JPH08166391A - 走査型プローブ顕微鏡用プローブ及びその製造方法 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡用プローブ及びその製造方法

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JPH08166391A
JPH08166391A JP6308569A JP30856994A JPH08166391A JP H08166391 A JPH08166391 A JP H08166391A JP 6308569 A JP6308569 A JP 6308569A JP 30856994 A JP30856994 A JP 30856994A JP H08166391 A JPH08166391 A JP H08166391A
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probe
silicon substrate
thin film
silicon
layer
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JP6308569A
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Inventor
Yoshihiko Suzuki
美彦 鈴木
Jun Iwasaki
純 岩崎
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造に際して切削加工の量を減らしあるいは
切削加工を完全になくすことができ、製造コストの低い
走査型プローブ顕微鏡用プローブを提供する。 【構成】 薄膜状梁部21が支持体22により支持され
る。支持体22は、シリコン層27と、シリコン層27
の表面に形成されたエッチング保護層28と、シリコン
層27の裏面に形成された接着層29とから構成され
る。支持体22は、接着層29を介して薄膜状梁部1に
接合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子間力顕微鏡、走査
型磁気力顕微鏡、走査型電気容量顕微鏡などの種々の走
査型プローブ顕微鏡に用いられるプローブに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】走査型プローブ顕微鏡に用いられるプロ
ーブは、一般的に、薄膜状梁部と、該薄膜状梁部を支持
する支持体とを備えている。そして、前記支持体は前記
薄膜状梁部に接合されている。
【0003】しかし、従来のプローブでは、前記支持体
がガラス部材のみで構成されている。このため、従来の
プローブを製造する際には、ガラス基板を使用し、該ガ
ラス基板を切削加工して前記支持体を形成しなければな
らない。
【0004】このように、従来のプローブを製造するた
めにはガラス基板の切削加工が不可欠であるので、その
切削加工に長時間を要し、製造コストが高くなる。
【0005】以上の点を、走査型プローブ顕微鏡に用い
られる従来のプローブの一例としての原子間力顕微鏡に
用いられる従来のプローブについて、図4乃至図6を参
照して具体的に説明する。
【0006】図4は、原子間力顕微鏡に用いられる従来
のプローブの概略断面図である。図5は、この従来のプ
ローブの平面図である。なお、図4は、図5中のIV−
IV線断面図に相当している。
【0007】図4及び図5に示すプローブは、先端側領
域に探針3が突設された薄膜状梁部1と、該薄膜状梁部
1を支持するガラス部材からなる支持体2とから構成さ
れている。支持体2は薄膜状梁部1の上面(探針3と反
対側)に陽極接合により接合されている。薄膜状梁部1
は、窒化珪素膜などの薄膜4と、該薄膜4上に形成され
た窒化珪素膜などの薄膜5とから構成されている。図4
に示すように、薄膜4の先端側領域には開口4aが形成
され、該開口4aから薄膜5が下方に錘状に突出してい
る。開口4aから錘状に突出した薄膜5の部分が前記探
針3を構成している。また、薄膜状梁部1に向けて照射
される薄膜状梁部1の撓み検出用の光束7を反射する反
