JP2709745B2 - 炭酸ジエステルの製造方法 - Google Patents

炭酸ジエステルの製造方法

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JP2709745B2
JP2709745B2 JP2201146A JP20114690A JP2709745B2 JP 2709745 B2 JP2709745 B2 JP 2709745B2 JP 2201146 A JP2201146 A JP 2201146A JP 20114690 A JP20114690 A JP 20114690A JP 2709745 B2 JP2709745 B2 JP 2709745B2
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、炭酸ジエステルの製造方法に関し、より
詳しくは、一酸化炭素と亜硝酸エステルとから炭酸ジエ
ステルを選択的に製造する方法に関する。
炭酸ジエステルは、医薬、農薬等の有機合成原料とし
て、また、ポリカーボネートやウレタン等の製造のため
の中間体として非常に有用な化合物である。
〔従来技術の説明〕
炭酸ジエステルの製造方法としては、ホスゲンとアル
コールとを反応させる方法が非常に古くから実施されて
いるが、ホスゲンは毒性が極めて強く、また、ホスゲン
とアルコールとの反応で塩酸が多量に副生するため装置
材質上に問題があることなど、ホスゲンを使用しない製
造法が望まれていた。
このことからホスゲンを使用しない製造法として、ア
ルコールと一酸化炭素より炭酸ジエステルを合成する方
法等が各方面で研究され、提案されている(例えば、特
開昭60−75447号公報、特開昭63−72650号公報、特公昭
63−38018号公報、WO−87/7601号明細書などを参照)。
これらは、ハロゲン化銅、ハロゲン化パラジウム等を触
媒として用い、アルコールと一酸化炭素との酸素酸化反
応により炭酸ジエステルを合成する方法であるが、二酸
化炭素が副生するために一酸化炭素基準の炭酸ジエステ
ルの選択率が低く、また水の生成により炭酸ジエステル
の精製にも手間がかかるという欠点がある。
この改良法としては、例えば、亜硝酸エステルと一酸
化炭素を、白金族金属もしくはその化合物(例、白金族
金属の塩化物)を担体に担持した固体触媒および一酸化
炭素当たりO2として10モル%以上の酸化剤の存在下、気
相で反応させることからなる炭酸ジエステルの製造法
が、特開昭60−181051号公報に提案されている。
しかしながら、この方法は、シュウ酸ジエステルの副
生を抑えるために、一酸化炭素に対して上記のような割
合で酸素等の酸化剤を共存させているにもかかわらず、
かなりの量のシュウ酸ジエステルが副生しており、炭酸
ジエステルの選択率が低いと共に、反応速度も十分では
ない。また、反応に供される『亜硝酸エステル、一酸化
炭素、アルコール、酸素等から成る混合ガス』中におけ
る亜硝酸エステルの使用範囲が爆発限界を越えており、
安全上からも問題があるなど、工業的には必ずしも満足
できる方法ではない。
そこで、この発明者らは、これらの問題を克服する方
法として、白金族金属またはその化合物と、鉄、銅、ビ
スマス、コバルト、ニッケルおよび錫からなる群から選
ばれた少なくとも1種の金属の化合物とを担体に担持し
た新規固体触媒を用いて、一酸化炭素と亜硝酸エステル
とから炭酸ジエステルを製造する方法を既に提案してい
る(特願平1−274816号明細書(特開平3−141243号公
報)参照)。
この方法は、一酸化炭素と亜硝酸エステルの反応速度
および一酸化炭素基準の炭酸ジエステル選択率がともに
高く、さらに気相反応であるため、工業プロセスとして
も優れた方法である。
しかしながら、この方法で、『白金族金属またはその
