JPH06234965A - 硬化性粘着剤及びシートもしくはテープ - Google Patents
硬化性粘着剤及びシートもしくはテープInfo
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- JPH06234965A JPH06234965A JP2306293A JP2306293A JPH06234965A JP H06234965 A JPH06234965 A JP H06234965A JP 2306293 A JP2306293 A JP 2306293A JP 2306293 A JP2306293 A JP 2306293A JP H06234965 A JPH06234965 A JP H06234965A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】接合時には粘着性を有し、貼り合わせた後は硬
化して強固な接着力を示す硬化性粘着シートを提供する
ものである。 【構成】粘着性ゴム系樹脂(A)100重量部、共役二
重結合を有し酸素吸収能と過酸化物生成能を併せ持ち、
酸素吸収量が0.1〜3.0%(吸収酸素重量/重
量)、活性酸素量が0.01〜1.0%(活性酸素重量
/重量)である化合物(B)30〜150重量部、更に
必要に応じて、エチレン性不飽和基を有するモノマーも
しくはオリゴマー(C)を、化合物(B)の活性酸素1
モルに対し、化合物(C)のエチレン性不飽和基が0モ
ルより多く140モルより小さくなるよう配合してなる
ことを特徴とする硬化性粘着剤、及びこれを塗工してな
るシートもしくはテープ。
化して強固な接着力を示す硬化性粘着シートを提供する
ものである。 【構成】粘着性ゴム系樹脂(A)100重量部、共役二
重結合を有し酸素吸収能と過酸化物生成能を併せ持ち、
酸素吸収量が0.1〜3.0%(吸収酸素重量/重
量)、活性酸素量が0.01〜1.0%(活性酸素重量
/重量)である化合物(B)30〜150重量部、更に
必要に応じて、エチレン性不飽和基を有するモノマーも
しくはオリゴマー(C)を、化合物(B)の活性酸素1
モルに対し、化合物(C)のエチレン性不飽和基が0モ
ルより多く140モルより小さくなるよう配合してなる
ことを特徴とする硬化性粘着剤、及びこれを塗工してな
るシートもしくはテープ。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、接合時には粘着性を有
し、被着体に仮接着でき、貼り合わせただけで硬化して
強固な接着力を示す硬化性粘着シートもしくはテープ
(以下シートとする)に関する。現在、粘着シートが使
用されている分野の中では、高い接着信頼性が要求さ
れ、粘着シートでは信頼性に不安を感じながら使用して
いる用途が、この硬化性粘着シートに適している。一
方、従来、接着剤が使用されている分野では、シートに
加工されたことによる利便性が生きる用途や、接着剤の
使用による作業環境の悪化などが懸念される用途の代替
に適している。
し、被着体に仮接着でき、貼り合わせただけで硬化して
強固な接着力を示す硬化性粘着シートもしくはテープ
(以下シートとする)に関する。現在、粘着シートが使
用されている分野の中では、高い接着信頼性が要求さ
れ、粘着シートでは信頼性に不安を感じながら使用して
いる用途が、この硬化性粘着シートに適している。一
方、従来、接着剤が使用されている分野では、シートに
加工されたことによる利便性が生きる用途や、接着剤の
使用による作業環境の悪化などが懸念される用途の代替
に適している。
【0002】
【従来の技術】接合時には粘着性を有し、被着体に容易
に仮接着でき、貼り付けた後は徐々に硬化して強固な接
着力を示す硬化性粘着シートには、空気中の湿気や被着
体の水分で硬化する湿気硬化型(特公昭47−4401
7号公報、特公昭49−5895号公報、特開昭54−
64536号公報、特開昭58−171460号公報、
特開昭59−58071号公報、特開昭61−1452
68号公報、特開昭61−148281号公報)、空気
を遮断することによって硬化する嫌気硬化型(特公昭5
8−12918号公報、特開昭59−199784号公
報、特開昭59−199785号公報、特開昭60−6
773号公報、特開昭60−11568号公報、特開昭
60−13868号公報)がある。
に仮接着でき、貼り付けた後は徐々に硬化して強固な接
着力を示す硬化性粘着シートには、空気中の湿気や被着
体の水分で硬化する湿気硬化型(特公昭47−4401
7号公報、特公昭49−5895号公報、特開昭54−
64536号公報、特開昭58−171460号公報、
特開昭59−58071号公報、特開昭61−1452
68号公報、特開昭61−148281号公報)、空気
を遮断することによって硬化する嫌気硬化型(特公昭5