射層として、薄膜状梁部1の下面及び探針3の下面に金
属層6が形成されている。金属層6は、薄膜5の上面に
形成される場合もある。前記光束7は、薄膜4,5を透
過して金属層6の上面で反射され、更に薄膜4,5を透
過して反射光束8として外部に出ていく。支持体2の角
部は、前記光束7を妨げないように、除去されている。
【0008】また、図5に示すように、複数のプローブ
が分離溝9を介して連結されている。具体的には、複数
のプローブの支持体2間が分離溝9を介して連結されて
いる。通常、これらのプローブは連結された状態で使用
者に供給され、プローブの使用に際しては、使用者が支
持体2に力を加えて分離溝9に沿って割って個々のプロ
ーブに分離する。
【0009】このプローブによれば、薄膜状梁部1の撓
みを計測しながら、被検物(試料)の表面上を走査する
ことにより、被検物の表面の凹凸像を得ることができ
る。
【0010】次に、図4及び図5に示す従来のプローブ
の製造方法について、図6を参照して説明する。図6
は、図4及び図5に示す従来のプローブの製造方法を示
す概略断面図である。なお、図6において、図4中の各
要素に対応する要素には、同一符号を付している。
【0011】まず、シリコン基板10の両面に、後述す
るトレンチ10aの形成時の保護膜として窒化珪素など
からなる薄膜4,11を形成する。その後、リソグラフ
ィ法及びドライエッチング法によりパターニングするこ
とによって、シリコン基板10上の薄膜4の所定箇所
に、シリコン基板10の表面を露出させる四角形状の開
口4aを形成する。次に、この基板を、水酸化カリウム
(KOH)水溶液又はテトラメチルアンモニウムハイド
ロオキサイド(TMAH)水溶液などで代表されるシリ
コン用のエッチング液に浸漬し、前記薄膜4,11をマ
スクとし、開口4aから露出したシリコン基板10の部
分を四角錘状にエッチングして、薄膜4の開口4aに連
続する四角錘上のトレンチ10aを形成する(図6
(a))。なお、シリコン基板10として(100)面
方位のものが用いられているので、周知のようにエッチ
ングがシリコンの(111)面で自動的に停止するた
め、トレンチ10aの面は54.7゜の角度のテーパ面
となる。
【0012】その後、図6(a)に示す状態の基板を酸
素雰囲気中で加熱し、露出したシリコン基板10のトレ
ンチ10aの部分に酸化珪素膜12を成長させる。次
に、シリコン基板10の両面の薄膜4,11を残したま
ま、薄膜4,11の表面及び酸化珪素膜12の表面を覆
うように、窒化珪素膜などの薄膜5,13を気相成長法
等により形成する(図6(b))。なお、熱酸化膜12
上に形成された薄膜5の部分が探針3となる。
【0013】次に、シリコン基板10の下面の薄膜1
1,13をドライエッチング法により除去する。さら
に、シリコン基板10の上面の薄膜4,5に対して、薄
膜状梁部1の所望の形状に合わせて、フォトリソグラフ
ィ法及びドライエッチング法によりパターニングを施す
(図6(c))。
【0014】その後、予め非接合領域(薄膜5に接合さ
せない部分)をダイシング装置等を用いて除去する除去
加工(切削加工)を施したガラス基板14を、陽極接合
法により薄膜5に接合する(図6(d))。
【0015】次に、ガラス基板14における支持体2に
相当しない上側部分をダイシング装置等を用いて切削加
工により除去し、さらに、前記上側部分が除去されたガ
ラス基板14の角部を、前記光束7を妨げないように切
削加工により除去する。また、ダイシング装置等を用い
て切削加工により、図5に示すように、ガラス基板14
に分離溝9を形成する。その後、この基板を水酸化カリ
ウム水溶液又はテトラメチルアンモニウムハイドロオキ
サイド水溶液等のエッチング液に浸漬し、シリコン基板
10及び酸化珪素膜12を除去する。その後、薄膜4の
下面及び探針3の下面に金属層6を真空蒸着等により形
成し、これにより図4及び図5に示す従来のプローブが
完成する。
【0016】図4及び図5に示す従来のプローブでは、
その製造に際して、図6を参照して説明したように、ガ
ラス基板14の非接合領域の除去のための切削加工、ガ
ラス基板14における支持体2に相当しない上側部分の
