JPH06239978A - ポリエステルポリオールおよびポリウレタン - Google Patents

ポリエステルポリオールおよびポリウレタン

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JPH06239978A
JPH06239978A JP5055165A JP5516593A JPH06239978A JP H06239978 A JPH06239978 A JP H06239978A JP 5055165 A JP5055165 A JP 5055165A JP 5516593 A JP5516593 A JP 5516593A JP H06239978 A JPH06239978 A JP H06239978A
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chemical
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和義 木村
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厚志 高橋
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誠二 井手
Masahiro Yokota
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】耐水性、耐熱性及び耐候性を有し、かつ極めて
優れた制振性能、接着強度を有する制振性塗料及び制振
性接着剤、これらに用いるポリエステルポリオールおよ
びこのポリエステルポリオールの製造方法を提供する。 【構成】 一般式[化1]で示される繰り返し単位を有
する数平均分子量1,000〜10,000のポリエス
テルポリオール。 (A1は[化2]の1種もしくは2種以上、および[化
3]の1種もしくは2種以上で示され、かつ[化2]お
よび[化3]合計中[化3]の比率が5〜95モル%で
あり、nは2〜8である。) (R1、R2は、独立に炭素数2〜6より選ばれるアルキ
ル基。) (R3〜R6は、独立に炭素数2〜6より選ばれるアルキ
ル基。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエステルポリオール
およびポリウレタンに関する。さらに詳しくは、耐水
性、耐熱性及び耐候性を有し、かつ極めて優れた制振性
能および接着性能を有する制振性塗料、制振性接着剤、
これらに用いるポリエステルポリオール、ポリウレタン
およびこのポリエステルポリオールの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車両、船底、自動車、機器、更に建築の
分野に於て、防音や制振の目的のため種々工夫がなされ
ており、その中で最も多く使用されているのが制振性塗
料及び制振性接着剤である。
【0003】即ち、上記機器類、建材等の構造部材の表
面に於ける振動や、これに伴う騒音を防止するために部
材を厚くしたり、装置を改良したり、部材の表面または
内部に制振材料を張り付けたりしている。
【0004】そして更には、制振材料の塗布や吹き付け
を行うことで、振動及び騒音を防止することが多い。
【0005】これまでに、制振性能を有する塗料及びこ
の製造法は数多く提供されており、例えばゴム、アスフ
ァルト、各種合成樹脂等、ポリマー自身が有する粘弾性
特性を利用したもの、及びこれらポリマーにマイカ、タ
ルク、炭酸カルシウム等の無機物を粉砕して混入させ、
機械的ヒステリシスや内部摩擦を大きくしたものなどが
ある。
【0006】一方、制振性能を有する接着剤及びこの製
造法も数多く提供されている。近年では振動減衰機能を
有する部材を中間層に配した制振鋼板が開発されてお
り、例えば、2枚の薄い鋼板の間に粘弾性物を挟んで得
られる鋼板は、それに加わる振動エネルギーを粘弾性物
質層のせん断変形により急激に熱エネルギーに変換し、
これによって振動を効果的に減衰する機能を有する。
【0007】即ち、上記の粘弾性物は2枚の薄い鋼板を
接着する制振性接着剤である。従来このような粘弾性物
としては、酢酸ビニル、塩化ビニル等の単量体や、酢酸
ビニル-エチレン共重合物、ビニルアセテート-エチレン
-アクリル酸共重合物、イソシアネートプレポリマーと
ビニルモノマーの共重合物等の共重合物、変性ポリエチ
レン、変性ポリプロピレン、エポキシ樹脂、ウレタン変
性エポキシ樹脂等が知られている。また特定したジオー
ル、ジカルボン酸を反応せしめて得られるポリエステル
ポリオールからなる制振性塗料が知られている。(特開
平3−35072号公報)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、残念ながらこ
れらは常温付近で使用されるように設計されているもの
が多く、その効果として常温で高い制振性を有していて
も、利用温度範囲を拡張すると、軟化、力学的特性の低
下等により、制振性能が低下する傾向にあった。
【0009】また水系の制振性塗料や接着剤は、作業環
境面で安全性は有利であるものの、耐水性、耐候性に限
界が認められ、従って利用範囲が制限されるという欠点
を有していた。
【0010】一般に塗料や接着剤のヤング率が大きいほ
ど薄膜で効果的に良い制振効果(高い損失係数)が得ら
