JPH06241122A

JPH06241122A - エンジンの気化器の空燃混合比補正装置

Info

Publication number: JPH06241122A
Application number: JP4722893A
Authority: JP
Inventors: Kiyoshi Murakami; 潔村上
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1993-02-13
Filing date: 1993-02-13
Publication date: 1994-08-30

Abstract

(57)【要約】【目的】エンジンの全負荷領域に亙って適正な空燃混
合比を得る。燃料の無駄な消費やスモークの発生を抑制
する。【構成】既存の気化器に付設する空燃混合比補正装置
２０であって、エンジンの負荷を検出して負荷信号Ｊ_１
を出力する負荷検出手段２５と、エンジンの空燃混合比
を検出して空燃比信号Ｊ_２を出力する空燃比検出手段２
６と、上記負荷信号Ｊ_１と空燃比信号Ｊ_２とに基づき空
燃比補正信号Ｋを出力する補正制御回路２３とを設け、
この補正制御回路２３からの空燃比補正信号Ｋに基づ
き、設定具作動手段２２を駆動制御可能に構成する。こ
の設定具作動手段２２で流量設定具２１を調節駆動する
ことにより、メインジェット１２の燃料流量を負荷に対
応させて調節する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの負荷に対応
させて空燃混合比を適正に補正するエンジンの気化器の
空燃混合比補正装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ガソリンエンジンの気化器は、例えば図
３に示すような構造を有する。この気化器１は、ベンチ
ュリー管２とその下方に接続されたケーシング３内のフ
ロート室４とから成り、このベンチュリー管２には、空
気流入側にチョークバルブ５を、出口側にスロットルバ
ルブ６を設けてある。そして、ベンチュリー管２内の中
央部にベンチュリ部７が形成されている。

【０００３】上記ベンチュリー管２のベンチュリー部７
からメインノズルボス１０をフロート室４内に突入し、
上記メインノズルボス１０内で、メインノズル８の外周
にブリード室１１を形成し、上記メインノズル８のノズ
ル先端部８ａはベンチュリー部７に突出させ、メインノ
ズル８の他端部はメインジェット１２を介してノズル入
口室１３に臨ませ、入口室１３は連通孔１３ａによって
フロート室４と連通されている。このフロート室４内に
は、フロート１５とフロートノズル１６及びフロート１
５の搖動支点部１７とが設けられている。

【０００４】上記メインノズル８を流通する燃料を規制
するメインジェット１２は、エンジンの機種・排気量等
に応じてあらかじめ流量設定されたものを、適宜選択し
て用いるように構成されている。上記ブリード室１１は
メインエアブリード１４を介してチョークバルブ５の上
流側に連通されており、ブリード室１１に入って来た空
気は、メインノズル８を流通する燃料に混入されてノズ
ル先端部８ａよりへ流出する。即ち、エンジンの負荷に
対応して、図示しないガバナ装置によりスロットルバル
ブ６の開度が設定され、吸気負圧に基づくベンチュリー
部７とフロート室４内との圧力差によってフロート室４
内の燃料（ガソリン）がベンチュリー部７へ吸い出され
て行く。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】一般にエンジンの空燃
混合比は、例えば図４で示すように、エンジンの負荷率
によって変動するが、可能な限りエンジンの要求する空
燃混合比に近づけるように、あらかじめメインジェット
１２の流量調節がなされている。しかし、あらかじめ流
量設定がなされている上記メインジェット１２では、エ
ンジンの全負荷領域に亙って適正な空燃混合比を得るこ
とが困難であり、エンジンの負荷領域によっては目標と
する空燃混合比に対して大きなバラツキを生ずることが
ある。このため燃料が無駄に消費され、スモークを発生
することがある。本発明はこのような事情に鑑みてなさ
れたもので、エンジンの全負荷領域に亙って適正な空燃
混合比を得ること、ひいては燃料の無駄な消費やスモー
クの発生を抑制することを技術課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、本発明が採用した手段は、既存の気化器に付設する
空燃混合比補正装置２０であって、この空燃混合比補正
装置２０は、流量設定具２１でメインジェット１２を流
通する燃料の流量を調節可能に構成するとともに、この
流量設定具２１を設定具作動手段２２で調節駆動するよ
うに構成し、エンジンの負荷を検出して負荷信号Ｊ_１を
出力する負荷検出手段２５と、エンジンの空燃混合比を
検出して空燃比信号Ｊ₂を出力する空燃比検出手段２６
と、上記負荷信号Ｊ₁と空燃比信号Ｊ₂とに基づき空燃比
補正信号Ｋを出力する補正制御回路２３とを設け、この
補正制御回路２３からの空燃比補正信号Ｋに基づき、上
記設定具作動手段２２を駆動制御可能に構成し、上記補
正制御回路２３は、エンジンの負荷に対応する空燃混合
比のデータを記憶する空燃比記憶手段２４ａと、演算手
段２４ｂとを備えて成り、上記演算手段２４ｂは、上記
負荷信号Ｊ_１に基づき目標空燃混合比Ｑ_Ａを割り出すと
ともに、目標空燃混合比Ｑ_Ａに対して上記空燃比信号Ｊ
_２により与えられる実際の空燃混合比Ｑ_Ｂとから供給す
べき燃料の過不足を算定して燃料の過不足に対応する上
記空燃比補正信号Ｋを出力するように構成したことを特
徴とするものである。

