JP3088216U - 緑化基材 - Google Patents

緑化基材

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JP3088216U JP2002000952U JP2002000952U JP3088216U JP 3088216 U JP3088216 U JP 3088216U JP 2002000952 U JP2002000952 U JP 2002000952U JP 2002000952 U JP2002000952 U JP 2002000952U JP 3088216 U JP3088216 U JP 3088216U
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俊也 上田
源宜 西村
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株式会社上田敷物工場
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 緑化基材の型くずれを防止し、又、培養土を
厚さ方向のみに圧縮し、培養土の側面をフェルトでカバ
ーすることにより降雨時や散水時に高さ方向のみに膨張
し、横方向への寸法変化が少ないので目地の隙間ができ
ることがなく、その結果、植物が繁殖した後も歪みのな
い緑化を促進し、美麗で、しかも降雨水や散水による培
養土の流出を防止することができる上、成長した根をし
っかりと支えることできる緑化基材を提供する。 【構成】 タイル状ないしマット状の緑化基材1であっ
て、培養土4、5を特定形状の通水性被覆体で覆う。こ
の通水性被覆体は底部3と側壁部2と蓋体6からなり、
しかも培養土4と培養土5との間にはその一部ないし全
体にわたって網状体7を敷設、積層されている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、タイル状ないしマット状に形成した緑化基材に関し、ビルの屋上や 家屋の屋根或いは法面、ベランダ、玄関先や庭或いは庭に設置したテーブル上等 で植物を栽培してその緑化を促進し、これによって、ビルの屋上や家屋の屋根或 いは法面等の環境を改善するために好適に用いられる緑化基材に関する。
【0002】
【従来の技術】
土(土壌)は、そこに根を張った植物が育成するために不可欠なものであり、 主に、根を介して、土中に保持されている栄養分や水分等を植物に補給する役割 を担っている。
【0003】 即ち、土の良し悪しは植物の生長に大きくかかわる大切なものであり、土の状 態が悪いと、温度や湿度等といった土以外の栽培環境が良くても、良好な植物の 成長が望めないばかりか、場合によっては枯死に至ることになる。
【0004】 従って、農業や園芸或いは個人の趣味等で植物を栽培する場合には、まず良い 土を作ることが大切であり、「植物の栽培は土づくりから」は、まさにその点を 言葉であらわしたものである。
【0005】 ところで、一般に良い土とは、「排水性」と「保水性」のバランスが良いもの をいう。
【0006】 「排水性」とは、降雨水等の水分が土の中にしみこんで飽和状態となり、その 後、当該水分が地中深く流れ落ちる性質のことをいい、従って、排水性が良いと は、土の中の水分を速やかに排出する能力が高いことをいう。
【0007】 そして、土中で水分が飽和状態になると、同時に土中に存在していた空気は押 し出され、その後、水が排出される際に、土中に新しい空気が取り込まれるので あり、従って、「排水性」の良い土は、同時に「通気性」も良く、この性質が好 適に作用することにより、植物の根が呼吸するのに必要な新鮮な空気を土中に供 給することができるのである。
【0008】 しかしながら、排水性が良すぎて土中にしみ込んだ水が全て排出されてしまっ たのでは、植物が根から水分や栄養分を吸収することができなくなくなるため、 土には、前記「排水・通気性」に相反する性質である「保水性」、即ち、水を土 中に保持する性質も必要なのである。
【0009】 従って、良い土をつくるということは、「排水・通気性」と「保水性」という 相反する性質をバランス良く兼備する土をつくるということである。
【0010】 一般に、良い土といわれるものは「団粒構造」をしているのであり、この「団 粒構造」とは、「単粒」と呼ばれる一つ一つの粒子単位の非常に微細な土が、大 小の適度な大きさに固まって「団粒」と呼ばれる単位となり、この大小の「団粒 」が疎密に並んだ土の状態のことをいう。
【0011】 即ち、団粒構造の土は、団粒と団粒との間に隙間があり、水や空気が通りやす い上、個々の団粒の表面や内部には水や養分を保持することができるものであり 、従ってこの団粒構造の土は、植物にとっては、「排水・通気性」と「保水性」 という相反する性質をバランス良く兼備する理想的な土なのである。
【0012】 自然界においては、落ち葉や動植物の死骸が、微生物等の分解を受けて土壌に 還元される、いわゆる「有機物循環」の作用により、団粒構造の土が自然に形成 ・維持されるのであるが、有機物循環のサイクルがたたれているハウスプラント や園芸等においては、人工的に土を団粒構造にする必要がある。