れ、また一般に、良好な制振効果を示すときの損失係数
(η)の基準値は0.05〜0.1以上と言われている。
【0011】本発明者らは上述した現状に鑑み、制振性
能を更に改善するために鋭意研究を重ねた結果、意外に
もある特定のポリエステルポリオールを用いた制振性塗
料、制振性接着剤を使用した場合、耐水性、耐熱性及び
耐候性を有しながらも、かつ優れた制振性能、優れたピ
ール強度を有することを見いだし、本発明を完成するに
至った。
【0012】以上の記述から明らかなように、本発明の
目的は、耐水性、耐熱性及び耐候性に優れ、かつ極めて
優れた制振性能、接着性能を有する制振性塗料、制振性
接着剤、およびこれらに用いるポリエステルポリオール
を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】以下、本発明の構成に付
いて詳細を述べる。即ち、本発明は、一般式[化1]で
示される繰り返し単位を有する数平均分子量1,000
〜10,000のポリエステルポリオールであり、一般
式[化4]で示される繰り返し単位を有する数平均分子
量5,000〜100,000のポリウレタンであり、
上記のポリウレタンを用いた制振性塗料および制振性接
着剤であり、一般式[化9]で示される2,2-ジアルキ
ル-1,3-プロパンジオールの1種もしくは2種以上、
[化10]で示される3-ヒドロキシ-2,2-ジアルキル
プロピル-3′-ヒドロキシ-2′,2′-ジアルキルプロ
ピオネートの1種もしくは2種以上以上および[化1
1]で示されるジカルボン酸の1種もしくは2種を重縮
合せしめたポリエステルポリオールの製造方法である。
【0014】本発明のポリエステルポリオールに用いら
れるジオールは、[化9]で示される2,2-ジアルキル
-1,3-プロパンジオールの1種もしくは2種以上の混
合物及び[化10]で示される3-ヒドロキシ-2,2-ジ
アルキルプロピル-3′-ヒドロキシ-2′,2′-ジアル
キルプロピオネートの1種もしくは2種以上の混合物を
例示できる。
【0015】[化10]で示される3-ヒドロキシ-2,
2-ジアルキルプロピル-3′-ヒドロキシ-2′,2′-ジ
アルキルプロピオネートの1種もしくは2種以上の混合
物の含有量は、[化9]および[化10]合計中5〜9
5モル%であり、更に好ましくは10モル%以上であ
る。
【0016】また[化9]に示される2,2-ジアルキル
-1,3-プロパンジオールの単独もしくは2種以上の混
合物、および[化10]に示される3-ヒドロキシ-2,
2-ジアルキルプロピル-3′-ヒドロキシ-2′,2′-ジ
アルキルプロピオネートの1種もしくは2種以上の混合
物以外のジオールを、本発明の目的を損なわない範囲で
添加することができる。
【0017】[化9]で示される2,2-ジアルキル-1,
3-プロパンジオールの単独もしくは2種以上の混合物
及び[化10]の1種もしくは2種以上で示される3-
ヒドロキシ-2,2-ジアルキルプロピル-3′-ヒドロキ
シ-2′,2′-ジアルキルプロピオネートの1種もしく
は2種以上の混合物のを用いることにより、得られる制
振性塗料及び制振性接着剤の耐水性、耐候性、制振性能
が良好である。
【0018】また[化10]で示される3-ヒドロキシ-
2,2-ジアルキルプロピル-3′-ヒドロキシ-2′,2′
-ジアルキルプロピオネートの比率が、[化9]および
[化10]合計中5〜95モル%でであると、上記同
様、得られる制振性塗料及び制振性接着剤の耐水性、耐
候性が良好のみならず、制振性能が著しく良好である。
【0019】本発明で用いられる[化9]で表される
2,2-ジアルキル-1,3-プロパンジオールの具体例と
して2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール(以下D
MPと略す)、2-エチル-2-プロピル-1,3-プロパン
ジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオー
ル(以下DMHと略す)、2-エチル-2-ペンチル-1,
3-プロパンジオール、2-エチル-2-ヘキシル-1,3-
プロパンジオール、2-ペンチル-2-プロピル-1,3-プ
ロパンジオール(以下DMNと略す)、2-ブチル-2-
ヘキシル-1,3-プロパンジオール(以下DMUと略
す)を挙げることが出来る。
【0020】また、本発明で用いられる[化10]で表
される3-ヒドロキシ-2,2-ジアルキルプロピル-3′-
ヒドロキシ-2′,2′-ジアルキルプロピオネートの具
体例として3-ヒドロキシ-2,2-ジエチルプロピル-
3′-ヒドロキシ-2′,2′-ジエチルプロピオネート、
3-ヒドロキシ-2-ブチル-2-エチルプロピル-3′-ヒ
ドロキシ-2′-ブチル-2′-エチルプロピオネート、3
-ヒドロキシ-2-ペンチル-2-プロピルプロピル-3′-
ヒドロキシ-2′-ペンチル-2′-プロピルプロピオネー
ト、3-ヒドロキシ-2-ブチル-2-ヘキシルプロピル-
3′-ヒドロキシ-2′-ブチル-2′-ヘキシルプロピオ
ネートを挙げることが出来る。
【0021】ここで[化9]及び[化10]で示される
構造式中のR7〜R12の炭素数が2〜6のアルキル基を
有するジオールを用いれば、樹脂が柔軟になり、かつ制
振性能も良好である。
【0022】またこの範囲の炭素数のアルキル基を有す
