JPH07145108A - 炭酸ジメチルの連続製造方法 - Google Patents
炭酸ジメチルの連続製造方法Info
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- JPH07145108A JPH07145108A JP5296277A JP29627793A JPH07145108A JP H07145108 A JPH07145108 A JP H07145108A JP 5296277 A JP5296277 A JP 5296277A JP 29627793 A JP29627793 A JP 29627793A JP H07145108 A JPH07145108 A JP H07145108A
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C68/00—Preparation of esters of carbonic or haloformic acids
Abstract
触媒存在下で気相接触反応させて炭酸ジメチルを生成さ
せる第1工程、炭酸ジメチルをシュウ酸ジメチルに吸収
させる第2工程、一酸化窒素を分子状酸素及びメタノー
ルと接触させて亜硝酸メチルを生成させる第3工程、炭
酸ジメチルを蒸留分離する第4工程、及びパージガス中
の亜硝酸メチルをメタノールに吸収させた後に一酸化窒
素を分子状酸素及びメタノールと接触させて亜硝酸メチ
ルを生成させて、該ガス中の亜硝酸メチル及び一酸化窒
素を回収する第5工程の各工程から成ることを特徴とす
る炭酸ジメチルの連続製造方法に関する。 【効果】 本発明の方法により、ガス循環系からのパー
ジガス中の有効成分である亜硝酸メチル及び一酸化窒素
を効率よくしかも安全に回収できるようになり、工業的
に好適な炭酸ジメチルの連続製造法を提供することがで
きる。
Description
チルを固体触媒存在下で気相接触反応させて炭酸ジメチ
ルを工業的に製造する方法において、パージガス中の有
効成分である亜硝酸メチル及び一酸化窒素を効率的かつ
安全に回収して炭酸ジメチルを製造する炭酸ジメチルの
連続製造方法に関する。炭酸ジメチルは、芳香族ポリカ
ーボネートや医農薬等の合成原料として、また溶剤とし
て有用な化合物である。
存在下で気相接触反応させて炭酸ジメチルを工業的に製
造する方法は、例えば、特願平3−269950号に示
されるように、一酸化炭素と亜硝酸メチルを反応器で固
体触媒の存在下気相接触反応させて炭酸ジメチルを生成
させる第1工程、第1工程において生成した炭酸ジメチ
ルを炭酸ジメチル吸収塔(吸収塔)で吸収溶媒のシュウ
酸ジメチルに吸収させる第2工程、第2工程における非
凝縮ガス中の一酸化窒素を亜硝酸メチル再生塔(再生
塔)で分子状酸素及びメタノールと接触させて亜硝酸メ
チルを生成させる第3工程、及び第2工程においてシュ
ウ酸ジメチルに吸収分離された炭酸ジメチルを抽出蒸留
塔及び炭酸ジメチル蒸留塔で蒸留分離する第4の工程か
ら成っている。
酸メチルを含有するガスは第1工程、第2工程及び第3
工程の間を循環しているが、この循環ガス中には、炭酸
ガスのような上記気相接触反応で副生するガスや亜硝酸
メチル合成のために再生塔に補給されるNOX ガスに同
伴する窒素等の不活性ガスが含有されているので、これ
らのガスが循環ガス中に高濃度に蓄積されることを防ぐ
ために循環ガスの一部がガス循環系から連続的にパージ
される。
硝酸メチル及び一酸化窒素が含有されているので、パー
ジガスからの亜硝酸メチル及び一酸化窒素の回収が行わ
れる。その方法として、例えば、特開平1−12125
0号公報に示されるように、亜硝酸メチル生成帯域から
回収されるパージガスに、上記再生塔におけると同様
に、分子状酸素含有ガス及びメタノールを接触させてパ
ージガス中に含まれる一酸化窒素を亜硝酸メチルに再生
すると共に、再生された亜硝酸メチルをパージガス中に
含まれていた亜硝酸メチルと併せてメタノールに吸収さ
せて亜硝酸メチル生成帯域に戻す方法が知られている。
からの亜硝酸メチルの再生が一酸化窒素の一部に対して
