JPH06235209A - 遮音壁用吸音装置および遮音壁 - Google Patents

遮音壁用吸音装置および遮音壁

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JPH06235209A
JPH06235209A JP5044512A JP4451293A JPH06235209A JP H06235209 A JPH06235209 A JP H06235209A JP 5044512 A JP5044512 A JP 5044512A JP 4451293 A JP4451293 A JP 4451293A JP H06235209 A JPH06235209 A JP H06235209A
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absorbing device
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豊 庄野
Masato Watanabe
真人 渡辺
Kohei Yamamoto
貢平 山本
Naoyuki Furuta
直行 古田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単で遮音壁への固着も容易であり、
遮音,吸音効果の低下なしに緑化も図れる吸音装置付き
遮音壁を提供すること。 【構成】 内面板2と外側の多孔板1とで吸音材3が挟
持されている吸音体4が下壁部5と、その上部から断面
半円弧状に膨出する庇部6と、庇部からその膨出方向と
逆方向に延出された頂壁部7とを備えて吸音装置12を
形成しており、直壁状の遮音壁15に下壁部5の下端で
固着され、対向する頂壁部端面が結合されるか、あるい
は、間隙を形成し、遮音壁上端と吸音装置とで囲まれた
部分が空間部とされている。 【効果】 単一構造の吸音装置で多種の遮音壁に容易に
固着でき、外観が良好で遮音効果をそこねずに緑化も図
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速道路等に、車両走
行に伴う騒音を遮断するために設置される遮音壁に付設
する吸音装置と、この吸音装置を付設した遮音壁との改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】高速道路等に設置される遮音壁の頂部に
吸音装置を配置した先例としては、特公昭51ー469
69号公報に示されるものとか、実開昭62ー1862
00号公報に示されるもの等が知られているが、直壁状
の遮音壁の頂部に比較的大径で長尺の円筒状の吸音装置
を固着するため、遮音壁の頂部に吸音装置の締め付けバ
ンドとその固定金具とを別個に付設しなければならず、
さらには吸音装置の落下防止ワイヤーを該吸音装置の半
径方向に貫通させて固定する必要があるのみでなく、遮
音壁の寸法差に応じ、吸音装置の固定金具の寸法も変え
ねばならず、取付作業が複雑で、部品点数も多くなる問
題を有している。
【0003】さらには、直壁状の遮音壁の上端に、円筒
状の吸音装置が乗り、数メートル置きにバンドで固定さ
れ、このバンド固定具が外側面に突出するため外観が著
しく悪いという問題も存している。
【0004】また直壁状の遮音壁の平坦な上端面と、こ
こに乗る円筒状の吸音装置との間の隙間を埋める作業も
必要であり、取付作業が長時間となる問題も存してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、単一構造の
吸音装置であるにも拘らず、厚さの異なる既設の遮音壁
のいずれに対しても、容易に取り付けることができ、外
観も良好であると共に、吸音装置内部への植栽も可能で
あり、しかも優れた吸音効果を発揮する吸音装置と遮音
壁とを提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1の発明では、外側面の多孔板と内側面の内
面板とで吸音材が挟持されている吸音体を概ね上下方向
