JPH06235760A - 核磁気共鳴装置及びこの装置の測定条件自動設定方法 - Google Patents

核磁気共鳴装置及びこの装置の測定条件自動設定方法

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JPH06235760A
JPH06235760A JP5022643A JP2264393A JPH06235760A JP H06235760 A JPH06235760 A JP H06235760A JP 5022643 A JP5022643 A JP 5022643A JP 2264393 A JP2264393 A JP 2264393A JP H06235760 A JPH06235760 A JP H06235760A
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measurement
rotation
nuclear magnetic
magnetic resonance
signal
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JP5022643A
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Kojiro Okude
幸二郎 奥出
Yutaka Misawa
豊 三沢
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 NMR測定における各種の装置調整または測
定条件設定などの、測定に必要な各種操作のうち少なく
とも1つの操作について、設定値からの逸脱、自動調整
の不具合、初期条件が不適切などの異常の有無の判断、
および異常時の処理を自動的に行い、適切な測定条件を
実現する手段を有するNMR装置。 【構成】 試料回転、磁場−周波数ロック、シムコイル
調整などの装置調整、または積算回数・観測周波数範囲
等の測定条件設定などの、測定に必要な各種操作のうち
少なくとも1つの操作について、当該操作を制御する目
的に適したデータを測定する機構6と、そのデータにも
とづいて異常の有無を判断し、その結果にもとづいて操
作機構5を制御する手段1と、パラメータや測定条件を
入力する手段2と、パラメータやアルゴリズムを記憶す
る手段4と、必要な場合にオペレータに異常発生などの
状態を報告する手段3を持つNMR装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核磁気共鳴スペクトル
測定において、試料回転、磁場−周波数ロック、シムコ
イル調整などの装置の調整、または積算回数・観測周波
数範囲等の測定条件設定などの、測定に必要な各種操作
のうち少なくとも1つの操作について、与えられた設定
値からの逸脱や初期値からの自動調整の不具合などが生
じた場合、または初期値として与えられた測定条件が不
適切であった場合に、異常の有無の判断および異常時の
処理を自動的に行い、適切な測定条件を実現する手段を
有する核磁気共鳴装置及びこの装置の測定条件自動設定
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonan
ce、 以下NMRと言う)装置は、磁場中に置かれた試
料中の原子核が、その試料の性質に応じて特定の周波数
のラジオ波を共鳴吸収する現象を測定する装置であり、
試料の分子構造や、物理的・化学的な物性・反応性など
に関する多大な情報が得られるため、現在広い分野で幅
広く応用されている。特に、核スピン量子数が1/2で
ある核種(プロトン、炭素13、窒素15、ケイ素2
9、リン31など)は本質的にシャープなシグナルを与
え、高分解能測定が可能で多くの情報が得られるため重
要である。
【0003】NMR測定においては、試料の回転、磁場
の調整などの装置の調整、または積算回数・観測周波数
範囲等の測定条件設定などの操作が必要であるが、これ
らはオペレータの経験によるところが大きく、現状では
オペレータの負担はかなり大きいと言わざるを得ない。
【0004】たとえば、NMR測定においては、一般に
試料を測定装置内で回転させることが必要である。試料
を回転させるのには2つの理由がある。第1の理由は試
料が受ける磁場を均一化することである。磁場が不均一
な場合はNMRシグナルがブロードになるため、試料回
転により磁場を時間平均で均一化してシグナルの先鋭化
を図る。これは主として液体または溶液試料の場合に重
要であり、10〜数10Hz程度の回転数が必要であ
る。第2の理由は試料内の電子密度の異方性を消去する
ことである。分子運動が制限されている固体試料の場
合、電子密度の異方性のためにNMRシグナルがきわめ
てブロードになる。試料を外部磁場からマジック角(5
4度44分)傾けて回転させるマジックアングルスピニ
ング(MAS)法によって電子密度異方性の影響を消去
または小さくし、シグナルを先鋭化する。この際に高速
回転が必要となり、現在広く普及しつつある超伝導磁石
を用いた装置の場合4000〜6000Hz、あるいは
それ以上の高速回転が必要である。これらの試料回転の
ためには、現在、コンプレッサーで装置に送りこんだ圧
縮空気を試料管に装着したロータ、スピンナ、回転羽根
などで受けて回転させることが通常行われている。この
ように、試料の回転は高分解能NMR測定において本質
的に重要である。回転が不十分な場合には、シグナルの
先鋭化が不十分でブロードになる。回転が不安定な場合
も、磁場のふらつきのために良質のスペクトルが得られ
ない。
【0005】一方、回転が速すぎる場合には試料管の破
損やそれに伴う装置の汚染・損傷の恐れがある。特に、
高速回転が必要な固体NMRの場合、回転異常により装
置が損傷する危険が大きい。このような試料の回転異常
は、試料管や試料管に装着するロータ、スピンナ、回転
羽根の不良または不適切な装着、試料管を装置に装填す
る際の不手際、装置の圧縮空気系の不良などが原因とし
て考えられる。現在のNMR装置は、試料回転に関して
は目視または装置に組み込んだ回転数を表示する機構に
より確認することができる。また、試料装填時に自動的
に回転を開始したり、測定終了時に自動的に回転を停止
したりする機構を有するものがある。また、回転開始時
に回転を検出できない場合に異常を表示する機構を有す
