JPH06240678A - 植生帯および植生方法 - Google Patents

植生帯および植生方法

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JPH06240678A
JPH06240678A JP5025163A JP2516393A JPH06240678A JP H06240678 A JPH06240678 A JP H06240678A JP 5025163 A JP5025163 A JP 5025163A JP 2516393 A JP2516393 A JP 2516393A JP H06240678 A JPH06240678 A JP H06240678A
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太郎 中川
Naohito Fukuda
尚人 福田
Tadashi Yamada
廉 山田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 緑化におけるわら被覆の施工性向上、アンモ
ニア態窒素供給、わらの腐植化促進、および永続的な緑
化植物の生育である。 【構成】 植生帯1を、少なくとも2枚の水分解性シー
ト2,3の間に種子4、肥料5、土壌改良材6を挾持し
た種子層7をわら9で覆い、このわらをアンモニア態窒
素肥料12を含む肥料袋11付き被覆材10で被覆して
構成した。この植生帯1を、被覆材10を上にして敷設
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、法面などの緑化に用い
られる植生帯と、この植生帯を用いた植生方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】わらは土壌水分の蒸発や凍結を防止して
種子の発芽や植物の生育に良好な環境を提供したり、風
雨による種子や土砂の流失を防止する。また、わらは腐
植後に肥料や土壌改良材となり、植物の生育に必要な栄
養源となる。そこで、このようなわらの有効性に鑑み
て、複数のシート間に種子や肥料等を挾持した種子層
を、わらを編成したむしろで被覆した植生帯が実公昭5
1−37282号公報等で提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、わらむしろは
風に舞い上がりやすく、敷設中はもちろん、敷設後も縄
またはテープを張り渡して押えなければならず、施工や
保守管理に多くの手間を要する。また、縄等で押さえて
も、冬期間積雪が少ない場合には強風にあおられて飛散
したり、春の発芽初期に幼植物と共に吹き飛ばされるこ
とがある。さらに、わらは雪が付着し易く、積雪がある
場合には融雪期にわらむしろと共に融雪が滑り落ち、わ
らむしろをまき込んで法面を崩壊させることがある。
【0004】ところで、有機物の腐植化には低分子のア
ンモニア態窒素が必要であるが、このアンモニア態窒素
は植物の生育にも必要な栄養素である。また、土壌に施
用される有機物の炭素と窒素の比率すなわちC/N比が
20〜30以下のときは、この有機物に十分な窒素が含
有されているので有機物は容易に分解されて腐植化が進
むが、C/N比が20〜30以上の窒素含有量の少ない
有機物は腐植化に必要なアンモニア態窒素を土壌中から
取り込んでしまい、植物の生育に必要なアンモニア態窒
素が不足して窒素飢餓の状態を招来する。
【0005】これをイネ科植物の茎葉部分であるわらに
ついてみると、わらはC/N比が60〜80で窒素含有
量が少なく、そのままの状態で植生地盤に施用すると窒
素飢餓を起こし易い。また、切土法面などの未風化土壌
にわらを敷くと、土壌からのアンモニア態窒素の供給が
ないのでわらの腐植化が進行しない。特に、土壌と接し
ていないわらの上部はアンモニア態窒素の供給がなく、
腐植化が全く進行しない。そのため、植物はその生育に
必要な栄養がわらに奪われるだけでなく、わらから必要
な栄養の供給も受けられず、早期に肥料切れを起こして
枯死することとなるので、従来、わらむしろの目付量は
約250g/m2に制限されていた。また、発芽生育が
早く、深根性で土壌を緊縛し、法面保護の役割を果たす
トール・フェスクなどイネ科植物は窒素を特に必要とす
るが、わらにアンモニア態窒素が奪われて生長せず、法
