JP2870738B2 - 炭酸ジエステルの製造法 - Google Patents

炭酸ジエステルの製造法

Info

Publication number
JP2870738B2
JP2870738B2 JP4264755A JP26475592A JP2870738B2 JP 2870738 B2 JP2870738 B2 JP 2870738B2 JP 4264755 A JP4264755 A JP 4264755A JP 26475592 A JP26475592 A JP 26475592A JP 2870738 B2 JP2870738 B2 JP 2870738B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
nitrite
gas
carbon monoxide
raw material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4264755A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06116209A (ja
Inventor
宣明 真田
敏雄 蔵藤
祥史 山本
村上  真人
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP4264755A priority Critical patent/JP2870738B2/ja
Publication of JPH06116209A publication Critical patent/JPH06116209A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2870738B2 publication Critical patent/JP2870738B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一酸化炭素と亜硝酸
エステルとから炭酸ジエステルを製造する方法におい
て、固体触媒を用いて前記原料ガスとの気相接触反応を
行う際に、原料ガス中に含有される水分を除去すること
により、長時間安定して、選択的にかつ高収率で炭酸ジ
エステルを製造する方法に関する。炭酸ジエステルは、
ポリカーボネートやウレタン等のポリマ−や医農薬製造
の中間体および種々の化学薬品の合成原料として、ま
た、溶剤として工業的に有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】従来の炭酸ジエステルの製造方法として
は、ホスゲンとアルコ−ルとを反応させる方法が非常に
古くから実施されているが、ホスゲンは毒性が極めて強
く環境衛生上使用しないことが望まれている。また、ホ
スゲンとアルコ−ルとの反応で塩酸が副生するため装置
材質に腐食を来すので、高価な材質を選択する必要があ
り工業上に問題があることなどホスゲンを使用しない製
造法が望まれていた。
【0003】このことからホスゲンを使用しない製造法
として、アルコ−ルと一酸化炭素より炭酸ジエステルを
合成する方法等が各方面で研究され、提案されている
(例えば、特開昭60−75447号公報、特開昭63
−72650号公報、特開昭63−38010号公報な
どを参照)。これらは、ハロゲン化銅、ハロゲン化パラ
ジウム等を触媒として用い、アルコ−ルと一酸化炭素と
の酸素酸化反応により液相中で炭酸ジエステルを合成す
る方法であるが、二酸化炭素が副生するために一酸化炭
素基準の炭酸ジエステルの選択率が低く、また反応水の
生成により炭酸ジエステルの精製にも手間がかかるとい
う欠点がある。さらに、これらの特許に開示されている
方法により炭酸ジエステルの製造を行う場合は、生成物
と触媒とを分離する工程が必要であり、必ずしも産業上
有利な方法であるとは言えない。
【0004】また、その改良法として、例えば、亜硝酸
エステルと一酸化炭素を、白金族金属もしくはその化合
物を担体に担持した固体触媒および一酸化炭素当たりO
2 として10モル%以上の酸化剤の存在下、気相で反応
させることからなる炭酸ジエステルの製造法が、特開昭
60−181051号公報に提案されている。しかしな
がら、この方法は、シュウ酸ジエステルの副生を抑える
ために、一酸化炭素に対して上記のような割合で酸素等
の酸化剤を共存させているにもかかわらず、かなりの量
のシュウ酸ジエステルが副生しており、炭酸ジエステル
の選択率が低いと共に、反応速度も寿命に関しても十分
