JPH06239807A - 炭酸エステルの製造法 - Google Patents

炭酸エステルの製造法

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JPH06239807A
JPH06239807A JP5109348A JP10934893A JPH06239807A JP H06239807 A JPH06239807 A JP H06239807A JP 5109348 A JP5109348 A JP 5109348A JP 10934893 A JP10934893 A JP 10934893A JP H06239807 A JPH06239807 A JP H06239807A
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reaction
catalyst
nitrite
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carbon monoxide
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JP5109348A
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English (en)
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Nobuaki Sanada
宣明 真田
Masato Murakami
村上  真人
Koji Abe
浩司 安部
Yoshifumi Yamamoto
祥史 山本
Toshio Kurato
敏雄 蔵藤
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C68/00Preparation of esters of carbonic or haloformic acids

Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、白金族金属又はその化合物と、ラ
ンタノイド系金属又はその化合物を担体に担持した固体
触媒の存在下、一酸化炭素と亜硝酸エステルを接触反応
させることを特徴とする炭酸エステルの製造法に関す
る。 【効果】 本発明の方法により、温和な反応条件下で一
酸化炭素と亜硝酸エステルを接触反応させて、高い反応
速度及び選択率で長期間安定して炭酸エステルを製造す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一酸化炭素と亜硝酸エ
ステルから炭酸エステルを製造する方法において、選択
性に優れた性能を示す新規な触媒を使用して、高い反応
速度及び選択率で長期間安定して炭酸エステルを製造す
る方法に関する。炭酸エステルは、医薬、農薬等の合成
原料として、また、ポリカ−ボネ−トやウレタン等の製
造中間体として非常に有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】炭酸エステルの製造法としては、ホスゲ
ンとアルコ−ルを反応させる方法が非常に古くから実施
されているが、ホスゲンは毒性が極めて強く、環境衛生
上、製造原料としては好ましい物質ではなかった。ま
た、この方法では塩酸が副生して装置材質に腐食を来す
ため、高価な材質を選択する必要があるなどの問題があ
り、工業上からもホスゲンを使用しない製造法の開発が
望まれていた。
【0003】このことからホスゲンを使用しない製造法
として、一酸化炭素とアルコ−ルから炭酸エステルを合
成する方法が各方面で研究され、提案されてきた(例え
ば、特開昭60−75447号公報、特開昭63−72
650号公報、特公昭63−38018号公報などを参
照)。これらは、触媒としてハロゲン化銅、ハロゲン化
パラジウム等を用い、一酸化炭素とアルコ−ルとの酸素
酸化反応により液相中で炭酸エステルを合成する方法で
あるが、二酸化炭素が副生するために一酸化炭素基準の
炭酸エステルの選択率が低く、また、水が生成すること
により炭酸エステルの精製も容易ではなかった。更に、
これらの方法は液相反応であるため、生成物と触媒を分
離する工程が必要であり、必ずしも工業的に有利な方法
であるとは言えなかった。
【0004】そこで、その改良法として、例えば、一酸
化炭素と亜硝酸エステルを、白金族金属もしくはその化
合物を担体に担持した固体触媒及び一酸化炭素当たりO
2 として10モル%以上の酸化剤の存在下、気相で反応
させることからなる炭酸エステルの製造法が特開昭60
−181051号公報に開示されている。しかしなが
ら、この方法では、シュウ酸ジエステルの副生を抑える
ために一酸化炭素に対して上記のような割合で酸素等の
酸化剤を共存させているにもかかわらず、かなりの量の
シュウ酸ジエステルが副生して炭酸エステルの選択率が
低くなり、更に反応速度や触媒寿命に関しても満足でき
るものではなかった。また、反応に供される一酸化炭
素、亜硝酸エステル、アルコ−ル、酸素等からなる混合
ガスにおける亜硝酸エステルの使用範囲は爆発限界を越
えているため、安全上からも工業的には好ましい方法で
はなかった。
【0005】更に、特開平3−141243号公報や特
開平4−139152号公報には、一酸化炭素と亜硝酸
メチルを気相で接触反応させて炭酸ジメチルを製造する
方法について、塩化パラジウムや硫酸パラジウム等の白
金族金属の化合物と鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニッ
ケル及び錫からなる群から選ばれた少なくとも1種類の
金属の化合物を活性炭などの担体に担持した触媒を使用
する製造法が開示されているが、これらの方法において
も触媒の活性及び寿命は工業的に使用するには必ずしも
充分と言えるものではなかった。また、特開平4−89
458号公報には、上記の塩化パラジウムや硫酸パラジ
ウム等の白金族金属の化合物と鉄、銅、ビスマス、コバ
ルト、ニッケル及び錫からなる群から選ばれた少なくと
も1種類の金属の化合物を活性炭などの担体に担持した
触媒の存在下、微量の塩化水素を存在させて一酸化炭素
と亜硝酸メチルを気相で接触反応させることにより、触
媒活性を長期間高い状態に保って炭酸ジメチルを製造す
る方法が開示されているが、触媒の寿命は必ずしも充分
と言えるものではなく、工業的に実施するには改善の余
地が残されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】亜硝酸エステルを使用
する公知の炭酸エステルの製造法は、前述したように、
触媒の寿命が充分なものではなく、更には反応速度及び
選択率についても必ずしも満足できるものではなかっ
た。本発明の目的は、反応生成物の分離・回収が容易な
気相法により、触媒の劣化が殆どなくかつ反応速度及び
選択率が高いレベルに維持され、温和な反応条件下で長
期間安定して炭酸エステルを製造することができる工業
的に好適な炭酸エステルの製造法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来公知
の炭酸エステルの製造法における前述したような問題点
を解決すべく、一酸化炭素と亜硝酸エステルとの接触反
応によって炭酸エステルを合成する反応について鋭意検
討した結果、触媒として白金族金属−ランタノイド系金
属−担体の新規な固体触媒を使用すれば、極めて高い反
応速度及び選択率で長期間安定して目的の炭酸エステル
が得られることを見出して、本発明に到達した。即ち、
本発明は、白金族金属又はその化合物と、ランタノイド
系金属又はその化合物を担体に担持した固体触媒の存在
下、一酸化炭素と亜硝酸エステルを接触反応させること
を特徴とする炭酸エステルの製造法に関する。
【0008】以下に、本発明の方法を詳しく説明する。
本発明で使用される亜硝酸エステルとしては、亜硝酸メ
チル、亜硝酸エチル、亜硝酸n−(又はi−)プロピ
ル、亜硝酸n−(又はi−、sec−)ブチル等の炭素
数1〜4の低級脂肪族1価アルコ−ルの亜硝酸エステ
ル、亜硝酸シクロヘキシル等の脂環式アルコ−ルの亜硝
酸エステル、亜硝酸ベンジル、亜硝酸フェニルエチル等
のアラルキルアルコ−ルの亜硝酸エステルなどが好適に
挙げられるが、特に前記の炭素数1〜4の低級脂肪族1
価アルコ−ルの亜硝酸エステルが好ましく、中でも亜硝
酸メチル及び亜硝酸エチルが最も好ましい。
【0009】本発明で用いられる固体触媒は、第1成分
として、パラジウム、白金、イリジウム、ルテニウム、
ロジウム等の白金族金属又は該白金族金属の化合物を、
第2成分として、ランタン、セリウム、プラセオジム、
ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、
ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウ
ム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチ
ウム等のランタノイド系金属又は該ランタノイド系金属
の化合物を担体に担持したものであればよい。
【0010】前記白金族金属の化合物としては、該金属
の塩化物、臭化物、沃化物、弗化物等のハロゲン化物、
硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、安息香
酸塩等の有機酸塩などが好適に挙げられる。より具体的
には、塩化パラジウム、臭化パラジウム、沃化パラジウ
ム、弗化パラジウム、テトラクロロパラジウム酸リチウ
ム、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム、テトラクロ
ロパラジウム酸カリウム、塩化白金、塩化イリジウム、
塩化ルテニウム、沃化ルテニウム、塩化ロジウム、臭化
ロジウム、沃化ロジウムなどのハロゲン化物、硝酸パラ
ジウム、硫酸パラジウム、燐酸パラジウム、硝酸ロジウ
ム、硫酸ロジウムなどの無機酸塩、酢酸パラジウム、安
息香酸パラジウム、酢酸ロジウムなどの有機酸塩が挙げ
られる。上記の中でも、パラジウム、ルテニウム又はロ
ジウムのハロゲン化物又は硫酸塩が特に好ましく、更に
は塩化パラジウムが最も好ましい。勿論、本発明におけ
る白金族金属の塩化物としては、上記のものに限定され
るものではなく、塩化水素の存在下で上記の塩化物か或
いは塩素が反応に関与するような複合体を形成しうる上
述の白金族金属又は該白金族金属の化合物であってもよ
い。
【0011】また、前記のランタン、セリウム、プラゼ
オジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロ
ピウム、ガドリニウム、テルビウム、ツリウム、イッテ
ルビウム、ルテチウム等のランタノイド系金属の化合物
としては、これら金属の金属化合物、金属塩などが挙げ
られるが、中でも酸化物、塩化物、硝酸塩が好適に挙げ
られる。更に、本発明の固体触媒は、前述の第1成分及
び第2成分に加えて、鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニ
ッケル、錫、バナジウム、モリブデン及びタングステン
からなる群から選ばれた少なくとも1種類の金属又はそ
れらの化合物を第3成分として担体に担持したものであ
ってもよい。
【0012】鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニッケル、
錫等の金属の化合物としては、これら金属の塩化物、臭
化物、沃化物、弗化物等のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸
塩、燐酸塩等の無機酸塩、酢酸塩等の有機酸塩などが挙
げられるが、中でも前記のハロゲン化物又は硫酸塩が特
に好適に挙げられる。また、前記バナジウム、モリブデ
ン、タングステン等の金属の化合物としては、これら金
属の酸化物、金属酸、金属酸塩などが挙げられるが、中
でも酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化タングステ
ン等の酸化物、バナジン酸アンモニウム、モリブデン酸
アンモニウム、タングステン酸アンモニウム等の金属酸
のアンモニウム塩が好適に挙げられる。
【0013】上述したような各触媒成分を担持する担体
としては、珪藻土、活性炭、シリコンカ−バイド、チタ
ニア、ゼオライト、γ−アルミナ等のアルミナ、シリカ
アルミナなどが好適に挙げられるが、活性炭及びアルミ
ナが最も好ましい。これらの担体に各触媒成分を担持す
る方法は特別なものである必要はなく、通常実施される
方法、即ち、含浸法(浸漬吸着法)、混練法、沈着法、
蒸発乾固法、共沈法等でよいが、本発明では簡便である
ことから含浸法又は蒸発乾固法により調製されることが
望ましい。このとき使用される溶媒は、塩酸水溶液、ア
ンモニア水溶液、アルコ−ル等の上記化合物を均一に溶
解させる溶媒が好適に使用される。なお、上記の触媒成
分の担体への担持は同時に行っても又は逐次に行っても
よい。
【0014】各触媒成分の担体への担持量は、第1成分
の白金族金属又はその化合物では、白金族金属の金属換
算で担体に対して、通常0.1〜10重量%、特に0.
5〜2重量%の範囲であることが好ましい。また、第2
成分のランタノイド系金属又はランタノイド系金属の化
合物では、ランタノイド系金属の金属換算で白金族金属
に対して、0.1〜50グラム原子当量、特に1〜10
グラム原子当量の範囲であることが好ましい。更に、第
3成分の鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニッケル、錫等
の金属の化合物では、これら金属の金属換算で白金族金
属に対して、0.1〜50グラム原子当量、特に1〜1
0グラム原子当量の範囲であることが好ましく、バナジ
ウム、モリブデン、タングステン等の金属の化合物で
は、これら金属の金属換算で白金族金属に対して、0.
1〜20グラム原子当量、特に0.5〜5グラム原子当
量の範囲であることが好ましい。
【0015】上記の固体触媒は、粉末、粒状のものもし
くは成形体が使用されるが、そのサイズについては特に
限定されるものではなく、粉末の場合は20〜100μ
mのもの、粒状の場合は4〜200メッシュ程度の通常
用いられるもの、そして、成形体の場合は通常0.5〜
10mmのものが好適に用いられる。
【0016】本発明の一酸化炭素と亜硝酸エステルとの
接触反応の方式としては、気相又は液相で、バッチ式、
連続式の何れでも行うことができるが、工業的には気
相、連続式プロセスの方が有利である。また、触媒の反
応系への存在形態としては、固定床又は流動床の何れの
形態でも差し支えない。そして、本発明では、一酸化炭
素と亜硝酸エステルとの接触反応は、上記の反応方式で
非常に温和な反応条件下、例えば、反応温度は0〜20
0℃、好ましくは50〜140℃の範囲で、反応圧は常
圧で行うことができる。勿論、加圧系でも問題なく反応
は可能で、1〜20kg/cm2 Gの圧力及び50〜1
40℃の温度で実施することができる。
【0017】ところで、前述したような原料の亜硝酸エ
ステルは、例えば、亜硝酸ソ−ダ水溶液の硝酸もしくは
硫酸分解により一酸化窒素(NO)及び二酸化窒素(N
2)の混合ガスを発生させ、次いで、この混合ガス中
のNOの一部を分子状酸素で酸化してNO2 と成して、
NO/NO2 =1/1(容量比)のNOX ガスを得た
後、これにアルコ−ルを接触させる方法、又は、前記反
応器より導出される反応ガス中から接触反応に携わった
後に亜硝酸エステルより発生するNOを分離し、酸素及
び対応するアルコ−ルと反応させて再度亜硝酸エステル
に変換する方法などにより合成されるものであるが、こ
の亜硝酸エステルの合成工程までを含めると、前記一酸
化炭素と亜硝酸エステルとの接触反応は2〜3kg/c
2 G程度の若干の加圧系の方が特に望ましい。なお、
このようにして合成された亜硝酸エステルガス中には、
亜硝酸エステルの他に、未反応のアルコ−ル、窒素酸化
物(特にNO)、場合によっては微量の水や酸素も含ま
れているが、本発明ではこのような亜硝酸エステル含有
ガスを亜硝酸エステル源として使用する場合にも好結果
を得ることができる。
【0018】本発明では、一酸化炭素及び上記の亜硝酸
エステル等を含有するガスは窒素ガス等の不活性ガスで
希釈して原料ガスとして反応器にフィ−ドされることが
望ましいが、その組成は反応上からは特に限定されるも
のではない。しかし、安全上の観点からすれば、前記亜
硝酸エステルの濃度は20容量%以下、好ましくは5〜
20容量%であることが望ましい。
【0019】原料ガス中の一酸化炭素の濃度は、前記不
活性ガスの代わりに亜硝酸エステルを一酸化炭素で希釈
してフィードすれば、80容量%までは可能である。し
かしながら、工業的な製造プロセスの場合は、反応に供
する原料ガスは循環使用して該循環ガスの一部を系外へ
パ−ジすることが好ましく、更に、一酸化炭素のワンパ
スの転化率が20〜30%程度であることから、一酸化
炭素の濃度を20容量%より高くしてもロスが増えるの
みで、5容量%より低くすると生産性が落ちるなどの問
題を生じることになる。従って、実際には原料ガス中の
一酸化炭素の濃度は5〜20容量%の範囲にするのが経
済的に望ましい。
【0020】原料ガス中の一酸化炭素と亜硝酸エステル
との使用割合は、亜硝酸エステル1モルに対して、一酸
化炭素が0.1〜10モル、好ましくは0.25〜1モ
ルの範囲であることが望ましい。そして、反応器にフィ
−ドされる原料ガスの空間速度は、500〜20000
hr-1、好ましくは2000〜15000hr-1の範囲
であることが望ましい。
【0021】また、本発明では、塩化水素又はクロロギ
酸エステルを共存させて、一酸化炭素と亜硝酸エステル
の接触反応を行って触媒活性の低下を防止することが好
ましい。本発明で使用される塩化水素は無水の塩化水素
であることが好ましく、クロロギ酸エステルとしては、
クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸n−
(又はi−)プロピル、クロロギ酸n−(又はi−、s
ec−)ブチル等の炭素数1〜4の低級脂肪族1価アル
コールのクロロギ酸エステル、クロロギ酸シクロヘキシ
ル等の脂環式アルコールのクロロギ酸エステル、クロロ
ギ酸フェニルエチル等のアラルキルアルコールのクロロ
ギ酸エステルが好ましいが、通常は使用される亜硝酸エ
ステルと同一のアルコキシル基をもつクロロギ酸エステ
ルが好適に使用される。
