JP7433916B2 - シール部材、組付け部材のシール面構造、及び組付け部材のシール方法 - Google Patents

シール部材、組付け部材のシール面構造、及び組付け部材のシール方法 Download PDF

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Description

本発明は、シール部材、組付け部材のシール面構造、及び組付け部材のシール方法に関し、特に、液状ガスケットを用いて複数の部材の間をシールする際に使用されるシール部材、組付け部材のシール面構造、及び組付け部材のシール方法に関する。
従来、自動車などのエンジンでは、オイルなどの漏れを防止するために、エンジンを構成する複数の部材の間に、部材間の隙間を密閉するシール部材が介装されている。
シール部材としては、一般的に、ゴムなどの弾性材料で形成されたガスケット(以下、固体状ガスケットとも称する)が使用されている。この固体状ガスケットは、組付けられる二つの部材のうち、一方の部材に形成された溝に挿入されて、他方の部材との間に介装される。結合された二つの部材の間は、固体状ガスケットが弾性変形して、各部材に対して反力が発生することでシールされる。
また、特許文献1には、固体状ガスケットのみでは十分にシール性が確保できない部位に、固体状ガスケットとともに、液状ガスケットであるFIPG(Formed In Place Gasket)を併用する方法が開示されている。さらに、特許文献2には、固体状ガスケットを用いることなく、液状ガスケットのみで部材の間をシールする方法が記載されている。
液状ガスケットは、液状の状態で組付けられる部材のシール面に塗布されるため、固体状ガスケットに比して、シール面に対する追従性が高く、部材間を隙間なくシールすることができるという利点がある。
特開2007-24210号公報 特開2014-129090号公報
この液状ガスケットは、空気に触れると硬化する性質を有することから、部材を組付ける前に、専用の塗布機を用いて、組付け部材のシール面に直接塗布される。
しかしながら、部材の組付け現場に塗布機を設置する必要があることから、組付け設備において、塗布機の導入や維持管理に多大なコストがかかってしまうという問題があった。また、液状ガスケットの塗布工程では、シール性を確保するために、塗布位置や塗布量の厳密な管理が必要となることから、塗布作業の煩雑さを軽減できる方法が求められていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、各組付け部材を組付ける際に、塗布機を用いて液状ガスケットを塗布する作業を必要とせず、所要量の液状ガスケットを所要の位置に塗布可能なシール部材、組付け部材のシール面構造、及び組付け部材のシール方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態は、組付けられる部材の間に介装されて部材間をシールするシール部材において、弾性材料で形成された固体状ガスケットと、前記固体状ガスケットの表面であって、組付けられる少なくとも一つの部材と対向する面に取付けられた袋状の被覆膜と、該被覆膜内に封入された液状ガスケットと、を備え、前記被覆膜は、周辺の領域よりも膜厚が薄く形成された破断促進部を有することを特徴とする。
この構成によれば、シール部材を間に介在させた状態で、組付け部材を互いに接近させて結合すると、固体状ガスケットに取付けられている袋状の被覆膜が、これと対向する組付け部材によって押圧される。被覆膜内には液状ガスケットが封入されているので、押圧力によって被覆膜が潰されると、被覆膜の内圧が高くなって被覆膜が破断し、内部の液状ガスケットが流出する。その結果、組付け部材の間の所要の位置に、必要な量の液状ガスケットが塗布された状態となる。
このように、組付け部材を結合する際に生じる押圧力を利用して、被覆膜を破断させて液状ガスケットを塗布することで、組付け部材を結合させる前に、塗布機によって部材のシール面に液状ガスケットを塗布する作業をなくすことができる。また、液状ガスケットは、被覆膜に必要な量を封入した状態で、固体状ガスケットの所要の位置に予め取付けておくことができるので、所要量の液状ガスケットを所要の位置に的確に塗布することができる。
また、この構成によれば、液状ガスケットが封入された被覆膜が、組付け部材に押し潰された際に、被覆膜を膜厚が薄い破断促進部から破断させることができるので、液状ガスケットが流出する部位をコントロールして、液状ガスケットの塗布精度をより向上させることができる。
