JPS6218728Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、所定の間隔をおいて立設される円
筒状の支持脚の間に補強部材としての横棧パイプ
を取付けるための継手に関する。

たとえば業務用の調理台、流し台のような厨房
機器などは、運搬あるいは搬入などの便宜を考慮
して搬入した後に本体と脚部等を組み立てるよう
にしている場合が多い。その場合、脚部間を架け
渡して補強する補強部材も脚部を組み立てたの
ち、これに固定されることになる。この固定方法
としては、まず支持脚の外面にスペーサ部材を取
りつけ、このスペーサ部材間に補強部材すなわち
横棧パイプを架設することが一般的であるが、通
常は支持脚が中空パイプ材からなるため、横棧パ
イプに荷重がかかることによりスペーサ部材の端
部が支持脚のパイプを押圧し、ついにはそのパイ
プが凹んでしまう虞れがあり、補強部材による補
強効果が低下し、また美観上も好ましくない。こ
の対策としては、支持脚内のスペーサ部材が当接
する部位に円筒状のソケツト部材を嵌入して固定
し、支持脚の内部から補強することが考えられ
る。しかしながら、これによると、ソケツト部材
をスペーサ材が当接する部位に正確に位置決めし
て固定することが難しい。すなわち、支持脚が円
筒状パイプの場合には、そのソケツト部材がパイ
プ内で自由に回転するため、このソケツト部材を
支持脚の所定の深さまで挿入し、しかも、その位
置でソケツト部材の雌ネジ孔と支持脚に穿設され
ているボルト挿通孔とを位置決めするには相当な
熟練を必要とする。

この考案は、上記した事情に鑑みなされたもの
で、その目的は、組立作業が簡単で、しかも、補
強部材（横棧パイプ）を支持脚の間にしつかりと
固定することができる継手を提供することにあ
る。

すなわち、この考案の補強部材取付用継手は、
所定の間隔をおいて立設される円筒状の支持脚の
間に補強部材としての横棧パイプを取付けるため
の継手において、周壁に１もしくは複数の透孔を
有し、かつ、前記支持脚内に挿嵌されるように形
成された有底円筒形のソケツト部材と、前記支持
脚に穿設されている貫通孔と前記ソケツトの透孔
とに挿嵌されて前記ソケツト部材を前記支持脚内
の所定の位置に固定する雌ネジ付きのリベツト部
材と、該リベツトの雌ネジに螺合されるボルトを
介して前記支持脚の外周面側に突出するように取
付けられて前記横棧パイプを嵌合支持するスペー
サ部材とを有し、前記ソケツト部材の底部外面に
は、位置決め治具と着脱自在に嵌合し、該ソケツ
ト部材をその治具により回転させるための連結手
段が設けられていることを特徴としている。

以下、添付図面に沿つてこの考案をさらに詳細
に説明する。

第１図はこの考案の継手を用いて円筒状の支持
脚１０に補強部材としての横棧パイプ１２を架け
渡した状態を示す縦断面図であり、第２図はその
線−線に沿つた断面図である。この継手は、
上記支持脚１０内に嵌挿されるソケツト部材１４
と、このソケツト部材１４を受け具として支持脚
１０の外側面に固定されるスペーサ部材２２とを
含む。なお、支持脚１０の横棧パイプ１２を取付
けるべき位置には、予め貫通孔１８が穿設されて
いる。

上記ソケツト部材１４は、支持脚１０の内径よ
りも若干小さな外径にされた有底円筒体からなり
その周壁には、上記貫通孔１８とほぼ同径の透孔
１６が所定数設けられている。そして、このソケ
ツト部材１４の底部外面には、第３図に例示され
ている位置決め治具３０の頭部と着脱自在に嵌合
する連設手段が形成されている。この実施例にお
いては、上記位置決め治具３０は円柱状ステムの
上端に正方形の頭部突起３１を形成したものから
なる関係上、上記連結手段は角穴１４ａとして示
されている。すなわち、この角穴１４ａに上記頭
部突起３１を嵌合させることにより、位置決め治
具３０にてソケツト部材１４を任意の方向に回転
させて、透孔１６と貫通孔１８とを同軸的に位置
合せすることができるようになされている。この
ようにして、透孔１６と貫通孔１８が一致させら
れた状態において、ソケツト部材１４はリベツト
部材２０により支持脚１０内に固定される。この
リベツト部材２０は構造用炭素鋼等の座屈変形可
能な材料からつくられた円筒体からなり、その内
部には雌ネジ２０ａが刻設されており、また、そ
の一端には外側フランジ２０ｂが設けられてい
る。このリベツト部材２０は、支持脚１０の外側
から貫通孔１８と透孔１６内に挿通され、図示し
ないエアガンの作動杆を上記雌ネジ２０ａに螺合
させるとともに、そのエアガンの頭部で上記外側
フランジ２０ｂを押えた状態でエアガンを作動さ
せてその作動杆を衝撃的に引込めるようにするこ
とにより、胴部が座屈変形する。したがつて、こ
の座屈変形により形成される内側フランジ２０ｃ
と外側フランジ２０ｂとにより、第１図に示され
ているように、支持脚１０に対してソケツト部材
１４を強固に固定する。

