JPH06235464A - 金属ガスケット - Google Patents

金属ガスケット

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JPH06235464A
JPH06235464A JP4212893A JP4212893A JPH06235464A JP H06235464 A JPH06235464 A JP H06235464A JP 4212893 A JP4212893 A JP 4212893A JP 4212893 A JP4212893 A JP 4212893A JP H06235464 A JPH06235464 A JP H06235464A
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Ket and Ket KK
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Abstract

(57)【要約】 〔目的〕シリンダヘッド13とシリンダブロック14の
冷却水流通孔内に突出した積層金属ガスケットの露出部
分にゴムコーティング層を作らないようにして、ゴムコ
ーティングの剥離等の問題を生じないようにし、これを
別工程を要することなく作成できるようにした金属ガス
ケットを提供する。 〔構成〕積層金属ガスケットの冷却水の下流側の金属板
(副板2)の下流側に対向する表面を予め非コーティン
グ面8として、下流側に配する金属板(基板1)と積層
すると、基板1の冷却水孔7aより小径にした副板2の
冷却水孔7bには上流側に対面した露出部8aを生じる
が、これは非コーティング面8の一部であるから、冷却
水の流通によるゴムコーティングの剥離等の問題が生じ
ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷却水流通孔を有する
シリンダヘッドとシリンダブロックとの合わせ面間に介
挿する金属ガスケットであって、冷却水孔を備え、表面
にゴムコーティングを施した金属板を積層した金属ガス
ケットの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンのシリンダヘッドとシリ
ンダブロックとの合わせ面間に金属ガスケットを介挿
し、該金属ガスケットの燃焼室孔周縁にはビードを形成
することによって、この合わせ面間のシール性を向上す
るようにしてある。
【0003】このようなエンジンのうち水冷方式にもの
において、シリンダヘッドとシリンダブロックとには燃
焼室孔の燃焼による温度上昇を抑えるために、燃焼室孔
の外周に近傍して冷却水流通のための冷却水流通孔が設
けられ、これにウォータ−ポンプから給送される冷却水
を流通するようにしてある。この冷却水の流通経路は、
ウォータ−ポンプをシリンダブロックの片方に設けた冷
却水流入口に連結し、ここからシリンダブロック内を巡
りながらシリンダヘッド側の冷却水流通孔へと流通する
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この場合、冷却水のウ
ォータ−ポンプから遠ざかるにつれて冷却水の通過流量
を大にする必要があり、これに対処すべく、金属ガスケ
ットに設けた冷却水孔の内径を調整することによって冷
却水の流量を制御するようにしてある。
【0005】従って、この金属ガスケットの冷却水孔
は、シリンダヘッドとシリンダブロックの冷却水流通孔
よりも小径に設定され、冷却水流通孔内で突出した露出
部を露呈することとなる。
【0006】このため、ウォータ−ポンプから流通する
冷却水が、金属ガスケットの冷却水孔における露出部に
衝突すると、シール剤として施してある金属ガスケット
表面のゴムコーティング層が剥離し、この剥離物質が冷
却水コントロール用サーモスタットに到ってエアー抜き
孔の目詰まりを起こすと、ここにエアーがたまってサー
モスタットの温度検知部に冷却水が到達不可能となり、
これがオーバーヒートの原因となったり、サーモスタッ
ト或はラジエターに付着してオーバーヒートや種々のエ
ンジントラブルの原因となるのである。
【0007】これに対して、従来、金属ガスケットの冷
却水孔の露出部分にゴムコーティング層を作らないよう