除去のための切削加工、上側部分が除去されたガラス基
板14の角部の除去のための切削加工、及び、ガラス基
板14に分離溝9を形成するための切削加工を行わなけ
ればならない。これらの切削加工には長時間を要する。
具体的には、1枚のウェハー当たりこれらの切削加工に
要する時間は2時間以上必要である。
【0017】したがって、図4及び図5に示す従来のプ
ローブでは、製造コストが非常に高くなる。
【0018】このような事情は、原子間力顕微鏡に用い
られるプローブのみならず、走査型磁気力顕微鏡、走査
型電気容量顕微鏡などの種々の走査型プローブ顕微鏡に
用いられるプローブについても、同様である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記事情に
鑑みてなされたもので、製造に際して切削加工の量を減
らしあるいは切削加工を完全になくすことができ、製造
コストの低い走査型プローブ顕微鏡用プローブ及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様による走査型プローブ顕微鏡用
プローブは、薄膜状梁部と、該薄膜状梁部を支持する支
持体であって、表面にエッチング保護層が形成されると
ともに、裏面に接着層が形成されたシリコン層からなる
支持体とを備えたものである。前記支持体は、前記接着
層を介して前記薄膜状梁部に接合されている。
【0021】本発明の第2の態様による走査型プローブ
顕微鏡用プローブは、前記第1の態様による走査型プロ
ーブ顕微鏡用プローブにおいて、前記接着層を陽極接合
用の接着層としたものである。
【0022】本発明の第3の態様による走査型プローブ
顕微鏡用プローブは、前記第1又は第2の態様による走
査型プローブ顕微鏡用プローブにおいて、前記シリコン
基板の面方位を(100)面方位としたものである。
【0023】本発明の第4の態様による製造方法は、前
記第1の態様による走査型プローブ顕微鏡用プローブの
製造方法であって、表面に前記薄膜状梁部の形状に合わ
せてパターニングされた前記薄膜状梁部に相当する薄膜
が形成された第1のシリコン基板を用意する工程と、表
面に前記支持体の形状に合わせてパターニングされたエ
ッチング保護層が形成されるとともに、裏面に接着層が
形成された第2のシリコン基板を用意する工程と、前記
第2のシリコン基板を前記接着層を介して前記第1のシ
リコン基板の表面の前記薄膜に接合する工程と、互いに
接合された前記第1のシリコン基板及び前記第2のシリ
コン基板をエッチング液に浸漬して、前記第2のシリコ
ン基板の部分及び前記接着層の部分であって前記支持体
に相当しない部分、並びに、前記第1のシリコン基板の
全体を除去するエッチング工程と、を備えたものであ
る。
【0024】本発明の第5の態様による製造方法は、前
記第4の態様による製造方法において、前記第2のシリ
コン基板を前記接着層を介して前記第1のシリコン基板
の表面の前記薄膜に接合する前記工程において、当該接
合を陽極接合により行うものである。
【0025】本発明の第6の態様による製造方法は、前
記第4又は第5の態様による製造方法において、前記第
2のシリコン基板の面方位を(100)面方位としたも
のである。
【0026】本発明の第7の態様による製造方法は、前
記第4乃至第6のいずれかの態様による製造方法におい
て、前記エッチング保護層は、当該プローブを隣接する
他のプローブから分離するための分離溝の形状に合わせ
てパターニングされた、前記第2のシリコン基板の表面
を露出させる開口を有し、前記エッチング工程におい
て、同時に、前記エッチング保護層の前記開口に連続す
る溝を前記分離溝として前記第2のシリコン基板に形成
するものである。
【0027】
【作用】本発明の第1乃至第3の態様による走査型プロ
ーブ顕微鏡用プローブによれば、支持体が、表面にエッ
チング保護層が形成されるとともに、裏面に接着層が形
成されたシリコン層から構成されている。
【0028】したがって、この走査型プローブ顕微鏡用
プローブは、本発明の第4乃至第7の態様による製造方
法によって製造することができる。すなわち、表面に前
記薄膜状梁部の形状に合わせてパターニングされた前記