化合物』として『白金族金属の塩化物』が用いられた場
合、この触媒系は、塩素分を含むものであるため、反応
中に微量の塩素分が飛散し、触媒活性が徐々に低下して
くる欠点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
この発明者らが先に特願平1−274816号の出願にて提
案した炭酸ジエステルの製造方法は、前述したように、
工業的規模の生産において高い優位性を有するものであ
るが、触媒の寿命が短いという問題があったのである。
そこで、この発明の目的は、反応生成物の分離回収が
容易な気相法により、温和な反応条件下に、炭酸ジエス
テルを高選択率、かつ、高収率で製造し得るとともに、
一酸化炭素と亜硝酸エステルとの気相接触反応系におけ
る触媒の寿命を延ばすことにより、長期間安定な状態で
炭酸ジエステルを製造し得る工業的に好適な炭酸ジエス
テルの製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
この発明者らは、先に特願平1−274816号の出願にて
提案した炭酸ジエステルの製造法における前述したよう
な、触媒の寿命が短いという問題を解決すべく鋭意検討
した結果、前述したような固体触媒を使用した一酸化炭
素と亜硝酸エステルとの反応系に、微量の塩化水素を共
存させると、目的生成物の炭酸ジエステルを、その生成
反応に対する前記固体触媒の活性を長期間維持した状態
で、極めて高収率で得ることができることを見出し、こ
の発明に到達した。
すなわち、この発明は、白金族金属の塩化物と、鉄、
銅、及びビスマスからなる群から選ばれた少なくとも1
種類の金属の化合物とを担体に担持した固体触媒の存在
下、かつ微量の塩化水素の存在下に一酸化炭素と亜硝酸
エステルとを気相接触反応させることを特徴とする炭酸
ジエステルの製造方法に関する。
〔本発明の各要件の詳しい説明〕
以下に、この発明の方法を詳しく説明する。
この発明で使用される亜硝酸エステルとしては、亜硝
酸メチル、亜硝酸エチル、亜硝酸n−(またはi−)プ
ロピル、亜硝酸n−(またはi−)ブチル、亜硝酸sec
−ブチル等の炭素数1〜4個の低級脂肪族一価アルコー
ルの亜硝酸エステル、亜硝酸シクロヘキシル等の脂環式
アルコールの亜硝酸エステル、亜硝酸ベンジル、亜硝酸
フェニルエチル等のアルアルキルアルコールの亜硝酸エ
ステルなどが好適に挙げられるが、特に前記の炭素数1
〜4個の低級脂肪族一価アルコールの亜硝酸エステルが
好ましく、中でも亜硝酸メチルおよび亜硝酸エチルが最
も好ましい。
また、この発明で用いられる固体触媒は、パラジウ
ム、白金、イリジウム、ルテニウム、ロジウム等の白金
族金属の塩化物と、鉄、銅、ビスマス、コバルト、ニッ
ケルおよび錫からなる群から選ばれた少なくとも1種類
の金属の化合物とを担体に担持したものが好ましい。
白金族金属の塩化物としては、具体的には、塩化パラ
ジウム、塩化白金、塩化イリジウム、塩化ルテニウムお
よび塩化ロジウムなとが挙げられ、中でも、パラジウ
ム、ルテニウムまたはロジウムの塩化物が特に好まし
く、さらには、塩化パラジウムが最も好ましい。
もちろん、この発明における『白金族金属の塩化物』
としては、上記のものに限定されるものではなく、塩化
水素の存在下において、上記の塩化物か或いは塩素が反
応に関与するような複合体を形成し得る『上述の白金族
金属または該金属の化合物』であってもよい。
このような白金族金属の化合物としては、該金属の臭
素酸塩、沃素酸塩、弗素酸塩等のハロゲン化合物、硝酸
塩、硫酸塩、燐酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、安息香酸塩
などが挙げられ、より具体的には、臭化パラジウム、沃
化パラジウム、弗化パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸
