JP2002186349A - 緑化基材及びこれを用いた植物の栽培方法。 - Google Patents

緑化基材及びこれを用いた植物の栽培方法。

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JP2002186349A
JP2002186349A JP2000384945A JP2000384945A JP2002186349A JP 2002186349 A JP2002186349 A JP 2002186349A JP 2000384945 A JP2000384945 A JP 2000384945A JP 2000384945 A JP2000384945 A JP 2000384945A JP 2002186349 A JP2002186349 A JP 2002186349A
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greening
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JP2000384945A
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Toshiya Ueda
俊也 上田
Motoyoshi Nishimura
源宜 西村
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Ueda Shikimono Kojo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、緑化基材として2種以上の圧縮倍
率の異なる培養土層を積層してなる積層土を用いること
により、植物根の伸長に応じた良好な排水・通気性と保
水性を実現できる上、有効土層の厚さを適時確保するこ
とができる緑化基材であって、特に、ビルの屋上や家屋
の屋根或いは法面、ベランダ、玄関先や庭或いは庭に設
置したテーブル上等で植物を栽培してその緑化を促進
し、これによって、ビルの屋上や家屋の屋根或いは法面
等の環境を改善するために好適に用いられる緑化基材及
びこれを用いた植物の栽培方法を提供することを目的と
する。 【構成】 本発明は、2種以上の圧縮倍率の異なる培養
土層を積層してなる積層土を必須構成要素とすることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物の発芽、成長
などに応じて、土のちみつ度をフレキシブルに変化させ
て通気・排水性、保水性及び有効土層の厚さを適時確保
することにより、植物の成長、成育を促進させ得る緑化
基材に関し、特に、ビルの屋上や家屋の屋根或いは法
面、ベランダ、玄関先や庭或いは庭に設置したテーブル
上等で植物を栽培してその緑化を促進し、これによっ
て、ビルの屋上や家屋の屋根或いは法面等の環境を改善
するために好適に用いられる緑化基材及びこれを用いた
植物の栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】土(土壌)は、そこに根を張った植物が
育成するために不可欠なものであり、主に、根を介し
て、土中に保持されている栄養分や水分等を植物に補給
する役割を担っている。
【0003】即ち、土の良し悪しは植物の生長に大きく
かかわる大切なものであり、土の状態が悪いと、温度や
湿度等といった土以外の栽培環境が良くても、良好な植
物の成長が望めないばかりか、場合によっては枯死に至
ることになる。
【0004】従って、農業や園芸或いは個人の趣味等で
植物を栽培する場合には、まず良い土を作ることが大切
であり、「植物の栽培は土づくりから」は、まさにその
点を言葉であらわしたものである。
【0005】ところで、一般に良い土とは、「排水性」
と「保水性」のバランスが良いものをいう。
【0006】「排水性」とは、降雨水等の水分が土の中
にしみこんで飽和状態となり、その後、当該水分が地中
深く流れ落ちる性質のことをいい、従って、排水性が良
いとは、土の中の水分を速やかに排出する能力が高いこ
とをいう。
【0007】そして、土中で水分が飽和状態になると、
同時に土中に存在していた空気は押し出され、その後、
水が排出される際に、土中に新しい空気が取り込まれる
のであり、従って、「排水性」の良い土は、同時に「通
気性」も良く、この性質が好適に作用することにより、
植物の根が呼吸するのに必要な新鮮な空気を土中に供給
することができるのである。
【0008】しかしながら、排水性が良すぎて土中にし
み込んだ水が全て排出されてしまったのでは、植物が根
から水分や栄養分を吸収することができなくなくなるた
め、土には、前記「排水・通気性」に相反する性質であ
る「保水性」、即ち、水を土中に保持する性質も必要な
のである。
【0009】従って、良い土をつくるということは、
「排水・通気性」と「保水性」という相反する性質をバ
ランス良く兼備する土をつくるということである。
【0010】一般に、良い土といわれるものは「団粒構
造」をしているのであり、この「団粒構造」とは、「単
粒」と呼ばれる一つ一つの粒子単位の非常に微細な土
が、大小の適度な大きさに固まって「団粒」と呼ばれる
単位となり、この大小の「団粒」が疎密に並んだ土の状
態のことをいう。
【0011】即ち、団粒構造の土は、団粒と団粒との間
に隙間があり、水や空気が通りやすい上、個々の団粒の
表面や内部には水や養分を保持することができるもので
あり、従ってこの団粒構造の土は、植物にとっては、
「排水・通気性」と「保水性」という相反する性質をバ
ランス良く兼備する理想的な土なのである。
【0012】自然界においては、落ち葉や動植物の死骸
が、微生物等の分解を受けて土壌に還元される、いわゆ
る「有機物循環」の作用により、団粒構造の土が自然に
形成・維持されるのであるが、有機物循環のサイクルが
たたれているハウスプラントや園芸等においては、人工
的に土を団粒構造にする必要がある。
【0013】そのため、ハウスプラントや園芸等におい
ては、川砂、腐葉土、赤玉土、バーミキュライト、パー
ライト或いはピートモスその他土壌改良材等を土に混ぜ
込むことにより、団粒構造の良い土を人工的に作り上