【0013】 そのため、ハウスプラントや園芸等においては、川砂、腐葉土、赤玉土、バー ミキュライト、パーライト或いはピートモスその他、土壌改良材等を土に混ぜ込 むことにより、団粒構造の良い土を人工的に作り上げ、断続的に混ぜ込みを繰り 返すことにより団粒構造を維持しているのである。
【0014】 ところが、前記した「通気・排水性」及び「保水性」に加えて、もう一つ、植 物が好適に生長するために不可欠な土壌の性質として、根の伸長にとって有効な 土層の厚さがある。
【0015】 耕地土壌の生産力分級では、作物根の伸長にとって有効な土層の厚さが重要な 分級基準の一つとなっており、地力保全基本調査においては、作物根がかなり自 由に貫入しうると認められる土層を「有効土層」というのであり、更に詳しくは 、基岩や盤層、或いは硬度計によるいわゆる「ちみつ度」の測定値が29mm以 上を示し、厚さ10cm以上の土層若しくは極端な礫層及び地下水面があれば、 その上層までを有効土層というのである。
【0016】 なお、ちみつ度20〜23mm以上になると根群の伸長が著しく悪くなるため 、生産力との関係においては、ちみつ度29mm以下の前記有効土層の深さより 、ちみつ度が20〜23mm以下の「根群伸長良好土層」の方が重要となってい る。
【0017】 そして、一般に水田、草地においては50cm以上、畑、樹園地においては1 m以上の有効土層の厚さが確保されれば良好な耕地(1等級耕地)とみなされる 。
【0018】 このため、水田、草地、畑或いは樹園地等においては、地表下50cm以内に 盤層等の有効土層を制限している土層が存在する場合には、心土耕などによって 土層を作物根が貫入できるように改良し、有効土層ないしは根群伸長良好土層を 確保するのである。
【0019】 しかしながら、比較的自然環境下に近い畑や樹園地などの農耕地等においては 、上述した心土耕等の耕うんや、その他施肥、かん水などによって土層を改良し 、必要な厚さの有効土層ないしは根群伸長良好土層を確保することはある程度可 能であるが、ハウスプラントや園芸等においては土層の改良にも限界があり、な かでもビルの屋上や法面等のコンクリート構造物の緑化においては充分な有効土 層を確保することは困難である。
【0020】 即ち、現在のところコンクリート構造物の緑化は、コンクリート構造物に金属 やプラスチック製の排水溝(排水層)を施行し、更に高分子吸水剤等の保水剤を 敷設し、その上に盛り土をして人工の植物栽培用の培地(緑化基材)を作り、こ れに種をまいたり、植樹したりする方法が一般的に採用されているのであるが、 このコンクリート構造物上へ50cmから1mもの土の層を敷設することは大変 な作業であり、このため前記有効土層を充分に確保することは困難である。
【0021】 したがって、このような方法によるコンクリート構造物の緑化では、有効土層 の薄さに起因して、土に植物の根がしっかりと伸長する前に降雨水や散水により 簡単に土が流れ出すため、植物の良好な成長を望めないばかりか、盛り土した土 が更に少なくなり、一層植物の根が伸長するスペースである有効土層が確保し難 くなるといった問題がある。
【0022】 又、コンクリート構造物への排水溝の設置や保水剤の敷設には専門的な技術を 必要とするため、この敷設・施行工事については専門業者に委託する他はなく、 工期が長く、工事費用や人件費が高くなる上、個人的な趣味で、一般家庭の一角 において小規模に園芸を楽しみたいとする人達には不向きである。
【0023】 この問題を解決するため、ごく最近では、例えば、ピートモス、バガス、椰子 殻繊維、わら、土壌などを主成分として含有し、それらに堆肥土壌改良材や土壌 活性剤などを配合した培養土を、圧縮成形し、これを包材で被覆した緑化基材が 提案されている(特開平7ー111830号公報)。
【0024】 即ち、この緑化基材は、培養土を圧縮成形してなるものであり、このように構 成することにより、降雨水や散水によっても当該緑化基材中の培養土が流れ難く なり、しかもコンクリート構造物へ敷設した後、緑化基材中における圧縮された 緑化基材が膨張することにより、ある程度の厚さの有効土層を確保することがで きるのであり、更に、培養土を圧縮形成することにより、緑化基材を薄く形成す ることができるため、敷設時の取り扱い性を向上させることができるのである。
【0025】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、前記緑化基材は、単に圧縮した培養土を包材で被覆してなるも のであるため、運搬や敷設の際に型くずれが起こりやすく、取り扱い性に劣ると いった問題がある。
【0026】 又、前記緑化基材においては、敷設後、降雨水を吸収したりして膨張し、その 結果、やはり包材から培養土が溢れだし、この溢れ出た培養土が降雨水や散水に よって流出するといった問題が発生するのであり、しかも、この緑化基材は膨張 によって根を支える力が弱く、当該根の健全な発育を妨げたり、植物の自重によ り倒れたり、降雨水や散水によって根ごと流れたりするなどの問題もある。
