JP2004251370A - 金属ガスケット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリンダーヘッド側基板と内側基板と副板と外側基板とからなり、前記シリンダーヘッド側基板は両面にシール材が塗布された一体基板であり、副板は両面シール材未塗装でウォータージャケット横断副板であり、シリンダーブロック側ウォータージャケット内の冷却水がシリンダーブロック側基板面及びシリンダージャケット側基板面のシール材に直接当たらない構成とした金属ガスケットを提供する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のシリンダブロックとシリンダヘッドとの合わせ面に介挿する金属ガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
図15は、従来の金属ガスケットを装着した内燃機関の冷却水口部分を示す断面図である([特許文献1]参照)。同図の21はシリンダヘッド、22はそのシリンダヘッド1に設けた冷却水口、23はシリンダ、24はそのシリンダ23に設けた冷却水口、25はシリンダヘッド21と直接接合する金属ガスケットの主板、27はシリンダ23と直接接合する金属ガスケットの主板、29はこれらの主板25,27間に介挿される金属ガスケットの副板であり、30はこれら主板25,27及び副板29を重合した金属ガスケットに設けた冷却水口である。
【0003】
図15に示されているように、通常シリンダヘッド21の冷却水口22およびシリンダ23の冷却水口24より小さい開口面積になっており、この部分で、冷却水または潤滑油の流量が適切に制御される。
【0004】
しかしながら、図15に示される従来技術に係る金属ガスケットは、主板25の上面の冷却水口30の外周縁部26が冷却水口22内に露出しており、また主板27の下面の冷却水口30の外周縁部28も冷却水口24内に露出している。それ故、エンジンを長期間にわたり使用すると、前記の露出部分において、接合面のシール性能を高めるために設けられたシール材が剥がれてしまう。その結果、剥がれたシール材が冷却水に混入しサーモスタットやラジエータ等に付着し、エンジントラブルを惹起する原因となる等の問題が生じる。
【0005】
かかる問題を解決するため、前記[特許文献1]においては、前記冷却水口を包含する帯域の前記コーティング層を剥離した金属ガスケット及びその製造方法についての提案がなされており、シリンダヘッド側の主板およびシリンダ側の主板が従来例のように冷却水口に露出しなくなることから、確かに、一定の効果が奏される。
【0006】
【特許文献1】
特開昭64−73156号公報(第7図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる先行技術に記載された金属ガスケットであっても、一定帯域についてコーティング層を完全に剥離することは困難であり、わずかな残層があるために前記指摘したエンジントラブルの原因となることも充分予測できる。また、この先行技術では、コーティング層を剥離する方法として、冷却水口を包含する帯域以外の部分をマスクプレートにより被覆し、超高圧水を噴射する方法を採用しているため、マスクプレートの作成や超高圧水噴射装置についての時間的、費用的コストが甚大であるといった問題点があった。
【0008】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたもので、シリンダヘッドとシリンダブロックの合わせ面に介挿した金属ガスケットであって、シール材の剥がれを防止すべく、シリンダーブロック側ウォータージャケット内の冷却水がシリンダーブロック側基板面及びシリンダーヘッド側基板面のシール材に直接当たらないようにした金属ガスケットを低廉な作業コストで提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、シリンダーヘッドとオープンデッキのシリンダーブロックとに狭持され重合される複数の金属基板と、当該金属基板の燃焼室孔周りに当該燃焼室孔の周縁から所定の幅を有する副板とを積層した金属ガスケットであって、前記金属ガスケットは、シリンダーヘッド側基板と内側基板と副板と外側基板とからなり、前記シリンダーヘッド側基板は、両面にシール材が塗布された弾性金属板で、燃焼室孔周縁からシリンダヘッド外周に至るまでの幅を有する一体基板であり、前記内側基板は、両面にシール材が塗布された弾性金属板で、燃焼室孔周縁からウォータージャケット内側端部近傍に至る形状を有するシリンダーブロック側の基板であり、前記副板は、両面未塗装で且つ基板と同等以下の硬度の金属板で、燃焼室孔周縁からウォータージャケット外側端部付近に至る形状を有するウォータージャケット横断副板であり、前記外側基板は、両面にシール材が塗布された弾性金属板で、前記シリンダーヘッド側基板の外周と同じ外周形状を有し、内周は前記副板の外寸に所定間隔を有する形状であるシリンダーブロック側ウォータージャケット外側基板としたことを特徴とする金属ガスケットを提案するものである。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記外側基板は、前記内側基板よりも薄厚であることを特徴とする請求項1記載の金属ガスケットを提案するものである。