げ、断続的に混ぜ込みを繰り返すことにより団粒構造を
維持しているのである。
【0014】ところが、前記した「通気・排水性」及び
「保水性」に加えて、もう一つ、植物が好適に生長する
ために不可欠な土壌の性質として、根の伸長にとって有
効な土層の厚さがある。
【0015】耕地土壌の生産力分級では、作物根の伸長
にとって有効な土層の厚さが重要な分級基準の一つとな
っており、地力保全基本調査においては、作物根がかな
り自由に貫入しうると認められる土層を「有効土層」と
いうのであり、更に詳しくは、基岩や盤層、或いは硬度
計によるいわゆる「ちみつ度」の測定値が29mm以上
を示し、厚さ10cm以上の土層若しくは極端な礫層及
び地下水面があれば、その上層までを有効土層というの
である。
【0016】なお、ちみつ度20〜23mm以上になる
と根群の伸長が著しく悪くなるため、生産力との関係に
おいては、ちみつ度29mm以下の前記有効土層の深さ
より、ちみつ度が20〜23mm以下の「根群伸長良好
土層」の方が重要となっている。
【0017】そして、一般に水田、草地においては50
cm以上、畑、樹園地においては1m以上の有効土層の
厚さが確保されれば良好な耕地(1等級耕地)とみなさ
れる。
【0018】このため、水田、草地、畑或いは樹園地等
においては、地表下50cm以内に盤層等の有効土層を
制限している土層が存在する場合には、心土耕などによ
って土層を作物根が貫入できるように改良し、有効土層
ないしは根群伸長良好土層を確保するのである。
【0019】しかしながら、比較的自然環境下に近い畑
や樹園地などの農耕地等においては、上述した心土耕等
の耕うんや、その他施肥、かん水などによって土層を改
良し、必要な厚さの有効土層ないしは根群伸長良好土層
を確保することはある程度可能であるが、ハウスプラン
トや園芸等においては土層の改良にも限界があり、なか
でもビルの屋上や法面等のコンクリート構造物の緑化に
おいては充分な有効土層を確保することは困難である。
【0020】即ち、現在のところコンクリート構造物の
緑化は、コンクリート構造物に金属やプラスチック製の
排水溝(排水層)を施行し、更に高分子吸水剤等の保水
剤を敷設し、その上に盛り土をして人工の植物栽培用の
培地(緑化基材)を作り、これに種をまいたり、植樹し
たりする方法が一般的に採用されているのであるが、こ
のコンクリート構造物上へ50cmから1mもの土の層
を敷設することは大変な作業であり、このため前記有効
土層を充分に確保することは困難である。
【0021】したがって、このような方法によるコンク
リート構造物の緑化では、有効土層の薄さに起因して、
土に植物の根がしっかりと伸長する前に降雨水や散水に
より簡単に土が流れ出すため、植物の良好な成長を望め
ないばかりか、盛り土した土が更に少なくなり、一層植
物の根が伸長するスペースである有効土層が確保し難く
なるといった問題がある。
【0022】又、コンクリート構造物への排水溝の設置
や保水剤の敷設には専門的な技術を必要とするため、こ
の敷設・施行工事については専門業者に委託する他はな
く、工期が長く、工事費用や人件費が高くなる上、個人
的な趣味で、一般家庭の一角において小規模に園芸を楽
しみたいとする人達には不向きである。
【0023】この問題を解決するため、ごく最近では、
例えば、ピートモス、バガス、椰子殻繊維、わら、土壌
などを主成分として含有し、それらに堆肥土壌改良材土
壌活性剤などを配合した培養土を、圧縮成形し、これを
包材で被覆した緑化基材が提案されている(特開平7ー
111830号公報)。
【0024】即ち、この緑化基材は、培養土を圧縮成形
してなるものであり、このように構成することにより、
降雨水や散水によっても当該緑化基材中の培養土が流れ
難くなり、しかもコンクリート構造物へ敷設した後、緑
化基材中における圧縮された緑化基材が膨張することに
より、ある程度の厚さの有効土層を確保することができ
るのであり、更に、培養土を圧縮形成することにより、
緑化基材を薄く形成することができるため、敷設時の取
り扱い性を向上させることができる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記緑
化基材は、単に培養土を圧縮してなるものであるため、
水分の吸収・排出が悪く、又、敷設後しばらくの期間は
圧縮した培養土のちみつ度が大きいため、特に根の伸長
が著しく妨げられる結果、植物が成長し難く、前記緑化
基材を敷設した後、直ちに植物の種子を蒔いて発芽して
も根を張ることができず枯れたり、又、苗木を植え付け
ても、充分に根を張ることができず、枯れるなどの致命
的な欠陥がある。
【0026】又、敷設後、膨張した後の前記緑化基材に
おいては、包材が培養土が溢れだし、この溢れ出た培養
土が降雨水や散水によって流出するといった問題が発生
するのであり、更に、緑化基材中の培養土の膨張率が一
定にならないため、緑化基材中において通気・排水性及
び保水性のムラがあり、このため植物の生長状態が緑化
基材の部分毎で変化し、植物の成長にバラツキが生じた
り、枯れが生じるなどの問題もある。
【0027】加えて、我々をとりまく自然環境は毎日変
化しており、前記緑化基材を用いたコンクリート構造物
への植物栽培方法では、年間を通しての季節の移り変わ
りや天候のめまぐるしい変化に随時対応できるほどの能
力を期待することは無理である。
【0028】即ち、前記緑化基材における、保水性及び
排水性のバランスは年間を通してほぼ一定であるため、
自然環境の変化に併せて変化することができず、例え
ば、雨量が排水性を超えた場合には、植物の根腐れ等を
招くのである。
【0029】更に、金属やプラスチック製の排水溝や高
分子樹脂である保水剤は生分解を受け難く、従って、こ
れらが産業廃棄物として廃棄され、埋め立て処分等をさ
れた場合、土壌中で分解されることなく半永久的に環境
中に残存することとなり、環境への悪影響が問題とな
る。
【0030】本発明者は、前記課題を解決するために鋭
意検討を重ねた結果、緑化基材として2種以上の圧縮倍
率の異なる培養土層を積層してなる積層土を必須構成要
素とすることにより、緑化基材中の培養土が段階的に膨
張するため、植物根の伸長に応じた水分の吸収・排出能