に立ち上がる下壁部と、該下壁部上部から側方へ断面略
半円弧状に膨出する庇部と、庇部の上端から庇部の膨出
方向と逆方向へ、前記下壁部を超えて延出させられた緩
凸弧状の頂壁部とよりなる長尺材に構成した。
【0007】加えて、前記吸音体の下壁部の下端には、
既設の遮音壁への固着部を形成し、前記頂壁部の端面に
は、閉塞版を固着して吸音装置とした。
【0008】請求項2の発明では、既設の遮音壁の両側
に、前記吸音装置を、その頂壁部の端面が互いに対向す
るよう固着し、該端面の閉塞板同士を結合具で一体に連
結,固定して遮音壁とした。
【0009】請求項3の発明では、遮音壁の上端の左右
の両外側に固定した吸音装置の互いに対向する頂壁部の
端面間に間隙を形成すると共に、遮音壁の上端と、左右
の吸音装置の内側面との間を空間部とし、この空間部分
にプランター等を配置し、前記間隙から植物を生長させ
うるようにした。
【0010】
【作用】請求項1の発明によると、単一構造の吸音装置
を製作すれば、取付姿勢を逆向きとするのみで、遮音壁
の両側への固着が可能となる。
【0011】また頂壁部の延出長さを長く設定しておけ
ば、既設の遮音壁の厚さに対応させて頂壁部の長さをカ
ットすることにより、厚さの異なる複数種の遮音壁に対
し、単一構造の吸音装置を準備するのみで、吸音効果を
奏せしめるることが可能となる。
【0012】遮音壁に対する吸音装置の固着は、遮音壁
の側に、ボルト等を溶接し、これに吸音装置の固着部を
係合させれば足り、吸音装置の固着構造が簡単となり、
固着作業も容易となる。
【0013】請求項2の発明では、遮音壁に連続する吸
音装置が、下壁部に連続して断面半円弧状に膨出する庇
部と庇部に連続する緩凸弧状の頂壁部とで構成されてい
るので、直壁状の遮音壁との意匠上のまとまりが良く、
外観が良好となる。
【0014】また吸音装置の外面が多孔板であり、しか
も庇部が張り出していることにより、遮音壁上端からの
騒音の回折が騒音吸収機能によって防止される。
【0015】請求項3の発明では、遮音壁の上部に植物
を配置できるので、無機質的外観の遮音壁の緑化を図る
ことができ、しかも遮音,吸音効果の低下を招くことが
ない。
【0016】
【実施例】図1および図2は、請求項1および請求項2
の両発明を併せ実施した第1の例を示しており、多孔の
アルミ板のごとき多孔板1と、亜鉛鉄板のごとき内面板
2とで外側面と内側面とから挟持されたガラス繊維のご
とき無機質繊維マットあるいは有機質繊維マット,金属
繊維マット,多孔質セラミック吸音材,焼結合金吸音材
等から選ばれた吸音材3を主材として吸音体4が形成さ
れている。
【0017】この吸音体4は、上下方向に立ち上がる下
壁部5と、下壁部5の上部から側方へ断面略半円弧状に
膨出する庇部6と、庇部6の上端から庇部6の膨出方向
と逆方向へ前記下壁部5を超えて延出させられた緩凸弧
状の頂壁部7とよりなる長尺材とされている。
【0018】前記下壁部5の内側には、内面板2の下端
にビス8等で固着されたブラケットのごとき固着部9が
形成されている。
【0019】頂壁部7の端面10には閉塞板11がビス
11Aにより固着され、遮音壁用の吸音装置12とされ
ている。
【0020】金属板13,14により構築されている遮
音壁15の上端の左右両外側には、ボルト16,17が
アークスタッド溶接等により固着されており、吸音装置
12は、前記ブラケットのごとき固着部9が、前記ボル
ト16,17にナット18,19で固定されることによ
り、遮音壁15の上端に固着されている。
【0021】図1に示されるごとく、遮音壁15の上端
の左右両側に固着される吸音装置12の頂壁部7の端面
10は、互いに対向させられ各閉塞板11同士が連結具
20,21で結合されることにより、両吸音装置12が
連結,固定されている。
【0022】図2に示されるごとく長尺の吸音装置12
は、単位ユニットたる全長Lを複数区分する位置、図示
例では4区分する位置A,B,Cの多孔板1の内面に補
強材22が内装されて前記固着部9と一体に結合されて
いる。
【0023】また単一ユニットたる吸音装置12は隣接
