JP4826935B2 - 金属ガスケット - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属ガスケットに関し、より詳しくは2枚のガスケット基板を用い、それぞれのガスケット基板に段差ストッパーとボアビードとを設けた金属ガスケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、第1の金属ガスケットとして、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されるガスケット基板に、シリンダボアに合わせて燃焼室孔を穿設し、また該ガスケット基板に、円周方向に連続して上記燃焼室孔を囲む断面コ字形の段差ストッパーを形成するとともに、該段差ストッパーの外周側に円周方向に連続して該段差ストッパーを囲むボアビードを形成したものが知られている(特開昭61−255253号公報)。
また、第2の金属ガスケットとして、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されるガスケット基板に、シリンダボアに合わせて燃焼室孔を穿設するとともに、円周方向に連続して上記燃焼室孔を囲むボアビードを形成し、さらに上記ボアビードの内周側に円周方向に連続する金属製のシムを溶接した金属ガスケットも知られている。
さらに、第3の金属ガスケットとして、上記シムを有する金属ガスケットのガスケット基板に、さらに別のガスケット基板を重合させ、双方のガスケット基板に設けたボアビードを相互に重合させた金属ガスケットも知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、シリンダブロックやシリンダヘッドにはアルミが使用されるようになってきているため、シリンダブロックとシリンダヘッドをボルトによって締付ける際、当該ボルトの締付軸力を大きくしてシール性を向上させようとしても、アルミ自体の硬度が低いために、締付軸力を大きくするとシリンダブロックとシリンダヘッドに座屈が生じるという問題がある。
しかも、アルミは熱による膨張や収縮による寸法の変化が大きいので、上述したような金属ガスケットでは十分にエンジンのシールをすることができなくなっている。
すなわち、ガスケット基板に使用される材料は、一般的にある程度の硬度が必要とされているため、上述した第1の金属ガスケットにおいては、その材料から成形することができる段差ストッパーの高さには限界がある。その結果、当該段差ストッパーの高さを上記相対変位に見合うだけの高さに成形することは困難であり、十分な面圧を得られない金属ガスケットでは、十分なシール性を得ることができなかった。
一方、シムを用いる上述した第2の金属ガスケットでは、シム自体に厚さをつけるのは容易であるので、相対変位に見合うだけの高さを持つシムをガスケット基板に設けることができるが、シムは弾力性に乏しく、シリンダブロックとシリンダヘッドの変形に対する追従性が低くなることから、この金属ガスケットもシール性の悪いものとなっている。
また、上記シムを有するガスケット基板に、さらにガスケット基板を重合させ、双方のガスケット基板に設けたボアビードを重合させた第3の金属ガスケットでは、2つのボアビードが重合するためにボアビード部での追従性は向上するが、シム部での追従性は向上していないため、シム部でのシール性は依然として低く、今日のエンジンでは対応しきれなくなっている。
さらに、上記シムを用いる第2、第3の金属ガスケットでは、金属ガスケットの製造過程においてシムとガスケット基板を溶接する必要があるので、コストが高くなるという問題も有している。
以上のような問題に鑑み、本発明はシリンダブロックとシリンダヘッドの相対変位に対して優れた追従性をもち、シリンダボア周辺で変化する面圧を均一化することができる、シール性に優れた金属ガスケットを提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、請求項1の発明にかかる金属ガスケットは、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持される第1ガスケット基板と第2ガスケット基板とを備え、各ガスケット基板のそれぞれにシリンダボアに合わせて燃焼室孔を穿設し、上記第1ガスケット基板に、円周方向に連続して上記燃焼室孔を囲む断面コ字形の第1段差ストッパーを形成するとともに、該段差ストッパーの外周側に円周方向に連続して該第1段差ストッパーを囲む第1ボアビードを形成し、また上記第2ガスケット基板に、上記第1段差ストッパーと重合する位置に円周方向に連続する断面コ字形の第2段差ストッパーを形成するとともに、上記第1ボアビードと重合する位置に円周方向に連続する第2ボアビードを形成し、