にするため、金属ガスケットの製作段階で、冷却水孔の
露出部のゴムコーティング塗膜に超高圧水の噴射を当て
て剥離したり、またこの露出部のゴムコーティング塗膜
をコーティングの段階でマスキングによって塗布しない
ようにする等の対処法が提案されているが、いずれもゴ
ムコーティング塗着のほかに露出部を非コーティング面
とするための別工程を必要とし、そのぶん製作時間の延
長、コストの増加を生じていたのである。
【0008】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、シリンダヘッドとシリンダブロックの冷却水流通
孔内に突出した積層金属ガスケットの露出部分にゴムコ
ーティング層を作らないようにし、これを従来のように
別工程を要することなく作成できるようにした金属ガス
ケットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本発明の金属ガスケットは、冷却水流通孔20、2
1を有するシリンダヘッド13とシリンダブロック14
との合わせ面間に介挿する積層金属ガスケットであっ
て、冷却水孔を形成すると共にゴムコーティングを施し
た金属板の積層金属ガスケットにおいて、前記積層され
た金属板のうち、冷却水の上流側たるシリンダブロック
14側に配した金属板に形成する冷却水孔7aの内径を
前記シリンダブロック14の冷却水流通孔20の内径と
同等又はそれ以上の大きさとし、該金属板に対して前記
シリンダヘッド13側に積層する他の金属板に対して、
前記シリンダブロック14側の金属板に形成した冷却水
孔7aより細径の冷却水孔7bを形成したことにより前
記シリンダブロック14の冷却水流通孔20内の冷却水
上流側に露出せる金属板表面には予めゴムコーティング
を施さないようにした構成としてある。
【0010】また、前記シリンダブロック14に設けた
冷却水流通孔20が燃焼室孔10の外周に沿って連続し
て設けられた場合、前記シリンダブロック14側の金属
板に設ける冷却水孔7aは、前記シリンダブロック14
の冷却水流通孔20に対応した全周のうち所要箇所に最
小限の所定幅を有する連結部24を残した状態で穿設
し、該連結部24の上流側面に対してゴムコーティング
の剥離を行うか、又は該連結部24の上流側のゴムコー
ティング上から保護材を施した構成としてもよい。
【0011】さらに、前記副板2の折返し部6を基板1
の燃焼室孔10の内周縁部に沿って挟むように形成した
金属ガスケットを、前記冷却水流通孔20が燃焼室孔1
0の外周に沿って連続して設けられたシリンダブロック
14に設ける場合、前記シリンダブロック14の冷却水
流通孔20に対応した全周に沿って冷却水孔7bの全周
を連続的に打ち抜き形成した構成としてもよい。
【0012】
【作用】上記構成による金属ガスケットを図1を参照し
て説明すると、金属ガスケットを構成する積層金属板の
うち、冷却水の上流側たるシリンダブロック14側に配
した金属板(基板1)に形成した冷却水孔7aの内径を
シリンダブロック14の冷却水流通孔20の内径と同等
又はそれ以上の大きさとし、該金属板(基板1)に積層
する他の金属板のうち、上記冷却水孔7aより細径の冷
却水孔7bを形成したことによりシリンダブロック14
の冷却水流通孔20内の上流側に露出せる金属板(副板
2)表面には予めゴムコーティングを施さずに該金属板
を所定形状に穿設する。そこで、基板1と副板2とを両
方の冷却水孔7a、7bが合致するように重ねた状態で
は、副板2の冷却水孔7bのシリンダブロック14側の
周縁に露出部8aを生じるが、該露出部8aは予めゴム
コーティング層のない金属板の露出面であるので、シリ
ンダブロック14側から流れる冷却水は副板2の露出部
8aに当たっても、従来問題であったゴムコーティング
層の剥離は元より生じない。
【0013】さらに、この露出部8aは、予めゴムコー
ティングを施さない副板2の非コーティング面8から成
るものであるから、基板1と副板2との積層形成の段階
において当然得られるものであり、露出部8a全面を非
コーティング面とする別加工を全く必要としないのであ
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。