行われるのに対し、この方法においては、一酸化窒素を
ほぼ全量亜硝酸メチルに再生して回収するために、一酸
化窒素に対して分子状酸素含有ガスを理論量又はそれ以
上添加する必要があり、ガス中に分子状酸素が残存する
ことになる。従って、高濃度の亜硝酸メチルを含むパー
ジガス中に分子状酸素が存在することになって爆発性の
気体を生成する危険性が生じてくる。また、パージガス
中に既に高濃度の亜硝酸メチルが含有されている状態で
一酸化窒素から亜硝酸メチルが再生されるために、ガス
中の亜硝酸メチルの濃度が更に高くなって亜硝酸メチル
がメタノールに充分吸収されないという問題もある。
からのパージガス中の亜硝酸メチル及び一酸化窒素の回
収に伴う上記のような回収上及び安全上の問題を解決し
て、パージガス中の有効成分である亜硝酸メチル及び一
酸化窒素を効率的かつ安全に回収することができる炭酸
ジメチルの連続製造方法を提供することを目的とするも
のである。
炭素と亜硝酸メチルを反応器で固体触媒の存在下気相接
触反応させて炭酸ジメチルを生成させる第1工程、第1
工程において生成した炭酸ジメチルを炭酸ジメチル吸収
塔で吸収溶媒のシュウ酸ジメチルに吸収させる第2工
程、第2工程における非凝縮ガス中の一酸化窒素を亜硝
酸メチル再生塔で分子状酸素及びメタノールと接触させ
て亜硝酸メチルを生成させる第3工程、第2工程におけ
る吸収液中の炭酸ジメチルを蒸留塔で蒸留分離する第4
工程、及び第3工程の亜硝酸メチル再生塔で使用される
メタノールを亜硝酸メチル再生塔にフィードする前にガ
ス循環系からのパージガスと接触させて、パージガス中
の亜硝酸メチルを該メタノールに吸収させた後に、パー
ジガス中の一酸化窒素を分子状酸素及びメタノールと接
触させて亜硝酸メチルを生成させる第5工程の各工程か
らなることを特徴とする炭酸ジメチルの連続製造方法に
よって達成される。
本発明の第1工程は、白金族金属及び/又はその化合物
並びに助触媒が担持された固体触媒を充填した反応器
に、一酸化炭素及び亜硝酸メチルを含有する原料ガスを
導入して気相で接触反応させることによって炭酸ジメチ
ルを生成させ、炭酸ジメチルを含有する反応ガスを得る
炭酸ジメチル合成工程である。第2工程は、第1工程に
おける反応ガスを炭酸ジメチル吸収塔(以下、吸収塔と
称する)に導き、吸収溶媒として添加されるシュウ酸ジ
メチルと接触させて、第1工程の接触反応で生成した一
酸化窒素を含有する非凝縮ガスと、生成した炭酸ジメチ
ルを吸収した吸収液とに分離する炭酸ジメチル吸収工程
である。
を亜硝酸メチル再生塔(以下、再生塔と称する)に導
き、供給される分子状酸素及びメタノールと接触させ
て、非凝縮ガス中の一酸化窒素を亜硝酸メチルに再生
し、これを第1工程の反応器に循環供給する亜硝酸メチ
ル再生工程である。第4工程は、第2工程でシュウ酸ジ
メチルに吸収分離された炭酸ジメチルから抽出蒸留によ
ってメタノールを除き、次いで炭酸ジメチルを蒸留分離
する炭酸ジメチル精製工程である。
するガスは、炭酸ジメチルを含有する反応ガスとして第
1工程の反応器から導出され、次いで、炭酸ジメチルが
吸収分離された非凝縮ガスとして第2工程の吸収塔から
導出され、最後に、亜硝酸メチルが再生されたガス(以
下、再生ガスと称する)として第3工程の再生塔から導
出される。そして、例えば、第3工程と第1工程の間の
導管に設置されたガス循環機により加圧され、再び第1
工程の反応器に循環供給されて原料ガスとして再使用さ
れる。
前記気相接触反応で副生した炭酸ガスや、亜硝酸メチル
再生のために再生塔に補給されるNOX ガスに伴う窒素
等の不活性ガスが含まれているので、これらの副生ガス
や不活性ガスの蓄積を防ぐため、第3工程の再生塔と上
記ガス循環機の間の導管から循環ガスの一部がパージさ
れる。
らのパージガス中に含まれる亜硝酸メチルを効率的に回
収するために、再生塔で使用されるメタノールを再生塔
にフィードする前に亜硝酸メチル回収塔においてパージ
ガスと接触させることが行われる。即ち、ガス循環系か
らのパージガスに含まれる亜硝酸メチル及び一酸化窒素