上記第1段差ストッパーは、燃焼室孔側となる第1内周壁面と、外側となる第1外周壁面と、両壁面を連結する第1天面とから断面コ字形に形成されており、また上記第2段差ストッパーは、燃焼室孔側となる第2内周壁面と、外側となる第2外周壁面と、両壁面を連結する第2天面とから断面コ字形に形成されており、
上記第1内周壁面と第1ガスケット基板の平坦部とでなす第1内周壁面角度と、第1外周壁面と第1ガスケット基板の平坦部とでなす第1外周壁面角度と、上記第2内周壁面と第2ガスケット基板の平坦部とでなす第2内周壁面角度と、第2外周壁面と第2ガスケット基板の平坦部とでなす第2外周壁面角度との少なくともいずれかの角度は、上記燃焼室孔に沿って変化していることを特徴とするものである。
【0005】
上記の構成による金属ガスケットによれば、第1段差ストッパーと第2段差ストッパーとが重合しているため、2つの段差ストッパーによる高さの合計から、従来に比べて十分に高い段差ストッパーを得られることとなり、したがってシリンダボアの全周にかけて十分な面圧を得ることができる。
さらに段差ストッパーの弾性力とボアビードの弾性力とから、シリンダブロックとシリンダヘッドの変形に対する追従性の向上を図ることも可能である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下図示実施例について本発明を説明すると、図1および図2において、金属ガスケット1は第1ガスケット基板11と第2ガスケット基板21とを備えており、第1ガスケット基板11は第2ガスケット基板21の上に重合された状態で、図示しないシリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持されてそれらの間をシールするようになっている。このとき、第1ガスケット基板11が上方側の図示しないシリンダヘッドに当接し、第2ガスケット基板21が下方側の図示しないシリンダブロックに当接するようになっている。
上記各ガスケット基板11,21は、シリンダブロックのシリンダボアに合わせて穿設した複数の燃焼室孔3と、図示しない締結ボルトを挿通するための複数のボルト孔4と、潤滑油を流通させる油孔5および冷却水を流通させるための水孔6とをそれぞれ備えており、それぞれプレス加工によって成形されている。
ここで、図1に示すA−A部およびC−C部はそれぞれ2ヶ所のボルト孔4の中間に位置しているが、特にA−A部は並設された燃焼室孔3の間に位置している。またB−B部はボルト孔4の近傍となっている。
そして、エンジン組み立ての際にシリンダヘッドとシリンダブロックをボルトによって締め付ける際、上記B−B部の金属ガスケット1にはボルトの締付軸力によって最も面圧の加わる箇所であり、逆にA−A部が面圧の最も低い箇所となる。C−C部はA−A部と同様にボルト孔4の中間であるが、A−A部に比べて面圧が高い部分となっている。
【0007】
図2に示す第1ガスケット基板11には、燃焼室孔3を囲繞してその下方側に、すなわち第2ガスケット基板21に向けて突出する円周方向に連続した無端状の第1段差ストッパー12が形成されるとともに、該第1段差ストッパー12の外周側に第1段差ストッパー12を囲む円周方向に連続した無端状の第1ボアビード13が形成されている。この第1ボアビード13は、上記第1段差ストッパー12と同方向に突出している。
上記第1段差ストッパー12は断面コ字形に形成されており、燃焼室孔3側となる第1内周壁面12Aと、燃焼室孔3の反対側に形成された第1外周壁面12Bと、さらに第1内周壁面12Aと第1外周壁面12Bとを連結する第1天面12Cとを備えている。
他方、第2ガスケット基板21には、上記第1段差ストッパー12と重合する位置に、その第1段差ストッパー12に向けて上方に突出する第2段差ストッパー22が設けられている。この第2段差ストッパー22は、上記第1ガスケット基板11と同様に、断面コ字形に形成されており、また第1ボアビード13と重合する位置には上方側に向けて突出する円周方向に連続した無端状の第2ボアビード23が形成されている。
そして上記第2段差ストッパー22も、燃焼室孔3側となる第2内周壁面22Aと、燃焼室孔3の反対側に形成された第2外周壁面22Bと、さらに第2内周壁面22Aと第2外周壁面22Bとを連結する第2天面22Cとを備えている。
【0008】