るものがある。しかし、これらの装置では、試料管の回
転に異常が生じた際に、回転数の調整や回転オン・オ
フ、測定の中断などの処置を自動的に行う能力は有して
おらず、オペレータが回転数を監視し、異常が生じたら
手動で判断・処理をしなければならないのが現状であ
る。
【0006】また、高分解能NMR測定には磁場の調整
が不可欠である。磁場の調整としては主に2つの手法が
用いられる。1つは磁場−周波数ロックである。これは
適当なNMRシグナルをロックシグナルとして観測し、
ロックシグナルがシフトした際にそのシフトを打ち消す
ように磁場にフィードバックをかけることにより磁場の
経時変化を補正する手法である。これによりスペクトル
の再現性が向上し、長時間の積算測定時にもスペクトル
が歪むことがなくなる。第2はシムコイル調整である。
これは複数のシムコイルに各々適当な電流を流すことに
より補正磁場をつくり、測定装置内の磁場を空間的に均
一化する手法である。これによりシグナルが先鋭化し、
高分解能スペクトルが得られる。これらの磁場調整は現
在のNMR装置では手動または自動で行われる。しか
し、自動調整の場合でも、あらかじめ設定された初期値
からスタートするため、装置の状態や測定条件によって
は十分調整されないことがしばしば起こる。たとえば、
ロックシグナルとしては重水素化溶媒の重水素シグナル
が用いられることが多いが、溶質の種類や濃度によって
はロックシグナルがシフトするために設定値がずれ、ロ
ックがかからないことがある。また、シム調整は複数の
シムコイルのそれぞれにシム電流を設定する必要があ
り、これらシム電流は相互に影響しあうので、初期設定
が大きくずれている場合は自動調整では十分な結果が得
られない。このような場合、ロックシグナルやシム電流
の初期値を変更する必要があるが、現状ではこの初期値
変更はオペレータの判断により手動で行わざるを得な
い。
【0007】また、NMRスペクトルの測定には多くの
パラメータを設定する必要があるが、多くの場合はオペ
レータが経験的に判断する必要がある。各種パラメータ
には、装置に依存するもの・核種に依存するもの・測定
法に依存するものなどがあるが、これらは現在の装置で
はデータベース化して測定時に必要なパラメータを読み
出すことにより設定できる(特開昭61−233348
号公報)。しかし、それ以外に測定試料ごとに設定しな
おさなければならないパラメータも多く、これらのパラ
メータについてはオペレータがその都度判断し入力する
必要がある。特に、積算回数や観測周波数範囲などのパ
ラメータがこれに当たる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、現状の
NMR装置においては測定の自動化は一部可能になって
いるものの、依然オペレータの経験や判断に頼る部分が
大きく、オペレータの負担は大きい。特に、自動測定に
おいて、設定値からの逸脱が起こった場合、または初期
値が適切でなかったために不具合が生じた場合について
はいずれの従来装置でも十分な対応ができず、オペレー
タの介入が不可避であるという問題があった。
【0009】本発明の目的は、NMRスペクトル測定に
おいて、試料回転、磁場−周波数ロック、シムコイル調
整などの装置調整、または、積算回数・観測周波数範囲
等の測定条件設定などの、測定に必要な各種操作のうち
少なくとも1つの操作について、与えられた設定値から
の逸脱や初期値からの自動調整の不具合などが生じた場
合、または設定された初期値が不適切であった場合に、
異常の有無の判断および異常時の処理を自動的に行い、
適切な測定条件を実現する手段を有するNMR装置を提
供することにある。この装置において装置調整や測定条
件設定などの操作における異常の検出・処理を自動的に
行うことにより、オペレータの負担を大幅に軽減すると
ともに、良質なスペクトルの取得が容易になり、測定時
間の短縮、装置破損の危険回避などが可能となる。
【0010】本発明の他の目的は、特に高速回転を必要
とする固体NMR装置においては、試料の回転異常を速
やかに自動的に検出し、処置することは装置の破損を回
避するうえできわめて重大な課題であり、この課題を解
決することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、核磁気共鳴スペクトル測定に必要な操作を制
御する目的に適したデータを取り込むデータ測定手段
と、このデータ測定手段で測定されたデータと基準デー
タとを比較して現操作状態の適否を判別する自動判別手
段と、この自動判別手段で不適と判定された場合に自動
的に適切な操作条件を実現する自動実現手段とを備えた
核磁気共鳴装置である。ここで、核磁気共鳴スペクトル
測定に必要な操作は試料回転操作、磁場−周波数ロック
操作、シムコイル調整操作、または積算回数・観測周波
数範囲等の測定条件設定操作が挙げられる。
【0012】また本発明は、核磁気共鳴スペクトル測定
に必要な試料管の回転操作をする回転機構と、測定を開
始する際に試料管の回転数を検出する回転数測定手段
と、この検出された回転数とあらかじめ設定した基準回
転数とを比較してその設定範囲内であるか否かを判別す
る自動判別手段と、この自動判別手段で不適と判定され
た場合に前記回転機構を停止し、再回転を行うことを繰
り返すことにより、試料管の回転数を設定範囲内に自動
的に収める自動実現手段とを備えた核磁気共鳴装置であ
る。
【0013】前記核磁気共鳴装置において、回転機構は
コンプレッサーから供給される圧縮空気の圧力を上下す
ることにより回転数を増減するものであり、自動実現手
段は試料管の再回転時に、回転に使用する圧縮空気の圧
力を制御し、前回の回転数が設定範囲より多すぎた場合
には空気圧を下げ、少なすぎた場合には空気圧を上げる
ことにより、回転数を調整し設定範囲内に収めるもので
あるのがよい。また、回転機構はコンプレッサーから供
給される圧縮空気の圧力を上下することにより回転数を
増減するものであり、自動実現手段は測定中に試料管の
回転数をモニタすると同時に、回転に使用する圧縮空気
の圧力を制御し、回転数が設定範囲より多くなりすぎた
場合には空気圧を下げ、少なくなりすぎた場合には空気
圧を上げることにより、測定中の回転数を自動的に調整
して設定範囲内に収めるものであるのがよい。
【0014】また前記核磁気共鳴装置において、試料管
の再回転をあらかじめ設定した回数まで試行しても試料
