JPH06238823A - 木質床材の製造方法 - Google Patents

木質床材の製造方法

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JPH06238823A
JPH06238823A JP3294393A JP3294393A JPH06238823A JP H06238823 A JPH06238823 A JP H06238823A JP 3294393 A JP3294393 A JP 3294393A JP 3294393 A JP3294393 A JP 3294393A JP H06238823 A JPH06238823 A JP H06238823A
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Shiro Koike
史郎 小池
Ayako Yagi
亜也子 八木
Akira Imai
章 今井
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄単板の化粧用突き板においても容易に表面
の耐傷付き性を高める。 【構成】 基板の表面に熱硬化性樹脂を塗布してセミ硬
化させる。次にこの上に化粧用突き板を重ねて熱圧締す
ることによって積層する。熱圧締する際に溶融した熱硬
化性樹脂が化粧用突き板に含浸し、化粧用突き板を熱硬
化性樹脂で強化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、WPCタイプの木質床
材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】化粧用突き板を貼った木質床材は、一般
に表面の化粧用突き板が傷付き易いという問題がある。
また、近年普及しているホットカーペットや床暖房装置
を使用すると、寸法変形のために表面の化粧用突き板に
クラックが生じたり目隙きが生じたりするという問題が
ある。
【0003】このために従来から、化粧用突き板に熱硬
化性樹脂を含浸して硬化させ、化粧用突き板を熱硬化性
樹脂によって強化するWPC処理がおこなわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、化粧用突き板
は木材を薄くスライスして作成されるために、化粧用突
き板に熱硬化性樹脂を含浸・硬化させる工程で化粧用突
き板に反りやあばれ等の変形が生じ易く、薄単板におい
てはこのようなWPC処理は適用することができないも
のであった。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、薄単板の化粧用突き板においても容易に、表面の
耐傷付き性を高めることができ、さらに耐クラック性を
高めることができる木質床材の製造方法を提供すること
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る木質床材の
製造方法は、基板の表面に熱硬化性樹脂を塗布してセミ
硬化させ、次にこの上に化粧用突き板を重ねて熱圧締す
ることによって積層することを特徴とするものである。
また本発明にあって、熱硬化性樹脂に補強繊維を配合し
て使用することができる。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて使用する熱硬化性樹脂としては、特に限定される
ものではないが、木質床材に要求される耐水性やあるい
は色の点から、メラミン樹脂、変性メラミン樹脂、不飽
和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂などを使
用するのが好ましい。
【0008】そしてこの熱硬化性樹脂を合板などで作成
される基板の表面に塗布し、熱硬化性樹脂をセミ硬化さ
せる。熱硬化性樹脂のセミ硬化は乾燥機を使用しておこ
なうことができる。乾燥条件は熱硬化性樹脂に配合され
る硬化剤の種類やその添加量等で異なるので特に限定さ
れるものではないが、熱硬化性樹脂の表面が指触による
べたつきがなくなる程度を目安とするのがよい。
【0009】次に、単板で作成される化粧用突き板を熱
硬化性樹脂をセミ硬化させた基板の表面に重ね、プレス
機で加熱しつつ圧締することによって、熱硬化性樹脂を
溶融硬化させて基板に化粧用突き板を積層接着し、さら
に表面を塗装仕上げすることによって木質床材を製造す
ることができる。この木質床材にあって、化粧用突き板
は熱硬化性樹脂によって基板に積層接着されているが、
熱圧締する際に溶融した熱硬化性樹脂が化粧用突き板に
含浸されるために、WPC処理をおこなうのと同様に化
粧用突き板を熱硬化性樹脂で強化することができるもの
であり、化粧用突き板の表面硬度を高めて耐傷付き性を
向上させることができるものである。
【0010】また、上記熱硬化性樹脂には補強繊維を配
合して使用することができる。補強繊維としては一般の
FRPにおいて知られているものをそのまま使用するこ
とができ、特に限定する趣旨ではないが、ガラス繊維、
カーボン繊維、アラミド繊維、ウィスカ、CVD繊維な
どを挙げることができる。熱硬化性樹脂への補強繊維の
配合量は必要に応じて任意に設定することができる。
【0011】そしてこの補強繊維を配合した熱硬化性樹
脂を用い、上記と同様にして、熱硬化性樹脂を基板の表
面に塗布してセミ硬化させ、化粧用突き板をセミ硬化さ
せた熱硬化性樹脂の表面に重ね、加熱しつつ圧締するこ
とによって熱硬化性樹脂を溶融硬化させて基板に化粧用
突き板を積層接着し、さらに塗装仕上げすることによっ
て木質床材を製造することができる。この木質床材にあ
って、熱硬化性樹脂は補強繊維で補強されているために
寸法変化が小さくなっており、合板で作成される基板の
寸法変化が化粧用突き板に影響することを熱硬化性樹脂
の層で防ぐことができ、寸法変化によって化粧用突き板
にクラックが発生することを防止して耐クラック性を高
