系膜等を用いることもでき
る。
【0071】また、図3において、半導体ウエハを試料
18としてピエゾ素子19に取り付けてもよく、半導体
プロセスのインライン計測法としてこの発明を応用する
ことができる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る原
子間力顕微鏡用カンチレバーは、少なくとも探針の表面
がレジスト膜から形成されているので、レジスト膜と試
料表面との間の原子間力を測定でき、この原子間力から
試料表面に形成しようとするレジスト膜と試料表面との
間の密着性を定量的に評価することができる。
【0073】請求項2に係る原子間力顕微鏡用カンチレ
バーは、少なくとも探針の表面がスパッタ膜から形成さ
れているので、試料表面に形成しようとするスパッタ膜
と試料表面との間の密着性を定量的に評価することがで
きる。
【0074】請求項3に係る原子間力顕微鏡用カンチレ
バーの製造方法は、少なくともシリコン基板のエッチピ
ット部分の上にレジスト膜を形成し、レジスト膜の表面
上に窒化膜を形成し、エッチピット部分を除く所定箇所
の窒化膜上にガラス基板を形成し、シリコン基板を除去
するので、探針の表面がレジスト膜で形成されたカンチ
レバーが製造される。
【0075】請求項4に係る原子間力顕微鏡用カンチレ
バーの製造方法は、エッチピット部分を含むシリコン基
板の表面上に窒化膜を形成し、エッチピット部分を除く
所定箇所の窒化膜の表面上にガラス基板を形成し、シリ
コン基板を除去し、少なくともエッチピット部分を含む
窒化膜の裏面上にスパッタ膜を形成するので、探針の表
面がスパッタ膜で形成されたカンチレバーが製造され
る。
【0076】請求項5に係る原子間力顕微鏡用カンチレ
バーの製造方法は、シリコン基板のエッチピット内をレ
ジスト膜で埋設し、エッチピット部分を含むシリコン基
板の表面上に窒化膜を形成し、エッチピット部分を除く
所定箇所の窒化膜上にガラス基板を形成し、シリコン基
板を除去するので、探針の表面がレジスト膜で形成され
ると共にバネ定数の増加及び共振周波数の低下を防止し
たカンチレバーを製造することができる。
【0077】請求項6に係る原子間力顕微鏡用カンチレ
バーの製造方法は、シリコン基板のエッチピット内にス
パッタ膜を形成し、スパッタ膜上にレジスト膜を形成す
ることによりエッチピット内を埋設し、エッチピット部
分を含むシリコン基板の表面上に窒化膜を形成し、エッ
チピット部分を除く所定箇所の窒化膜上にガラス基板を
形成し、シリコン基板を除去するので、探針の表面がス
パッタ膜で形成されると共にバネ定数の増加及び共振周
波数の低下を防止したカンチレバーを製造することがで
きる。
【0078】請求項7に係る原子間力顕微鏡は、試料を
支持するピエゾ素子と、表面が所望の膜から形成された
探針とこの探針を支持し且つ探針と試料との間に作用す
る原子間力に応じて湾曲するカンチレバー本体とを有す
ると共にピエゾ素子に支持された試料に近接して設けら
れるカンチレバーと、カンチレバーのカンチレバー本体
にレーザ光を照射するレーザ発振器と、カンチレバーの
カンチレバー本体で反射したレーザ光を検出するフォト
ディテクタと、ピエゾ素子に電圧を印加して試料を移動
させると共にフォトディテクタの出力から探針と試料と
の間に作用する原子間力を測定する制御部とを備えてい
るので、探針の表面に形成された所望の膜と試料表面と
の間の原子間力を測定し、もって密着性を定量的に評価
することができる。
【0079】請求項8に係る試料表面密着性評価方法
は、カンチレバーのカンチレバー本体に支持され且つ表
面が所望の膜から形成された探針を試料に接近させ、カ
ンチレバー本体にレーザ光を照射し、カンチレバー本体
で反射したレーザ光を検出することにより探針と試料と
の間に作用する原子間力を測定し、測定された原子間力
から探針の表面に形成された所望の膜と試料表面との間
の密着性を評価するので、密着性を定量的に評価するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1に係るカンチレバーを示す
