JPH06239571A - エレベータの能動消音装置 - Google Patents

エレベータの能動消音装置

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JPH06239571A
JPH06239571A JP2692293A JP2692293A JPH06239571A JP H06239571 A JPH06239571 A JP H06239571A JP 2692293 A JP2692293 A JP 2692293A JP 2692293 A JP2692293 A JP 2692293A JP H06239571 A JPH06239571 A JP H06239571A
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克芳 長安
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Abstract

(57)【要約】 【目的】エレベータの昇降に伴なう圧力変動で発音器の
音響出力特性が変っても下層階から上層階に至るまで良
好な消音特性を発揮できるエレベータの能動消音装置を
提供する。 【構成】乗り籠24への騒音侵入路28の上流位置に侵
入した音を検出する受音器32と、この受音器32の出
力信号にフィルタ係数をかけた出力信号を作成するフィ
ルタ装置33と、このフィルタ装置33の出力を導入し
て乗り籠24の騒音侵入口27における騒音を消すため
の能動音を発生する発音器34と、フィルタ装置33の
フィルタ係数を最適値に更新するために騒音侵入口27
における騒音を検出する誤差信号検出器35と、乗り籠
24の位置に応じてフィルタ装置33のフィルタ係数を
予め定められた係数に変更設定する手段とを備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エレベータの乗り籠に
侵入しようとする騒音を能動的に消音するエレベータの
能動消音装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、エレベータの乗り籠には
空調用ファンの騒音や乗り籠の移動に伴う走行音などの
騒音が侵入する。これらの騒音は搭乗者に不快感を与え
る。したがって、何等かの手段で騒音侵入を阻止する必
要があるが、機構的な工夫だけでは限界がある。一方、
音響制御技術を応用した能動消音装置がある。
【0003】このような能動消音装置は、通常、図7お
よび図8に示すように構成されている。すなわち、これ
らの図には、能動消音装置を使ってダクト1内に設置さ
れているファン2から出た騒音がダクト1の開口部3か
ら外部に出るのを阻止している例が示されている。
【0004】能動消音装置は、図7に示すように、受音
器(センシングマイク)11と、フィルタ装置12と、
発音器(能動消音用スピーカ)13とで構成される。多
くの場合、誤差信号検出器(評価用マイク)14も構成
要素となっている。
【0005】この能動消音装置では、音源であるファン
2の下流側に受音器11を配置して音源で発生した音を
検出し、この検出信号をフィルタ装置12に導入し、こ
のフィルタ装置12の出力信号で発音器13を付勢す
る。フィルタ装置12は、発音器13から出た音が開口
部3の位置においてファン2から出た音とは逆位相にな
るような出力信号を作成する。この場合は、フィルタ装
置12の中のフィルタ係数が固定されているので、固定
係数制御と呼んでいる。
【0006】さらに多くの能動消音装置では、フィルタ
装置12のフィルタ係数を固定せず、系の変化、たとえ
ばダクト1の音響特性の変化に対応できるように、適応
制御を実施している。適応制御の場合には、ダクト1の
開口部3に配置した誤差信号検出器14で検出される誤
差信号が最小になるようにフィルタ装置12のフィルタ
係数を更新するようになっている。
【0007】音響系においてLMSによるFiltered-X法
で適応制御を行なう場合には、誤差信号に含まれる空間
のインパルス応答Gaoの音響系での遅れで、うまく収束
しない問題を生じる。図7中の信号eと信号sとは同時
刻のものでなければならないが、空間のインパルス応答
Gaoによる音響系での時間遅れで収束しない。
【0008】そこで、音響系においてLMSによるFilt
ered-X法で適応制御を行なう場合には、図8に示すよう
に、適応型のフィルタ装置12の前に通過特性がインパ
ルス応答Gaoに相当するフィルタ15を入れて補正する
構成を採用している。このフィルタ15の係数は制御に