るジオールを用いれば、ジカルボン酸とのエステル化反
応が極めて速く、ポリエステルポリオールを得るには短
時間ですみ、工業的使用方法として有用である。
【0023】[化9][化10]で示されるジオール以
外のグリコールとしては、例えばエチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロ
ピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,4-
ブチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ヘキ
シレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリカプ
ロラクトンジオール、オクチルグリコール、3-ヒドロ
キシ-2,2-ジメチルプロピル-3′-ヒドロキシ-2′,
2′-ジメチルプロピオネート、1,4-シクロヘキサン
ジメタノール、ビスフェノールA、水添ビスフェノール
A等の脂肪族、脂環族、芳香族グリコールを挙げること
が出来、これらの1種もしくは2種以上を、本発明の目
的を損なわない範囲に於て、本発明で使用する事ができ
る。
【0024】また、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール等のポリオールも本発明の目
的を損なわない範囲に於て、使用する事ができる。
【0025】本発明で使用されるジカルボン酸は、[化
11]で表される飽和ジカルボン酸の1種もしくは2種
以上の混合物を好ましく用いることができるが、これら
の含有量は全ジカルボン酸中の少なくとも40モル%以
上が好ましく、更に好ましくは50モル%以上である。
【0026】該ジカルボン酸の含有量が40モル%以上
であると、得られる制振性塗料及び制振性接着剤の耐水
性、耐候性、制振性能が良好である。
【0027】また、[化11]で示される構造式中のm
数(繰り返し単位)が2以上のジカルボン酸を用いれ
ば、樹脂が柔軟になり、かつ制振性能も良好である。
【0028】逆に構造式中のm数(繰り返し単位)が8
以下のジカルボン酸を用いれば、ジオールとのエステル
化反応が極めて速く、工業的使用方法としては有用であ
る。
【0029】かかる本発明で用いられる該ジカルボン酸
の具体例として、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸を
挙げることが出来る。
【0030】該特定のジカルボン酸以外のジカルボン酸
としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルソ
フタル酸、無水フタル酸、ナフタル酸、ビフェニルジカ
ルボン酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸、5-メチルイソフタル酸を挙げるこ
とが出来、これらの1種もしくは2種以上を本発明で用
いられる該ジカルボン酸と混合して使用することができ
る。
【0031】本発明で得られるポリエステルポリオール
は、ジオールとジカルボン酸を公知方法によるエステル
化反応により得ることが出来る。
【0032】本発明のポリエステルポリオールの数平均
分子量は1,000〜10,000であり、より好まし
くは2,000〜8,000である。分子量1,000
未満では樹脂が硬く、脆くなり過ぎて耐引っかき性が低
下し、また10,000を越えると樹脂が柔軟過ぎて強
靱性が損なわれる。
【0033】一方、本発明のポリウレタンに用いるポリ
イソシアネートは、公知の如何なるものであっても使用
出来る。例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、4,4′-ジシクロヘキシル
メタンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネ
ート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4′-ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシア
ネートを挙げることができ、これらの1種もしくは2種
以上を使用することができる。
【0034】本発明の制振性塗料及び制振性接着剤は、
ポリエステルポリオールとポリイソシアネートを反応さ
せる事により得られるが、この時、必要に応じて鎖伸長
剤を用いることも出来る。
【0035】また、鎖伸長剤としては、ヒドラジン、エ
チレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン等のジア
ミン類を挙げることが出来、これらの1種もしくは2種
以上を使用することができる。
【0036】本発明では、ポリイソシアネート及びポリ
エステルポリオールをNCO/OH=1近辺でウレタン
化反応を行うことが好ましい。これにより高分子量のポ
リウレタンを得ることが出来、その結果、ポリウレタン
特有の耐加水分解性、耐熱性及び耐候性を保持しながら
も、なおかつ極めて優れた制振性能を有する樹脂を得る
ことが出来た。
【0037】本発明に係わる制振性塗料及び制振性接着
剤は、上記各成分を用いて合成されるが、この時、NC
Oインデックスは通常約0.9〜1.2、好ましくは0.
