JPH06240581A - 高透湿防水性素材およびその製造法 - Google Patents
高透湿防水性素材およびその製造法Info
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- JPH06240581A JPH06240581A JP2526093A JP2526093A JPH06240581A JP H06240581 A JPH06240581 A JP H06240581A JP 2526093 A JP2526093 A JP 2526093A JP 2526093 A JP2526093 A JP 2526093A JP H06240581 A JPH06240581 A JP H06240581A
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- D06N3/00—Artificial leather, oilcloth or other material obtained by covering fibrous webs with macromolecular material, e.g. resins, rubber or derivatives thereof
- D06N3/12—Artificial leather, oilcloth or other material obtained by covering fibrous webs with macromolecular material, e.g. resins, rubber or derivatives thereof with macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. gelatine proteins
- D06N3/14—Artificial leather, oilcloth or other material obtained by covering fibrous webs with macromolecular material, e.g. resins, rubber or derivatives thereof with macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. gelatine proteins with polyurethanes
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 透湿性、防水性、耐汚染性、耐摩耗性、表面
活性に優れかつ表面強度に優れ、表面の手にふれた感触
が天然皮革のようなヌメリ感のないサラッとした質感を
有し、天然皮革に類似した見た目の重厚感と色の深みの
ある、透湿性防水シートや透湿性防水性の皮革様シート
状物等の高透湿防水性素材を提供する。 【構成】 繊維質基体の一面に、ポリウレタン、シロキ
サン結合による分岐を有する水酸基含有シリコーンオイ
ルおよび脂肪族あるいは脂環族ポリイソシアナートをス
ズ系あるいは鉄系の触媒を用いて反応させて得たポリウ
レタン弾性重合体を主体とした重合体の被覆層を有する
高透湿防水性素材。
活性に優れかつ表面強度に優れ、表面の手にふれた感触
が天然皮革のようなヌメリ感のないサラッとした質感を
有し、天然皮革に類似した見た目の重厚感と色の深みの
ある、透湿性防水シートや透湿性防水性の皮革様シート
状物等の高透湿防水性素材を提供する。 【構成】 繊維質基体の一面に、ポリウレタン、シロキ
サン結合による分岐を有する水酸基含有シリコーンオイ
ルおよび脂肪族あるいは脂環族ポリイソシアナートをス
ズ系あるいは鉄系の触媒を用いて反応させて得たポリウ
レタン弾性重合体を主体とした重合体の被覆層を有する
高透湿防水性素材。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面の手にふれた感触
が天然皮革のようなヌメリ感のないサラッとした質感を
有し、天然皮革に類似した見た目の重厚感と色の深みが
あり、透湿性および防水性に優れかつ表面強度に優れた
透湿性防水シートや透湿性防水性の皮革様シート状物等
の高透湿防水性素材に関する。
が天然皮革のようなヌメリ感のないサラッとした質感を
有し、天然皮革に類似した見た目の重厚感と色の深みが
あり、透湿性および防水性に優れかつ表面強度に優れた
透湿性防水シートや透湿性防水性の皮革様シート状物等
の高透湿防水性素材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、透湿性に優れた透湿防水シートや
皮革様シートとして、水蒸気は通過させても雨水などの
液状の水を通さない材料が要望されており、四フッ化エ
チレン樹脂を延伸してミクロポーラス化したフイルムや
ポリウレタン樹脂を湿式凝固した微多孔質フイルムなど
を表面被覆層として用いた透湿防水シートや皮革様シー
トが提案されている。たとえば、特開昭61−1744
80号公報には、ポリウレタン樹脂を湿式凝固した微多
孔質フイルムを表面被覆層として用いた高透湿・高防水
性素材が提案されている。しかし、ここで用いられてい
るポリウレタン微多孔質フイルムはそれ自体撥水性では
ないため撥水剤による処理が必要であり耐久性に問題が
あり、また、耐汚染性、耐摩耗性、表面滑性などにも劣
るものである。
皮革様シートとして、水蒸気は通過させても雨水などの
液状の水を通さない材料が要望されており、四フッ化エ
チレン樹脂を延伸してミクロポーラス化したフイルムや
ポリウレタン樹脂を湿式凝固した微多孔質フイルムなど