先立ち予め同定しておく必要がある。
【0009】また、制御用の発音器13から出た音が、
受音器11にフィードバックされて発振するハウリング
の生じることがある。このハウリングを防ぐために2本
のマイクを使い音源からの音だけを抽出する2本マイク
法もある。2本マイク法の一つでは、制御に先立って2
本のマイク間のインパルス応答を測定する作業を必要と
する。また、ハウリングを防ぐもう一つの方法として、
発音器13から受音器11へ至るフィードバックに相当
する信号を電気回路の中で除去するエコーキャンセラ法
がある。エコーキャンセラ法においても、制御に先立っ
て発音器13から受音器11に至るインパルス応答を測
定する作業を必要とする。
【0010】このような能動消音装置をエレベータの乗
り籠に搭載し、乗り籠の騒音侵入口における騒音を消音
することがエレベータの騒音問題に有効であると考えら
れる。
【0011】しかしながら、超高層ビルなどに設置され
るエレベータにおいては、下層階にあるときと上層階に
あるときでは大気圧が異なるので、高速で移動すると急
激な気圧変動が生じる。たとえば、地上300 m の超高層
ビルを例にとると、地上300mにある最上階では地上0 m
に対して30ヘクトパスカルだけ気圧が低い。これらのビ
ルで用いられるエレベータは600 m /min 程度の速度で
昇降するので、加減速の時間を入れても1分弱の間にそ
れだけの気圧変化を生じる。
【0012】一方、能動消音装置に組込まれている発音
器、つまりスピーカはコーンの内面と外面との間の圧力
差が変化すると音響出力特性も変わる。スピーカの音響
出力特性も系の特性の一部である。乗り籠位置の移動に
よって系の特性が変わると、フィルタ装置12にセット
されるべきフィルタ係数の値も変わることになる。
【0013】したがって、超高層用のエレベータの乗り
籠に能動消音装置を搭載した場合、フィルタ係数をある
一定値、あるいは、ある条件の下で同定した値をそのま
ま使っていると、乗り籠の階層移動に伴い、消音効果が
大幅に落ち、場合によっては逆効果になることさえ考え
られる。また、適応制御を採用した場合であっても、適
応制御の収束速度がエレベータの移動速度に比べて遅い
ため、乗り籠の位置にマッチしたフィルタ係数を求める
ことが困難となり、やはり同様の不具合が考えられる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、超高層用
のエレベータの乗り籠に公知の能動消音装置を搭載して
乗り籠に侵入しようとする騒音を阻止しようとしても、
エレベータが昇降しているときに発音器であるスピーカ
のコーン内外面の圧力差で発音器の音響出力特性が変わ
り、これが原因して良好な消音特性を発揮できない虞が
あった。
【0015】そこで本発明は、上述した不具合を解消で
き、下層階から上層階に至るまで良好な消音特性を発揮
できるエレベータの能動消音装置を提供することを目的
としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るエレベータの能動消音装置の一例で
は、乗り籠への騒音侵入路の上流位置に侵入した音を検
出する受音器と、この受音器の出力信号にフィルタ係数
をかけた出力信号を作成するフィルタ装置と、このフィ
ルタ装置の出力を導入して前記乗り籠の騒音侵入口にお
ける騒音を消すための能動音を発生する発音器と、前記
フィルタ装置のフィルタ係数を最適値に更新するために
前記乗り籠の前記騒音侵入口における騒音を検出する誤
差信号検出器と、前記乗り籠の位置に応じて前記フィル
タ装置のフィルタ係数を予め定められた係数に変更設定
する手段とを備えている。
【0017】
【作用】乗り籠の位置毎に誤差信号検出器の出力が最小
となるフィルタ係数を予め求め、これを記憶させてお
く。そして、実運転時に乗り籠の位置に対応させてフィ
ルタ係数を変更することにより、気圧変化による発音器
出力の変動で制御効果が落ちるのを防ぐことが可能とな
る。
【0018】この場合、乗り籠の昇降路に沿って、たと
えば上層階,中層階,下層階等に区分けし、各階層にお
いて誤差信号検出器の出力が最小となるフィルタ係数を
予め求め、これを記憶させておき、乗り籠がその階層に
入る毎に対応するフィルタ係数に変更設定することも有
効である。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。 第1実施例 図1には本発明の第1実施例に係る能動消音装置を搭載
したエレベータの配置例が示されている。
【0020】図中211 〜21n は、たとえば1階から