薄膜状梁部に相当する薄膜が形成された第1のシリコン
基板を用意し、表面に前記支持体の形状に合わせてパタ
ーニングされたエッチング保護層が形成されるとともに
裏面に接着層が形成された第2のシリコン基板を用意
し、前記第2のシリコン基板を前記接着層を介して前記
第1のシリコン基板の表面の前記薄膜に接合し、互いに
接合された前記第1のシリコン基板及び前記第2のシリ
コン基板をエッチング液に浸漬して、前記第2のシリコ
ン基板の部分及び前記接着層の部分であって前記支持体
に相当しない部分、並びに、前記第1のシリコン基板の
全体を除去することによって、本発明の第1乃至第3の
態様による走査型プローブ顕微鏡用プローブを製造する
ことができる。
【0029】このようにして製造することができるの
で、本発明の第1乃至第7の態様によれば、前述した図
4及び図5に示す従来のプローブの製造に必要であっ
た、ガラス基板14の非接合領域の除去のための切削加
工及びガラス基板における支持体2に相当しない上側部
分の除去のための切削加工に相当する切削加工が不要と
なる。このため、従来に比べて切削加工の量を減らすこ
とができ、製造コストを低減させることができる。
【0030】さらに、本発明の第3及び第6の態様によ
れば、支持体を構成するシリコン層又は第2のシリコン
基板の面方位が(100)面方位とされている。周知の
ように、(100)面方位のシリコン基板では、エッチ
ングがシリコンの(111)面で自動的に停止する。し
たがって、互いに接合された第1のシリコン基板及び第
2のシリコン基板をエッチング液に浸漬してエッチング
したときに、支持体の側部の形状が自動的に54.7゜
の角度のテーパ形状となる。すなわち、支持体の形状
は、薄膜状梁部に向けて照射される薄膜状梁部の撓み検
出用の光束を妨げない形状に自動的になる。このため、
本発明による第3及び第6の態様によれば、走査型プロ
ーブ顕微鏡用プローブを原子間力顕微鏡用プローブとし
て構成する場合であっても、前述した図4及び図5に示
す従来のプローブの製造に必要であった、上側部分が除
去されたガラス基板14の角部の除去のための切削加工
に相当する切削加工が不要となる。このため、従来に比
べて切削加工の量を一層減らすことができ、製造コスト
を一層低減させることができる。
【0031】さらにまた、本発明の第7の態様によれ
ば、エッチング保護層は、当該プローブを隣接する他の
プローブから分離するための分離溝の形状に合わせてパ
ターニングされた、前記第2のシリコン基板の表面を露
出させる開口を有している。したがって、互いに接合さ
れた第1のシリコン基板及び第2のシリコン基板をエッ
チング液に浸漬してエッチングするときに、第2のシリ
コン基板にエッチング保護層の前記開口に連続する溝が
前記分離溝として自動的に形成される。このため、本発
明による第7の態様によれば、前述した図4及び図5に
示す従来のプローブの製造に必要であった、ガラス基板
14に分離溝9を形成するための切削加工に相当する切
削加工が不要となる。このため、従来に比べて切削加工
の量を一層減らすことができ、製造コストを一層低減さ
せることができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の一実施例による走査型プロー
ブ顕微鏡用プローブとして、原子間力顕微鏡に用いられ
るプローブについて、図1及び図2を参照して説明す
る。
【0033】図1は、本実施例によるプローブの概略断
面図である。図2は、このプローブの平面図である。な
お、図1は、図2中のI−I線断面図に相当している。
【0034】このプローブは、図1及び図2に示すよう
に、先端側領域に探針23が突設された薄膜状梁部21
と、該薄膜状梁部21を支持する支持体22とから構成
されている。
【0035】薄膜状梁部21は、窒化珪素膜又は酸化珪
素膜などの薄膜24と、該薄膜24上に形成された窒化
珪素膜などの薄膜25とから構成されている。図1に示
すように、薄膜24の先端側領域には開口24aが形成
され、該開口24aから薄膜25が下方に錘状に突出し
ている。開口24aから錘状に突出した薄膜25の部分
が前記探針23を構成している。なお、薄膜状梁部21