【0015】図1(a) 乃至(d) は本発明による金属ガス
ケットの種々の実施例を示す図であり、図2(b) 及び図
3(c) のA−A断面に相当するもので、図1(a) は本発
明の一実施例たる金属ガスケットを図2及び図3に示す
シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に介挿した状
態で図2(b) 及び図3(c) のA−A線に沿う断面図とし
て示し、図1(b) 乃至図1(d) は同位置における金属ガ
スケットの断面図が示してある。
【0016】図2(a) は、図2(b) に示すクローズドデ
ッキ型シリンダブロックに結合する金属ガスケットを冷
却水の上流側(シリンダブロック側)から見た斜視図で
あり、図2(b) はクローズドデッキ型シリンダブロック
の斜視図である。
【0017】図3(a) は、図3(c) に示すオープンデッ
キ型シリンダブロックに介挿する金属ガスケットを冷却
水の下流側(シリンダヘッド側)から見た斜視図であ
り、図3(b) は図3(a) の金属ガスケットを冷却水の上
流側(シリンダブロック側)から見た斜視図であり、図
3(c) はオープンデッキ型シリンダブロックの斜視図で
ある。
【0018】図4(a) は、図3(a) 及び(b) に示した金
属ガスケットの変更例であり、副板2の折返し部6を基
板1の燃焼室孔10の内周縁部に沿って挟むように形成
した金属ガスケットを図3(c) のオープンデッキ型シリ
ンダブロック14に介挿する場合の下流側(シリンダヘ
ッド側)から見た斜視図であり、図4(b) は図4(a)の
金属ガスケットを冷却水の上流側(シリンダブロック
側)から見た斜視図であり、図4(c) は図4(a) 及び図
4(b) に示した金属ガスケットの図4(a) におけるA−
A線断面図、図4(d) は図4(c) の金属ガスケットの図
4(b) に置けるB−B線断面図である。
【0019】図1(a) において、シリンダヘッド13に
は冷却水流通孔21が形成され、シリンダブロック14
には冷却水流通孔20が形成され、シリンダブロック1
4側の冷却水流通孔20の内径Lのほうが、シリンダヘ
ッド13側の冷却水流通孔21の内径より大としてあ
る。このようなシリンダヘッド13とシリンダブロック
14とは、冷却水流通孔20、21の別位置に穿設され
たボルト孔を用いてボルト締結されるもので、両者の結
合状態において冷却水流通孔20、21には、不図示の
ウォータ−ポンプによって給送された冷却水が、シリン
ダブロック14側からシリンダヘッド13側へと流通さ
れる。この場合、冷却水流通孔20、21のシリンダブ
ロック14側が冷却水の上流側となり、シリンダブヘッ
ド13側が冷却水の下流側となる。
【0020】このようなシリンダヘッド13とシリンダ
ブロック14との合わせ面間に介挿した図1(a) の金属
ガスケットは、硬質ステンレス板から成る基板1と軟質
ステンレス板又は鉄板から成る副板2とを積層したもの
であり、副板2は基板1より厚く形成してあり、予め、
基板1の両面にはゴムコーティング1a、1bを施して
あるが、副板2は片面のみにゴムコーティング2aを施
し、他面は非コーティング面8としてある。このような
基板1と副板2とは、副板2の非コーティング面8を基
板1側に向けて重ね合わせる結果、副板2の非コーティ
ング面8が冷却水の上流側たるシリンダブロック14側
に向く。
【0021】また、副板2には、燃焼室孔10周縁に沿
って非コーティング面8、8同士が内側で接触する折返
し部6を設けてあり、燃焼室孔10の周縁に沿う基板1
の内径は折返し部6の外周より大径に穿設してあって、
基板1が折返し部6に重ならないようにしてある。
【0022】さらに、上記の金属ガスケットには、冷却
水の上流側たるシリンダブロック14側に配した金属
板、即ち基板1に冷却水孔7aを形成し、冷却水の下流
側たるシリンダブヘッド13側に配した金属板、即ち副
板2に冷却水孔7bを形成する。ただし、このような基
板1の冷却水孔7aの内径Sはシリンダブロック14の
冷却水流通孔20の内径Lと同等かそれ以上に形成して
あり、副板2の冷却水孔7bの内径dはシリンダヘッド
13の冷却水流通孔21を通過する冷却水の流量を制御
し得る所定内径に形成してあり、基板1側の冷却水孔7
