JPH06240043A - 多孔性樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

多孔性樹脂成形体の製造方法

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JPH06240043A JP5276948A JP27694893A JPH06240043A JP H06240043 A JPH06240043 A JP H06240043A JP 5276948 A JP5276948 A JP 5276948A JP 27694893 A JP27694893 A JP 27694893A JP H06240043 A JPH06240043 A JP H06240043A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性に優れ、バッテリー・セパレーター、
精密濾過膜等として用いて好適な多孔性の樹脂フィルム
(シート)を提供する。 【構成】 可塑剤を添加した超高分子量ポリエチレンを
フィルムまたはシート状に溶融押出成形しつつ溶融変形
を与え、冷却後可塑剤を抽出除去するもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バッテリー・セパレー
ター、精密濾過膜などの分離膜、透気性ジャンパーなど
の衣料品、オムツ、生理用品などの衛生用品等として有
用な多孔性樹脂成形体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多孔性フィルム或いはシートは、従来よ
り各種用途に広く使用されている。かかる多孔性樹脂成
形体の製造方法も種々提案されている。例えば、バッテ
リー・セパレーターとして使用するための多孔性樹脂成
形体は、一般に、超高分子量ポリエチレンおよび可塑剤
を含有する樹脂組成物から、一旦、フィルムまたはシー
トを溶融押出成形して製造し、次いで、フィルムまたは
シートに含まれる可塑剤をイソプロパノール、エタノー
ル、ヘキサンなどの有機溶媒で溶解除去した後、機械的
強度向上のためロール延伸機、テンター横延伸機などの
延伸機で延伸、即ち、固相変形することによって製造さ
れていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな固相変形によって得られるフィルムまたはシート
は、超高分子量ポリエチレンのポリエチレン分子鎖の絡
み合いが多くその残留応力が高いため、バッテリーに組
込まれたような固定された状態で一定以上の温度がかか
ると破膜するという問題があり、その解決が望まれてい
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
残留応力の小さい多孔性樹脂成形体を得るべく、溶融変
形後の配向緩和が起こりにくいという超高分子量ポリエ
チレンの特性に着目し、鋭意検討した結果、溶融押出成
形して得られるフィルムまたはシートに、それを溶融状
態に保持したままで、変形応力を加えて溶融変形(成
形)することにより、残留応力が小さく、耐熱破膜性に
優れた多孔性樹脂成形体を得ることができること、特
に、特定の条件下に溶融変形することにより、面強度の
向上した多孔性樹脂成形体を得ることができること、更
には、溶融変形し、冷却して得られるフィルムまたはシ
ートを従来のようにさらに延伸処理しなくとも、工業的
に有利に多孔性樹脂成形体を製造できることを知得し、
本発明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明の要旨は、超高分子量ポリエ
チレンおよび可塑剤を含有する樹脂組成物をフィルムま
たはシート状に溶融押出成形して得られるフィルムまた
はシートに変形応力を加えることにより溶融変形し、冷
却した後、フィルムまたはシートに含まれる可塑剤を除
去することを特徴とする多孔性樹脂成形体の製造方法に
存する。
【0006】以下本発明を更に詳細に説明する。本発明
の樹脂組成物は、少なくとも超高分子量ポリエチレンと
可塑剤を含有する。本発明で使用する超高分子量ポリエ
チレンとしては、粘度平均分子量(以下単に「分子量」
という。)が50万以上の直鎖状のポリエチレンが挙げ
られる。バッテリー・セパレーターとして使用する場
合、分子量が50万以下であるとバッテリーに組込まれ