【0027】 そこで、本考案者は、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、培養 土を特定形状の通水性被覆体で覆うことにより、この培養土を当該通水性被覆体 の形状に応じたタイル状ないしマット状の緑化基材を前提とし、更に、前記通水 性被覆体は底部と側壁部と蓋体からなり、しかも培養土内で根を保持し、その成 長を促進して根を確実に張り巡らすための網状体を敷設、積層した緑化基材を開 発するに至ったのである。
【0028】 即ち、本考案は、緑化基材の型くずれを防止し、又、降雨水や散水による培養 土の流出を防止することができ、しかも、成長した根をしっかりと支えることで きる緑化基材であり、ビルの屋上や家屋の屋根或いは法面、ベランダ、玄関先や 庭或いは庭に設置したテーブル上等で植物を栽培してその緑化を促進し、これに よって、ビルの屋上や家屋の屋根或いは法面等の環境を改善するために好適に用 いられる緑化基材を提供することを目的とするものである。
【0029】 又、本考案において、側壁部の上・下端部がそれぞれ蓋体の周縁部と底部の周 縁部とを覆うように折り返し、当該部位を接着や縫製等の固定手段で固定すると 、降雨水を吸収して膨張する場合、上下方向に膨張するが、側方には膨張するこ とがなく、ビルの屋上や家屋の屋根或いは法面、ベランダ、玄関先や庭に美麗に 敷設された状態を維持できる緑化基材を提供することを目的とするものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本考案に係る緑化基材は、前記目的を達成するため、培養土を特定形状の通水 性被覆体で覆うことにより、この培養土を当該通水性被覆体の形状に応じたタイ ル状ないしマット状の緑化基材であって、前記通水性被覆体は底部と側壁部と蓋 体からなり、しかも培養土中にはその一部ないし全体にわたって網状体を敷設、 積層されていることを特徴とするものである。
【0031】 即ち、本考案に係る緑化基材培養土においては、培養土中の一部ないし全体に わたって網状体を敷設、積層し、これらを特定形状の通水性被覆体で覆うことに より、多層構造のタイル状ないしマット状に形成することによって得られる。
【0032】 この得られた緑化基材においては、培養土中に網状体が設けられているので、 緑化基材全体の強度を向上し、運搬時や敷設の際の型くずれを防止し、取り扱い 性を向上させるのである。
【0033】 又、本考案に係る緑化基材培養土においては、側壁部の上・下端部がそれぞれ 蓋体の周縁部と底部の周縁部とを覆うように折り返し、当該部位を接着や縫製等 の固定手段で固定することにより、降雨水を吸収して膨張する場合、上下方向に は膨張するが、側方には膨張することがなく、培養土が降雨水や散水によって流 出することがなく、しかもビルの屋上や家屋の屋根或いは法面、ベランダ、玄関 先や庭に美麗に敷設された状態を維持することができるのである。
【0034】 又、このように扁平容器状体に蓋体を設けるにあたり、蓋体の周縁部全体を覆 うように側壁部上部を折り返して接合することが好ましく、このように構成する ことにより、扁平容器状体のエッジの強度が向上する上、エッジが立ち、緑化基 材の敷設時に一層隙間が生じなくなるため好ましいのである。
【0035】 更に、前記培養土中に前記網状体が設けられていることにより、この網状体が 培養土内で根を保持し、その成長を促進して根を確実に張り巡らすことができる 上、その成長した根が前記網状体にしっかりと支えられ、植物の自重により倒れ ることがなく、植物の成長を順調に促進し、降雨水や散水によって根ごと流れた りすることが無くなるのである。 以下、本考案を更に詳細に説明する。
【0036】 本考案において、「培養土中にはその一部ないし全体にわたって網状体を敷設 、積層されている」とは、後述する通水性被覆体に覆われることにより、タイル 状ないしマット状となった培養土中における植物の根を成長させる予定の部位に 網状体を設けるという意味であり、その設置方法としては特に制限されるもので はなく、1ないし複数の網状体を平坦なまま培養土と平行ないし斜めにに積層し ても良いのである。
【0037】 又、本考案において、この網状体としては、植物の根の成長を妨げることなく 、しかも成長した根をしっかりと保持することができるものであれば特に限定さ れるものではなく、目の大きさが金属繊維、合成繊維又は天然繊維等の繊維を網 状体に形成したものを適宜選択して用いることができるが、特に環境等への影響 を配慮して、生分解性の繊維からなる網状体を用いることが好ましい。
【0038】 この生分解性繊維からなる網状体の好適な例としては、例えばココヤシ繊維、 木綿、カポック、ジュート麻、マニラ麻、サイザル麻、絹、ラクダ、アルパカ、 羊毛、モヘア又はカシミヤ等から選ばれた少なくとも1種以上を網状に形成した ものや、これらの繊維を平織、綾織、絡み織、もじり織等の手段を用いて形成し た織布、横編み編布や縦編み編布、或いは経糸群と緯糸群とを積層して接着した 積層不織布などに対して、カッティングやパンチング等により穴を開けて網状体 としたものを挙げることができる。
【0039】 中でも、本考案においては、網状体を形成する繊維として、耐久性に優れるコ コヤシ繊維を必須構成成分とすることが好ましく、即ち、網状体を形成する繊維 の一部ないし全部としてココヤシ繊維を用いることにより、緑化基材の耐久性が 至極向上し、当該緑化基材を長期間にわたって使用できる結果、極めて経済的と なるため特に好ましいのである。
