JPH0573073A - 能動型騒音制御装置 - Google Patents

能動型騒音制御装置

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JPH0573073A
JPH0573073A JP3238255A JP23825591A JPH0573073A JP H0573073 A JPH0573073 A JP H0573073A JP 3238255 A JP3238255 A JP 3238255A JP 23825591 A JP23825591 A JP 23825591A JP H0573073 A JPH0573073 A JP H0573073A
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Kazunobu Kawabata
一信 川畑
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Abstract

(57)【要約】 【目的】乗員に必要な異常音等の特定音に対する騒音抑
制効果を低減させて特定音を乗員に聴取させて認識し易
くする。 【構成】マイクロフォン6a〜6cに不感帯を設けて、
ロードノイズ等の比較的小さい音圧の騒音を感知しない
ようにすると共に、コントローラ15でラウドスピーカ
5a,5bに対する駆動信号y1,y2 を監視し、通常の
こもり音等の音圧より大きい音圧に対する音圧状態を検
出し、これが継続する場合にアナログスイッチ28a,
28bをオフ状態とする制御信号CAを出力して騒音抑
制処理を停止する。これによって、異常音等の乗員が必
要とする特定音を乗員に聴取させて異常状態等を確実に
把握させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、騒音源からの騒音に制
御音源から発生させた制御音を干渉させて騒音を低減す
る能動型騒音制御装置に係り、特に機械系の故障音その
他の乗員が必要とする周波数域又は音圧域の騒音に対す
る騒音抑制効果を低減させるようにした能動型騒音制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の能動型騒音制御装置としては、例
えば特表平1−501344号公報や英国公開特許公報
2149614号記載の装置が知られている。これらの
装置は、航空機の客室やこれに類する閉空間に適用され
るもので、閉空間内に配設された複数のラウドスピーカ
(制御音源)及びマイクロフォン(残留騒音検出手段)
と、閉空間の外部に位置するエンジン等の単一の騒音源
の周波数を検出する周波数検出手段と、前記複数のマイ
クロフォンからの検出信号,及び前記周波数検出手段か
らの検出信号に基づき前記複数のラウドスピーカの駆動
を制御する信号出力器とを備えた構造であって、前記信
号出力器により、例えば複数のマイクロフォンの検出信
号(音圧)の二乗和を評価関数として、この評価関数を
最小にするように適応制御を行っている。これによっ
て、前記信号出力器によって制御されているラウドスピ
ーカから放射される制御音と、騒音源から伝達した騒音
とが干渉して該騒音の振動エネルギが減衰し、もって観
測位置における残留騒音を低減している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の能動型騒音制御装置にあっては、マイクロフォンの
残留騒音検出信号の二乗和を評価関数として、この評価
関数を最小にするように適応制御を行っているため、全
ての騒音に対して騒音抑制効果が発揮されることにな
り、例えば機械系の故障による金属音や、車両の場合の
走行路面状態を認識するためのロードノイズ等の乗員が
認識する必要がある特定音まで減衰されるので、故障や
路面状況の判断が遅れてしまうという未解決の課題があ
る。
【0004】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、乗員が認識する必
要がある特定音に対する騒音抑制効果を低減させて、特
定音を認識し易くすることができる能動型騒音制御装置
を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の能動型騒音制御装置は、図1に示すよう
に、騒音源から伝達される騒音に干渉する制御音を発生