満足するものではない。更には活性の低下が大きいとい
う欠点を有している。また、反応に供される亜硝酸エス
テル、一酸化炭素、アルコ−ル、酸素等から成る混合ガ
スを使用するため、安全上からも問題があるなど、工業
的には必ずしも満足できる方法ではない。
【0005】また、一酸化炭素と亜硝酸メチルを気相で
接触反応させて炭酸ジメチルを製造する方法において、
特開平3−141243号や特願平2−257042号
公報に開示されているように塩化パラジウムや硫酸パラ
ジウム等の白金族金属の化合物と鉄、銅、ビスマス、コ
バルト、ニッケルおよび錫からなる群から選ばれた少な
くとも1種類の金属化合物を活性炭などの担体に担持し
た触媒を使用する炭酸ジメチルを製造する方法が開示さ
れているが、工業上使用するための触媒の長寿命化が十
分でなかったのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】亜硝酸エステルを使用
する公知の炭酸ジエステルの製造方法は、前述したよう
に、一酸化炭素と亜硝酸エステルとの反応速度および寿
命が十分ではなく、また、炭酸ジエステルの選択率も低
いため、生成した炭酸ジエステルの精製処理が煩雑にな
るという欠点があったのである。さらには、反応系にお
ける亜硝酸エステル、一酸化炭素、アルコ−ル、酸素等
から成る混合ガスを使用するため、操作上危険を伴うと
いう問題もあったのである。本発明の目的は、反応生成
物の分離、回収が容易な気相法により、温和な反応条件
下に、高収率でかつ高選択率で炭酸ジエステルを得るこ
とが出来、また触媒の劣化が殆どないため長時間安定し
て炭酸ジエステルを製造することが出来る長寿命化を目
的とした安定に製造し得る工業的に好適な炭酸ジエステ
ルの製造法を提供することにある。特に、実用的な固定
床気相法プロセスにおいては、触媒活性が長期にわたっ
て安定していることが重要であり、この発明は、そのよ
うな要望に添った炭酸ジエステルの製造法を提供するも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明者らは、従来公
知の炭酸ジエステルの製造法における前述したような問
題点を克服すべく、一酸化炭素と亜硝酸エステルとの気
相接触反応によって炭酸ジエステルを製造する際の触媒
の反応条件等、亜硝酸エステル使用による炭酸ジエステ
ルの合成反応について鋭意検討した結果、温和な反応条
件下、固体触媒を使用し、一酸化炭素、亜硝酸エステル
を含有する原料ガス中の水分を除去し低減すれば、極め
て高収率で触媒活性が長期にわたって安定した状態で目
的生成物の炭酸ジエステルが得られることを見いだして
この発明に到達した。
【0008】本発明は、一酸化炭素と亜硝酸エステルを
固体触媒下、気相接触反応させることにより、炭酸ジエ
ステルを製造する方法において、一酸化炭素と亜硝酸エ
ステルを含有する原料ガス中の水分を除去して、含有す
る水分を1000ppm以下に制御した原料ガスで、固
体触媒存在下、気相接触反応を行い炭酸ジエステルを生
成させることを特徴とする炭酸ジエステルの製造法に関
する。
【0009】すなわち、本発明では、反応に供給する一
酸化炭素と亜硝酸エステルを含有する原料ガス中の水分
を低減させるために、原料ガスについて反応の前処理と
して冷却法および/または脱水剤によって水分の低減ま
たは除去を行った原料ガスを固体触媒存在下で気相接触
反応を行うことによって、触媒活性が長期にわたって安
定に推移し、炭酸ジエステルを選択的に高い収率で長期
間安定に製造し得ることを見いだし、この発明に到達し
た。
【0010】この発明で使用される亜硝酸エステルとし
ては、亜硝酸メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸n−(また
はi−)プロピル、亜硝酸n−(またはi−)ブチル、
亜硝酸sec−ブチル等の炭素数1〜4個の低級脂肪族
一価アルコ−ルの亜硝酸エステル、亜硝酸シクロヘキシ
ル等の脂環式アルコ−ルの亜硝酸エステル、亜硝酸ベン
ジル、亜硝酸フェニルエチル等のアルアルキルアルコ−
ルの亜硝酸エステルなどが好適に挙げられるが、特に前
記の炭素数1〜4個の低級脂肪族一価アルコ−ルの亜硝
酸エステルが好ましく、中でも亜硝酸メチルが最も好ま
しい。
【0011】また、この発明で用いられる固体触媒は、
パラジウム化合物と、その他の金属の化合物を活性炭担
体に担持したものであればよい。パラジウム化合物は、
塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、
フッ化パラジウム、のハロゲン化物又は硝酸塩、硫酸
塩、酢酸塩であるが、特に好適には塩化パラジウム、臭
化パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウムが使用
される。また、その他の金属の化合物として例えば、
鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニッケル、錫等の金属の
化合物を使用するが、これら金属の塩化物、臭化物、沃
化物、弗化物等のハロゲン化合物、硝酸塩、硫酸塩、燐
酸塩、酢酸塩などの無機塩や有機塩が好ましく中でも前
記のハロゲン化合物または硫酸塩が特に好適に挙げられ
る。
【0012】そして、担体に担持する前記パラジウムの
担持量は、パラジウム金属換算で担体に対し、通常0.
1〜10重量%、特には0.5〜2重量%が好ましい。
また、その他の金属の化合物として例えば、鉄、銅、ビ
スマス、コバルト、ニッケル、錫等の金属の化合物の担
持量は、これら金属の量に換算してパラジウムに対して
0.1〜50グラム原子当量、好ましくは1〜10グラ
ム原子当量であることが好ましい。
【0013】また、この発明では、上記の触媒は、粉
末、粒状のもの、もしくは成形体が使用されるが、その
サイズについては、特に限定されるものではなく、粉末
の場合は、通常用いられる20〜100μmのもの、そ
して粒状の場合は、4〜200メッシュ程度の通常用い
られるものが好適である。また、成形体の場合は、通常
数mmのものが好適に用いられる。
【0014】一酸化炭素と亜硝酸エステルを含有する原
料ガスと固体触媒との接触反応は、非常に温和な条件下
で行えるのもこの発明の一つの特徴である。例えば、0
〜200℃、好ましくは50〜140℃の温度で、常圧
で行われ得る。もちろん、加圧系でも問題なく行うこと
ができ、1〜20kg/cm2 Gの圧力および50〜1
40℃の温度の範囲で実施することができる。
【0015】使用する原料ガス中の亜硝酸エステルは、
例えば、亜硝酸ソーダ水溶液の硝酸もしくは硫酸分解に
より、一酸化窒素(NO)および二酸化窒素(NO2
の混合ガスを発生させ、次いで、この混合ガス中のNO
の一部を分子状酸素で酸化してNO2 と成して、NO/
NO2 =1/1(容量比)のNOx ガスを得、これにア
ルコールを接触させることにより、容易に合成されるも
のであるが、この亜硝酸エステルの合成までを含めて考
えると、前記一酸化炭素と亜硝酸エステルとの接触反応
は、2〜3kg/cm2 G程度の若干の加圧系の方が特
に望ましい。前記一酸化炭素と亜硝酸エステルとの反応
の形式としては、気相で、バッチ式、連続式の何れでも
行うことができるが、連続式の方が工業的には有利であ
る。また、触媒の反応系への存在形態としては、固定床
または流動床の何れの反応器を用いても実施することが
できる。
【0016】この発明では、原料ガスの一酸化炭素およ
び亜硝酸エステルは、窒素ガス等の不活性ガスで希釈し
て前記の反応器にフィ−ドされることが望ましいが、そ
の組成としては、反応上からは特に限定されるものでは
ない。しかし、安全上の観点からすれば、前記亜硝酸エ
ステルの濃度は、20容量%以下、好ましくは5〜20
容量%であることが望ましい。それに伴い、一酸化炭素
の濃度は、5〜20容量%の範囲にするのが経済的に好
ましい。
【0017】工業的な製造プロセスの場合は、反応に供
する一酸化炭素、亜硝酸エステル等のガスは循環使用
し、該循環ガスの一部を系外へパ−ジすることが好まし
く、また、一酸化炭素のワンパスの転化率が20〜30
%程度であることからして、一酸化炭素の濃度を20容
量%より高くしてもロスが増えるだけであり、また、5
容量%より低くすると生産性が落ちるなどの問題を生じ
ることがある。しかし、この経済性を無視すれば、一酸
化炭素の濃度は、実際には80容量%までは可能であ
る。つまり、亜硝酸エステルを、前記不活性ガスの代わ
りに一酸化炭素で希釈した形でフィ−ドすることも可能
なのである。
【0018】原料ガス中の一酸化炭素と亜硝酸エステル
の使用割合は、亜硝酸エステル1モルに対して、一酸化
炭素が、0.1〜10モル、好ましくは0.25〜2モ
ルの範囲であることが望ましい。また、この発明では、
前記反応器にフィ−ドされる、一酸化炭素および亜硝酸
エステルを含有するガスの空間速度は、500〜200