また、本発明の一実施形態は、前記シール部材において、前記固体状ガスケットは、前記破断促進部と組付け方向で重なる部位に、突起部を有することを特徴とする。
この構成によれば、シール部材を介装させて部材を組付ける際に、被覆膜の破断促進部に固体状ガスケットの突起部が当接するので、被覆膜を破断促進部から破断させ易くすることができる。
また、本発明の一実施形態は、前記シール部材において、前記液状ガスケットが封入された被覆膜は、前記固体状ガスケットにおいて液状ガスケットが塗布される領域内に、所定の間隔をあけて複数配置されたことを特徴とする。
この構成によれば、固体状ガスケットにおいて、被覆膜が配置されたそれぞれの領域で、被覆膜から液状ガスケットを流出させることができるので、液状ガスケットを均一に塗布することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明の一実施形態は、液状ガスケットが塗布されるシール面を有する組付け部材のシール面構造において、前記シール面に取付けられた袋状の被覆膜と、該被覆膜内に封入された液状ガスケットと、を備え、前記被覆膜は、周辺の領域よりも膜厚が薄く形成された破断促進部を有することを特徴とする。
この構成によれば、組付け部材を他の部材と結合して組付ける際に、組付け部材のシール面に取付けられている袋状の被覆膜が、結合される他の部材によって押圧される。被覆膜内には液状ガスケットが封入されているので、押圧力によって被覆膜が潰されると、被覆膜の内圧が高くなって被覆膜が破断し、内部の液状ガスケットが流出する。その結果、組付け部材の間の所要の位置に、必要な量の液状ガスケットが塗布された状態となる。また、このように、部材を組付ける際に被覆膜を破断させて液状ガスケットを塗布させることで、塗布機によって部材のシール面に液状ガスケットを塗布する作業をなくすことができる。
また、本発明の一実施形態は、前記組付け部材のシール面構造において、前記シール面は、弾性材料で形成された固体状ガスケットを間に介装させて他の組付け部材のシール面と結合され、液状ガスケットが封入された前記被覆膜は、前記固体状ガスケットと対向する位置に配置されることを特徴とする。
この構成によれば、互いに組付けられる組付け部材のシール面の間を液状ガスケットと固体状ガスケットの両方を用いてシールすることができるので、シール性の高い構造とすることができる。
また、上記目的を達成するために、本発明の一実施形態は、弾性材料で形成された固体状ガスケットを介装させて、第1の組付け部材と第2の組付け部材とを組付けることにより、各組付け部材の間をシールする組付け部材のシール方法であって、前記第1の組付け部材及び前記固体状ガスケットのうちの一方は、他方と対向する面に取付けられた袋状の被覆膜と、該被覆膜内に封入された液状ガスケットとを備え、前記被覆膜は、周辺の領域よりも膜厚が薄く形成された破断促進部を有し、前記固体状ガスケットを介装させて第1の組付け部材及び第2の組付け部材を結合することにより、前記被覆膜を破断させて前記液状ガスケットを各組付け部材間に塗布することを特徴とする。
この構成によれば、第1の組付け部材と第2の組付け部材とを組付ける際に、第1の部材及び固体状ガスケットのうちの一方に取付けられている袋状の被覆膜が、これと対向する他方の第1の部材又は固体状ガスケットによって押圧される。被覆膜内には液状ガスケットが封入されているので、押圧力によって被覆膜が潰されると、被覆膜の内圧が高くなって被覆膜が破断し、内部の液状ガスケットが流出する。その結果、組付け部材の間の所要の位置に、必要な量の液状ガスケットが塗布された状態となる。また、このように、部材を組付ける際に被覆膜を破断させて液状ガスケットを塗布させることで、塗布機によって部材のシール面に液状ガスケットを塗布する作業をなくすことができる。
本発明に係るシール部材、組付け部材のシール面構造、及び組付け部材のシール方法によれば、各組付け部材を組付ける際に、塗布機によって液状ガスケットを塗布する作業を必要とせず、所要量の液状ガスケットを所要の位置に塗布することができる。