n階までのフロアを示し、22はエレベータの昇降路を
示し、24は昇降路22内を図中実線太矢印23で示す
ように昇降するエレベータの乗り籠を示している。
【0021】乗り籠24は、図2に示すように、乗客を
運ぶための乗り籠本体25を備えている。この乗り籠本
体25の天井26には空調用の換気口27が形成されて
おり、この換気口27には空調用ダクト28の一端側が
接続されている。そして、空調用ダクト28の他端側は
空調用ファン29のファンケース30を介して昇降路2
2に通じている。このように構成された乗り籠24に、
換気口27を介して騒音が乗り籠本体25内に侵入する
のを阻止するための能動消音装置31が設置されてい
る。
【0022】能動消音装置31は、大きく分けると、空
調用ダクト28内で空調用ファン29の位置より所定距
離だけ離れた位置に設けられた受音器(センシングマイ
ク)32と、この受音器32の出力信号にフィルタ係数
をかけて所望の出力信号を作成するフィルタ装置33
と、空調用ダクト28の外面で換気口27に近い部分に
設けられ、フィルタ装置33の出力を導入して能動音を
発生し、この能動音で換気口27における騒音を消音す
る発音器(アクティブスピーカ)34と、フィルタ装置
33のフィルタ係数を最適値に更新するために空調用ダ
クト28内で換気口27に近い部分に設けられた誤差信
号検出器(評価マイク)35とで構成されている。
【0023】フィルタ装置33は、この例の場合、3つ
のフィルタ係数保持部を備えるとともに乗り籠24に設
けられた位置検出器36の出力を導入していずれかのフ
ィルタ係数保持部に保持されているフィルタ係数をフィ
ルタ装置本体に初期セットする構成となている。すなわ
ち、この例では乗り籠24の昇降路22に沿って、図1
に示すように、上層階37,中層階38,下層階39の
3つに区分けし、各階層において誤差信号検出器35の
出力が最小となるフィルタ係数を予め求め、これらを上
述した3つのフィルタ係数保持部に保持させておくとと
もに、乗り籠24に設けられた位置検出器36の出力を
使って乗り籠24が現在どの階層にあるかを調べ、その
階層に対応したフィルタ係数をフィルタ係数保持部から
読出してフィルタ装置本体に初期セットするようにして
いる。
【0024】このように、この実施例では、乗り籠24
の位置(階層)に応じて、能動消音のためのフィルタ係
数を変更するようにしているので、気圧変化に伴う発音
器34の出力変動で制御効果が落ちるのを防止すること
ができ、常に良好な消音機能を発揮させることができ
る。なお、この実施例では、乗り籠24の昇降経路を上
層階,中層階,下層階の3つに区分けしてるが、階層を
さらに細かく区分けしてもよい。 第2実施例
【0025】図3には本発明の第2実施例に係る能動消
音装置31aを搭載したエレベータの乗り籠が示されて
いる。なお、この図では図2と同一部分が同一符号で示
されている。したがって、重複する部分の詳しい説明は
省略する。
【0026】この実施例に係る能動消音装置31aが第
1実施例の装置と異なる点は、乗り籠24の位置を検出
する手段にある。すなわち、この実施例では発音器34
を構成しているスピーカにスピーカ箱内外圧差測定装置
40を設け、このスピーカ箱内外圧差測定装置40の出
力で複数のフィルタ係数保持部に保持されているフィル
タ係数の中からその位置に対応したフィルタ係数を読出
してフィルタ装置本体に初期セットするようにしてい
る。この例では、複数の圧力差の条件(位置条件)にお
いてフィルタ係数を同定し、これらがそれぞれフィルタ
係数保持器に予め保持されている。そして、スピーカ箱
内外圧差測定装置40の出力で複数のフィルタ係数保持
部に保持されているフィルタ係数の中からその位置に対
応したフィルタ係数が読出されてフィルタ装置本体に初
期セットされる。したがって、この実施例においても前
記実施例と同様の効果を発揮させることができる。 第3実施例
【0027】この第3実施例に係るエレベータの能動消
音装置の基本的な構成は図2に示した第1実施例に係る
能動消音装置と同様である。したがって、図2を用いて
説明する。
【0028】この第3実施例に係る能動消音装置が第1
実施例に係る装置と異なる点は、乗り籠24が図1に示
される中層階38にあるときに誤差信号検出器35の出
力信号が最小となるようにフィルタ係数を同定し、この
とき同定されたフィルタ係数を乗り籠24が他の階層に
あるときにおいても使用するようにしている。
【0029】このような構成であると、乗り籠24が中
層階にあり、スピーカ箱の内外圧差が中間の状態と考え