を表面被覆層として用いた透湿防水シートや皮革様シー
トが提案されている。たとえば、特開昭61−1744
80号公報には、ポリウレタン樹脂を湿式凝固した微多
孔質フイルムを表面被覆層として用いた高透湿・高防水
性素材が提案されている。しかし、ここで用いられてい
るポリウレタン微多孔質フイルムはそれ自体撥水性では
ないため撥水剤による処理が必要であり耐久性に問題が
あり、また、耐汚染性、耐摩耗性、表面滑性などにも劣
るものである。
【0003】また、表面被覆層として微多孔質皮膜では
なく親水性ポリウレタンの無孔質フイルムを用いた皮革
様シートが特開昭62−271740号公報や特開平1
−192882号公報に提案されている。これらの皮革
様シートはいずれも透湿性が良好で雨水などの液状の水
は通さないが、表皮層に親水性のポリウレタンを使用し
ているため水に濡れると表面が膨潤して型くずれを生じ
たり外観が犯されやすく、いずれも耐汚染性、耐摩耗
性、表面滑性に劣るものであった。透湿性の改良のため
に表皮層にアミノ酸変性ポリウレタンの無孔質層を用い
た布帛が特開平1−113230号公報に提案されてい
るが、アミノ酸変性ポリウレタンの表皮層は表面強度が
低く、耐摩耗性改良のためにシリコーン変性ポリウレタ
ンで被覆しなければならず、十分な透湿性は得られな
い。
なく親水性ポリウレタンの無孔質フイルムを用いた皮革
様シートが特開昭62−271740号公報や特開平1
−192882号公報に提案されている。これらの皮革
様シートはいずれも透湿性が良好で雨水などの液状の水
は通さないが、表皮層に親水性のポリウレタンを使用し
ているため水に濡れると表面が膨潤して型くずれを生じ
たり外観が犯されやすく、いずれも耐汚染性、耐摩耗
性、表面滑性に劣るものであった。透湿性の改良のため
に表皮層にアミノ酸変性ポリウレタンの無孔質層を用い
た布帛が特開平1−113230号公報に提案されてい
るが、アミノ酸変性ポリウレタンの表皮層は表面強度が
低く、耐摩耗性改良のためにシリコーン変性ポリウレタ
ンで被覆しなければならず、十分な透湿性は得られな
い。
【0004】更に、シロキサン結合を有するポリウレタ
ン樹脂を表面被覆層に用いた皮革様シートも多数提案さ
れており、たとえば、特開昭62−206086号公報
や上記特開平1−113230号公報が挙げられる。こ
れらの皮革様シートは、ポリウレタン樹脂に導入された
シロキサン結合により耐汚染性、耐水性、耐摩耗性、表
面活性には優れたものであるが、透湿性に関しては不満
足なものであった。
ン樹脂を表面被覆層に用いた皮革様シートも多数提案さ
れており、たとえば、特開昭62−206086号公報
や上記特開平1−113230号公報が挙げられる。こ
れらの皮革様シートは、ポリウレタン樹脂に導入された
シロキサン結合により耐汚染性、耐水性、耐摩耗性、表
面活性には優れたものであるが、透湿性に関しては不満
足なものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のごと
き従来技術の欠点を改善した、透湿性、防水性、耐汚染
性、耐摩耗性、表面活性に優れかつ表面強度に優れた表
面の手にふれた感触が天然皮革のようなヌメリ感のない
サラッとした質感を有し、天然皮革に類似した見た目の
重厚感と色の深みのある、透湿性防水シートや透湿性防
水性の皮革様シート状物等の高透湿防水性素材を提供す
ることである。
き従来技術の欠点を改善した、透湿性、防水性、耐汚染
性、耐摩耗性、表面活性に優れかつ表面強度に優れた表
面の手にふれた感触が天然皮革のようなヌメリ感のない
サラッとした質感を有し、天然皮革に類似した見た目の
重厚感と色の深みのある、透湿性防水シートや透湿性防
水性の皮革様シート状物等の高透湿防水性素材を提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊維質基体の
一面に、ポリウレタン、シロキサン結合による分岐を有
する水酸基含有シリコーンオイルおよび脂肪族あるいは
脂環族ポリイソシアナートをスズ系あるいは鉄系の触媒
を用いて反応させて得たポリウレタン弾性重合体を主体
とした重合体の被覆層を有する高透湿防水性素材であ
る。
一面に、ポリウレタン、シロキサン結合による分岐を有
する水酸基含有シリコーンオイルおよび脂肪族あるいは
脂環族ポリイソシアナートをスズ系あるいは鉄系の触媒
を用いて反応させて得たポリウレタン弾性重合体を主体
とした重合体の被覆層を有する高透湿防水性素材であ
る。
【0007】本発明の高透湿防水性素材は、繊維質基体
の一面に、ポリウレタン、シロキサン結合による分岐を
有する水酸基含有シリコーンオイル、脂肪族あるいは脂
環族ポリイソシアナート、スズ系あるいは鉄系の触媒、
アセチルアセトンおよび有機溶剤からなる組成物を塗布
し、ウレタン化反応させて重合体の被覆層を形成する、
あるいは該組成物を離型性シート表面に塗布し、繊維質
基体の一面に積層し、ウレタン化反応させてポリウレタ
ン重合体の被覆層を形成することにより得られる。
の一面に、ポリウレタン、シロキサン結合による分岐を
有する水酸基含有シリコーンオイル、脂肪族あるいは脂
環族ポリイソシアナート、スズ系あるいは鉄系の触媒、
アセチルアセトンおよび有機溶剤からなる組成物を塗布
し、ウレタン化反応させて重合体の被覆層を形成する、
あるいは該組成物を離型性シート表面に塗布し、繊維質
基体の一面に積層し、ウレタン化反応させてポリウレタ
ン重合体の被覆層を形成することにより得られる。
【0008】
【作用】すなわち、本発明の高透湿防水性素材は、被覆
層としてシロキサン結合による分岐を有する水酸基含有
シリコーンオイルで変性されたポリウレタンを用いるも
