JP4351476B2 - 金属ガスケット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のシリンダーブロックとシリンダーヘッドとの合わせ面に介挿される金属ガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリンダーヘッド側基板の上面及びシリンダーブロック側基板の下面は、直接シリンダーヘッド又はシリンダーブロックと接合するため、この接合面のシール性能を高めるためゴム系又は弗素系等の種々のシール材をコーティングして使用することが多いが、このような場合金属ガスケットとして長期間使用すると、シール材のコーティング層が剥離したりして冷却水と共に循環する結果、サーモスタットやラジエータに付着したり、オーバーヒートなどのエンジントラブルを惹起する原因となると云う問題があった。
【0003】
この問題を解決するために、ガスケットの外表面に表面処理材をコーティングした内燃機関用の金属ガスケットにおいて、冷却水口を包含する帯域の前記コーティング層を剥離した金属ガスケットが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、冷却水通路に露出した金属ガスケットの表面に塗布してあるゴムコーティングのはがれ現象を解消する金属ガスケットを提供するため、燃焼室側基板と外周側基板との分離幅をシリンダーブロックの冷却水通路と同等かそれよりも広く形成した一体を成す基板のシリンダーブロック側を非コーティング面として、冷却水通路内の気泡が滞留する部分にゴムコーティングは存在しないようにすることが提案されている(特許文献2、特許文献3)。
【0005】
さらに、シリンダーブロック側基板における冷却水孔を隔てた内側板と外側板とを複数の接続部で結合した構成とし、且つシリンダーブロック側基板上に積層される副板やシリンダーヘッド側基板のシリンダーブロック側を非コーティング面として、シリンダーブロック側基板の内側板と外側板との接続部以外の面に表面処理材を施すことが提案されている(特許文献4)。
【0006】
【特許文献1】
特開昭64−73156号公報
【特許文献2】
特開平7−158740号公報
【特許文献3】
特開平7−198041号公報
【特許文献4】
特開平10−9393号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来技術の金属ガスケットは、そのシール材がシリンダーヘッド側基板のシリンダーヘッド側及びシリンダーブロック側基板のシリンダーブロック側面にのみ施されるものであったり、燃焼室側基板と外周側基板との分離幅をシリンダーブロックの冷却水通路と同等かそれよりも広く形成し、一体基板のシリンダーブロック側を非コーティング面とするものであり、シール効果はある程度上げられるが、本発明は更にシール効果を改善すると共にシール材の剥離を防止し、冷却水経路、例えばサーモスタットのエア抜き孔等への詰まりによる冷却機能の低下を防止し、金属ガスケットをウォータージャケット上部で簡単に一体化して金属ガスケットの機械的安定度を高め且つ容易に製造できるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、シリンダーヘッドとシリンダーブロックとの合わせ面に介挿される、重ね合わされた複数の金属板を積層した金属ガスケットであって、
前記金属ガスケットは、シリンダーヘッド側基板と副板とシリンダーブロック側基板との重ね合わせ体から成り、
前記シリンダーヘッド側基板は、燃焼室孔の周縁からシリンダーヘッド外周に至る一体に形成された弾性金属板から成り、該シリンダーヘッド側基板にはシリンダーヘッド側のみシール材が塗布されており、
前記シリンダーブロック側基板は、燃焼室孔に隣接する領域部分と外周に隣接する領域部分との間を気筒当り少くとも1つのブリッジ部分にて連結された弾性金属板から成り、該シリンダーブロック側基板は前記ブリッジ部分のシリンダーブロック側領域を除いて両面にシール材が塗布されており、