8−12918号公報、特開昭59−199784号公
報、特開昭59−199785号公報、特開昭60−6
773号公報、特開昭60−11568号公報、特開昭
60−13868号公報)がある。
【0003】しかし、いずれの硬化性粘着シートもそれ
ぞれ大きな問題を持っている。すなわち、湿気硬化型は
使用時まで乾燥状態で保存する必要があり、製造にも特
別な設備を必要とする。光硬化型は光を透過する透明フ
ィルム使用のシートでしか使用できない。嫌気硬化型は
常に空気に接触するような保存状態を必要とし、硬化性
をよくしようとすれば、保存性が劣るというように、保
存安定性と硬化性のバランスをとるのが難しかった。最
も理想的な硬化性粘着シートは、何のエネルギーも加え
ることなしに、貼り付けただけで硬化し接着するもので
ある。湿気硬化型や嫌気硬化型はこれにあたるが、通常
の粘着シートでこのような機能を発現させることは保存
性の点で非常に難しく、できたとしても硬化性とのバラ
ンスに欠ける中途半端なものしかできなかった。
ぞれ大きな問題を持っている。すなわち、湿気硬化型は
使用時まで乾燥状態で保存する必要があり、製造にも特
別な設備を必要とする。光硬化型は光を透過する透明フ
ィルム使用のシートでしか使用できない。嫌気硬化型は
常に空気に接触するような保存状態を必要とし、硬化性
をよくしようとすれば、保存性が劣るというように、保
存安定性と硬化性のバランスをとるのが難しかった。最
も理想的な硬化性粘着シートは、何のエネルギーも加え
ることなしに、貼り付けただけで硬化し接着するもので
ある。湿気硬化型や嫌気硬化型はこれにあたるが、通常
の粘着シートでこのような機能を発現させることは保存
性の点で非常に難しく、できたとしても硬化性とのバラ
ンスに欠ける中途半端なものしかできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、何のエネル
ギーも加えることなく貼り合わせただけで硬化する硬化
性粘着剤シートを提供するものであり、シートとした場
合の保存安定性と硬化性の両方に優れた硬化性粘着シー
トの提供を目的としている。更に、二つの被着体の片方
に硬化性粘着シートの粘着面を貼り付け、剥離ライナー
を付けたまま、打ち抜きなどの加工を行なった後、剥離
ライナーを剥してもう一つの被着体と貼り合わせるとい
う接着方法を想定し、二つの被着体を貼り合わされるま
では、室温で雰囲気中に放置されても硬化が進まず、貼
り合わせてはじめて、硬化が進行し接着するという性能
を具備することを目的としている。従来、シートに加工
した場合の保存安定性と硬化性は、二律背反の関係にあ
り、硬化性を良くしようとすれば保存安定性が劣り、保
存安定性を良くすれば硬化性が劣るというように、実用
的に使用できるレベルの性能を有するものは存在しなか
った。
ギーも加えることなく貼り合わせただけで硬化する硬化
性粘着剤シートを提供するものであり、シートとした場
合の保存安定性と硬化性の両方に優れた硬化性粘着シー
トの提供を目的としている。更に、二つの被着体の片方
に硬化性粘着シートの粘着面を貼り付け、剥離ライナー
を付けたまま、打ち抜きなどの加工を行なった後、剥離
ライナーを剥してもう一つの被着体と貼り合わせるとい
う接着方法を想定し、二つの被着体を貼り合わされるま
では、室温で雰囲気中に放置されても硬化が進まず、貼
り合わせてはじめて、硬化が進行し接着するという性能
を具備することを目的としている。従来、シートに加工
した場合の保存安定性と硬化性は、二律背反の関係にあ
り、硬化性を良くしようとすれば保存安定性が劣り、保
存安定性を良くすれば硬化性が劣るというように、実用
的に使用できるレベルの性能を有するものは存在しなか
った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、粘着性ゴム系
樹脂(A)100重量部、及び共役二重結合を有し酸素
吸収能と過酸化物生成能を併せ持ち、酸素吸収量が0.
1〜3.0%(吸収酸素重量/重量)、活性酸素量が
0.01〜1.0%(活性酸素重量/重量)である化合
物(B)30〜150重量部からなることを特徴とする
硬化性粘着剤であり、この粘着剤を塗工して得られるシ
ートは、貼り合わせただけで硬化する特性と、硬化させ
る前のシートとしての保存安定性を兼ね備えている。更
に、粘着性ゴム系樹脂(A)100重量部、化合物
(B)30〜150重量部に、エチレン性不飽和基を有
するモノマーもしくはオリゴマー(C)を、化合物
(B)の活性酸素1モルに対し、化合物(C)のエチレ
ン性不飽和基が0〜140モル配合してなることを特徴
とする硬化性粘着剤を塗工して得られる硬化性粘着シー
トに関する。
樹脂(A)100重量部、及び共役二重結合を有し酸素
吸収能と過酸化物生成能を併せ持ち、酸素吸収量が0.