本発明の第1の実施形態であるシール部材が取付けられたエンジン構成部材を説明する平面図である。 は図1の矢視A-Aで示す部位の断面図であって、シール部材の断面を示す図である。 図2の要部拡大図である。 シール部材が取付けられたエンジン構成部材の側面図である。 シール部材が取付けられたエンジン構成部材の側面図である。 シール部材を用いたシール方法を説明する図である。 シール部材を用いたシール方法を説明する図である。 シール部材の第2の実施形態を示す図4と同様の側面図である。 シール部材の第3の実施形態を説明する断面図である。 図9に示すシール部材をエンジン構成部材に取付けた状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態である組付け部材のシール面構造を説明する断面図である。 組付け部材のシール面構造の変形例を説明する断面図である。
(第1の実施形態)
以下、本発明に係るシール部材の第1の実施形態について図1~5を用いて説明する。本発明に係るシール部材は、液状ガスケットを用いて複数の部材の間をシールする際に使用される。
図1は、本発明の第1の実施形態であるシール部材が取付けられたエンジン構成部材を説明する平面図であり、図2は、シール部材の断面を示す図であり、図3は、図2の要部拡大図であり、図4及び図5は、それぞれ、シール部材が取付けられたエンジン構成部材の側面図である。なお、図1では、シール部材10を黒の塗り潰しで示している。
本実施形態のシール部材10は、自動車のエンジンを構成する複数の組付け部材(以下、エンジン構成部材とも称する)のうちの1つの部材であるロッカーカバー(シリンダヘッドカバー)30に形成された溝部34に装着される。ロッカーカバー30は、他のエンジン構成部材であるシリンダヘッド40、チェーンカバー50、及びカムキャップ60と組付けられる。シール部材10は、ロッカーカバー30と、これに組付けられるシリンダヘッド40、チェーンカバー50及びカムキャップ60との間に介装され、部材間をシールする。
ロッカーカバー30は、シリンダヘッド40の上面を覆う部材であり、シリンダヘッド40に結合・固定された状態で、その内部に空間領域であるロッカー室を形成する。ロッカーカバー30は、図1に示すように、環状に形成されたシール面32を有しており、シール面32には、シール部材10が挿入される溝34が形成されている。
シリンダヘッド40は、図示していないエンジン構成部材であるシリンダブロックとともに、燃焼室を形成する。チェーンカバー50は、他のエンジン構成部材と組付けられた状態で、その内部に、タイミングチェーン等が配置されるチェーン室を形成する。また、カムキャップ60は、図示していないシリンダヘッド40に組みつけられたカムシャフトを保持する。エンジン構成部材であるロッカーカバー30、シリンダヘッド40、チェーンカバー50及びカムキャップ60は、アルミニウム合金等の金属材料や、樹脂材料で径形成することができる。
シール部材10は、固体状ガスケット12(以下、単に「ガスケット12」と称する)と、ガスケット12に取付けられた袋状の被覆膜20と、被覆膜20内に封入された液状ガスケット26とを備える。なお、各図では、液状ガスケット26にドットを付している。また、本実施形態において被覆膜20は透明に形成されており、図4及び図5では、被覆膜20を介して視認される液状ガスケット26にドットを付している。
ガスケット12は弾性材料で形成されている。本実施形態のガスケット12は、ゴムで形成されており、図1に示すように、ロッカーカバー30の周壁の下端部のシール面32の形状に対応して(言い換えると、ロッカーカバー30に結合・固定されるシリンダヘッド40及びチェーンカバー50の周壁の上端部のシール面の形状に対応して)、環状に形成されている。図3に示すように、ガスケット12は、本体部14と、一対の平板部16と、本体部14の先端に形成された突起部18とを備える。
本体部14は、弾性変形して、ロッカーカバー30と、シリンダヘッド40、チェーンカバー50及びカムキャップ60との間をシールする部分である。本体部14は、ロッカーカバー30のシール面32に沿って環状に形成されており、その断面は略長方形状に形成されている。本体部14の高さ寸法(断面長方形状の長手方向の寸法)は、ロッカーカバー30の溝部34の深さよりも大きく設定されている。また、本体部14の幅寸法は、溝部34の幅寸法よりも僅かに小さく設定されている。本体部14の一部は、ロッカーカバー30の溝部34内に挿入される。本実施形態では、溝部34に挿入しやすいように、本体部14の溝部34に挿入される側(以下、本体部14の基端側14aとも称する)の幅寸法が、先端側の幅寸法よりも小さく形成されている。