管の回転数を設定範囲内に収めることができない場合
に、試料回転に異常があることの警報を発する表示手段
を有し、且つ測定を中断して試料管の回転を停止する手
段を有するものがよい。また、測定中に試料管の回転数
をモニタし、回転数があらかじめ設定した範囲から逸脱
した場合には、試料回転に異常があることの警報を発す
る表示手段を有し、且つ測定を中断して試料管の回転を
停止する手段を有するものがよい。
【0015】また本発明は、核磁気共鳴スペクトル測定
に必要な磁場ロックに用いるロックシグナルを検出する
ロックシグナル検出手段と、このロックシグナル検出手
段で測定されたデータと基準データとを比較して現操作
状態の適否を判別する自動判別手段と、この自動判別手
段で、あらかじめ設定されたロックシグナルが観測され
ないと判定された場合、またはロックシグナルに異常が
あると認められた場合に、あらかじめ設定された周波数
またはその他のロックシグナルパラメータを変更し、再
度ロックを試みて自動的に適切な操作条件を実現する自
動実現手段とを備えた核磁気共鳴装置である。ここで、
ロックシグナルに重水素化溶媒中の重水素のNMRシグ
ナルを用い、ロックシグナルの周波数設定値を変更する
必要が生じた場合に、観測されたロックシグナルの周波
数から試料に使用されていると予想される重水素化溶媒
を表示する手段を有するものがよい。
【0016】また本発明は、核磁気共鳴スペクトル測定
に必要なシムコイル調整による磁場の均一化において磁
場の均一性をロックシグナルのパラメータを介して検出
する磁場均一性検出手段と、この磁場均一性検出手段で
測定されたデータと基準データとを比較して現操作状態
の適否を判別する自動判別手段と、この自動判別手段
で、十分な磁場の均一性が得られないと判定された場
合、シム電流値の初期値の組み合わせを変更し、再度シ
ムコイル調整を行って自動的に磁場の均一化を実現する
自動実現手段とを備えた核磁気共鳴装置である。
【0017】また本発明は、核磁気共鳴スペクトル測定
に際しあらかじめ設定された回数の積算を行った後、ス
ペクトルを取得するスペクトル取得手段と、最大強度の
シグナルを検出し、当該シグナルのS/N比をあらかじ
め設定されたS/N比の目標値と比較する比較手段と、
検出されたシグナルのS/N比が前記目標値に満たなか
った場合には目標値を達成するのに必要な積算回数を求
め、その回数まで積算を継続してS/N比の良好なスペ
クトルを得る積算回数自動設定手段を有する核磁気共鳴
装置である。ここで、S/N比の目標値を達成するため
に必要な測定時間を計算し、あらかじめ設定された測定
時間の最大値より長い時間が必要な場合には測定時間が
設定された最大値に納まるように積算回数を変更する手
段を有するものがよい。
【0018】また本発明は、少なくとも2種類以上の異
なる周波数範囲で核磁気共鳴スペクトルを取得するスペ
クトル取得手段と、最も高磁場側のシグナルと最も低磁
場側のシグナルとを求めるシグナル判定手段と、最も高
磁場側のシグナルと最も低磁場側のシグナルに挟まれる
周波数範囲を決定し且つその範囲の外側に適切な広さの
シグナルの現れない領域を含むように周波数範囲を選定
することにより必要十分な測定範囲を自動的に設定する
自動設定手段を有する核磁気共鳴装置である。
【0019】また本発明は、あらかじめ核磁気共鳴スペ
クトル測定に必要な操作を制御するためのデータを入力
して基準データを設定し、実際に核磁気共鳴スペクトル
測定に際して前記操作を制御するためのデータを測定
し、この測定データとあらかじめ設定された前記基準デ
ータとを比較して現操作状態の適否を判別し、不適と判
定された場合に前記基準データを変更して再実行し又は
測定データに基づいて測定条件を再設定することにより
自動的に適切な操作条件を実現するようにした核磁気共
鳴装置の測定条件自動設定方法である。
【0020】
【作用】本発明によれば、あらかじめ核磁気共鳴スペク
トル測定に必要な操作を制御するためのデータを入力し
て基準データを設定すれば、前記スペクトル測定に際し
て前記操作を制御するためのデータが実測され、この測
定データと前記基準データをとの比較によって現在の操
作状態の適否が判定され、不適と判定された場合には前
記基準データを再入力により変更して再実行され又は前
記測定データに基づいて測定条件が再設定されることに
より自動的に適切な操作条件が実現される。
【0021】試料の回転不良が最も起こりやすいのは試
料管を装填し、回転を開始する際である。この際、装置
を特に調整しなくても試料回転を再試行するのみで回転
が正常に回復する場合もしばしばある。従って、試料管
を装填し、回転を開始し、あらかじめ設定された時間だ
け待った後、回転数を検出し、得られた回転数が設定値
の範囲内にない場合には回転を停止し、再回転を試み、
再度回転数のチェックを繰り返す、というアルゴリズム
で装置を自動運転する機構をもうけることにより試料の
装填、回転開始時に生ずる回転不良を回避することがで
きる。
【0022】また、上記の再回転時に、回転に使用する
圧縮空気の圧力を制御し、前回の回転数が設定範囲より
多すぎた場合には空気圧を下げ、少なすぎた場合には空
気圧を上げることを行う機構をもうけることにより、よ
り容易に回転数を設定範囲内に収めることができる。
【0023】また、上記再回転において、あらかじめ設
定された回数の再回転を試行しても回転不良を回避でき
なかった場合には、回転を停止し、再回転試行および測
定を中断し、試料回転が異常であることを示すための警
報または表示手段を付加することにより、より有効に回
転異常が検出される。
【0024】従来のNMR装置では、回転数を設定し、
その回転数に応じた圧力の圧縮空気を送り込むことによ
って設定回転数を実現しようとするものがある。しか
し、この場合、設定した回転数と実際の回転数に違いが
あってもそれを調整することは行われていない。また、
回転開始時に回転しないなどの異常が起こった場合にそ
の旨を警告するための表示手段を有するものがあるが、
この場合も単に報告が行われるのみで、回転停止・再回
転などの処置は行われていない。これらの装置に比べ、
本発明は上記のように実際の回転数を設定された回転数
に合わせるために必要な処置を自動的に行うことができ
る点ですぐれている。
【0025】試料の回転異常は回転開始時だけではな