パラジウム、燐酸パラジウム、酢酸パラジウム、シュウ
酸パラジウム、安息香酸パラジウム、沃化ルテニウム、
臭化ロジウム、沃化ロジウム、硝酸ロジウム、硫酸ロジ
ウム、酢酸ロジウムなどが挙げられる。
一方、前記鉄、銅、ビスマス等の金属の化合物として
は、これら金属の塩化物、臭化物、沃化物、弗化物等の
ハロゲン化合物、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、酢酸塩など
が挙げられるが、中でも前記のハロゲン化合物が特に好
適に挙げられる。
白金族金属の塩化物、および、鉄、銅、ビスマスから
なる群から選ばれた少なくとも1種類の金属の化合物を
担持する担体としては、珪藻土、活性炭、シリコンカー
バイド、チタニア、アルミナなどが好適に挙げられる
が、活性炭が最も好ましい。
前記の白金族金属の塩化物、および、鉄、銅、ビスマ
ス等の金属の化合物の担持方法は、特別なものである必
要はなく通常実施される方法、すなわち、含浸法(浸漬
吸着法)、混練法、沈着法、共沈法等でよいが、この発
明では、含浸法または混練法により調製されることが望
ましい。
そして、担体に担持する前記白金族金属の塩化物の担
持量は、白金族金属の金属換算で担体に対し、通常0.1
〜10重量%、特には0.5〜2重量%が好ましい。
また、鉄、銅、ビスマス等の金属の化合物の担持量
は、これら金属の量に換算して白金族金属に対して1〜
50グラム原子当量、好ましくは1〜10グラム原子当量で
あることが好ましい。
この発明では、上記の触媒は、粉末もしくは粒状のも
のが使用されるが、その粒径については、特に限定され
るものではなく、粉末の場合は、通常用いられる20〜10
0μmのもの、そして粒状の場合は、4〜200メッシュ程
度の通常用いられるものが好適である。
また、この発明では、前述したように、白金族金属の
塩化物に加えて、さらに鉄、銅、ビスマスからなる群か
ら選ばれた少なくとも1種類の金属の化合物を、第2成
分として、担体に担持させた固体触媒を使用するのであ
るが、これら第2成分としての金属の化合物は、助触媒
的な役割を果たすものであり、これら金属化合物を上記
の量で担体に担持することによって、白金族金属の塩化
物単独担持の場合に比較して、一酸化炭素と亜硝酸エス
テルとの反応速度が大幅に向上し、かつ、触媒の失活速
度も遅くなるのである。
しかしながら、触媒の失活速度が遅くなると言って
も、触媒寿命の面からは、工業プロセスとして十分満足
の行くものではなく、従って、この発明では、白金族金
属の塩化物と、鉄、銅、ビスマスからなる群から選ばれ
た少なくとも1種の金属の化合物とを担体に担持した固
体触媒の存在下、一酸化炭素と亜硝酸エステルとを反応
させ、炭酸ジエステルを生成させるにあたり、該反応系
に微量の塩化水素を共存させ、反応中、触媒から微量の
塩素分が飛散して触媒の活性が徐々に低下してくるのを
防止することにより、長時間触媒を高活性に維持しなが
ら、前記一酸化炭素と亜硝酸エステルとの反応を行うこ
とが特に特徴的である。
この発明で使用する塩化水素は、無水のものであるこ
とが好ましい。
そして、この発明において、前記一酸化炭素と亜硝酸
エステルとの反応系に塩化水素を共存させる方法として
は、特に制限は設けないが、例えば以下に詳述するよう
に、微量の塩化水素を連続添加する方法、移動床形式の
反応器を用い、触媒の一部をその充填層から連続的に抜
き出して塩化水素に接触させた後、反応器に戻す方法な
どが好ましく、具体的には、後述するような、この発明
で実施可能な『反応形式』の内から採用された『前記一
酸化炭素と亜硝酸エステルとの反応の形式』に基づい
て、適当な方法を選定することが好ましい。
そこでまず、微量の塩化水素を連続添加する方法につ
いて説明する。塩化水素の添加量は、触媒中の白金族金