【０００７】

【作用】本発明に係る空燃混合比補正装置２０は、メイ
ンジェット１２を流通する燃料の流量を調節する流量設
定具２１と、この流量設定具２１を調節作動させる設定
具作動手段２２と、設定具作動手段２２を駆動制御する
補正制御回路２３と、負荷検出手段２５と、空燃比検出
手段２６とから成り、次のように作用する。

【０００８】上記負荷検出手段２５はエンジンの負荷を
検出して負荷信号Ｊ_１を出力し、上記空燃比検出手段２
６はエンジンの排気ガスから空燃混合比を検出して空燃
比信号Ｊ_２を出力する。これらの信号Ｊ_１・Ｊ_２は上記
補正制御回路２３に入力される。上記補正制御回路２３
は、空燃比記憶手段２４ａと演算手段２４ｂとを備えて
成り、上記演算手段２４ｂは、負荷信号Ｊ_１に基づき、
空燃比記憶手段２４ａが記憶している空燃混合比から目
標とする空燃混合比Ｑ_Ａを割り出すとともに、この目標
空燃混合比Ｑ_Ａと空燃比信号Ｊ_２により与えられる実際
の空燃混合比Ｑ_Ｂとの差を割り出し、本来供給すべき燃
料の過不足を算定する。そして燃料の過不足に対応する
空燃比補正信号Ｋを出力する。上記設定具作動手段２２
は、この補正制御回路２３からの空燃比補正信号Ｋに基
づき、上記設定具作動手段２２を調節作動する。これに
より、自動的にメインジェット１２の流量調節がなされ
る。

【０００９】

【発明の効果】本発明は、上記のように構成され、自動
的にメインジェット１２の流量調節がなされることか
ら、エンジンの全負荷領域に亙りエンジンが必要とする
適正な空燃混合比が得られる。これにより、燃料の無駄
な消費やスモークの発生を抑制することができる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図１はエンジンの気化器と本発明に係る空燃混合比
補正装置の概要構成図、図２は本発明に係る空燃混合比
補正装置の動作を説明するフローチャートである。この
気化器１は、図１に示すように、従来例と同様の基本構
造を有する。即ち、ベンチュリー管２のベンチュリー部
７からメインノズルボス１０をフロート室４内に突入
し、上記メインノズルボス１０内で、メインノズル８の
外周にブリード室１１を形成し、上記メインノズル８の
ノズル先端部８ａはベンチュリー部７に突出させ、メイ
ンノズル８の他端部はメインジェット１２を介してフロ
ート室４に連通させ、エンジンの負荷に対応して、図示
しないガバナ装置によりスロットルバルブ６の開度が設
定され、吸気負圧に基づくベンチュリー部７とフロート
室４内との圧力差によってフロート室４内の燃料（ガソ
リン）がベンチュリー部７へ吸い出されるように構成さ
れている。