【0022】反応系に塩化水素又はクロロギ酸エステル
を共存させる方法としては、特に制限は設けないが、例
えば、以下に述べるように微量の塩化水素又はクロロギ
酸エステルを連続添加する方法が好ましい。塩化水素を
連続添加する場合、多量に添加すると触媒への塩化水素
の吸着により前記反応が阻害されて好ましくないため、
その添加量は触媒中の白金族金属に対して単位時間当た
り1〜50モル%、好ましくは5〜20モル%であるこ
とが好ましく、実際の反応例で具体的に示すと、例え
ば、固定床形式の反応器においてガス空間速度(GHS
V)3000hr-1で反応させる場合、原料ガス中に5
〜500容量ppm、好ましくは10〜100容量pp
mの範囲で塩化水素を添加し、連続的に反応器に供給す
ることが好ましい。
【0023】また、クロロギ酸エステルを連続添加する
場合、その添加量に特に上限はないが余りに多すぎると
経済性を損なうことになるので、原料ガス中に1容量%
以下、好ましくは1000容量ppm以下の範囲でクロ
ロギ酸エステルを添加し、連続的に反応器に供給するこ
とが好ましい。その方法としては、加温したクロロギ酸
エステル上を通過させた窒素ガスにクロロギ酸エステル
の蒸発分を同伴させて原料ガスに添加する方法、反応器
にフィードする配管とは別に設けたクロロギ酸エステル
気化器中で気化させたクロロギ酸エステルを窒素ガスに
同伴させる方法などがあるが、工業的に実施できる操作
を適宜採用することが好ましい。
【0024】以上のようにして、使用した亜硝酸エステ
ルに対応する目的生成物の炭酸エステルの他に、シュウ
酸ジエステル等の副生物、未反応の一酸化炭素及び亜硝
酸エステル、一酸化窒素、二酸化炭素などを含む反応ガ
スが反応器から導出されるが、炭酸エステルは、この反
応ガスを冷却した後、一酸化炭素、亜硝酸エステル、一
酸化窒素、二酸化炭素などの未凝縮ガスをパ−ジしなが
ら再度反応器に循環せしめる一方、例えば、蒸留等の常
法により容易に分離精製することができる。なお、本発
明の方法によって製造される炭酸エステルは、例えば、
炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジn−プロピル等の
炭酸ジアルキルエステル、炭酸ジシクロヘキシル等の炭
酸ジシクロアルキルエステル、炭酸ジベンジル等の炭酸
ジアラルキルエステルを挙げることができるが、本発明
では特に炭酸ジメチルなどの炭酸ジ低級アルキルエステ
ルを好適に製造することができる。
【0025】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明の方
法を具体的に説明するが、これらは本発明の方法を何ら
限定するものではない。なお、各実施例及び比較例にお
ける空時収量STY(g/l・hr)は、一酸化炭素と
亜硝酸メチルの接触反応時間をθ(hr)、その間に生
成した炭酸ジメチルの量をa(g)、そして反応管への
触媒の充填量をb(l)として次式により求めた。
【0026】
【数1】
【0027】また、各実施例及び比較例における炭酸ジ
メチルの一酸化炭素基準の選択率X(%)及び亜硝酸エ
ステル基準の選択率Y(%)は、所定反応条件における
転化率より、上記のθ(hr)に生成した炭酸ジメチ
ル、シュウ酸ジメチル、二酸化炭素、ギ酸メチル及びメ
チラ−ルの量をc(mol)、d(mol)、e(mo
l)、f(mol)及びg(mol)として次式により
それぞれ求めた。
【0028】
【数2】
【0029】
【数3】
【0030】実施例1 〔触媒の調製〕塩化パラジウム(PdCl2 )0.17
8g(1mmol)、塩化第二銅(CuCl2 ・2H2
O)0.340g(2mmol)及び塩化セリウム6水
和物(CeCl3 ・6H2 O)0.746g(2mmo
l)をメタノ−ル40mlに40〜50℃で加熱溶解さ
せ「Pd、Cu及びCe含有溶液」を調製した。これ
に、粒状活性炭10gを浸漬して1時間攪拌した。その
後、減圧下、50℃でメタノ−ルを蒸発除去し、更に、
窒素雰囲気中、200℃で乾燥して触媒を調製した。得
られた触媒の組成はPdCl2 −CuCl2 −CeCl
3 /C(活性炭)であり、触媒中の金属化合物の担持量
はPdが金属換算で担体に対して1重量%で、Pd:C
u:Ce=1:2:2(原子比)であった。
【0031】〔炭酸ジメチルの合成〕上記の触媒1.5
mlを内径20mmの気相反応管(外部ジャケット付)
に充填した後、この反応管を垂直に固定し、反応管ジャ
ケットに熱媒を循環させて、触媒層内温度が120℃に
なるように加熱制御した。次いで、一酸化窒素、酸素及
びメタノ−ルから合成した亜硝酸メチルを含むガスと一
酸化炭素との混合ガス、即ち、亜硝酸メチル:8容量
%、一酸化炭素:8容量%、一酸化窒素:3容量%、メ
タノ−ル:10容量%、窒素:71容量%の組成からな
る原料ガスを、反応管の上部から8000hr-1の空間
速度(GHSV)で供給し、常圧下、反応温度120℃
で反応を行った。反応管を通過した反応生成物を氷冷し
たメタノ−ル中に捕集し、得られた捕集液をガスクロマ
トグラフィ−によって分析した結果、反応開始4時間後
の炭酸ジメチルのSTYは475g/l・hrで、炭酸
ジメチルの一酸化炭素基準及び亜硝酸メチル基準の選択
率はそれぞれ95%及び97%であった。
【0032】比較例1 〔触媒の調製〕実施例1において塩化セリウム6水和物
(CeCl3 ・6H2 O)を用いなかった以外は、実施
例1と同様に触媒を調製した。得られた触媒の組成はP
dCl 2 −CuCl2 /C(活性炭)であり、触媒中の
金属化合物の担持量はPdが金属換算で担体に対して1
重量%で、Pd:Cu=1:2(原子比)であった。 〔炭酸ジメチルの合成〕上記の触媒を用いた以外は、実
施例1と同様に炭酸ジメチルの合成を行って生成物を分
析した。その結果、反応開始4時間後の炭酸ジメチルの
STYは494g/l・hrで、炭酸ジメチルの一酸化
炭素基準及び亜硝酸メチル基準の選択率はそれぞれ88
%及び89%であった。
【0033】実施例2〜17及び比較例2 〔触媒の調製〕実施例1におけると同様に、白金族金属
化合物、ランタノイド系金属化合物、更に、鉄、銅、ビ
スマス、コバルト、ニッケル、錫、バナジウム、モリブ
デン及びタングステンの中から選ばれた少なくとも1種
類の金属の化合物を担持して、表1に示す触媒組成及び
金属成分比(原子比)を有する触媒を調製した。 〔炭酸ジメチルの合成〕上記の触媒をそれぞれ用いた以
外は、実施例1と同様に炭酸ジメチルの合成を行って生
成物を分析した。それらの結果を表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】実施例18 〔炭酸ジメチルの合成〕実施例2における触媒5mlを
内径17mmの気相反応管(外部ジャケット付)に充填
して、実施例1と同様に触媒層内温度が120℃になる
ように加熱制御した後、亜硝酸メチル:10容量%、一
酸化炭素:20容量%、一酸化窒素:4容量%、メタノ
−ル:9容量%、塩化水素:20容量ppm、窒素:5
7容量%の組成からなる原料ガスを4000hr-1の空
間速度(GHSV)で供給し、反応圧3kg/cm
2 G、反応温度120℃で反応を行って生成物を分析し
た。その結果、炭酸ジメチルのSTYは、反応開始4時
間後に600g/l・hrであったものが反応開始10
時間後に500g/l・hrまで低下したが、その後、
反応開始100時間後の反応終了時まで500g/l・
hrで変わらなかった。また、炭酸ジメチルの一酸化炭
素基準及び亜硝酸メチル基準の選択率は、反応開始4時
間後にそれぞれ97%及び98%であったものが反応開
始10時間後に95%及び96%になったが、その後、
反応終了時までほぼ一定であった。
【0036】比較例3 〔炭酸ジメチルの合成〕比較例1における触媒5mlを
使用した以外は、実施例18と同様に反応を行って生成
物を分析した。その結果、炭酸ジメチルのSTYは、反
応開始4時間後に500g/l・hrであったものが反
応開始10時間後に400g/l・hrまで低下した
が、その後、反応開始100時間後の反応終了時まで4
00g/l・hrで変わらなかった。また、炭酸ジメチ
ルの一酸化炭素基準及び亜硝酸メチル基準の選択率は、
反応開始4時間後にそれぞれ88%及び90%であった
ものが反応開始10時間後に83%及び85%になった
が、その後、反応終了時までほぼ一定であった。
【0037】比較例4 〔炭酸ジメチルの合成〕比較例1における触媒5mlを
使用して、実施例18において塩化水素を添加しなかっ
た以外は、実施例18と同様に反応を行って生成物を分
析した。その結果、炭酸ジメチルのSTYは、反応開始
4時間後に500g/l・hrであったものが反応開始
10時間後で350g/l・hrまで低下し、更に反応
開始20時間後で250g/l・hr、反応開始30時
間後で150g/l・hr、反応開始50時間後で75
g/l・hrまで低下した。また、炭酸ジメチルの一酸
化炭素基準及び亜硝酸メチル基準の選択率は、反応開始
4時間後にそれぞれ88%及び89%であったが、以
後、反応開始10時間後で82%及び84%、反応開始
20時間後で76%及び78%、反応開始30時間後で
68%及び70%、反応開始50時間後で60%及び6
3%であった。