を回収するために、メタノールは、従来、例えば、図2
に示されるように導管19を通して再生塔に直接フィー
ドされていたが(図2参照)、本発明では、再生塔にフ
ィードされる前にパージガスと接触させて、予めパージ
ガス中の亜硝酸メチルをメタノールに吸収させた後に再
生塔へフィードされる(図1参照)。その結果、パージ
ガスを分子状酸素含有ガスと混合する際に局部的に爆発
性の気体を生じるという危険性がなくなる。
酸化窒素を回収するために前記の亜硝酸メチルが吸収分
離されたパージガスが一酸化窒素回収塔にフィードされ
て、再生塔におけると同様にガス中に含有されている一
酸化窒素が亜硝酸メチルに再生される。その結果、ガス
中の亜硝酸メチルの濃度を従来よりも低く抑えることが
できるために、亜硝酸メチル回収工程(本発明では一酸
化窒素回収塔)における亜硝酸メチルの吸収効率が高く
なって亜硝酸メチルのロスを減少させることができるよ
うになる。
び第5工程を更に詳しく説明する。 第1工程 本発明の第1工程の炭酸ジメチルの合成は、白金族金属
及び/又はその化合物並びに助触媒が担体に担持された
固体触媒を充填した反応器に、一酸化炭素及び亜硝酸メ
チルを含有する原料ガスを導入して気相接触反応を行う
ことによって実施される。
3−141243号公報などに記載されている白金族金
属及び/又はその化合物並びに助触媒が担体に担持され
たものが有効である。これらの固体触媒で白金族金属及
び/又はその化合物として担体に担持される白金族金属
としては、パラジウム、白金、イリジウム、ルテニウム
及びロジウムが挙げられるが、中でもパラジウムが最も
好ましい。また、白金族金属以外に、銅、鉄、ビスマ
ス、セリウムなどの金属の化合物が助触媒として担持さ
れていても差し支えない。担体としては、活性炭、アル
ミナ、シリカ、ケイ藻土、ゼオライト、粘土鉱物などを
使用することができる。
素や炭酸ガスなどの反応に不活性なガスで希釈されて、
前記固体触媒との接触時間が通常10秒以下、好ましく
は0.2〜5秒であるように原料ガスとして反応器にフ
ィードされる。なお、固体触媒を充填する反応器として
は、単管式又は多管式反応器が好適である。
度及び安全性の面から決定される。即ち、満足すべき反
応速度を得るためには亜硝酸メチルの濃度が好適には1
容量%以上であることが必要であるが、亜硝酸メチルが
爆発性の化合物であるために余りに高濃度であることは
好ましくなく、本発明では通常3〜25容量%の濃度が
好適である。また、原料ガス中の一酸化炭素の濃度は広
範囲に変えられるが、連続プロセスでは前記のように循
環ガスの一部をパージするために、高濃度になると系外
へのロスが増えて経済的に好ましくない。従って、好適
な一酸化炭素の濃度は工業的には通常1〜50容量%、
好ましくは5〜30容量%である。
られる限り、比較的低温が好ましく、通常、50〜20
0℃、更に好ましくは80〜150℃が好適である。ま
た、反応圧力については、通常、常圧から10kg/c
m2 (ゲージ圧)、好ましくは1〜6kg/cm2 (ゲ
ージ圧)が好適である。
行って、炭酸ジメチル、シュウ酸ジメチル、一酸化窒
素、炭酸ガス、未反応の一酸化炭素及び亜硝酸メチル、
不活性ガスなどを含む反応ガスが反応器から導出され
る。目的の炭酸ジメチルは、この反応ガスを第2工程の
吸収塔に導いて、吸収塔上部からフィードされるシュウ
酸ジメチルに吸収させることによって分離される。
吸収塔で上記の反応ガスをシュウ酸ジメチルと接触させ
て行われる。吸収塔におけるシュウ酸ジメチルのフィー
ド量は、吸収塔に導入される上記反応ガス中の炭酸ジメ
チルの量によるが、通常、炭酸ジメチルに対して3〜1
0重量倍、好ましくは4〜6重量倍が好適である。吸収
塔の操作温度としては、炭酸ジメチルの吸収を効率よく
行うために低温である方がよいが、余りに低温であると
シュウ酸ジメチルの固化が起こり、またエネルギー的に
も不利であるので、通常、0〜100℃、好ましくは3
0〜80℃がよい。
量の炭酸ジメチル及びシュウ酸ジメチルが同伴するが、
これらは次の第3工程に持ち込まれると全くのロスとな