させる制御音源と、前記騒音と制御音との残留騒音を検
出する残留騒音検出手段と、該残留騒音検出手段の残留
騒音検出信号に基づいて前記制御音源を駆動制御する制
御手段とを備えた能動型騒音制御装置において、前記残
留騒音検出手段の残留騒音検出信号に基づいて騒音が予
め設定された騒音状態であることを検出する騒音状態検
出手段と、該騒音状態検出手段で所定騒音状態であるこ
とを検出したときに、前記制御手段による当該騒音状態
の騒音に対する騒音抑制効果を低減させる騒音抑制効果
低減手段とを備えたことを特徴としている。
【0006】ここで、騒音状態検出手段としては、機械
系の故障等を表す特定周波数域又は特定音圧域の騒音状
態を検出することが望ましい。
【0007】
【作用】本発明においては、騒音状態検出手段で、騒音
中に予め設定された機械系の故障やロードノイズ等の乗
員が必要とする特定音が含まれていることを検出し、こ
の特定音が検出されたときに騒音抑制効果低減手段で、
制御手段による特定音に対する騒音抑制効果を低減させ
ることにより、乗員に特定音を認識し易くする。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2は、本発明を4気筒エンジンを搭載した車両
に適用した場合の一実施例を示す概略構成図である。図
2において、1は車体であって、車室2の前方に第1の
振動源としての4気筒エンジン3が配置されている。車
室2内には、前部座席4F及び後部座席4Rが配設され
ていると共に、例えばダッシュボードの下部及び後部座
席4Rの後方側にオーディオ信号を出力する制御音源を
兼ねるラウドスピーカ5a及び5bが配設され、さらに
天井の前方、中央及び後方部に夫々残留騒音検出手段と
してのマイクロフォン6a,6b及び6cが配設されて
いる。そして、マイクロフォン6a〜6cは、図5に示
すように、予め不感帯が設けられ、入力される音圧が予
め設定されたロードノイズ等の乗員が認識する必要があ
る比較的小さい音圧の上限値S1 を越えるまでの間残留
騒音検出信号e1 〜e3 が零を維持し、音圧S1 以上と
なると音圧の増加に正比例して増加する残留騒音検出信
号e1 〜e3 が出力される。
【0009】また、エンジン3には、クランク角センサ
7が取付けられ、このクランク角センサ7から例えばク
ランク軸が180度回転する毎に1サイクルの正弦波状
信号でなる基準信号としてのクランク角検出信号Xが出
力される。そして、マイクロフォン6a〜6cから出力
される残留騒音検出信号e1 〜eがコントローラ1
5に入力されると共に、クランク角センサ7のクランク
角検出信号Xもコントローラ15に入力される。
【0010】コントローラ15は、図3に示すように、
クランク角検出信号XをA/D変換して出力するA/D
変換回路21と、マイクロフォン6a〜6cの残留騒音
検出信号e1 〜e3 を増幅する増幅器22a〜22c
と、これら増幅器22a〜22cの増幅出力をA/D変
換して出力するA/D変換回路23a〜23cと、各A
/D変換回路21,23a〜23cの変換出力が入力さ
れるマイクロコンピュータ26と、このマイクロコンピ
ュータ26から出力されるラウドスピーカ5a,5bの
駆動信号y1,2 をD/A変換して出力するD/A変換
回路27a,27bと、これらD/A変換回路27a,
27bから出力されるアナログ信号を増幅してアナログ
スイッチ28a,28bを介してラウドスピーカ5a,
5bに供給する増幅器29a,29bとを備えている。
【0011】ここで、マイクロコンピュータ26は、常
時、順次更新されるフィルタ係数Wmiに基づいて基準信
号としてのクランク角検出信号Xのたたみ込み演算を行
ってラウドスピーカ5a,5bに対する駆動信号y1,
2 を算出する適応ディジタルフィルタ処理と、クランク
角検出信号Xに基づきマイクロフォン及びスピーカ間の
空間伝達関数の組合せ数に応じて、モデル化したモデル
空間伝達関数に対応するフィルタ係数でフィルタ処理さ
れた基準信号rkm(後述する(5) 式参照)を生成するデ
ィジタルフィルタ処理と、フィルタ処理された基準信号
kmと選択された残留騒音検出信号e1 〜e3 とに基づ
き適応ディジタルフィルタ処理におけるフィルタ係数W
miをLMS(LeastMean Square) アルゴリズムを用いて
更新するフィルタ係数更新処理と、乗員が必要とする音