【0040】 なお、この網状体の網目の大きさとしては植生植物の種類によっても異なるが 、植物の根の成長を妨げることなく、しかも成長した根をしっかりと保持するこ とができるものであれば特に限定されるものではないが、一般に、1〜25mm 程度の範囲、特に数mm〜20mm程度の範囲、特に好ましくは5〜12.5m m程度の範囲であるものが好ましい。
【0041】 本考案において用いられる培養土としては、特に限定されるものではなく公知 の培養土をそのまま(無圧縮)或いは適当な圧縮倍率に圧縮したものを好適に使 用することができるのであり、具体的には、例えば赤土、鹿沼土等の各種土壌、 魚カス、骨粉、油カス、乾燥菌体肥料、堆肥、厩肥、コンポスト、オガクズ、チ ップ、バーク堆肥、汚泥肥料、汚泥コンポスト、都市ゴミコンポスト、泥炭・草 炭加工物、ピートモス、微生物資材、腐植酸質資材、加工家禽糞肥料、ミミズ糞 、貝殻粉末、貝化石、活性炭、ドロマイト、イソライト、ベントナイト、ゼオラ イト、パーライト、パーミキュライト又はその他の各種土壌改良資材等から選ば れた少なくとも1種以上を適宜混合した培養土を用いることができる。
【0042】 中でも、本考案においては、前記培養土としてココヤシ繊維及び/又はココヤ シ繊維カスを必須成分とするものを用いることが特に好ましい。
【0043】 更に詳しくは、本考案においては、この培養土がココヤシ繊維のみを必須成分 とするものでも良く、又はココヤシ繊維カスのみを必須成分とするものでも良く 、或いはココヤシ繊維とココヤシ繊維カスとを必須成分とするものでも良いので ある。
【0044】 このように構成する理由としては、ココヤシ繊維やココヤシ繊維カスは生分解 しにくいため、これらの成分を培養土の必須成分とすることにより、緑化基材の 耐久性が至極向上し、当該緑化基材を長期間にわたって使用できる結果、極めて 経済的だからである。
【0045】 又、ココヤシ繊維カスは吸水膨潤して水分を保持する性質があり、一方、ココ ヤシ繊維は吸水膨潤しないため、これらを組み合わせて使用することにより、保 水性を簡便に調節することができるからである。
【0046】 そして、本考案は、これらの培養土をそのまま(無圧縮)或いは適当な圧縮倍 率に圧縮したものを(前記網状体と共に)後述する通水性被覆体で覆うことによ り、この培養土を当該通水性被覆体の形状に応じたタイル状ないしマット状とす るのであるが、この培養土を圧縮して用いる際の圧縮倍率としては、植え付ける 植物の種類、或いは季節や地域等に応じて適宜決定されるため、特に制限される ものではない。
【0047】 一般的には、培養土を1(無圧縮)〜10倍程度の圧縮倍率で圧縮したものが 好ましく、圧縮倍率が10倍を超えると、降雨水や散水による圧縮培養土層の膨 潤、つまり植物根が円滑に成長できようになるまでにかなりの期間が必要で、植 物の成長を阻害する虞れがあるので好ましくない。
【0048】 ところで、本考案において、圧縮倍率とは加圧によって培養土の厚さを薄くし た際の圧縮の程度を表すものであり、例えば、圧縮倍率2倍では培養土の厚さが 通常の1/2に、圧縮倍率3倍では培養土の厚さが1/3になっていること意味 する。
【0049】 なお、本考案に係る緑化基材においては、培養土として、2種以上の圧縮倍率 の異なる培養土を積層した「積層土」を用いることが好ましい。
【0050】 この理由は、このように構成することにより、植物根の伸長に応じて段階的に 培養土が膨張し、植物根の伸長に応じた排水・通気性と保水性を発現する上、有 効土層の厚さを適時確保することができるからである。
【0051】 ここで、この段階的な培養土の膨張を詳しく説明すると、前記積層土における 培養土層の一に植え付けられた種や苗木等は、まず、植え付けられた培養土層に おいてその根を伸長させることができる。
【0052】 その後、当該培養土において根が伸長、成長し、当該培養土層より圧縮倍率の 高い圧縮培養土層に到達する頃には、当該圧縮培養土層が降雨水や散水によって 段階的に膨張し、ちみつ度が小さくなって植物根が成長し得る土壌に変化してお り、更にこの土壌から水分や栄養分を吸収して更なる植物の成長を促進するので ある。つまりこれによって、「有効土層」が確実に確保されるのであり、その結 果、植物の成長、成育を著しく促進させることができる。
【0053】 即ち、このような積層土を用いることにより、培養土の膨張を制御し、降雨水 や散水による土壌の溢れや流出を一層防止できるのである。
【0054】 つまり、植え付けられた種や苗木が根を伸長させ、次の培養土層に到達する度 に、積層された圧縮培養土層が順に(段階的に)膨張するため、植物根の伸長に 応じた有効土層を確保することができるのである。
【0055】 又、このように、圧縮培養土層が段階的に膨張し、ちみつ度が小さくなるため 、植物根の伸長に応じて、排水・通気性と保水性が確保されるのであり、このよ うに積層された圧縮培養土層が段階的に膨張し、膨張した培養土層において順に 根群が自由に伸長し、根群が網目状に張り巡らされることにより、培養土層の土 が膨張して流出しやすくなった場合でも、この網目状の根によって当該土が保持 される結果、降雨水や散水による土の流出を一層防止することもできる。