さらに、第1ガスケット基板11において、上記第1内周壁面12Aの基部と第1外周壁面12Bの基部との距離を第1段差ストッパー12の幅L1とし、第2ガスケット基板21においても、上記第2内周壁面22Aの基部と第2外周壁面22Bの基部との距離を第2段差ストッパー22の幅L2としている。そして本実施例においては、上記幅L1と幅L2とは等しくなるように設定している。
また、第1ボアビード13における2ヶ所の基部の距離を第1ボアビード13の幅l1とし、第2ボアビード23における2ヶ所の基部の距離を第2ボアビード23の幅l2としている。そして本実施例においては、上記幅l1と幅l2とは等しくなるように設定している。
さらに、第1段差ストッパー12の第1天面12Cと第1ガスケット基板11の基部との距離を高さH1、第2段差ストッパー22の天面と第2ガスケット基板21の基部との距離を高さH2としている。また、第1ボアビード13の頂部と第1ガスケット基板11の基部との距離を高さh1、第2ボアビード23の頂部と第2ガスケット基板21の基部との距離を高さh2としている。そして本実施例においては、上記高さH1と高さH2とは等しくなるように、また高さh1と高さh2も等しくなるように設定し、かつ高さh1、h2は高さH1、H2よりも大きくなるように設定している。
また、第1段差ストッパー12の第1内周壁面12Aと、第1ガスケット基板11の平坦部とでなす角度を第1内周壁面角度θ1Aとし、第1段差ストッパー12の第1外周壁面12Bと、第1ガスケット基板11の平坦部とでなす角度を第1外周壁面角度θ1Bとしている。同様に、第2段差ストッパー22の第2内周壁面22Aと、第2ガスケット基板21の平坦部とでなす角度を第2内周壁面角度θ2Aとし、第2段差ストッパー22の第2外周壁面22Bと、第2ガスケット基板21の平坦部とでなす角度を第2外周壁面角度θ2Bとしている。そして本実施例では各角度θ1A、θ1B、θ2A、θ2Bはそれぞれ90度に設定してあり、したがって各段差ストッパー12,22における各壁面12A,12B,22A,22Bはほぼ垂直に成形されている。
【0009】
以上のような構成の金属ガスケット1においては、シリンダヘッドとシリンダブロックとがボルトによって締め付けられる際、例えば第1ガスケット基板11では、第1段差ストッパー11の基部と第1ボアビード13の基部とによって、合計で4本のシール線がシリンダヘッド上にでき、シリンダヘッド側にも第2ガスケット基板21によって同様に4本のシール線ができることになる。
そして、アルミを素材とするエンジンのように、シリンダヘッドとシリンダブロックとで相対変位の大きいエンジンであっても、2つの段差ストッパー11,21を重合させることによって、十分な高さの段差ストッパーを得ることができるので、上記相対変位に対する優れた追従性を得ることができる。
【0010】
図3は図2の金属ガスケット1に対して、第1段差ストッパー12と第2段差ストッパー22を互いに反対側に向かせ、第1ボアビード13と第2ボアビード23も反対側に向かせた構成となっている。
このような構成の金属ガスケット1においては、シリンダヘッドとシリンダブロックとがボルトによって締め付けられた際に、各段差ストッパー12,22の天面12C、22Cと各ボアビード13,23の頂部とがそれぞれシリンダヘッドとシリンダブロックに圧縮されて変形されることになる。
その結果、エンジンをシールするシール面幅を大きくすることができるので、アルミ製のエンジンにこの金属ガスケット1を使用すれば座屈を防ぐことができ、しかもシール面幅の大きいこの金属ガスケット1は、鋳巣が発生しやすいアルミ製エンジンに適している。
【0011】
図4に示す金属ガスケット1は図2に示す金属ガスケット1に対し、第1段差ストッパー12の幅L1を第2段差ストッパー22の幅L2よりも狭く設定した金属ガスケット1となっている。
そして、A−A部での第1段差ストッパー12の幅L1をB−B部での第1段差ストッパー12の幅L1よりも狭く設定し、A−A部とB−B部との間では第1段差ストッパー12の形状を徐々に変化させている。
また、C−C部での第1段差ストッパー12の幅L1を、A−A部とB−B部における第1段差ストッパー12の幅L1の値に対してほぼ中間の値に設定し、C−C部とB−B部との間でも第1段差ストッパー12の形状を徐々に変化させている。
このように、A−A部、C−C部、B−B部の順で第1段差ストッパー12の幅L1を拡大させ、この第1段差ストッパー12の幅L1の変化によって各断面での第1段差ストッパー12の剛性を変化させている。
他方、第2段差ストッパー22の幅L2は、一定に保っている。
【0012】