00hr-1の範囲、好ましくは2000〜15000h
-1の範囲で行うことが望ましい。さらに、この発明の
製法では、前記の亜硝酸エステルは、反応に携わった
後、分解して一酸化窒素(NO)を発生するが、前記反
応器から導出される反応ガスから、このNOを回収し、
酸素および前記亜硝酸エステルに対応するアルコ−ルと
反応させて、再度亜硝酸エステルに変換せしめ、循環使
用することが好ましい。
【0019】本発明では、前記反応器にフィ−ドされる
一酸化炭素と亜硝酸エステルを含有する原料ガスを前記
した固体触媒存在下にて気相接触反応させる前に、前処
理工程として、一酸化炭素と亜硝酸エステルを含有する
原料ガス中の水分を低減または除去させるために、原料
ガスを反応の前処理工程として冷却法および/または脱
水剤によって水分の低減または除去を行うという原料ガ
スの前処理を行うのである。
【0020】原料ガス中の微量の水分を低減または除去
させる方法として、原料ガスの冷却法は、反応器にフィ
−ドする配管の途中にコールドトラップを設け原料ガス
中の水分の露点温度以下に冷却することにより水分を凝
縮し除去することにより、原料ガス中の水分を低減さす
ことによって、高収率、高選択で炭酸ジエステルが製造
し得るのである。ここで使用するコールドトラップは、
通常使用される方法でよく、温度は20〜−10℃、好
ましくは、5〜−5℃程度が好ましい。
【0021】原料ガス中の水分を脱水剤によって低減ま
たは除去させる方法での脱水剤としては、モレキュラシ
ーブ、シリカゲル、活性炭、塩化カルシウム等を用い、
反応系に供給する原料ガスを接触することにより水分を
吸着・吸収剤として用いることができ、飽和した脱水剤
は系外に取り出して、これらは熱処理によって水分を脱
着し、再度、繰り返し使用することが可能である。脱水
剤充填塔にフィ−ドされる、一酸化炭素および亜硝酸エ
ステルを含有するガスの空間速度は、好ましくは500
〜20000hr-1の範囲で行うことが望ましい。ま
た、脱水処理の温度条件は、150〜−10℃、好まし
くは、100〜−5℃程度が好ましい。脱水剤を充填し
た塔を通過させ反応系に供給する原料ガス中の水分を低
減さすことによって、高選択率、高収率で長期的に触媒
を高性能に保持することが出来るのである。
【0022】なお、原料の亜硝酸エステルは、前述した
ように、通常、アルコールと窒素酸化物を必要に応じて
分子状酸素の存在下に反応させて調整され、そのガス中
には亜硝酸エステルの他に、未反応のアルコール、窒素
酸化物(特に一酸化窒素)、場合によっては微量の水が
含まれている。この発明では、上記した方法で水を低減
するか除去する前処理工程を行って反応系に供給するこ
とによって、このような亜硝酸エステル含有ガスを、亜
硝酸エステル源として使用する場合に特に好結果が得ら
れるのである。通常、反応系に供給する原料ガスを中に
含有される水分量は、連続処理の場合、例えば前記循環
ガス中には2000〜3000ppm程度であるが、前
述した前処理によって水分量を1000ppm以下、好
ましくは500ppm以下に低減し制御したことにより
選択的に高収率で長期的に安定な炭酸ジエステルの製造
が可能である。
【0023】以上のようにして、反応器から目的生成物
の炭酸ジエステルの他に、シュウ酸ジエステル等の副生
物、未反応の一酸化炭素および亜硝酸エステル、一酸化
窒素、二酸化炭素、不活性ガス、少量の水などを含む反
応ガスが導出されるが、例えば、この反応ガスを冷却
後、一酸化炭素、亜硝酸エステル、一酸化窒素、二酸化
炭素、不活性ガス、少量の水蒸気等を含む未凝縮ガス
は、前述した如く、その一部をパージしながら、再度反
応器に循環せしめる一方、凝縮液から例えば蒸留等の常
法により炭酸ジエステルを分離精製するのである。
【0024】
【実施例】次に、実施例および比較例を上げて、本発明
の方法を具体的に説明するが、これらは本発明を何ら限
定するものではない。なお、各実施例および比較例にお
ける空時収率STY(g/l・h)は、一酸化炭素と亜
硝酸メチルの接触反応時間θ(h)、その間に生成した
炭酸ジメチルの量をa(g)、そして反応管への触媒の
充填量b(l)として、次式より求めた。
【0025】
【数1】
【0026】また、各実施例および比較例における活性
低下率D(%/h)は、所定反応条件下で、反応初期
(反応を開始してから2h経過後)の空時収率Yo(g
/l・h)と反応を開始してからt時間経過後の空時収
率Yt との間で次式によって求めた。
【0027】
【数2】