面保護の目的を達成できないという問題があった。
【0006】そこで、アンモニア態窒素の不足を防止す
るには、種子とともに植生帯にアンモニア態窒素肥料を
多量に土壌に投入することが考えられるが、純窒素量で
10g/m以上投入すると窒素肥料により植物がその
発芽時に濃度障害を起こして枯死する危険がある。ま
た、窒素肥料を多くする分、リン酸、カリウムを少なく
すると、発芽生育がイネ科植物より遅く、窒素よりリン
酸、カリウムを必要とするヤマハギなどの木本植物やコ
スモスなどの花き植物は生育できないという問題があ
る。
【0007】その他、わらの土壌に接していない部分に
アンモニア態窒素を供給するには追肥が考えられるが、
一年に数回必要なことから維持管理費がかかり、時期に
よっては新葉や幼芽に対して肥料濃度などを調整する配
慮が必要で、法面などで効果的に行うのは容易でないと
いう問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、わら
で被覆された植生帯におけるわら被覆の施工上の問題
点、困難性、わらの腐植化過程で生ずるアンモニア態窒
素不足、緑化植物の肥料成分の過不足による生育不良等
を解決するためになされたもので、請求項1の植生帯
は、少なくとも2枚の水分解性シートの間に種子、肥
料、土壌改良材を挾持した種子層をわらで覆い、このわ
らをアンモニア態窒素肥料を含む肥料袋付き被覆材で被
覆したものである。また、請求項2の植生方法は、上記
植生帯を、上記肥料袋付き被覆材を上にして敷設するも
のである。
【0009】
【作用】上記植生帯および植生方法では、わらの上に肥
料袋付き被覆材が設けられているので、この肥料袋付き
被覆材がいわば重しとなり、風に対する抵抗性が大きく
なるうえ、種子を土壌に密着させ、確実な発芽活着を計
れるという鎮圧効果がある。また、植生帯は上から肥料
袋付き被覆材、わら、水分解性シートにより種子等が挾
持された種子層の順に構成されるので、降雨により肥料
袋中の肥料成分が溶け出し、アンモニア態窒素がわらに
吸収されて腐植化が促進される。
【0010】
【実施例】図1,2に示す植生帯1において、水分解性
シート2,3は、紙、パルプにピートモスあるいはバー
クを混抄した薄層シート、不織布など水分解性を有する
薄層シートで、これらの間に種子4、肥料5、土壌改良
材6を挾持して種子層7を形成している。わらむしろ8
はわら9を編成してなり、このわら9にはイネ、ムギな
どイネ科植物の茎葉部分が使用されている。肥料袋付き
被覆材10は公知の合成樹脂からなるネットまたはひも
などに肥料袋11を取り付けたもので、この肥料袋11
は不織布などで形成されており、アンモニア態窒素肥料
12を収容している。
【0011】上記アンモニア態窒素肥料12としては、
硫安、硝安、腐植酸アンモニア肥料、硫安系普通化成肥
料、リン安を含む高度化成肥科などがある。肥料袋11
にはアンモニア態窒素肥料12に加えて、速やかにアン
モニア態窒素を生成するイソブチルアルデヒド窒素肥料
や土壌条件に応じて緩効性肥料、遅効性肥料、土壌改良
材、高吸水性樹脂などを収容してもよい。
【0012】アンモニア態窒素12の収容量はわら9の
目付量およびC/N比から次のようにして求める。例え
ば、わら目付量を300g/m2、わらのC/N比を8
0、施用後の目標C/N比を30、わらの全炭素含有率
を40%、全窒素含有率を0.5%とすると、わらの炭
素含有量は120g/m2、窒素含有量は1.5g/m2
であるから、C/N比が30になるように改良するに
は、被覆材の窒素含有量が4g(=120g/m2÷3
0)となるように、2.5g/m2の窒素量を追加する
必要がある。したがって、窒素成分含有量が10%のア
ンモニア態窒素肥料を使用する場合には、このアンモニ
ア態窒素肥料を25g/m2の割合で肥料袋11に収容
する。
【0013】上記構成からなる植生帯1は、図3に示す
ように、法面などの施工面13に種子層7が土壌と接
し、肥料帯付き被覆材10が上になるように敷設され、
竹、金属性の目串14で固定される。このようにして固
定された植生帯1は、肥料袋11が重しとなり、風に対
する抵抗性が強いので、風に舞い上がり飛散することは
ない。したがって、植生帯1の敷設にあたって使用する
目串が少なくなり、施工が容易である。また、肥料袋1