のである。従来用いられているシロキサン結合による分
岐を有さない直鎖状あるいは側鎖がアルキル基であるよ
うなシリコーンオイルを用いた場合には本発明の効果は
得られない。本発明のシロキサン結合による分岐を有す
る水酸基含有シリコーンオイルは、シロキサン結合によ
る分岐が多いものが好ましい。シロキサン結合による分
岐が多くなると非晶性固体状となり易いため、分岐の一
部にフェニル基などの立体障害の大きい置換基を導入す
ることにより液体状とすることが重要である。
層としてシロキサン結合による分岐を有する水酸基含有
シリコーンオイルで変性されたポリウレタンを用いるも
のである。従来用いられているシロキサン結合による分
岐を有さない直鎖状あるいは側鎖がアルキル基であるよ
うなシリコーンオイルを用いた場合には本発明の効果は
得られない。本発明のシロキサン結合による分岐を有す
る水酸基含有シリコーンオイルは、シロキサン結合によ
る分岐が多いものが好ましい。シロキサン結合による分
岐が多くなると非晶性固体状となり易いため、分岐の一
部にフェニル基などの立体障害の大きい置換基を導入す
ることにより液体状とすることが重要である。
【0009】該シリコーンオイルの末端基は水酸基であ
ることが好ましいが、部分的にはメチル基やエチル基な
どのアルキル基であってもよい。シリコーンオイル中の
水酸基の含有量は、水酸基当量で200〜800のもの
が好ましい。水酸基当量が200より小さいと、有機ポ
リイソシアナートとの結合点が少なくなり十分な皮膜強
度が得られなくなり、また、透湿性も低下する。水酸基
当量が800より大きくなると、透湿性の点では問題な
いが、有機ポリイソシアナートとの反応性が増大し、ウ
レタン化反応が急速に進むため、被覆用の組成液が短時
間で粘度上昇したりゲル化するため工程通過性に劣るも
のとなる。このようなシロキサン結合による多数の分岐
を有する水酸基含有シリコーンオイルとしては、例えば
東レダウコーニングシリコーン社製のグライコール変性
オイル:BX16−895が挙げられる。
ることが好ましいが、部分的にはメチル基やエチル基な
どのアルキル基であってもよい。シリコーンオイル中の
水酸基の含有量は、水酸基当量で200〜800のもの
が好ましい。水酸基当量が200より小さいと、有機ポ
リイソシアナートとの結合点が少なくなり十分な皮膜強
度が得られなくなり、また、透湿性も低下する。水酸基
当量が800より大きくなると、透湿性の点では問題な
いが、有機ポリイソシアナートとの反応性が増大し、ウ
レタン化反応が急速に進むため、被覆用の組成液が短時
間で粘度上昇したりゲル化するため工程通過性に劣るも
のとなる。このようなシロキサン結合による多数の分岐
を有する水酸基含有シリコーンオイルとしては、例えば
東レダウコーニングシリコーン社製のグライコール変性
オイル:BX16−895が挙げられる。
【0010】本発明で水酸基含有シリコーンオイルと混
合して使用するポリウレタンとしては、数平均分子量5
00〜3000のポリマージオール、例えば、ポリエス
テルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルエ
ーテルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリラク
トンジオール等の群より選ばれる少なくとも1種のポリ
マージオールと、有機ポリイソシアナート、例えば、芳
香族ジイソシアナート、芳香族トリイソシアナート、脂
肪族ジイソシアナート、脂環族ジイソシアナート等の群
より選ばれる少なくとも1種の有機ポリイソシアナート
とをウレタン化反応させて得られるポリウレタンであ
る。ポリウレタンには必要に応じて分子量400以下の
ジオールやジアミン等の活性水素原子を少なくとも2個
有する低分子化合物を鎖伸長剤として反応させてもよ
い。
合して使用するポリウレタンとしては、数平均分子量5
00〜3000のポリマージオール、例えば、ポリエス
テルジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルエ
ーテルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリラク
トンジオール等の群より選ばれる少なくとも1種のポリ
マージオールと、有機ポリイソシアナート、例えば、芳
香族ジイソシアナート、芳香族トリイソシアナート、脂
肪族ジイソシアナート、脂環族ジイソシアナート等の群
より選ばれる少なくとも1種の有機ポリイソシアナート
とをウレタン化反応させて得られるポリウレタンであ
る。ポリウレタンには必要に応じて分子量400以下の
ジオールやジアミン等の活性水素原子を少なくとも2個
有する低分子化合物を鎖伸長剤として反応させてもよ
い。
【0011】該ポリウレタンの100%モジュラスは、
20〜150kg/cm2のものが好ましい。100%モジ
ュラスが大きいと、得られた高透湿防水性素材の風合い
が硬くなり、特に皮革様シートとしたときのシボ感が荒
く、高級感に欠けるものとなる。一方、100%モジュ
ラスが小さいと、被覆層としたときの皮膜強度が弱く、
得られた高透湿防水性素材の表面強度が低下してしま
う。
20〜150kg/cm2のものが好ましい。100%モジ
ュラスが大きいと、得られた高透湿防水性素材の風合い
が硬くなり、特に皮革様シートとしたときのシボ感が荒
く、高級感に欠けるものとなる。一方、100%モジュ
ラスが小さいと、被覆層としたときの皮膜強度が弱く、
得られた高透湿防水性素材の表面強度が低下してしま
う。
【0012】ポリウレタンの末端基は、水酸基過剰系で