【００１１】以下、本発明の特徴構成について説明す
る。なお、従来例と同一の部材については同一の符号を
付して重複する説明を省略する。本発明に係る空燃混合
比補正装置２０は、従来例の気化器に付設したもので、
以下のように構成されている。この空燃混合比補正装置
２０は、メインジェット１２の流量設定具２１と、この
流量設定具２１を調節作動させる設定具作動手段２２
と、設定具作動手段２２を駆動制御する補正制御回路２
３と、負荷検出手段２５と、空燃比検出手段２６とから
成る。

【００１２】上記設定具作動手段２２は、フロート室４
を形成するケーシング３の下面より出力ロッド２２ａを
ノズル入口室１３に突入させて設けられ、上記流量設定
具２１は、その出力ロッド２２ａの先端部に固設してメ
インジェット１２に臨ませ、設定具作動手段２２の出力
ロッド２２ａを進退させることにより、メインジェット
１２を流通する燃料の流量を調節するように構成されて
いる。なお、メインジェット１２の孔径は、燃料の流量
調節を可能とするため、従来例のものより十分大きく設
定してある。また、上記設定具作動手段２２としては、
例えば、超音波モータ、ステッピングモータ、その他の
リニアアクチュエータが用いられるが、超音波モータを
用いた場合には、小型で高いトルクが得られるという利
点がある。

【００１３】上記負荷検出手段２５は、エンジンの負荷
を検出して負荷信号Ｊ₁を出力するもので、この負荷検
出手段２５としては、例えば、エンジンの回転数とスロ
ットルバルブ６の開度から負荷を検出するもの、エンジ
ンの回転数と吸気負圧とから負荷を検出するもの、排気
ガス温度から負荷を検出するもの、これらを適宜組み合
わせて負荷を検出するものなど、適宜変更して実施する
ことが可能である。また、上記空燃比検出手段２６は、
エンジンの排気ガスから空燃混合比を検出して空燃比信
号Ｊ_２を出力するもので、例えば、広域空燃比センサー
（内燃機関1987 VOL.126 NO.333 227頁）やＯ₂ガスセン
サ等により実施可能である。これらの負荷信号Ｊ₁・空
燃比信号Ｊ_２は上記補正制御回路２３に入力される。

【００１４】上記補正制御回路２３は、マイクロコンピ
ュータで構成され、空燃比記憶手段２４ａと演算手段２
４ｂとを備えて成り、上記空燃比記憶手段２４ａは、エ
ンジンの全負荷域に対応する空燃混合比をデータとして
記憶する。また、上記演算手段２４ｂは、マイクロコン
ピュータの中央制御部で構成され、上記負荷信号Ｊ_１に
基づき、空燃比記憶手段２４ａが記憶している全負荷域
に対応する空燃混合比Ｑから目標とする空燃混合比Ｑ_Ａ
を割り出すとともに、この目標空燃混合比Ｑ_Ａに対して
上記空燃比信号Ｊ_２で与えられる実際の空燃混合比Ｑ_Ｂ
との差を算出して、本来供給すべき燃料の過不足を算定
する。そして、燃料の過不足に対応する空燃比補正信号
Ｋを出力する。

【００１５】以下、空燃混合比補正装置２０の作用につ
いて、図２を参照しつつ説明する。先ず、ステップＳ_１
では、あらかじめ空燃比記憶手段２４ａにエンジンの全
負荷域に対応する空燃混合比Ｑを記憶させる。ステップ
Ｓ₂₁では上記負荷検出手段２５からの負荷信号Ｊ_１を読
み込み、これと並行してステップＳ₂₂では上記空燃比検
出手段２６からの空燃比信号Ｊ_２を読み込む。ステップ
Ｓ₃₁では負荷信号Ｊ_１に基づき本来の目標空燃混合比Ｑ
_Ａを割り出し、一方ステップＳ₃₂では空燃比信号Ｊ_２に
より与えられるエンジンの実際の空燃混合比Ｑ_Ｂを取り
込む。