【0038】実施例19 〔炭酸ジメチルの合成〕実施例14における触媒5ml
を使用した以外は、実施例18と同様に反応を行って生
成物を分析した。その結果、炭酸ジメチルのSTYは、
反応開始4時間後に450g/l・hrであったものが
反応開始10時間後に350g/l・hrまで低下した
が、その後、反応開始100時間後の反応終了時まで3
50g/l・hrで変わらなかった。また、炭酸ジメチ
ルの一酸化炭素基準及び亜硝酸メチル基準の選択率は、
いずれも反応開始4時間後に98%であったものが反応
開始10時間後に96%になり、その後、反応終了時ま
でそれぞれほぼ一定であった。
【0039】実施例20 〔触媒の調製〕実施例14における粒状活性炭をγ−ア
ルミナ(BET表面積:190m2 /g)に変えた以外
は、実施例14と同様に触媒を調製した。得られた触媒
の組成はPdCl2 −CeCl3 /Al2 3 であり、
触媒中の金属化合物の担持量はPdが金属換算で担体に
対して1.5重量%で、Pd:Ce=1:2(原子比)
であった。 〔炭酸ジメチルの合成〕上記の触媒2.5mlを内径1
0mmの気相反応管(外部ジャケット付)に充填して、
触媒層内温度が100℃になるように実施例1と同様に
加熱制御した後、亜硝酸メチル:25容量%、一酸化炭
素:25容量%、一酸化窒素:2容量%、メタノ−ル:
8容量%、塩化水素:500容量ppm、窒素:40容
量%の組成からなる原料ガスを8000hr-1の空間速
度(GHSV)で供給し、常圧下、反応温度100℃で
反応を行って生成物を分析した。その結果、炭酸ジメチ
ルのSTYは、反応開始4時間後に880g/l・hr
で、その後、反応開始50時間後の反応終了時まで88
0g/l・hrで変わらなかった。また、炭酸ジメチル
の一酸化炭素基準及び亜硝酸メチル基準の選択率は、反
応開始4時間後にそれぞれ98%及び96%で、その
後、反応終了時までほぼ一定であった。
【0040】実施例21 〔炭酸ジメチルの合成〕実施例18における塩化水素を
クロロギ酸メチル:100容量ppmに変更した以外
は、実施例18と同様に反応を行って生成物を分析し
た。その結果、炭酸ジメチルのSTYは、反応開始4時
間後に550g/l・hrで、その後、反応開始100
時間後の反応終了時まで550g/l・hrで変わらな
かった。また、炭酸ジメチルの一酸化炭素基準及び亜硝
酸メチル基準の選択率は、反応開始4時間後にそれぞれ
97%及び98%で、その後、反応終了時までほぼ一定
であった。
【0041】比較例5 〔炭酸ジメチルの合成〕比較例1における触媒5mlを
使用した以外は、実施例21と同様に反応を行って生成
物を分析した。その結果、炭酸ジメチルのSTYは、反
応開始4時間後に500g/l・hrであったものが、
反応開始100時間後の反応終了時まで500g/l・
hrで変わらなかった。また、炭酸ジメチルの一酸化炭
素基準及び亜硝酸メチル基準の選択率は、反応開始4時
間後にそれぞれ88%及び89%で、その後、反応終了
時までほぼ一定であった。
【0042】実施例22 〔炭酸ジメチルの合成〕実施例19における塩化水素を
クロロギ酸メチル:100容量ppmに変更した以外
は、実施例19と同様に反応を行って生成物を分析し
た。その結果、炭酸ジメチルのSTYは、反応開始4時
間後に450g/l・hrで、その後、反応開始100
時間後の反応終了時まで450g/l・hrで変わらな
かった。また、炭酸ジメチルの一酸化炭素基準及び亜硝
酸メチル基準の選択率は、反応開始4時間後にいずれも
98%で、その後、反応終了時までそれぞれほぼ一定で
あった。
【0043】実施例23 〔炭酸ジメチルの合成〕実施例20における塩化水素を
クロロギ酸メチル:500容量ppmに変え、反応温度
を90℃に変更した以外は、実施例20と同様に反応を
行って生成物を分析した。その結果、炭酸ジメチルのS
TYは、反応開始4時間後に880g/l・hrで、そ
の後、反応開始50時間後の反応終了時まで880g/
l・hrで変わらなかった。また、炭酸ジメチルの一酸
化炭素基準及び亜硝酸メチル基準の選択率は、反応開始
4時間後にそれぞれ98%及び96%で、その後、反応
終了時までほぼ一定であった。実施例18〜23及び比
較例3〜5の結果を表3に示す。
【0044】
【表2】
【0045】
【発明の作用効果】本発明の白金族金属又はその化合物
とランタノイド金属又はその化合物を担体に担持した固
体触媒の存在下で一酸化炭素と亜硝酸エステルの接触反
応を行う方法により、従来公知の方法が反応速度及び選
択率において必ずしも満足のいくものではなく、また、
触媒寿命においても工業的には充分ではなかったという
問題を解決して、極めて高い反応速度及び選択率で長期
間安定して炭酸エステルを製造することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】実施例24 〔触媒の調製〕実施例1における塩化セリウム6水和物
(CeCl3 ・6H2 O)0.746g(2mmol)
を塩化イッテルビウム6水和物(YbCl3 ・6H
2 O)1.550g(4mmol)に変えた以外は実施
例1と同様にして触媒を調製した。得られた触媒の組成
はPdCl2 −CuCl2 −YbCl3 /C(活性炭)
であり、触媒中の金属化合物の担持量はPdが金属換算
で担体に対して1重量%で、Pd:Cu:Yb=1:
2:4(原子比)であった。
【0046】〔炭酸ジメチルの合成〕上記の触媒5ml
を使用した以外は、実施例18と同様に反応を行って生
成物を分析した。その結果、炭酸ジメチルのSTYは、
反応開始4時間後に550g/l・hrであったものが
反応開始10時間後に450g/l・hrまで低下した
が、その後、反応開始100時間後の反応終了時まで4
50g/l・hrで変わらなかった。また、炭酸ジメチ
ルの一酸化炭素及び亜硝酸メチル基準の選択率は、反応
開始4時間後にそれぞれ96%および97%であったも
のが反応開始10時間後に94%及び95%になった
が、その後、反応終了時までほぼ一定であった。
【0047】実施例25 〔触媒の調製〕実施例1における塩化パラジウム(Pd
Cl2 )0.178g(1mmol)、塩化第二銅(C
uCl2 ・6H2 O)0.340g(2mmol)及び
塩化セリウム6水和物(CeCl3 ・6H2 O)0.7
46g(2mmol)を、塩化パラジウム(PdC
2 )0.534g(3mmol)、塩化イッテルビウ
ム6水和物(YbCl3 ・6H2 O)2.325g(6
mmol)に変えた以外は実施例1と同様にして触媒を
調製した。得られた触媒の組成はPdCl2 −YbCl
3 /C(活性炭)であり、触媒中の金属化合物の担持量
はPdが金属換算で担体に対して3重量%で、Pd:Y
b=1:2(原子比)であった。
【0048】〔炭酸ジメチルの合成〕上記の触媒5ml
を使用した以外は、実施例18と同様に反応を行って生
成物を分析した。その結果、炭酸ジメチルのSTYは、
反応開始4時間後に420g/l・hrであったものが
反応開始10時間後に380g/l・hrまで低下した
が、その後、反応開始100時間後の反応終了時まで3
80g/l・hrで変わらなかった。また、炭酸ジメチ
ルの一酸化炭素及び亜硝酸メチル基準の選択率は、反応
開始4時間後にそれぞれ98%であったものが反応開始
10時間後にそれぞれ97%になったが、その後、反応
終了時までほぼ一定であった。
【0049】
【発明の作用効果】本発明の白金族金属又はその化合物
とランタノイド金属又はその化合物を担体に担持した固
体触媒の存在下で一酸化炭素と亜硝酸エステルの接触反
応を行う方法により、従来公知の方法が反応速度及び選
択率において必ずしも満足のいくものではなく、また、
触媒寿命においても工業的には充分ではなかったという
問題を解決して、極めて高い反応速度及び選択率で長期
間安定して炭酸エステルを製造することができる。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一酸化炭素と亜硝酸エ
ステルから炭酸エステルを製造する方法において、選択
性に優れた性能を示す新規な触媒を使用して、高い反応
速度及び選択率で長期間安定して炭酸エステルを製造す
る方法に関する。炭酸エステルは、医薬、農薬等の合成
原料として、また、ポリカ−ボネ−トやウレタン等の製
造中間体として非常に有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】炭酸エステルの製造法としては、ホスゲ
ンとアルコ−ルを反応させる方法が非常に古くから実施
されているが、ホスゲンは毒性が極めて強く、環境衛生
上、製造原料としては好ましい物質ではなかった。ま
た、この方法では塩酸が副生して装置材質に腐食を来す
ため、高価な材質を選択する必要があるなどの問題があ
り、工業上からもホスゲンを使用しない製造法の開発が
望まれていた。
【0003】このことからホスゲンを使用しない製造法
として、一酸化炭素とアルコ−ルから炭酸エステルを合
成する方法が各方面で研究され、提案されてきた(例え
ば、特開昭60−75447号公報、特開昭63−72
650号公報、特公昭63−38018号公報などを参
照)。これらは、触媒としてハロゲン化銅、ハロゲン化
パラジウム等を用い、一酸化炭素とアルコ−ルとの酸素
酸化反応により液相中で炭酸エステルを合成する方法で