【0056】 なお、この積層土における積層数及び積層順序としは、植え付ける植物の種類 、或いは季節や地域等に応じて適宜決定されるため、特に制限されるものではな いが、一般的には、2〜5層程度積層したものが好ましく、特に、通常の植物は 、地下に向かって根を伸長させていくものであるため、本考案においては、最下 層から上層に向かって順に圧縮倍率が小さくなるように培養土層を積層すること が好ましい。
【0057】 本考案における好適な例としては、根の好適な成長を促進し、植物の成長、成 育を円滑に行うなどの理由から、二層構造の積層土では、最下層に培養土を圧縮 倍率1.5〜10倍程度に圧縮したものを敷設し、その上に圧縮倍率1〜1.5 倍程度に圧縮した培養土を積層したものを挙げることができるのであり、又、三 層構造の積層土とする場合には、最下層に培養土を圧縮倍率5〜10倍程度に圧 縮したものを敷設し、その上に圧縮倍率1.5〜5倍程度に圧縮した培養土を積 層し、更にその上に1〜1.5倍程度に圧縮した培養土を積層したものを挙げる ことができる。
【0058】 この場合、積層土の厚さとしては特に制限されるものではないが、一般的には 、1〜10cm程度が好ましく、更に、2〜7.5cm程度が好ましい。
【0059】 厚さが1cm未満となると所望の排水・通気性や保水性更に有効土層の厚さを 確保することができなくなるため好ましくなく、一方10cmを超えると最終的 な緑化基材が分厚くなり、その輸送コストが高くなったり、取り扱い性が低下す るため好ましくない。
【0060】 そして、本考案の緑化基材においては、前記培養土中の一部ないし全体にわた って前記網状体を設け、これらを特定形状の通水性被覆体で覆うことにより、こ の培養土を当該通水性被覆体の形状に応じたタイル状ないしマット状とするもの である。
【0061】 これにより、本考案の緑化基材は、運搬時や敷設時或いは使用時における形く ずれ等を防止し、その取扱性を向上させたり、培養土層を確実に保持して施工性 を向上させることによって何人でも簡便に施工できるようになるのである。
【0062】 本考案において特定形状の通水性被覆体とは、培養土を覆ってタイル状ないし マット状の緑化基材を形成し得るものであれば特に限定されるものではなく、任 意の形状の扁平袋状体や扁平容器状体等を用いることができるという意味である が、特に、敷設時に緑化基材間に隙間が生じ難い形状のものが好ましく、具体的 には、正面視略三角形の扁平容器状体、略四角形の扁平容器状体又は略六角形の 扁平容器状体が好ましい。
【0063】 なお、前記扁平容器状体とは、マット状の緑化基材の正面視の形状を決定する 「底部」と、この底部の周縁に設けられた培養土の横方向への流出を防止する「 側壁部」とを有するもののことをいう。
【0064】 本考案においては、この扁平容器状体としては、前記底部と前記側壁部とが一 体形成された上端開口型のものであってもよいが、特に、前記底部と前記側壁部 とが別パーツとなっており、前記底部の周縁全体を覆うように前記側壁部の下部 を折り返して接合して扁平容器状体を形成したものが、扁平容器状体のエッジの 強度が向上する上、エッジが立ち、緑化基材の敷設時に隙間が生じなくなるため 好ましい。
【0065】 この扁平容器状体を形成する底部と側壁部に用いられる素材としては、適度の 通気性や透水性があり、しかも培養土を投入する際や運搬時等において、簡単に 破損したりするものでなければ、特に限定されるものではないが、一般的には、 公知の布基材が好適に用いられのであり、この布基材の例としては、例えばココ ヤシ繊維、木綿、カポック、ジュート麻、マニラ麻、サイザル麻、絹、ラクダ、 アルパカ、羊毛、モヘア又はカシミヤ等の生分解性繊維から選ばれた少なくとも 1種以上を、平織、綾織、絡み織、もじり織等の手段を用いて形成した織布、横 編み編布や縦編み編布、不織布やフェルト或いは羊毛等を積層して既知の接着剤 (バインダー)等を用いて接着、形成された不織布やフェルトなどが挙げられる 。
【0066】 中でも、本考案においては、前記生分解性繊維のうち、特にココヤシ繊維を必 須成分とするとした布基材、例えばココヤシ繊維含む繊維体をフェルト化するこ とによりタイル状に形成したフェルトや、ココヤシ繊維含む繊維体を織ったり、 編んだりして布状に形成したものを用いることが緑化基材の耐久性が至極向上し 、当該緑化基材を長期間にわたって使用できるので、極めて経済的で好ましい。
【0067】 又、本考案においては、通水性被覆体に培養土を投入した後に、その上から、 当該通水性被覆体の上端開口を覆い得る蓋体を設けることが好ましい。
【0068】 この蓋体としては、前記布基材と同様のもの、例えば不織布やフェルト等を用 いることができるが、この場合、発芽した種子の根が最上層の培養土層に容易に 根付くようにするために、その坪量を偏平容器状体に用いられている布基材より 小さく、例えば4/5〜1/5程度にするのが好ましい。蓋体の素材として布基 材を用いるにあたり、偏平容器状体に用いられている布基材の坪量の4/5を超 えると発芽した種子の根が最上層の培養土層に届かず、枯れる虞れがあり、一方 、1/5未満になると輸送中や取扱中更に施工中などに蓋体が破れ、培養土が漏 れる虞れがあるので好ましくない。