反応させて得られる水酸基末端のものであっても末端封
鎖剤により末端封鎖されたものであってもよい。末端封
鎖されたポリウレタンの場合は、シリコーンオイルおよ
び有機ポリイソシアナートとのウレタン化反応は、ウレ
タン結合の一部にアロハネート結合で反応するものと考
えられる。また、ポリウレタンの末端基は、イソシアナ
ート過剰系で反応させて得られるイソシアナート末端の
ものであっても差し支えない。イソシアナート末端であ
る場合には、芳香族イソシアナート末端のものは反応速
度が大きく、被覆用の組成液としたときに短時間で粘度
上昇やゲル化を起こし易いため、末端基は脂肪族あるい
は脂環族イソシアナートであるものを用いる。
反応させて得られる水酸基末端のものであっても末端封
鎖剤により末端封鎖されたものであってもよい。末端封
鎖されたポリウレタンの場合は、シリコーンオイルおよ
び有機ポリイソシアナートとのウレタン化反応は、ウレ
タン結合の一部にアロハネート結合で反応するものと考
えられる。また、ポリウレタンの末端基は、イソシアナ
ート過剰系で反応させて得られるイソシアナート末端の
ものであっても差し支えない。イソシアナート末端であ
る場合には、芳香族イソシアナート末端のものは反応速
度が大きく、被覆用の組成液としたときに短時間で粘度
上昇やゲル化を起こし易いため、末端基は脂肪族あるい
は脂環族イソシアナートであるものを用いる。
【0013】混合する水酸基含有シリコーンオイルとポ
リウレタンの重量比は、1:5〜6:5、好ましくは
2:5〜4:5の範囲である。シリコーンオイルの量が
多くなると、透湿性や耐水性は向上するが被覆層の表面
強度が低下するとともに触感がべとついた感じの好まし
くないものとなる。一方、シリコーンオイルの添加量が
少なくなるとべとつき感はなくなるが、十分な透湿性が
得られなくなる。
リウレタンの重量比は、1:5〜6:5、好ましくは
2:5〜4:5の範囲である。シリコーンオイルの量が
多くなると、透湿性や耐水性は向上するが被覆層の表面
強度が低下するとともに触感がべとついた感じの好まし
くないものとなる。一方、シリコーンオイルの添加量が
少なくなるとべとつき感はなくなるが、十分な透湿性が
得られなくなる。
【0014】ポリウレタンおよびシロキサン結合による
分岐を有する水酸基含有シリコーンオイルと反応させる
有機ポリイソシアナートは、脂肪族あるいは脂環族のジ
イソシアナートあるいはトリイソシアナートの単体であ
っても構わないが、これらのイソシアナートと単量体の
ポリオールとを一部付加反応させたアダアクトポリイソ
シアナートを用いることが好ましい。芳香族ポリイソシ
アナートは反応性が高く、短時間で組成液の粘度上昇や
ゲル化を起こすため本発明では用いない。ポリウレタン
およびシリコーンオイルの合計量に対するポリイソシア
ナートの使用量は、それぞれの有する水酸基およびイソ
シアナート基の含有量によっても異なるが、ほぼ当量と
なる量で、重量比で6:1〜11:1を目安とする。
分岐を有する水酸基含有シリコーンオイルと反応させる
有機ポリイソシアナートは、脂肪族あるいは脂環族のジ
イソシアナートあるいはトリイソシアナートの単体であ
っても構わないが、これらのイソシアナートと単量体の
ポリオールとを一部付加反応させたアダアクトポリイソ
シアナートを用いることが好ましい。芳香族ポリイソシ
アナートは反応性が高く、短時間で組成液の粘度上昇や
ゲル化を起こすため本発明では用いない。ポリウレタン
およびシリコーンオイルの合計量に対するポリイソシア
ナートの使用量は、それぞれの有する水酸基およびイソ
シアナート基の含有量によっても異なるが、ほぼ当量と
なる量で、重量比で6:1〜11:1を目安とする。
【0015】上記のポリウレタン、シロキサン結合によ
る分岐を有する水酸基含有シリコーンオイル、有機ポリ
イソシアナートは有機溶剤に溶解して本発明の高透湿防
水性素材の被覆層を形成するための被覆用の組成液とす
る。本発明で被覆用の組成液の調製に用いられる有機溶
剤は、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、酢酸メ
チル、酢酸エチル、アセトン、シクロヘキサン、テトラ
ヒドロフラン、メタノール、エタノール、ジメチルホル
ムアミド、ヘキサン、ベンゼン、石油エーテル、クロロ
ホルム、トルエン、パークロロエチレン等が挙げられ
る。
る分岐を有する水酸基含有シリコーンオイル、有機ポリ
イソシアナートは有機溶剤に溶解して本発明の高透湿防
水性素材の被覆層を形成するための被覆用の組成液とす
る。本発明で被覆用の組成液の調製に用いられる有機溶
剤は、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、酢酸メ
チル、酢酸エチル、アセトン、シクロヘキサン、テトラ
ヒドロフラン、メタノール、エタノール、ジメチルホル
ムアミド、ヘキサン、ベンゼン、石油エーテル、クロロ
ホルム、トルエン、パークロロエチレン等が挙げられ
る。
【0016】脂肪族あるいは脂環族のポリイソシアナー
トはウレタン化の反応速度が遅いため、ウレタン化反応
速度を大きくするためにスズ系あるいは鉄系の触媒を添
加する。ウレタン化触媒を添加すると、被覆用組成液は
常温でも短時間で粘度上昇やゲル化を起こしやすくな
り、工業的規模での実施は困難となる。本発明において
は、塗布作業中のウレタン化反応を抑制するためにウレ
タン化触媒とともにアセチルアセトンを添加する。アセ
チルアセトンは触媒作用を停止させる効果を有するが、
組成液塗布後の乾燥工程により蒸発除去されるため、キ
ュアリング時には触媒作用に対する影響はない。
トはウレタン化の反応速度が遅いため、ウレタン化反応