られる状態で能動消音のためのフィルタ係数を同定し、
このフィルタ係数を全階層に亘って使用しているので、
第2実施例に比べて制御性能は若干落ちるが、構成およ
び制御を簡単化できる利点がある。 第4実施例
【0030】図4には本発明の第4実施例に係る能動消
音装置31cを搭載したエレベータの乗り籠が示されて
いる。この図では図2と同一部分が同一符号で示されて
いる。したがって、重複する部分の詳しい説明は省略す
る。
【0031】この実施例に係る能動消音装置31cは、
フィルタ装置33cに付属した複数のフィルタ係数保持
器41a,41b,…を有するとともに乗り籠24の位
置に応じて保持しているフィルタ係数をフィルタ装置3
3cに切換え設定する切換器42を備えている。すなわ
ち、この例では乗り籠24の昇降路22に沿って、図1
に示すように、たとえば上層階37,中層階38,下層
階39の3つに区分けし、各階層において消音効果が最
良となるフィルタ係数を予め求め、これらを上述したフ
ィルタ係数保持器41a,41b,…に保持させてい
る。そして、実運転時に乗り籠24に設けられた位置検
出器36の出力を使って乗り籠24が現在どの階層にあ
るかを調べ、その階層に対応したフィルタ係数をフィル
タ係数保持器41a,41b,…から読出してフィルタ
装置本体にセットするようにしている。
【0032】したがって、このように構成された能動消
音制御装置31cでは、気圧変化による発音器34の出
力変動で制御効果が落ちるのを小さくすることができ、
比較的良好な消音機能を発揮させることができる。な
お、この実施例では固定係数制御を実施しているが、適
応制御で用いることもできる。 第5実施例
【0033】図5には本発明の第5実施例に係るエレベ
ータの能動消音装置31dを搭載したエレベータの乗り
籠24が示されている。この図においても図2と同一部
分が同一符号で示されている。したがって、重複する部
分の詳しい説明は省略する。この実施例に係る能動消音
装置31dでは、受音器32と適応型のフィルタ装置3
3dとの間に発音器34と誤差信号検出器35との間の
インパルス応答に相当する係数がセットされるフィルタ
43を介在させるとともにフィルタ装置33dの入出力
端間に発音器34と受音器32間のインパルス応答に相
当する係数がセットされるフィルタ44を設けている。
【0034】そして、この装置31dでは、制御に先だ
って、乗り籠24が図1に示した中層階39にあるとき
に、同定装置45を使ってランダム信号を発音器34に
入力して発音させ、この発音器34と誤差信号検出器3
5との間および発音器34と受音器32との間のインパ
ルス応答を同定する。次に、同定された発音器34と受
音器32との間のインパルス応答をハウリングキャンセ
ル用のフィルタ44にセットし、発音器34と誤差信号
検出器35との間のインパルス応答を音響系の遅れを除
去して適応制御を収束させるためのフィルタ43にセッ
トしている。
【0035】このように、セットの終了した状態で、フ
ァンなどの機器を動作させて制御を開始させ、フィルタ
43,44にセットされた係数を全階層に亘って保持さ
せながら適応制御を行うようにしている。
【0036】このように構成された能動消音装置31d
では、スピーカ箱の内外圧差が中間の状態と考えられる
状態での発音器34と誤差信号検出器35との間のイン
パルス応答をフィルタ43にセットするようにしている
ので、気圧変化による発音器34の出力変動で制御効果
が落ちるのを小さくすることができる。 第6実施例
【0037】この第6実施例に係るエレベータの能動消
音装置の基本的な構成は図5に示した第6実施例に係る
能動消音装置と同様である。したがって、図5を用いて
説明する。
【0038】この第6実施例に係る能動消音装置が第5
実施例に係る装置と異なる点は、乗り籠24が図1に示
される上層階37,中層階38,下層階39にあるとき
に同定装置45を使ってランダム信号を発音器34に入
力して発音させ、この発音器34と誤差信号検出器35
との間および発音器34と受音器32との間のインパル
ス応答をそれぞれ同定する。そして、同定された発音器
34と受音器32との間のインパルス応答および発音器
34と誤差信号検出器35との間のインパルス応答をそ
れぞれ記憶させておき、実運転時に乗り籠24が対応す
る階層に入った時点で記憶されている対応する階層のイ
ンパルス応答をそれぞれフィルタ43,44にセットし
ながら適応制御を実行させるようにしている。したがっ
て、このように構成された能動消音装置では、第5実施