【0069】 又、本考案で用いられる蓋体の他の例としては、公知の網基材が挙げられるの であり、この網基材の好適な例としては、例えばココヤシ繊維、木綿、カポック 、ジュート麻、マニラ麻、サイザル麻、絹、ラクダ、アルパカ、羊毛、モヘア又 はカシミヤ等から選ばれた少なくとも1種以上を網状に形成したものが挙げられ る。
【0070】 この網基材の網目の大きさとしては培養土層の土が搬送中や取扱中更に施工中 等に漏れない程度の大きさであれば特に限定されるものではないが、一般に、0 .5〜15mm程度、好ましくは1〜10mm程度、特に好ましくは1.5〜7 .5mm程度であるものが好ましく、又、この網基材は植物の成長に応じて徐々 に生物作用を受けて強度が低下する結果、茎が大きくなると破損したりして、植 物の成長、成育には悪影響を与えることがないのである。
【0071】 なお、本考案においては、蓋体としても、ココヤシ繊維を必須成分とする布基 材又は網基材を用いることが緑化基材の耐久性が至極向上し、当該緑化基材を長 期間にわたって使用できるので、極めて経済的で好ましい。
【0072】 そして、本考案においては、更に通気排水性及び保水性を向上させるために、 緑化基材の最下層として通気・排水層を設けることが好ましい。
【0073】 本考案においては、この通気・排水層として、この種、分野で用いられるもの であれば特に限定されるものではないが、具体的には、例えば竹や木等の植物で 形成された簀の子(すのこ)等の他、合成樹脂の各種成形品、金属線を波形等に 折り曲げたり、網状に形成したり、格子状等に形成したものなどが挙げられるが 、特に、植物葉を平面的な広がりを持たせながら規則的に或いはランダムに積み 重ねたり、植物葉を平面的な広がりを持たせながら織ったり、編んだりして、タ イル状ないしはマット状に形成したものを用いることが特に好ましい。
【0074】 ここで、通気・排水層を植物葉で形成した理由は、このように形成した通気・ 排水層が、天候等の変化に対してフレキシブルな排水性及び保水性を発現し、適 度の耐久性を備え、しかも培養土層となじみ易い上、自然に穏やかで緩慢な生分 解性を発現するからである。
【0075】 即ち、植物葉を平面的な広がりを持たせながら規則的に或いはランダムに積み 重ねたり、植物葉を平面的な広がりを持たせながら織ったり、編んだりして、タ イル状ないしはマット状に形成した通気・排水層は、葉と葉との間に常に水分層 を保持しており、降雨量等が少ないときには、重なり合った葉と葉の間に存在す る水分が少なくなって新鮮な空気を取り入れ易くなるのであり、一方、降雨量が 多いときには、葉と葉との間が水分の排水箇所や保水箇所となるから好ましい。
【0076】 又、植物葉は、培養土等の土壌に混ぜ込まれると容易に生分解性を受けるもの であるが、本考案の如く、植物葉を平面的な広がりを持たせながら規則的に或い はランダムに積み重ね、タイル状ないしはマット状の一定の厚さを持つ独立の層 として形成すると、土壌に接触する表面積が小さくなり、これにより生分解性が 緩慢になり、強度や耐久性が向上するのである。
【0077】 更に、植物葉を平面的な広がりを持たせたタイル状ないしはマット状の一定の 厚さを持つ層として形成すると、この層が土の流出を防止するのである。
【0078】 本考案において用いられる植物葉としては、特に制限されるものではなく、広 葉樹に限らず、マツ科、スギ科、ヒノキ科、イチイ科及びイヌガヤ科等の針葉樹 等も用いることができるのであり、勿論、用いられる植物葉を1種類に限定する 必要はなく、数種の植物葉を混合して用いることもできるのであり、又、植物葉 をある程度の大きさに裁断したものを用いても良い。
【0079】 特に、本考案においては、植物葉として丈夫で緩慢な生分解性を有する竹やコ コヤシの葉を用いることが特に好ましい。
【0080】 この場合、タイル状ないしはマット状に形成した通気・排水層の厚さとしては 、特に制限されるものではないが、一般的には、1〜20mm程度が好ましく、 更に、2mm〜15mm程度が好ましい。
【0081】 厚さが1mm未満となると所望の強度や通気・排水性や保水性が得られなくな るため好ましくなく、一方、20mmを超えると、最終的な緑化基材が分厚くな り、その搬送性や取扱性が低下するので好ましくない。
【0082】 前述した如く、本考案において、この植物葉で形成された通気・排水層は、主 に、前記積層土の最下層として設けられて用いられるが、植物葉で形成されたも のを用いる場合、所望により、培養土層と培養土層の間に設けても良いのである 。
【0083】 又、敷設時や使用時における通気・排水層の形くずれや、植物葉或いは土の流 出を防止するために、通気・排水層の上面及び/又は下面に布基材を積層し、補 強することが好ましい。
【0084】 本考案において、この布基材としては、適度の通気性及び透水性があるもので あれば特に限定されるものではなく、公知の布基材を用いることができるのであ り、この布基材の好適な例としては、例えばココヤシ繊維、木綿、カポック、ジ ュート麻、マニラ麻、サイザル麻、絹、ラクダ、アルパカ、羊毛、モヘア又はカ シミヤ等の生分解性繊維から選ばれた少なくとも1種以上を、平織、綾織、絡み 織、もじり織等の手段を用いて形成した織布、横編み編布や縦編み編布、或いは 経糸群と緯糸群とを積層して接着した積層不織布などが好ましく、中でも、前記 生分解性繊維をフェルト化することによりタイル状に形成したフェルト等が挙げ られる。