一対の平板部16は、本体部14の幅方向の両側面から幅方向外側に突出しており、所定の厚みを有する板状に形成されている。各平板部16は、本体部14の側面から略垂直に突出しており、ガスケット12の延在方向に沿って環状に形成されている。一対の平板部16は、本体部14において、ロッカーカバー30の溝部34から突出する先端部側に設けられている。ガスケット12において、一対の平板部16が形成された部位の幅寸法は、溝部34の幅寸法よりも大きく設定されている。本体部14を溝部34に挿入した状態で、一対の平板部16は、ロッカーカバー30のシール面32上に位置する。
突起部18は、本体部14の先端部表面から突出する部位である。本実施形態では、本体部14の先端部表面の幅方向中央部に突起部18が形成されており、突起部18の断面形状は、略台形状に形成されている。この突起部18は、ガスケット12の延在方向に沿って環状に形成されている。いる。
被覆膜20は、ガスケット12の本体部14の先端部表面に取付けられ、先端部表面の少なくとも一部を覆う薄膜である。被覆膜20は、例えば、樹脂材料で形成することができる。なお、被覆膜20の材料や厚みは、適宜設定することができるが、シール部材10を組付け部材間に介装した状態で、各組付け部材を結合・固定した際に、シール部材10に作用する押圧力によって被覆膜20が破断するように設定される。被覆膜20は、その周縁部が、接着剤によりガスケット12先端表面に接着されており、周縁部の内側は、ガスケット12に対して非接着であって、内部に液状部材が充填可能な袋状に形成されている。
被覆膜20は、環状のガスケット12の先端部表面の所定の位置、具体的には、液状ガスケット26が塗布される所要の位置に取付けられる。本実施形態では、図1に示すように、ロッカーカバー30の環状に形成されたシール面32のうち、ハッチングが付された4箇所のシール領域32a,32b,32c,32dで液状ガスケット26が塗布されるように設定しておいる。シール部材10は、ロッカーカバー30の溝部34に装着された状態で、この4つのシール領域32a,32b,32c,32dと重なる位置に、4つの被覆膜20が取付けられている。
各シール領域32a,32b,32c,32dは、ロッカーカバー30、シリンダヘッド40、チェーンカバー50及びカムキャップ60を組付けた際に、ゴム製のガスケット12のみでは隙間が生じることが懸念される領域である。このようなシール領域としては、例えば、図4に示すように、3つの部材のシール面(すなわち、ロッカーカバー30のシール面32、シリンダヘッド40のシール面42及びチェーンカバー50のシール面52)が合せられる部位(以下、このような部位を「3面合せ部」とも称する)を挙げることができる。また、他の例として、図5に示すように、互いに対向するシール面が平面状ではなく、アーチ形状(すなわち、ロッカーカバー30のシール面32、シリンダヘッド40のシール面42及び、カムキャップ60のシール面62)等の三次元的構造に形成された部位(以下、このような部位を「三次元構造の合せ面部」とも称する)を挙げることができる。本実施形態の被覆膜20は、図4及び図5に示すように、ガスケット12の延在方向に沿って、長く延びる袋状に形成されている。
3面合せ部では、特に、図4に示す段差部4が形成される領域で、隙間が形成されやすく、アーチ形状の三次元構造合せ面部では、特に、図5に示す段差部5が形成される領域で、隙間が形成されやすい。本実施形態において被覆膜20は、ガスケット12の延在方向に沿って、段差部4,5のそれぞれを跨ぐように配置されている。
また、被覆膜20は、図3に示すように、周辺の領域24よりも膜厚が薄く形成された破断促進部22を有している。本実施形態では、被覆膜20の周縁部から離間した領域であって、ガスケット12の突起部18と組付け方向(図2及び図3における上下方向)で重なる部位に破断促進部22が形成されている。なお、図3では、被覆膜20の膜厚の状態が理解されやすいように、厚みを誇張して記載している。被覆膜20の厚さは適宜設定することができる。
ガスケット12に取付けられた各被覆膜20の内部には、所定量(各シール領域32a,32b,32c,32dに必要な量)の液状ガスケット26が充填されている。液状ガスケット26は、例えば、FIPGであり、その含有成分である架橋剤が、空気中の湿気(水分)と接触して反応することにより硬化する。液状ガスケット26は、被覆膜20内に封入されて、空気との接触が遮断された状態で液状を成している。以下の説明では、内部に液状ガスケット26が封入されている被覆膜20を「液状ガスケット封入被覆膜20´」とも称する。