1〜3.0%(吸収酸素重量/重量)、活性酸素量が
0.01〜1.0%(活性酸素重量/重量)である化合
物(B)30〜150重量部からなることを特徴とする
硬化性粘着剤であり、この粘着剤を塗工して得られるシ
ートは、貼り合わせただけで硬化する特性と、硬化させ
る前のシートとしての保存安定性を兼ね備えている。更
に、粘着性ゴム系樹脂(A)100重量部、化合物
(B)30〜150重量部に、エチレン性不飽和基を有
するモノマーもしくはオリゴマー(C)を、化合物
(B)の活性酸素1モルに対し、化合物(C)のエチレ
ン性不飽和基が0〜140モル配合してなることを特徴
とする硬化性粘着剤を塗工して得られる硬化性粘着シー
トに関する。
【0006】本発明の硬化性粘着シートは被着体を貼り
合わせた後、樹脂を硬化させ接着を発現させるものであ
る。従って、樹脂の硬化による接着という点では、従来
からある硬化性粘着シートとあまり変わらない。しか
し、本発明の硬化様式は、従来からある様式とは全く異
なる新規硬化機構から構成されるものであり、この硬化
機構を更に詳細に検討した結果、本発明の硬化性粘着シ
ートを見出すに至った。本発明の硬化機構は、共役二重
結合を有する化合物を組成物の一つとした場合に特有の
ものであり、共役二重結合部分の活発な反応性を利用し
たものである。共役二重結合に関する反応には多くの反
応があるが、本発明で最も重要な反応は、空気中の酸素
を吸収する酸化反応と、ディールスアルダー反応であ
る。特に、共役二重結合部分の自動酸化は、有機過酸化
物を徐々に生成し、活性酸素を系内に蓄積する。有機過
酸化物の分解によりラジカルを発生し、このラジカルが
樹脂の架橋反応や不飽和結合の反応を開始させ、樹脂の
硬化を起さしめる。しかし、自動酸化の速度は、共役二
重結合を有している化合物といえども、室温での加工さ
れた粘着シート内の固相反応であるため、非常に緩やか
である。これは、酸素の吸収酸化、過酸化物の生成、分
解、ラジカルによる樹脂の硬化まで一貫して非常に遅い
反応といえる。一方、周辺酸素を吸収する自動酸化反応
の過程で生成した有機過酸化物の分解によるラジカル
は、被着体に貼り合わされた場合、周辺酸素に消費され
ることなく、硬化反応に対し有効に寄与する。しかしな
がら、被着体を貼り合わせずシートとして保存している
間は、生成した有機過酸化物より発生するラジカルは、
粘着層や剥離ライナーが有している微量の空気で消費さ
れ、硬化を起こさせるほどの量には到達せず、樹脂の硬
化反応は起こらない。被着体同士が貼り合わされてはじ
めて、酸素の供給が遮断され周辺酸素が完全に消費され
て、不飽和樹脂へのラジカルの寄与が旺盛になり、硬化
反応を引き起こす。従って、被着体を貼り合わされるま
では、非常に遅い速度ではあるが、有機過酸化物の生成
と分解が絶えず繰り返される。しかし、化合物(B)は
大量に存在するため、保存中に完全に酸化されるまでに
は至らず、硬化性は維持される。
合わせた後、樹脂を硬化させ接着を発現させるものであ
る。従って、樹脂の硬化による接着という点では、従来
からある硬化性粘着シートとあまり変わらない。しか
し、本発明の硬化様式は、従来からある様式とは全く異
なる新規硬化機構から構成されるものであり、この硬化
機構を更に詳細に検討した結果、本発明の硬化性粘着シ
ートを見出すに至った。本発明の硬化機構は、共役二重
結合を有する化合物を組成物の一つとした場合に特有の
ものであり、共役二重結合部分の活発な反応性を利用し
たものである。共役二重結合に関する反応には多くの反
応があるが、本発明で最も重要な反応は、空気中の酸素
を吸収する酸化反応と、ディールスアルダー反応であ
る。特に、共役二重結合部分の自動酸化は、有機過酸化
物を徐々に生成し、活性酸素を系内に蓄積する。有機過
酸化物の分解によりラジカルを発生し、このラジカルが
樹脂の架橋反応や不飽和結合の反応を開始させ、樹脂の
硬化を起さしめる。しかし、自動酸化の速度は、共役二
重結合を有している化合物といえども、室温での加工さ
れた粘着シート内の固相反応であるため、非常に緩やか
である。これは、酸素の吸収酸化、過酸化物の生成、分
解、ラジカルによる樹脂の硬化まで一貫して非常に遅い
反応といえる。一方、周辺酸素を吸収する自動酸化反応
の過程で生成した有機過酸化物の分解によるラジカル
は、被着体に貼り合わされた場合、周辺酸素に消費され
ることなく、硬化反応に対し有効に寄与する。しかしな
がら、被着体を貼り合わせずシートとして保存している
間は、生成した有機過酸化物より発生するラジカルは、
粘着層や剥離ライナーが有している微量の空気で消費さ
れ、硬化を起こさせるほどの量には到達せず、樹脂の硬
化反応は起こらない。被着体同士が貼り合わされてはじ
めて、酸素の供給が遮断され周辺酸素が完全に消費され
て、不飽和樹脂へのラジカルの寄与が旺盛になり、硬化
反応を引き起こす。従って、被着体を貼り合わされるま
では、非常に遅い速度ではあるが、有機過酸化物の生成
と分解が絶えず繰り返される。しかし、化合物(B)は
