JPH06237699A - 動物用飼料およびそれを用いる動物の赤斑発症の予防または治療方法 - Google Patents

動物用飼料およびそれを用いる動物の赤斑発症の予防または治療方法

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JPH06237699A
JPH06237699A JP5025730A JP2573093A JPH06237699A JP H06237699 A JPH06237699 A JP H06237699A JP 5025730 A JP5025730 A JP 5025730A JP 2573093 A JP2573093 A JP 2573093A JP H06237699 A JPH06237699 A JP H06237699A
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animal
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linolenic acid
animal feed
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Ron Hashizume
論 橋爪
Yoshikazu Otsuki
美和 大月
Hiroshi Doi
浩 土井
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ADVANCED SUKIN RES KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 動物の皮膚に生じる炎症を伴う皮膚疾患の発
症予防に有効な動物用飼料を提供する。 【構成】 α−リノレン酸ならびにその生理学上許容さ
れる塩類およびエステル類から選ばれた少なくとも1種
を有効量含んでなる動物用飼料、ならびにかかる飼料を
用いる動物の赤斑発症の予防または治療方法、を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動物の皮膚に生じる炎
症を伴う皮膚疾患(赤斑)の発症予防に有効である動物
用飼料に関する。
【0002】
【従来の技術】実験用動物、特に粗毛・無毛の遺伝形質
を持つヘアレスラットやヌードマウスは従来の飼料で飼
育した場合には体表面に炎症を伴う潰瘍様の病巣(赤
斑)が高頻度で発症する。この症状を示す疾患が原因で
動物が死に至ることはないが、商品・または愛玩動物と
しての外観的品位を著しく低下させる上、病巣部からの
二次的感染の危険にさらされるなどの問題がある。さら
に、粗毛・無毛の実験用動物はその性質を利用して、シ
ミ・皺などの皮膚外観試験や粘弾性・角質水分含量など
の皮膚物性試験などに多用されているが、前記発症がこ
の種の試験の結果に与える影響に関して明かでないばか
りでなく、試験をやむなく中断する場合もあった。
【0003】このような症状の対症療法として、抗ヒス
タミン剤や合成ステロイド剤の経口あるいは局部投与が
有効であるが、これらの手段は、かかる試験目的に与え
る影響を無視できないこと、また試験期間中治療のため
の特に別途な治療薬剤を投与しなければならない労力の
負担などから愛玩目的以外には使用されていないのが現
状である。
【0004】他方、本発明により動物用飼料に添加が予
定されているα−リノレン酸は、人においてEPA(エ
イコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)
などのω−3系脂肪酸の前駆脂肪酸として人体の健康維
持に必須であることが知られているほか、補助栄養食と
して通常より多く摂取した時の生理作用にはコレステロ
ール低下作用(日本栄養・食糧学会誌41,279−2
86(1988))、抗アレルギー作用(Prosta
glandins 36;3,(1988))、学習能
向上作用(J.Lipd Res.28;144(19
87),J.Lipid Res.29;1013(1
988))、大腸癌乳癌抑制作用(JAOCS 65
509(1988),Chem.Pharm.Bul
l.35;3925(1987)))などの効果がある
とされ、α−リノレン酸を主成分とするカプセル剤(特
開昭59−207714、特開平02−113850号
公報)、α−リノレン酸を強化したドレッシングやマー
ガリンなどの食用油脂(特開昭61−89179、特開
平02−227030号公報)、α−リノレン酸を強化
した乳児用粉ミルク(特開平03−244344号公
報)、α−リノレン酸含有飲料(特開平04−6357
9号公報)などへの応用が知られている。
【0005】しかし、ヒト以外の動物、特にマウスやモ
ルモットなどの小動物における必須脂肪酸としての認識
は低く、α−リノレン酸を添加した動物用飼料を与える
ことで動物そのものの健康を維持することを目的とした
応用例は知られていない。ただし、家畜用飼料にα−リ