95〜1.10の範囲が良く、製造法は公知のワンショ
ット法、プレポリマー法のいずれでも良い。この時、必
要に応じて、(ウレタン化)触媒を用いても良い。
【0038】本発明の制振性塗料及び制振性接着剤は、
発明の目的を損なわない範囲で、塩化ビニル系樹脂、塩
化ビニリデン系樹脂、塩ビ/酢ビ共重合樹脂、塩ビ/酢
ビ/ビニルアルコール共重合樹脂、ニトロセルロース、
ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹
脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、などの樹脂を配合
することが出来る。また本発明に於いては、必要に応じ
て、帯電防止剤等の添加剤を加えても良い。
【0039】本発明の制振性塗料及び制振性接着剤は、
前記した通り、ポリエステルポリオールとポリイソシア
ネートを反応せしめて得られるが、この反応の際、溶媒
を使用するのが好ましく、該良溶媒としてアセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘ
キサノン等のケトン類や、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素類や、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル
類、メチルセロソルブアセテート、テトラヒドロフラン
等を挙げることが出来る。
【0040】かくして得られた制振性塗料及び制振性接
着剤を塗料または接着剤として用いる場合、部材(支持
体)への塗布方法は、各種の方法が採用できる。例え
ば、含浸コート、リバースロールコート、キャストコー
ト、スプレーコート等が利用できる。
【0041】優れた制振性能を有する理由は、必ずしも
明白ではないが、本発明の制振性塗料及び制振性接着剤
のジオール成分は上記した通り、2,2-ジアルキル-1,
3-プロパンジオールの単独もしくは2種以上の混合物
及び3-ヒドロキシ-2,2-ジアルキルプロピル-3′-ヒ
ドロキシ-2′,2′-ジアルキルプロピオネートの1種
もしくは2種以上の混合物から一部構成されており、こ
れらのジオールはいわゆる4級炭素を有しているため、
これが耐候性、耐熱性等の特徴ある性質に関与している
ものと推定出来る。
【0042】また、この4級炭素と結合しているR1〜
R6のアルキル基は、いわゆる側鎖となる独特な構造を
有しており、これらが優れた制振性能に関与しているも
のと思われる。
【0043】
【実施例】以下に本発明の実施例、比較例及び塗料、接
着剤としての試験例を挙げて詳しく説明するが、これら
の例によって本発明は何ら限定されるものではない。本
発明の制振性塗料及び制振性接着剤の物性測定は以下の
方法で行った。
【0044】耐水性 塗料試験片を流水中(室温)に10日間浸漬したとき、
浸漬前と比較して塗膜の状態に全く変化が認められなか
ったものを◎印、僅かではあるが変化が認められたもの
を○印、一部流出しているものを△印、ほとんど流出し
たものを×印で示した。
【0045】耐熱性 塗料試験片を200℃の温度下に垂直状態にして2時間
静置したとき、加熱前と比較して塗膜の状態に全く変化
が認められなかったものを◎印、僅かではあるが変化が
認められたものを○印、一部タレ等が認められたものを
△印、タレや膨れの著しいものを×印で示した。
【0046】耐候性 塗料試験片をサンシャインウェザロメーター中に700
時間保持し、ブランクと比較したとき、塗膜状態に全く
変化が認められなかったものを◎印、僅かではあるが変
化が認められたものを○印、一部流出が認められたもの
を△印、ほとんど流出したものを×印で示した。
【0047】損失係数(η) 接着剤サンドウィッチ鋼板試験片(短冊型)の二端を固
定して、試験片に500Hzの振動を与え、その共振曲
線から損失係数(η)を求めることで制振性能を評価し
た。
【0048】ピール強度 T型剥離試験(JIS K-6854)により引張試験機
50mm/分の速度で接着剤サンドウィッチ鋼板試験片
を剥離した時の剥離強度(kg/cm)を求めた。