上記スペーサ部材２２は、第４図および第５図
に明示されているように、横棧パイプ１２内に適
嵌するように形成されたアルミダイカスト等の金
属ブロツクからなり、その一端面２２ａは支持脚
１０の外周面に適合する彎曲面を呈し、かつ、そ
の中央部にはリベツト部材２０の外側フランジ２
０ｂを受容するとともに、取付位置へのガイド作
用も果す凹部２２ｂが設けられている。また、こ
のスペーサ部材２２には、上記凹部２２ｂの部分
から他端面側に向けて貫通するボルト挿通孔２２
ｃと横棧パイプ１２をネジ止めするための雌ネジ
穴２２ｄ，２２ｄとが設けられている。このスペ
ーサ部材２２は上記ボルト挿通孔２２ｃにボルト
２４を挿通し、そのボルト２４をリベツト部材２
０の雌ネジ２０ａに螺合させることにより、支持
脚１０の外周面に取付けられる。

この考案の継手により、横棧パイプ１２を支持
脚１０に取付けるには、先ず、ソケツト部材１４
の角穴１４ａに位置決め治具３０の頭部突起３１
をはめ込み、このソケツト部材１４を支持脚１０
内の貫入孔１８の深さ位置まで挿入する。そし
て、その挿入位置において位置決め治具３０を回
転して透孔１６と貫通孔１８を一致せしめる。こ
のように、この考案の継手は有底円筒形のソケツ
ト部材１４の底面に角穴１４ａを有するので、こ
れと嵌合する治具を用いることにより、支持脚１
０内でのソケツト部材１４の位置決め、特に透孔
１６と貫通孔１８の位置合せを容易に行なうこと
ができる。ついで、貫通孔１８および透孔１６に
リベツト部材２０を挿入し前述のようにこれを座
屈変形させて支持脚１０内にソケツト部材１４を
固定する。しかるのち、リベツト部材２０の中心
部に刻設された雌ネジ２０ａを利用して、それに
螺合するボルト２４を介してスペーサ部材２２を
支持脚１０に取りつける。そして、このスペーサ
部材２２間に横棧パイプ１２を嵌着し、ネジ２
６，２６にて締付固定する。

なお、上記実施例は、連結手段の一例として角
案１４ａが示されているが、この連結手段として
は種々の変形例が考えられる。たとえば、断面六
角形の凹部でもよく、その場合には六角ボルトの
ような位置決め治具を用いればよい。また、一条
の溝とした場合は、マイナスドライバーのような
位置決め治具を用いればよい。さらには、異なる
位置に２つの小孔を設けることも可能であり、こ
の場合はデバイダ状の位置決め治具を用いること
になる。他方、前記の角六等に代えて凸部とする
ことも可能であり、このときは先端部にその凸部
と嵌合する凹部を有する治具を用いればよい。

上記した実施例の説明から明らかなように、こ
の考案の継手によれば、有底円筒形のソケツト部
材を支持脚内に嵌入することにより、しつかりと
横棧パイプを支持することができ、しかも、この
ソケツト部材の底部に凹部あるいは凸部からなる
連結手段が形成されているため、円筒形の支持脚
内でのソケツト部材の位置決めが容易であり、組
立作業上頗る便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の継手により支持脚に補強部
材（横棧パイプ）を取付けた状態を示す縦断面
図、第２図はその−線に沿つた断面図、第３
図は位置決め治具の要部斜視図、第４図はスペー
サ部材の底面図、第５図はその縦断面図である。 図中、１０は支持脚、１２は補強部材（横棧パ
イプ）、１４はソケツト部材、１４ａは角穴、１
６は透孔、１８は貫通孔、２０はリベツト部材、
２２はスペーサ部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定の間隔をおいて立設される円筒状の支持脚
   の間に補強部材としての横棧パイプを取付けるた
   めの継手において、周壁に１もしくは複数の透孔
   を有し、かつ、前記支持脚内に挿嵌されるように
   形成された有底円筒形のソケツト部材と、前記支
   持脚に穿設されている貫通孔と前記ソケツトの透
   孔とに挿嵌されて前記ソケツト部材を前記支持脚
   内の所定の位置に固定する雌ネジ付きのリベツト
   部材と、該リベツトの雌ネジに螺合されるボルト
   を介して前記支持脚の外周面側に突出するように
   取付けられて前記横棧パイプを嵌合支持するスペ
   ーサ部材とを有し、前記ソケツト部材の底部外面
   には、位置決め治具と着脱自在に嵌合し、該ソケ
   ツト部材をその治具により回転させるための連結
   手段が設けられていることを特徴とする支持脚の
   補強部材取付用継手。