斜視図である。
【図2】図1のカンチレバーの製造方法を示し、(a)
〜(i)は各工程を示す断面図である。
【図3】この発明に係る原子間力顕微鏡を示すブロック
図である。
【図4】この発明に係る試料表面密着性評価方法を説明
するグラフである。
【図5】この発明の密着性評価方法におけるカンチレバ
ーの状態を示し、(a)〜(g)は図4の各点における
カンチレバーの側面図である。
【図6】実施例1のカンチレバーを用いて試料表面の密
着性を評価した結果を示すグラフである。
【図7】この発明の実施例2に係るカンチレバーを示す
斜視図である。
【図8】図7のカンチレバーの製造方法を示し、(a)
〜(k)は各工程を示す断面図である。
【図9】この発明の実施例3に係るカンチレバーを示す
斜視図である。
【図10】図9のカンチレバーの製造方法を示し、
(a)〜(k)は各工程を示す断面図である。
【図11】この発明の実施例4に係るカンチレバーを示
す斜視図である。
【図12】図11のカンチレバーの製造方法を示し、
(a)〜(k)は各工程を示す断面図である。
【図13】この発明の実施例5に係るカンチレバーを示
す斜視図である。
【図14】図13のカンチレバーの製造方法を示し、
(a)〜(l)は各工程を示す断面図である。
【図15】この発明の実施例6に係るカンチレバーを示
す斜視図である。
【図16】図15のカンチレバーの製造方法を示し、
(a)〜(l)は各工程を示す断面図である。
【図17】従来のカンチレバーを示す斜視図である。
【図18】図17のカンチレバーの製造方法を示し、
(a)〜(i)は各工程を示す断面図である。
【図19】従来の原子間力顕微鏡の動作原理を示す図で
ある。
【符号の説明】 11、31、41、51、61、71 カンチレバー本
体 11a 窒化ケイ素膜 11b レジスト膜 11c スパッタ膜 12、32、42、52、62、72 探針 13 ガラス基板 14 シリコン基板 14a エッチピット 16 レーザ発振器 17 フォトディテクタ 18 試料 19 ピエゾ素子
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】このような原子間力顕微鏡においては、
-7〜10-9Nという非常に微小な力でカンチレバー本
体1が変位するようにカンチレバー本体1の材質を高感
度の窒化ケイ素としており、作製上の都合も考慮して、
探針2の材質も窒化ケイ素が用いられていた。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】しかしながら、原子間力顕微鏡を用いて探
針を形成する物質M1と試料表面を形成する物質M2と
の間の原子間力を検出し、その原子間力により物質M1
とM2とを密着させたときの密着性を評価しようとする
場合、従来は感度の面から探針を形成する物質M1が窒
化ケイ素に限定されていたために、窒化ケイ素と物質M
2との間の原子間力しか測定することができなかった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】この実施例のカンチレバーを用いてそれぞ
れTiN(窒化チタン)膜からなる6つの試料S1〜S
6の各表面とカンチレバーに形成されたレジスト膜11
bとの間の原子間力を測定した。試料S1〜S6の表面
はそれぞれ厚さ200nmの酸化膜の上に厚さ65nm
のTiNが形成されており、これら試料のうち、試料S
1〜S4はアニール処理が施されないもの、試料S5及
びS6はアニール処理が施されたものである。これらの
試料S1〜S6をそれぞれ一辺8mm角に切り出し、こ
れを原子間力顕微鏡のピエゾ素子の上に順次取り付け、
レジスト膜11bを有する図1のカンチレバーを用いて
各試料表面のTiN膜とカンチレバーのレジスト膜11
bとの間の原子間力を測定したところ、図6に示すよう
な結果が得られた。すなわち、アニール処理を施した試
料S5及びS6がアニール処理を施さない試料S1〜S
