JPH06241218A - ボルトの座金取付方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、軸太ボルトであっても座金を予め
取り付けることができるボルトの座金取付方法を提供す
ることを目的とする。 【構成】 本発明は、ボルトに座金を取り付ける方法に
おいて、平板の中央部にボルト軸部の挿入穴を開設した
後、この平板を傘状に曲げ加工し、挿入穴の傘状の凹部
側の一端の周縁部径をボルト軸部の径よりも僅かに小さ
く形成した座金を用いて、この座金の挿入穴内にボルト
軸部を圧入し、ボルト軸部に座金を取り付けることを特
徴とした、ボルトの座金取付方法である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はボルトに座金を取り付け
る方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ボルトに座金を取り付ける場合、ボルト
の組み付け時に単体の座金をはめ込む方法と、予めボル
トに座金が脱落しないように取り付けてある場合とがあ
る。予め座金を取り付ける場合は、図８に示すように、
ボルトａの軸部ｂにリング状の座金ｃを取り付けた後
に、ネジ部ｄを刻設する構造であり、ネジ部ｄの山部が
盛り上がり、ネジ部ｄの径が広がるため、座金ｃの脱落
を防止することができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、図９に示すよ
うな軸太ボルトｅに座金ｆを取り付ける場合は、ネジ部
ｇよりも軸部ｈの方が大径であるため、座金ｆを予め取
り付けておくことができない。従って、作業者がボルト
の組み付け時に、ボルト毎に単体の座金ｆをはめ込まな
ければならず、大量生産における流れ作業などにおいて
は、非常に作業効率が悪いものとなる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記のような問
題点を解決するためになされたもので、軸太ボルトであ
っても、座金を予め取り付けることができるボルトの座
金取付方法を提供することを目的とする。即ち本発明
は、ボルトに座金を取り付ける方法において、平板の中
央部にボルト軸部の挿入穴を開設した後、この平板を傘
状に曲げ加工し、挿入穴の傘状の凹部側の一端の周縁部
径をボルト軸部の径よりも僅かに小さく形成した座金を
用いて、この座金の挿入穴内にボルト軸部を圧入し、ボ
ルト軸部に座金を取り付けることを特徴とした、ボルト
の座金取付方法である。

【０００５】

【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の一実施
例を詳細に説明する。 ＜イ＞座金の構造 座金１は、図３に示すように、中央部にボルトの軸部を
挿入する挿入穴１１を開設した傘状の鋼板である。挿入
穴１１の周囲には、図４に示すように、傘状の凹部側の
一端に向けて次第に縮径する内周面１２が形成されてい
る。この内周面１２の傘状の凹部側の一端の周縁径ｄ１
は、ボルト２の軸部２２の径ｄ２よりも僅かに小さく形
成する。この座金１の製造方法は、先ず平板の中央部に
ボルト軸部２２の挿入穴１１を開設した後、この平板を
傘状に曲げ加工し、挿入穴１１の傘状の凹部側の一端の
周縁部径ｄ１をボルト軸部２２の径よりも僅かに小さく
形成する。

【０００６】＜ロ＞座金の取付方法 次に、座金１の取付方法について説明する。なお、ボル
トには軸太ボルトを用いた場合について説明する。ボル
ト２は、図１に示すように、頭部２１、軸部２２、軸部
２２より小径のネジ部２３よりなる。図４に示すよう
に、このボルト２の軸部２２を、座金１の挿入穴１１内
に圧入させ、座金１を取付する。このとき、座金１はボ
ルト頭部２１側即ち図中上方に押されて多少拡径するた
め、および内周面１２がテーパ状となっているため、ボ
ルト軸部２２にスムーズに挿入することができる。取り
付け後は、再び座金１は縮径するため、図１に示すよう
に、軸部２２に確実に取り付けることができる。

【０００７】＜ハ＞締付部材への取り付け 次に、図５に示すように、座金１を、ボルト頭部２１と
締付部材３とによって挟み、傘状の座金１を加圧して平
板状にする。これによって、座金１の内周面１２とボル
ト軸部２２の表面とが、接触しない状態で、ボルト軸部
２２の表面に食い込ませることなく、座金１を軸部２２
に脱落しないように取り付けることができる。なお、座
金１の内周面は、図６に示すように、軸部２２を部分的
に点接触によって支持する構造や、図７に示すように、
部分的に線接触によって支持する構造等も考えられる。

【０００８】

【本発明の効果】本発明は以上説明したようになるの
で、次のような効果を期待することができる。 ＜イ＞従来は、軸太ボルトに座金を取り付ける場合は、
ネジ部よりも軸部の方が大径であるため、座金を予め取
り付けておくことができなかった。従って、作業者がボ
ルトの組み付け時に、ボルト毎に単体の座金をはめ込ま
なければならず、大量生産における流れ作業などにおい
ては、作業効率の低下を招くものであった。それに対し
て本発明は、座金の内周面が、ボルトの軸部の外周面と
接触し、軸部の表面に食い込むことなく、座金を軸部に
脱落しないように取り付けることができる。従って、軸
太ボルトの軸部にも予め座金を取り付けることができ、
従来のような座金取り付けの煩雑な作業が削除でき、作
業効率を向上させることができる。

【０００９】＜ロ＞取り付け前の傘状座金の挿入穴の傘
状の凹部側の一端の周縁径は、ボルト軸部の径よりも僅
かに小さく形成されているため、ボルト軸部を座金の挿
入穴内に圧入させることによって、座金を仮取付でき
る。そのため、座金の平板戻し後においても、座金を作
業員が組み込み及び押さえている必要がなく、作業性が
向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 ボルトに取り付けた座金の断面図

【図２】 ボルトに取り付けた座金の平面図

【図３】 座金の斜視図

【図４】 座金の取り付け方法の説明図

【図５】 座金の加圧方法の説明図

【図６】 座金係止部のその他の構造の説明図

【図７】 座金係止部のその他の構造の説明図

【図８】 従来技術の説明図

【図９】 従来技術の説明図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボルトに座金を取り付ける方法におい
   て、 平板の中央部にボルト軸部の挿入穴を開設した後、この
   平板を傘状に曲げ加工し、挿入穴の傘状の凹部側の一端
   の周縁部径をボルト軸部の径よりも僅かに小さく形成し
   た座金を用いて、 この座金の挿入穴内にボルト軸部を圧入し、 ボルト軸部に座金を取り付けることを特徴とした、 ボルトの座金取付方法。