く、いったん正常に回転しても、測定中などに異常が生
じる場合もある。しかし、従来のNMR装置では、測定
中に回転に異常が生じた場合に回転数調整や測定中断な
どの処置を自動的に行うものはなく、測定中の回転異常
に対処できない。本発明では、測定中に試料の回転数の
モニタを継続すると同時に回転に使用する圧縮空気の圧
力を制御し、回転数が設定範囲より多くなりすぎた場合
には空気圧を下げ、少なくなりすぎた場合には空気圧を
上げることを行う機構をもうけることにより、測定中の
回転異常を回避することができる。この測定中の回転変
動を検出して回転を制御する機構は、上記の回転開始時
の回転異常を検出する機構と組み合わせることも可能で
ある。この場合、測定中の回転数の設定範囲は、回転開
始時の回転数設定範囲と同じでもよいが、必ずしも同じ
である必要はない。
【0026】また、高速回転が必要な固体NMRの場合
には、測定中に回転数が異常に変動した場合は装置の損
傷につながりやすい。これを回避するためには、測定中
に試料の回転数のモニタを継続し、回転数が設定範囲か
ら逸脱した場合には、測定を中断し、試料の回転を停止
し、回転に異常が生じたことを示すための警報または表
示手段をもうけることが有用である。この測定中に回転
異常が検出された時に回転を停止する機構は、上記の測
定中に回転変動を検出して回転を制御する機構と組み合
わせることも可能である。この場合は、測定中の回転数
の範囲を、第一の範囲と、第一の範囲を含みそれより広
い第二の範囲との二重に設定し、回転数が第一の範囲を
逸脱しかつ第二の範囲内に収まっている場合には回転の
制御を試み、第二の範囲を逸脱した場合には回転を停止
するように設定すれば良い。
【0027】次に、本発明を磁場−周波数ロック機構に
応用した場合には、あらかじめ周波数が設定されたロッ
クシグナルを観測する手段と、ロックシグナルの周波数
のずれを補償することにより磁場を安定化する手段に加
え、観測されたロックシグナルの周波数・強度・線形な
どの異常の有無を判断する手段と、ロックシグナルに異
常が観測された場合、またはロックシグナル自体が観測
されなかった場合にロックシグナルの設定周波数などの
パラメータを変更し、再びロック操作を試みる手段を設
けることにより、適切な操作条件の設定が実現される。
ロック操作時の不具合は、おもに試料の濃度・温度など
の影響でロックシグナルがシフトしたり、強度が変化し
たりするために、ロックシグナルが観測されなかった
り、サイドバンドをまちがえて観測したりすることによ
り生ずる。上記のようにロック機構を運転することによ
り、ロックシグナルを不具合なく観測することが容易に
なり、自動運転時に磁場−周波数ロックに失敗すること
が少なくなる。また、ロックシグナルは通常重水素化溶
媒中の重水素のNMRシグナルが用いられるが、上記の
操作においてロックシグナル周波数の変更が必要になっ
た場合は、しばしば設定した溶媒と実際の溶媒とが異な
っていることが原因である場合がある。この場合に観測
されたロックシグナルの周波数から試料に使用されてい
ると予想される重水素化溶媒を報告する手段を設けるこ
とにより、NMR測定において重要な因子である溶媒の
種類をまちがいなく知ることができる。
【0028】次に、本発明をシムコイル調整機構に応用
する場合は、複数のシムコイルに流す電流値を変化させ
て磁場を補正するシムコイル調整機構に加え、補正され
た磁場が十分均一になったか否かを測定し判断する手段
と、磁場の均一度が不十分な場合にシム電流値の初期値
の組み合わせを変更し、再度シムコイル調整を行う手段
をもうけることにより、適切な操作条件の設定が実現さ
れる。シムコイル調整では複数のシムコイルのそれぞれ
に流す電流値の組み合わせを最適にする必要がある。こ
の電流値の最適化は煩雑な操作が必要であり、従来の装
置でも自動化が進められている。しかし、この最適化操
作はシム電流値の初期値に依存し、初期値が最適値から
大きくずれている場合には自動操作では最適値が得られ
ない場合がしばしばある。この場合には初期値を変化さ
せて再調整を行う必要があるが、本発明のように磁場均
一度の判断と、初期値変更と、シムコイル再調整を自動
的に行うことにより、オペレータに負担をかけることな
く良好な磁場均一性を実現することが可能となる。
【0029】なお、上記の磁場−周波数ロックおよびシ
ムコイル調整に本発明を応用する際に、アルゴリズムが
無限ループに陥ることを避けるためには、回転数調整の
場合と同様に試行回数に制限をもうけるなどの方法があ
る。この場合、制限試行回数内に自動調整が成功しなか
った場合にその旨を示すための警報または表示装置を設
けることが望ましい。
【0030】次に、本発明を積算回数の自動設定に応用
する場合は、予備測定としてあらかじめ設定された回数
の積算を行った後スペクトルを測定する手段と、このス
ペクトルから最大強度のシグナルを検出する手段と、当
該シグナルのS/N比をあらかじめ設定された目標値と
比較する手段と、S/N値が目標値に満たなかった場合
には目標値を達成するのに必要な積算回数を求め、その
回数まで積算を継続してS/N比の良好なスペクトルを
得る手段を設けることにより実現される。積算回数は試
料の性質や濃度に応じて毎回設定しなおす必要がある。
S/N比は積算回数の平方根に比例するため、予備測定
を行い、適当なシグナルについての予備測定時のS/N
比から目標のS/N比を得るのに必要な積算回数を計算
で求めることができる。従って、上記のように運転する
ことにより、自動的に目標のS/N比のスペクトルか得
られるようになり、測定の簡便化が図れる。
【0031】なお、濃度が薄い試料では、S/N比の目
標値を達成するために極めて多大な積算が必要となり、
測定時間が長くなりすぎる場合がある。この場合はS/
N比を犠牲にして測定時間を短縮せざるを得ない。この
場合は上記の方法で必要積算回数を求め、その積算に要
する時間を計算してあらかじめ設定した測定時間の最大
値と比較し、積算に要する時間が長くなりすぎる場合に
は測定時間が設定された最大値に納まるように積算回数
を変更する手段をもうけることにより、オペレータの介
入なしで測定時間と積算回数の最適化を行うことができ
る。
【0032】次に、本発明を測定周波数範囲の自動設定
に応用する場合は、周波数範囲を変更しながら予備測定
を数回行う手段と、これらのスペクトルを比較して最も