【0011】
請求項3記載の発明は、前記外側基板は、前記内側基板と同一材であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項記載の金属ガスケットを提案するものである。
【0012】
請求項4記載の発明は、前記内側基板の外周縁寸法は、ウォータージャケット内側端部に対し、同一乃至約1mmの範囲内で短いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の金属ガスケットを提案するものである。
【0013】
請求項5記載の発明は、前記副板の外周縁寸法は、ウォータージャケット外側端部に対し、同一乃至約1mmの範囲内で長いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の金属ガスケットを提案するものである。
【0014】
請求項6記載の発明は、前記外側基板の内周縁と前記副板の外周縁との間隔は、所定の隙間を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の金属ガスケットを提案するものである。
【0015】
請求項7記載の発明は、前記外側基板は、前記シリンダーヘッド側基板と重合してガスケット外周にて固定され、前記内側基板は、内側基板外周の所定箇所にウォータージャケット内に延在する爪部を有し、当該爪部はシリンダーブロック側片面のシール材を除去したものであり、前記内側基板と前記副板及び前記シリンダーヘッド側基板とを重合し、前記内側基板の爪部位置を同時カシメ結合を行うことにより固定したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の金属ガスケットを提案するものである。
【0016】
請求項8記載の発明は、前記副板の燃焼室側と前記内側基板とは接着手段により接合し、当該接着手段によりシール材を兼用したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の金属ガスケットを提案するものである。
【0017】
請求項9記載の発明は、前記副板には、前記内側基板爪部位置に相応する位置に、前記内側基板の燃焼室シールビード外周とウォータージャケット内側端部との間に収まる範囲で前記爪部を差込むための長孔が設けられ、当該長孔に前記内側基板の爪部を差込み、平坦に成型後、前記シリンダーヘッド側基板と重合し前記爪部と前記副板とを同時カシめ結合を行うことにより固定したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の金属ガスケットを提案するものである。
【0018】
請求項10記載の発明は、前記副板長孔に内側基板爪部を差し込み後、平坦成型後の弾性復元による微小面荷重を避けるため、シリンダーヘッド側基板の内側基板爪部差込部に相当する位置に、回避用逃げ孔を設けたことを特徴とする請求項9記載の金属ガスケットを提案するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
(第一の実施例)
以下、本発明に係る第一の実施例について、図1乃至4を用いて説明する。図1は、本発明に係る金属ガスケットの分解斜視図である。図2は、図1のA−A線位置に相当する重合された状態での金属ガスケットの断面図である。この実施例は、複数の燃焼室5が連続的に形成されたオープンデッキ型の各燃焼室5の内周にシリンダスリーブ12を設けたシリンダブロック13とシリンダヘッド14の合わせ面に本発明による金属ガスケットを介挿した例を示すものである。
【0021】
図1において、この金属ガスケットは、硬質の弾性金属板によって形成したシリンダーヘッド側基板1、内側基板2及び外側基板4を有し、シリンダヘッド基板1と内側基板2との間に副板3を配している。各基板には必要に応じて、燃焼室孔5,オイル孔6,冷却水孔7,ボルト孔8等が形成されており、該シリンダーヘッド側基板1と該外側基板4とは、接合部分Xにおいて接合される。
【0022】