ノレン酸を含む全脂大豆を添加する応用例(特開平04
−271754号公報)が知られているが、この目的は
α−リノレン酸を含む飼料を与えた家畜の畜肉中のα−
リノレン酸含量を上昇せしめて人の健康によい畜肉を生
産することにあり、本発明の目的とは明確に区別され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
らの問題点を解決するため、天然の食用油脂の構成成分
でもあり上述の赤斑を抑える他は生体に与える作用が非
常に小さく、日常の動物用飼料として与えるだけで特に
特別な治療の負担を動物の管理者に与えない動物用飼料
の提供、並びに皮膚の赤斑発症予防・治療方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明者らは安全性に優れた物質の中から特に動物
に発症する赤斑を防止する物質を得るべく鋭意研究を重
ねた結果、α−リノレン酸またはその誘導体を一定量飼
料中に配合して動物に与えると、かかる赤斑の発症を抑
えることができることを発見し本発明を完成した。
【0008】したがって、本発明によれば、α−リノレ
ン酸ならびにその生理学上許容される塩類およびエステ
ル類から選ばれた少なくとも1種を有効量含んでなる動
物用飼料が提供される。また、本発明のもう一つの態様
によれば、前記動物用飼料を動物に摂取させることを特
徴とする動物の赤斑発症の予防または治療方法が提供さ
れる。
【0009】こうして本発明によれば、当該技術分野で
新たに提起された前記課題が有効に解決される。
【0010】
【具体的な態様】本発明で使用されるα−リノレン酸
は、前述のように多様な生理作用を示す9,12,15
−オクタデカトリエン酸、より具体的には、9,12,
15位にシス二重結合をもつ炭素数18の直鎖トリエン
脂肪酸である。すなわち、α−リノレン酸は、メチル末
端から3位に二重結合をもつω−3系列不飽和脂肪酸の
代表的なものであり、きり油、あまに油などの乾性油か
ら多く得られるが、ほとんどすべての光合成原核細胞お
よび緑藻、高等植物の葉緑体膜に含まれ、これらからの
抽出物が使用される。
【0011】また、本発明でいうα−リノレン酸の有効
量を飼料に供給できるものであれば、その含有量の高い
植物体自体または天然油脂、例えばエゴマまたはシソま
たは亜麻由来の植物油も使用できる。さらに、本発明の
目的を達成できるものであれば、勿論、化学合成物も利
用できる。さらにまた、天然油脂を蒸留・ウインタリン
グなどの精製あるいは化学触媒や酵素を用いたエステル
交換反応によりα−リノレン酸含有量を高めた加工油脂
などを利用することも可能である。
【0012】本発明に言う、生理学上許容されるα−リ
ノレン酸の塩類としては、例えば、α−リノレン酸ナト
リウム、α−リノレン酸カリウム、α−リノレン酸カル
シウムなどが挙げられる。また、α−リノレン酸のエス
テル類とは、例えば、α−リノレン酸エチルエステル、
α−リノレン酸メチルエステル、モノ−またはジ−α−
リノレニル−エチレングリコールエステル、モノ−α−
リノレニルグリセライド、ジ−α−リノレニルグリセラ
イド、トリ−α−リノレニルグリセライドおよびα−リ
ノレン酸を脂肪酸残基として含有するホスファチジルコ
リンまたはホスファチジルエタノールアミンまたはホス
ファチジルセリンなどのリン脂質を包含する意味で使用
している。
【0013】本発明に言う有効量とは、動物の赤斑発症
の予防または治療の目的で動物に本発明の飼料を摂取さ
せる上で都合のよい飼料におけるα−リノレン酸などの
含有量を意味する。一般に、全飼料の乾燥重量中のこれ
らの有効成分の配合量は、各誘導体中のα−リノレン酸
残基の重量として0.05%(w/w)以上の配合比で
添加することにより有効である。そして、十分な効果の
期待と栄養学的見地からは、0.25〜15%(w/
w)の範囲での配合が好ましい。有効成分の酸化劣化の
問題と動物が好んで食する範囲としてさらに好ましくは
0.25〜5%の範囲での配合がよい。なお、本発明に
言う動物とはヒト以外の動物を意味し、また、前記α−
リノレン酸残基とは、添加した化合物がα−リノレン酸
であればα−リノレン酸そのものを指し、α−リノレン
酸の塩類であれば構造骨格中のCH 3 (CH2 −CH=
CH)3 −(CH2 7 COO−部位を指し、α−リノ
レン酸のエステル類であれば構造骨格中のCH3 (CH
2 −CH=CH)3 −(CH 2 7 CO−部位を意味す
る。
【0014】本発明の動物用飼料を用い、皮膚の赤斑発
症を予防するには、赤斑の発症が予想される週齢に先立
つこと2週間以上前から自由摂食させればよい。本動物
用飼料の加工形態としては、粉末体をそのまま与えるこ
とも可能であるが、粉末体を用時水を加えて練り餌とし
てもよい。あるいは、ペレット状などへの成形も可能で
ある。本飼料の適用が予期されている動物としては、例
えばマウス、ラット、モルモット、ブタなどが挙げられ
る。