圧域の騒音抑制効果を低減させる騒音抑制効果低減処理
とを実行する。
【0012】ここで、マイクロコンピュータ26の消音
制御原理を一般式を用いて説明する。今、第k番目のマ
イクロフォン6a〜6hが検出した残留騒音検出信号を
k (n) 、ラウドスピーカ5a及び5bからの制御音
(二次音)が無いときの第k番目のマイクロフォン6a
〜6hが検出した残留騒音検出信号をept(n) 、第m番
目のラウドスピーカ5a及び5bと第k番目のマイクロ
フォン6a〜6hとの間の伝達関数HkmをFIR(有限
インパルス応答)関数で表したときの第j番目(j=
0,1,2,──Ic - 1 )の項に対応するフィルタ係
数をCkmj ′、クランク角検出信号をX(n) 、このクラ
ンク角検出信号X(n) を入力しm番目のラウドスピーカ
5a及び5bを駆動する適応ディジタルフィルタの第i
番目(i=0,1,2,─IF -1)の係数をWmiとする
と、下記(2) 式が成立する。
【0013】 ここで、(n)が付く項は、いずれもサンプリング時刻
nのサンプル値であり、また、Kはマイクロフォン6a
〜6cの数(本実施例では3個)、Mはラウドスピーカ
5a及び5bの数(本実施例では2個)、IC はFIR
ディジタルフィルタで表現されたフィルタ係数Ckm′の
タップ数(フィルタ次数)、IF は適応ディジタルフィ
ルタで表現されたフィルタ係数Wmiのタップ数(フィル
タ次数)である。
【0014】上記(2) 式中の右辺の「{ΣWmi・X(n-j
-i) }」(=ym )の項は、クランク角検出信号Xを適
応ディジタルフィルタ処理したときの出力を表し、「Σ
km j ・{ΣWmi・X(n-j-i) }」の項は第m番目のス
ピーカ5a及び5bに入力された信号エネルギがこれら
スピーカ5a及び5bから音響エネルギとして出力さ
れ、車室内の空間伝達関数Ckmを経て第k番目のマイク
ロフォン6a〜6cに到達したときの信号を表し、さら
に「ΣΣCkmj ・{ΣWmi・X(n-j-i) }」の右辺第2
項全体は、第k番目のマイクロフォン6a〜6cへの到
達信号を全スピーカについて足し合わせているから、第
k番目のマイクロフォン6a〜6cに到達する二次音の
総和を表す。
【0015】次いで、評価関数Jを下記(3) 式のように
置く。 そして、本実施例では、LMSアルゴリズムを採用し、
評価関数Jを最小とするフィルタ係数Wmiを求め、適応
ディジタルフィルタ処理の各フィルタ係数Wmiを下記
(4) 式に従って更新する。すなわち、最急降下法である
LMSアルゴリズムは、適応ディジタルフィルタ処理の
フィルタ係数としてn番目の値Wmi(n) を用い、平均自
乗誤差の勾配∂J/∂Wmiを算出し、これをα倍して
(n+1)番目の値Wmi(n+1)を求め、評価関数Jの値
を小さくするように演算を実行する。
【0016】 但し、 で表され、また、αは収束係数であって、適応ディジタ
ルフィルタ処理が最適に収束する速度や、その際の安定
性に関与する。
【0017】このように、適応ディジタルフィルタ処理
におけるフィルタ係数Wmi(n+1) を、マイクロフォン6
a〜6cから出力される残留騒音検出信号e1(n)〜e
3(n)とクランク角センサ7からのクランク角検出信号X
(n) とに基づいてLMSアルゴリズムに従って順次更新
することにより、入力される残留騒音検出信号e1(n)〜
3(n)を最小とする駆動信号y1 (n) 及びy2 (n) が形
成され、これらがラウドスピーカ5a及び5bに供給さ
れて、これらから出力される制御音によって車室2内の
騒音が相殺される。
【0018】次に、上記実施例の動作をマイクロコンピ
ュータ26の処理手順を示す図4のフローチャートを伴
って説明する。なお、全体のシステムはキースイッチが
オン状態となったときに、電源が投入され、マイクロコ
ンピュータ26で図4に示すタイマ割込処理を所定時間
(例えば1msec)毎に実行する。なお、電源投入時のメ
インプログラムによる初期化処理で、制御信号CAが論
理値“1”に設定されてアナログスイッチ28a,28
bがオン状態に制御される。
【0019】先ず、ステップS1で、マイクロフォン6
a〜6cからの残留騒音検出信号e1 〜e3 及びクラン
ク角検出信号X(n) を読込み、次いでステップS2に移
行して、前記(11)式に対応するディジタルフィルタ処理
を行ってフィルタ処理された基準信号rkmを算出し、次