あるが、二酸化炭素が副生するために一酸化炭素基準の
炭酸エステルの選択率が低く、また、水が生成すること
により炭酸エステルの精製も容易ではなかった。更に、
これらの方法は液相反応であるため、生成物と触媒を分
離する工程が必要であり、必ずしも工業的に有利な方法
であるとは言えなかった。
【0004】そこで、その改良法として、例えば、一酸
化炭素と亜硝酸エステルを、白金族金属もしくはその化
合物を担体に担持した固体触媒及び一酸化炭素当たりO
2 として10モル%以上の酸化剤の存在下、気相で反応
させることからなる炭酸エステルの製造法が特開昭60
−181051号公報に開示されている。しかしなが
ら、この方法では、シュウ酸ジエステルの副生を抑える
ために一酸化炭素に対して上記のような割合で酸素等の
酸化剤を共存させているにもかかわらず、かなりの量の
シュウ酸ジエステルが副生して炭酸エステルの選択率が
低くなり、更に反応速度や触媒寿命に関しても満足でき
るものではなかった。また、反応に供される一酸化炭
素、亜硝酸エステル、アルコ−ル、酸素等からなる混合
ガスにおける亜硝酸エステルの使用範囲は爆発限界を越
えているため、安全上からも工業的には好ましい方法で
はなかった。
【0005】更に、特開平3−141243号公報や特
開平4−139152号公報には、一酸化炭素と亜硝酸
メチルを気相で接触反応させて炭酸ジメチルを製造する
方法について、塩化パラジウムや硫酸パラジウム等の白
金族金属の化合物と鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニッ
ケル及び錫からなる群から選ばれた少なくとも1種類の
金属の化合物を活性炭などの担体に担持した触媒を使用
する製造法が開示されているが、これらの方法において
も触媒の活性及び寿命は工業的に使用するには必ずしも
充分と言えるものではなかった。また、特開平4−89
458号公報には、上記の塩化パラジウムや硫酸パラジ
ウム等の白金族金属の化合物と鉄、銅、ビスマス、コバ
ルト、ニッケル及び錫からなる群から選ばれた少なくと
も1種類の金属の化合物を活性炭などの担体に担持した
触媒の存在下、微量の塩化水素を存在させて一酸化炭素
と亜硝酸メチルを気相で接触反応させることにより、触
媒活性を長期間高い状態に保って炭酸ジメチルを製造す
る方法が開示されているが、触媒の寿命は必ずしも充分
と言えるものではなく、工業的に実施するには改善の余
地が残されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】亜硝酸エステルを使用
する公知の炭酸エステルの製造法は、前述したように、
触媒の寿命が充分なものではなく、更には反応速度及び
選択率についても必ずしも満足できるものではなかっ
た。本発明の目的は、反応生成物の分離・回収が容易な
気相法により、触媒の劣化が殆どなくかつ反応速度及び
選択率が高いレベルに維持され、温和な反応条件下で長
期間安定して炭酸エステルを製造することができる工業
的に好適な炭酸エステルの製造法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来公知
の炭酸エステルの製造法における前述したような問題点
を解決すべく、一酸化炭素と亜硝酸エステルとの接触反
応によって炭酸エステルを合成する反応について鋭意検
討した結果、触媒として白金族金属−ランタノイド系金
属−担体の新規な固体触媒を使用すれば、極めて高い反
応速度及び選択率で長期間安定して目的の炭酸エステル
が得られることを見出して、本発明に到達した。即ち、
本発明は、白金族金属又はその化合物と、ランタノイド
系金属又はその化合物を担体に担持した固体触媒の存在
下、一酸化炭素と亜硝酸エステルを接触反応させること
を特徴とする炭酸エステルの製造法に関する。
【0008】以下に、本発明の方法を詳しく説明する。
本発明で使用される亜硝酸エステルとしては、亜硝酸メ
チル、亜硝酸エチル、亜硝酸n−(又はi−)プロピ
ル、亜硝酸n−(又はi−、sec−)ブチル等の炭素
数1〜4の低級脂肪族1価アルコ−ルの亜硝酸エステ
ル、亜硝酸シクロヘキシル等の脂環式アルコ−ルの亜硝
酸エステル、亜硝酸ベンジル、亜硝酸フェニルエチル等
のアラルキルアルコ−ルの亜硝酸エステルなどが好適に
挙げられるが、特に前記の炭素数1〜4の低級脂肪族1
価アルコ−ルの亜硝酸エステルが好ましく、中でも亜硝
酸メチル及び亜硝酸エチルが最も好ましい。
【0009】本発明で用いられる固体触媒は、第1成分
として、パラジウム、白金、イリジウム、ルテニウム、
ロジウム等の白金族金属又は該白金族金属の化合物を、
第2成分として、ランタン、セリウム、プラセオジム、
ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、
ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウ
ム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチ
ウム等のランタノイド系金属又は該ランタノイド系金属
の化合物を担体に担持したものであればよい。
【0010】前記白金族金属の化合物としては、該金属
の塩化物、臭化物、沃化物、弗化物等のハロゲン化物、
硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、安息香
酸塩等の有機酸塩などが好適に挙げられる。より具体的
には、塩化パラジウム、臭化パラジウム、沃化パラジウ
ム、弗化パラジウム、テトラクロロパラジウム酸リチウ
ム、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム、テトラクロ
ロパラジウム酸カリウム、塩化白金、塩化イリジウム、
塩化ルテニウム、沃化ルテニウム、塩化ロジウム、臭化
ロジウム、沃化ロジウムなどのハロゲン化物、硝酸パラ
ジウム、硫酸パラジウム、燐酸パラジウム、硝酸ロジウ
ム、硫酸ロジウムなどの無機酸塩、酢酸パラジウム、安
息香酸パラジウム、酢酸ロジウムなどの有機酸塩が挙げ
られる。上記の中でも、パラジウム、ルテニウム又はロ
ジウムのハロゲン化物又は硫酸塩が特に好ましく、更に
は塩化パラジウムが最も好ましい。勿論、本発明におけ
る白金族金属の塩化物としては、上記のものに限定され
るものではなく、塩化水素の存在下で上記の塩化物か或
いは塩素が反応に関与するような複合体を形成しうる上
述の白金族金属又は該白金族金属の化合物であってもよ
い。
【0011】また、前記のランタン、セリウム、プラゼ
オジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロ
ピウム、ガドリニウム、テルビウム、ツリウム、イッテ
ルビウム、ルテチウム等のランタノイド系金属の化合物
としては、これら金属の金属化合物、金属塩などが挙げ
られるが、中でも酸化物、塩化物、硝酸塩が好適に挙げ
られる。更に、本発明の固体触媒は、前述の第1成分及
び第2成分に加えて、鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニ
ッケル、錫、バナジウム、モリブデン及びタングステン
からなる群から選ばれた少なくとも1種類の金属又はそ
れらの化合物を第3成分として担体に担持したものであ
ってもよい。
【0012】鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニッケル、
錫等の金属の化合物としては、これら金属の塩化物、臭
化物、沃化物、弗化物等のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸
塩、燐酸塩等の無機酸塩、酢酸塩等の有機酸塩などが挙
げられるが、中でも前記のハロゲン化物又は硫酸塩が特
に好適に挙げられる。また、前記バナジウム、モリブデ
ン、タングステン等の金属の化合物としては、これら金
属の酸化物、金属酸、金属酸塩などが挙げられるが、中
でも酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化タングステ
ン等の酸化物、バナジン酸アンモニウム、モリブデン酸
アンモニウム、タングステン酸アンモニウム等の金属酸
のアンモニウム塩が好適に挙げられる。
【0013】上述したような各触媒成分を担持する担体
としては、珪藻土、活性炭、シリコンカ−バイド、チタ
ニア、ゼオライト、γ−アルミナ等のアルミナ、シリカ
アルミナなどが好適に挙げられるが、活性炭及びアルミ
ナが最も好ましい。これらの担体に各触媒成分を担持す
る方法は特別なものである必要はなく、通常実施される
方法、即ち、含浸法(浸漬吸着法)、混練法、沈着法、
蒸発乾固法、共沈法等でよいが、本発明では簡便である
ことから含浸法又は蒸発乾固法により調製されることが
望ましい。このとき使用される溶媒は、塩酸水溶液、ア
ンモニア水溶液、アルコ−ル等の上記化合物を均一に溶
解させる溶媒が好適に使用される。なお、上記の触媒成
分の担体への担持は同時に行っても又は逐次に行っても
よい。
【0014】各触媒成分の担体への担持量は、第1成分
の白金族金属又はその化合物では、白金族金属の金属換
算で担体に対して、通常0.1〜10重量%、特に0.