【0085】
【実施例】 以下、本考案を実施例に基づき具体的に説明するが、本考案はこれらの実施例 に限定されるものではない。
【0086】 (a)圧縮倍率2.5倍の培養土層(無圧縮ココヤシ培養土層)4,5の作成 主原料のココピート100重量部に対し、副原料であるココヤシ繊維80重量 部、緩効性肥料であるイソブチリデン二尿酸1重量部、マルチコート14−14 −14ME肥料〔全窒素14重量%(三大要素としてNH4中の窒素6.4重量 %,NO3中の窒素6.1重量%及びNH2中の窒素1.5重量%)、全リン酸 分14重量%(その中の水溶性リン酸分13.1重量%)及び全カリウム分14 重量%(これらの栄養分は、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、リン酸カ ルシウム、硫酸カリウム及び硝酸カリウムから供給)、微量元素としてFe(E DTA−Feとして)0.1重量%、Mn0.035重量%、Mo0.005重 量%、Zn0.015重量%、Cu0.005重量%及びB0.01重量%(こ れらの栄養分はEDTA−Fe、硫酸マンガン、モリブデン酸ナトリウム、硫酸 亜鉛、硫酸銅及び硼酸ナトリウムから供給)、形状は粒状(粒子分布90重量% が1.7〜3.5mm)〕0.4重量部、養分保持体としてのココヤシ炭5重量 部及びドロマイト4重量部を配合し、均一に混合することにより、本考案の緑化 基材に用いる無圧縮ココヤシ培養土を得た。 この培養土を圧縮倍率が2.5倍、つまりその厚さが1/2.5となるように 圧縮すると共に、1辺約49cmの四角形の形状に成形して圧縮ココヤシ培養土 4、5を得た。
【0087】 (b)通水性被覆体(扁平容器状体)の作成 ココヤシ繊維を天然ゴムのバインダーで接着することによりフエルトを形成し 、これを1辺50cmの四角形の形状に裁断して底部3を得た。 一方、前記フェルトを高さ12cm、長さ52cmの帯状に裁断して側壁部2 を得た。 次いで、この側壁部2の下部で前記底部3の周縁部全部を覆いつつ2cm程度 のシール部ができるように折返し、当該シール部を天然ゴムで接着すると共に、 前記帯状の側壁部2の前端部と後端部との重なり部分を天然ゴムで接着しつつ連 結して正面視略四角形の通水性被覆体(扁平容器状体)を得た。
【0088】 (c)網状体7の作成 ココヤシ繊維(直径約3mm)を、その網目の大きさが約5mmになるように 織ることにより網状の織布を形成し、これを1辺49cmの四角形の形状に裁断 することにより網状体7を作成した。
【0089】 (d)蓋体6の作成 ココヤシ繊維(直径約0.25mm)を、その網目の大きさが約2mmになる ように織ることにより網状の織布を形成し、これを1辺50cmの四角形の形状 に裁断することにより蓋体6を作成した。
【0090】 実施例 図1〜図3に示すように、本考案の実施例に係る緑化基材は、この場合、以下 の構造を具備する。 この実施例に係る緑化基材1は、ココヤシ繊維で形成され、且つ上端開口の前 記(b)通水性被覆体(偏平容器状体)(高さ約10cm)と、この通水性被覆 体(偏平容器状体)の底面に敷設された前記(a)圧縮ココヤシ培養土4(厚さ 約2.5cm)と、この圧縮ココヤシ培養土4上に積層された前記(c)網状体 7と、この網状体7上に積層された前記(a)圧縮ココヤシ培養土5(厚さ約2 .5cm)とからなり、更にこの圧縮ココヤシ培養土5の上面全体をココヤシ繊 維性の前記(d)蓋体6で被覆し、次いで、前記偏平容器状体2における側壁部 の上部で前記蓋体6の周縁全部を覆いつつ、2cm程度のシール部ができるよう に折返し、当該シール部を天然ゴムで接着、梱包することにより得たものである (マット単位:厚さ約8cm、1辺50cmの四角柱)。
【0091】 この実施例の緑化基材1を用い、図4に示すように弊社ビル屋上Rに敷設し、 充分に散水した後、その上から芝生Gの種を吹き付け、30日間放置した(散水 は最初の1回のみ行った。)。
【0092】 実施例における緑化基材1において、芝生の成長状態を30日間にわたって観 察したところ、図5に示すように、芝生Gは10日前後で発芽し、その後、芝生 は順調に成長し、30日経過後には見事な芝生Gに成長していることが認められ た。又、芝生Gの根の伸長状態を観察したところ、実施例の芝生Gの根は緑化基 材1の培養土中に設けられた網状体に、しっかりと貫入し、絡み付いていること が認められた。
【0093】 又、実施例における緑化基材1の土の状態を肉眼観察や指で触って調べたとこ ろ土の状態は良好で、しかも適度の水分を保持していることが認められた。これ はその下層における圧縮ココヤシ培養土層がバリヤー層となって降雨水の流出を 防ぎ、これによって、圧縮ココヤシ培養土層の水分が適度に保持されたためと解 される。又、圧縮ココヤシ培養土層は適度に膨潤し、ちみつ度かなり小さくなっ て芝生Gの根が容易に入り込める状態になっていることも認められた。
【0094】
【考案の効果】