次に、上述したシール部材10を用いたシール方法について説明する。本実施形態において、ロッカーカバー30は、本発明のシール方法における第1の組付け部材及び第2の組付け部材のうちの第2の組付け部材を構成している。また、シリンダヘッド40、チェーンカバー50及びカムキャップ60のそれぞれは、ロッカーカバー30に組付けられる第1の組付け部材を構成している。
まず、図1及び図2に示すように、ロッカーカバー30の溝部34にシール部材10を挿入する。既述のとおり、シール部材10の所定の領域、すなわち、液状ガスケット26が塗布される所要の位置には、液状ガスケット封入被覆膜20´が取り付けられている。この状態で、ボルト55等の締結部材を用いて、シリンダヘッド40、チェーンカバー50及びカムキャップ60にロッカーカバー30を組付ける。
ボルト55の締結により、シール部材10がこれと対向するシリンダヘッド40のシール面42に接近すると、図6に示すように、シール部材10の液状ガスケット封入被覆膜20´がシール面42に押圧され、被覆膜20の内圧が増加する。
その後、さらに各シール面32,42が接近していくと、図7に示すように、被覆膜20は、内圧の増大によって、膜厚の薄い破断促進部22から破断し、内部に封入されていた液状ガスケット26が流出する。これにより、シール面42に液状ガスケット26が塗布された状態となり、さらに、ボルト締結を続けて、ロッカーカバー30とシリンダヘッド40の結合を完了すると、シール面32,42の間には、ガスケット12が介装されるとともに、シール面32,42の所要の領域に液状ガスケット26が塗布された状態となる。
なお、図示していないが、ロッカーカバー30のシール面32と、チェーンカバー50のシール面52との間においても、同様に、液状ガスケット封入被覆膜20´が、チェーンカバー50のシール面52に押圧されて、破断促進部22から破断し、液状ガスケット26がシール面32,52の間に塗布される。ロッカーカバー30のシール面と、カムキャップ60のシール面62との間も同様である。
上述したように、本実施形態のシール部材10は、ロッカーカバー30と、シリンダヘッド40、チェーンカバー50、及びカムキャップ60との間にシール部材10を介在させた状態で、これらの部材を組付けることにより、組付けの際に各シール面32,42,52,62に生じる押圧力を利用して、シール部材10の被覆膜20を破断させて液状ガスケット26を塗布させることができる。これにより、ロッカーカバー30と、シリンダヘッド40、チェーンカバー50及びカムキャップ60とを結合させる前に、塗布機によってロッカーカバー30のシール面32又はリンダヘッド40、チェーンカバー50及びカムキャップ60のシール面42,52,62に液状ガスケットを塗布する作業をなくすことができる。
また、塗布される液状ガスケット26は、被覆膜20に必要な量を封入した状態で、ガスケット12の所要の位置に予め取付けておくことができるので、所要量の液状ガスケット26を所要の位置に的確に塗布することができる。
また、被覆膜20に、周辺領域24よりも膜厚の薄い破断促進部22を設けることにより、被覆膜20を破断促進部22から破断させることができる。このように、被覆膜20が破れる部位を予め設定しておくことで、被覆膜20から液状ガスケット26が流出する部位をコントロールすることができ、液状ガスケット26の塗布精度をより向上させることができる。
さらに、シール部材10は、破断促進部22と組付け方向で重なる部位に、ガスケット12の突起部18が設けられているので、ロッカーカバー30を組付ける際に、破断促進部22に突起部18を当接させて、破断促進部22をより破断し易くすることができる。
なお、被覆膜20は、伸縮性を有する材料で構成されていてもよい。かかる場合には、液状ガスケット26が封入された状態で、被覆膜20が伸長状態になるようにする。このようなシール部材10では、被覆膜20を破断促進部22から破断させた後に、被覆膜20を収縮させて、液状ガスケット26を速やかに流出させ、シール面32,42の間に液状ガスケット26を均一に塗布することできる。
(第2の実施形態)
次に、シール部材10の第2の実施形態を説明する。図8は、シール部材10の第2の実施形態を示す図4と同様の側面図である。図8において、上述した第1の実施形態と実質的に同一の要素には、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実形態では、ガスケット12の先端部表面において、液状ガスケット26が塗布される一連の領域内に、液状ガスケット26が封入された被覆膜20(液状ガスケット封入被覆膜20´)が、所定の間隔をあけて複数配置されている。図8では、4つの液状ガスケット封入被覆膜20´-1,20´-2,20´-3,20´-4を配置した例を記載しているが、数は4つに限られず、2つ以上であればよい。また、各被覆膜20は、被覆膜20の中央部であって、ガスケット12の突起部18と組付け方向で重なる部位に破断促進部22を有している。