aの内径Sのほうが副板2側の冷却水孔7bの内径dよ
り大に形成してある。
【0023】上記の金属ガスケットを積層形成するに
は、少なくとも、基板1の冷却水孔7aと副板2の冷却
水孔7bとを夫々金属板に打抜き形成しておいてから、
所定位置で互いに重合し、この積層状態の二層金属板に
対して燃焼室孔側の段差形ステップビード3、4とガス
ケット外周側の段差形ステップビード11、12を一括
的に押圧成形する。これにより、軟質材である副板2が
硬質材である基板1の成形に習って折曲され、基板1と
副板2との両者間に介在した基板1のコーティング1a
が基板1と副板2との圧接間にあって両者をよくなじま
せるように圧縮変形される。なお、副板2に設ける折返
し部6の形成は、基板1と副板2の積層前或は積層後の
いずれでもよい。
【0024】上記構成の金属ガスケットにおいて、両方
の冷却水孔7a、7bを重ねた状態では、副板2の冷却
水孔7bが基板1の冷却水孔7aより細径であるため、
冷却水流通孔20において、副板2の冷却水孔7bの周
縁に、上流側に対面した露出部8aを生じる。従って、
シリンダブロック14側から冷却水流通孔20を流れる
冷却水は副板2の露出部8aに直接当たるが、この露出
部8aは副板2の非コーティング面8の金属露出面であ
るため、ゴムコーティングの剥離等を全く生じないので
ある。
【0025】また、金属ガスケットの製作工程におい
て、副板2の露出部8aは予めゴムコーティングを施さ
ない非コーティング面8の一部を成すものであるから、
基板1と副板2とを積層した際、冷却水流通孔20内に
当然露出するものであり、従来のように、例えば、露出
部8aの相当部分にコーティングされたゴムコーティン
グの剥離処理、該部分にマスキングを施して他の部分に
ゴムコーティングする等の別加工を全く必要としないも
のである。
【0026】図1(b) 乃至(d) に示す金属ガスケット
は、上記の図1(a) に示す金属ガスケットと同様の効果
を有する他の実施例を示すものである。ただし、図1
(b) 乃至(d) にはシリンダヘッド13とシリンダブロッ
ク14とを省略して図示し、また図1(a) と同様の機能
を有する部分には同様の符合を付してある。
【0027】図1(b) に示す金属ガスケットは、燃焼室
孔10の周縁に沿って折返し部6を形成した軟質金属板
より成る副板2に、該副板2より厚い硬質金属板より成
る基板1を積層し、基板1には両面にゴムコーティング
1a、1bを施し、副板2には片面にゴムコーティング
2aを施し、副板2の非コーティング面8を基板1側に
向けて積層してある。
【0028】基板1には燃焼室孔10側に断面半円形の
片側半分(燃焼室孔側)を略直線状に形成することによ
り非対称円弧形としたフルビード3を形成して、基板1
の燃焼室孔10側の内端を副板2の折返し部6上に重
ね、外周には段差形ステップビード11を形成し、基板
1をシリンダブロック14側に配し、副板2をシリンダ
ヘッド13側に配して両方の冷却水孔7a、7bを重ね
て、冷却水孔7aの内側に副板2の非コーティング面8
が冷却水の上流側たるシリンダブロック14側に向くよ
うにしてある。
【0029】この金属ガスケットにおいても、基板1側
の冷却水孔7aの内径Sのほうが副板2側の冷却水孔7
bの内径dより大であって、副板2の冷却水孔7bのシ
リンダブロック14側の周縁にコーティング層を元々設
けていない露出部8aを生じ、露出部8aは別加工を必
要とせず、冷却水流通孔20をシリンダブロック14側
から流れる冷却水は副板2の非コーティング面8の一部
である露出部8aに直接当たり、冷却水の流通経路には
ゴムコーティングの露出面が存在しないため、ゴムコー
ティングの剥離等の問題を生じない。
【0030】また、図1(c) に示す金属ガスケットは、
図1(b) の基板1と副板2のうち、副板2には両面にゴ
ムコーティング層を設けず、さらに、この副板2を挟ん
でシリンダブロック14側の基板1をシリンダヘッド1
3側にも対称形に設け、これを基板1’とし、該基板
1’には燃焼室孔10側に非対称円弧形のフルビード
3’を形成し、外周には段差形ステップビード11’を
形成してある。ただし、このシリンダヘッド13側の基
板1’の冷却水孔の内径は副板2の冷却水孔7bの内径
dと同様のものとしてある。