属に対し単位時間当たり1〜50モル%、好ましくは5〜
20モル%であることが望ましい。この添加量は、前記一
酸化炭素と亜硝酸エステルとの反応中に触媒から飛散す
る塩素分に相当する量であり、これより多く添加する
と、逆に、触媒への塩化水素の過剰吸着により、前記反
応が阻害されるので好ましくない。実際の反応例で具体
的に示すと、例えば、固定床反応器においてガス空間速
度(GHSV)3000hr-1で反応させる場合、フィードガス中
に10〜500容量ppm、好ましくは20〜100容量ppmの塩化水
素を添加し、連続的に触媒層へ供給して触媒から飛散す
る塩素分を補給することが好ましい。
次に、移動床形式での反応の場合の方法であるが、こ
れは、前述した如く、反応器中の触媒充填層から抜き出
した触媒に塩化水素ガスを接触・吸着させることによ
り、塩素飛散分を補給した後、反応器に戻す方法であ
る。抜き出した触媒に塩化水素を吸着させる方法は、通
常考えられる方法でよく、例えば、抜き出した触媒を適
当な容器に充填した後、温和な条件下に窒素で希釈した
塩化水素ガスを通じるだけでよい。この場合、塩化水素
の濃度としては、0.1〜10容量%が操作上適当である
が、これに限定されるべきものではなく、例えば、100
容量%でも差し支えない。また、塩化水素は速やかに触
媒に吸着されるので、塩化水素を前記の『抜き出し触
媒』に接触させる時間は、この接触操作の際の空間速度
(SV)にもよるが、1〜30分で十分である。なお、この
接触操作は、好ましくは常温、常圧下に実施されるが、
もちろんその範囲は限定されるものではなく、例えば、
温度については0〜200℃、圧力については−0.5〜5kg/
cm2Gの範囲でも十分実施できるのである。
ところで、この発明の方法によれば、一酸化炭素と亜
硝酸エステルの接触反応は、非常に温和な条件下で行わ
れ得るが、これもこの発明の一つの特徴となるものであ
る。例えば、0〜200℃、好ましくは50〜120℃の温度
で、常圧で行われ得る。もちろん、加圧系でも問題なく
行うことができ、1〜20kg/cm2Gの圧力および50〜150℃
の温度の範囲で実施することができる。
この発明において、前述したような原料の亜硝酸エス
テルは、例えば、亜硝酸ソーダ水溶液の硝酸もしくは硫
酸分解により、一酸化窒素(NO)および二酸化窒素(NO
2)の混合ガスを発生させ、次いで、この混合ガス中のN
Oの一部を分子状酸素で酸化して二酸化窒素(NO2)と成
して、NO/NO2=1/1(容量比)のNOXガスを得、これにア
ルコールを接触させることにより、容易に合成されるも
のであるが、この亜硝酸エステルの合成までを含めて考
えると、前記一酸化炭素と亜硝酸エステルとの接触反応
は、2〜3kg/cm2G程度の若干の加圧系の方が特に望まし
い。
前記一酸化炭素と亜硝酸エステルとの反応の形式とし
ては、気相で、バッチ式、連続式の何れでも行うことが
できるが、連続式の方が工業的には有利である。また、
触媒の反応系への存在形態としては、固定床、移動床ま
たは流動床の何れの反応器を用いても実施することがで
きる。
この発明では、原料ガスの一酸化炭素および亜硝酸エ
ステルは、窒素ガス等の不活性ガスで希釈して前記の反
応器にフィードされることが望ましいが、その組成とし
ては、反応上からは特に限定されるものではない。しか
し、安全上の観点からすれば、前記亜硝酸エステルの濃
度は、20容量%以下、好ましくは5〜20容量%であるこ
とが望ましい。それに伴い、一酸化炭素の濃度は、5〜
20容量%の範囲にするのが経済的に好ましい。すなわ
ち、工業的な製造プロセスを考えれば、反応に供する一
酸化炭素、亜硝酸エステル等のガスを循環使用し、該循
環ガスの一部を系外へパージすることが好ましく、ま
た、一酸化炭素のワンパスの転化率が20〜30%程度であ