大量に存在するため、保存中に完全に酸化されるまでに
は至らず、硬化性は維持される。
【0007】シートの保存安定性と硬化性を両立させる
ためには、化合物(B)の酸素吸収能と有機過酸化物生
成能が適切なレベルでなければならない。酸素吸収能及
び有機過酸化物生成能が大きすぎると、シートとして保
存中に有機過酸化物を過剰に生成し、周辺酸素によるラ
ジカル消費では追随できず硬化してしまう。小さすぎる
とほとんど硬化しなかったり硬化時間が長すぎて実用的
に使用できなくなる。共役二重結合より生成する有機過
酸化物は殆どハイドロパーオキサイドであると推定され
るが、化合物(B)の酸素吸収能や有機過酸化物生成能
のレベルは適切である必要がある。
ためには、化合物(B)の酸素吸収能と有機過酸化物生
成能が適切なレベルでなければならない。酸素吸収能及
び有機過酸化物生成能が大きすぎると、シートとして保
存中に有機過酸化物を過剰に生成し、周辺酸素によるラ
ジカル消費では追随できず硬化してしまう。小さすぎる
とほとんど硬化しなかったり硬化時間が長すぎて実用的
に使用できなくなる。共役二重結合より生成する有機過
酸化物は殆どハイドロパーオキサイドであると推定され
るが、化合物(B)の酸素吸収能や有機過酸化物生成能
のレベルは適切である必要がある。
【0008】請求項1の粘着性ゴム系樹脂(A)と化合
物(B)からなる硬化性粘着剤では、化合物(B)から
誘導されたラジカルが粘着性ゴム系樹脂(A)に作用
し、架橋反応を起こし硬化する。あるいは化合物(B)
自体が架橋剤となって反応していることも考えられる。
請求項2は、請求項1の組成にエチレン性不飽和基を有
する化合物(C)を加えた硬化性粘着剤であるが、硬化
様式は請求項1の場合と同様、化合物(B)が周辺酸素
を吸収して酸化し、有機過酸化物を生成して、その分解
により発生したラジカルが、粘着性ゴム系樹脂(A)、
化合物(C)に作用し、硬化反応を引き起こす。特に、
化合物(C)のエチレン性不飽和基に直接作用し、ラジ
カル重合により硬化する。更に、請求項2の発明では、
有機過酸化物による反応以外に、共役二重結合部分とエ
チレン性不飽和基の間でディールスアルダー反応が旺盛
になり、分子量の増大による効果も硬化に寄与する。
物(B)からなる硬化性粘着剤では、化合物(B)から
誘導されたラジカルが粘着性ゴム系樹脂(A)に作用
し、架橋反応を起こし硬化する。あるいは化合物(B)
自体が架橋剤となって反応していることも考えられる。
請求項2は、請求項1の組成にエチレン性不飽和基を有
する化合物(C)を加えた硬化性粘着剤であるが、硬化
様式は請求項1の場合と同様、化合物(B)が周辺酸素
を吸収して酸化し、有機過酸化物を生成して、その分解
により発生したラジカルが、粘着性ゴム系樹脂(A)、
化合物(C)に作用し、硬化反応を引き起こす。特に、
化合物(C)のエチレン性不飽和基に直接作用し、ラジ
カル重合により硬化する。更に、請求項2の発明では、
有機過酸化物による反応以外に、共役二重結合部分とエ
チレン性不飽和基の間でディールスアルダー反応が旺盛
になり、分子量の増大による効果も硬化に寄与する。
【0009】以上の硬化反応は、嫌気硬化と類似してい
るが、硬化性粘着シートを構成する組成物の面より見る
と全く異なるものである。その作用効果も、従来の嫌気
性硬化シートとは異なり、今まで両立が困難であった保
存安定性と硬化性の両方とも本発明の硬化性粘着シート
では確保できるようになった。従来、嫌気硬化性組成物
として知られているものは、特公昭61−45674号
公報、特公平2−5791号公報などで例示されている
ように、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、エポキシアクリレートなどの(メタ)アクリロイル
基を有する重合性単量体ないしはオリゴマーに、ベンゾ
イルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドなど
の有機過酸化物、必要であれば促進剤や安定剤などの成
分を加えたものである。この組成でも有機過酸化物の分
解によりラジカルを発生し硬化反応は起こるが、保存安
定性と硬化性の二律背反を解消できず、シートとしての
保存安定性を確保することは困難である。これに対し本
発明では、化合物(B)が周辺酸素を吸収し、自ら酸素
欠乏状態を作り出す役割と有機過酸化物を生成する役割
の両方を果たし、徐々に有機過酸化物の生成と分解を継
続的に繰り返すという巧妙な仕組みにより、保存安定性
と硬化性の二律背反を解消できるようになった。更に、
本発明では、常温でのディールスアルダー反応など共役
二重結合を有する化合物に特有の反応を起こすことによ
って、硬化を進める点で、従来からある嫌気硬化性組成
物及びそれからなるシートとは完全に一線を画するもの
である。また、粘着性ゴム系樹脂(A)、化合物(B)
および化合物(C)は、粘着性ゴム系樹脂(A)をマト
リックスとするミクロ相分離構造を形成し、化合物
(B)、化合物(C)を球状粒子とした海島構造として