を得ることができる上、植物根の伸長に応じて培養土の
ちみつ度を変化させことができるという知見を得た。
【0031】又、緑化基材として2種以上の圧縮倍率の
異なる培養土層を積層してなる積層土において、最上層
の培養土として無圧縮或いは弱圧縮の培養土を用いるこ
とにより、植物の根付きが良くなり、コンクリート構造
物等への敷設後、直ちに種子を蒔いたり、苗木を植え付
けても根の張りが極めて良好で、種子が発芽し、その植
物が枯れる事なく順調、且つ良好に成長したり、苗木も
枯れる事なく順調、且つ良好に植物の成長を促進すると
の知見を得た。
【0032】更に、緑化基材として2種以上の圧縮倍率
の異なる培養土層を積層してなる積層土において、最上
層の培養土として無圧縮或いは弱圧縮の培養土を用いる
ことにより、前述のように、植物の根の張りが極めて良
好になるが、最上層の無圧縮或いは弱圧縮の培養土にお
いて植物の根が成長している間にそれより下層の圧縮培
養土が降雨水や散水によって段階的に膨張し、根が成長
してこの培養土に届くころには根が成長し得る土壌に変
化しており、更にこの土壌から水分や栄養分を吸収して
更なる植物の成長、成育を著しく促進するのであり、つ
まりこれによって、「有効土層」が確実に確保されるの
であり、又、このような積層土を用いることにより、培
養土の膨張を制御し、降雨水や散水による土壌の溢れや
流出を防止できるとの知見も得た。
【0033】本発明は、前記知見に基づき完成されたも
のであって、緑化基材として2種以上の圧縮倍率の異な
る培養土層を積層してなる積層土を用いることにより、
植物根の伸長に応じた良好な排水・通気性と保水性を実
現できる上、有効土層の厚さを適時確保することができ
る緑化基材であって、特に、ビルの屋上や家屋の屋根或
いは法面、ベランダ、玄関先や庭或いは庭に設置したテ
ーブル上等で植物を栽培してその緑化を促進し、これに
よって、ビルの屋上や家屋の屋根或いは法面等の環境を
改善するために好適に用いられる緑化基材及びこれを用
いた植物の栽培方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明における緑化基材
は、前記目的を達成するため、2種以上の圧縮倍率の異
なる培養土を積層してなる積層土を必須構成要素とする
ことを特徴とするものである。
【0035】即ち、本発明に係る緑化基材培養土は、無
圧縮(この場合、圧縮倍率は1)或いは種々の圧縮倍率
(圧縮倍率は1.1〜10)の圧縮培養土を積層し、2
層構造以上の多層構造のマット状に形成することによっ
て得られる。
【0036】この得られた緑化基材は、植物根の伸長に
応じた排水・通気性と保水性を発現する上、有効土層の
厚さを適時確保することができる結果、特に、ビルの屋
上や家屋の屋根或いは法面、ベランダ、玄関先や庭或い
は庭に設置したテーブル上等で植物を栽培してその緑化
を促進し、これによって、ビルの屋上や家屋の屋根或い
は法面等の環境を改善し得るのである。
【0037】以下、本発明に係る緑化基材について更に
詳細に説明する。本発明に係る緑化基材は、2種以上の
圧縮倍率の異なる培養土を積層してなる積層土を必須構
成要素とする点に特徴を有する。
【0038】本発明において、2種以上の圧縮倍率の異
なる培養土を積層してなる積層土を必須構成要素とした
理由は、このように構成することにより、植物根の伸長
に応じて段階的に培養土が膨張し、植物根の伸長に応じ
た排水・通気性と保水性を発現する上、有効土層の厚さ
を適時確保することができるからである。
【0039】ここで、この段階的な培養土の膨張を詳し
く説明すると、前記積層土における培養土層の一に植え
付けられた種や苗木等は、まず、植え付けられた培養土
層においてその根を伸長させることができる。
【0040】なお、本発明においては、通常、この種や
苗木を植え付ける培養土層の圧縮倍率が最も小さいもの
(通常圧縮倍率1(無圧縮)〜1.5倍(弱圧縮)程
度)とすることが好ましく、このように構成することに
より、植え付けられた種や苗木等の植物の根は、その
後、この培養土層中に速やかに且つ自由に根群を伸長さ
せることができる。
【0041】その後、根が伸長、成長し、この植物根が
前記培養土層より下層で、且つ当該培養土層より圧縮倍
率の高い圧縮培養土層に到達する頃には、当該圧縮培養
土層が降雨水や散水によって段階的に膨張し、ちみつ度
が小さくなって植物根が成長し得る土壌に変化してお
り、更にこの土壌から水分や栄養分を吸収して更なる植
物の成長を促進するのであり、つまりこれによって、
「有効土層」が確実に確保されるのであり、その結果、
植物の成長、成育を著しく促進させることができる。
【0042】又、このような積層土を用いることによ
り、培養土の膨張を制御し、降雨水や散水による土壌の
溢れや流出を防止できるのである。
【0043】つまり、植え付けられた種や苗木が根を伸
長させ、次の培養土層に到達する度に、積層された圧縮
培養土層が順に(段階的に)膨張するため、植物根の伸
長に応じた有効土層を確保することができるのである。
【0044】又、このように、圧縮培養土層が段階的に
膨張し、ちみつ度が小さくなるため、植物根の伸長に応
じて、排水・通気性と保水性が確保されるのであり、こ
のように積層された圧縮培養土層が段階的に膨張し、膨
張した培養土層において順に根群が自由に伸長し、根群
が網目状に張り巡らされることにより、培養土層の土が
膨張して流出しやすくなった場合でも、この網目状の根
によって当該土が保持される結果、降雨水や散水による
土の流出を一層防止することもできる。
【0045】本発明において、この培養土層としては、
特に限定されるものではなく公知の培養土をそのまま
(無圧縮)或いは適当な圧縮倍率に圧縮したものを好適
に使用することができるのであり、具体的には、例えば
赤土、鹿沼土等の各種土壌、魚カス、骨粉、油カス、乾
燥菌体肥料、堆肥、厩肥、コンポスト、オガクズ、チッ
プ、バーク堆肥、汚泥肥料、汚泥コンポスト、都市ゴミ
コンポスト、泥炭・草炭加工物、ピートモス、微生物資
材、腐植酸質資材、加工家禽糞肥料、ミミズ糞、貝殻粉
末、貝化石、活性炭、ドロマイト、イソライト、ベント