の構成は、この構成に限定されるものではなく、例え
ば、薄膜24が取り除かれたような構成としてもよい。
また、探針23は、必ずしも設けなくてもよい。
【0036】支持体22は、シリコン層27と、該シリ
コン層27の表面に形成されたエッチング保護層(シリ
コンのエッチングに対する耐性を有する保護層)28
と、シリコン層27の裏面に形成された接着層(例え
ば、硼珪酸ガラス層等の陽極接合用接着剤など)29と
から構成されている。支持体22は、接着層29を介し
て薄膜25に接合されている。
【0037】また、本実施例では、薄膜状梁部21に向
けて照射される薄膜状梁部21の撓み検出用の光束(例
えば、レーザ光)30を反射する反射層として、薄膜状
梁部21の下面及び探針23の下面に金属層26が形成
されている。本実施例では、前記光束30は、薄膜2
4,25を透過して金属層26の上面で反射され、更に
薄膜24,25を透過して反射光束31として外部に出
ていく。もっとも、金属層26は、光束30が照射され
る位置にのみ形成してもよいし、薄膜25の上面に形成
してもよい。金属層26の代わりに、任意の反射層を形
成してもよい。
【0038】本実施例では、このように前記反射層が形
成されているので、光束30の反射率が大きくなる。し
たがって、光てこ法などによる薄膜状梁部21の撓み検
出に有利である。
【0039】さらに、本実施例では、支持体22の側部
の形状は、前記光束30を妨げないように、テーパ形状
とされている。
【0040】さらにまた、本実施例では、図2に示すよ
うに、複数のプローブが分離溝32を介して連結されて
いる。具体的には、複数のプローブの支持体22間が分
離溝32を介して連結されている。通常、これらのプロ
ーブは連結された状態で使用者に供給され、プローブの
使用に際しては、使用者が支持体22に力を加えて分離
溝32に沿って割って個々のプローブに分離する。な
お、本実施例では、一つの支持体22に対して探針23
付き薄膜状梁部21が一つ設けられているが、例えば、
一つの支持体22に対して機械的特性の異なる探針23
付き薄膜状梁部21が複数設けられてもよい。
【0041】図1及び図2に示すプローブによれば、前
記図4及び図5に示すプローブと同様に、薄膜状梁部2
1の撓みを計測しながら、被検物(試料)の表面上を走
査することにより、被検物の表面の凹凸像を得ることが
できる。また、支持体22は、上側(探針3と反対側)
に突出するように構成されているので、走査時に支持体
22が被検物に衝突して邪魔になるようなことがなく、
被検物の表面を広範囲に走査することができる。
【0042】そして、図1及び図2に示すプローブによ
れば、支持体22が、表面にエッチング保護層28が形
成されるとともに、裏面に接着層29が形成されたシリ
コン層27から構成されているので、図3に関連して以
下に説明するような製造方法によって製造することがで
きる。したがって、前記図4及び図5に示す従来のプロ
ーブの製造に必要であった、ガラス基板の非接合領域の
除去のための切削加工及びガラス基板における支持体に
相当しない上側部分の除去のための切削加工に相当する
切削加工が不要となる。このため、図4及び図5に示す
従来のプローブに比べて切削加工の量を減らすことがで
き、製造コストを大幅に低減させることができる。
【0043】次に、図1及び図2に示すプローブの製造
方法の一例について、図3を参照して説明する。図3
は、図1及び図2に示すプローブの製造工程の一例を示
す概略断面図である。なお、図3において、図1中の各
要素に対応する要素には、同一符号を付している。
【0044】まず、厚さ400μm、(100)面方位
のシリコン単結晶基板40の両面に、CVD法等により
厚さ約300nmの窒化珪素膜24,41を形成する。
その後、リソグラフィ法及びドライエッチング法により
パターニングすることによって、基板40上の窒化珪素
膜24の所定箇所に、基板40の表面を露出させる四角
形状の開口24aを形成する。開口24aのパターン形
状、大きさ、数量は任意に設定することが可能である。
次に、この基板を、80゜Cに加熱した水酸化カリウム