存在するため、酸素の供給も極めて穏やかで、空気酸化
も緩慢であるため、ラジカルの急激な増加も抑えられ
る。これがシートとしての保存安定性と硬化性との両立
に大きく寄与している。
るが、硬化性粘着シートを構成する組成物の面より見る
と全く異なるものである。その作用効果も、従来の嫌気
性硬化シートとは異なり、今まで両立が困難であった保
存安定性と硬化性の両方とも本発明の硬化性粘着シート
では確保できるようになった。従来、嫌気硬化性組成物
として知られているものは、特公昭61−45674号
公報、特公平2−5791号公報などで例示されている
ように、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、エポキシアクリレートなどの(メタ)アクリロイル
基を有する重合性単量体ないしはオリゴマーに、ベンゾ
イルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイドなど
の有機過酸化物、必要であれば促進剤や安定剤などの成
分を加えたものである。この組成でも有機過酸化物の分
解によりラジカルを発生し硬化反応は起こるが、保存安
定性と硬化性の二律背反を解消できず、シートとしての
保存安定性を確保することは困難である。これに対し本
発明では、化合物(B)が周辺酸素を吸収し、自ら酸素
欠乏状態を作り出す役割と有機過酸化物を生成する役割
の両方を果たし、徐々に有機過酸化物の生成と分解を継
続的に繰り返すという巧妙な仕組みにより、保存安定性
と硬化性の二律背反を解消できるようになった。更に、
本発明では、常温でのディールスアルダー反応など共役
二重結合を有する化合物に特有の反応を起こすことによ
って、硬化を進める点で、従来からある嫌気硬化性組成
物及びそれからなるシートとは完全に一線を画するもの
である。また、粘着性ゴム系樹脂(A)、化合物(B)
および化合物(C)は、粘着性ゴム系樹脂(A)をマト
リックスとするミクロ相分離構造を形成し、化合物
(B)、化合物(C)を球状粒子とした海島構造として
存在するため、酸素の供給も極めて穏やかで、空気酸化
も緩慢であるため、ラジカルの急激な増加も抑えられ
る。これがシートとしての保存安定性と硬化性との両立
に大きく寄与している。
【0010】本発明の硬化性粘着シートにおいて、粘着
性ゴム系樹脂(A)とは、粘着性アクリルポリマー、天
然および合成のシス−1、4−ポリイソプレンゴム、ブ
チルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、部分加硫ブチルゴ
ム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマ
ー(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
クコポリマー(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレ
ン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、シリコ
ンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブタジエン
ゴムなどの、粘着剤用ゴム系樹脂として用いられている
ものであり、いわゆるエラストマーと称されているポリ
マーである。とりわけ、粘着性アクリルポリマーは、構
造、分子量とも自在に製造することができ、化合物
(B)、化合物(C)と良好なミクロ相分離構造を形成
し、本発明の粘着性ゴム系樹脂(A)には好適である。
粘着性アクリルポリマーとは、水酸基、三級アミノ基、
カルボキシル基、アミド基、ニトリル基などの官能基を
有するものであり、一般に粘着剤用アクリル樹脂として
用いられているものである。これらの官能基を有するア
クリルポリマーは、水酸基、三級アミノ基、カルボキシ
ル基、アミド基、ニトリル基などを有するモノマーのう
ちの一種または数種と、アルキル(メタ)アクリレー
ト、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルエーテ
ル、スチレンなどのモノマーとの共重合体などである。
性ゴム系樹脂(A)とは、粘着性アクリルポリマー、天
然および合成のシス−1、4−ポリイソプレンゴム、ブ
チルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、部分加硫ブチルゴ
ム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマ
ー(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
クコポリマー(SIS)、スチレン−エチレン−ブチレ
ン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、シリコ
ンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブタジエン
ゴムなどの、粘着剤用ゴム系樹脂として用いられている
ものであり、いわゆるエラストマーと称されているポリ
マーである。とりわけ、粘着性アクリルポリマーは、構
造、分子量とも自在に製造することができ、化合物
(B)、化合物(C)と良好なミクロ相分離構造を形成
し、本発明の粘着性ゴム系樹脂(A)には好適である。
粘着性アクリルポリマーとは、水酸基、三級アミノ基、
カルボキシル基、アミド基、ニトリル基などの官能基を
有するものであり、一般に粘着剤用アクリル樹脂として
用いられているものである。これらの官能基を有するア
クリルポリマーは、水酸基、三級アミノ基、カルボキシ
ル基、アミド基、ニトリル基などを有するモノマーのう
ちの一種または数種と、アルキル(メタ)アクリレー
ト、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルエーテ
ル、スチレンなどのモノマーとの共重合体などである。
【0011】水酸基を有するモノマーとしては、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリ
ルアミドなどがあり、三級アミノ基を有するモノマーと
しては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどを挙げ
ることができる。カルボキシル基を有するモノマーとし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などがあ
る。アミド基を有するモノマーとしては、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルア
ミドなどがある。ニトリル基を有するモノマーとしては
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロトノニト
リル、フマロニトリルなどがある。また、アルキル(メ
タ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレー
トブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレ
ートがある。その他、一般にアクリルポリマーの合成に
用いられるモノマーを本発明のポリマーの合成にも用い
ることができる。
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリ
ルアミドなどがあり、三級アミノ基を有するモノマーと
しては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどを挙げ
ることができる。カルボキシル基を有するモノマーとし
ては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸などがあ
る。アミド基を有するモノマーとしては、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルア
ミドなどがある。ニトリル基を有するモノマーとしては
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、クロトノニト
リル、フマロニトリルなどがある。また、アルキル(メ
タ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレー
トブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル
(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレ
ートがある。その他、一般にアクリルポリマーの合成に
用いられるモノマーを本発明のポリマーの合成にも用い
ることができる。
【0012】反応は通常のラジカル重合であり、反応方
法に何等制限はなく、溶液重合、塊状重合、乳化重合な
どの公知の重合法で行なうことができるが、反応のコン
トロールが容易であることや直接次の操作に移れること
から溶液重合が好ましい。溶媒としては、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、セロソル
ブ、酢酸エチル、酢酸ブチルなど本発明の樹脂が溶解す
るものであれば何でもよく、単独でも、複数の溶媒を混
合してもよい。また、重合反応の際に使用される重合開
始剤もベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサ
イド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチ
ロニトリルなどのアゾ系開始剤など公知のものであれば
何でもよく、とくに制限はない。
法に何等制限はなく、溶液重合、塊状重合、乳化重合な
どの公知の重合法で行なうことができるが、反応のコン
トロールが容易であることや直接次の操作に移れること