めることができるものである。
【0012】尚、基板の表面に熱硬化性樹脂を塗布して
セミ硬化させずに化粧用突き板を重ね、これを熱圧締し
て基板に化粧用突き板を積層することによって木質床材
を製造することもできるが、このように熱硬化性樹脂を
セミ硬化させないで化粧用突き板を積層するようにする
と、化粧用突き板の表面硬度を高めて耐傷付き性を向上
させたり、寸法変化を低減して耐クラック性を向上させ
る効果を十分に得ることはできないものである。
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例によって例証する。 (実施例1)11.8mm厚の5プライラワン合板で作
成した基板の表面に、三井東圧化学(株)製の変性メラ
ミン樹脂を110g/m2 の塗布量で塗布し、100℃
の熱風乾燥機中に6分間放置した。樹脂の塗布層の表面
は指触によるべたつきもなくセミ硬化した。次に、集成
フリッチをスライスして得られる厚み0.3mmの単板
で作成した化粧用突き板を、樹脂の塗布層の上から合板
に重ね、これを130℃、8kg/cm2 の条件で3分
間加熱プレスして、合板に化粧単板を積層した。この後
に、表面にウレタン塗装を施すことによって木質床材と
して仕上げた。
【0014】(比較例1)実施例1と同様にして基板の
表面に変性メラミン樹脂を塗布した後、乾燥をおこなう
ことなく化粧用付き板を重ね、後は実施例1と同様にし
て木質床材を製造した。上記実施例1及び比較例1で得
た木質床材について、化粧用突き板の表面のバーコール
硬度を測定すると共にコインスクラッチ試験をおこなっ
た。結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】表1にみられるように、実施例1のもので
は表面の硬度が高く、傷が付き難いことが確認される。 (実施例2)11.8mm厚の5プライラワン合板で作
成した基板の表面に、日本触媒化学(株)製の不飽和ポ
リエステル樹脂100重量部、硬化剤としてベンゾイル
パーオキサイド(BPO)2重量部、ガラス繊維(ミル
ドファイバ)25重量部を混練した不飽和ポリエステル
樹脂組成物を110g/m2 の塗布量で塗布し、100
℃の熱風乾燥機中に6分間放置した。樹脂の塗布層の表
面は指触によるべたつきもなくセミ硬化した。次に、集
成フリッチをスライスして得られる厚み0.3mmの単
板で作成した化粧用突き板を、樹脂の塗布層の上から合
板に重ね、これを130℃、8kg/cm2 の条件で3
分間加熱プレスして、合板に化粧単板を積層した。この
後に、表面にウレタン塗装を施すことによって木質床材
として仕上げた。
【0017】(比較例2)実施例2と同様にして基板の
表面にガラス繊維入りの不飽和ポリエステル樹脂組成物
を塗布した後、乾燥をおこなうことなく化粧用突き板を
重ね、後は実施例2と同様にして木質床材を製造した。 (参考例)ガラス繊維を配合しないで不飽和ポリエステ
ル樹脂組成物を調製し、実施例2と同様にして基板の表
面にこのガラス繊維が配合されない不飽和ポリエステル
樹脂組成物を塗布し、さらに実施例2と同様にてセミ硬
化した後、実施例2と同様にして木質床材を製造した。
【0018】上記実施例2及び比較例1、参考例で得た
木質床材について、化粧用突き板の表面のバーコール硬
度を測定すると共にコインスクラッチ試験をおこない、
さらにJAS規格に基づいて寒熱繰り返し試験をおこな
って化粧用突き板に発生したクラックの長さを測定し
た。結果を表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】表2にみられるように、実施例2のもので
は表面の硬度が高くて傷が付き難く、また耐クラック性
も高いことが確認される。
【0021】
【発明の効果】上記のように本発明は、基板の表面に熱
硬化性樹脂を塗布してセミ硬化させ、次にこの上に化粧
用突き板を重ねて熱圧締することによって積層するよう
にしたので、熱圧締する際に溶融した熱硬化性樹脂が化
粧用突き板に含浸して化粧用突き板を硬化性樹脂で強化
することができ、化粧用突き板の表面硬度を高めて耐傷
付き性を向上させることができるものである。
【0022】また本発明は、熱硬化性樹脂に補強繊維を
配合するようにしたので、熱硬化性樹脂で化粧用突き板
を強化して、化粧用突き板の表面硬度を高めて耐傷付き
性を向上させることができると共に、熱硬化性樹脂を補
強繊維で補強して寸法変化を小さくすることができ、寸
法変化によって化粧用突き板にクラックが発生すること
を防止して耐クラック性を高めることができるものであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に熱硬化性樹脂を塗布してセ
    ミ硬化させ、次にこの上に化粧用突き板を重ねて熱圧締
    することによって積層することを特徴とする木質床材の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 熱硬化性樹脂に補強繊維を配合して成る
    ことを特徴とする請求項1に記載の木質床材の製造方
    法。
JP05032943A 1993-02-23 1993-02-23 木質床材の製造方法 Expired - Fee Related JP3084164B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH071415A (ja) * 1993-06-11 1995-01-06 Noda Corp 化粧板およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH071415A (ja) * 1993-06-11 1995-01-06 Noda Corp 化粧板およびその製造方法

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