ることからして、一酸化炭素の濃度を20容量%より高く
してもロスが増えるだけであり、また、5容量%より低
くすると生産性が落ちるなどの問題があるのである。し
かし、この経済性を無視すれば、一酸化炭素の濃度は、
実際には80容量%までは可能である。つまり、亜硝酸エ
ステルを、前記不活性ガスの代わりに一酸化炭素で希釈
した形でフィードすることも可能なのである。
従って、一酸化炭素と亜硝酸エステルの使用割合は、
亜硝酸エステル1モルに対して、一酸化炭素が、0.1〜1
0モル、好ましくは0.25〜1モルの範囲であることが望
ましい。
また、この発明では、前記反応器にフィードされる、
一酸化炭素および亜硝酸エステルを含有するガスの空間
速度は、500〜20000hr-1の範囲、好ましくは、2000〜50
00hr-1の範囲で行うことが望ましい。
さらに、この発明の製法では、前記の亜硝酸エステル
は、反応に携わった後、分解して一酸化窒素(NO)を発
生するが、前記反応器から導出される反応ガスから、こ
のNOを回収し、酸素および前記亜硝酸エステルに対応す
るアルコールと反応させて、再度亜硝酸エステルに変換
せしめ、循環使用することが好ましい。
このようにして、反応器から、目的生成物の炭酸ジエ
ステルの他に、シュウ酸ジエステル等の副生物、未反応
の一酸化炭素および亜硝酸エステル、一酸化窒素、二酸
化炭素、不活性ガスなどを含む反応ガスが導出される
が、例えば、この反応ガスを冷却後、一酸化炭素、亜硝
酸エステル、一酸化窒素、二酸化炭素、不活性ガス等の
未凝縮ガスは、前述した如く、その一部をパージしなが
ら、再度反応器に循環せしめる一方、凝縮液から例えば
蒸留等の常法により炭酸ジエステルを分離精製するので
ある。
なお、原料の亜硝酸エステルは、前述したように、通
常、アルコールと窒素酸化物を必要に応じて分子状酸素
の存在下に反応させて調製され、そのガス中には亜硝酸
エステルの他に、未反応のアルコール、窒素酸化物(特
に一酸化窒素)、場合によっては微量の水や酸素が含ま
れている。この発明では、このような亜硝酸エステル含
有ガスを、亜硝酸エステル源として使用する場合にも好
結果が得られるのである。
この発明においては、以上述べたような処理を行うこ
とによって、従来法における触媒の活性低下を防ぐこと
ができ、高収率かつ高選択性で長期間安定な状態で一酸
化炭素と亜硝酸エステルとの反応による炭酸ジエステル
の製造を継続できるのである。
〔実施例〕
次に、実施例および比較例を挙げて、この発明の方法
を具体的に説明するが、これらは、この発明の方法を何
ら限定するものではない。
なお、各実施例および比較例における空時収量(ST
Y)Y(g/l・hr)は、一酸化炭素と亜硝酸エステルの接
触反応時間をθ(hr)、その間に生成した炭酸ジエステ
ルの量をa(g)、そして反応管への触媒の充填量をb
(l)として、次式により求めた。
Y=a/(b×θ) また、各実施例および比較例における選択率X(%)
は、何れも供給された一酸化炭素基準であり、上記のθ
(hr)に生成した炭酸ジエステル、シュウ酸ジエステル
および二酸化炭素の量を、それぞれ、a(mol)、c(m
ol)およびd(mol)として、次式により求めた。
X={a/(a+2×c+d)}×100 実施例1 内径20mmの気相反応管(外部ジャケット付)に粒状活
性炭にPdCl2およびBiCl3を担持した触媒(PdCl2−BiCl3
/C)7mlを充填した後、この反応管を垂直に固定し、反
応管ジャケットに熱媒を循環させ、触媒層内温度が100
℃になるように加熱制御した。
この反応管の上部から、一酸化窒素、酸素およびメタ
ノールより合成した亜硝酸メチルを含むガスと一酸化炭
素との混合ガス、すなわち、亜硝酸メチル;15容量%、
一酸化炭素;10容量%、一酸化窒素;3容量%、メタノー
ル;6容量%、塩化水素;100容量ppmおよび窒素;66容量%