シリンダーヘッド側基板1は、内周は燃焼室孔5に相当する部分に中空を有し、外周はシリンダーヘッドに対応するように略長方形状を有する、一体的に形成された基板である。シリンダーヘッド側基板1(内側基板2,外側基板4も同様)の材質はハードなステンレス鋼板であり、その厚みは、0.2mmであるのが望ましい。
【0023】
内側基板2は、内周は燃焼室孔5に相当する部分に中空を有し、外周はウォータージャケット内側端部からL1の距離を有する。このL1の距離としては、0mm即ちウォータージャケット内側端部丁度までの長さ乃至1mm程度の範囲内で短いことが望ましい。
【0024】
副板3は、締め付け時の隙間を埋めるための部材で、本実施例では、内周は燃焼室孔5に相当する部分に中空を有し、外周はウォータージャケット外側端部からL2の距離を有する。このL2の距離としては、0mm即ちウォータージャケット外側端部丁度までの長さ乃至は1mm程度の範囲内で長いことが望ましい。なお、副板3の硬度は、シリンダーヘッド側基板1、外側基板4と同等以下であるのが望ましい。
【0025】
外側基板4は、内周は前述した副板3の外周よりL3の距離の幅を有し、外周は前記シリンダーヘッド側基板1の外周に対応する形状を有する。このL3の距離としては、外側基板4と副板3とが干渉しないよう少なくとも0.3mm程度が望ましい。L1,L2,L3は均一である必要はなく、部分的に変化させることも可能である。例えば、締め付けボルト近傍ではL2を0mm、L3を0.3mmとし、他の領域ではL2を0.5mm、L3を0.8mmとして、これによりボルト周りの面の拡大が図られる。
【0026】
図2において示されているように、シリンダーヘッド側基板1、内側基板2及び外側基板4は、その両面にシール材11が塗布されている。これは、金属ガスケットのシール性能を向上させるために塗布されるものであり、通常はゴム被膜が施される。シール材11の厚みは25μ程度が望ましい。副板2は両面ともシール材は塗布されていない。
【0027】
シリンダーヘッド側基板1,副板3,内側基板2,そして外側基板4を上述したように構成することで、シリンダーブロック側ウォータージャケット内の冷却水がシリンダーヘッド側基板1の下面シール材、内側基板2の下面のシール材及び外側基板4の下面のシール材に直接当たらず、冷却水の流通圧力によってシール材が剥がれてしまうという問題が解消される。
【0028】
また、副板3は外側基板4よりも薄厚であることが望ましい。さらに、外側基板4を内側基板2よりも薄厚にすることで、その差分だけ副板3を厚くすることが出来るため、ガスケットの強度を向上させることが可能となる。なお、外側基板4と内側基板2とを同一材を用いた同等厚さとした場合には、基板作製コストの低廉化が図られる。
【0029】
次に、本発明に係る金属ガスケットの重合の仕方について説明する。
【0030】
図3において、外側基板4はシリンダーヘッド側基板1と重合してガスケット外周にて固定される。固定方法としては、重合した基板同士をカシめるか、リベットでカシめる。内側基板2は、その外周にウォータージャケット内に延在する爪部(Y)を有する。かかる爪部(Y)は、シリンダーブロック側の片面のシール材を、公知技術で用いられる方法により除去したものとする。このような構成により、ウォータージャケット範囲にはみ出した当該爪部(Y)のシール材が剥離することもなく、また、このように爪部(Y)についてのみ片面シール材を除去したので、先行技術に記載されたような全面除去に比し、工程数が削減され、作業コストが大幅に低廉化する。
【0031】
しかる後、シリンダーヘッド側基板1と副板3と内側基板2とを重合させ、内側基板の爪部(Y)を同時にカシめる。そのカシめた状態を示すのが図4であり、これは図3のB−B線の断面拡大図である。図4のL10で示されているのが、爪部(Y)のカシメ幅である。
【0032】
また、本実施例の変形例を図5乃至図7に示す。これは、シリンダーヘッド側基板1の下面をシール材をコーティングせず、更に、副板3の形状を内側基板2と同形状としている。図5及び図7において、内側基板爪部(J)は片面がシール材未塗装であるため、冷却水が直接シール材に触れることなく、シール材剥がれが解消される。副板3には、前記爪部と同形状の爪受け部(J’)が設けられている。
【0033】
なお、内側基板2と副板3との間の接合の仕方として、内側基板2の上面にシール材を塗布せず、接着剤を用いることで該シール材と同様の効果を兼用させることも可能である。
【0034】
(第二の実施例)