図4の構成によれば、シリンダヘッドとシリンダブロックとを締め付ける際、最も面圧のかかるB−B部における第1段差ストッパー12の幅L1は最も幅が広くなり、他方、最も面圧の低くなるA−A部における第1段差ストッパー12の幅L1は最も幅が狭くなる。
このように、シリンダヘッドとシリンダブロックとが締め付けられる時に生じる各断面での面圧の変化に対応して、各断面での第1段差ストッパー12の幅を変化させることで、金属ガスケット1にかかる面圧を分散させ、金属ガスケット1にかかる面圧を実質的に均一にすることができる。
なお、上記実施例とは逆に、第1段差ストッパー12の幅L1を一定に保ち、第2段差ストッパー22の幅L2を徐々に変化させてもよいし、或いは第1段差ストッパー12と第2段差ストッパー22の幅L1,L2をそれぞれ変化させてもよい。
【0013】
図5に示す金属ガスケット1は図2に示す金属ガスケット1に対し、第2段差ストッパー22の高さH2を第1段差ストッパー12の高さH1よりも低く設定した金属ガスケット1となっている。
すなわち、A−A部での第1段差ストッパー12の高さH1をB−B部での第1段差ストッパー12の高さH1よりも低く設定し、A−A部とB−B部との間では第1段差ストッパー12の形状を徐々に変化させている。
また、C−C部での第1段差ストッパー12の高さH1を、A−A部とB−B部における第1段差ストッパー12の高さH1の値に対してほぼ中間の値に設定し、C−C部とB−B部との間でも第1段差ストッパー12の形状を徐々に変化させている。
他方、第2段差ストッパー22の高さH2は、一定に保っている。
【0014】
このように、図5に示す実施例では、A−A部、C−C部、B−B部の順で第1段差ストッパー12の高さH1を増大させ、この高さH1の変化によって各断面での第1段差ストッパー12の剛性と弾力性を変化させている。
すなわち、シリンダヘッドとシリンダブロックとを締め付ける際、最も面圧のかかるB−B部における第1段差ストッパー12の高さH1は最も低くなり、他方、最も面圧の低くなるA−A部における第1段差ストッパー12の高さH1は最も高くなる
このように、シリンダヘッドとシリンダブロックとが締め付けられる時に生じる各断面での面圧の変化に対応して、各断面での第1段差ストッパー12の高さを変化させることで、金属ガスケット1にかかる面圧を分散させ、金属ガスケット1にかかる面圧を均一にすることができる。
なお、上記実施例とは逆に、第1段差ストッパー12の高さH1を一定に保ち、第2段差ストッパー22の高さH2を徐々に変化させてもよいし、或いは第1段差ストッパー12と第2段差ストッパー22の高さH1,H2をそれぞれ変化させてもよい。
【0015】
図6に示す金属ガスケット1は図2に示す金属ガスケット1に対し、第1段差ストッパー12の第1内周壁面角度θ1Aと第1外周壁面角度θ1Bとを大きく(鈍角に)し、さらに第2段差ストッパー22の第2内周壁面角度θ2Aと第2外周壁面角度θ2Bも大きく設定している。
そして、A−A部での第1内周壁面角度θ1Aと第1外周壁面角度θ1BとをB−B部での第1内周壁面角度θ1Aと第1外周壁面角度θ1Bよりも小さく設定し、A−A部とB−B部との間では第1段差ストッパー12の形状を徐々に変化させている。
また、C−C部での第1内周壁面角度θ1Aと第1外周壁面角度θ1Bを、A−A部とB−B部における第1内周壁面角度θ1Aと第1外周壁面角度θ1Bの値に対してそれぞれほぼ中間の値に設定し、C−C部とB−B部との間でも第1段差ストッパー12の形状を徐々に変化させている。
【0016】
このように本実施例では、A−A部、C−C部、B−B部の順で第1壁面角度θ1を増大させ、この第1段差ストッパー12の第1内周壁面12Aと第1外周壁面角度θ1Bの変化によって各断面での第1段差ストッパー12の剛性を変化させている。
すなわち、シリンダヘッドとシリンダブロックとを締め付ける際、最も面圧のかかるB−B部においては、第1内周壁面角度θ1Aと第1外周壁面角度θ1Bとの角度を最も大きな角度に設定している。
そして、最も面圧の低くなるA−A部においては、第1内周壁面角度θ1Aと第1外周壁面角度θ1Bとの角度を最も小さな角度(但し鈍角)に設定している。
このように、シリンダヘッドとシリンダブロックとが締め付けられる時に生じる各断面での面圧の変化に対応して、各断面での第1段差ストッパー12の角度を変化させることで、金属ガスケット1にかかる面圧を分散させ、金属ガスケット1にかかる面圧を均一にすることができる。