いでステップS3に移行して算出されたフィルタ処理さ
れた基準信号rkmと残留騒音検出信号e1 〜e3 とに基
づいて前記(13)式に従ったフィルタ係数更新処理を行っ
てフィルタ係数Wmi(n+1) を算出し、次いでステップS
4に移行して算出されたフィルタ係数Wmi(n+1) をもと
に適応ディジタルフィルタ処理を実行してラウドスピー
カ5a,5bに対する駆動信号y1,2 を算出し、次い
でステップS5に移行して算出した駆動信号y1,2
D/A変換回路27a,27bに出力してからステップ
S6に移行する。
【0020】ステップS6では、ラウドスピーカ5a,
5bに対する駆動信号ym の値が乗員が必要とする例え
ば機械系の故障(ミッションのギヤ噛み合い不良時等)
が発生したときのような比較的大きい音圧(例えば90
dB)に対応して予め設定した音圧閾値S2 に対応する
閾値yS 以上であるか否かを判定し、ym <yS である
ときには異常音が発生していないものと判断してタイマ
割込処理を終了して所定のメインプログラムに復帰し、
m ≧yS であるときには異常音が発生しているものと
判断してステップS7に移行する。
【0021】このステップS7では、異常音の発生状態
が継続されているか否かを判定する。この判定は、異常
音の発生が所定時間継続しているか又は異常音の所定時
間内での発生回数が設定値以上であるかによって行い、
異常音の発生状態が継続していないときにはそのままタ
イマ割込処理を終了し、異常音の発生状態が継続してい
るときには、ステップS8に移行して、論理値“0”の
制御信号CAを出力し、アナログスイッチ28a,28
bをオフ状態として制御音の出力を停止させてから騒音
抑制制御処理を終了する。
【0022】この図4の処理において、ステップS1〜
S5の処理が制御手段に対応し、ステップS6及びS7
の処理とマイクロフォン6a〜6cに設定した不感帯と
が騒音状態検出手段に対応し、ステップS8の処理が騒
音抑制効果低減手段に対応している。したがって、今、
キースイッチ及びイグニッションスイッチが共にオン状
態で車両が走行中であるものとすると、マイクロコンピ
ュータ26で図4の処理を実行しており、マイクロフォ
ン6a〜6cから出力される残留騒音検出信号e1 〜e
3 及クランク角検出信号Xを読込み(ステップS1)、
これらに基づいてLMSアルゴリズムに従って適応デジ
タルフィルタ処理におけるフィルタ係数を順次更新し
て、評価関数Jが最小となるようにラウドスピーカ5
a,5bに対する駆動信号y1,2 が算出され、これが
D/A変換回路27a,27bを介してラウドスピーカ
5a,5bに供給される。このため、ラウドスピーカ5
a,5bから駆動信号y1,2 に応じた制御音が発せら
れ、これが騒音と干渉することにより、マイクロフォン
6a〜6cの残留騒音検出信号e1 〜e3 が最小となる
ように騒音抑制制御が行われる。
【0023】このため、エンジン3からの騒音やこれに
よるこもり音等の設定音圧S1 より大きい騒音について
は大きな騒音抑制効果が発揮される。ところが、各マイ
クロフォン6a〜6cには、前述したように不感帯が設
定されているので、ロードノイズ等の比較的音圧の小さ
い騒音については騒音抑制効果が発揮されず、そのまま
乗員に伝達されることになり、乗員がロードノイズによ
って路面状況を把握することができる。
【0024】一方、通常のエンジン騒音によるこもり音
等の騒音に比較して大きな異常音が機械系の故障等によ
って発生すると、これがマイクロフォン6a〜6cで検
出され、この異常音を減衰させるために、ラウドスピー
カ5a,5bの駆動信号y1,2 が大きな値となる。こ
のため、ステップS6からステップS7に移行して、異
常音による大駆動信号状態が継続しているか否かを判定
し、異常音が継続している場合にはステップS8に移行
して制御信号CAを論理値“0”とする。これによっ
て、アナログスイッチ28a,28bがオフ状態とな
り、駆動信号y1,2 のラウドスピーカ5a,5bへの
供給が遮断されることになり、騒音抑制効果が発揮され
なくなって、異常音が乗員に聴取されて異常状態の発生
を認識するとこができる。
【0025】ただし、ドアを大きな音をたてて閉めた時
や鉄道のガードをくぐった時等の一過性の大騒音につい
ては、ステップS7で異常音の継続とは判断されないの