たセパレーターが、バッテリー内の自己発熱、或いは、
外部からの熱により、例えば、180℃に加熱されたと
きに、セパレーターの形状を保持しにくくなる。また、
分子量が例えば400万以上とあまり大きすぎると、流
動性が低すぎて加熱されたときにセパレーターの孔が閉
塞せず、短絡してバッテリーが発火することになるの
で、分子量が50万〜400万、好ましくは、150万
〜250万のものを使用するのがよい。
【0007】また、本発明においては、溶融変形のし易
さから、超高分子量ポリエチレンとして溶融温度が11
0〜140℃のエチレンホモポリマーを好適に使用する
ことができる。可塑剤としては、超高分子量ポリエチレ
ンとの相溶性がよく、溶融混練や成形時に蒸発しないよ
うな、例えば、超高分子量ポリエチレンの溶融温度より
高い沸点を有するものであれば公知の種々のものが使用
できる。具体的には、例えば、常温で固体であるパラフ
ィンワックス、或いは、ステアリルアルコール、セリル
アルコールなどの高級脂肪族アルコール、常温で液体の
n−デカン、n−ドデカン等のn−アルカン、流動パラ
フィン、灯油などを挙げることができる。
【0008】超高分子量ポリエチレンと可塑剤の使用割
合は、通常、超高分子量ポリエチレンが5〜60重量
%、好ましくは、10〜50重量%で、可塑剤が40〜
95重量%、好ましくは、90〜50重量%の範囲から
選ばれる。本発明の樹脂組成物には、公知の各種添加
剤、例えば、酸化防止剤などを樹脂組成物中、0.01
〜5重量%程度併用してもよい。
【0009】上記樹脂組成物の各成分は、公知の一軸ま
たは二軸の押出機で均一に混練し、溶融押出成形する。
押出量、押出安定性、混練強度の点から二軸の押出機が
好適に使用される。溶融押出成形は、通常、140〜2
40℃の温度で行い、5〜50μ或いは50〜300μ
の厚さでフィルム状或いはシート状に押し出す。本発明
においては、かくして押し出されたフィルムまたはシー
トを溶融変形する。即ち、分子量が極めて大きいので、
変形に対して分子鎖の配向緩和が起こり難く、変形方向
に配向し易いという超高分子量ポリエチレンの特性を利
用して溶融変形することにより、最終的に得られる多孔
性樹脂成形体の機械的強度の向上を図る。
【0010】溶融変形は、押し出されたフィルムまたは
シートを構成する樹脂組成物を溶融状態に保持したまま
で変形応力を加えることによって行われる。通常、該樹
脂組成物の温度を約130〜240℃、好ましくは、1
60〜200℃の範囲となるように保持した状態で変形
応力を加える。その際、変形は一方向だけではなく、多
方向に変形を加えることもできる。特にバッテリー・セ
パレーター用として使用する場合は、一方向のみの変形
であると、フィルムまたはシート中の細孔がその変形方
向に伸ばされた形状となり、若干流路が狭くなり、通気
性が低下し、セパレーターのイオン抵抗率が増大する傾
向となるので、細孔を広げるように多方向にバランスよ
く変形を加えるのが好ましい。
【0011】具体的には、例えば、一方向に変形を加え
る場合は、Tダイまたはインフレーション成形法、好ま
しくは、インフレーション成形法において、ダイのギャ
ップを大きくして、引取り速度を上げて引っ張る、即
ち、ドラフト率を上げていくことにより、MD(機械)
方向に変形を加える。また、多方向に変形を加える場合
は、インフレーション成形法において、ドラフト率およ
びブロー比を上げていくことにより、MDおよびTD
(幅)方向に溶融変形を加える。更に、Tダイ成形法に
よる多方向の変形の場合は、ピンテンターで溶融状態の
フィルムまたはシートの幅方向の端部をキャタピラに固
定し、2つのキャタピラの幅を流れ方向に従って広げて
いくことによりTD方向に変形し、同時に引取り速度を
上げることによりMD方向にも変形を加えることによっ
て行う。
【0012】溶融変形の程度は、本発明の効果を損なわ
ない範囲であれば特に制限はないが、下記式で表される
溶融変形率で、通常、5〜1000、好ましくは10〜
1000、更に好ましくは、30〜800、特に好まし
くは、50〜400の範囲となるように変形応力を加え
るのが好ましい。例えば、縦と横に変形応力を加える場
合は、変形率の縦横比がDR/BUR≦50、好ましく
は、≦20、特に好ましくは、≦10となるように行う
とよい。
【0013】