【0028】実施例1 (触媒調整)塩化パラジウム(PdCl2 )0.83g
および塩化第二銅(CuCl2 ・2H2 O)1.60g
を5%アンモニア水70mlに70〜80℃で加熱溶解
させ、Pd,Cu含有溶液を調整した。この中に十分に
乾燥した活性炭50gを添加し、攪拌しながら1時間P
d,Cu含有溶液を活性炭に含浸させた。その後80℃
減圧下にて水分を蒸発除去し、さらに窒素気流中200
℃,1時間熱処理を行い触媒を調整した。得られた触媒
中の金属化合物の担持量は、Pdが金属として担体に1
wt%、そしてCu/Pd=2(原子比)であった。
【0029】(炭酸ジメチルの合成)上記触媒2.5m
lを内径13mmφの気相反応管(外部ジャケット付
き)に充填した後、この反応管を垂直に固定し反応管ジ
ャケットに熱媒を循環させて触媒層内温度が120℃に
なるように加熱制御した。この反応管上部から3℃コー
ルドトラップを通過した一酸化窒素、酸素およびメタノ
ールより合成した亜硝酸メチルを含むガスと一酸化炭素
との混合ガス、すなわち、亜硝酸メチル:10容量%、
一酸化炭素:10容量%、一酸化窒素:3容量%、メタ
ノール:5容量%および窒素:72容量%の組成からな
るガスを8000h-1の空間速度(GHSV)で供給
し、常圧下での反応を行った。次いで、この反応管を通
過した反応生成物を氷冷されたメタノール中に捕集し
た。得られた捕集液をガスクロマトグラフィーによって
分析した結果、反応開始後2時間目の炭酸ジメチルのS
TYは550g/l.hであり、反応開始後10時間目
の炭酸ジメチルのSTYは505g/l.hであった。
この結果から、活性低下率Dは1.0%/hであった。
また、この反応における入口反応ガス中の含有水分量は
ガスクロマトグラフィーによる定量の結果800ppm
であった。
【0030】実施例2 実施例1で調整した触媒を使用して、原料ガス中の水分
除去の目的で、モレキュラシーブ3A:30ccを充填
塔に原料ガスを通過させた以外は実施例1と同様に反応
を行った。この時の入口反応ガス中の水分含有量は35
0ppmであった。また、反応開始後2時間目の炭酸ジ
メチルのSTYは595g/l.hであり、反応開始後
10時間目の炭酸ジメチルのSTYは561g/l.h
であった。したがってこの結果から、活性低下率Dは
0.7%/hであり、原料ガスの含有水分量の低減によ
り、触媒活性低下の抑制に顕著な効果が認められた。
【0031】実施例3 実施例1で調製した触媒を使用して、実施例2と同様の
炭酸ジメチル合成において、空間速度(GHSV)を4
000h-1にした以外は、実施例2と同様に反応を行っ
た。この時の入口反応ガス中の水分含有量は350pp
mであった。また、反応開始後2時間目の炭酸ジメチル
のSTYは570g/l.hであり、反応開始後10時
間目の炭酸ジメチルのSTYは562g/l.hであっ
た。したがってこの結果から、活性低下率Dは0.2%
/hであった。
【0032】実施例4 (触媒調製)塩化パラジウム(PdCl2 )0.83g
および塩化第二銅(CuCl2 ・2H2 O)1.60g
を1NのHCl水溶液70mlに70〜80℃で加熱溶
解させ、Pd,Cu含有溶液を調製した。この中に十分
に乾燥した活性炭50gを添加し、攪拌しながら1時間
Pd,Cu含有溶液を活性炭に含浸させた。その後80
℃減圧下にて水分を蒸発除去し、さらに窒素気流中20
0℃、1時間熱処理を行い触媒を調製した。得られた触
媒中の金属化合物の担持量は、Pdが金属として担体に
1wt%、そしてCu/Pd=2(原子比)であった。
この触媒を使用して、実施例2と同様の反応を行い炭酸
ジメチルの合成を行った。この時の入口反応ガス中の水
分含有量は380ppmであった。また、反応開始後2
時間目の炭酸ジメチルのSTYは630g/l.hであ
り、反応開始後10時間目の炭酸ジメチルのSTYは6
14g/l.hであった。したがってこの結果から、活
性低下率Dは0.3%/hであった。
【0033】実施例5 塩化第二銅(CuCl2 ・2H2 O)1.60gを蒸留
水70mlに溶解し、その溶液に塩化パラジウム(Pd
Cl2 )0.83g添加して70〜80℃で加熱溶解さ
せ、Pd,Cu含有溶液を調製した。この中に十分に乾
燥した活性炭50gを添加し、攪拌しながら1時間P
d,Cu含有溶液を活性炭に含浸させた。その後80℃
の減圧下にて水分を蒸発除去し、さらに窒素気流中20
0℃、1時間熱処理を行い触媒を調製した。得られた触
媒中の金属化合物の担持量は、Pdが金属として担体に