高磁場側に現れるシグナルと最も低磁場側に現れるシグ
ナルとを求めてこれらのシグナルに挟まれるシグナル出
現範囲を決定する手段と、シグナル出現範囲の外側に適
切な幅のシグナルの現れない領域を含むように必要十分
なNMR測定範囲を決定する手段を設けることにより実
現される。シグナルの出現範囲は核種によりほぼ決まっ
ているが、試料によっては通常より広い範囲にシグナル
が出現する場合があり、測定範囲が不適切な場合はシグ
ナルの一部が観測されなかったり、折り返しピークとし
て現れ、しばしば誤解の原因になる。従って、範囲を変
えて測定し、各スペクトルのシグナルの数や位置を比較
することによりすべてのシグナルが観測される範囲を設
定する必要が生ずる。この場合、上記のように運転する
ことにより、自動的に適切な観測範囲が設定でき、まち
がいが起こることがなくなる。
【0033】以上に例示した以外の装置調整や測定条件
設定についても、当該操作を制御する目的に適したデー
タを適宜選定して測定し、そのデータにもとづいた異常
の有無の判定方法や装置運転のアルゴリズムを適当に設
定することにより、例示したものと同様に、自動的に測
定条件の最適化を図ることが可能であり、オペレータの
負担を軽減することができる。この場合、無限ループに
陥らないために、アルゴリズム中の試行回数に制限を加
えることが有効である。また、回復不能な異常を警告し
たり、その他の情報を表示したりする手段を設けること
が望ましい。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に従って説明す
る。図1は本発明の全体構成および装置の運転手順を示
す図である。構成について述べると、本発明は、制御を
目的とする各測定操作に応じて必要なデータを測定する
機構6と、測定されたデータにもとづき装置調整の不具
合や測定条件の異常を判断するCPU1と、CPU1に
各種の条件設定や装置運転のアルゴリズムなどを入力す
るための入力装置2と、必要に応じて参照されるパラメ
ータや測定条件を蓄えておく記憶装置4と、CPU1の
判断にもとづいて制御される当該操作機構5と、必要な
場合に異常および各種の情報を示すための警報または表
示機構3とから構成される。データ取得機構6および操
作機構5は制御を目的とする測定操作が複数ある場合に
はそれに応じて各々複数個用意される場合がある。
【0035】次に装置の運転手順について述べる。測定
に関して必要なパラメータ、測定条件が入力装置2から
入力される。また、記憶装置4には各種パラメータや測
定条件および装置を運転するアルゴリズムが記憶されて
おり、必要に応じて参照される。NMR測定に必要な各
種操作は、通常、試料回転、磁場−周波数ロック、シム
コイル調整、測定パラメータ設定、測定の順に行われる
が、場合により順序が変更される場合も有り得る。自動
制御を行う操作として、各操作のうち少なくとも1つが
選択され、当該操作を制御するのに必要なデータがデー
タ測定機構6により測定され、測定結果に応じて異常の
有無が判断され、その結果にもとづいて当該アルゴリズ
ムに従って当該操作機構5の制御がおこなわれる。選択
された各操作についての自動制御が順に行われ、目的の
パラメータがすべて決定された後に測定が開始される。
なお、制御の対象となる操作の種類と数はあらかじめ固
定されていてもよいが、測定ごとに必要な制御が選択可
能なようになっていてもよい。これら一連の装置の運転
は、CPU1によって制御される。
【0036】図2に示したのは本発明の一実施例を示す
もので、試料回転の制御に本発明を利用した場合の装置
の構成図である。試料管7としては、液体試料の場合は
通常径5または10mm程度、長さ15ないし20cm
程度のガラス管が用いられ、固体試料の場合は通常径5
ないし8mm程度、長さ2cm程度のセラミック管が用
いられる。回転数は、液体試料の場合は10ないし20
回転/秒程度であるが、固体試料で高分解能測定を行う
場合には4000ないし6000回転/秒程度の高速回
転が必要である。回転はコンプレッサ21で送りこまれ
る圧縮空気によって行われるが、水分を嫌う場合には乾
燥窒素などを用いることもある。試料管に装着されたロ
ータ、スピンナ、回転羽根などで空気、ガスを受ける。
空気・ガスの圧力、流量は液体試料の場合は圧力1〜
1.5kg/cm2、流量20リットル/分、固体試料の
場合は圧力2〜4kg/cm2、流量100リットル/
分などが標準的である。回転数検出機構8では試料管の
回転数を検出する。回転数検出の際には回転の安定のた
めに非接触で観測することが望ましい。このため検出法
としては、試料管やそれに装着されたロータ、スピン
ナ、回転羽根などにつけられたマークを光学的または電
気・磁気的に検出する方法や、試料管の回転音を集音し
その周波数から回転数を求める方法などがある。入力装
置2および記憶装置4は、装置制御のアルゴリズムや各
種の条件設定などを入力し、記憶しておくためにもうけ
られ、上記のように検出された回転数の情報と設定され
た条件との比較にもとずいて、CPU1は本発明を構成
する各機構を制御する。回転系制御装置9はCPU1に
制御されて、試料管7の回転をオン・オフし、または試
料管7の回転数を変化させるために圧縮空気の圧力を変
化させるように働き、回転機構10を制御する。このよ
うにして、回転数検出装置8から得た回転数の情報を、
回転機構10にフィードバックすることができ、試料回
転を正常に安定化することが可能である。なお、回転に
異常が生じて制御できない場合はオペレータに異常発生
を知らせる必要があり、警報・状態表示装置3はこのた
めにもうけられる。また回転異常時に測定中であった場
合には異常な情報を取り込まないよう測定を中止する必
要があるが、この測定中断はCPU1に制御される測定
系制御装置11により行われる。また回転異常時には回
転停止も必要になるが、これは上記の回転系制御装置に
より行われる。これら回転異常時の動作は、回転数検出
装置8により異常が検出された際に、CPU1により各
装置が制御されることにより行われる。このように、本
実施例では試料管7の回転数を検出しその情報をフィー
ドバックすることにより自動的に試料回転を安定化する
とともに、回転数を継続的にモニタすることにより回転
異常を検出した時に自動的に対処でき、オペレータの負
担を軽減することができる。ここで、9、10からなる