るので、吸収塔頂部より少量のメタノールをフィードし
て同伴する炭酸ジメチル及びシュウ酸ジメチルを回収す
ることが好ましい。このとき、メタノールのフィード量
としては、通常、上記反応ガス中の炭酸ジメチルに対し
て5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%が好適
である。また、この非凝縮ガスには、未反応の一酸化炭
素及び亜硝酸メチル以外に第1工程で生成した多量の一
酸化窒素が含まれているため、第3工程の再生塔におい
てガス中の一酸化窒素が亜硝酸メチルに再生される。な
お、このようにしてシュウ酸ジメチルに吸収された炭酸
ジメチルは、前記の第4工程で、公知のように、メタノ
ールや反応で副生した微量のギ酸メチルなどの低沸点化
合物がシュウ酸ジメチルによる抽出蒸留によって分離さ
れた後、更に蒸留により分離精製される。
再生塔で上記の非凝縮ガスを分子状酸素含有ガス及びメ
タノールと接触させて行われる。このとき、再生塔とし
ては、充填塔、気泡塔、スプレー塔、段塔などの通常の
気液接触装置が用いられる。
ス、窒素等の不活性ガスで希釈された酸素ガス又は空気
が使用される。再生塔では、通常、再生塔に導入される
ガス中の一酸化窒素1モルに対して分子状酸素含有ガス
が酸素基準で0.08〜0.2モル供給され、これらの
ガスは60℃以下の温度でメタノールと接触させるのが
よく、その接触時間は0.5〜2秒であることが好まし
い。メタノールは、一酸化窒素と分子状酸素から生成す
る二酸化窒素及びこれとほぼ等モルの一酸化窒素を完全
に吸収反応させるのに必要とされる量以上使用され、通
常、再生塔に導入されるガス中の一酸化窒素1モルに対
して2〜5モル使用されることが好ましい。なお、再生
塔で使用されるメタノールは、第5工程で説明するよう
に、予め亜硝酸メチル回収塔でパージガスと接触させて
パージガス中の亜硝酸メチルを吸収したものが使用され
る。
化窒素が吸収塔の吸収液や再生塔の缶液への溶解や循環
ガスのパージによって失われるため、亜硝酸メチル、あ
るいは亜硝酸メチル源として一酸化窒素、二酸化窒素、
三酸化二窒素、四酸化二窒素などのNOx ガス又は硝酸
が補給されるが、通常、NOx ガスがこの第3工程の再
生塔に補給される。
再生反応で生成した水を含むメタノール溶液であるの
で、蒸留などの操作によってメタノール中の水分が通常
2容量%以下、好ましくは0.2容量%以下であるよう
に精製した後に、第2工程や第3工程で再利用すること
が工業的に有利である。
ように、再生塔で使用されるメタノールを再生塔にフィ
ードする前に予め亜硝酸メチル回収塔で前記パージガス
と接触させて行われる。そして、メタノールに吸収され
たパージガス中の亜硝酸メチルはメタノール溶液として
第3工程の再生塔にフィードされ、亜硝酸メチルが吸収
分離されたパージガスは第5工程の一酸化窒素回収塔に
フィードされる。パージガスとメタノールを接触させる
装置(亜硝酸メチル回収塔)は特別なものである必要は
なく、充填塔、棚段塔、泡鐘塔など通常用いられる気液
接触型の吸収装置であればよい。吸収装置を設置する位
置としては、循環ガスのパージ箇所とパージガスに酸素
含有ガスを混合する箇所の間であればよい。再生塔の塔
頂からパージする場合には、再生塔の塔頂にこの吸収装
置を直接設置することもできる。
は、この接触が亜硝酸メチルの吸収操作であるので低温
であるほど好ましいが、使用されるメタノールの量が通
常充分であるため、極端に低くする必要はなく、−5〜
30℃の範囲であることが好ましい。亜硝酸メチル回収
塔で使用されるメタノールの量は、前記のようにこの工
程でパージガス中の亜硝酸メチルを吸収したものが再生
塔にフィードされて使用されるため、再生塔で使用され
る量と等しく、通常、再生塔に導入されるガス中の一酸
化窒素1モルに対して2〜5モルである。
3工程の再生塔から導出される再生ガスの一部が抜き出
されて第5工程にフィードされ、その量は、循環ガス中
の前記副生ガス及び不活性ガスの蓄積の程度によるが、
少なくとも第3工程のNOXガス補給で循環ガス中に持