前記副板は、前記シリンダーヘッド側のみ接着材又はシール材が塗布され、前記シリンダーヘッド側基板及びシリンダーブロック側基板と同等以下の硬度の金属板から成り、燃焼室孔の周縁からウォータージャケット内周端部近傍に至る形状を有すること、および
前記副板は、前記シリンダーブロック側基板のブリッジ部分と同一方向に張り出した、ウォータージャケットの上方に位置する耳状張出部を有しており、該耳状張出部のかしめ長さ(L11)をかしめ幅(L10)の半分程度とし、前記ヘッド側基板、副板及びシリンダーブロック側基板は、重ね合わせて、前記ブリッジ部分の領域でかしめ結合されていることを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、シリンダーヘッドとシリンダーブロックとの合わせ面に介挿される、重ね合わされた複数の金属板を積層した金属ガスケットであって、
前記金属ガスケットは、シリンダーヘッド側基板とスペーサ板と副板とシリンダーブロック側基板との重ね合わせ体から成り、
前記シリンダーヘッド側基板は燃焼室孔の周縁からシリンダーヘッド外周に至るまでの一体に形成された弾性金属板から成り、該シリンダーヘッド側基板は両面にシール材が塗布されており、
前記シリンダーブロック側基板は、燃焼室孔に隣接する領域部分と外周に隣接する領域部分との間を気筒当り少くとも1つのブリッジ部分にて連結された弾性金属板から成り、該シリンダーブロック側基板は前記ブリッジ部分のシリンダーブロック側領域を除いて両面にシール材が塗布されており、かつ
前記副板は、スペーサ板側のみ接着材又はシール材が塗布されており、前記シリンダーヘッド側基板及びシリンダーブロック側基板と同等以下の硬度の金属板から成り、かつ燃焼室孔の周縁からウォータージャケット内周端部近傍に至る形状を有すること、および
前記副板は、前記シリンダーブロック側基板のブリッジ部分と同一方向に張り出した、ウォータージャケットの上方に位置する耳状張出部を有しており、該耳状張出部のかしめ長さ(L11)をかしめ幅(L10)の半分程度とし、前記ヘッド側基板、副板及びシリンダーブロック側基板は、重ね合わせて、前記ブリッジ部分の領域でかしめ結合されていることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、副板が、シリンダーヘッド側基板及びシリンダーブロック側基板よりも薄厚としたことを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載の発明は、シリンダーヘッド側基板及びシリンダーブロック側基板が同一厚さであることを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載の発明は、シリンダーブロック側基板のブリッジ部におけるシリンダーブロック側のシール材除去範囲を、ウォータージャケットの内周端部から外周端部に至る範囲及び夫々の端部より外側に0〜2.0mmだけ拡大されている範囲としたことを特徴としている。
【0013】
請求項6に記載の発明は、シリンダーヘッドとシリンダーブロックとの合わせ面に介挿される、重ね合わされた複数の金属板を積層した金属ガスケットであって、
前記金属ガスケットは、シリンダーヘッド側基板と副板とシリンダーブロック側基板との重ね合わせ体から成り、
前記シリンダーヘッド側基板は、燃焼室孔の周縁からシリンダーヘッド外周に至るまでの一体に形成された弾性金属板から成り、該シリンダーヘッド側基板は両面にシール材が塗布されており、
前記シリンダーブロック側基板は、燃焼室孔に隣接する領域部分と外周に隣接する領域部分との間を気筒当り少くとも1つのブリッジ部分にて連結された弾性金属板から成り、該シリンダーブロック側基板は前記ブリッジ部分のシリンダーブロック側領域を除いて両面にシール材が塗布されており、かつ
前記副板は、燃焼室孔周縁から所定の幅を有する内側板と、その外側に配設された外側板とから成り、該外側板は、ガスケット外周からウォータージャケットを跨ぎ、ウォータージャケットの内周端部に少なくとも重なって延在し、且つ前記内側板に比して薄厚であり、