速度を大きくするためにスズ系あるいは鉄系の触媒を添
加する。ウレタン化触媒を添加すると、被覆用組成液は
常温でも短時間で粘度上昇やゲル化を起こしやすくな
り、工業的規模での実施は困難となる。本発明において
は、塗布作業中のウレタン化反応を抑制するためにウレ
タン化触媒とともにアセチルアセトンを添加する。アセ
チルアセトンは触媒作用を停止させる効果を有するが、
組成液塗布後の乾燥工程により蒸発除去されるため、キ
ュアリング時には触媒作用に対する影響はない。
【0017】本発明で用いるスズ系のウレタン化触媒と
しては、ジオクチルジラウレート、ジ−n−ブチルチン
ラウレート、ジ−n−ブチルチンジオクエート、スタナ
スオクトエート、テトラブチル−1,3−ジアセトキシ
スタノキサン、塩化第1スズ、塩化第2スズ、n−ブチ
ルチンオキサイド等が挙げられる。特に、本発明では、
ジ−n−ブチルチンラウレート、ジ−n−ブチルチンジ
オクエートを用いることが好ましい。また、鉄系触媒と
しては、鉄アセチルアセトネート、塩化第2鉄が挙げら
れる。
しては、ジオクチルジラウレート、ジ−n−ブチルチン
ラウレート、ジ−n−ブチルチンジオクエート、スタナ
スオクトエート、テトラブチル−1,3−ジアセトキシ
スタノキサン、塩化第1スズ、塩化第2スズ、n−ブチ
ルチンオキサイド等が挙げられる。特に、本発明では、
ジ−n−ブチルチンラウレート、ジ−n−ブチルチンジ
オクエートを用いることが好ましい。また、鉄系触媒と
しては、鉄アセチルアセトネート、塩化第2鉄が挙げら
れる。
【0018】ウレタン化触媒の添加量としては、ポリウ
レタン固形分に対して、300〜3000ppmが好ま
しい。添加量が300ppmより少ないと、ウレタン化
の反応速度が低く、十分な強度を有した被覆層が得られ
にくい。更に、反応後も被覆層内に未反応のイソシアナ
ート基が残存する可能性がある。一方、添加量が300
0ppmを越えて多くなると、被覆層が劣化しやすくな
り、耐久性が低下しやすい。
レタン固形分に対して、300〜3000ppmが好ま
しい。添加量が300ppmより少ないと、ウレタン化
の反応速度が低く、十分な強度を有した被覆層が得られ
にくい。更に、反応後も被覆層内に未反応のイソシアナ
ート基が残存する可能性がある。一方、添加量が300
0ppmを越えて多くなると、被覆層が劣化しやすくな
り、耐久性が低下しやすい。
【0019】アセチルアセトンの添加量は、ポリウレタ
ン固形分に対して500〜5000ppmが好ましい。
500ppmより少ないと、ウレタン化触媒の触媒機能
を十分に抑えることができず、ポリウレタン組成液の粘
度が短時間で上昇し、工業規模での実施は困難となる。
一方、5000ppmより多くなると、アセチルアセト
ンの沸点が比較的高いため、塗布後の乾燥工程で十分蒸
発除去することができずウレタン化反応に悪影響を及ぼ
す。
ン固形分に対して500〜5000ppmが好ましい。
500ppmより少ないと、ウレタン化触媒の触媒機能
を十分に抑えることができず、ポリウレタン組成液の粘
度が短時間で上昇し、工業規模での実施は困難となる。
一方、5000ppmより多くなると、アセチルアセト
ンの沸点が比較的高いため、塗布後の乾燥工程で十分蒸
発除去することができずウレタン化反応に悪影響を及ぼ
す。
【0020】被覆用組成液には、目的に応じて染料や顔
料などの着色剤、安定剤、帯電防止剤、平滑剤や、通常
の合成皮革または人工皮革において使用されているよう
な例えば無機物充填剤、隠ぺい剤、柔軟剤、難燃剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、染料、界面活性剤、凝固調節
剤、滑剤等の各種の添加剤を添加することができる。
料などの着色剤、安定剤、帯電防止剤、平滑剤や、通常
の合成皮革または人工皮革において使用されているよう
な例えば無機物充填剤、隠ぺい剤、柔軟剤、難燃剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、染料、界面活性剤、凝固調節
剤、滑剤等の各種の添加剤を添加することができる。
【0021】被覆層の形成は、繊維質基体の表面に、グ
ラビアロール等によるロール塗布法、スプレー塗布法、
ドクターナイフ等によるダイレクトコーティング法等に
よって被覆用組成液を直接塗布したり、あるいは被覆用
組成液を離型紙等の離型性シートの表面に塗布し、適宜
乾燥後、繊維質基体表面に接着する転写法等の従来公知
の方法により行うことができる。被覆に当たっては、皮
膜が実質的に無孔質となるように留意する必要がある。
皮膜が断続的であったり、開口部を有する状態である
と、十分な表面強度が得られにくく、また、防水性に劣
るものとなる。従って、本発明においては、スプレー塗
布法、ドクターナイフ等によるダイレクトコーティング
法、あるいは離型紙等による転写法が好ましい。塗布量
は、乾燥硬化後の皮膜厚さとして20〜60μmとなる
量が好ましい。被覆層の膜厚が、20μmより薄くなる
と十分な皮膜強度が得られにくく、60μmより厚くな
ると透湿性が低下しやすい。
ラビアロール等によるロール塗布法、スプレー塗布法、
ドクターナイフ等によるダイレクトコーティング法等に
よって被覆用組成液を直接塗布したり、あるいは被覆用
組成液を離型紙等の離型性シートの表面に塗布し、適宜
乾燥後、繊維質基体表面に接着する転写法等の従来公知
の方法により行うことができる。被覆に当たっては、皮
膜が実質的に無孔質となるように留意する必要がある。
皮膜が断続的であったり、開口部を有する状態である
と、十分な表面強度が得られにくく、また、防水性に劣