【0049】実施例1 温度計、攪拌機、窒素導入管、コンデンサを備えた1リ
ットルのガラス製セパラブルフラスコにアジピン酸88
g(0.6モル)、イソフタル酸66g(0.4モル)、
DMH176g(1.10モル)、3-ヒドロキシ-2-ブ
チル-2-エチルプロピル-3′-ヒドロキシ-2′-ブチル
-2′-エチルプロピオネート57g(0.12モル)、
エステル化触媒として三酸化アンチモン0.15gを入
れ、窒素気流、常圧下、195〜220℃で6時間のエ
ステル化反応を行った。
【0050】反応中は生成水を留出させ、6時間の反応
により35.7gの生成水を留出させた。次いで同温度
にて反応系を真空ポンプにより減圧し、反応系内の過剰
ジオール22.9gを留出させ、数平均分子量200
0、ヒドロキシル価56(mgKOH/g)のポリエステルポリ
オール310gを得た。
【0051】続いて、反応液を室温まで冷却した後、シ
クロヘキサノン518g、4,4′-ジフェニルメタンジ
イソシアネート(以下MDIと略す)35gを添加し、
80℃で2時間反応させ、固形分40%、粘度9800
cps(25℃)、数平均分子量25000の樹脂溶液
を得た。ポリウレタンの生成を確認するため、反応経時
のポリウレタンのヒドロキシル価を測定し、その結果を
[表1]に示す。
【0052】実施例2 実施例1と同様のガラス製セパラブルフラスコにアゼラ
イン酸186g(1モル)、DMH80g(0.5モ
ル)及びDMP66g(0.5モル)、3-ヒドロキシ-
2,2-ジエチルプロピル-3′-ヒドロキシ-2′,2′-
ジエチルプロピオネート59g(0.24モル)、三酸
化アンチモン0.15gを入れ、200〜230℃のエ
ステル化反応温度及び過剰ジオールの留出量15.4g
以外は実施例1と同様の方法により、数平均分子量20
00のポリエステルポリオール340gを得た。
【0053】続いて、反応液を室温まで冷却し、シクロ
ヘキサノン543g、2,4-トリレンジイソシアネート
22gを添加し、以下実施例1と同様の方法により、固
形分40%、粘度10500cps(25℃)、数平均
分子量24000の樹脂溶液を得た。
【0054】比較例1 アジピン酸73g(0.5モル)、イソフタル酸83g
(0.5モル)、ネオペンチルグリコール79.8g
(0.77モル)、エチレングリコール29.1g(0.
47モル)、三酸化アンチモン0.15gを用い、実施
例2と同様の方法により、数平均分子量2000のポリ
エステルポリオール225gを得た。
【0055】続いて、シクロヘキサノン359g、MD
I14gを添加し、実施例2と同様の方法により、固形
分40%、数平均分子量21000の樹脂溶液を得た。
【0056】比較例2 比較例2としてスチレン-アクリル酸エステル共重合体
エマルジョンにポリアミドエポキシ樹脂及び及び増粘剤
を加え、更にマイカを徐々に添加し、混合することによ
り、樹脂が得られた。この組成はスチレン-アクリル酸
2-エチルヘキシル共重合体エマルジョン(共重合体組
成1:1)100重量部に対し、ポリアミドエポキシ樹
脂(スミレーツレジン-650)5重量部、マイカ(S
U-ZORITE MICA 60S 重量平均フレー
ク径 280μm)800重量部、増粘剤(ポリビニル
アルコール)10重量部、の固形分62重量%の樹脂溶
液を得た。
【0057】比較例3 比較例3として、実施例1と同様のガラス製セパラブル
フラスコにアゼライン酸188g(1.0モル)、DM
H80g(0.5モル)及びDMP98g(0.74モ
ル)、三酸化アンチモン0.15gを入れ、200〜2
30℃のエステル化反応温度及び過剰ジオールの留出量
15.4g以外は実施例1と同様の方法により、数平均
分子量2000のポリエステルポリオール315gを得
た。
【0058】続いて、反応液を室温まで冷却し、シクロ
ヘキサノン505g、2,4-トリレンジイソシアネート
22gを添加し、以下実施例1と同様の方法により固形
分40%、粘度10500cps(25℃にて)、数平
均分子量24000の樹脂溶液を得た。
【0059】試験例1 上記実施例1〜2及び比較例1〜3で得た樹脂溶液を各
々厚さ0.8mm、300mm×50mmの冷延鋼板上