ナイト、ゼオライト、パーライト、パーミキュライト又
はその他の各種土壌改良資材等から選ばれた少なくとも
1種以上を適宜混合した培養土を用いることができる。
【0046】中でも、本発明においては、前記培養土と
してココヤシ繊維及び/又はココヤシ繊維カスを必須成
分とするものを用いることが特に好ましい。
【0047】即ち、この培養土がココヤシ繊維のみを必
須成分とするものでも良く、又はココヤシ繊維カスのみ
を必須成分とするものでも良く、或いはココヤシ繊維と
ココヤシ繊維カスとを必須成分とするものでも良いので
ある。
【0048】このように構成する理由としては、ココヤ
シ繊維やココヤシ繊維カスは生分解しにくいため、これ
らの成分を培養土の必須成分とすることにより、緑化基
材の耐久性が至極向上し、当該緑化基材を長期間にわた
って使用できる結果、極めて経済的だからである。
【0049】又、ココヤシ繊維カスは吸水膨潤して水分
を保持する性質があり、一方、ココヤシ繊維は吸水膨潤
しないため、これらを組み合わせて使用することによ
り、保水性を簡便に調節することができるからである。
【0050】そして、本発明は、これらの培養土を種々
の圧縮倍率で圧縮した圧縮培養土層を積層してなる積層
土を必須構成要素とするものであるが、この圧縮倍率と
しては、植え付ける植物の種類、或いは季節や地域等に
応じて適宜決定されるため、特に制限されるものではな
いが、一般的には、培養土を1(無圧縮)〜10倍程度
の圧縮倍率で圧縮したものが好ましく、圧縮倍率が10
倍を超えると、降雨水や散水による圧縮培養土層の膨
潤、つまり植物根が円滑に成長できようになるまでにか
なりの期間が必要で、植物の成長を阻害する虞れがある
ので好ましくない。
【0051】ところで、本発明において、圧縮倍率とは
加圧によって培養土の厚さを薄くした際の圧縮の程度を
表すものであり、例えば、圧縮倍率2倍では培養土の厚
さが通常の1/2に、圧縮倍率3倍では培養土の厚さが
1/3になっていること意味する。
【0052】また、この積層土における積層数及び積層
順序としは、植え付ける植物の種類、或いは季節や地域
等に応じて適宜決定されるため、特に制限されるもので
はないが、一般的には、2〜5層程度積層したものが好
ましく、特に、通常の植物は、地下に向かって根を伸長
させていくものであるため、本発明においては、当該積
層体が、最下層から順に圧縮倍率が小さくなるように培
養土層を積層することが好ましい。
【0053】本発明における好適な例として、根の好適
な成長を促進し、植物の成長、成育を円滑に行うなどの
理由から、二層構造の積層土では、最下層に培養土を圧
縮倍率1.5〜10倍程度に圧縮したものを敷設し、そ
の上に圧縮倍率1〜1.5倍程度に圧縮した培養土を積
層したものを挙げることができるのであり、又、三層構
造の積層土とする場合には、最下層に培養土を圧縮倍率
5〜10倍程度に圧縮したものを敷設し、その上に圧縮
倍率1.5〜5倍程度に圧縮した培養土を積層し、更に
その上に1〜1.5倍程度に圧縮した培養土を積層した
ものを挙げることができる。
【0054】この場合、積層土の厚さとしては特に制限
されるものではないが、一般的には、2.5〜10cm
程度が好ましく、更に、3〜7.5cm程度が好まし
い。
【0055】厚さが2.5cm未満となると所望の排水
・通気性や保水性更に有効土層の厚さを確保することが
できなくなるため好ましくなく、一方10cmを超える
と最終的な緑化基材が分厚くなり、その輸送コストが高
くなったり、取り扱い性が低下するため好ましくない。
【0056】そして、本発明においては、前記説明した
積層土のみで、充分に排水・通気性及び保水性や有効土
層の厚さを確保することができる緑化基材となり得る
が、更に通気排水性及び保水性を向上させるために、前
記積層土の最下層として通気・排水層を設けることが好
ましい。
【0057】なかでも、本発明においては、この通気・
排水層として、この種、分野で用いられるものであれば
特に限定されるものではないが、具体的には、例えば竹
や木等の植物で形成された簀の子等の他、合成樹脂の各
種成形品、金属線を波形等に折り曲げたり、網状に形成
したり、格子状等に形成したものなどが挙げられるが、
特に、植物葉を平面的な広がりを持たせながら規則的に
或いはランダムに積み重ねたり、植物葉を平面的な広が
りを持たせながら織ったり、編んだりして、シート状な
いしはマット状に形成したものを用いることが特に好ま
しい。
【0058】ここで、通気・排水層を植物葉で形成した
理由は、このように形成した通気・排水層が、天候等の
変化に対してフレキシブルな排水性及び保水性を発現
し、適度の耐久性を備え、しかも培養土層となじみ易い
上、自然に穏やかで緩慢な生分解性を発現するからであ
る。
【0059】即ち、植物葉を平面的な広がりを持たせな
がら規則的に或いはランダムに積み重ねたり、植物葉を
平面的な広がりを持たせながら織ったり、編んだりし
て、シート状ないしはマット状に形成した通気・排水層
は、葉と葉との間に常に水分層を保持しており、降雨量
等が少ないときには、重なり合った葉と葉の間に存在す
る水分が少なくなって新鮮な空気を取り入れ易くなるの
であり、一方、降雨量が多いときには、葉と葉との間が
水分の排水箇所や保水箇所となるから好ましい。
【0060】又、植物葉は、培養土等の土壌に混ぜ込ま
れると容易に生分解性を受けるものであるが、本発明の
如く、植物葉を平面的な広がりを持たせながら規則的に
或いはランダムに積み重ね、シート状ないしはマット状
の一定の厚さを持つ独立の層として形成すると、土壌に
接触する表面積が小さくなり、これにより生分解性が緩
慢になり、強度や耐久性が向上するのである。
【0061】更に、植物葉を平面的な広がりを持たせた
シート状ないしはマット状の一定の厚さを持つ層として
形成すると、この層が土の流出を防止するのである。
【0062】本発明において用いられる植物葉として
は、特に制限されるものではなく、広葉樹に限らず、マ
ツ科、スギ科、ヒノキ科、イチイ科及びイヌガヤ科等の
針葉樹等も用いることができるのであり、勿論、用いら
れる植物葉を1種類に限定する必要はなく、数種の植物
葉を混合して用いることもできるのであり、又、植物葉