このように、間隔をあけて液状ガスケット封入被覆膜20´を複数配置した場合には、ロッカーカバー30と、シリンダヘッド40、チェーンカバー50及びカムキャップ60とを組付けた際に、各被覆膜20を破断させて、被覆膜20が配置された各領域から液状ガスケット26を流出させることができので、液状ガスケット26をより均一に塗布することが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、図9及び図10を用いて、シール部材10の第3の実施形態を説明する。図9及び図10において、上述した第1の実施形態と実質的に同一の要素には、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態のシール部材10は、ガスケット12と、ガスケット12の本体部14の基端部表面(すなわち、溝部34に挿入される側の端部表面)に取付けられた袋状の被覆膜20と、被覆膜20内に封入された液状ガスケット26とを備えている。被覆膜20は、中央部に、周辺領域24よりも膜厚の薄い破断促進部22を有している。
ガスケット12は、本体部14の幅方向の両側面から突出する一対の係止突起19を有する。一対の係止突起19は、本体部14において、ロッカーカバー30の溝部34内に挿入される領域の側面に形成される。
ロッカーカバー30の溝部34の開口部には、一対の嵌合突起36が形成されている。嵌合突起36は、溝部34内に向かって突出する突起である。
図10に示すように、シール部材10は、一対の係止突起19が、溝部34の嵌合突起36に嵌め込まれた状態で、ロッカーカバー30に取付けられる。シール部材10の基端から一対の係止突起19までの高さは、溝部34の底面から一対の嵌合突起36までの深さよりも短く設定されており、図10に示す嵌め込み状態では、被覆膜20が破れない状態となる。
この状態から、シリンダヘッド40、ロッカーカバー30及びカムキャップ60を組付けると、シール部材10の被覆膜20がロッカーカバー30の溝部34の底面(シール面)に押圧され、破断する。これにより、被覆膜20内の液状ガスケット26が流出して、溝部34の内面を含むシール面32に、液状ガスケット26が塗布される。
本実施形態のように、ガスケット12の基端部に液状ガスケット封入被覆膜20´を設けて、ロッカーカバー30の溝部34内に液状ガスケット26が塗布されるようにすることで、例えば、溝部34の表面にパーティングライン等のシール性阻害要因がある場合であっても、液状ガスケット26によって隙間を埋めて適切なシール性能を確保することができる。
なお、本発明のシール部材10において、液状ガスケット封入被覆膜20´は、ガスケット12の先端部表面及び基端部表面のそれぞれに取付けられていてもよい。
上述した各実施形態では、ガスケット12の表面に液状ガスケット封入被覆膜20´を取り付けているが、液状ガスケット封入被覆膜20´は、組付けられる部材のシール面に取付けられていてもよい。
次に、図11を用いて、本発明に係る組付け部材のシール面構造の一実施形態を説明する。図11において、上述した第1の実施形態と実質的に同一の要素には、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
本実施形態のシール面構造80では、組付け部材であるシリンダヘッド40のシール面42に、袋状の被覆膜20が取付けられている。被覆膜20内には、所要量の液状ガスケット26が封入されている。被覆膜20は、その一部に、周辺領域24よりも膜厚の薄い破断促進部22を有している。液状ガスケット封入被覆膜20´は、シリンダヘッド40のシール面42の所定の領域に取付けられている。
次に、上述したシール面構造80による組付け部材のシール方法について説明する。このシール方法では、図11に示すように、ロッカーカバー30の溝部34にガスケット12を挿入した状態で、ロッカーカバー30と、シリンダヘッド40とを組付ける。既述のとおり、シリンダヘッド40の所定の領域、すなわち、液状ガスケット26が塗布される所要の位置には、液状ガスケット封入被覆膜20´が取り付けられている。この状態で、ボルト等の締結部材を用いて、ロッカーカバー30とシリンダヘッド40とを組付ける。