で、そのまま騒音抑制処理が続行されて快適な音響空間
を維持することができる。このように、上記実施例によ
ると、図6に示すように、設定音圧S1 以下及びS2
上の乗員が認識する必要がある騒音についてはそのまま
乗員に伝達し、設定音圧S1 及びS2 間のエンジン騒
音、こもり音等については良好な騒音抑制効果を発揮す
ることができる。しかも、騒音状態を音圧域で検出する
ので、種々の異なる周波数の異常音に対して広範囲に適
用することができる。
【0026】なお、上記実施例においては、設定音圧S
2 以上となったときに、騒音抑制処理を停止させる場合
について説明したが、これに限定されるものではなく、
図6で一点鎖線で示すように、設定音圧S2 以上となっ
たときに騒音抑制効果を徐々に低減させるようにしても
よい。次に、本発明の第2実施例を図7について説明す
る。
【0027】この第2実施例は、騒音抑制効果を特定音
圧域で低減する場合に代えて、特定周波数域で低減させ
るようにしたものである。すなわち、図7に示すよう
に、コントローラ15内に、何れか1つのマイクロフォ
ン6cの残留騒音検出信号e3 の一部を予め設定した異
常音が含まれる周波数域を通過させるバンドパスフィル
タ30と、このバンドパスフィルタ30のフィルタ出力
を波形整形する波形整形回路31と、その波形整形出力
F を予め設定された設定値VS と比較し、VF <VS
であるときに論理値“1”、VF ≧V S であるときに論
理値“0”の制御信号CAをアナログスイッチ28a,
28bに供給する比較器32とを設けると共に、マイク
ロコンピュータ26では図4のステップS1〜ステップ
S5の騒音抑制処理のみを行わせるようにしたことを除
いては前述した第1実施例と同様の構成を有し、第3図
との対応部分には同一符号を付しその詳細説明はこれを
省略する。
【0028】この第2実施例によると、異常音が発生し
ていない通常状態では、マイクロフォン6cの残留騒音
検出信号e3 に含まれる異常音周波数成分が少ないの
で、バンドパスフィルタ30を通過し、波形整形回路3
1で波形整形された出力は小さな値とななっており、比
較器32から論理値“1”の制御信号CAがアナログス
イッチ28a,28bに出力されて、これらがオン状態
に制御され、マイクロコンピュータ26から出力される
駆動信号y1,2 がラウドスピーカ5a,5bに供給さ
れることにより、騒音抑制効果が発揮されている。
【0029】この状態から、例えば機械系の故障によっ
て金属音のようなバンドパスフィルタ30に設定されて
いる特定周波数域の異常音(例えば、ミッションのギヤ
の噛み合い不良時の周波数400Hz近辺の音)が発生す
ると、バンドパスフィルタ30のフィルタ出力を波形整
形回路31で波形整形した出力VF が設定値VS 以上と
なり、比較器32から出力される制御信号CAが論理値
“0”に反転する。このため、アナログスイッチ28
a,28bがオフ状態となって、マイクロコンピュータ
26から出力される駆動信号y1,2 のラウドスピーカ
5a,5bへの供給が遮断されることにより、ラウドス
ピーカ5a,5bからの制御音の出力が停止されて、騒
音抑制処理が中止される。この結果、異常音が乗員に聴
取されて異常状態の発生を認識することができる。しか
も、特定周波数域の異常音についてのみ騒音抑制制御が
中止されるので、他の周波数域では確実に騒音抑制効果
を発揮することができる。
【0030】なお、上記第2実施例においては、バンド
パスフィルタ30で異常音を含む特定周波数域を抽出す
る場合について説明したが、これに限定されるものでは
なく、マイクロフォン6a〜6cの出力側に特定周波数
域の通過を阻止する帯域阻止フィルタを介挿し、特定周
波数域ではマイクロコンピュータ26による騒音抑制処
理を行わないようにすることもできる。
【0031】また、上記各実施例では、アナログスイッ
チ28a,28bを適用してラウドスピーカ5a,5b
からの制御音の出力を中止する場合について説明した
が、これに限定されるものではなく、アナログスイッチ
に代えてミューティング回路を設け、ラウドスピーカ5
a,5bに対する駆動信号y1,2 を大きく減衰させて
制御音を小さくするようにしてもよい。
【0032】さらに、上記各実施例では、制御音源とし
てラウドスピーカを適用した場合について説明したが、
これに限定されるものではなく、振動子を適用すること