【数2】溶融変形率=(D×ρ1 )/(t×ρ2 ) D:ダイギャップ(mm) ρ1 :樹脂組成物の溶融密度(g/cm3 ) t:成形フィルムまたはシートの膜厚(mm) ρ2 :成形フィルムまたはシートの固体密度(g/cm
3
【0014】インフレーション成形法において、ダイギ
ャップが0.5mmの環状ダイを使用して溶融変形して
ポリエチレンフィルムを製造することが知られている
(特開昭62−223245)。従来、10〜100μ
mの厚さのフィルムまたはシートを成形する場合、ダイ
ギャップは通常1mm以下で、最大でも1.5mm以下
で行われている。しかしながら、従来のダイギャップの
範囲で成形して得られるフィルムまたはシートは、強
度、特にピン刺強度が必ずしも十分とはいえない。良好
な強度を有するバッテリーセパレーターを得るために
は、後述の冷却速度と共にダイギャップの範囲が重要で
ある。本発明においては、ダイギャップは好ましくは2
〜20mm、特に好ましくは、3〜10mmの範囲で行
うようにするのがよい。
【0015】かくして溶融変形したフィルムまたはシー
トを冷却した後、該フィルムまたはシートに含まれる可
塑剤を除去することにより、フィルムまたはシートを多
孔化する。その際、冷却は下記式で定義される冷却固化
時間が50秒以下、好ましくは、20秒以下となるよう
に行うのがよい。あまり冷却固化時間が長いと相分離が
進み、孔径が大きくなると共に強度が低下する。 冷却固化時間の定義
【0016】
【数3】 τ…冷却固化時間(秒) L…リップ出口から冷却固化のラインまでの距離(c
m) (インフレーションでは、フロストライン高さに相当す
る。Tダイではエアーギャップに相当する。) V0 …リップ出口での樹脂の移動速度(cm/秒) V1 …冷却固化ラインでの樹脂の移動速度(cm/秒)
【0017】可塑剤の除去方法としては、例えば、フィ
ルムまたはシート中の可塑剤をイソプロパノール、エタ
ノール、ヘキサンなどの有機溶媒で溶解し、溶媒置換に
より抽出除去する、所謂、公知の有機溶媒法によって行
うことができる。上記のようにして可塑剤を除去し多孔
化したフィルムまたはシートは、その用途により次い
で、機械的強度向上のために一軸または二軸延伸する
か、或いは、100〜180℃程度で熱固定を行っても
よい。本発明においては、特に延伸処理を行わなくとも
良好な機械強度を有する多孔化フィルムまたはシートを
得ることができるので工業的にも有利であるが、特に、
該フィルムまたはシートをバッテリー用セパレーターと
して用いる場合は、かかる延伸処理により高温膜形状維
持能力が低下する傾向にあるので、その場合は延伸処理
を施していないフィルムまたはシートを使用するのが良
い。
【0018】本発明によれば、通常、10μ以上の膜厚
の多孔性樹脂成形体を得ることができる。多孔性樹脂成
形体の物性は使用する用途によって異なるが、例えば、
バッテリー・セパレーターとして使用する場合は、平均
孔径が1μ以下、好ましくは、0.01〜1μで、空孔
率が25〜80%、好ましくは、30〜60%の範囲の
ものが好ましい。
【0019】また、本発明によれば、得られる多孔性樹
脂成形体は機械的強度、特に、ピン刺強度および耐熱破
膜性が良好である。ピン刺強度は日本農林規格告示10
19号に準じて測定(ピン刺速度300mm/min)
した値で100g/25μ膜厚以上、好ましくは、15
0〜300g/25μ膜厚のものが得られる。また、耐
熱破膜性は、該フィルムまたはシートの高温域での熱に
よって生じる収縮応力による破れ易さの指標で、バッテ
リー用セパレーターとして使用する場合は高温になって
も膜形状を維持し、電極を隔てておく必要があるため重
要な特性となる。
【0020】その試験方法は、3cmの穴の開いた2枚
の板でフィルムを挟み、クリップなどの止め具で四方固
定し、高温雰囲気下に置いて130℃から5分毎に5℃
づつ温度を上げて行き、膜が形状を維持できなくなる温
度を測定する。本発明においては、耐熱破膜性が通常1
80℃以上、好ましくは、200℃以上のものが得られ
る。
【0021】
【実施例】以下に実施例を挙げてさらに本発明を具体的
に説明する。
【0022】実施例1 融点135℃で、分子量(粘度平均)2×106 の超高
分子量ポリエチレン粉末20重量部とセリルアルコール
80重量部をφ40mm押出機に供給して230℃で混
練しながら連続的に幅400mm、ダイギャップ2mm
のTダイより押し出し、引張り速度2.5m/minで
引取ることによりMD方向に溶融変形を加え、膜厚0.