の組成からなる混合ガスを、3000hr-1の空間速度(GHS
V)で供給し、常圧下に反応させた。
次いで、この反応管を通過した反応生成物を、氷冷さ
れたメタノール中を通して捕集した。得られた捕集液は
ガスクロマトグラフィーによって分析した。
この条件下で反応を100時間継続して行い、5時間毎
に、上述のようにして、反応生成物のサンプリングおよ
びガスクロマトグラフィーによる分析を行った。
その結果、炭酸ジメチルのSTYは、初期において500g/
l・hrであったものが、10時間目で350g/l・hrまで低下
した。しかし、その後、反応開始後100時間目の反応終
了時まで350g/l・hrで変わらなかった。また、炭酸ジメ
チルの一酸化炭素基準の選択率は、初期において97%で
あったものが、副生物であるシュウ酸ジメチルの増加に
より、反応開始後10時間目で92%に低下したが、その
後、反応終了時(反応開始後100時間目)までほぼ一定
であった。
比較例1 反応管へのフィードガス中に塩化水素を添加しなかっ
たこと以外は、実施例1と同様にして、炭酸ジメチルを
製造した。
その結果、炭酸ジメチルのSTYは、初期において500g/
l・hrであったものが、反応開始後10時間目までに300g/
l・hrまで低下し、さらに20時間目で200g/l・hr、30時
間目で120g/l・hr、50時間目で60g/l・hrと低下してい
った。また、炭酸ジメチルの選択率も、シュウ酸ジメチ
ルの生成量の増加により徐々に低下し、50時間目で60%
になった。
比較例2 反応管へのフィードガス中に塩化水素を1000容量ppm
添加したことのほかは、実施例1と同様にして、一酸化
炭素と亜硝酸メチルとの反応を行い、炭酸ジメチルを製
造した。
その結果、炭酸ジメチルのSTYは、初期地が150g/l・h
rであり、反応開始後10時間目で70g/l・hrまで低下し
た。
実施例2 使用する触媒を、同じ粒状活性炭にPdCl2とCuCl2とを
担持した触媒(PdCl2−CuCl2/C)7mlに代えた以外は、
実施例と同様にして炭酸ジメチルを製造した。炭酸ジメ
チルのSTYは、初期においては、250g/l・hrであり、実
施例1よりも若干低かったが、反応開始後100時間目の
反応終了時までほぼ一定であり、実施例1の触媒(PdCl
2−BiCl3/C)の使用の場合に匹敵するものであった。
実施例3 使用する触媒を、同じ粒状活性炭にPdCl2、FeCl3、そ
してBiCl3を担持した触媒(PdCl2−FeCl3−BiCl3/C)7m
lに代えた以外は、実施例と同様にして炭酸ジメチルを
製造した。炭酸ジメチルのSTYは、初期においては、520
g/l・hrであり、実施例1と同等であり、また同様に反
応開始後10時間目には350g/l・hrまで低下したが、その
後は100時間目の反応終了時までほぼ一定であった。す
なわち、実施例1で用いた触媒系(PdCl2−BiCl3/C)の
使用の場合に匹敵するものあった。
実施例4 内径40mmの気相反応管(触媒層下部抜き出し管付)に
実施例1と同様の触媒200mlを充填した。これとは別に
同じ形式の触媒再生管を用意し、同じ触媒200mlを充填
した。
そこで、この気相反応管および触媒再生管を垂直に固
定し、気相反応管には、その上部から、一酸化窒素、酸
素およびメタノールより合成した亜硝酸メチルを含むガ
スと一酸化炭素との混合ガス、すなわち、亜硝酸メチ
ル;15容量%、一酸化炭素;10容量%、一酸化窒素;3容量
%、メタノール;6容量%および窒素;66容量%の組成か
らなる混合ガスを、3000hr-1の空間速度(GHSV)で供給
し、常圧下に反応させた。
反応開始後1時間目より、反応管の触媒層下部から、
触媒層下部抜き出し管を介して、1時間に10mlの割合で
触媒を抜き出し、それを触媒再生管の上部へ供給し、同