るものとなる。従って、本発明においては、スプレー塗
布法、ドクターナイフ等によるダイレクトコーティング
法、あるいは離型紙等による転写法が好ましい。塗布量
は、乾燥硬化後の皮膜厚さとして20〜60μmとなる
量が好ましい。被覆層の膜厚が、20μmより薄くなる
と十分な皮膜強度が得られにくく、60μmより厚くな
ると透湿性が低下しやすい。
【0022】本発明で用いる繊維質基体としては、高透
湿防水性素材の用途、すなわち、衣料用の透湿防水シー
トあるいは防水性皮革様シート等の用途に応じて、従来
公知の、ポリアミド、ポリエステル、ビニロン、ポリア
クリロニトリルなどの合成繊維、レーヨン、キュプラ、
アセテートなどの人造繊維、または絹、綿、羊毛、麻な
どの天然繊維から得られる編布、織布、不織布やこれら
にポリウレタンを主体とする弾性重合体を含有させた基
布などのいずれをも使用することができる。
湿防水性素材の用途、すなわち、衣料用の透湿防水シー
トあるいは防水性皮革様シート等の用途に応じて、従来
公知の、ポリアミド、ポリエステル、ビニロン、ポリア
クリロニトリルなどの合成繊維、レーヨン、キュプラ、
アセテートなどの人造繊維、または絹、綿、羊毛、麻な
どの天然繊維から得られる編布、織布、不織布やこれら
にポリウレタンを主体とする弾性重合体を含有させた基
布などのいずれをも使用することができる。
【0023】なかでも3次元絡合した平均単繊度0.1
デニール以下の極細繊維束からなる不織布が好適に用い
られる。特に、防水性皮革様シートとする場合、該絡合
不織布にポリウレタンを主体とする弾性重合体が含浸さ
れ、極細繊維束とポリウレタンを主体とする弾性重合体
の重量比が70/30〜97/3であり、かつ見かけ密度
が0.4〜0.8g/cm3である繊維湿シートがさら
に好適である。該繊維質シートには被覆層を形成する表
面にポリウレタンを主体とした弾性重合体の多孔質層が
積層されたものであってもよい。
デニール以下の極細繊維束からなる不織布が好適に用い
られる。特に、防水性皮革様シートとする場合、該絡合
不織布にポリウレタンを主体とする弾性重合体が含浸さ
れ、極細繊維束とポリウレタンを主体とする弾性重合体
の重量比が70/30〜97/3であり、かつ見かけ密度
が0.4〜0.8g/cm3である繊維湿シートがさら
に好適である。該繊維質シートには被覆層を形成する表
面にポリウレタンを主体とした弾性重合体の多孔質層が
積層されたものであってもよい。
【0024】
【実施例】以下実施例をもって本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。なお、実施例中、部および%は特に断り
のない限り重量に関するものである。
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。なお、実施例中、部および%は特に断り
のない限り重量に関するものである。
【0025】実施例1、比較例1〜2 繊維質基体として、ポリエチレンテレフタレートを分散
成分、ポリエチレンを分散媒成分とする極細繊維発生型
繊維の絡合不織布に、青系着色剤を添加したポリブチレ
ンアジペート系ポリウレタンの20%ジメチルホルムア
ミド(DMF)溶液を含浸し、40%DMF水溶液中で
凝固後ポリエチレンを溶剤により溶解除去して得た、極
細繊維束状繊維の絡合不織布中にポリウレタンが多孔質
状態で含有された皮革様シート用基布を準備した。被覆
用の組成液1として、下記の配合のものを準備し、シボ
模様を有する離型紙上に70g/m2塗布し、100℃で
2分間乾燥した後さらに同組成液を70g/m2塗布して
上記繊維質基体に接着し、100℃で3分間乾燥させた
後、60℃で48時間キュアリングした後離型紙を剥離
して皮革様シートを得た。
成分、ポリエチレンを分散媒成分とする極細繊維発生型
繊維の絡合不織布に、青系着色剤を添加したポリブチレ
ンアジペート系ポリウレタンの20%ジメチルホルムア
ミド(DMF)溶液を含浸し、40%DMF水溶液中で
凝固後ポリエチレンを溶剤により溶解除去して得た、極
細繊維束状繊維の絡合不織布中にポリウレタンが多孔質
状態で含有された皮革様シート用基布を準備した。被覆
用の組成液1として、下記の配合のものを準備し、シボ
模様を有する離型紙上に70g/m2塗布し、100℃で
2分間乾燥した後さらに同組成液を70g/m2塗布して
上記繊維質基体に接着し、100℃で3分間乾燥させた
後、60℃で48時間キュアリングした後離型紙を剥離
して皮革様シートを得た。
【0026】得られた皮革様シートは、透湿度が200
0g/m2/24hrで、表面強度、面感、色の深み共に良好
であった。また、該皮革様シートで紳士靴を作製する
と、表面強度が良好で、透湿性に優れ履き心地のよいも
のであった。
0g/m2/24hrで、表面強度、面感、色の深み共に良好
であった。また、該皮革様シートで紳士靴を作製する
と、表面強度が良好で、透湿性に優れ履き心地のよいも
のであった。
【0027】 組成液1の配合組成(実施例1) ポリブチレンアジペート系ポリウレタン(30%溶液) 100部 シリコーンオイルBX16−895(東レダウ社製) 23部 アダクトポリイソシアナート(固形分75%)* 10.8部 ジブチルチンラウレート(2%トルエン溶液) 3部 アセチルアセトン 2部 酸化チタン系白色顔料分散液(大日精化製) 15部 溶剤 メチルエチルケトン 25部 ジメチルホルムアミド 25部 *トリメチロールプロパンにヘキサメチレンジイソシア
ナート3当量を反応させたもの。
ナート3当量を反応させたもの。
【0028】比較のために、組成液1の配合組成からそ