ボルト締結により、ロッカーカバー30に装着されたガスケット12がシリンダヘッド40に取付けられた液状ガスケット封入被覆膜20´を押圧すると、被覆膜20の内圧が増大し、被覆膜20は、膜厚の薄い破断促進部22から破断する。これにより、内部に封入されていた液状ガスケット26が流出し、シール面42に液状ガスケット26が塗布された状態となる。さらに、ボルト締結を続けて、ロッカーカバー30とシリンダヘッド40の結合を完了すると、シール面32,42の間には、ガスケット12が介装されるとともに、シール面32,42の所要の領域に液状ガスケット26が塗布された状態となる。
図12は、組付け部材のシール面構造80の変形例を説明する断面図である。本変形例では、組付けられる2つの部材70,74のうち、一方の部材74のシール面76に液状ガスケット封入被覆膜20´を取り付けている。このシール構造では、各部材70,74を組付ける際に、他方の部材70のシール面72によって被覆膜20に押圧して、これを破断させることにより、封入されていた液状ガスケット26を流出させて、シール面72,74に液状ガスケット26を塗布することができる。
このように、液状ガスケット封入被覆膜20´が取付けられたシール面76を有する組付け部材74は、固体状のガスケット12を介装させずに、他の組付け部材70と組付けてもよい。かかる場合、各シール面72,76間は液状ガスケット26のみでシールされた状態となる。
なお、本発明は上述した実施の形態や変形例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
10 シール部材
12 ガスケット
14 本体部
16 平板部
18 突起部
20 被覆膜
22 破断促進部
26 液状ガスケット
30 ロッカーカバー
32 ロッカーカバーのシール面
34 溝部
40 シリンダヘッド
42 シリンダヘッドのシール面
50 チェーンカバー
52 チェーンカバーのシール面
70,74 組付け部材
80 シール面構造

Claims (6)

  1. 組付けられる部材の間に介装されて部材間をシールするシール部材において、
    弾性材料で形成された固体状ガスケットと、
    前記固体状ガスケットの表面であって、組付けられる少なくとも一つの部材と対向する面に取付けられた袋状の被覆膜と、
    該被覆膜内に封入された液状ガスケットと、を備え
    前記被覆膜は、周辺の領域よりも膜厚が薄く形成された破断促進部を有することを特徴とするシール部材。
  2. 前記固体状ガスケットは、前記破断促進部と組付け方向で重なる部位に、突起部を有することを特徴とする請求項に記載のシール部材。
  3. 前記液状ガスケットが封入された被覆膜は、前記固体状ガスケットにおいて液状ガスケットが塗布される領域内に、所定の間隔をあけて複数配置されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のシール部材。
  4. 液状ガスケットが塗布されるシール面を有する組付け部材のシール面構造において、
    前記シール面に取付けられた袋状の被覆膜と、
    該被覆膜内に封入された液状ガスケットと、を備え
    前記被覆膜は、周辺の領域よりも膜厚が薄く形成された破断促進部を有することを特徴とする組付け部材のシール面構造。
  5. 前記シール面は、弾性材料で形成された固体状ガスケットを間に介装させて他の組付け部材のシール面と結合され、
    液状ガスケットが封入された前記被覆膜は、前記固体状ガスケットと対向する位置に配置されることを特徴とする請求項に記載の組付け部材のシール面構造。
  6. 弾性材料で形成された固体状ガスケットを介装させて、第1の組付け部材と第2の組付け部材とを組付けることにより、各組付け部材の間をシールする組付け部材のシール方法であって、
    前記第1の組付け部材及び前記固体状ガスケットのうちの一方は、他方と対向する面に取付けられた袋状の被覆膜と、該被覆膜内に封入された液状ガスケットとを備え、
    前記被覆膜は、周辺の領域よりも膜厚が薄く形成された破断促進部を有し、
    前記固体状ガスケットを介装させて第1の組付け部材及び第2の組付け部材を結合することにより、前記被覆膜を破断させて前記液状ガスケットを各組付け部材間に塗布することを特徴とする組付け部材のシール方法。
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