回転系機構と、11、12からなる測定系機構はそれぞ
れ図1中の操作機構5の一例であり、回転数検出機構8
は図1中のデータ測定機構6の一例である。
【0037】図3は本発明を試料回転の制御に利用した
場合の一実施例のアルゴリズムを示したものである。試
料管の回転開始時の回転数Rを調べ、回転数があらかじ
め設定した範囲R0〜R1から逸脱するという回転異常を
検出した場合に、自動的に再回転を行うものである。
【0038】図4は本発明を試料回転の制御に利用した
場合の他の実施例のアルゴリズムを示したものである。
試料管の回転開始時に回転異常を検出し、再回転を行う
と同時に、再回転時に圧縮空気の圧力を制御し、前回の
回転数が設定範囲より少なければ空気圧を上げ、多けれ
ば空気圧を下げることにより、再回転時に回転数を設定
範囲に収めることをより容易にするものである。
【0039】図5は本発明を試料回転の制御に利用した
場合の他の実施例のアルゴリズムを示したものである。
試料管の回転開始時に回転異常を検出し、再回転を行う
と同時に、再回転の試行回数nがあらがじめ設定された
回数Nを越えた場合には回転を停止し、回転異常の発生
の警報を発することにより、回転異常の発見をより有効
に行うものである。
【0040】図6は本発明を試料回転の制御に利用した
場合の他の実施例のアルゴリズムを示したものである。
NMRの測定中に試料管の回転数のモニタを継続して行
うと同時に圧縮空気の圧力を制御し、回転数があらかじ
め設定された範囲より少なくなれば空気圧を上げ、多く
なれば空気圧を下げることにより、測定中の回転数の変
動を補正し、回転異常を回避するものである。
【0041】図7は本発明を試料回転の制御に利用した
場合の他の実施例のアルゴリズムを示したものである。
NMRの測定中に試料管の回転数のモニタを継続して行
い、回転数があらかじめ設定された範囲を逸脱した場合
に、測定を中断し、回転を停止し、回転異常の発生の警
報を発することにより、回転異常の発見をより有効に行
うとともに、試料管の破損やそれにともなう装置の汚染
・損傷を回避するものである。
【0042】図8は本発明を磁場ロック制御に利用した
一実施例の装置構成図であり、図9はそれのアルゴリズ
ムを示した図である。磁場ロックに用いるロックシグナ
ル(例えば、溶媒中の重水素シグナル)の周波数や、ロ
ックシグナルの強度、線幅などのパラメータの目標値を
入力装置2から入力し、または記憶装置4から読みだ
し、装置をこれらのパラメータに合うように設定し、ロ
ックシグナル検出器13によりロックシグナルの検出を
行う。検出されたロックシグナルの上記各パラメータが
正常範囲に入っている場合にはCPU1で判定してその
ままロックシグナルの観測を続け、ロックシグナルのシ
フトが観測された場合にそれを打ち消す方向に磁場がか
かるようにコイル電流制御装置14により磁場制御用コ
イル15に電流を流す、という通常の磁場−周波数ロッ
ク操作を行う。
【0043】しかし、溶媒の設定がまちがっていたり、
溶質の影響で溶媒の重水素シグナルが変化した場合、ま
たはその他の原因で、ロックシグナルの検出操作でシグ
ナルが観測されなかったり、観測されても真のピークで
なくゴーストピークやサイドバンドであるためパラメー
タが異常値である場合がある。このような場合は、正常
な磁場−周波数ロックが動作しない。そこで、ロックシ
グナルの周波数、強度、線幅などのパラメータをずらし
て再度ロックシグナルの検出を行う。周波数は前回より
大きい場合と小さい場合があるので、片方を試みて改善
されない場合は逆方向を試みる必要が有る。シグナル強
度はより弱いシグナルを検出できるように設定する。線
幅はよりブロードなシグナルを検出できるように設定す
る。このようにフィードバックすることにより、ロック
シグナル検出をより確実に行うことができる。
【0044】なお、磁場−周波数ロックが正常に動作し
ないにも関わらず、パラメータの異常が認められない場
合は装置の故障などが原因と考えられるので警報を出す
ようにする。また、上記の手法でパラメータを変更して
ロックシグナル検出を繰り返し試みても正常なシグナル
が得られない場合には、適当な回数の操作の後、または
いずれかのパラメータが限界値に達した場合に警報を出
してロックシグナル検出器制御機構16により上記操作
を打ち切るようにすることも有効である。
【0045】図10は本発明をシムコイル調整に利用し
た一実施例の装置構成図であり、図11はそのアルゴリ
ズムを示した図である。磁場の空間的均一性は一般にロ
ックシグナルの線幅、強度、分解能などから判断され
る。複数のシムコイル17に流す電流をシム電流調整機
構18により調整することにより、磁場均一性を向上さ
せることができるが、各コイル17間の相互の影響が複
雑であり調整は困難であるため、従来は自動調整が一般
的になっている。しかし、各シム電流値の初期値の組み
合わせが不適当であった場合には自動調整では十分均一
性が向上せず、再調整が必要になる場合がしばしば起こ
る。そこで、磁場均一度の目標値としてロックシグナル
のパラメータを設定しておき、自動シム調整後にロック
シグナルの各パラメータを調べて磁場均一度を求め、目
標値に達していない場合にはシム電流値の初期値を変更
して再度自動シムコイル調整を行うようにする。この
際、シム電流値の変更方法として、初期値の組み合わせ
をあらかじめ何種類か用意しておく方法や、前回の最終
値から適当な値だけずらしたところを次の初期値とする
などの方法が考えられる。このようにフィードバックを
かけることにより、より確実に磁場の均一性を向上させ
ることができる。
【0046】また、上記の手法で繰り返しシム調整を行
っても磁場均一度が目標値に達さない場合には、適当な
回数の操作の後、またはシム電流値が限界値に達した場
合に警報を出すと共に磁場ロック機構19により上記操
作を打ち切ることも考えられる。
【0047】図12は本発明を積算回数設定に利用した
一実施例の装置構成図であり、図13はそのアルゴリズ
ムを示した図である。強度の弱い核種、または濃度の低
い試料の場合に十分なS/N比のスペクトルを得るには
長時間測定が必要になる。この場合、積算回数を最適値
に設定しなければ効率的な測定ができないが、適当な積
算回数というものは試料ごとに異なってくるので設定が
むずかしい。この場合、S/N比の目標値、積算回数の
初期値を入力装置2から入力して設定した後予備測定を