1wt%、そしてCu/Pd=2(原子比)であった。
この触媒を使用して、実施例2と同様の反応を行い炭酸
ジメチルの合成を行った。この時の入口反応ガス中の水
分含有量は320ppmであった。また、反応開始後2
時間目の炭酸ジメチルのSTYは605g/l.hであ
り、反応開始後10時間目の炭酸ジメチルのSTYは5
86g/l.hであった。したがってこの結果から、活
性低下率Dは0.4%/hであった。
【0034】比較例1 原料ガスを前処理せずに反応管に供給した。実施例1で
調製した触媒を使用して、この触媒2.5mlを内径1
3mmφの気相反応管(外部ジャケット付き)に充填し
た後、この反応管を垂直に固定し反応管ジャケットに熱
媒を循環させて触媒層内温度が120℃になるように加
熱制御した。この反応管上部から前処理しない原料ガス
の一酸化窒素、酸素およびメタノールより合成した亜硝
酸メチルを含むガスと一酸化炭素との混合ガス、すなわ
ち、亜硝酸メチル:10容量%、一酸化炭素:10容量
%、一酸化窒素:3容量%、メタノール:5容量%およ
び窒素:72容量%の組成からなるガスを8000h-1
の空間速度(GHSV)で供給し、常圧下での反応を行
った。
【0035】次いで、この反応管を通過した反応生成物
を氷冷されたメタノール中に捕集した。得られた捕集液
をガスクロマトグラフィーによって分析した結果、反応
開始後2時間目の炭酸ジメチルのSTYは503g/
l.hであり、反応開始後10時間目の炭酸ジメチルの
STYは353g/l.hであった。この結果から、活
性低下率Dは3.7%/hであった。また、この反応に
おける入口反応ガス中の含有水分量は、ガスクロマトグ
ラフィーによる定量の結果2700ppmであった。
【0036】各実施例及び比較例の結果は、それぞれ第
一表に示した。
【0037】
【表1】
【0038】
【本発明の作用効果】本発明の方法は、一酸化炭素と亜
硝酸エステルとから炭酸ジエステルを製造する方法にお
いて、固体触媒を用いて一酸化炭素と亜硝酸エステルを
含有する原料ガスとの気相接触反応を行う際に、反応に
供給する一酸化炭素と亜硝酸エステルを含有する原料ガ
ス中の微量の水分を低減または除去するために、原料ガ
スを反応の前処理として冷却法および/または脱水剤に
より水分の低減または除去を行って反応に供給する原料
ガスを、固体触媒存在下で気相接触反応を行うことによ
り使用する触媒の活性が長期にわたって安定に推移し、
選択的にかつ高収率で炭酸ジエステルを長期間安定に製
造する方法である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−141243(JP,A) 特開 平3−109358(JP,A) 特開 昭53−46901(JP,A) 特表 昭63−503460(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 69/96,68/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一酸化炭素と亜硝酸エステルを固体触媒
    下、気相接触反応させることにより、炭酸ジエステルを
    製造する方法において、一酸化炭素と亜硝酸エステルを
    含有する原料ガス中の水分を除去して、含有する水分を
    1000ppm以下に制御した原料ガスで、固体触媒存
    在下、気相接触反応を行い炭酸ジエステルを生成させる
    ことを特徴とする炭酸ジエステルの製造法。
JP4264755A 1992-10-02 1992-10-02 炭酸ジエステルの製造法 Expired - Lifetime JP2870738B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4264755A JP2870738B2 (ja) 1992-10-02 1992-10-02 炭酸ジエステルの製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4264755A JP2870738B2 (ja) 1992-10-02 1992-10-02 炭酸ジエステルの製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06116209A JPH06116209A (ja) 1994-04-26
JP2870738B2 true JP2870738B2 (ja) 1999-03-17