ち込まれる窒素等の不活性ガスの量以上で、通常、反応
器、吸収塔及び再生塔の三つの装置を含む循環系の気相
部分の容積の0.1〜30%/hrである。
メチルが吸収分離された上記のパージガスを一酸化窒素
回収塔で前記再生塔におけると同様に分子状酸素含有ガ
ス及びメタノールと接触させて行われる。そして、パー
ジガス中に残存する一酸化窒素から再生された亜硝酸メ
チルはメタノールに吸収されてそのメタノール溶液とし
て再生塔へ循環供給される。なお、この場合の装置及び
操作条件は、分子状酸素含有ガスのフィード量がパージ
ガス中の一酸化窒素1モルに対して酸素基準で0.2モ
ル以上であること、NOx ガスが補給されないこと及び
メタノールが亜硝酸メチル回収塔を通さずにフィードさ
れることを除けば、前記の再生塔におけると同様であ
る。
態様を図1に示すフローシートに従って具体的に説明す
る。白金族金属系固体触媒を反応管に充填した多管式反
応器1の上部に、一酸化炭素、亜硝酸メチル及び一酸化
窒素を含有する原料ガスが、導管20に設置するガス循
環機(図示せず)で加圧されて導管22を通して導入さ
れる。反応器1において気相で接触反応が行われ、触媒
層を通過した反応ガスは反応器の下部から取り出され、
導管11を通して吸収塔2に導入される。
14からそれぞれ導入されるメタノール、シュウ酸ジメ
チルとの接触により、反応ガス中の炭酸ジメチルがシュ
ウ酸ジメチルに吸収されて分離される。炭酸ジメチル、
シュウ酸ジメチル及びメタノールからなる液は下部から
導管15を通して取り出されて公知の精製工程(図示せ
ず)で分離精製される。一方、未反応の一酸化炭素、亜
硝酸メチル及び上記接触反応で生成した一酸化窒素など
を含む非凝縮ガスは上部から導管12を通して再生塔3
の下部に導入される。
通して導入される分子状酸素含有ガスと、導管19を通
して上部から導入されるメタノールとの向流接触が行わ
れ、亜硝酸メチルが再生される。なお、亜硝酸メチルの
再生に必要な窒素源が不足するときは、導管17を通し
てNOx ガスが導入される。
0、22を通して、導管21より新しく供給される一酸
化炭素と共に反応器1に供給される。一方、再生塔3で
副生した水はメタノール溶液の形で下部から導管18を
通して取り出される。このメタノール溶液は、蒸留など
の操作によって液中の水分が除去された後、導管13、
24、27を通して吸収塔2、亜硝酸メチル回収塔4又
は一酸化窒素回収塔5に供給されるメタノールとして循
環再使用される。
循環系からパージされて、亜硝酸メチル回収塔4に導入
される。亜硝酸メチル回収塔4では、パージガスと導管
24から供給されるメタノールとの向流接触が行われ、
亜硝酸メチルがメタノールに吸収されて回収される。こ
のメタノール溶液は下部から取り出され、導管19を通
して再生塔3の上部に供給される。
収分離された上記パージガスは塔の上部から取り出され
導管25を通して一酸化窒素回収塔5の下部に導入され
る。一酸化窒素回収塔5では、再生塔3におけると同様
に、パージガス及び導管26を通して導入される分子状
酸素含有ガスと、導管27を通して上部から導入される
メタノールとの向流接触が行われ、亜硝酸メチルが再生
される。
ルはメタノール溶液の形で下部から導管29を通して取
り出され、再生塔3の中段に供給される。そして、一酸
化窒素回収塔5にフィードされたガスに含まれる窒素ガ
スや少量の副生ガスは導管28を通して排出される。
法を具体的に説明する。なお、実施例及び比較例におけ
る炭酸ジメチルの空時収量(STY)(kg/m3 ・h
r)は、一酸化炭素と亜硝酸メチルとの接触反応時間を
θ(hr)、その間に生成した炭酸ジメチルの量をa
(kg)、そして反応管への触媒の充填量をb(m3 )
として次式により求めた。
ステンレス製多管式反応器のチューブ内に、特開平3−
141243号公報に示されるような活性炭(白鷺:武
田製)に塩化パラジウムと塩化第二銅を担持した固体触
媒(4mmφ×6mm)1.71lを充填した。この触
媒層に上部からダイヤフラム式ガス循環ポンプで、4.