れぞれアセチルアセトン(比較例1)あるいはジブチル
チンラウレート(比較例2)を除いたものを用いて実施
例1と同様にして皮革様シートを得た。比較例1のもの
は、組成液の粘度上昇が激しいため、離型シートへ該組
成液を塗布している間にも刻々と粘度が上昇していき、
作業性が悪く、均一な被覆層の形成はできなかった。ま
た、比較例2のものは、塗布作業にはなんら問題はなか
ったが、60℃48時間のキュアリング後もウレタン化
反応が十分進んでおらず、表面強度が弱く、シボ模様も
不鮮明であった。
れぞれアセチルアセトン(比較例1)あるいはジブチル
チンラウレート(比較例2)を除いたものを用いて実施
例1と同様にして皮革様シートを得た。比較例1のもの
は、組成液の粘度上昇が激しいため、離型シートへ該組
成液を塗布している間にも刻々と粘度が上昇していき、
作業性が悪く、均一な被覆層の形成はできなかった。ま
た、比較例2のものは、塗布作業にはなんら問題はなか
ったが、60℃48時間のキュアリング後もウレタン化
反応が十分進んでおらず、表面強度が弱く、シボ模様も
不鮮明であった。
【0029】実施例2 ポリ−2−メチル−1,8−オクタンアジペート、ポリ
テトラメチレングリコールをポリオール成分とするトリ
レンジイソシアナート系ポリウレタン(固形分30
%):100部、シリコーンオイルBX16−895:
36部、ヘキサメチレンジイソシアナート(75%溶
液):10.8部、鉄アセチルアセテート(2%トルエ
ン溶液):3部、アセチルアセトン:2部、メチルエチ
ルケトン:25部、ジメチルホルムアミド:25部、着
色剤としてカーボンブラックの分散液7部、からなる組
成液を、離型紙に70g/m2塗布し、100℃で2分間
乾燥した後さらに同組成液を50g/m2塗布してポリエ
ステルのツーウェイトリコットの表面に接着し、100
℃で3分間乾燥させた後、60℃で48時間キュアリン
グした後離型紙を剥離して防水シートを得た。得られた
防水シートは風合いが柔軟で、透湿性が3000g/m2
/24hrあり、ウインドブレーカーに縫製したところ防水
性、透湿性共に良好で着用感の優れたものであった。
テトラメチレングリコールをポリオール成分とするトリ
レンジイソシアナート系ポリウレタン(固形分30
%):100部、シリコーンオイルBX16−895:
36部、ヘキサメチレンジイソシアナート(75%溶
液):10.8部、鉄アセチルアセテート(2%トルエ
ン溶液):3部、アセチルアセトン:2部、メチルエチ
ルケトン:25部、ジメチルホルムアミド:25部、着
色剤としてカーボンブラックの分散液7部、からなる組
成液を、離型紙に70g/m2塗布し、100℃で2分間
乾燥した後さらに同組成液を50g/m2塗布してポリエ
ステルのツーウェイトリコットの表面に接着し、100
℃で3分間乾燥させた後、60℃で48時間キュアリン
グした後離型紙を剥離して防水シートを得た。得られた
防水シートは風合いが柔軟で、透湿性が3000g/m2
/24hrあり、ウインドブレーカーに縫製したところ防水
性、透湿性共に良好で着用感の優れたものであった。
【0030】
【発明の効果】本発明の高透湿防水性素材は、表面の被
覆層として、シロキサン結合による分岐を有する水酸基
含有シリコーンオイルで変性されたポリウレタンの無孔
質層を有するため、直鎖型のシリコーンオイル変性ポリ
ウレタンでは得られない高い透湿性を有すると共に、防
水性、耐汚染性、耐摩耗性、表面活性に優れかつ表面強
度に優れ、さらに、表面の手にふれた感触が天然皮革の
ようなヌメリ感のないサラッとした質感を有し、天然皮
革に類似した見た目の重厚感と色の深みのある高透湿防
水性素材である。該シリコーンオイル、ポリウレタンと
組み合わせる有機ポリイソシアナートとして、反応性の
低い脂肪族あるいは脂環族ポリイソシアナートを用いる
と共に、スズ系あるいは鉄系の触媒と該触媒活性を一時
的に停止させるアセチルアセトンを併用することによ
り、塗布用の組成液の粘度上昇やゲル化が少なく、安定
に塗布作業を行うことができ、しかも溶剤蒸発後は触媒
の作用によりウレタン化反応が容易に進行するため、工
業的に安定に製造することができる。
覆層として、シロキサン結合による分岐を有する水酸基
含有シリコーンオイルで変性されたポリウレタンの無孔
質層を有するため、直鎖型のシリコーンオイル変性ポリ
ウレタンでは得られない高い透湿性を有すると共に、防
水性、耐汚染性、耐摩耗性、表面活性に優れかつ表面強
度に優れ、さらに、表面の手にふれた感触が天然皮革の
ようなヌメリ感のないサラッとした質感を有し、天然皮
革に類似した見た目の重厚感と色の深みのある高透湿防
水性素材である。該シリコーンオイル、ポリウレタンと
組み合わせる有機ポリイソシアナートとして、反応性の
低い脂肪族あるいは脂環族ポリイソシアナートを用いる
と共に、スズ系あるいは鉄系の触媒と該触媒活性を一時
的に停止させるアセチルアセトンを併用することによ
り、塗布用の組成液の粘度上昇やゲル化が少なく、安定
に塗布作業を行うことができ、しかも溶剤蒸発後は触媒
の作用によりウレタン化反応が容易に進行するため、工
業的に安定に製造することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 繊維質基体の一面に、ポリウレタン、シ
ロキサン結合による分岐を有する水酸基含有シリコーン
オイルおよび脂肪族あるいは脂環族ポリイソシアナート
をスズ系あるいは鉄系の触媒を用いて反応させて得たポ
リウレタン弾性重合体を主体とした重合体の被覆層を有
する高透湿防水性素材。 - 【請求項2】 繊維質基体の一面に、ポリウレタン、シ
ロキサン結合による分岐を有する水酸基含有シリコーン