本考案に係る緑化基材においては、前記構成を有し、培養土が特定形状の通水 性被覆体で覆われており、しかも培養土中に網状体が設けられているので、緑化 基材全体の強度が向上する上、運搬時や施工の際の型くずれが防止され、取り扱 い性が著しく向上するなどの効果を奏するのである。
【0095】 又、本考案に係る緑化基材培養土においては、側壁部の上・下端部がそれぞれ 蓋体の周縁部と底部の周縁部とを覆うように折り返し、当該部位を接着や縫製等 の固定手段で固定することにより、降雨水を吸収して膨張する場合、高さ方向に は膨張するが、側方には膨張することがなく、培養土が降雨水や散水によって流 出することがないのであり、又、ビルの屋上や家屋の屋根或いは法面、ベランダ 、玄関先や庭に美麗に敷設された状態を維持することができる上、これらの施工 面全面にわたって植物が順調に成長、繁殖するなどの効果を奏するのである。
【0096】 又、本考案に係る緑化基材培養土においては、培養土の上面を覆う蓋体を設け るにあたり、蓋体の周縁部全体を覆うように側壁部上部を折り返して接合するの が好ましく、このように構成することにより、通水性被覆体のエッジの強度が向 上する上、エッジが立ち、緑化基材の施工時に一層隙間が生じなくなるなどの効 果を奏するのである。
【0097】 更に、本考案に係る緑化基材培養土においては、培養土中の一部ないし全体に わたって網状体が設けられていることにより、この網状体が培養土内で根を保持 し、その成長を促進して根を確実に張り巡らすことができる上、その成長した根 が前記網状体にしっかりと支えられ、植物の自重により倒れることがなく、植物 の成長を順調に促進し、降雨水や散水によって根ごと流れたりすることが無くな るなどの効果も発現するのである。
【0098】 加えて、本考案に係る緑化基材は、タイル状ないしはマット状の一定の厚さを 持つ緑化基材であり、軽量で搬送性が良好なため取り扱い易く、又ビルの屋上等 の施工面に敷設すれば良いので、施工性も極めて良好で、専門的な知識がないも のであっても簡単に施工できるなどの効果を奏するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本考案に係る一実施例の緑化基材の平
面図である。
【図2】図2は、本考案に係る一実施例の緑化基材の斜
視図である。
【図3】図3は、本考案に係る一実施例の緑化基材の断
面図である。
【図4】図4は、本考案に係る一実施例の緑化基材の敷
設状態を示す斜視図である。
【図5】図5は、その芝生の成育状態を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 緑化基材 2 側壁部 3 底部 4 圧縮ココヤシ培養土 5 圧縮ココヤシ培養土 6 蓋体 7 網状体 R 屋上 G 芝生

Claims (10)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 培養土を特定形状の通水性被覆体で覆う
    ことにより、この培養土を当該通水性被覆体の形状に応
    じたタイル状ないしマット状の緑化基材であって、前記
    通水性被覆体は底部と側壁部と蓋体からなり、しかも培
    養土中にはその一部ないし全体にわたって網状体を敷
    設、積層されていることを特徴とする緑化基材。
  2. 【請求項2】 網状体が、ココヤシ繊維を必須構成成分
    とする素材で形成されたものである請求項1に記載の緑
    化基材。
  3. 【請求項3】 培養土が、ココヤシ繊維及び/又はココ
    ヤシ繊維カスを必須成分とするものである請求項1又は
    2に記載の緑化基材。
  4. 【請求項4】 最下層から上層に向かって順に圧縮倍率
    が小さくなるように培養土層を積層してなる請求項1な
    いし3のいずれか1項に記載の緑化基材。
  5. 【請求項5】 通水性被覆体が、底部と側壁部とからな
    る正面視略三角形の扁平容器状体、略四角形の扁平容器
    状体又は略六角形の扁平容器状体である請求項1ないし
    4のいずれか1項に記載の緑化基材
  6. 【請求項6】 底部の周縁部を覆うように側壁部の下部
    を折り返して接合してなる請求項5に記載の緑化基材。
  7. 【請求項7】 通水性被覆体が、ココヤシ繊維を必須構
    成成分とする布基材又は網基材から形成されてなる請求
    項1ないし6のいずれか1項に記載の緑化基材。
  8. 【請求項8】 通水性被覆体には、更に上面を覆う蓋体
    が設けられている請求項1ないし7のいずれか1項に記
    載の緑化基材。
  9. 【請求項9】 蓋体が、ココヤシ繊維を必須構成成分と
    する布基材又は網基材から形成されてなる請求項8に記
    載の緑化基材。
  10. 【請求項10】 蓋体の周縁部を覆うように側壁部の上
    部を折り返して接合してなる請求項8又は9に記載の緑
    化基材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012024003A (ja) * 2010-07-22 2012-02-09 Sanwa Tekki Corp 水稲用籾殻燻炭育苗マット

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