する吸音装置23,24と連結板25で連結され、該連
結板25は遮音壁15側にブラケット26で固定されて
いる。
【0024】図1から明かなごとく、左右の吸音装置1
2は対称構造とされているので、図1において、右側の
吸音装置12のみを製作し、対称的な逆向きに遮音壁1
5の上端外側に固着することにより、吸音装置12を有
する遮音壁15を構築できる。
【0025】また個々の吸音装置12において、頂壁部
7を予め長い延出長さに製作しておけば、遮音壁15の
厚さDに対応して頂壁部7の延出長さをカットすること
により単一構造の吸音装置12であるにも拘らず、厚さ
の異なる各種の直壁状の遮音壁15に固着できる。
【0026】図1,図2に示す実施例では遮音壁15の
上端外側に、吸音装置12の下壁部5の内側の固着部9
が結合され、両者が固着されているが、吸音装置12と
遮音壁15との固着部位と固着構造とは図示構造に限定
されるものではなく、両者が強固に、かつ比較的容易に
固着される限り、如何なる部位の如何なる固着構造であ
ってもよいことは勿論である。
【0027】図3は、請求項1および請求項2の発明を
併せ実施した第2の例を示しており、第1の例の吸音装
置12と同一構成の吸音装置51を、既設の遮音壁52
の上端53より下方の部位に固着し、吸音装置51の頂
壁部54の最上部55の位置が、遮音壁51の制限高さ
Hの許容範囲内に位置するようにした例である。
【0028】図4は、請求項3の発明の実施の1例を示
しており、図1および図2に示される吸音装置12と同
一構造の吸音装置27,28が遮音壁29の上端外側に
固着されているが、吸音装置27,28は、頂壁部3
0,31の閉塞板32,33で閉塞されている端面が間
隙Wを存して対峙させられている。
【0029】また遮音壁29の上端34と、左右の吸音
装置27,28の各内側面35,36とで囲まれた部分
が空間部38とされている。
【0030】前記間隙Wは、空間部38に配置したプラ
ンター37に植え込まれた植物39が育成し、伸びると
共に、雨水等がプランター37内へ流入する空隙として
も機能するが植物の植栽は必須ではない。
【0031】図示例の吸音装置12は、図2に一部破断
面として示されているごとく、吸音材3の外表面がポリ
塩化ビニルフィルム40で被覆され、更にその外表面に
ガラスクロス41が貼設されて保護されているが、かか
る保護構造に限定されるものではない。
【0032】請求項3の発明に係る吸音装置27,28
を付設された遮音壁29の遮音効果を、図5に示される
条件で測定し、同時に図6に示される従来の遮音壁との
遮音効果の比較を行ったところ、図7ないし図8に示さ
れる結果が得られた。
【0033】すなわち、図5に示されるごとく、地上高
約8mの2車線の高架道路(見なされる建造物)の路肩
に遮音壁42を立設し、遮音壁42から5m離れた一方
の車線中央と、10m離れた他方の車線中央とにスピカ
ー44,45を配置し、走行車両の最多時の騒音を各別
に放射した。
【0034】他方、遮音壁42の直下からそれぞれ1
m,5m,10m,15m,20m,40mおよび80
m離間した地上1.2mの高さの位置に騒音測定器を配
置し、遮音壁42として、図6に示す高さH1が1mの
鋼板製直壁状の遮音壁46と、高さH2が1.5mの同
質の遮音壁47と、同質の遮音壁の上端に中空円筒状の
吸音装置48を固着し、高さH3を1.5mとした遮音
壁49と、前記請求項3の発明に係る植栽した高さH4
が1.5mの遮音壁50とを、図5に示される遮音壁4
2に代えて立設した各ケースについて、騒音を測定した
ところ、図7,図8に示す測定結果が得られ、平均して
図9に示す遮音効果が得られた。
【0035】図7,図8および図9の測定結果から、請
求項3の発明によると、平均して3dB(A)前後程度
の減音効果が得られることが確認され、この減音効果
は、請求項2の発明においても同様であった。
【0036】
【発明の効果】請求項1の発明では、単一構造の吸音装
置を製作すれば、取付姿勢を対称形状とするのみで遮音
壁両側への固着が可能となり、また頂壁部の延出長さを