をある程度の大きさに裁断したものを用いても良い。
【0063】特に、本発明においては、植物葉として丈
夫で緩慢な生分解性を有する竹やココヤシの葉を用いる
ことが特に好ましい。
【0064】この場合、シート状ないしはマット状に形
成した通気・排水層の厚さとしては、特に制限されるも
のではないが、一般的には、1〜50mm程度が好まし
く、更に、2mm〜35mm程度が好ましい。
【0065】厚さが1mm未満となると所望の強度や通
気・排水性や保水性が得られなくなるため好ましくな
く、一方、50mmを超えると、最終的な緑化基材が分
厚くなり、その搬送性や取扱性が低下するので好ましく
ない。
【0066】前述した如く、本発明において、この植物
葉で形成された通気・排水層は、主に、前記積層土の最
下層として設けられて用いられるが、植物葉で形成され
たものを用いる場合、所望により、培養土層と培養土層
の間に設けても良いのである。
【0067】この場合において、敷設時や使用時におけ
る通気・排水層の形くずれや、植物葉或いは土の流出を
防止するために、通気・排水層の上面及び/又は下面に
布基材を積層し、補強することが好ましい。
【0068】本発明において、この布基材としては、適
度の通気性及び透水性があるものであれば特に限定され
るものではなく、公知の布基材を用いることができるの
であり、この布基材の好適な例としては、例えばココヤ
シ繊維、木綿、カポック、ジュート麻、マニラ麻、サイ
ザル麻、絹、ラクダ、アルパカ、羊毛、モヘア又はカシ
ミヤ等の生分解性繊維から選ばれた少なくとも1種以上
を、平織、綾織、絡み織、もじり織等の手段を用いて形
成した織布、横編み編布や縦編み編布、或いは経糸群と
緯糸群とを積層して接着した積層不織布などが好まし
く、中でも、前記生分解性繊維をフェルト化することに
よりシート状に形成したフェルト等が挙げられる。
【0069】本発明の緑化基材は、前記構造を有する
が、搬入時、施工時或いは使用時における形くずれ等を
防止し、その取扱性を向上させたり、培養土層を確実に
保持して施工性を向上させることによって何人でも簡便
に施工できるようにするために、前述の緑化基材の一部
ないし全部が被覆体で被覆されているものが望ましい。
【0070】又、本発明において、前記被覆体はその一
部ないし全部が生分解性素材からなるものが望ましく、
特に、被覆体の全部が生分解性素材で形成されているも
のが好ましい。
【0071】この場合、被覆体はその全部又は一部が布
基材及び/又は網体で形成されているものが望ましい。
即ち、被覆体が、布基材のみで形成されていても良く、
又は網体のみで形成されていても良く、或いは布基材と
網体との組み合わせで形成されていても良いのである。
【0072】又、本発明において、被覆体は、緑化基材
の全部を被覆するように形成されており、しかもこの被
覆体は布基材と網体とで形成されているものが、施工性
や取扱性が一層良好で、しかも培養土層の土の流出がな
くなるので望ましい。
【0073】本発明に係る緑化基材において、特に、被
覆体は布基材及び/又は網体で形成された上端開口の偏
平状袋体とこの開口部を覆う布基材及び/又は網体で形
成された蓋体で形成されているものが望ましい。この場
合において、蓋体として、布基材を用いるにあたり、発
芽した種子の根が最上層の培養土層に容易に根付くよう
にするために、その坪量を偏平状袋体に用いられている
布基材より小さく、例えば4/5〜1/5程度にするの
が好ましい。蓋体の素材として布基材を用いるにあた
り、偏平状袋体に用いられている布基材の坪量の4/5
を超えると発芽した種子の根が最上層の培養土層に届か
ず、枯れる虞れがあり、一方、1/5未満になると輸送
中や取扱中更に施工中などに蓋体が破れ、培養土が漏れ
る虞れがあるので好ましくない。
【0074】即ち、本発明において、偏平状袋体は、布
基材のみで形成されていても良く、又は網体のみで形成
されていても良く、或いは布基材と網体との組み合わせ
で形成されていても良いのであり、また、蓋体は布基材
のみで形成されていても良く、又、網体のみで形成され
ていても良く、或いは布基材と網体との組み合わせで形
成されていても良いのである。
【0075】本発明で用いられる布基材としては適度の
通気性や透水性があれば特に限定されるものではなく、
公知の布基材が挙げられるのであり、この布基材の好適
な例としては、例えばココヤシ繊維、木綿、カポック、
ジュート麻、マニラ麻、サイザル麻、絹、ラクダ、アル
パカ、羊毛、モヘア又はカシミヤ等の生分解性繊維から
選ばれた少なくとも1種以上を、平織、綾織、絡み織、
もじり織等の手段を用いて形成した織布、横編み編布や
縦編み編布、経糸群と緯糸群を積層して接着して形成さ
れた積層不織布などが挙げられる。
【0076】中でも、本発明においては、前記生分解性
繊維のうち、特にココヤシ繊維をフェルト化することに
よりシート状に形成したフェルトやココヤシ繊維を織っ
たり、編んだりして布状に形成したものを用いること
が、生分解性が乏しいため、これらの成分を培養土の必
須成分とすることにより、緑化基材の耐久性が至極向上
し、当該緑化基材を長期間にわたって使用できる結果、
極めて経済的だからである。
【0077】又、本発明で用いられる網体としては特に
限定されるものではなく、公知の網体が挙げられるので
あり、この網体の好適な例としては、例えばココヤシ繊
維、木綿、カポック、ジュート麻、マニラ麻、サイザル
麻、絹、ラクダ、アルパカ、羊毛、モヘア又はカシミヤ
等の生分解性繊維から選ばれた少なくとも1種以上で編
まれた網体等が挙げられる。
【0078】中でも、本発明においては、前記生分解性
繊維のうち、特にココヤシ繊維を編んで形成された網体
が生分解性が乏しいため、これらの成分を培養土の必須
成分とすることにより、緑化基材の耐久性が至極向上
し、当該緑化基材を長期間にわたって使用できる結果、
極めて経済的だからである。
【0079】この網体の網目の大きさとしては培養土層
の土が搬送中や取扱中更に施工中等に漏れない程度の大
きさであれば特に限定されるものではないが、一般に、
0.5〜10mm程度、好ましくは1〜7.5mm程
度、特に好ましくは1.5〜5mm程度であるものが好