にスプレーガンで塗布し、室温で丸一日間、塗装面を乾
燥した後、更に100℃の熱風乾燥器中で2時間の乾燥
を行った。完全乾燥時の塗膜厚さを0.4mmにした。
【0060】得られた塗料試験片の評価(耐水性、耐熱
性及び耐候性)を前記した方法により行った。評価結果
を「表2」に示す。
【0061】試験例2 上記実施例1〜2及び比較例1で得た樹脂溶液を各々厚
さ0.4mmの鋼板の表面に塗布した後、加熱すること
で溶剤を除去した。更に厚さ0.4mmの鋼板を重ねた
後、熱プレスに入れ、160℃、10kg/cm2の圧
力で60分間熱圧着することにより接着剤サンドウィッ
チ鋼板試験片を得た。
【0062】得られた接着剤サンドウィッチ鋼板試験片
の評価(損失係数及びピール強度)を前記した方法によ
り行った。評価結果を「表2」に示す。
【0063】
【発明の効果】以上の記述から明らかなように、本発明
のポリエステルポリオールは、特定のジオールとジカル
ボン酸を反応せしめたので、制振性塗料及び制振性接着
剤として有用である。また特定のジオールとジカルボン
酸を反応せしめてなるポリエステルポリオールとポリイ
ソシアネートを反応せしめて得られる本発明の制振性塗
料及び制振性接着剤は、これを塗膜にした場合に極めて
優れた耐水性、耐熱性及び耐候性を有するのみ成らず、
低温域から高温域に於て極めて優れた制振性能、接着強
度を有していた。
【0064】この為、車両、船底、自動車、機器、機
械、更に建築の分野に於て、防音や制振の目的に使用す
ることができる。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 175/06 JFB 8620−4J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式[化1]で示される繰り返し単位
    を有する数平均分子量1,000〜10,000のポリ
    エステルポリオール。 【化1】 (式中、A1は[化2]の1種もしくは2種以上、およ
    び[化3]の1種もしくは2種以上で示され、かつ[化
    2]および[化3]合計中[化3]の比率が5〜95モ
    ル%であり、nは2〜8である。) 【化2】 (式中、R1、R2は、独立に炭素数2〜6より選ばれる
    アルキル基を示す。) 【化3】 (式中、R3〜R6は、独立に炭素数2〜6より選ばれる
    アルキル基を示す。)
  2. 【請求項2】 一般式[化4]で示される繰り返し単位
    を有する数平均分子量5,000〜100,000のポ
    リウレタン。 【化4】 (式中、A1は上記[化2]の1種もしくは2種以上、
    および[化3]の1種もしくは2種以上で示され、かつ
    [化2]および[化3]合計中[化3]の比率が5〜9
    5モル%であり、pは2〜8を示し、A2は[化5]〜
    [化8]の群の中から選ばれる。) 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】
  3. 【請求項3】 請求項2のポリウレタンを用いた制振性
    塗料および制振性接着剤。
  4. 【請求項4】 一般式[化9]で示される2,2-ジアル
    キル-1,3-プロパンジオールの1種もしくは2種以
    上、[化10]で示される3-ヒドロキシ-2,2-ジアル
    キルプロピル-3′-ヒドロキシ-2′,2′-ジアルキル
    プロピオネートの1種もしくは2種以上以上および[化
    11]で示されるジカルボン酸の1種もしくは2種を重
    縮合せしめたポリエステルポリオールの製造方法。 【化9】 (式中、R7、R8は、独立に炭素数2〜6より選ばれる
    アルキル基を示す。) 【化10】 (式中、R9〜R12は、独立に炭素数2〜6より選ばれ
    るアルキル基を示す。) 【化11】HOOC―(CH2)m―COOH (式中、mは2〜8を示す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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