行い、データ処理/シグナル判定機構20によりデータ
処理の後、最大シグナルを判定し、最大シグナルのS/
N比を計算し、これと目標のS/N比とを比較する。S
/N比が目標に達していれば、積算回数の初期値をその
まま積算回数とすればよい。この場合には予備測定をそ
のまま本測定としてもよい。
【0048】S/N比が目標に達していない場合にはS
/N比が積算回数の平方根に比例することから、目標S
/N比を実現するのに必要な積算回数を計算することが
でき、積算回数を設定できる。このような手法により自
動的に積算回数を設定することができ、均一な質のスペ
クトルを効率的に測定することができる。
【0049】また図12は本発明を測定領域設定に利用
した一実施例の装置構成図でもあり、図14はそのアル
ゴリズムを示した図である。多くの場合、シグナルの現
れる範囲は核種によって決まっているが、特殊な場合に
は大きくずれたところにシグナルが現れる場合がある。
測定領域の外側にシグナルがあった場合はそのシグナル
は観測されないが、折り返しにより測定領域内にゴース
トピークがあらわれる。全てのシグナルを観測するため
には測定領域を広くとる方が良いが分解能を高くするに
は測定領域を狭くした法が良い。そこで、通常範囲外に
シグナルを持つような試料の場合には測定領域を最適に
設定する必要がある。この場合に、まず適当な測定領域
を設定して予備測定を行い、データ処理の後、データ処
理/シグナル判定機構20によりシグナルを検出し、シ
グナルの出現している周波数位置を求める。次に測定領
域を前回より広く変更し、再度予備測定を行い、同様に
シグナルの出現位置を求める。シグナルの出現位置が変
化した場合は、前回観測範囲外であったシグナルが今回
は観測範囲内に入ってきたため、または観測範囲外のシ
グナルが折り返していたものが折り返しの位置がずれた
ためと考えられ、前回の観測範囲が不適切であったこと
を意味する。逆にシグナルの出現位置が変化しなかった
場合はすでに前回の測定範囲で全てのシグナルを測定す
るに十分であったことを意味する。
【0050】このように、シグナルの出現位置が変化し
なくなるまで測定範囲を変更しながら予備測定を繰り返
し、全てのシグナルが出現する範囲を求め、スペクトル
の両端に適当な幅だけ余裕をとり、最適測定領域とす
る。このようにして最適測定領域を自動的に設定するこ
とができる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、NMRスペクトル測定
において、試料回転、磁場−周波数ロック、シムコイル
調整などの装置調整、または測定回数・観測周波数範囲
等の測定条件設定などの、測定に必要な各種操作のうち
少なくとも1つの操作について、与えられた設定値から
の逸脱や初期値からの自動調整の不具合などが生じた場
合、または設定された初期値が不適切であった場合に、
異常の有無の判断および異常時の処理を自動的に行い、
測定条件の最適化を図ることが可能になる。このため、
従来の装置では必要であったオペレータによる監視・判
断・手動による処置を削減することができ、オペレータ
の負担を大幅に軽減するとともに、良質なスペクトルの
取得が容易になり、測定時間の短縮、装置破損の危険回
避などが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成および装置の運転手順を示す図で
ある。
【図2】本発明を試料回転の制御に利用した一実施例の
装置構成を示す図である。
【図3】本発明を試料回転の制御に利用した一実施例の
アルゴリズムを示す図である。
【図4】本発明を試料回転の制御に利用した他の実施例
のアルゴリズムを示す図である。
【図5】本発明を試料回転の制御に利用した他の実施例
のアルゴリズムを示す図である。
【図6】本発明を試料回転の制御に利用した他の実施例
のアルゴリズムを示す図である。
【図7】本発明を試料回転の制御に利用した他の実施例
のアルゴリズムを示す図である。
【図8】本発明を磁場ロック制御に利用した一実施例の
装置構成図である。
【図9】本発明を磁場ロック制御に利用した一実施例の
アルゴリズムを示す図である。
【図10】本発明をシムコイル調整に利用した一実施例
の装置構成図である。
【図11】本発明をシムコイル調整に利用した一実施例
のアルゴリズムを示す図である。
【図12】本発明を積算回数設定及び測定領域設定に利
用した一実施例の装置構成図である。
【図13】本発明を積算回数設定に利用した一実施例の
アルゴリズムを示す図である。
【図14】本発明を測定領域設定に利用した一実施例の
アルゴリズムを示す図である。
【符号の説明】
1 CPU 2 入力装置 3 警報・状態表示装置 4 記憶装置 5 操作機構 6 データ測定機構 7 試料 8 回転数検出装置 9 回転系制御装置 10 回転機構 11 測定系制御装置 12 測定機構 13 ロックシグナル検出器 14 コイル電流制御装置 15 磁場制御用コイル 16 ロックシグナル検出器制御機構 17 シムコイル 18 シム電流調整機構 19 磁場ロック機構 20 データ処理/シグナル判定機構 21 コンプレッサー 22 磁石

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核磁気共鳴スペクトル測定に必要な操作
    を制御する目的に適したデータを取り込むデータ測定手
    段と、このデータ測定手段で測定されたデータと基準デ
    ータとを比較して現操作状態の適否を判別する自動判別
    手段と、この自動判別手段で不適と判定された場合に自
    動的に適切な操作条件を実現する自動実現手段とを備え
    た核磁気共鳴装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、核磁気共鳴スペクト
    ル測定に必要な操作は試料回転操作、磁場−周波数ロッ
    ク操作、シムコイル調整操作、または積算回数・観測周
    波数範囲等の測定条件設定操作であることを特徴とする
    核磁気共鳴装置。
  3. 【請求項3】 核磁気共鳴スペクトル測定に必要な試料
    管の回転操作をする回転機構と、測定を開始する際に試
    料管の回転数を検出する回転数測定手段と、この検出さ
    れた回転数とあらかじめ設定した基準回転数とを比較し
    てその設定範囲内であるか否かを判別する自動判別手段