【0031】この金属ガスケットにおいても、基板1の
冷却水孔7aの内径Sと副板2の冷却水孔7bの内径d
は上記同様に形成し、冷却水孔7aの内径Sのほうが冷
却水孔7bの内径dより大であって、非コーティング面
8の一部である金属面たる露出部8aを生じ、シリンダ
ブロック14側から流通する冷却水は金属面の露出部8
aに直接当たり、冷却水の流通経路にはゴムコーティン
グの露出面が存在しないため、ゴムコーティングの剥離
等の問題を生じない。
【0032】さらに、図1(d) に示す金属ガスケット
は、図1(b) のシリンダブロック14側に設けた基板1
を対称形にシリンダンダヘッド13側にも設けて、これ
を基板1’とし、両方の基板1、1’の間に、燃焼室孔
10の近傍まで伸びた副板2を配し、この副板2は両面
にコーティングを施してなく、副板2の燃焼室孔10側
に沿って両面非コーティングの折返し板6’を設けて副
板2の内周縁を包囲し、さらに折返し板6’の周外であ
って副板2の両面に補助板9、9を積層したものであ
る。
【0033】ただし、この補助板9、9は副板2と接す
る内側にのみゴムコーティング9a、9aを施してあ
り、両方の外表面は金属面たる非コーティング面8を露
出し、基板1の冷却水孔7aの内周に露出部8aとして
突出する。
【0034】この金属ガスケットも上記同様に、シリン
ダブロック14側から流通する冷却水は上記の金属面た
る露出部8aに当たり、この露出部8aは別加工を必要
とせず、冷却水の流通経路にはゴムコーティングの露出
面が存在しないため、ゴムコーティングの剥離等の問題
を生じない。
【0035】図2(b) は多気筒エンジン用のクローズド
デッキ型シリンダブロック14を示し、図2(a) はこの
シリンダブロック14のデッキ面に設ける図1(a) 乃至
(d)に示した金属ガスケットを下流側即ちシリンダヘッ
ド13に接合する側から見たものである。
【0036】このクローズドデッキ型のシリンダーブロ
ック14はFC製鋳鉄又はアルミニウムより作り、低圧
鋳造であって、燃焼室孔10、10…の周辺に設けた冷
却水流通孔20、20…は鋳造時に中子を所定位置に介
在し、鋳造後にこの中子を壊して取り出すことにより形
成する。
【0037】この場合、各冷却水流通孔20、20…
は、シリンダーブロック14の内部で連通させ、シリン
ダーブロック14のデッキ面に対しては開口場所に応じ
て円弧形又は三角形等の断面形状を有する非連続の独立
した孔を形成し、これに対応してシリンダーヘッド13
にも冷却水流通孔21、21…を形成するが、ウォータ
−ポンプ(不図示)に連通された冷却水流入口14aを
図2(b) におけるシリンダーブロック14の左方に設け
た場合、冷却水流入口14aから遠ざかるにつれて、即
ち図のシリンダーブロック14の左方から右方にいくに
つれて冷却水の通過流量を大にする必要があり、これを
金属ガスケットGの冷却水孔7bの内径を調整すること
によって実現するのである。
【0038】従って、この金属ガスケットGの冷却水孔
7bは、図2(a) の金属ガスケットGに示すとおり、右
方にあっては、小径の円形孔としてあるが、左方におい
ては、この円形孔を二個としたり、三角形としたり、円
弧形として、内径を広げることにより調整するようにし
てある。
【0039】ところで、図3(c) に示すオープンデッキ
型シリンダブロック14は、生産性を向上するため、ア
ルミ製のダイカスト鋳造とし、成形用型の抜き出しのた
めに、冷却水流通孔20’を燃焼室孔10、10…の全
外周に沿って連続的に設ける必要がある。
【0040】ところが、金属ガスケットG’に対して、
このような冷却水流通孔20’に応じた全外周連続形状
の冷却水孔7aを打抜き形成すると、基板1における各
燃焼室孔10、10…の周辺にできる環状部23が周辺
部22から独立したものとなって離脱してしまうので、
この環状部23をガスケットの周辺部22に連結する必
要がある。
【0041】図3(a) 及び(b) はこれに対応した金属ガ
スケットであり、図3(a) はこの金属ガスケットのシリ
ンダブロック14に対する接合面を反転して冷却水の上
流側から見るようにした図であり、冷却水孔7bを有す
る副板2及び基板1’が上方に位置し、図3(b) は図3