5〜2重量%の範囲であることが好ましい。また、第2
成分のランタノイド系金属又はランタノイド系金属の化
合物では、ランタノイド系金属の金属換算で白金族金属
に対して、0.1〜50グラム原子当量、特に1〜10
グラム原子当量の範囲であることが好ましい。更に、第
3成分の鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニッケル、錫等
の金属の化合物では、これら金属の金属換算で白金族金
属に対して、0.1〜50グラム原子当量、特に1〜1
0グラム原子当量の範囲であることが好ましく、バナジ
ウム、モリブデン、タングステン等の金属の化合物で
は、これら金属の金属換算で白金族金属に対して、0.
1〜20グラム原子当量、特に0.5〜5グラム原子当
量の範囲であることが好ましい。
【0015】上記の固体触媒は、粉末、粒状のものもし
くは成形体が使用されるが、そのサイズについては特に
限定されるものではなく、粉末の場合は20〜100μ
mのもの、粒状の場合は4〜200メッシュ程度の通常
用いられるもの、そして、成形体の場合は通常0.5〜
10mmのものが好適に用いられる。
【0016】本発明の一酸化炭素と亜硝酸エステルとの
接触反応の方式としては、気相又は液相で、バッチ式、
連続式の何れでも行うことができるが、工業的には気
相、連続式プロセスの方が有利である。また、触媒の反
応系への存在形態としては、固定床又は流動床の何れの
形態でも差し支えない。そして、本発明では、一酸化炭
素と亜硝酸エステルとの接触反応は、上記の反応方式で
非常に温和な反応条件下、例えば、反応温度は0〜20
0℃、好ましくは50〜140℃の範囲で、反応圧は常
圧で行うことができる。勿論、加圧系でも問題なく反応
は可能で、1〜20kg/cm2 Gの圧力及び50〜1
40℃の温度で実施することができる。
【0017】ところで、前述したような原料の亜硝酸エ
ステルは、例えば、亜硝酸ソ−ダ水溶液の硝酸もしくは
硫酸分解により一酸化窒素(NO)及び二酸化窒素(N
2)の混合ガスを発生させ、次いで、この混合ガス中
のNOの一部を分子状酸素で酸化してNO2 と成して、
NO/NO2 =1/1(容量比)のNOX ガスを得た
後、これにアルコ−ルを接触させる方法、又は、前記反
応器より導出される反応ガス中から接触反応に携わった
後に亜硝酸エステルより発生するNOを分離し、酸素及
び対応するアルコ−ルと反応させて再度亜硝酸エステル
に変換する方法などにより合成されるものであるが、こ
の亜硝酸エステルの合成工程までを含めると、前記一酸
化炭素と亜硝酸エステルとの接触反応は2〜3kg/c
2 G程度の若干の加圧系の方が特に望ましい。なお、
このようにして合成された亜硝酸エステルガス中には、
亜硝酸エステルの他に、未反応のアルコ−ル、窒素酸化
物(特にNO)、場合によっては微量の水や酸素も含ま
れているが、本発明ではこのような亜硝酸エステル含有
ガスを亜硝酸エステル源として使用する場合にも好結果
を得ることができる。
【0018】本発明では、一酸化炭素及び上記の亜硝酸
エステル等を含有するガスは窒素ガス等の不活性ガスで
希釈して原料ガスとして反応器にフィ−ドされることが
望ましいが、その組成は反応上からは特に限定されるも
のではない。しかし、安全上の観点からすれば、前記亜
硝酸エステルの濃度は20容量%以下、好ましくは5〜
20容量%であることが望ましい。
【0019】原料ガス中の一酸化炭素の濃度は、前記不
活性ガスの代わりに亜硝酸エステルを一酸化炭素で希釈
してフィードすれば、80容量%までは可能である。し
かしながら、工業的な製造プロセスの場合は、反応に供
する原料ガスは循環使用して該循環ガスの一部を系外へ
パ−ジすることが好ましく、更に、一酸化炭素のワンパ
スの転化率が20〜30%程度であることから、一酸化
炭素の濃度を20容量%より高くしてもロスが増えるの
みで、5容量%より低くすると生産性が落ちるなどの問
題を生じることになる。従って、実際には原料ガス中の
一酸化炭素の濃度は5〜20容量%の範囲にするのが経
済的に望ましい。
【0020】原料ガス中の一酸化炭素と亜硝酸エステル
との使用割合は、亜硝酸エステル1モルに対して、一酸
化炭素が0.1〜10モル、好ましくは0.25〜1モ
ルの範囲であることが望ましい。そして、反応器にフィ
−ドされる原料ガスの空間速度は、500〜20000
hr-1、好ましくは2000〜15000hr-1の範囲
であることが望ましい。
【0021】また、本発明では、塩化水素又はクロロギ
酸エステルを共存させて、一酸化炭素と亜硝酸エステル
の接触反応を行って触媒活性の低下を防止することが好
ましい。本発明で使用される塩化水素は無水の塩化水素
であることが好ましく、クロロギ酸エステルとしては、
クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル、クロロギ酸n−
(又はi−)プロピル、クロロギ酸n−(又はi−、s
ec−)ブチル等の炭素数1〜4の低級脂肪族1価アル
コールのクロロギ酸エステル、クロロギ酸シクロヘキシ
ル等の脂環式アルコールのクロロギ酸エステル、クロロ
ギ酸フェニルエチル等のアラルキルアルコールのクロロ
ギ酸エステルが好ましいが、通常は使用される亜硝酸エ
ステルと同一のアルコキシル基をもつクロロギ酸エステ
ルが好適に使用される。
【0022】反応系に塩化水素又はクロロギ酸エステル
を共存させる方法としては、特に制限は設けないが、例
えば、以下に述べるように微量の塩化水素又はクロロギ
酸エステルを連続添加する方法が好ましい。塩化水素を
連続添加する場合、多量に添加すると触媒への塩化水素
の吸着により前記反応が阻害されて好ましくないため、
その添加量は触媒中の白金族金属に対して単位時間当た
り1〜50モル%、好ましくは5〜20モル%であるこ
とが好ましく、実際の反応例で具体的に示すと、例え
ば、固定床形式の反応器においてガス空間速度(GHS
V)3000hr-1で反応させる場合、原料ガス中に5
〜500容量ppm、好ましくは10〜100容量pp
mの範囲で塩化水素を添加し、連続的に反応器に供給す
ることが好ましい。
【0023】また、クロロギ酸エステルを連続添加する
場合、その添加量に特に上限はないが余りに多すぎると
経済性を損なうことになるので、原料ガス中に1容量%
以下、好ましくは1000容量ppm以下の範囲でクロ
ロギ酸エステルを添加し、連続的に反応器に供給するこ
とが好ましい。その方法としては、加温したクロロギ酸
エステル上を通過させた窒素ガスにクロロギ酸エステル
の蒸発分を同伴させて原料ガスに添加する方法、反応器
にフィードする配管とは別に設けたクロロギ酸エステル
気化器中で気化させたクロロギ酸エステルを窒素ガスに
同伴させる方法などがあるが、工業的に実施できる操作
を適宜採用することが好ましい。
【0024】以上のようにして、使用した亜硝酸エステ
ルに対応する目的生成物の炭酸エステルの他に、シュウ
酸ジエステル等の副生物、未反応の一酸化炭素及び亜硝
酸エステル、一酸化窒素、二酸化炭素などを含む反応ガ
スが反応器から導出されるが、炭酸エステルは、この反
応ガスを冷却した後、一酸化炭素、亜硝酸エステル、一
酸化窒素、二酸化炭素などの未凝縮ガスをパ−ジしなが
ら再度反応器に循環せしめる一方、例えば、蒸留等の常
法により容易に分離精製することができる。なお、本発
明の方法によって製造される炭酸エステルは、例えば、
炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジn−プロピル等の