05mmのシートを得た。その際、ダイ温度は170
℃、ダイギャップでの線速度は7.1cm/min、ド
ラフト率(Dr)は35.1、エアーギャップ10c
m、冷却固化時間8.8秒であった。本実施例で使用し
た樹脂組成物の溶融密度は0.76g/cm3 で、押し
出されたシートの固体密度は0.867g/cm3 であ
ったので、かかる溶融変形において加えられた溶融変形
率は35.1であった。得られたシートを80℃のイソ
プロピルアルコール中に浸漬し、セリルアルコールをシ
ート中から抽出除去し、次いで、表面温度125℃の加
熱ピンチロールにて30秒間熱処理して、27μの膜厚
の多孔性樹脂成形体を得た。この成形体の物性を表1に
示した。
【0023】実施例2 実施例1において、幅500mm、ダイギャップ6.2
mmのTダイを使用し、ダイギャップでの線速度2.3
cm/min、引取り速度2.3m/min(Dr9
8.8)の条件下で引取ることにより、膜厚0.055
mmのシートを作成した。かかる溶融変形において加え
られた溶融変形率は約98.8、エアーギャップ10c
m、冷却固化時間12.2秒であった。次いで、このシ
ートを実施例1と同様にしてセリルアルコールを除去
後、熱処理して、28μの膜厚の多孔性樹脂成形体を得
た。この成形体の物性を表1に示した。
【0024】実施例3 融点138℃で、分子量(粘度平均)3×106 の超高
分子量ポリエチレン粉末30重量部とステアリルアルコ
ール70重量部をφ50mm押出機に供給して200℃
で混練しながら連続的にダイ直径50mm、ダイギャッ
プ4.5mmのインフレダイより押し出し、引取り速度
10m/min(ダイ温度180℃、ダイギャップでの
線速度25.4cm/min、Dr39.3)で引取
り、ブロー比(BUR)2.4にて溶融変形を加え、膜
厚0.043mmのシートを得た。本実施例で使用した
樹脂組成物の溶融密度は0.79g/cm3 で、押し出
されたシートの固体密度は0.876g/cm3 であっ
たので、かかる溶融変形において加えられた溶融変形率
は約94.4、フロストライン高さ30cm、冷却固化
時間6.8秒であった。このシートを60℃のイソプロ
ピルアルコール中に浸漬して、ステアリルアルコールを
抽出し、ついで実施例1と同様にして熱処理して膜厚2
4μの多孔性樹脂成形体を得た。この成形体の物性を表
1に示した。
【0025】実施例4 実施例3において、ダイ直径40mm、ダイギャップ
0.28mmのインフレダイよりダイ温度170℃、フ
ロストライン高さ27cm、Dr1.0、BUR5.5
にて溶融変形(溶融変形率約5.5)を加え、次いで実
施例3と同様に可塑剤除去、熱処理して膜厚28μの多
孔性樹脂成形体を得た。この成形体の物性を表1に示し
た。
【0026】実施例5 実施例1において、エアーギャップ12cmとするほか
は同様にして、膜厚60μの多孔性樹脂成形体を得た。
この成形体の物性を表1に示した。
【0027】実施例6 融点135℃で、分子量(粘度平均)2×106 の超高
分子量ポリエチレン粉末30重量部とセリルアルコール
70重量部をφ90mm押出機に供給して230℃で混
練しながら押出量12kg/hrで連続的に幅500m
m、ダイギャップ3.5mmのTダイよりダイギャップ
線速0.2cm/秒で押し出し、樹脂組成物の温度を加
熱ロールおよび赤外線ヒーターで170℃に保持し、ピ
ンテンターでDr35で引取りながら、シート幅を12
50mmまで広げて溶融変形(溶融変形率87.5)し
た後、冷却固化時間を8秒とし、膜厚40μのシートを
得た。このシートを実施例1と同様にしてセリルアルコ