なお、本実施例では第1内周壁面角度θ1Aと第1外周壁面角度θ1Bとは同一角度に設定しているが、これに限られるものではなく、第1内周壁面角度θ1Aと第1外周壁面角度θ1Bの角度を異ならせることで、第1段差ストッパー12の第1天面12Cにかかる面圧を燃焼室孔3側とその外側とで変化させて、当該第1天面12Cにかかる面圧を調整することも可能である。
また、このことは第2段差ストッパーにも当てはまることはいうまでもない。
【0017】
図7は図3の金属ガスケット1を基礎として、第1段差ストッパー12と第2段差ストッパー22の間に形成される空間に軟質部材7を挿入したものである。その空間に軟質部材7を挿入することで、第1、第2段差ストッパー12,22の面圧を増大させることができ、それによって金属ガスケット1のシール性の向上を図ることができる。
上記軟質部材7としては、例えばアルミ材、合成樹脂材、ゴム材などを用いることができ、エンジンの種類によって使い分けることができる。この金属ガスケット1も、上記図4〜図6に示す金属ガスケット1と同様に、各段差ストッパー12,22の幅L1,L2、高さH1,H2、壁面角度θ1A、θ1B、θ2A、θ2BをA−A部、B−B部、C−C部の各断面で変化させることで、各断面ごとに金属ガスケット1の剛性や弾力性を変化させることができる。
【0018】
図8は図2の金属ガスケット1を基礎として、第1段差ストッパー12と第2段差ストッパー22とが重合する位置に、スペーサー8を挿入したものである。
上記スペーサー8はステンレスやSPC材で製造してあり、このスペーサー8の幅L3と厚さH3も燃焼室孔3に沿って変化させている。
すなわち、シリンダヘッドとシリンダブロックとを締め付ける際、最も面圧のかかるB−B部ではスペーサー8の厚さH3を薄くするとともに幅L3を狭く設定し、最も面圧の低くなるA−A部ではスペーサー8の厚さH3を厚くするとともに幅L3を広く設定している。またC−C部では、スペーサー8の寸法はB−B部とA−A部に対してほぼ中間の寸法に設定してある。
このように、シリンダヘッドとシリンダブロックとが締め付けられる時に生じる各断面での面圧の変化に対応して、各断面でのスペーサー8の厚さと幅とを変化させることで、金属ガスケット1にかかる面圧を均一にすることができる。
さらに、このスペーサー8を用いた金属ガスケット1を、図4〜図6のように各段差ストッパー12,22の寸法を変化させながら用いることで、さらに効果的に面圧の均一化を図ることができる。
【0019】
図9は図8に示したスペーサー8を第1ボアビード13と第2ボアビード23とが重合する位置まで延長したものであり、図8の金属ガスケット1では各ボアビード13,23部でのシール性が不足するときに効果的である。
このスペーサーも図8の金属ガスケット1と同様、シリンダヘッドとシリンダブロックとを締め付ける際、最も面圧のかかるB−B部ではスペーサー8の厚さH3を薄くするとともに幅L3を狭く設定し、最も面圧の低くなるA−A部ではスペーサー8の厚さH3を厚くするとともに幅L3を広く設定している。そしてC−C部では、スペーサー8の寸法はB−B部とA−A部に対してほぼ中間の寸法に設定してある。
なお、図9のスペーサー8を用いた金属ガスケット1において、図4〜図6のように各段差ストッパー12,22の寸法を変化させながら用いることで、さらに効果的に面圧の均一化を図ることができる。
また、図8、図9の金属ガスケット1では、各段差ストッパー12,22及び各ボアビード13,23は互いに向き合っているが、図3の金属ガスケット1のように各段差ストッパー12,22及びボアビード13,23を互いに反対方向に向けた状態であっても同様のシール性を持つ金属ガスケット1を得ることができる。
【0020】
なお、図2〜図9に示す金属ガスケット1において、図4〜図6に示される金属ガスケット1のように、各段差ストッパー12,22の幅L1,L2、高さH1,H2、壁面角度θ1A、θ1B、θ2A、θ2Bを複合的に組み合わせて使用してもよい。
また、上記実施例において、図2〜図9の金属ガスケット1における第1ボアビード13と第2ボアビード23は、第1ガスケット基板11と第2ガスケット基板21とが重合する位置では同一の寸法で設定されているが、これに限られるものではなく、第1ガスケット基板11と第2ガスケット基板21とが重合する位置で互いに異なる寸法で各ボアビード13,23を成形してもよい。
この場合も、シリンダヘッドとシリンダブロックとを締め付ける際、最も面圧のかかるB−B部では、各ボアビード13,23の幅l1、l2を広く、高さh1、h2を低くし、最も面圧の低くなるA−A部では、各ボアビード13,23の幅l1、l2を狭く、高さh1、h2を高くするようにすればよい。