炭酸ジアルキルエステル、炭酸ジシクロヘキシル等の炭
酸ジシクロアルキルエステル、炭酸ジベンジル等の炭酸
ジアラルキルエステルを挙げることができるが、本発明
では特に炭酸ジメチルなどの炭酸ジ低級アルキルエステ
ルを好適に製造することができる。
【0025】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明の方
法を具体的に説明するが、これらは本発明の方法を何ら
限定するものではない。なお、各実施例及び比較例にお
ける空時収量STY(g/l・hr)は、一酸化炭素と
亜硝酸メチルの接触反応時間をθ(hr)、その間に生
成した炭酸ジメチルの量をa(g)、そして反応管への
触媒の充填量をb(l)として次式により求めた。
【0026】
【数1】
【0027】また、各実施例及び比較例における炭酸ジ
メチルの一酸化炭素基準の選択率X(%)及び亜硝酸エ
ステル基準の選択率Y(%)は、所定反応条件における
転化率より、上記のθ(hr)に生成した炭酸ジメチ
ル、シュウ酸ジメチル、二酸化炭素、ギ酸メチル及びメ
チラ−ルの量をc(mol)、d(mol)、e(mo
l)、f(mol)及びg(mol)として次式により
それぞれ求めた。
【0028】
【数2】
【0029】
【数3】
【0030】実施例1 〔触媒の調製〕塩化パラジウム(PdCl2 )0.17
8g(1mmol)、塩化第二銅(CuCl2 ・2H2
O)0.340g(2mmol)及び塩化セリウム6水
和物(CeCl3 ・6H2 O)0.746g(2mmo
l)をメタノ−ル40mlに40〜50℃で加熱溶解さ
せ「Pd、Cu及びCe含有溶液」を調製した。これ
に、粒状活性炭10gを浸漬して1時間攪拌した。その
後、減圧下、50℃でメタノ−ルを蒸発除去し、更に、
窒素雰囲気中、200℃で乾燥して触媒を調製した。得
られた触媒の組成はPdCl2 −CuCl2 −CeCl
3 /C(活性炭)であり、触媒中の金属化合物の担持量
はPdが金属換算で担体に対して1重量%で、Pd:C
u:Ce=1:2:2(原子比)であった。
【0031】〔炭酸ジメチルの合成〕上記の触媒1.5
mlを内径20mmの気相反応管(外部ジャケット付)
に充填した後、この反応管を垂直に固定し、反応管ジャ
ケットに熱媒を循環させて、触媒層内温度が120℃に
なるように加熱制御した。次いで、一酸化窒素、酸素及
びメタノ−ルから合成した亜硝酸メチルを含むガスと一
酸化炭素との混合ガス、即ち、亜硝酸メチル:8容量
%、一酸化炭素:8容量%、一酸化窒素:3容量%、メ
タノ−ル:10容量%、窒素:71容量%の組成からな
る原料ガスを、反応管の上部から8000hr-1の空間
速度(GHSV)で供給し、常圧下、反応温度120℃
で反応を行った。反応管を通過した反応生成物を氷冷し
たメタノ−ル中に捕集し、得られた捕集液をガスクロマ
トグラフィ−によって分析した結果、反応開始4時間後
の炭酸ジメチルのSTYは475g/l・hrで、炭酸
ジメチルの一酸化炭素基準及び亜硝酸メチル基準の選択
率はそれぞれ95%及び97%であった。
【0032】比較例1 〔触媒の調製〕実施例1において塩化セリウム6水和物
(CeCl3 ・6H2 O)を用いなかった以外は、実施
例1と同様に触媒を調製した。得られた触媒の組成はP
dCl 2 −CuCl2 /C(活性炭)であり、触媒中の
金属化合物の担持量はPdが金属換算で担体に対して1
重量%で、Pd:Cu=1:2(原子比)であった。 〔炭酸ジメチルの合成〕上記の触媒を用いた以外は、実
施例1と同様に炭酸ジメチルの合成を行って生成物を分
析した。その結果、反応開始4時間後の炭酸ジメチルの
STYは494g/l・hrで、炭酸ジメチルの一酸化
炭素基準及び亜硝酸メチル基準の選択率はそれぞれ88
%及び89%であった。
【0033】実施例2〜17及び比較例2 〔触媒の調製〕実施例1におけると同様に、白金族金属
化合物、ランタノイド系金属化合物、更に、鉄、銅、ビ
スマス、コバルト、ニッケル、錫、バナジウム、モリブ
デン及びタングステンの中から選ばれた少なくとも1種
類の金属の化合物を担持して、表1に示す触媒組成及び
金属成分比(原子比)を有する触媒を調製した。 〔炭酸ジメチルの合成〕上記の触媒をそれぞれ用いた以
外は、実施例1と同様に炭酸ジメチルの合成を行って生
成物を分析した。それらの結果を表1に示した。
【0034】
【表1】
【0035】実施例18 〔炭酸ジメチルの合成〕実施例2における触媒5mlを
内径17mmの気相反応管(外部ジャケット付)に充填
して、実施例1と同様に触媒層内温度が120℃になる
ように加熱制御した後、亜硝酸メチル:10容量%、一
酸化炭素:20容量%、一酸化窒素:4容量%、メタノ
−ル:9容量%、塩化水素:20容量ppm、窒素:5
7容量%の組成からなる原料ガスを4000hr-1の空
間速度(GHSV)で供給し、反応圧3kg/cm
2 G、反応温度120℃で反応を行って生成物を分析し
た。その結果、炭酸ジメチルのSTYは、反応開始4時
間後に600g/l・hrであったものが反応開始10
時間後に500g/l・hrまで低下したが、その後、
反応開始100時間後の反応終了時まで500g/l・
hrで変わらなかった。また、炭酸ジメチルの一酸化炭
素基準及び亜硝酸メチル基準の選択率は、反応開始4時
間後にそれぞれ97%及び98%であったものが反応開
始10時間後に95%及び96%になったが、その後、
反応終了時までほぼ一定であった。
【0036】比較例3 〔炭酸ジメチルの合成〕比較例1における触媒5mlを
使用した以外は、実施例18と同様に反応を行って生成
物を分析した。その結果、炭酸ジメチルのSTYは、反
応開始4時間後に500g/l・hrであったものが反
応開始10時間後に400g/l・hrまで低下した
が、その後、反応開始100時間後の反応終了時まで4
00g/l・hrで変わらなかった。また、炭酸ジメチ
ルの一酸化炭素基準及び亜硝酸メチル基準の選択率は、
反応開始4時間後にそれぞれ88%及び90%であった
ものが反応開始10時間後に83%及び85%になった
が、その後、反応終了時までほぼ一定であった。
【0037】比較例4 〔炭酸ジメチルの合成〕比較例1における触媒5mlを
使用して、実施例18において塩化水素を添加しなかっ
た以外は、実施例18と同様に反応を行って生成物を分
析した。その結果、炭酸ジメチルのSTYは、反応開始
4時間後に500g/l・hrであったものが反応開始
10時間後で350g/l・hrまで低下し、更に反応
開始20時間後で250g/l・hr、反応開始30時
間後で150g/l・hr、反応開始50時間後で75
g/l・hrまで低下した。また、炭酸ジメチルの一酸
化炭素基準及び亜硝酸メチル基準の選択率は、反応開始
4時間後にそれぞれ88%及び89%であったが、以
後、反応開始10時間後で82%及び84%、反応開始
20時間後で76%及び78%、反応開始30時間後で
68%及び70%、反応開始50時間後で60%及び6
3%であった。
【0038】実施例19 〔炭酸ジメチルの合成〕実施例14における触媒5ml
を使用した以外は、実施例18と同様に反応を行って生
成物を分析した。その結果、炭酸ジメチルのSTYは、
反応開始4時間後に450g/l・hrであったものが
反応開始10時間後に350g/l・hrまで低下した
が、その後、反応開始100時間後の反応終了時まで3
50g/l・hrで変わらなかった。また、炭酸ジメチ
ルの一酸化炭素基準及び亜硝酸メチル基準の選択率は、