長く設定しておけば、厚さに差の存する複数種の遮音壁
に対し、頂壁部の長さのカットのみにより、正確に固着
できるので、吸音装置のコストを低くしうる効果があ
る。
【0037】また既設の遮音壁への固着は、該遮音壁へ
のボルト等のアークスタッド溶接と、これに対応する吸
音装置の下端の固着部分の係合等の簡単な構造のみによ
り達成できるので、固着構造の簡略化と固着作業の容易
化とが可能となる利点もある。
【0038】請求項2の発明は、遮音壁の上端に連続す
る吸音装置が下壁部に連続する断面半円弧状に膨出する
庇部と、庇部に連続する緩凸弧状の頂壁部とで構成さ
れ、直壁状の遮音壁との意匠的なまとまりが良く、固定
バンド等も不必要となり、外観も良好となる効果があ
る。
【0039】また吸音装置の外表面が多孔板で覆われ、
この吸音装置が断面半円弧状に膨出する庇部と、庇部に
連続する緩凸弧状の頂壁部とを有するので、遮音壁上端
を回折する騒音の吸収,消去機能が大きく、騒音の回折
を防止できる効果を奏する。
【0040】請求項3の発明によると、遮音,防音の効
果の低下を招くことなく、遮音壁部分の緑化を図ること
ができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項2の発明の実施の一例の要部の縦断面図
である。
【図2】図1に示すものの一部の側面図である。
【図3】請求項2の発明の別の実施例の要部縦断面図で
ある。
【図4】請求項3の発明の実施の一例の略示斜面図であ
る。
【図5】騒音測定手段の略示縦断面図である。
【図6】騒音測定時に用いた遮音壁の例示図である。
【図7】スピーカー44を使用した際の測定結果の線図
である。
【図8】スピーカー45を使用した際の測定結果の線図
である。
【図9】図7および図8に示される測定結果の平均値を
示す線図である。
【符号の説明】
1 多孔板 2 内面板 3 吸音材 4 吸音体 5 下壁部 6 庇部 7 頂壁部 9 固着部 10 端面 11 閉塞板 12 吸音装置 15 遮音壁 20,21 連結具 38 空間部 W 間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 貢平 東京都国分寺市富士本1ー6ー33 (72)発明者 古田 直行 東京都杉並区方南2ー12ー5ー101

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外側面の多孔板と内側面の内面板とで吸
    音材が挟持されている吸音体が、概ね上下方向に立ち上
    がる下壁部と、該下壁部上部から側方へ断面略半円弧状
    に膨出する庇部と、庇部の上端から庇部の膨出方向と逆
    方向へ、前記下壁部を超えて延出させられた緩凸弧状の
    頂壁部とよりなる長尺材とされており、前記下壁部の下
    端には、既設の遮音壁への固着部が形成され、前記頂壁
    部の端面には、閉塞板が固着されている遮音壁用吸音装
    置。
  2. 【請求項2】 外側面の多孔板と内側面とで吸音材が挟
    持されている吸音体が、概ね上下方向に立ち上がる下壁
    部と、該下壁部上部から側方へ断面略半円弧状に膨出す
    る庇部と、庇部の上端から庇部の膨出方向と逆方向へ、
    前記下壁部を超えて延出させられた緩凸弧状の頂壁部と
    よりなる長尺材とされており、前記下壁部の下端に遮音
    壁に対する固着部が形成されている遮音壁用の吸音装置
    が遮音壁に固着されると共に、対称の同一形状の遮音壁
    用の吸音装置が遮音壁の反対側に固着され、互いに対向
    する前記頂壁の端面の閉塞板同士が結合具で一体に連
    結,固定されている遮音壁。
  3. 【請求項3】 遮音壁上端に固着された左右の両吸音装
    置の互いに対向する頂壁部の端面間に間隙が形成され、
    遮音壁上端と、左右の吸音装置の内側面との間が空間部
    とされている請求項2記載の遮音壁。
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