【0021】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、第1ガスケット基板と第2ガスケット基板とのそれぞれに段差ストッパーとボアビードとを形成しているので、シリンダブロックとシリンダヘッドの相対変位に対して優れた追従性をもち、シリンダボア周辺で変化する面圧を均一化して優れたシール性を確保することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属ガスケットを示す平面図。
【図2】本発明の第1実施例を示す図1の拡大断面図。
【図3】本発明の第2実施例を示す断面図。
【図4】本発明の第3実施例を示す断面図。
【図5】本発明の第4実施例を示す断面図。
【図6】本発明の第5実施例を示す断面図。
【図7】本発明の第6実施例を示す断面図。
【図8】本発明の第7実施例を示す断面図。
【図9】本発明の第8実施例を示す断面図。
【符号の説明】
1 金属ガスケット 3 燃焼室孔
11 第1ガスケット基板 12 第1段差ストッパー
13 第1ボアビード 21 第2ガスケット基板
22 第2段差ストッパー 23 第2ボアビード

Claims (8)

  1. シリンダヘッドとシリンダブロックとの間に挟持される第1ガスケット基板と第2ガスケット基板とを備え、各ガスケット基板のそれぞれにシリンダボアに合わせて燃焼室孔を穿設し、上記第1ガスケット基板に、円周方向に連続して上記燃焼室孔を囲む断面コ字形の第1段差ストッパーを形成するとともに、該段差ストッパーの外周側に円周方向に連続して該第1段差ストッパーを囲む第1ボアビードを形成し、また上記第2ガスケット基板に、上記第1段差ストッパーと重合する位置に円周方向に連続する断面コ字形の第2段差ストッパーを形成するとともに、上記第1ボアビードと重合する位置に円周方向に連続する第2ボアビードを形成し、
    上記第1段差ストッパーは、燃焼室孔側となる第1内周壁面と、外側となる第1外周壁面と、両壁面を連結する第1天面とから断面コ字形に形成されており、また上記第2段差ストッパーは、燃焼室孔側となる第2内周壁面と、外側となる第2外周壁面と、両壁面を連結する第2天面とから断面コ字形に形成されており、
    上記第1内周壁面と第1ガスケット基板の平坦部とでなす第1内周壁面角度と、第1外周壁面と第1ガスケット基板の平坦部とでなす第1外周壁面角度と、上記第2内周壁面と第2ガスケット基板の平坦部とでなす第2内周壁面角度と、第2外周壁面と第2ガスケット基板の平坦部とでなす第2外周壁面角度との少なくともいずれかの角度は、上記燃焼室孔に沿って変化していることを特徴とする金属ガスケット。
  2. 上記第1段差ストッパーと第2段差ストッパーとの少なくともいずれか一方の幅は、上記燃焼室孔に沿って変化していることを特徴とする請求項1に記載の金属ガスケット。
  3. 上記第1段差ストッパーと第2段差ストッパーとの少なくともいずれか一方の高さは、上記燃焼室孔に沿って変化していることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の金属ガスケット。
  4. 上記第1ボアビードの幅と、上記第1ボアビードの高さと、上記第2ボアビードの幅と、上記第2ボアビードの高さとの少なくともいずれかは、上記燃焼室孔に沿って変化していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の金属ガスケット。
  5. 上記第1段差ストッパーと第2段差ストッパーは各天面が互いに離隔する方向に突出し、また上記第1ボアビードと第2ボアビードも各天面が互いに離隔する方向に突出しており、さらに第1段差ストッパーと第2段差ストッパーとによって形成される空間内に軟質部材が挿入されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の金属ガスケット。
  6. 上記第1段差ストッパーと第2段差ストッパーとの間に円周方向に連続するスペーサが挿入されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の金属ガスケット。
  7. 上記スペーサの厚さと幅との少なくともいずれか一方は燃焼室孔に沿って変化していることを特徴とする請求項6に記載の金属ガスケット。
  8. 上記スペーサは第1ボアビードと第2ボアビードとの間にも挿入されていることを特徴とする請求項6又は請求項7のいずれかに記載の金属ガスケット。
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