前記シリンダーブロック基板のブリッジ部上方に位置する前記外側板に、前記シリンダーブロック側基板のブリッジ幅より狭幅であり、且つウォータージャケット幅のほぼ中央に達する切欠き部が設けられており、
前記内側板は外周に、前記切欠き部幅より狭幅の耳状張出部を有し、前記耳状張出部と前記切欠き部の深さはほぼ等しく、前記外側板の切欠き部の底部と内側板の耳状張出部の頂部との対向部分を跨ってシリンダーブロック側基板及びシリンダーヘッド側基板と副板とをかしめにより結合したことを特徴としている。
【0014】
この発明により、シリンダーヘッド側基板とシリンダーブロック側基板との間に、副板として内側板を使用した場合その外側に外側板を用いることにより差厚を調整することができる。しかも副板の内側板と外側板との隙間からシリンダーヘッド側基板の塗布シール材に冷却水が直接当たらないようにすることができる。
【0015】
請求項7に記載の発明は、副板の内側板の耳状張出部の頂部と外側板の切欠き底部との対向部分の間隙を0〜0.5mm以下として、その他の内側板と外側板との間隙を0.2mm以上としたことを特徴としている。
【0016】
この発明により、製作時の副板の内側板と外側板の重なり合いの防止が容易となる。
【0017】
請求項8に記載の発明は、副板の内側板の厚さがシリンダーブロック側基板及びシリンダーヘッド側基板と同等以上の厚さであることを特徴としている。
【0018】
この発明によりシリンダーブロックとシリンダーヘッドとの間の金属ガスケットの厚さ調整が容易になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を用いて詳しく説明する。
【0020】
図1乃至4は、本発明の金属ガスケットの第1実施例を示しており、図1は、本発明の金属ガスケットの分解斜視図であり、図2は、図1の金属ガスケットを、シリンダーブロック側、すなわち図1のz矢印方向からシリンダーヘッドガスケット面に対する配置関係を分解して示した部分拡大斜視図である。図3は、図1のA−A線切断断面図であり、図4は、図1のB−B線切断断面図である。また図5は、本発明の第2実施例の図4に対応する断面図である。図6は、本発明の第3実施例の金属ガスケットを示すもので、シリンダーブロック側からシリンダーヘッドガスケット面への金属板の配置関係を示す分解部分拡大斜視図である。図7は、図6の実施例の金属ガスケットを図1のA−A線に対応して切断した断面図である。図8は、図6の実施例の金属ガスケットを図1のB−B線に対応して切断した断面図である。なお各図において対応する部分には同一参照番号が付けてある。
【0021】
図1乃至図4に示す金属ガスケットは、硬質の弾性金属板から形成されたシリンダーヘッド側基板1と、硬質の弾性金属板から形成されたシリンダーブロック側基板2と、シリンダーヘッド側基板1とシリンダーブロック側基板2との間に配置された硬質又は軟質金属製の副板3とが重ね合わされた構成になっている。
【0022】
シリンダーヘッド側基板1とシリンダーブロック側基板2には、シリンダーブロック9とシリンダーヘッド8との構造に応じてオイル孔4、燃焼室孔5、冷却水孔6、ボルト孔7等が形成されている。
【0023】
シリンダーヘッド側基板1は、その内周は燃焼室孔5に相当する中空孔により画定されており、外周はシリンダーヘッド8に対応した略長方形の形状を有し、硬質の弾性金属例えばステンレスから成る一体基板で、厚みが例えば約0.2mmである。
【0024】
シリンダーブロック側基板2は、内周は燃焼室孔5に相当する中空孔により画定され、外周はシリンダーヘッド側基板1の外周に対応する略長方形の形状の、硬質の弾性金属の一体基板から成る。その厚みをシリンダーヘッド側基板と同一厚さに選ぶと製作上有利である。このシリンダーブロック側基板2は、燃焼室孔側に隣接する領域部分21と外周に隣接する領域部分22と、これら2つの領域部分を橋絡接続するブリッジ部分23とから成っている。これらのブリッジ部分23は燃焼孔5の直径方向に対抗して延在するように配置すると有利である。図1ではブリッジ部分23は1つの燃焼孔当り2つのブリッジ部分を配置した場合について図示されているが、縦列配置された両端の燃焼孔に対して丁度図示されたブリッジ部分から90度ずれた位置にもブリッジ部分を設けると強度的に有利である。このブリッジ部分は気筒当り少くとも1個所あればよい。1個の場合1番目の気筒に対するブリッジ部分は横方向に右側に配置し、2番目の気筒に対するブリッジ部分は左側に配置し、3番目の気筒に対するブリッジ部分を右側に配置するというように交互に位置をずらして配置するのが望ましい。