(KOH)水溶液又はテトラメチルアンモニウムハイド
ロオキサイド(TMAH)水溶液などのシリコン用のエ
ッチング液に浸漬し、前記薄膜24,41をマスクと
し、開口24aから露出した基板40の部分を四角錘状
にエッチングして、窒化珪素膜24の開口24aに連続
する四角錘上のトレンチ40aを形成する(図3
(a))。なお、基板40として(100)面方位のも
のが用いられているので、周知のようにエッチングがシ
リコンの(111)面で自動的に停止するため、トレン
チ40aの面は54.7゜の角度のテーパ面となる。
【0045】その後、図3(a)に示す状態の基板を酸
素雰囲気中で加熱し、露出した基板40のトレンチ40
aの部分に酸化珪素膜42を成長させる。次に、基板4
0の両面の窒化珪素膜24,41を残したまま、窒化珪
素膜24,41の表面及び酸化珪素膜42の表面を覆う
ように、厚みが約400nmの窒化珪素膜25,43を
CVD法等により形成する(図3(b))。なお、熱酸
化膜42上に形成された窒化珪素膜25の部分が探針2
3となる。
【0046】次に、基板40の下面の薄膜41,43を
ドライエッチング法により除去する。さらに、基板40
の上面の薄膜24,25に対して、薄膜状梁部21の所
望の形状に合わせて、フォトリソグラフィ法及びドライ
エッチング法によりパターニングを施す(図3
(c))。
【0047】一方、上面に支持体22の形状に合わせて
パターニングされた窒化珪素膜(エッチング保護膜)2
8が形成され、下面全面にスパッタリング法等により厚
さ約1μmの硼珪酸ガラス膜(接着層)29が成膜され
た(100)面方位のシリコン基板27を、用意する。
窒化珪素膜28には、前記分離溝32の形状に合わせて
パターニングして、シリコン基板27の表面を露出させ
る開口28aを形成しておく(図2参照)。
【0048】そして、この用意したシリコン基板27を
図3(c)に示す状態の基板上に陽極接合法により薄膜
5に接合する(図3(d))。すなわち、シリコン基板
27を硼珪酸ガラス膜29を介して基板40上の窒化珪
素膜25に接合する。
【0049】次に、図3(d)に示すように互いに接合
された基板を80゜Cの水酸化カリウム(KOH)水溶
液又はテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド
(TMAH)水溶液等の異方性エッチング液に浸漬し、
基板27の部分及び硼珪酸ガラス膜29の部分であって
支持体22に相当しない部分、シリコン基板40の全
体、並びに、酸化珪素膜42を除去する。このとき、周
知のように(100)面方位のシリコン基板ではエッチ
ングがシリコンの(111)面で自動的に停止するの
で、残った基板27の側部の形状が自動的に54.7゜
の角度のテーパ形状となり、支持体2の側部の形状が薄
膜状梁部1の撓み検出用の光束30を妨げない形状に自
動的になる。また、このエッチングにより、同時に、窒
化珪素膜28の開口28aから露出した基板27の部分
に、該開口28aに連続する溝が分離溝32として自動
的に形成される。そして、最後に、窒化珪素膜24の下
面及び窒化珪素膜25の探針23に相当する部分の下面
に、金属層26を真空蒸着等により形成し、これにより
図1及び図2に示すプローブが完成する。金属層26と
しては、例えば、先にニクロムの層を形成しその上に金
の層を形成した2層としたり、金の層の1層としてもよ
い。
【0050】以上説明した製造方法によれば、前記図4
及び図5に示す従来のプローブの製造に必要であった、
ガラス基板の非接合領域の除去のための切削加工及びガ
ラス基板における支持体に相当しない上側部分の除去の
ための切削加工に相当する切削加工が不要となる。しか
も、前記製造方法によれば、図3(d)に示す状態の互
いに接合された基板27,40をエッチング液に浸漬し
てエッチングしたときに、前述したように、支持体2の
側部の形状が前記光束30を妨げないテーパ形状に自動
的になるとともに、分離溝32が自動的に形成される。
したがって、前述した図4及び図5に示す従来のプロー
ブの製造に必要であった、上側部分が除去されたガラス
基板の角部の除去のための切削加工及びガラス基板に分