【００１６】ステップＳ_４では目標空燃混合比Ｑ_Ａと実
際の空燃混合比Ｑ_Ｂとの差を算出して、本来供給すべき
燃料の過不足を算定する。ステップＳ_５ではその過不足
が許容範囲内か否かを判断し、許容範囲を超えれた場合
にはステップＳ_６で空燃比補正信号Ｋを出力し、ステッ
プＳ_７では上記設定具作動手段２２が空燃比補正信号Ｋ
に基づき、上記設定具作動手段２２を調節作動する。こ
れにより、自動的にメインジェット１２の流量調節がな
される。以下同様にしてメインジェット１２の流量調節
が繰り返される。

【００１７】本発明は、上記のように構成され、自動的
にメインジェット１２の流量調節がなされることから、
エンジンの全負荷領域に亙りエンジンが必要とする適正
な空燃混合比が得られる。これにより、燃料の無駄な消
費やスモークの発生を抑制することができる。なお、本
発明は図示した実施例に限らず、既存の汎用型の気化器
に適用できることは多言を要しない。

【図面の簡単な説明】

【図１】エンジンの気化器と本発明に係る空燃混合比補
正装置の概要構成図である。

【図２】本発明に係る空燃混合比補正装置の動作を説明
するフローチャートである。

【図３】従来例に係る気化器の縦断面図である。

【図４】エンジンが要求する空燃混合比を示すグラフで
ある。

【符号の説明】

１…気化器、２…ベンチュリー管、４
…フロート室、７…ベンチュリー部、８…メイン
ノズル、８ａ…ノズル先端部、１１…ブリード室、
１０…メインノズルボス、１２…メインジェッ
ト、２０…空燃混合比補正装置、２１…流量設定具、
２２…設定具作動手段、２３…補正制御回路、
２４ａ…空燃比記憶手段、２４ｂ…演算手段、２５…
負荷検出手段、２６…空燃比検出手段、Ｊ_１…
負荷信号、Ｊ_２…空燃比信号、Ｋ…空燃比補正
信号、Ｑ_A…目標空燃混合比、Ｑ_B…エンジンの空燃
混合比。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ベンチュリー管(２)のベンチュリー部
(７)からメインノズルボス(10)をフロート室(４)内に突
入し、上記メインノズルボス(１０)内で、メインノズル
(８)の外周にブリード室(１１)を形成し、上記メインノ
ズル(８)のノズル先端部(８ａ)はベンチュリー部(７)に
突出させ、メインノズル(８)の他端部はメインジェット
(１２)を介してフロート室(４)に連通させて構成したエ
ンジンの気化器において、流量設定具(２１)でメインジェット(１２)を流通する燃
料の流量を調節可能に構成するとともに、この流量設定
具(２１)を設定具作動手段(２２)で調節駆動するように
構成し、エンジンの負荷を検出して負荷信号(Ｊ_１)を出力する負
荷検出手段(２５)と、エンジンの空燃混合比Ｑ_Ｂを検出
して空燃比信号（Ｊ_２）を出力する空燃比検出手段(２
６)と、上記負荷信号(Ｊ_１)と空燃比信号（Ｊ_２）とに
基づき空燃比補正信号(Ｋ)を出力する補正制御回路(２
３)とを設け、この補正制御回路(２３)からの空燃比補
正信号(Ｋ)に基づき、上記設定具作動手段(２２)を駆動
制御可能に構成し、上記補正制御回路(２３)は、エンジンの負荷に対応する
空燃混合比のデータを記憶する空燃比記憶手段(２４ａ)
と、演算手段(２４ｂ)とを備えて成り、上記演算手段(２４ｂ)は、上記負荷信号(Ｊ_１)に基づき
目標空燃混合比(Ｑ_Ａ)を割り出すとともに、目標空燃混
合比(Ｑ_Ａ)に対して上記空燃比信号(Ｊ_２)により与えら
れる実際の空燃混合比(Ｑ_Ｂ)とから供給すべき燃料の過
不足を算定して燃料の過不足に対応する上記空燃比補正
信号(Ｋ)を出力するように構成したことを特徴とするエ
ンジンの気化器の空燃混合比補正装置。