時に、触媒再生管の下部から、該再生管の触媒層下部抜
き出し管を介して、1時間に10mlの割合で触媒を抜き出
し、それを反応管の上部へ供給した。そして、触媒再生
管には、反応開始後1時間目から塩化水素100容量ppmを
含む窒素ガスを500hr-1の空間速度で流した。
以上のようにして、亜硝酸メチルと一酸化炭素との反
応が行われた後、反応管から出たガスを、氷冷されたメ
タノール中を通して捕集し、ガスクロマトグラフによる
定量分析にかけた。
この条件下で反応を100時間継続して行い、5時間毎
に、上述のようにして、反応生成物のサンプリングおよ
びガスクロマトグラフィーによる分析を行った。
その結果、炭酸ジメチルのSTYは、反応初期において5
00g/l・hrであったものが、反応開始後10時間目で370g/
l・hrまで低下した。しかし、その後、反応開始後100時
間目の反応終了時まで350〜370g/l・hrでほぼ一定であ
った。また、炭酸ジメチルの一酸化炭素基準の選択率
も、反応初期において97%であったものが、副生物であ
るシュウ酸ジメチルの増加により、反応開始後10時間目
で93%に低下したが、その後、反応終了時(反応開始後
100時間目)まで90〜93%で一定となった。
〔作用効果の説明〕
この発明の方法は、前述したように、この発明者らが
先に特願平1−274816号の出願にて提案した、一酸化炭
素と亜硝酸エステルとの気相接触反応による炭酸ジエス
テルの製法が、従来法における反応速度の不十分さ、炭
酸ジエステルの低選択率、反応目的物の分離精製操作の
煩雑さ等の問題を解決した、工業的規模の生産において
高い優位性を有する方法であるが、触媒の寿命が短いと
いう問題があったのに対し、一酸化炭素と亜硝酸エステ
ルとを、白金族金属の塩化物と、第2成分として、鉄、
銅、ビスマス、コバルト、ニッケルおよび錫からなる群
から選ばれた少なくとも1種類の金属の化合物とを担体
に担持した触媒の存在下、かつ、微量の塩化水素の存在
下に、低温・低圧の条件で気相反応させることによっ
て、温和な条件下に、高選択率、かつ、高収率で長期間
安定な状態で炭酸ジエステルを製造する方法を提供し得
る効果を奏するものである。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亜硝酸エステルと一酸化炭素とを、白金族
    金属の塩化物と、鉄、銅及びビスマスから選ばれた少な
    くとも一種の化合物とを担体に担持させた固体触媒の存
    在下、気相で接触させて反応させることからなる炭酸ジ
    エステルの製造方法において、その反応中に白金族金属
    の塩化物から飛散する塩素分を補償するために必要な量
    の塩化水素を反応系に供給することを特徴とする炭酸ジ
    エステルの製造方法。
  2. 【請求項2】白金族金属の塩化物が塩化パラジウムであ
    る特許請求の範囲第1項に記載の炭酸ジエステルの製造
    方法。
  3. 【請求項3】白金族金属の塩化物の担体に対する担持量
    が、白金族金属の金属換算で、担体に対して0.1〜10重
    量%である特許請求の範囲第1項に記載の炭酸ジエステ
    ルの製造方法。
  4. 【請求項4】塩化水素を、白金族金属の塩化物に対して
    単位時間当り1〜50モル%供給する特許請求の範囲第1
    項に記載の炭酸ジエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】塩化水素を、亜硝酸エステルと一酸化炭素
    とを含む原料ガス中に10〜500容量ppm添加して反応系に
    供給する特許請求の範囲第1項に記載の炭酸ジエステル
    の製造方法。
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