02kg/cm 2 (ゲージ圧)に加圧した原料ガス(組
成:一酸化炭素20.0容量%、亜硝酸メチル10.0
容量%、一酸化窒素4.0容量%、メタノール7.0容
量%、炭酸ガス1.0容量%、窒素58.0容量%)を
熱交換器で約90℃に予熱した後、6.80Nm3 /h
rの速度で供給し、反応器のシェル側に熱水を通すこと
により触媒層の中央部の温度を約120℃に保持して反
応を行った。このとき、炭酸ジメチルの空時収量(ST
Y)は338kg/m3 ・hrであった。
mm、高さ1300mmのラシヒリング充填式気液接触
吸収装置(吸収塔)の塔底に導き、塔頂からメタノール
0.18l/hrを、また塔頂から200mm下の所か
らシュウ酸ジメチル2.50kg/hrを導入しなが
ら、塔頂温度35℃、塔底温度55℃で向流接触させ
た。その結果、塔底から得られた吸収液3.28kg/
hrの組成は、シュウ酸ジメチル78.1重量%、炭酸
ジメチル16.8重量%、メタノール4.2重量%、ギ
酸メチル0.1重量%であった。
塔へ導入するガス)6.64Nm3/hr中の亜硝酸メ
チルの濃度は亜硝酸メチルが反応で消費されることによ
り原料ガス中におけるよりも低下しているため、次の再
生塔で亜硝酸メチルの再生を行った。また、吸収塔で亜
硝酸メチルの一部が吸収液に溶解するため、NOX ガス
の補給も同時に行った。即ち、非凝縮ガスに、酸素ガス
78Nl/hrと一酸化窒素14.0容量%を含むガス
7.5Nl/hrとを混入した後、これを内径158m
m、高さ1400mmの気液接触吸収装置(再生塔)に
導き、亜硝酸メチル回収塔を通して塔頂から導入したメ
タノール1.5l/hrと塔頂温度30℃、塔底温度4
0℃で向流接触させて亜硝酸メチルの再生を行った。
m3 /hrの組成は、一酸化炭素17.5容量%、亜硝
酸メチル10.1容量%、一酸化窒素4.0容量%、炭
酸ガス1.01容量%、窒素60.4容量%であったの
で、このうち、6.5Nl/hrをパージした。このパ
ージガスを、内径18mm、高さ250mmの気液接触
装置(亜硝酸メチル回収塔)に導き、塔頂から導入した
10℃に冷却したメタノール1.5l/hrと向流接触
させてパージガス中に含まれる亜硝酸メチルをメタノー
ルに吸収させた。亜硝酸メチルを吸収したメタノール溶
液は塔底から抜き出して再生塔の塔頂にフィードした。
また、亜硝酸メチル回収塔の塔頂から導出したガスは
0.2容量%の亜硝酸メチルと4.0容量%の一酸化窒
素を含有しているので、更に空気1.0Nl/hrを混
合して一酸化窒素回収塔へフィードした。
装置(一酸化窒素回収塔)の塔底に導入した前記ガスを
塔頂からフィードした5℃に冷却したメタノール0.2
l/hrと向流接触させて、パージガス中の一酸化窒素
を亜硝酸メチルに再生してメタノールに吸収させた。得
られた吸収液は亜硝酸メチルを0.4重量%含んでおり
再生塔の中段へフィードした。このとき、一酸化窒素回
収塔の塔頂から排出したガス中には、亜硝酸メチルが2
00容量ppm、一酸化窒素が50容量ppm含まれて
いた。
Nm3 /hrは前記ガス循環ポンプで加圧した後、一酸
化炭素0.15Nm3 /hrを追加供給して、一酸化炭
素20.0容量%、亜硝酸メチル10.0容量%、一酸
化窒素4.0容量%、メタノール7.0容量%、炭酸ガ
ス1.0容量%及び窒素58.0容量%の組成で反応器
に導いた。
水を含むメタノール1.7l/hrは蒸留によって水を
除去した後、吸収塔、再生塔、亜硝酸メチル回収塔及び