次に、第二の実施例について、図8乃至図9を用いて説明する。図8は、本発明に係る金属ガスケットの重合部分のシリンダブロック側よりの分解斜視図である。図9はその重合部分の断面図である。本実施例では、外側基板4の固定は前記第一の実施例と同様に外周(X)にて行うが、内側基板の重合の仕方として、内側基板2の爪部(Y)を差し込むための長孔(U)を副板3に設けて、内側基板2と副板3との重合性を高めるとともに、内側基板の爪部(Y)を副板3がカバーすることになるため、当該爪部(Y)がウォータージャケット内に露出することがなくなり、その結果シール材の剥がれによる様々な問題が生じるのを回避することが可能となる。当該長孔(U)の位置は、冷却水が漏れることのないよう、内側基板2の燃焼室シールビード外周(W)とウォータージャケット内側端部(V)との間に収まる範囲とする。図8に示すように、爪部(Y)の付け根部分は、燃焼室シールビード側に入りくんだ形状を有することが望ましい。こうすることで、長孔(U)端部と内側基板との干渉が避けられ、荷重による基板損傷を回避することが可能となる。
【0035】
また、爪部(Y)を副板長孔(U)に差し込み、結合したときに、内側基板面2と副板面3とが平坦になるように爪部付け根部分に副板3の厚さに相当する段差(T)を凸状に絞って設けるのが望ましい(図8ではシリンダブロック側からの斜視図であるため、図9に対して凹凸が反転している)。この段差(T)により、内側基板2と副板3との平坦性が良好に保持されることになる。かかる段差(T)の凸部分の外周(R)は、ウォータージャケット外側端部と干渉が生じないように、隙間(L4)を有している。図8中のL12で示されるのは、当該段差の凸部分の幅であり、爪部(Y)とカシメ結合が成立する任意の長さを有する。
【0036】
さらに、副板長孔(U)に内側基板爪部(Y)を差込んだ後、平坦に成型する際の弾性復元による微小面荷重が発生するが、これを回避するために、シリンダーヘッド側基板1の内側基板爪差込部に相当する位置に、回避用逃げ孔(Q)を設けている(図11参照)。
【0037】
なお、爪部(Y)を副板長孔(U)に差し込む場合に、既に内側基板にビードが成型してあると当該差込作業が困難であるため、ビード成型前に差込作業を行うのが望ましい。このような作業手順とすることで、ビード変形が発生する危険性も少なくすることが出来る。
【0038】
次に、本実施例の変形例について、図10乃至図13を参照して説明する。この変形例では、ヘッド側基板1は片面のみシール材が塗布されていて、副板3と内側基板2とは同じ形状を有している。副板3には、内側基板の爪部(Y’)を覆うように爪重ね部(S)が延在している。爪部(Y’)の長さ(L11)は、カシメ幅(L10)の略半分としている。該爪重ね部(S)の外周(R’)は、ウォータージャケット外側端部に干渉することがないよう、隙間(L4’)を設けている。図11のL12’は、カシメ結合が成立するような範囲での任意の幅を示している。
【0039】
また、図14に示すように、シリンダーヘッド側基板1と副板3との間にスペーサー(P)を介挿することにより、ガスケット全体の厚さを任意に調整することも可能となる。この場合は、副板3のスペーサー(P)側にシール材を塗布する。
【0040】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、従来にない格別の効果が奏される。すなわち、冷却水が基板に塗布されたシール材に直接当たらない構成となっているため、全面にシール材を塗布した金属ガスケットに比較して、シール材が剥がれてエンジンに混入してしまう恐れが完全になくなる。また、そうした金属ガスケットを従来の物に比較し、作業的、金銭的コストを大幅に低減することが可能となる上で優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例にかかる金属ガスケットの分解斜視図である。
【図2】図1の金属ガスケットのA−A線における断面拡大図である。
【図3】本発明の第一の実施例にかかる金属ガスケットであって爪部を有するものである。
【図4】図3の金属ガスケットのB−B線における断面拡大図である。
【図5】本発明の第一の実施例の変形例にかかる金属ガスケットを示すもので、外側基板の方向から見た重合部分斜視図である。
【図6】図5で示した金属ガスケットのA−A線における断面拡大図である。
【図7】図5で示した金属ガスケットのB−B線における断面拡大図である。
【図8】本発明の第二の実施例にかかる金属ガスケットを示すもので、外側基板の方向から見た重合部分斜視図である。
【図9】図8で示した金属ガスケットのB−B線における断面拡大図である。
【図10】本発明の第二の実施例の変形例かかる金属ガスケットであって爪重ね部を有するものである。
【図11】本発明の第二の実施例の変形例かかる金属ガスケットを示すもので、外側基板の方向から見た重合斜視図である。
【図12】図11で示した金属ガスケットのA−A線における拡大断面図である。
【図13】図11で示した金属ガスケットのB−B線における拡大断面図である。
【図14】本発明の第二実施例の他の変形例を示す金属ガスケットのA−A線における拡大断面図である。