ましく、又、この網体は植物の成長に応じて徐々に生物
作用を受けて強度が低下する結果、茎が大きくなると破
損したり植物の成長、成育には悪影響を与えることがな
いのである。
【0080】本発明に係る緑化基材を用いた植物の栽培
方法においては、前記目的を達成するために、本発明に
係る緑化基材を用いて植物を栽培することを特徴とする
ものである。
【0081】このように構成することにより、本発明に
係る緑化基材を用いた植物の栽培方法においては、植物
の栽培にあたり、植物根の伸長に応じて段階的に培養土
が膨張し、植物根の伸長に応じた排水・通気性と保水性
を発現する上、有効土層の厚さを適時確保することがで
きる。
【0082】ここで、この段階的な培養土の膨張を詳し
く説明すると、前記積層土における培養土層の一に植え
付けられた種や苗木等は、まず、植え付けられた培養土
層においてその根を伸長させることができる。
【0083】そして、本発明においては、通常、この種
や苗木を植え付ける培養土層の圧縮倍率が最も小さいも
の[通常圧縮倍率1(無圧縮)〜1.5倍(弱圧縮)]
とすると、植え付けられた種や苗木等の植物の根は、そ
の後、この培養土層中に速やかに且つ自由に根群を伸長
させることができる。
【0084】その後、根が伸長、成長し、この植物根が
前記培養土層より下層で、且つ当該培養土層より圧縮倍
率の高い圧縮培養土層に到達する頃には、当該圧縮培養
土層が降雨水や散水によって段階的に膨張し、ちみつ度
が小さくなって植物根が成長し得る土壌に変化してお
り、更にこの土壌から水分や栄養分を吸収して更なる植
物の成長を促進するのであり、つまりこれによって、
「有効土層」が確実に確保されるのであり、その結果、
植物の成長、成育を著しく促進させることができる。
又、このような積層土を用いることにより、培養土の膨
張を制御し、降雨水や散水による土壌の溢れや流出を防
止できるのである。
【0085】つまり、植え付けられた種や苗木が根を伸
長させ、次の培養土層に到達する度に、積層された圧縮
培養土層が順に(段階的に)膨張するため、植物根の伸
長に応じた有効土層を確保することができるのである。
【0086】又、このように、圧縮培養土層が段階的に
膨張し、ちみつ度が小さくなるため、植物根の伸長に応
じて、排水・通気性と保水性が確保されるのであり、こ
のように積層された圧縮培養土層が段階的に膨張し、膨
張した培養土層において順に根群が自由に伸長し、根群
が網目状に張り巡らされることにより、培養土層の土が
膨張して流出しやすくなった場合でも、この網目状の根
によって当該土が保持される結果、降雨水や散水による
土の流出を一層防止することもできる。
【0087】
【作用】本発明の緑化基材は、前記構成を有し、2種以
上の圧縮倍率の異なる培養土層を積層してなる積層土を
必須構成要件とする緑化基材であり、このように構成す
ることにより、植物根の伸長に応じた排水・通気性と保
水性を発現する上、有効土層の厚さを適時確保すること
ができる優れた作用を奏するのである。
【0088】即ち、緑化基材として2種以上の圧縮倍率
の異なる培養土層を積層してなる積層土を必須構成要素
とするものを用いることにより、緑化基材中の培養土が
段階的に膨張するため、植物根の伸長に応じた水分の吸
収・排出能を得ることができる上、植物根の伸長に応じ
て培養土のちみつ度を変化させことができるといった作
用を発現するのである。
【0089】又、緑化基材として2種以上の圧縮倍率の
異なる培養土層を積層してなる積層土を用いることによ
り、植物の根付きが良くなり、コンクリート構造物等へ
の敷設後、直ちに種子を蒔いたり、苗木を植え付けたり
することが可能になるといった作用を奏するのである。
【0090】更に、緑化基材として2種以上の圧縮倍率
の異なる培養土層を積層してなる積層土を用いると、緑
化基材中の培養土が段階的に膨張し、膨張した培養土に
速やかに植物の根群が網目状に張り巡らされ、その結
果、雨水や散水による土の流出を防止することが出来る
作用も発現するのである。
【0091】更に、緑化基材として2種以上の圧縮倍率
の異なる培養土層を積層してなる積層土を用い、シート
状ないしはマット状の一定の厚さを持つ層として形成す
るとにより、軽量で取り扱い性が向上し、専門的な知識
がないものであっても簡単に敷設できるようになるとい
う作用も奏するのである。
【0092】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0093】(a)圧縮倍率1倍の培養土層(無圧縮コ
コヤシ培養土層)5の作成 主原料のココピート100重量部に対し、副原料である
ココヤシ繊維80重量部、緩効性肥料であるイソブチリ
デン二尿酸1重量部、マルチコート14−14−14M
E肥料〔全窒素14重量%(三代要素としてNH4中の
窒素6.4重量%,NO3中の窒素6.1重量%及びN
H2中の窒素1.5重量%)、全リン酸分14重量%
(その中の水溶性リン酸分13.1重量%)及び全カリ
ウム分14重量%(これらの栄養分は、硝酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム、リン酸カルシウム、硫酸カリ
ウム及び硝酸カリウムから供給)、微量元素としてFe
(EDTA−Feとして)0.1重量%、Mn0.03
5重量%、Mo0.005重量%、Zn0.015重量
%、Cu0.005重量%及びB0.01重量%(これ
らの栄養分はEDTA−Fe、硫酸マンガン、モリブデ
ン酸ナトリウム、硫酸亜鉛、硫酸銅及び硼酸ナトリウム
から供給)、形状は粒状(粒子分布90重量%が1.7
〜3.5mm)〕0.4重量部、養分保持体としてのコ
コヤシ炭5重量部及びドロマイト4重量部を配合し、均
一に混合することにより、本発明の緑化基材に用いる無
圧縮ココヤシ培養土を得た。
【0094】(b)圧縮倍率3倍の培養土層(厚さ約
2.5cm、圧縮ココヤシ培養土層)4の作成 前記(a)の培養土を圧縮倍率が3倍つまりその厚さが
1/3となるように圧縮すると共に、1辺約24cmの
六角形の形状に成形して圧縮ココヤシ培養土を得た。
【0095】(c)通気・排水層3の作成 植物葉として、乾燥したココヤシの葉を用い、これを平