一酸化窒素回収塔におけるメタノール源として再使用し
た。なお、炭酸ジメチルは前記吸収塔から導出した吸収
液3.28kg/hrから蒸留により0.540kg/
hrで連続的に得られた。
こと、即ち、図2に示すフローシートにおいて、下記の
ように一酸化窒素回収塔5においてパージガス中の亜硝
酸メチルの吸収及び一酸化窒素の亜硝酸メチルへの再生
を同様に行ったこと以外は、実施例1と同様にして炭酸
ジメチルの製造を行った。なお、図2に示すフローシー
トにおけるその他の操作は図1におけると同様である。
を生成させ(STY:338kg/m3 ・hr)、吸収
塔でシュウ酸ジメチルに炭酸ジメチルを吸収させた後、
再生塔で亜硝酸メチルを再生して再生塔から導出する再
生ガスの一部をパージした。但し、再生塔にフィードす
るメタノールは導管19より直接再生塔にフィードし
た。
して、内径27mm、高さ300mmの気液接触装置
(一酸化窒素回収塔)に導き、塔上部から導入した5℃
に冷却したメタノール0.2l/hrと向流接触させて
パージガス中に含まれる亜硝酸メチルをメタノールに吸
収させると共に、パージガス中の一酸化窒素を亜硝酸メ
チルに再生してメタノールに吸収させた。得られた吸収
液は亜硝酸メチルを1.3重量%含んでおり、再生塔の
中段へフィードした。このとき、一酸化窒素回収塔の塔
頂から排出したガス中には亜硝酸メチルが2000容量
ppm、一酸化窒素が80容量ppm含まれていた。な
お、その他の結果は実施例1と同様であった。表1に実
施例及び比較例におけるパージガス中の亜硝酸メチル及
び一酸化窒素の挙動を示す。
酸メチルを固体触媒存在下で反応させて炭酸ジメチルを
製造する方法において、ガス循環系からのパージガス中
の亜硝酸メチルを効率的に回収することができ、更に、
予めパージガス中の亜硝酸メチルのみをメタノールに吸
収させて亜硝酸メチルの濃度を下げておくことによって
メタノールに対する亜硝酸メチルの吸収効率が上がるた
め、亜硝酸メチルに再生されるパージガス中の一酸化窒
素も亜硝酸メチルとして殆ど回収できるようになる。ま
た、予めパージガス中の亜硝酸メチルの濃度を下げた状
態で一酸化窒素からの亜硝酸メチルの再生に必要な酸素
含有ガスを供給するために爆発性の気体を生じる危険性
もなくなり、工業的に好適な炭酸ジメチルの連続製造方
法を提供することができる。
ある。
ある。
ル回収塔、5は一酸化窒素回収塔、11〜29は導管を
示す。
Claims (1)
- 【請求項1】 一酸化炭素と亜硝酸メチルを反応器で固
体触媒の存在下気相接触反応させて炭酸ジメチルを生成
させる第1工程、第1工程において生成した炭酸ジメチ
ルを炭酸ジメチル吸収塔で吸収溶媒のシュウ酸ジメチル
に吸収させる第2工程、第2工程における非凝縮ガス中
の一酸化窒素を亜硝酸メチル再生塔で分子状酸素及びメ
タノールと接触させて亜硝酸メチルを生成させる第3工
程、第2工程における吸収液中の炭酸ジメチルを蒸留塔
で蒸留分離する第4工程、及び第3工程の亜硝酸メチル
再生塔で使用されるメタノールを亜硝酸メチル再生塔に
フィードする前にガス循環系からのパージガスと接触さ
せて、パージガス中の亜硝酸メチルを該メタノールに吸
収させた後に、パージガス中の一酸化窒素を分子状酸素
及びメタノールと接触させて亜硝酸メチルを生成させる
第5工程の各工程からなることを特徴とする炭酸ジメチ
ルの連続製造方法。
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