【図15】従来技術に係る金属ガスケットの例である。
【符号の説明】
1 シリンダーヘッド側基板
2 内側基板
3 副板
4 外側基板
5 燃焼室孔
6 オイル孔
7 冷却水孔
8 ボルト孔
11 シール材
12 シリンダースリーブ
13 シリンダーブロック
14 シリンダーヘッド
Claims (10)
- シリンダーヘッドとオープンデッキのシリンダーブロックとに狭持され重合される複数の金属基板と、当該金属基板の燃焼室孔周りに当該燃焼室孔の周縁から所定の幅を有する副板とを積層した金属ガスケットであって、
前記金属ガスケットは、シリンダーヘッド側基板と内側基板と副板と外側基板とからなり、
前記シリンダーヘッド側基板は、両面にシール材が塗布された弾性金属板で、燃焼室孔周縁からシリンダヘッド外周に至るまでの幅を有する一体基板であり、
前記内側基板は、両面にシール材が塗布された弾性金属板で、燃焼室孔周縁からウォータージャケット内側端部近傍に至る形状を有するシリンダーブロック側の基板であり、
前記副板は、両面未塗装で且つ基板と同等以下の硬度の金属板で、燃焼室孔周縁からウォータージャケット外側端部付近に至る形状を有するウォータージャケット横断副板であり、
前記外側基板は、両面にシール材が塗布された弾性金属板で、前記シリンダーヘッド側基板の外周と同じ外周形状を有し、内周は前記副板の外寸に所定間隔を有する形状であるシリンダーブロック側ウォータージャケット外側基板であることを特徴とした金属ガスケット。 - 前記外側基板は、前記内側基板よりも薄厚であることを特徴とする請求項1記載の金属ガスケット。
- 前記外側基板は、前記内側基板と同一材であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項記載の金属ガスケット。
- 前記内側基板の外周縁寸法は、ウォータージャケット内側端部に対し、同一乃至約1mmの範囲内で短いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の金属ガスケット。
- 前記副板の外周縁寸法は、ウォータージャケット外側端部に対し、同一乃至約1mmの範囲内で長いことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の金属ガスケット。
- 前記外側基板の内周縁と前記副板の外周縁との間隔は、所定の隙間を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の金属ガスケット。
- 前記外側基板は、前記シリンダーヘッド側基板と重合してガスケット外周にて固定され、
前記内側基板は、内側基板外周の所定箇所にウォータージャケット内に延在する爪部を有し、当該爪部はシリンダーブロック側片面のシール材を除去したものであり、
前記内側基板と前記副板及び前記シリンダーヘッド側基板とを重合し、前記内側基板の爪部位置を同時カシメ結合を行うことにより固定したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の金属ガスケット。 - 前記副板の燃焼室側と前記内側基板とは接着手段により接合し、当該接着手段によりシール材を兼用したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の金属ガスケット。
- 前記副板には、前記内側基板爪部位置に相応する位置に、前記内側基板の燃焼室シールビード外周とウォータージャケット内側端部との間に収まる範囲で前記爪部を差込むための長孔が設けられ、
当該長孔に前記内側基板の爪部を差込み、平坦に成型後、前記シリンダーヘッド側基板と重合し前記爪部と前記副板とを同時カシめ結合を行うことにより固定したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の金属ガスケット。 - 前記副板長孔に内側基板爪部を差し込み後、平坦成型後の弾性復元による微小面荷重を避けるため、シリンダーヘッド側基板の内側基板爪部差込部に相当する位置に、回避用逃げ孔を設けたことを特徴とする請求項9記載の金属ガスケット。
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Cited By (2)
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JP2008163921A (ja) * | 2007-01-04 | 2008-07-17 | Toyota Motor Corp | 内燃機関のシール構造およびガスケット |
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