【0025】
副板3はシリンダーヘッド側基板1とシリンダーブロック側基板2との間に介挿される一枚板から成る軟質又は硬質の金属板であり、副板の硬度は、シリンダーヘッド側基板1、シリンダーブロック側基板2の硬度と同等以下に選定されている。また副板3の厚さは、シリンダーヘッド側基板1及びシリンダーブロック側基板2より薄厚に選定されている。このように選定することにより、エンジンの締付け歪による開きに応じた厚み調整を容易に行うことができる。
【0026】
副板3には、シリンダーブロック側基板に設けられたブリッジ部分23と同一方向に張出し、かつ燃焼室孔5の周縁からウォータージャケット14の上方に位置する耳状張出部31が設けられている。この耳状突出部31の数はブリッジ部分23の数と同数設ける必要はなく、シリンダーヘッド側基板1とシリンダーブロック側基板3との間に副板2又は副板2とスペーサ板とを挟んで重ね合わせた後、かしめ結合を安定に行えるだけの数を有していれば十分である。
【0027】
耳状張出部のかしめ長L11はかしめ幅L10の半分程度に選定すれば安定に固定できる。したがって金属ガスケットを安価にかつコンパクトに製造できる。
【0028】
次に図3及び図4を参照して、シール材の塗布されている態様について説明する。シール材は、ニトリル又は弗素系ゴムからなる。
【0029】
シリンダーヘッド側基板1には、シリンダーヘッド8に向いた側にのみシール材9が塗布されている。シリンダーブロック側基板2には、シリンダーブロック10に向いた面と、副板3の側に向いた面との両面にそれぞれシール材11,12が塗布されていて、少なくともシリンダーブロック側基板2のシリンダーヘッド10のウォータージャケット14に対面するブリッジ部分23の領域においてシール材は除去されている。有利には、ウォータージャケット14の端縁から0〜2mm、有利には0〜1mmの距離L1だけジャケット14の開口縁より外側にわたってシール材が除去されている。
【0030】
副板3にはシリンダーヘッド側基板1に向いた面にのみ、シール材又はシール材として兼用できる接着材が塗布されている。シリンダーヘッド側基板1のウォータージャケット側に向いた面にはシール材が塗布されていないので、ここでシール材が剥離することが全く生じない。したがって、シール材と接着材がウォータージャケット14からの冷却水により剥離して循環することによるエンジントラブルを回避することができる。
【0031】
上記構成の金属ガスケットにより、シリンダーヘッド8とシリンダーヘッド側基板1との間にはシール材9が存在し、シリンダーヘッド側基板1と副板3との間にはシール材又はシール材を兼ねる接着材13が介在し、副板3とシリンダーブロック側基板2との間にはシール材12が介在し、シリンダーブロック側基板2とシリンダーブロック10との間にシール材11が存在しているので、各金属板間のシールを確実に行えると共に、シリンダーヘッド8とシリンダーブロック10との間で金属ガスケットの密着度を向上させることができる。
【0032】
図5に示す本発明の第2実施例の金属ガスケットにおいて、図1〜4に示す第1実施例と異なる点は、スペーサ板15がシリンダーヘッド側基板1と副板3との間に介挿されていること及びシリンダーヘッド側基板の両面にシール材が塗布されている点である。スペーサ板15により、金属ガスケット全体の厚みを任意に調整することができる。したがってスペーサ板15の厚さを、シリンダーヘッド側基板1及びシリンダーブロック側基板2より薄くすることも厚くすることもあり、同一近辺の厚みとすることにより、抜き型一部共用等、製作上便利である。
【0033】