1の重量により種子層7が土壌に密着し、すなわち肥料
袋11の鎮圧効果により、種子4の発芽・発着が確実に
なる。さらに、施工後積雪がある場合、肥料袋11の部
分に積雪が定着し、この雪が緑化植物への安定した水分
供給源となる。
【0014】一方、肥料袋11に含まれる肥料は雨水に
より溶出し、流下水とともにわら9に供給され、アンモ
ニア態窒素が最も腐植化の困難なわら9の表面に供給さ
れてわら表面の腐植化が開始される。また、その後アン
モニア態窒素は順次わら9の内部に吸収され、わら全体
の腐植化が促進される。
【0015】したがって、植生帯1の浸食防止効果を高
めるために、わら目付量の非常に大きなわらむしろ8
(例えばわら目付量300g/m2)を使用する場合で
も、肥料袋11からわら9の腐植化に必要なアンモニア
態窒素肥料12が十分供給され、また種子4の発芽や植
物の生育に必要なアンモニア態窒素の供給が確保される
ので、切土法面などのように未風化の土壌であっても確
実に緑化が図られる。
【0016】また、肥料袋11から溶出したリン酸、カ
リウムが種子層7に到達すると、これらは木本植物、花
き植物の生育を促進するので、長期に亘り植生地盤が保
護される。
【0017】被覆材10の重量と風に対する植生帯の抵
抗性との関係について、異なる重さの5種類の肥料袋付
き被覆材(0,50,100,150,200g/
2)をそれぞれ備えた所定面積の植生帯を法面に目串
で固定して敷設し、一カ月後に法面に残った被覆材の面
積を計測して残存率を求めた。なお、植生帯のわら目付
量は25g/m2とした。結果を表1に示す。
【0018】
【表1】 No. 肥料袋の重さ(g/m2) 残存率(%) 備考 1 0 0 被覆材なし 2 50 18 3 100 52 4 150 76 5 200 100
【0019】上記表1から、被覆材の重さが増大するに
したがって風に対する抵抗性が増大することが分かる。
また、肥料袋の重さが200g以上になると、風に対す
る抵抗性が著しく良くなり、飛散が完全に防止できるこ
とが分かる。
【0020】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明にかかる植
生帯は、わら被覆の上に肥料袋付き被覆材が設けられて
いるので、この肥料袋付き被覆材がいわば重しとなって
風に対する抵抗性が増し、植生帯の飛散が防止される。
また、被覆材の重量により種子が土壌に密着し、種子の
発芽・発着が確実になる。さらに、法面等の施工面に固
定する目串も少なくて済み、施工性が格段に向上する。
さらにまた、施工後積雪のある場合には、肥料袋部分に
積雪が定着し、融雪以降緑化植物への水分供給源とな
る。
【0021】そして、施工した状態において、上から肥
料袋付き被覆材、わら、種子層の順に配置されるので、
降雨により肥料袋中の肥料成分が溶け出し、流下水とと
もにアンモニア態窒素が腐植化の最も困難なわらの表面
に供給され、C/N比が低下してわら上部の腐植化が開
始される。その後もアンモニア態窒素は順次わら内部に
吸収され、わら全体の腐植化が促進され、良好な発芽・
生育環境を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 植生帯の斜視図である。
【図2】 植生帯の部分拡大断面図である。
【図3】 植生帯の敷設状態を示す斜視図である。
【符号の説明】 1…植生帯、2,3…水分解性シート、4…種子、5…
肥料、6…土壌改良材、7…種子層、8…わらむしろ、
9…わら、11…肥料袋付き被覆材、12…アンモニア
態窒素肥料、14…目串。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2枚の水分解性シートの間に
    種子、肥料、土壌改良材を挾持した種子層をわらで覆
    い、このわらをアンモニア態窒素肥料を含む肥料袋付き
    被覆材で被覆したことを特徴とする植生帯。
  2. 【請求項2】 少なくとも2枚の水分解性シートの間に
    種子、肥料、土壌改良材を挾持した種子層をわらで覆
    い、このわらをアンモニア態窒素肥料を含む肥料袋付き
    被覆材で被覆した植生帯を、上記被覆材を上にして敷設
    することを特徴とする植生方法。
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