離溝を形成するための切削加工に相当する切削加工も不
要となる。
【0051】したがって、図3を参照して説明した製造
方法によれば、切削加工を全く行うことなく、図1及び
図2に示すプローブを製造することができる。このた
め、図4及び図5に示す従来のプローブに比べて、加工
時間が大幅に短縮され、製造コストを大幅に低減させる
ことができる。具体的には、図3を参照して説明した製
造方法によれば、従来に比べて加工時間がウェハー1枚
当たり2時間以上短縮されることが確認された。
【0052】なお、図3を参照して説明した製造方法で
は、エッチング保護層28として窒化珪素膜が成膜され
ているが、エッチング保護層28として、酸化珪素膜、
金属膜、有機材料膜など、シリコンのエッチングに対す
る耐性を有する任意の保護層を形成することができる。
【0053】また、図3を参照して説明した製造方法で
は、接着層29として硼珪酸ガラス層が形成されている
が、陽極接合法や他の接合法に適した任意の材料の層を
形成することができる。
【0054】また、図3を参照して説明した製造方法で
は、基板27,40として(100)面方位の基板が用
いられている。しかし、トレンチ40aをドライエッチ
ング等により形成する場合には、基板40として他の面
方位の基板を用いることができる。また、エッチング時
に支持体22の側部の形状を自動的にテーパ形状にしな
い場合には、基板27として他の面方位の基板を用いる
ことができる。この場合には、例えば、前記図4及び図
5に示す従来のプローブの製造に必要であった、上側部
分が除去されたガラス基板の角部の除去のための切削加
工に相当する切削加工を行う。その場合には、切削加工
を完全に除去することはできないものの、従来に比べれ
ば切削加工の量が大幅に減るので、製造コストを低減さ
せることができる。
【0055】また、図3を参照して説明した製造方法で
は、窒化珪素膜28に開口28aが形成されていたが、
エッチング時に分離溝32を自動的に形成しない場合に
は開口28aを形成しておかなくてもよい。この場合に
は、例えば、支持体22に従来と同様に切削加工により
分離溝32を形成する。その場合には、切削加工を完全
に除去することはできないものの、従来に比べれば切削
加工の量が大幅に減るので、製造コストを低減させるこ
とができる。
【0056】さらに、図3を参照して説明した製造方法
では、図3(b)に示すように、窒化珪素膜24を残し
たまま窒化珪素膜25を形成しているが、窒化珪素膜2
4をドライエッチング等により除去した後に窒化珪素膜
25を形成してもよい。
【0057】さらにまた、図3を参照して説明した製造
方法では、トレンチ40aの部分に酸化珪素膜42が形
成されているが、この酸化珪素膜42は必ずしも形成す
る必要はない。ただし、探針3を一層先鋭にするために
は、酸化珪素膜42を形成することが望ましい。なお、
酸化珪素膜42を形成しない場合には、薄膜25,43
として酸化珪素膜も用いることができる。
【0058】以上説明した実施例は、原子間力顕微鏡に
用いられるプローブの例であった。しかし、本発明は、
他の種々の走査型プローブ顕微鏡に用いられるプローブ
に適用することができる。
【0059】例えば、前述した実施例において、前記金
属層26の代わりに磁性材層を形成すれば、走査型磁気
力顕微鏡に用いられるプローブが得られる。この場合、
探針3の部分にのみ磁性材料を形成してもよい。
【0060】また、前述した実施例では、金属層26が
形成されているので、金属層26は導電性を有している
ので、前述した実施例によるプローブは、そのまま走査
型電気容量顕微鏡用のプローブとして用いることができ
る。もっとも、金属層26に代えて他の任意の導電層を
形成してもよい。また、金属層26は、探針3の部分に
のみ形成してもよい。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、製造に際して切削加工
の量を減らしあるいは切削加工を完全になくすことがで
き、製造コストの低い走査型プローブ顕微鏡用プローブ
及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるプローブの概略断面図