この実施例において、シリンダーヘッド8とシリンダーヘッド側基板1との間にシール材9が存在し、シリンダーヘッド側基板1とスペーサ板15との間にシール材16が介在し、スペーサ板15と副板3との間にシール材又はシール材を兼ねる接着材が介在し、副板3とシリンダーブロック側基板2との間にシール材12が介在し、シリンダーブロック側基板2とシリンダーブロック10との間にシール材11が存在しており、各金属板間のシールを確実に行えると共に、金属ガスケットの厚さ調整ができ、金属ガスケットと、シリンダーヘッド8とシリンダーブロック10との間で金属ガスケットの密着度を向上させることができる。
【0034】
図6、図7及び図8に示す本発明の金属ガスケットの第3実施例において、副板3は燃焼室孔周縁から所定幅を有し、その厚みがシリンダーヘッド側基板1及びシリンダーブロック側基板3と同等以上の厚さの内側板3aと、その外側に配設されガスケット外周からウォータージャケットを跨ぎウォータージャケット内周端部に少なくとも重なって延在し、且つ内側板に比して肉薄の外側板3bとから成っている。金属ガスケットの厚み指示が厚い場合、内側副板3aが相当の厚みとなるため、厚み調整分を加味した肉薄の外側板3bを用いている。
【0035】
シリンダーヘッド側基板1は、両面にシール材9及び16が塗布されており、シリンダーブロック側基板2は、ブリッジ部分のシリンダーブロック側を除いて両面にシール材11及び12が塗布されている。なお副板は、内側板3a及び外側板3bの両面にはシール材が塗布されていない。シリンダーブロック側基板2のブリッジ部分はシール材が塗布されておらず、その奥に位置する副板3の内側板3a及び外側板3bにもシール材が塗布されていない。したがって、副板の外側板3bにウォータージャケットを通過する冷却水があたるので、副板の内側板3aと外側板3bの端部同士の隙間がウォータージャケット14内に露出しないようにしなければならない。さもなければ、シリンダーヘッド側基板1のシール材塗布層16に、副板の内側板3aと外側板3bとの隙間から冷却水が直接当たり、シール材塗布層16の剥離が発生してしまう。
【0036】
このため、本発明ではこの対策として、副板3の外側板3bをウォータージャケットを跨いでウォータージャケットの内周端部に少なくとも重なって延在させ、副板3の内側板3aと外側板3b同士の隙間がウォータージャケット内周端部より内側となるようにしている。
【0037】
副板3の内側板3aと外側板3bとの結合をエンジンのガスケット面以外のウォータージャケット内で行うためには、シリンダーブロック側基板2のブリッジ部分23内において結合する必要がある。なぜなら、かしめることにより、片側に出っ張りが生じるからである。それ故、シリンダーブロック側基板2のブリッジ23の上方に位置する副板3の外側板3bに、ブリッジ部23のブリッジ幅L20より幅が狭く(L21)且つウォータージャケット幅のほぼ中央に達する切欠き部が設けられている。
【0038】
副板3の内側板3aはシリンダーブロック側基板2のブリッジ部23の上部に位置する耳状張出部31の幅を、外側板3bの切欠き部の幅L21より狭幅とし、耳状張出部31の張出長は外側板3bの切欠き部の深さ以下となるように選ばれている。
【0039】
外側板3bの切欠き部の底部と内側板3aの耳状張出部頂部の対向間隔は、0〜0.5mm以下に選定すると有利である。なお、内側板3aの耳状張出部31と外側板3bの切欠き部の底部との対向部分以外は、L22及びL23で示すように、内側板3aと外側板3bとは製造時に重なる不都合を避けるため、0.2mm以上の間隔が生ずるように選定するのが有利である。
【0040】
副板3の内側板3aの耳状張出部31と外側板3bの切欠き部底部とを突き合わせて、突き合わせ部を中心として、シリンダーブロック側基板2と副板3の内側板3a及び外側板3bとシリンダーヘッド側基板1とが、かしめにより結合される。このようにして、金属ガスケットを一体化して安定に保つことができ、しかもシリンダーブロック側基板2のウォータージャケット側の面および内側板3a及び外側板3bにシール材が塗布されておらず、内側板3aと外側板3bとの隙間がウォータージャケットに露出しないように配置されているので、冷却水によりシール材が剥がれるということがない。