面的な広がりを持たせながら略格子状に編んで厚さ約
3.5mmとし、これを1辺25cmの六角形の形状に
裁断することにより、本発明の緑化基材に用いる植物葉
で形成された通気・排水層を得た。
【0096】実施例1 図1〜図3に示すように、本発明の実施例1に係る緑化
基材は、この場合、以下の構造を具備する。この実施例
1に係る緑化基材1は、ココヤシ繊維で形成され、且つ
上端開口の偏平状袋体(高さ約5cm)2と、この偏平
状袋体2の底面に敷設された前記(c)通気・排水層3
と、この通気・排水層3上に敷設された前記(b)圧縮
ココヤシ培養土4(厚さ約2.5cm)と、更にこの圧
縮ココヤシ培養土4上に隙間がないように充填された前
記(a)無圧縮ココヤシ培養土5(厚さ約2.5cm)
とからなり、更にこの無圧縮ココヤシ培養土5の上面全
体をココヤシ繊維性の網体(穴の大きさが約1.5m
m)6で被覆し、この網体6の周縁部を前記偏平状袋体
2の上端周縁部に縫着、梱包することにより得たもので
ある(マット単位:厚さ約5cm、1辺25cmの六角
柱)。
【0097】実施例2 この実施例2に係る緑化基材1は、ココヤシ繊維で形成
され、且つ上端開口の偏平状袋体(高さ約5cm)2
と、この偏平状袋体2の底面に敷き設された前記(b)
圧縮ココヤシ培養土(厚さ約2.5cm)と、更にこの
圧縮ココヤシ培養土上に隙間がないように充填された前
記(a)無圧縮ココヤシ培養土(厚さ約2.5cm)と
からなり、更にこの無圧縮ココヤシ培養土の上面全体を
ココヤシ繊維性の網体(穴の大きさが約1.5mm)で
被覆し、この網体の周縁部を前記袋体の上端周縁部に縫
着、梱包することにより得たものである(マット単位:
厚さ約5cm、1辺25cmの六角柱)。即ち、この実
施例2に係る緑化基材1は、実施例1の緑化基材から、
通気・排水層を取り除いた構造を有するものである。
【0098】比較例1 この比較例1に係る緑化基材は、ココヤシ繊維で形成さ
れ、且つ上端開口の偏平状袋体(高さ約5cm)と、こ
の偏平状袋体の底面に敷き設された前記(b)圧縮ココ
ヤシ培養土(厚さ約5cm)からなり、更にこの圧縮コ
コヤシ培養土の上面全体をココヤシ繊維性の網体(穴の
大きさが約1.5mm)で被覆し、この網体の周縁部を
前記袋体の上端周縁部に縫着、梱包することにより得た
ものである(マット単位:厚さ約5cm、1辺25cm
の六角柱)。即ち、この比較例1に係る緑化基材は、緑
化基材中の培養土が全て圧縮培養土である構造を有する
ものである。
【0099】比較例2 この比較例1に係る緑化基材は、ココヤシ繊維で形成さ
れ、且つ上端開口の袋体(高さ約5cm)と、この袋体
の底面に敷設された前記(a)無圧縮ココヤシ培養土
(厚さ約5cm)からなり、更にこの無圧縮ココヤシ培
養土の上面全体をココヤシ繊維性の網体(穴の大きさが
約1mm)で被覆し、この網体の周縁部を前記偏平状袋
体の上端周縁部に縫着、梱包することにより得たもので
ある(マット単位:厚さ約5cm、1辺25cmの六角
柱)。即ち、この比較例2に係る緑化基材は、緑化基材
中の培養土が全て無圧縮培養土である構造を有するもの
である。
【0100】実施例1・2及び比較例1・2の緑化基材
を用い、図4に示すように弊社ビル屋上に、これを敷設
し、充分に散水した後その上から芝生の種を吹き付け、
30日間放置した(散水は最初の1回のみ)。
【0101】実施例1及び実施例2における緑化基材に
おいて、芝生の成長状態を30日間にわたって観察した
ところ、芝生は10日前後で発芽し、その後、芝生は順
調に成長し、30日経過後には見事な芝生に成長してい
ることが認められた。又、芝生の根の伸長状態を観察し
たところ、実施例1・2共に芝生の根は緑化基材の培養
土中にしっかりと貫入し網目状に土に絡み付いているこ
とが認められた。
【0102】ところで、実施例1・2における無圧縮コ
コヤシ培養土層の土の状態を肉眼観察や指で触って調べ
たところ土の状態は良好で、しかも適度の水分を保持し
ていることが認められた。これはその下層における圧縮
ココヤシ培養土層がバリヤー層となって降雨水の流出を
防ぎ、これによって、無圧縮ココヤシ培養土層の水分が
適度に保持されたためと解される。又、圧縮ココヤシ培
養土層は適度に膨潤し、ちみつ度かなり小さくなって芝
生の根が容易に入り込める状態になっていることも認め
られた。
【0103】一方、比較例1・2の緑化基材における芝
生の成長状態を、実施例1・2と同様に観察したとこ
ろ、比較例1においては、芝生は10日前後で発芽した
が、芝生の成長に大きなバラツキがあり、30日経過後
には枯れた芝生も6〜7割程度あり、又、育っている芝
生も実施例1・2のものと比較するとかなり痩せている
ことが認められた。そこで、培養土中における芝生の根
の状態を調査したところ、根の先部が土中に少し入り込
んでいるが根の殆どの部分が土の外側に湾曲した状態で
露出していることが認められた。このように根が湾曲し
た状態で土の外側に露出した理由は、培養土が固く芝生
の根が土中に入り込めなかったためと解される。
【0104】又、比較例2においては、芝生の種を吹き
付けた後10日前後で発芽し、15日程度まで成長して
いたが、その後徐々に、芝生の成長が止まるだけでな
く、葉枯れし、22日経過した頃から芝生が枯れ始め3
0日経過後には芝生の8割程度が枯れていることが認め
られた。そこで、土の状態を肉眼観察や指で触って調べ
たところ当該土が乾燥し、水分の存在が認められず、指
で触ると土がパラパラに粉状に砕けることが認められ
た。これは降雨水が容易に流出し、しかもビル屋上の熱
によって土が乾燥したためと解される
【0105】
【発明の効果】本発明に係る緑化基材は、前記構成を有
し、2種以上の圧縮倍率の異なる培養土層を積層してな
る積層土を必須構成要素とするものであり、このように
構成することにより、植物根の成長に応じた排水・通気
性と保水性を発現する上、有効土層の厚さを確保できる
結果、植物の成長、成育を著しく促進する効果を奏する
のである。
【0106】即ち、本発明においては、緑化基材として
2種以上の圧縮倍率の異なる培養土層を積層してなる積
層土を必須構成要素とするものを用いており、緑化基材
中の圧縮培養土が段階的に膨張するため、植物(根)の