Family

ID=17407739

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4264755A Expired - Lifetime JP2870738B2 (ja) 1992-10-02 1992-10-02 炭酸ジエステルの製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2870738B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1072204C (zh) * 1996-12-28 2001-10-03 中国科学院福建物质结构研究所 一种碳酸二酯的合成方法
CN100391600C (zh) * 2006-04-30 2008-06-04 太原理工大学 合成碳酸二甲酯的催化剂及其制备方法
CN101786012B (zh) * 2010-03-10 2012-07-25 河北工业大学 一种复合载体多金属催化剂及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06116209A (ja) 1994-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5162563A (en) Process for preparing a diester of carboxylic acid
WO1992006066A1 (fr) Procede de production de diester de l'acide carbonique
US5231213A (en) Process for the preparation of dialkyl carbonates
JP2870738B2 (ja) 炭酸ジエステルの製造法
US4121039A (en) Process for producing an unsaturated glycol diester using a catalyst comprising palladium containing thorium as a promotor
JP2757885B2 (ja) 炭酸ジエステルの製造法
JP2937292B2 (ja) 炭酸ジメチルの連続製造方法
JPH06239807A (ja) 炭酸エステルの製造法
JPH04297445A (ja) 炭酸ジエステルの製造法
JP2812418B2 (ja) エステル化合物の製造法
US5426209A (en) Process for producing a carbonic acid diester
JP2709745B2 (ja) 炭酸ジエステルの製造方法
JPH0825961B2 (ja) 炭酸ジエステルの製造法
JPH04297443A (ja) 炭酸ジエステルの製造法
JP2850859B2 (ja) 炭酸ジエステルの製法及び触媒成分の活性低下抑制方法
JPH04297444A (ja) 炭酸ジエステルの製造法
JPH04139152A (ja) 炭酸ジエステルの製造法
JPS638930B2 (ja)
JP5464145B2 (ja) 非対称鎖状カーボネートの製造方法
US4420633A (en) Process for the preparation of an ester of formic acid
JPH04139153A (ja) 炭酸ジエステルの製法
JP2962454B2 (ja) 炭酸ジメチルの連続製造法
JPH04290848A (ja) 炭酸ジエステルの製造法
JP3206340B2 (ja) 炭酸ジメチルの連続的製造方法
JP4088695B2 (ja) アルデヒドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080108

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090108

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090108

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100108

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110108

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110108

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120108

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120108

Year of fee payment: 13

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120108

Year of fee payment: 13

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108

Year of fee payment: 14

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108

Year of fee payment: 14