    と、この自動判別手段で不適と判定された場合に前記回
    転機構を停止し、再回転を行うことを繰り返すことによ
    り、試料管の回転数を設定範囲内に自動的に収める自動
    実現手段とを備えた核磁気共鳴装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、回転機構はコンプレ
    ッサーから供給される圧縮空気の圧力を上下することに
    より回転数を増減するものであり、自動実現手段は試料
    管の再回転時に、回転に使用する圧縮空気の圧力を制御
    し、前回の回転数が設定範囲より多すぎた場合には空気
    圧を下げ、少なすぎた場合には空気圧を上げることによ
    り、回転数を調整し設定範囲内に収めるものであること
    を特徴とする核磁気共鳴装置。
  5. 【請求項5】 請求項3において、回転機構はコンプレ
    ッサーから供給される圧縮空気の圧力を上下することに
    より回転数を増減するものであり、自動実現手段は測定
    中に試料管の回転数をモニタすると同時に、回転に使用
    する圧縮空気の圧力を制御し、回転数が設定範囲より多
    くなりすぎた場合には空気圧を下げ、少なくなりすぎた
    場合には空気圧を上げることにより、測定中の回転数を
    自動的に調整して設定範囲内に収めるものであることを
    特徴とする核磁気共鳴装置。
  6. 【請求項6】 請求項3において、試料管の再回転をあ
    らかじめ設定した回数まで試行しても試料管の回転数を
    設定範囲内に収めることができない場合に、試料回転に
    異常があることの警報を発する表示手段を有し、且つ測
    定を中断して試料管の回転を停止する手段を有すること
    を特徴とする核磁気共鳴装置。
  7. 【請求項7】 請求項3において、測定中に試料管の回
    転数をモニタし、回転数があらかじめ設定した範囲から
    逸脱した場合には、試料回転に異常があることの警報を
    発する表示手段を有し、且つ測定を中断して試料管の回
    転を停止する手段を有する核磁気共鳴装置。
  8. 【請求項8】 核磁気共鳴スペクトル測定に必要な磁場
    ロックに用いるロックシグナルを検出するロックシグナ
    ル検出手段と、このロックシグナル検出手段で測定され
    たデータと基準データとを比較して現操作状態の適否を
    判別する自動判別手段と、この自動判別手段で、あらか
    じめ設定されたロックシグナルが観測されないと判定さ
    れた場合、またはロックシグナルに異常があると認めら
    れた場合に、あらかじめ設定された周波数またはその他
    のロックシグナルパラメータを変更し、再度ロックを試
    みて自動的に適切な操作条件を実現する自動実現手段と
    を備えた核磁気共鳴装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、ロックシグナルに重
    水素化溶媒中の重水素のNMRシグナルを用い、ロック
    シグナルの周波数設定値を変更する必要が生じた場合
    に、観測されたロックシグナルの周波数から試料に使用
    されていると予想される重水素化溶媒を表示する手段を
    有することを特徴とする核磁気共鳴装置。
  10. 【請求項10】 核磁気共鳴スペクトル測定に必要なシ
    ムコイル調整による磁場の均一化において磁場の均一性
    をロックシグナルのパラメータを介して検出する磁場均
    一性検出手段と、この磁場均一性検出手段で測定された
    データと基準データとを比較して現操作状態の適否を判
    別する自動判別手段と、この自動判別手段で、十分な磁
    場の均一性が得られないと判定された場合、シム電流値
    の初期値の組み合わせを変更し、再度シムコイル調整を
    行って自動的に磁場の均一化を実現する自動実現手段と
    を備えた核磁気共鳴装置。
  11. 【請求項11】 核磁気共鳴スペクトル測定に際しあら
    かじめ設定された回数の積算を行った後、スペクトルを
    取得するスペクトル取得手段と、最大強度のシグナルを
    検出し、当該シグナルのS/N比をあらかじめ設定され
    たS/N比の目標値と比較する比較手段と、検出された
    シグナルのS/N比が前記目標値に満たなかった場合に
    は目標値を達成するのに必要な積算回数を求め、その回
    数まで積算を継続してS/N比の良好なスペクトルを得
    る積算回数自動設定手段を有する核磁気共鳴装置。
  12. 【請求項12】 請求項11において、S/N比の目標
    値を達成するために必要な測定時間を計算し、あらかじ
    め設定された測定時間の最大値より長い時間が必要な場
    合には測定時間が設定された最大値に納まるように積算
    回数を変更する手段を有することを特徴とする核磁気共
    鳴装置。
  13. 【請求項13】 少なくとも2種類以上の異なる周波数
    範囲で核磁気共鳴スペクトルを取得するスペクトル取得
    手段と、最も高磁場側のシグナルと最も低磁場側のシグ
    ナルとを求めるシグナル判定手段と、最も高磁場側のシ
    グナルと最も低磁場側のシグナルに挟まれる周波数範囲
    を決定し且つその範囲の外側に適切な広さのシグナルの
    現れない領域を含むように周波数範囲を選定することに
    より必要十分な測定範囲を自動的に設定する自動設定手
    段を有する核磁気共鳴装置。
  14. 【請求項14】 あらかじめ核磁気共鳴スペクトル測定
    に必要な操作を制御するためのデータを入力して基準デ
    ータを設定し、実際に核磁気共鳴スペクトル測定に際し
    て前記操作を制御するためのデータを測定し、この測定
    データとあらかじめ設定された前記基準データとを比較
    して現操作状態の適否を判別し、不適と判定された場合
    に前記基準データを変更して再実行し又は測定データに
    基づいて測定条件を再設定することにより自動的に適切
    な操作条件を実現するようにした核磁気共鳴装置の測定
    条件自動設定方法。
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