例に係る能動消音装置より高い消音性能を発揮させるこ
とができる。 第7実施例
【0039】図6には本発明の第7実施例に係るエレベ
ータの能動消音装置31eを搭載した乗り籠24が示さ
れている。この図では図5と同一部分が同一符号で示さ
れている。したがって、重複する部分の詳しい説明は省
略する。この実施例に係る能動消音装置31eでは、受
音器として空調用ダクト28の延びる方向に配置された
2つの受音器32a,32bを設けている。
【0040】そして、この装置31eでは、制御に先だ
って、乗り籠24が図1に示した中層階39にあるとき
に、同定装置47を使ってランダム信号を発音器34に
入力して発音させ、この発音器34と誤差信号検出器3
5との間および受音器32a,32b間のインパルス応
答を同定する。次に、同定された受音器32a,32b
間のインパルス応答をハウリングキャンセル用のフィル
タ46にセットし、発音器34と誤差信号検出器35と
の間のインパルス応答を音響系の遅れを除去して適応制
御を収束させるためのフィルタ43にセットしている。
【0041】このように、セットの終了した状態で、フ
ァンなどの機器を動作させて制御を開始させ、フィルタ
46,44にセットされた係数を全階層に亘って保持さ
せながら適応制御を行うようにしている。
【0042】このように構成された能動消音装置31e
では、ハウリングの発生を防止できるとともに、スピー
カ箱の内外圧差が中間の状態と考えられる状態での発音
器34と誤差信号検出器35との間のインパルス応答を
フィルタ43にセットするようにしているので、気圧変
化による発音器34の出力変動で制御効果が落ちるのを
小さくすることができる。 第8実施例
【0043】この第8実施例に係るエレベータの能動消
音装置の基本的な構成は図6に示した第7実施例に係る
能動消音装置と同様である。したがって、図6を用いて
説明する。
【0044】この第8実施例に係る能動消音装置が第7
実施例に係る装置31eと異なる点は、乗り籠24が図
1に示される上層階37,中層階38,下層階39にあ
るときに同定装置47を使ってランダム信号を発音器3
4に入力して発音させ、この発音器34と誤差信号検出
器35との間および受音器32a,32b間のインパル
ス応答をそれぞれ同定する。そして、同定された発音器
34と誤差信号検出器35との間インパルス応答および
受音器32a,32b間のインパルス応答をそれぞれ記
憶させておき、実運転時に乗り籠24が対応する階層に
入った時点で記憶されている対応する階層のインパルス
応答をそれぞれフィルタ46,43にセットしながら適
応制御を実行させるようにしている。したがって、この
ように構成された能動消音装置では、第7実施例に係る
能動消音制御装置より高い消音性能を発揮させることが
できる。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、エ
レベータの乗り籠の位置移動に伴って生じる気圧変化が
原因して発音器の音響放射効率が変化しても、騒音を効
果的に能動消音することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるエレベータの概略配置図
【図2】本発明の第1実施例に係る能動消音装置の概略
構成図
【図3】本発明の第2実施例に係る能動消音装置の概略
構成図
【図4】本発明の第4実施例に係る能動消音装置の概略
構成図
【図5】本発明の第5実施例に係る能動消音装置の概略
構成図
【図6】本発明の第7実施例に係る能動消音装置の概略
構成図
【図7】一般的な能動消音装置の概略構成図
【図8】音響系における一般的なFiltered-XLMSアル
ゴリズムを用いた適応型能動消音装置の概略構成図
【符号の説明】
21…乗り籠 25…乗り籠本
体 26…天井 27…換気口 28…空調用ダクト 29…空調用フ
ァン 30…ファンケース 31,31a,31c,31d,31e…能動消音制御
装置 32,32a,32b…受音器 33,33a,33c,33d…フィルタ装置 34…発音器 35…誤差信号
検出器 36…位置検出器 37…上層階 38…中層階 39…下層階 40…スピーカ箱内外圧差測定装置 41a,41b,…フィルタ係数保持器 42…切換器 43,44,4
6…フィルタ 45,47…同定装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エレベータの乗り籠に侵入しようとする騒
    音を能動的に消音するためのものであって、上記乗り籠
    への騒音侵入路の上流位置に侵入した音を検出する受音