(a) を反転してシリンダヘッド13の接合面から見た図
であり、連続的な冷却水孔7aを有する基板1が上方に
位置するように図示してある。
【0042】これらの図において、各燃焼室孔10、1
0…の周辺に連続的に繋がった基板1の環状部23を周
辺部22に対して連結部24で連結するように、この連
結部24を必要最小限の幅で所要箇所に形成する。そし
て、このような連結部24、24…は、冷却水流通孔2
0’からの流通経路に当たるため、各連結部24、24
…に対してゴムコーティングの剥離を行うか、又は該連
結部24、24…に対して保護材をゴムコーティングの
上から施して、上流側たるシリンダーブロック14側か
ら流通する冷却水の衝突部分を保護するようにする。
【0043】このような金属ガスケットにおいても、基
板1の冷却水孔7a内に露出部8aが生るが、この露出
部8aは上記同様に非コーティング面8の一部であるか
ら、ゴムコーティングの剥離等の問題を生じない。
【0044】また、図4(a) 乃至(d) に示す金属ガスケ
ットG”は、図1(b) に示した金属ガスケットの副板2
の折返し部6を基板1の燃焼室孔10、10…の夫々の
内周縁部に沿って挟むように形成したものである。この
ような金属ガスケットG”は、副板2の折返し部6が基
板1の各燃焼室孔10、10…の内周縁部を挟持した状
態にあり、副板2は冷却水孔7b等が穿設されているも
のの、図4(d) (図4(b) におけるB−B線断面図)に
示すように、連続的な一枚の金属板であるから、基板1
の環状部23は副板2の折返し部6によって保持され、
しかも基板1の周辺部22と副板2とはシリンダヘッド
13とシリンダブロック14間に介挿した際にボルト締
結により結合するため、この金属ガスケットG”を図3
(c) に示すオープンデッキ型シリンダブロック14に使
用したとしても上記した連結部24は不要となる。
【0045】また、このような金属ガスケットにおいて
生じる露出部8aも図3の場合と同様に非コーティング
面8の一部であるから、ゴムコーティングの剥離等の問
題を生じない。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の金属ガス
ケットは、シリンダヘッドとシリンダブロックの冷却水
流通孔内に突出した金属ガスケットの露出部分にゴムコ
ーティング層を作らないようにするため、冷却水流通孔
の上流側に位置する金属ガスケットの積層材として、予
めコーティングを施さない金属露出面を有した金属板を
用いたので、ゴムコーティングの剥離問題を元より生じ
ない金属ガスケットが得られるのであり、従来のように
露出部を非コーティング面とする別加工は全く必要とせ
ず、工程の省略化を図ることができる。
【0047】また、本発明は、冷却水流通孔を燃焼室孔
の全外周に沿って連続的に設けたオープンデッキ型シリ
ンダブロックのようなものに対処して、燃焼室孔周辺の
環状部分を周辺部に対して最小限の所定幅を有した連結
部で連結し、この連結部のみに対してゴムコーティング
の剥離を行うか、該連結部のみに対して別の保護材をゴ
ムコーティングの上から施すことにより、冷却水流通孔
において、上流側から流通する冷却水の衝突部分を保護
可能としたものである。
【0048】さらに、副板の折返し部を基板の燃焼室孔
の夫々の内周縁部に沿って挟むように形成した金属ガス
ケットにおいては、これをオープンデッキ型シリンダブ
ロックに使用したとしても、基板の環状部は副板の折返
し部によって保持されるから、基板の環状部と周辺部と
をつなぐ連結部を設ける必要がなく、しかも上記同様の
効果を発揮しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a) 乃至(d) は本発明による金属ガスケッ
トの種々の実施例を示す図であり、図2(b) 及び図3
(c) のA−A断面に相当するもので、図1(a)は本発明
の一実施例たる金属ガスケットを図2及び図3に示すシ
リンダヘッドとシリンダブロックとの間に介挿した状態
で図2(b) 及び図3(c) のA−A線に沿う断面図として
示し、図1(b) 乃至図1(d) は同位置における金属ガス
ケットの断面図が示してある。
【図2】図2(a) は、図2(b) に示すクローズドデッキ