ールを除去し、熱固定して膜厚20μの多孔性樹脂成形
体を得た。この成形体の物性を表1に示した。
【0028】比較例1 融点135℃で、分子量(粘度平均)2×106 の超高
分子量ポリエチレン粉末30重量部とセリルアルコール
70重量部をφ40mm押出機に供給して230℃で混
練しながら押出量4kg/hrで連続的に幅500m
m、ダイギャップ0.1mmのTダイよりダイ温度17
0℃、ダイギャップ線速2.6cm/秒にて押し出し、
Dr2.4、引取速度6.1cm/秒、エアーギャップ
12cm、冷却固化時間3.9秒で引取って膜厚0.0
37mmのシートを得た。このシートを実施例1と同様
にしてセリルアルコールを除去し、熱固定して膜厚28
μの多孔性樹脂成形体を得た。この成形体の物性を表1
に示した。
【0029】比較例2 比較例1において、ダイギャップ0.25mm、Dr
2.5とするほかは同様にしてシートを得た。ダイギャ
ップ線速は1.0cm/秒、引取速度2.6cm/秒、
エアギャップ12cm、冷却固化時間6.9秒。冷却
後、実施例1と同様にしてセリルアルコールを除去した
後、ロール延伸機で2.0倍に延伸(延伸温度125
℃)して、膜厚30μの多孔性樹脂成形体を得た。この
成形体の物性を表1に示した。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、延伸処理(固相変形)
を特に施さず、溶融状態で変形応力を加えるのみでも良
好な機械的強度を有するフィルムまたはシートを得るこ
とができる。また、ポリエチレンが溶融状態で、しか
も、可塑剤存在下の変形であるので、分子鎖の自由度が
大きく、変形時に生じる残留応力も小さいため、従来の
ように延伸処理を施して得たものと比較しても、高温域
での膜形状維持性が優れている。そのため、特に、バッ
テリー・セパレーターとして有利に使用することができ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 23:00 105:04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超高分子量ポリエチレンおよび可塑剤を
    含有する樹脂組成物をフィルムまたはシート状に溶融押
    出成形して得られるフィルムまたはシートに変形応力を
    加えて溶融変形し、冷却した後、フィルムまたはシート
    に含まれる可塑剤を除去することを特徴とする多孔性樹
    脂成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 樹脂組成物をダイギャップ2〜20mm
    のダイからフィルムまたはシート状に溶融押出成形する
    請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 冷却を冷却固化時間が50秒以下となる
    ように行う請求項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 溶融押出成形して得られるフィルムまた
    はシートに、下記式で表される溶融変形率が5〜100
    0となるように変形応力を加えることを特徴とする請求
    項1に記載の多孔性樹脂成形体の製造方法。 【数1】溶融変形率=(D×ρ1 )/(t×ρ2 ) D:ダイギャップ(mm) ρ1 :樹脂組成物の溶融密度(g/cm3 ) t:成形フィルムまたはシートの膜厚(mm) ρ2 :成形フィルムまたはシートの固体密度(g/cm
    3
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