    器と、この受音器の出力信号にフィルタ係数をかけた出
    力信号を作成するフィルタ装置と、このフィルタ装置の
    出力を導入して前記乗り籠の騒音侵入口における騒音を
    消すための能動音を発生する発音器と、前記フィルタ装
    置のフィルタ係数を最適値に更新するために前記乗り籠
    の前記騒音侵入口における騒音を検出する誤差信号検出
    器と、前記乗り籠の位置に応じて前記フィルタ装置のフ
    ィルタ係数を予め定められた係数に切換え設定する手段
    とを具備してなることを特徴とするエレベータの能動消
    音装置。
  2. 【請求項2】エレベータの乗り籠に侵入しようとする騒
    音を能動的に消音するためのものであって、上記乗り籠
    への騒音侵入路の上流位置に侵入した音を検出する受音
    器と、この受音器の出力信号にフィルタ係数をかけた出
    力信号を作成するフィルタ装置と、このフィルタ装置の
    出力を導入して前記乗り籠の騒音侵入口における騒音を
    消すための能動音を発生する発音器と、前記フィルタ装
    置のフィルタ係数を最適値に更新するために前記乗り籠
    の前記騒音侵入口における騒音を検出する誤差信号検出
    器とを具備し、前記フィルタ装置には前記エレベータが
    中層階にあるときに前記誤差信号検出器からの出力信号
    が最小となるように同定されたフィルタ係数が初期セッ
    トされることを特徴とするエレベータの能動消音装置。
  3. 【請求項3】エレベータの乗り籠に侵入する騒音を能動
    消音するためものであって、上記乗り籠への騒音侵入路
    の上流位置に侵入した音を検出する受音器と、この受音
    器の出力信号にフィルタ係数をかけた出力信号を作成す
    るフィルタ装置と、このフィルタ装置の出力を導入して
    前記乗り籠の騒音侵入口における騒音を消すための能動
    音を発生する発音器と、前記乗り籠の位置に応じたフィ
    ルタ係数を予め保持している複数のフィルタ係数保持器
    と、これらのフィルタ係数保持器に保持されているフィ
    ルタ係数を前記乗り籠の位置に応じて前記フィルタ装置
    にセットする手段とを具備してなることを特徴とするエ
    レベータの能動消音装置。
  4. 【請求項4】エレベータの乗り籠に侵入しようとする騒
    音を能動的に消音するためのものであって、上記乗り籠
    への騒音侵入路の上流位置に侵入した音を検出する受音
    器と、この受音器の出力信号にフィルタ係数をかけた出
    力信号を作成するフィルタ装置と、このフィルタ装置の
    出力を導入して前記乗り籠の騒音侵入口における騒音を
    消すための能動音を発生する発音器と、前記フィルタ装
    置のフィルタ係数を最適値に更新するために前記乗り籠
    の前記騒音侵入口における騒音を検出する誤差信号検出
    器と、前記受音器から前記発音器に至る経路に設けら
    れ、前記乗り籠が中層階にあるときに消音制御に先立っ
    て前記発音器を動作させて少なくとも前記発音器と受音
    器との間のインパルス応答の同定を行なって得られた係
    数を保持してなる保持手段とを具備してなることを特徴
    とするエレベータの能動消音装置。
  5. 【請求項5】エレベータの乗り籠に侵入しようとする騒
    音を能動的に消音するためのものであって、上記乗り籠
    への騒音侵入路の上流位置に侵入した音を検出する複数
    の受音器と、これら受音器の出力信号にフィルタ係数を
    かけた出力信号を作成するフィルタ装置と、このフィル
    タ装置の出力を導入して前記乗り籠の騒音侵入口におけ
    る騒音を消すための能動音を発生する発音器と、前記フ
    ィルタ装置のフィルタ係数を最適値に更新するために前
    記乗り籠の前記騒音侵入口における騒音を検出する誤差
    信号検出器と、前記乗り籠が上中下層階にあるときに消
    音制御に先立って前記発音器を動作させて前記発音器と
    受音器との間および前記複数の受音器間のインパルス応
    答の同定を行なって得られた係数をそれぞれ記憶する記
    憶手段と、前記受音器から前記発音器に至る経路に設け
    られ、前記乗り籠の位置に応じて前記記憶手段に記憶さ
    れている係数がセットされる手段とを具備してなること
    を特徴とするエレベータの能動消音装置。
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