型シリンダブロックに結合する金属ガスケットを冷却水
の上流側(シリンダブロック側)から見た斜視図であ
り、図2(b) はクローズドデッキ型シリンダブロックの
斜視図である。
【図3】図3(a) は、図3(c) に示すオープンデッキ型
シリンダブロックに介挿する金属ガスケットを冷却水の
下流側(シリンダヘッド側)から見た斜視図であり、図
3(b) は図3(a) の金属ガスケットを冷却水の上流側
(シリンダブロック側)から見た斜視図であり、図3
(c) はオープンデッキ型シリンダブロックの斜視図であ
る。
【図4】図4(a) は、図3(a) 及び(b) に示した金属ガ
スケットの変更例であり、副板2の折返し部6を基板1
の燃焼室孔10の内周縁部に沿って挟むように形成した
金属ガスケットを図3(c) のオープンデッキ型シリンダ
ブロック14に介挿する場合の下流側(シリンダヘッド
側)から見た斜視図であり、図4(b)は図4(a) の金属
ガスケットを冷却水の上流側(シリンダブロック側)か
ら見た斜視図であり、図4(c) は図4(a) 及び(b) に示
した金属ガスケットの図4(a)におけるA−A線断面
図、図4(d) は図4(c) の金属ガスケットの図4(b) に
おけるB−B線断面図である。
【符合の説明】
1…基板、2…副板、1a、1b…基板表面に設けた両
面ゴムコーティング層、2a…副板に設けた片面ゴムコ
ーティング層、3、3’…燃焼室孔側のビード、6、
6’…折返し部、7a…基板(上流側)の冷却水孔、7
b…副板(下流側)の冷却水孔、8…非コーティング
面、8a…冷却水流通孔における金属ガスケットの露出
部、9…補助板、10…燃焼室孔、11、11’、12
…ガスケット外周に設けたビード、13…シリンダヘッ
ド、14…シリンダブロック、20…シリンダブロック
側の冷却水流通孔、21…シリンダヘッド側の冷却水流
通孔、22…周辺部、23…環状部、24…連結部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷却水流通孔20、21を有するシリンダ
    ヘッド13とシリンダブロック14との合わせ面間に介
    挿する積層金属ガスケットであって、冷却水孔を形成す
    ると共にゴムコーティングを施した金属板の積層金属ガ
    スケットにおいて、前記積層された金属板のうち、冷却
    水の上流側たるシリンダブロック14側に配した金属板
    に形成する冷却水孔7aの内径を前記シリンダブロック
    14の冷却水流通孔20の内径と同等又はそれ以上の大
    きさとし、該金属板に対して前記シリンダヘッド13側
    に積層する他の金属板に対して、前記シリンダブロック
    14側の金属板に形成した冷却水孔7aより細径の冷却
    水孔7bを形成したことにより前記シリンダブロック1
    4の冷却水流通孔20内の冷却水上流側に露出せる金属
    板表面には予めゴムコーティングを施さないようにした
    ことを特徴とする金属ガスケット。
  2. 【請求項2】前記シリンダブロック14に設けた冷却水
    流通孔20が燃焼室孔10の外周に沿って連続して設け
    られた場合、前記シリンダブロック14側の金属板に設
    ける冷却水孔7aは、前記シリンダブロック14の冷却
    水流通孔20に対応した全周のうち所要箇所に最小限の
    所定幅を有する連結部24を残した状態で穿設し、該連
    結部24の上流側面に対してゴムコーティングの剥離を
    行うか、又は該連結部24の上流側のゴムコーティング
    上から保護材を施したことを特徴とする請求項1記載の
    金属ガスケット。
  3. 【請求項3】前記副板2の折返し部6を基板1の燃焼室
    孔10の内周縁部に沿って挟むように形成した金属ガス
    ケットを、前記冷却水流通孔20が燃焼室孔10の外周
    に沿って連続して設けられたシリンダブロック14に設
    ける場合、前記シリンダブロック14の冷却水流通孔2
    0に対応した全周に沿って冷却水孔7bの全周を連続的
    に打ち抜き形成したことを特徴とする請求項1記載の金
    属ガスケット。
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