いずれも反応開始4時間後に98%であったものが反応
開始10時間後に96%になり、その後、反応終了時ま
でそれぞれほぼ一定であった。
【0039】実施例20 〔触媒の調製〕実施例14における粒状活性炭をγ−ア
ルミナ(BET表面積:190m2 /g)に変えた以外
は、実施例14と同様に触媒を調製した。得られた触媒
の組成はPdCl2 −CeCl3 /Al2 3 であり、
触媒中の金属化合物の担持量はPdが金属換算で担体に
対して1.5重量%で、Pd:Ce=1:2(原子比)
であった。 〔炭酸ジメチルの合成〕上記の触媒2.5mlを内径1
0mmの気相反応管(外部ジャケット付)に充填して、
触媒層内温度が100℃になるように実施例1と同様に
加熱制御した後、亜硝酸メチル:25容量%、一酸化炭
素:25容量%、一酸化窒素:2容量%、メタノ−ル:
8容量%、塩化水素:500容量ppm、窒素:40容
量%の組成からなる原料ガスを8000hr-1の空間速
度(GHSV)で供給し、常圧下、反応温度100℃で
反応を行って生成物を分析した。その結果、炭酸ジメチ
ルのSTYは、反応開始4時間後に880g/l・hr
で、その後、反応開始50時間後の反応終了時まで88
0g/l・hrで変わらなかった。また、炭酸ジメチル
の一酸化炭素基準及び亜硝酸メチル基準の選択率は、反
応開始4時間後にそれぞれ98%及び96%で、その
後、反応終了時までほぼ一定であった。
【0040】実施例21 〔炭酸ジメチルの合成〕実施例18における塩化水素を
クロロギ酸メチル:100容量ppmに変更した以外
は、実施例18と同様に反応を行って生成物を分析し
た。その結果、炭酸ジメチルのSTYは、反応開始4時
間後に550g/l・hrで、その後、反応開始100
時間後の反応終了時まで550g/l・hrで変わらな
かった。また、炭酸ジメチルの一酸化炭素基準及び亜硝
酸メチル基準の選択率は、反応開始4時間後にそれぞれ
97%及び98%で、その後、反応終了時までほぼ一定
であった。
【0041】比較例5 〔炭酸ジメチルの合成〕比較例1における触媒5mlを
使用した以外は、実施例21と同様に反応を行って生成
物を分析した。その結果、炭酸ジメチルのSTYは、反
応開始4時間後に500g/l・hrであったものが、
反応開始100時間後の反応終了時まで500g/l・
hrで変わらなかった。また、炭酸ジメチルの一酸化炭
素基準及び亜硝酸メチル基準の選択率は、反応開始4時
間後にそれぞれ88%及び89%で、その後、反応終了
時までほぼ一定であった。
【0042】実施例22 〔炭酸ジメチルの合成〕実施例19における塩化水素を
クロロギ酸メチル:100容量ppmに変更した以外
は、実施例19と同様に反応を行って生成物を分析し
た。その結果、炭酸ジメチルのSTYは、反応開始4時
間後に450g/l・hrで、その後、反応開始100
時間後の反応終了時まで450g/l・hrで変わらな
かった。また、炭酸ジメチルの一酸化炭素基準及び亜硝
酸メチル基準の選択率は、反応開始4時間後にいずれも
98%で、その後、反応終了時までそれぞれほぼ一定で
あった。
【0043】実施例23 〔炭酸ジメチルの合成〕実施例20における塩化水素を
クロロギ酸メチル:500容量ppmに変え、反応温度
を90℃に変更した以外は、実施例20と同様に反応を
行って生成物を分析した。その結果、炭酸ジメチルのS
TYは、反応開始4時間後に880g/l・hrで、そ
の後、反応開始50時間後の反応終了時まで880g/
l・hrで変わらなかった。また、炭酸ジメチルの一酸
化炭素基準及び亜硝酸メチル基準の選択率は、反応開始
4時間後にそれぞれ98%及び96%で、その後、反応
終了時までほぼ一定であった。実施例18〜23及び比
較例3〜5の結果を表3に示す。
【0044】
【表2】
【0045】実施例24 〔触媒の調製〕実施例1における塩化セリウム6水和物
(CeCl3 ・6H2 O)0.746g(2mmol)
を塩化イッテルビウム6水和物(YbCl3 ・6H
2 O)1.550g(4mmol)に変えた以外は実施
例1と同様にして触媒を調製した。得られた触媒の組成
はPdCl2 −CuCl2 −YbCl3 /C(活性炭)
であり、触媒中の金属化合物の担持量はPdが金属換算
で担体に対して1重量%で、Pd:Cu:Yb=1:
2:4(原子比)であった。
【0046】〔炭酸ジメチルの合成〕上記の触媒5ml
を使用した以外は、実施例18と同様に反応を行って生
成物を分析した。その結果、炭酸ジメチルのSTYは、
反応開始4時間後に550g/l・hrであったものが
反応開始10時間後に450g/l・hrまで低下した
が、その後、反応開始100時間後の反応終了時まで4
50g/l・hrで変わらなかった。また、炭酸ジメチ
ルの一酸化炭素及び亜硝酸メチル基準の選択率は、反応
開始4時間後にそれぞれ96%および97%であったも
のが反応開始10時間後に94%及び95%になった
が、その後、反応終了時までほぼ一定であった。
【0047】実施例25 〔触媒の調製〕実施例1における塩化パラジウム(Pd
Cl2 )0.178g(1mmol)、塩化第二銅(C
uCl2 ・6H2 O)0.340g(2mmol)及び
塩化セリウム6水和物(CeCl3 ・6H2 O)0.7
46g(2mmol)を、塩化パラジウム(PdC
2 )0.534g(3mmol)、塩化イッテルビウ
ム6水和物(YbCl3 ・6H2 O)2.325g(6
mmol)に変えた以外は実施例1と同様にして触媒を
調製した。得られた触媒の組成はPdCl2 −YbCl
3 /C(活性炭)であり、触媒中の金属化合物の担持量
はPdが金属換算で担体に対して3重量%で、Pd:Y
b=1:2(原子比)であった。
【0048】〔炭酸ジメチルの合成〕上記の触媒5ml
を使用した以外は、実施例18と同様に反応を行って生
成物を分析した。その結果、炭酸ジメチルのSTYは、
反応開始4時間後に420g/l・hrであったものが
反応開始10時間後に380g/l・hrまで低下した
が、その後、反応開始100時間後の反応終了時まで3
80g/l・hrで変わらなかった。また、炭酸ジメチ
ルの一酸化炭素及び亜硝酸メチル基準の選択率は、反応
開始4時間後にそれぞれ98%であったものが反応開始
10時間後にそれぞれ97%になったが、その後、反応
終了時までほぼ一定であった。
【0049】
【発明の作用効果】本発明の白金族金属又はその化合物
とランタノイド金属又はその化合物を担体に担持した固
体触媒の存在下で一酸化炭素と亜硝酸エステルの接触反
応を行う方法により、従来公知の方法が反応速度及び選
択率において必ずしも満足のいくものではなく、また、
触媒寿命においても工業的には充分ではなかったという
問題を解決して、極めて高い反応速度及び選択率で長期
間安定して炭酸エステルを製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 祥史 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 蔵藤 敏雄 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白金族金属又はその化合物と、ランタノ
    イド系金属又はその化合物を担体に担持した固体触媒の
    存在下、一酸化炭素と亜硝酸エステルを接触反応させる
    ことを特徴とする炭酸エステルの製造法。
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