から溶液重合が好ましい。溶媒としては、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、セロソル
ブ、酢酸エチル、酢酸ブチルなど本発明の樹脂が溶解す
るものであれば何でもよく、単独でも、複数の溶媒を混
合してもよい。また、重合反応の際に使用される重合開
始剤もベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサ
イド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ラウロイル
パーオキサイドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチ
ロニトリルなどのアゾ系開始剤など公知のものであれば
何でもよく、とくに制限はない。
【0013】本発明の化合物(B)は、共役二重結合を
有し、酸素吸収能と有機過酸化物生成能を併せ持ち、酸
素吸収量が0.1〜3.0%(吸収酸素重量/重量)、
活性酸素量が0.01〜1.0%(活性酸素重量/重
量)である化合物である。酸素吸収量及び活性酸素量は
以下の方法で測定したものである。 1)酸素吸収量の測定:化合物(B)を、25℃、30
0±25psi、168時間の条件下において、その重
量増加を測定する。試料は、粉砕して200〜300メ
ッシュとするか、20〜50μmの薄膜とする。 2)活性酸素量の測定:化合物(B)をクロロホルムに
溶解し、還元剤として過剰のヨウ化カリウム溶液を加
え、遊離したヨウ素をチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定す
る。必要に応じて氷酢酸、メタノールを加える。試料
は、粉砕して200〜300メッシュとするか、20〜
50μmの薄膜とし、60℃、10日間放置した直後に
測定する。
有し、酸素吸収能と有機過酸化物生成能を併せ持ち、酸
素吸収量が0.1〜3.0%(吸収酸素重量/重量)、
活性酸素量が0.01〜1.0%(活性酸素重量/重
量)である化合物である。酸素吸収量及び活性酸素量は
以下の方法で測定したものである。 1)酸素吸収量の測定:化合物(B)を、25℃、30
0±25psi、168時間の条件下において、その重
量増加を測定する。試料は、粉砕して200〜300メ
ッシュとするか、20〜50μmの薄膜とする。 2)活性酸素量の測定:化合物(B)をクロロホルムに
溶解し、還元剤として過剰のヨウ化カリウム溶液を加
え、遊離したヨウ素をチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定す
る。必要に応じて氷酢酸、メタノールを加える。試料
は、粉砕して200〜300メッシュとするか、20〜
50μmの薄膜とし、60℃、10日間放置した直後に
測定する。
【0014】本発明の化合物(B)としては、ロジン、
重合ロジン、及びその多価アルコールエステル、ブタジ
エン、シクロペンタジエンなどの環状ジエン類、フラン
類、不飽和高級脂肪酸、及びそのトリグリセリドなどが
ある。とりわけ、ロジン、重合ロジン、及びその多価ア
ルコールエステルは、共役二重結合部分の酸素吸収能や
有機過酸化物生成能が最適であり、本発明の化合物
(B)には好適である。ロジンには、ウッドロジン(酸
素吸収量:9.25%,活性酸素量:2.61%,以下
同様に記載)、ガムロジン、トール油ロジン、水添ロジ
ンなどがある。ロジンの多価アルコールエステルにはグ
リセリンエステル、ペンタエリスリトールエステルなど
があり、グリセリンエステルには、エステルガム8D
(5.05%,0.56%)、エステルガム8L−JA
(4.22%,0.51%,何れもハーキュリーズ社製
ロジングリセリンエステル)、ペンタエリスリトールエ
ステルには、ペンタリンA−JA(1.80%,0.1
0%)、ペンタリンA−J、エステルR−95、エステ
ルR−105(1.05%,0.56%)、ペンタリン
4850、ペンタリン4851(何れもハーキュリーズ
社製ロジンペンタエリスリトールエステル)などがあ
る。水添ロジンには、ステベライト、フォーラルAX
(何れもハーキュリーズ社製水添ロジン)などがある。
水添ロジンエステルとしては、水添ロジンのメチルエス
テル、トリエチレングリコールエステル、グリセリンエ
ステル、ペンタエリスリトールエステルなどがあり、水
添ロジンメチルエステルとしてはハーコリンD(ハーキ
ュリーズ社製)、水添ロジントリエチレングリコールエ
ステルとしては、ステベライトエステル3(ハーキュリ
ーズ社製)、水添ロジングリセリンエステルとしてはス
テベライトエステル5J(<0.10%,0.04
%)、ステベライトエステル7、ステベライトエステル
10(<0.10%,0.04%)、フォーラル85
(<0.10%,0.12%,何れもハーキュリーズ社
製水添ロジンエステル)、水添ロジンペンタエリスリト
ールエステルとしては、ペンタリンH(<0.10%,
0.26%)、フォーラル105(ハーキュリーズ社製