成長に応じた水分の吸収・排出能を得ることができる
上、植物根の成長に応じて圧縮培養土のちみつ度を小さ
く変化させることによって植物の根が圧縮培養土に届く
頃には当該根が入り込めるような状態になっている結
果、植物の根は更に成長し、土中の栄養分や水分を円滑
に吸収し、植物の成長、成育が著しく促進されるなど効
果を奏するのである。
【0107】又、本発明においては、緑化基材として2
種以上の圧縮倍率の異なる培養土層を積層して積層土を
形成するにあたり、下層から上層に向かって圧縮倍率が
小さくなるように調整することにより、植物の根付きが
良くなる結果、コンクリート構造物等への敷設後、直ち
に種子を蒔いたり、苗木を植え付けたりしても発芽した
幼根も容易に土中に入り込み、この幼根から栄養分や水
分を吸収して更に成長できるのであり、又、苗木の植物
の根付きも良く、これによって、種の直蒔きも可能にな
るうえ、植物の成長、成育が著しく促進されるなどの効
果を奏するのである。
【0108】更に、本発明においては、緑化基材として
2種以上の圧縮倍率の異なる培養土層を積層して積層土
を形成するにあたり、下層から上層に向かって圧縮倍率
が小さくなるように調整しているので、緑化基材中の培
養土が段階的に膨張し、ちみつ度を小さく変化させて培
養土中に速やかに植物の根群が網目状に張り巡らされる
結果、降雨水や散水による土の流出を確実に防止するこ
とができるなどの効果を奏するのである。
【0109】加えて、本発明においては、緑化基材とし
て2種以上の圧縮倍率の異なる培養土層を積層してなる
積層土を用い、シート状ないしはマット状の一定の厚さ
を持つ緑化基材として形成するとにより、軽量で搬送性
が良好であり、しかも取り扱い易く、しかもビルの屋上
等の施工面に敷設すれば良いので、施工性も極めて良好
で、専門的な知識がないものであっても簡単に施工でき
るなどの効果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る緑化基材の平面図であ
る。
【図2】図2は、本発明に係る緑化基材の斜視図であ
る。
【図3】図3は、本発明に係る緑化基材の断面図であ
る。
【図4】図4は、本発明に係る緑化基材の敷設状態を示
す説明図である。
【図5】図5は、その芝生の成育状態を示す図である。
【符号の説明】
1 緑化基材 2 偏平状袋体 3 通気・排水層 4 圧縮ココヤシ培養土 5 無圧縮ココヤシ培養土 R 屋上 G 芝生

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種以上の圧縮倍率の異なる培養土層を
    積層してなる積層土を必須構成要素とすることを特徴と
    する緑化基材。
  2. 【請求項2】 培養土層が、ココヤシ繊維及び/又はコ
    コヤシ繊維カスを必須成分とするものである請求項1に
    記載の緑化基材。
  3. 【請求項3】 積層土が、最下層から上層に向かって順
    に圧縮倍率が小さくなるように培養土層を積層してなる
    ものである請求項1又は2に記載の緑化基材。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3に記載の緑化基材にお
    いて、その最下層として通気・排水層が設けられている
    緑化基材。
  5. 【請求項5】 通気・排水層が植物葉で形成されてなる
    ものである請求項4に記載の緑化基材。
  6. 【請求項6】 植物葉がココヤシ及び/又は竹の葉であ
    る請求項5に記載の緑化基材。
  7. 【請求項7】 通気・排水層の上面及び/又は下面に
    は、布基材が積層されている請求項4ないし6のいずれ
    か1項に記載の緑化基材。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項に記載
    の緑化基材の一部ないし全部が被覆体で被覆されている
    緑化基材。
  9. 【請求項9】 被覆体はその全部又は一部が布基材及び
    /又は網体で形成されている請求項8に記載の緑化基
    材。
  10. 【請求項10】 被覆体は緑化基材の全部を被覆するよ
    うに形成されており、しかもこの被覆体は布基材と網体
    とで形成されている請求項8又は9に記載の緑化基材。
  11. 【請求項11】 被覆体は布基材及び/又は網体で形成
    された上端開口の偏平状袋体とこの開口部を覆う布基材
    及び/又は網体で形成された蓋体で形成されている請求
    項10に記載の緑化基材。
  12. 【請求項12】 被覆体がココヤシニードルパンチ及び
    /又はココヤシ繊維で形成されている請求項8ないし1
    1のいずれか1項に記載の緑化基材。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし12のいずれか1項に
    記載された緑化基材を用いて植物を栽培することを特徴
    とする植物の栽培方法。
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JP2000384945A Pending JP2002186349A (ja) 2000-12-19 2000-12-19 緑化基材及びこれを用いた植物の栽培方法。

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004230111A (ja) * 2003-01-30 2004-08-19 Masuo Kato 天然植物繊維カポックを利用した脂吸着化粧用パッド、苗床シートおよびカポック混入食品
KR101651870B1 (ko) * 2016-05-03 2016-08-29 농업회사법인 시드바이오텍 주식회사 새싹땅콩 재배방법
JP2017029127A (ja) * 2015-08-04 2017-02-09 株式会社 ビルドR 固形有機堆肥培地基板兼鉢
JP2017077222A (ja) * 2015-10-22 2017-04-27 勝敏 樋上 鉢植え盆栽

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