【0015】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定する
ことを意図するものでないことは言うまでもない。実施
例に先立ち、本発明の動物用飼料の試験方法、評価方法
を説明する。
【0016】試験方法 動物の皮膚に生じる赤斑を高頻度で発症することが知ら
れているモデル動物として、本試験ではWistar系
のヘアレスラット((株)埼玉実験動物供給所)を試験
に供した。Wistar系ヘアレスラットは雌雄性差な
く10〜12週齢ほどまで成長すると約7割の高頻度で
背部・腰部に赤斑を発症する。4週齢雄性のヘアレスラ
ットを1群16匹に分け、表Aに記載した標準飼料にそ
れぞれの試験油脂を混合した試験飼料を調製し、これを
8週間にわたって自由摂食させた。この時、混合した試
験油脂は、それぞれ下記実施例に従う油脂を用いた。
【0017】 * オリエンタル酵母社製オリエンタルミネラル混合 ** 同社製オリエンタルビタミン混合
【0018】評価方法 摂食期間終了後、試験動物全ての個体の背部および腰部
に発症した赤斑の数および大きさの両者を考慮に入れ
て、次に示す判定基準スコアーにより5段階に判別し、
試験食の評価を行った。 判定基準スコアー: 0:赤斑の発症が認められない。 1:赤斑の発症がわずかであり、発症したものの直径も
2mm以下がほとんどである。 2:赤斑の発症が中等度であり、その直径が5mmを越え
る大きさのものも混在する。 3:赤斑のほとんどが5mmを越える大きさとなり、発症
数もランク1・2よりも多い。 4:赤斑は8mmを越えるものも混在し広範囲に発症。発
症数はランク3よりも多い。 また、この試験期間中に添加した試験油脂により試験動
物の健康状態を害する副作用の有無を体重変化の測定お
よび血液生化学検査により調べた。
【0019】実施例1〜5 これらの実施例では、前記表Aの試験油脂として、それ
ぞれ総飼料重量当りの重量基準で、実施例1がα−リノ
レン酸0.3%添加、実施例2がα−リノレン酸1.5
%添加、実施例3がα−リノレン酸3%添加、実施例4
がα−リノレン酸エチルエステル1.5%添加および実
施例5がシソ油4%添加となるように飼料を調製し、試
験油脂残量分はパーム油により調整した。
【0020】なお、比較として、比較例1では試験油脂
の全量をパーム油とし、比較例2および3では、それぞ
れ総飼料重量当りの重量基準で、EPA1.5%添加お
よびDHA1.5%添加となるように飼料を調製した。
発症赤斑のスコアーを表Bに、血液生化学検査の結果を
表Cに、そして実験動物の体重変化を表Dに示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】表Bに示した通り、本発明のα−リノレン
酸およびそのエステルを添加した動物用飼料を与えたラ
ットに発症した赤斑のスコアーは、いずれも比較例に上
げたα−リノレン酸無添加の飼料を与えたもののスコア
ーよりも低く、その発症が抑えられることが明かとなっ
た。また、表CおよびDに示されるように、本発明の動
物用飼料はラットの血液生化学検査および体重の経時変
化測定値においてラットの健康状態の変動は観察されな
かった。
【0025】実施例6 本発明に従う各種配合組成からなる動物用飼料を下記に
挙げる。
【0026】 上記各組成物を秤量後、混合して粉末飼料を得た。
【0027】 上記各組成物を秤量・混合後、適量の水を加え練り餌と
した。 上記組成物を秤量・混合後、適量の水を加えて練り合わ
せ、ペレット状に成形後乾燥して動物用飼料とした。
【0028】 上記組成物を秤量・混合後、適量の水を加えて練り合わ
せ、ペレット状に成形後乾燥して動物用飼料とした。
【0029】 上記組成物を秤量・混合後、適量の水を加えて練り合わ
せ、ペレット状に成形後乾燥して動物用飼料とした。
【0030】
【発明の効果】本発明により、動物皮膚に生じる赤斑の
発症予防に対する顕著な効果が期待でき、赤斑を抑える
他は生体に与える作用が非常に小さく、日常の動物用飼
料として与えるだけで特に特別な治療の負担を動物の管
理者に与えない動物用飼料と赤斑の発症予防・治療方法
が提供される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−リノレン酸ならびにその生理学上許
    容される塩類およびエステル類から選ばれた少なくとも
    1種を有効量含んでなる動物用飼料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の動物用飼料を動物に摂取
    させることを特徴とする動物の赤斑発症の予防または治
    療方法。
JP5025730A 1993-02-15 1993-02-15 動物用飼料およびそれを用いる動物の赤斑発症の予防または治療方法 Pending JPH06237699A (ja)

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