である。
【図2】図1に示すプローブの平面図である。
【図3】図1及び図2に示すプローブの製造工程の一例
を示す概略断面図である。
【図4】従来のプローブの概略断面図である。
【図5】図4に示すプローブの平面図である。
【図6】図4及び図5に示すプローブの製造工程を示す
概略断面図である。
【符合の説明】
21 薄膜状梁部 22 支持体 23 探針 24,25 薄膜 26 金属層 27 シリコン層(シリコン基板) 28 エッチング保護層 28a 開口 29 接着層 32 分離溝 40 シリコン基板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜状梁部と、該薄膜状梁部を支持する
    支持体であって、表面にエッチング保護層が形成される
    とともに、裏面に接着層が形成されたシリコン層からな
    る支持体とを備え、前記支持体が前記接着層を介して前
    記薄膜状梁部に接合されたことを特徴とする走査型プロ
    ーブ顕微鏡用プローブ。
  2. 【請求項2】 前記接着層が陽極接合用の接着層である
    ことを特徴とする請求項1記載の走査型プローブ顕微鏡
    用プローブ。
  3. 【請求項3】 前記シリコン層の面方位が(100)面
    方位であることを特徴とする請求項1又は2記載の走査
    型プローブ顕微鏡用プローブ。
  4. 【請求項4】 表面に前記薄膜状梁部の形状に合わせて
    パターニングされた前記薄膜状梁部に相当する薄膜が形
    成された第1のシリコン基板を用意する工程と、 表面に前記支持体の形状に合わせてパターニングされた
    エッチング保護層が形成されるとともに、裏面に接着層
    が形成された第2のシリコン基板を用意する工程と、 前記第2のシリコン基板を前記接着層を介して前記第1
    のシリコン基板の表面の前記薄膜に接合する工程と、 互いに接合された前記第1のシリコン基板及び前記第2
    のシリコン基板をエッチング液に浸漬して、前記第2の
    シリコン基板の部分及び前記接着層の部分であって前記
    支持体に相当しない部分、並びに、前記第1のシリコン
    基板の全体を除去するエッチング工程と、 を備えたことを特徴とする請求項1記載の走査型プロー
    ブ顕微鏡用プローブの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第2のシリコン基板を前記接着層を
    介して前記第1のシリコン基板の表面の前記薄膜に接合
    する前記工程において、当該接合を陽極接合により行う
    ことを特徴とする請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2のシリコン基板の面方位が(1
    00)面方位であることを特徴とする請求項4又は5記
    載の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記エッチング保護層は、当該プローブ
    を隣接する他のプローブから分離するための分離溝の形
    状に合わせてパターニングされた、前記第2のシリコン
    基板の表面を露出させる開口を有し、 前記エッチング工程において、同時に、前記エッチング
    保護層の前記開口に連続する溝を前記分離溝として前記
    第2のシリコン基板に形成する、 ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の製
    造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011525689A (ja) * 2008-06-27 2011-09-22 パウル・シェラー・インスティトゥート 先端の尖鋭度が制御される電界放出エミッタアレイの製造方法
CN114441918A (zh) * 2022-01-07 2022-05-06 强一半导体(苏州)有限公司 一种防探针脱落的薄膜探针头及薄膜探针卡

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