4の数倍の原子間力を示している。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 探針と、 前記探針を支持すると共に前記探針と試料との間に作用
    する原子間力に応じて湾曲するカンチレバー本体とを備
    え、少なくとも前記探針の表面がレジスト膜から形成さ
    れたことを特徴とする原子間力顕微鏡用カンチレバー。
  2. 【請求項2】 探針と、 前記探針を支持すると共に前記探針と試料との間に作用
    する原子間力に応じて湾曲するカンチレバー本体とを備
    え、少なくとも前記探針の表面がスパッタ膜から形成さ
    れたことを特徴とする原子間力顕微鏡用カンチレバー。
  3. 【請求項3】 シリコン基板の表面を選択性エッチング
    することによりここにエッチピットを形成し、 少なくともシリコン基板のエッチピット部分の上にレジ
    スト膜を形成し、 レジスト膜の表面上に窒化膜を形成し、 エッチピット部分を除く所定箇所の窒化膜上にガラス基
    板を形成し、 シリコン基板を除去することを特徴とする原子間力顕微
    鏡用カンチレバーの製造方法。
  4. 【請求項4】 シリコン基板の表面を選択性エッチング
    することによりここにエッチピットを形成し、 エッチピット部分を含むシリコン基板の表面上に窒化膜
    を形成し、 エッチピット部分を除く所定箇所の窒化膜の表面上にガ
    ラス基板を形成し、 シリコン基板を除去し、 少なくともエッチピット部分を含む窒化膜の裏面上にス
    パッタ膜を形成することを特徴とする原子間力顕微鏡用
    カンチレバーの製造方法。
  5. 【請求項5】 シリコン基板の表面を選択性エッチング
    することによりここにエッチピットを形成し、 シリコン基板のエッチピット内をレジスト膜で埋設し、 エッチピット部分を含むシリコン基板の表面上に窒化膜
    を形成し、 エッチピット部分を除く所定箇所の窒化膜上にガラス基
    板を形成し、 シリコン基板を除去することを特徴とする原子間力顕微
    鏡用カンチレバーの製造方法。
  6. 【請求項6】 シリコン基板の表面を選択性エッチング
    することによりここにエッチピットを形成し、 シリコン基板のエッチピット内にスパッタ膜を形成し、 スパッタ膜上にレジスト膜を形成することによりエッチ
    ピット内を埋設し、 エッチピット部分を含むシリコン基板の表面上に窒化膜
    を形成し、 エッチピット部分を除く所定箇所の窒化膜上にガラス基
    板を形成し、 シリコン基板を除去することを特徴とする原子間力顕微
    鏡用カンチレバーの製造方法。
  7. 【請求項7】 試料を支持するピエゾ素子と、 表面が所望の膜から形成された探針とこの探針を支持し
    且つ探針と試料との間に作用する原子間力に応じて湾曲
    するカンチレバー本体とを有すると共に前記ピエゾ素子
    に支持された試料に近接して設けられるカンチレバー
    と、 前記カンチレバーのカンチレバー本体にレーザ光を照射
    するレーザ発振器と、 前記カンチレバーのカンチレバー本体で反射したレーザ
    光を検出するフォトディテクタと、 前記ピエゾ素子に電圧を印加して試料を移動させると共
    に前記フォトディテクタの出力から前記カンチレバーの
    探針と試料との間に作用する原子間力を測定する制御部
    とを備えたことを特徴とする原子間力顕微鏡。
  8. 【請求項8】 カンチレバーのカンチレバー本体に支持
    され且つ表面が所望の膜から形成された探針を試料に接
    近させ、 カンチレバー本体にレーザ光を照射し、 カンチレバー本体で反射したレーザ光を検出することに
    より探針と試料との間に作用する原子間力を測定し、 測定された原子間力から探針の表面に形成された所望の
    膜と試料表面との間の密着性を評価することを特徴とす
    る試料表面密着性評価方法。
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