もでき、また残留騒音を検出するマイクロフォンに代え
て加速度振動センサを適用することもできる。さらにま
た、ラウドスピーカ及びマイクロフォンの設置数は上記
各実施例に限定されるものではなく、2以上の任意数と
することができる。
【0033】また、上記各実施例ではエンジン騒音を抑
制する場合について説明したが、これに限定されるもの
ではなく、窓ガラスの振動を検出して風切り音を抑制し
たりすることができ、これらの複合音を抑制することも
できる。さらに、上記各実施例では、マイクロコンピュ
ータ26で、適応ディジタルフィルタ処理、ラウドスピ
ーカ及びマイクロフォン間の空間伝達関数に応じたフィ
ルタ係数のディジタルフィルタ処理を行う場合について
説明したが、これらに代えて独立した適応ディジタルフ
ィルタ及びディジタルフィルタを適用することもでき、
さらに適応フィルタのフィルタ係数はLMSアルゴリズ
ム以外の他のアルゴリズムを適用して更新するようにし
てもよい。
【0034】なおさらに、上記実施例では本発明を車両
に適用した場合について説明したが、これに限定される
ものではなく、航空機等の閉空間内の騒音を減衰させる
場合にも適用できる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る能
動型騒音制御装置によれば、機械系の故障等の異常音な
どのように乗員が必要とする特定音の発生状態を騒音状
態検出手段で検出し、これに応じて騒音抑制効果低減手
段で、制御手段による特定音の騒音抑制効果を低減させ
るようにしているので、特定音を乗員に聴取させること
ができ、異常の発生状態や路面状況の把握等を適確に行
うことができるという効果が得られる。
【0036】また、請求項2に係る能動型騒音制御装置
によれば、騒音状態を音圧域で検出するようにしている
ので、種々の異常状態による異なる周波数域の異常音に
対して広範囲に適用することができるという効果が得ら
れる。さらに、請求項2に係る能動型騒音制御装置によ
れば、騒音状態を周波数域で検出するようにしているの
で、特定周波数域以外の周波数域における騒音について
は確実に騒音抑制効果を発揮することができるという効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概要を示す基本構成図である。
【図2】本発明の第1実施例の概略構成図である。
【図3】コントローラの一例を示すブロック図である。
【図4】マイクロコンピュータの処理手順の一例を示す
フローチャートである。
【図5】マイクロフォンの入力音と出力との関係を示す
特性線図である。
【図6】騒音音圧と乗員が聴取する音圧との関係を示す
特性線図である。
【図7】本発明の第2実施例を示すブロック図である。
【符号の説明】
2 車室 3 エンジン 5a,5b ラウドスピーカ 6a〜6c マイクロフォン 7 クランク角センサ 15 コントローラ 26 マイクロコンピュータ 30 バンドパスフィルタ 31 波形整形回路 32 比較器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 騒音源から伝達される騒音に干渉する制
    御音を発生させる制御音源と、前記騒音と制御音との残
    留騒音を検出する残留騒音検出手段と、該残留騒音検出
    手段の残留騒音検出信号に基づいて前記制御音源を駆動
    制御する制御手段とを備えた能動型騒音制御装置におい
    て、前記残留騒音検出手段の残留騒音検出信号に基づい
    て騒音が予め設定された騒音状態であることを検出する
    騒音状態検出手段と、該騒音状態検出手段で所定騒音状
    態であることを検出したときに、前記制御手段による当
    該騒音状態の騒音に対する騒音抑制効果を低減させる騒
    音抑制効果低減手段とを備えたことを特徴とする能動型
    騒音制御装置。
  2. 【請求項2】 前記騒音状態検出手段は、予め設定され
    た周波数域の騒音状態を検出するように構成されている
    請求項1記載の能動型騒音制御装置。
  3. 【請求項3】 前記騒音状態検出手段は、予め設定され
    た音圧域の騒音状態を検出するように構成されている請
    求項1記載の能動型騒音制御装置。
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