【0041】
【発明の効果】
上述のように本発明の金属ガスケットは、重ね合わされた各金属板間のシール効果を改善できると共に冷却水によるシール材の剥離によって生ずるエンジントラブルを回避できる。
【0042】
さらにシリンダーブロック側基板のブリッジ部に副板の耳状張出部を位置させかしめにより各金属板を安定に固定でき、機械的に安定した金属ガスケットを容易で安価に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属ガスケットの第1実施例の分解斜視図である。
【図2】図1に示す金属ガスケットを矢印zの方向からみた一部切欠斜視拡大図である。
【図3】図1に示す金属ガスケットをA−A線で切断して示す拡大断面図である。
【図4】図1に示す金属ガスケットをB−B線で切断して示す拡大断面図である。
【図5】本発明の金属ガスケットの第2実施例の図4に対応する拡大斜視図である。
【図6】本発明の金属ガスケットの第3実施例の図2の実施例に対応して示す一部切欠斜視拡大図である。
【図7】図6の金属ガスケットの図3に対応して示すA−A線で切断した拡大断面図である。
【図8】図6の金属ガスケットの図4に対応して示すB−B線で切断した拡大断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダーヘッド側基板
2 シリンダーブロック側基板
3 副板
3a 副板の内側板
3b 副板の外側板
4 オイル孔
5 燃焼孔
6 冷却水孔
7 ボルト孔
8 シリンダーヘッド
9 シール材
10 シリンダーブロック
11,12,13 シール材
14 ウォータージャケット
15 スペーサ板
16 シール材
21 燃焼室に隣接する領域部分
22 外周に隣接する領域部分
23 ブリッジ部分
31 耳状張出部分

Claims (3)

  1. シリンダーヘッドとシリンダーブロックとの合わせ面に介挿される、重ね合わされた複数の金属板を積層した金属ガスケットであって、
    前記金属ガスケットは、シリンダーヘッド側基板と副板とシリンダーブロック側基板との重ね合わせ体から成り、
    前記シリンダーヘッド側基板は、燃焼室孔の周縁からシリンダーヘッド外周に至るまでの一体に形成された弾性金属板から成り、該シリンダーヘッド側基板は両面にシール材が塗布されており、
    前記シリンダーブロック側基板は、燃焼室孔に隣接する領域部分と外周に隣接する領域部分との間を気筒当り少なくとも1つのブリッジ部分にて連結された弾性金属板から成り、該シリンダーブロック側基板は前記ブリッジ部分のシリンダーブロック側領域を除いて両面にシール材が塗布されており、かつ
    前記副板は、燃焼室孔周縁から所定の幅を有する内側板と、その外側に配設された外側板とから成り、該外側板は、ガスケット外周からウォータージャケットを跨ぎ、ウォータージャケットの内周端部に少なくとも重なって延在し、且つ前記内側板に比して薄厚であり、
    前記シリンダーブロック基板のブリッジ部上方に位置する前記外側板に、前記シリンダーブロック側基板のブリッジ幅より狭幅であり、且つウォータージャケット幅のほぼ中央に達する切欠き部が設けられており、
    前記内側板は外周に、前記切欠き部幅より狭幅の耳状張出部を有し、前記耳状張出部と前記切欠き部の深さはほぼ等しく、前記外側板の切欠き部の底部と内側板の耳状張出部の頂部との対向部分を跨ってシリンダーブロック側基板及びシリンダーヘッド側基板と副板とをかしめにより結合したことを特徴とする、金属ガスケット。
  2. 前記副板の内側板の耳状張出部の頂部と外側板の切欠き底部との対向部分の間隙を0〜0.5mm以下として、その他の内側板と外側板との間隙を0.2mm以上としたことを特徴とする、請求項1記載の金属ガスケット。
  3. 前記副板の内側板の厚さがシリンダーブロック側基板及びシリンダーヘッド側基板と同等以上の厚さであることを特徴とする、請求項1又は2記載の金属ガスケット。
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