オイル、脂肪族あるいは脂環族ポリイソシアナート、ス
ズ系あるいは鉄系の触媒、アセチルアセトンおよび有機
溶剤からなる組成物を塗布し、ウレタン化反応させて重
合体の被覆層を形成する高透湿防水性素材の製造法。 - 【請求項3】 離型性シート表面に、ポリウレタン、シ
ロキサン結合による分岐を有する水酸基含有シリコーン
オイル、脂肪族あるいは脂環族ポリイソシアナート、ス
ズ系あるいは鉄系の触媒、アセチルアセトンおよび有機
溶剤からなる組成物を塗布し、繊維質基体の一面に積層
し、ウレタン化反応させてポリウレタン重合体の被覆層
を形成する高透湿防水性素材の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02526093A JP3301643B2 (ja) | 1993-02-15 | 1993-02-15 | 高透湿防水性素材およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02526093A JP3301643B2 (ja) | 1993-02-15 | 1993-02-15 | 高透湿防水性素材およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06240581A true JPH06240581A (ja) | 1994-08-30 |
JP3301643B2 JP3301643B2 (ja) | 2002-07-15 |
Family
ID=12161057
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02526093A Expired - Fee Related JP3301643B2 (ja) | 1993-02-15 | 1993-02-15 | 高透湿防水性素材およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3301643B2 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08311402A (ja) * | 1995-03-01 | 1996-11-26 | Seiko Epson Corp | コーティング用組成物および積層体 |
JP2003119675A (ja) * | 2001-10-16 | 2003-04-23 | Kobayashi Boukafuku Kk | 防火服生地 |
KR100509689B1 (ko) * | 1998-11-26 | 2006-02-28 | 주식회사 새 한 | 내 드라이크리닝성이 우수한 코팅 포지의 제조방법 |
CN102261173A (zh) * | 2011-04-02 | 2011-11-30 | 孙宣华 | 一种高级植绒墙衣及其施工方法 |
CN103397523A (zh) * | 2013-08-20 | 2013-11-20 | 吴江市帛乔纺织有限公司 | 一种镂空免水洗布料 |
CN105482054A (zh) * | 2015-12-21 | 2016-04-13 | 上海鸿得聚氨酯有限公司 | 一种改性聚氨酯树脂及其制备方法 |
CN106521968A (zh) * | 2016-12-14 | 2017-03-22 | 苏州陈恒织造有限公司 | 一种织物柔软剂及其制备方法 |
CN107698729A (zh) * | 2017-10-25 | 2018-02-16 | 合肥安利聚氨酯新材料有限公司 | 一种中软质聚氨酯面层树脂及其制备方法 |
-
1993
- 1993-02-15 JP JP02526093A patent/JP3301643B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08311402A (ja) * | 1995-03-01 | 1996-11-26 | Seiko Epson Corp | コーティング用組成物および積層体 |
KR100509689B1 (ko) * | 1998-11-26 | 2006-02-28 | 주식회사 새 한 | 내 드라이크리닝성이 우수한 코팅 포지의 제조방법 |
JP2003119675A (ja) * | 2001-10-16 | 2003-04-23 | Kobayashi Boukafuku Kk | 防火服生地 |
CN102261173A (zh) * | 2011-04-02 | 2011-11-30 | 孙宣华 | 一种高级植绒墙衣及其施工方法 |
CN103397523A (zh) * | 2013-08-20 | 2013-11-20 | 吴江市帛乔纺织有限公司 | 一种镂空免水洗布料 |
CN105482054A (zh) * | 2015-12-21 | 2016-04-13 | 上海鸿得聚氨酯有限公司 | 一种改性聚氨酯树脂及其制备方法 |
CN106521968A (zh) * | 2016-12-14 | 2017-03-22 | 苏州陈恒织造有限公司 | 一种织物柔软剂及其制备方法 |
CN107698729A (zh) * | 2017-10-25 | 2018-02-16 | 合肥安利聚氨酯新材料有限公司 | 一种中软质聚氨酯面层树脂及其制备方法 |
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---|---|
JP3301643B2 (ja) | 2002-07-15 |
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