ペンタエリスリトールエステル)などがある。二塩基性
変性ロジンエステルとしては、ペンタリン4820、ペ
ンタリン4821、ペンタリン4740、ペンタリン8
30(何れもハーキュリーズ社製二塩基酸変性ロジンエ
ステル)などがある。重合ロジンには、ポリペール
(1.00%,0.06%)、ダイマレックス(0.3
0%,0.14%,何れもハーキュリーズ社製重合ロジ
ン)などがある。重合ロジンエステルとしては、重合ロ
ジンのグリセリンエステル及びペンタエリスリトールエ
ステルなどがあり、エステルガム10D(0.52%,
0.35%,ハーキュリーズ社製重合ロジングリセリン
エステル)、ペンタリンC−J、ペンタリンK、ペンタ
リン2590(0.30%,0.07%,何れもハーキ
ュリーズ社製重合ロジンペンタエリスリトールエステ
ル)などがある。
重合ロジン、及びその多価アルコールエステル、ブタジ
エン、シクロペンタジエンなどの環状ジエン類、フラン
類、不飽和高級脂肪酸、及びそのトリグリセリドなどが
ある。とりわけ、ロジン、重合ロジン、及びその多価ア
ルコールエステルは、共役二重結合部分の酸素吸収能や
有機過酸化物生成能が最適であり、本発明の化合物
(B)には好適である。ロジンには、ウッドロジン(酸
素吸収量:9.25%,活性酸素量:2.61%,以下
同様に記載)、ガムロジン、トール油ロジン、水添ロジ
ンなどがある。ロジンの多価アルコールエステルにはグ
リセリンエステル、ペンタエリスリトールエステルなど
があり、グリセリンエステルには、エステルガム8D
(5.05%,0.56%)、エステルガム8L−JA
(4.22%,0.51%,何れもハーキュリーズ社製
ロジングリセリンエステル)、ペンタエリスリトールエ
ステルには、ペンタリンA−JA(1.80%,0.1
0%)、ペンタリンA−J、エステルR−95、エステ
ルR−105(1.05%,0.56%)、ペンタリン
4850、ペンタリン4851(何れもハーキュリーズ
社製ロジンペンタエリスリトールエステル)などがあ
る。水添ロジンには、ステベライト、フォーラルAX
(何れもハーキュリーズ社製水添ロジン)などがある。
水添ロジンエステルとしては、水添ロジンのメチルエス
テル、トリエチレングリコールエステル、グリセリンエ
ステル、ペンタエリスリトールエステルなどがあり、水
添ロジンメチルエステルとしてはハーコリンD(ハーキ
ュリーズ社製)、水添ロジントリエチレングリコールエ
ステルとしては、ステベライトエステル3(ハーキュリ
ーズ社製)、水添ロジングリセリンエステルとしてはス
テベライトエステル5J(<0.10%,0.04
%)、ステベライトエステル7、ステベライトエステル
10(<0.10%,0.04%)、フォーラル85
(<0.10%,0.12%,何れもハーキュリーズ社
製水添ロジンエステル)、水添ロジンペンタエリスリト
ールエステルとしては、ペンタリンH(<0.10%,
0.26%)、フォーラル105(ハーキュリーズ社製
ペンタエリスリトールエステル)などがある。二塩基性
変性ロジンエステルとしては、ペンタリン4820、ペ
ンタリン4821、ペンタリン4740、ペンタリン8
30(何れもハーキュリーズ社製二塩基酸変性ロジンエ
ステル)などがある。重合ロジンには、ポリペール
(1.00%,0.06%)、ダイマレックス(0.3
0%,0.14%,何れもハーキュリーズ社製重合ロジ
ン)などがある。重合ロジンエステルとしては、重合ロ
ジンのグリセリンエステル及びペンタエリスリトールエ
ステルなどがあり、エステルガム10D(0.52%,
0.35%,ハーキュリーズ社製重合ロジングリセリン
エステル)、ペンタリンC−J、ペンタリンK、ペンタ
リン2590(0.30%,0.07%,何れもハーキ
ュリーズ社製重合ロジンペンタエリスリトールエステ
ル)などがある。
【0015】ロジンの中で、ウッドロジン、ガムロジ
ン、トール油ロジンは酸素吸収量が大き過ぎ、水添ロジ
ンは酸素吸収量が小さ過ぎる傾向があり、何れも単独で
は化合物(B)として使えない場合が多い。これらの多
価アルコールエステルも、酸素吸収量は同様の傾向を示
すが、適度な酸素吸収量を有するものもあり、エステル
R105などのようなロジンペンタエリスリトールエス
テルは化合物(B)として使用できる。重合ロジン及び
重合ロジン多価アルコールエステルは、概ね、酸素吸収
量が0.1〜3.0%(吸収酸素重量/化合物重量)、
活性酸素量も0.01〜1.0%(活性酸素重量/化合
物重量)であり、本発明の化合物(B)として適切なも
のが多い。特に好ましくは、ダイマレックスレジンのよ
うな重合ロジン、ペンタリンC−Jのような重合ロジン
ペンタエリスリトールエステルなどが化合物(B)とし
て好適である。酸素化合物(B)の添加量は、粘着性ゴ
ム系樹脂(A)100重量部に対し、30〜150重量
部であるが、40〜70重量部が保存安定性と硬化性の
両立に好ましい。なお、ロジン化合物は、粘着付与剤と
して使用できるが、本発明の使用目的は有機過酸化物生
成反応やディールスアルダー反応などその反応性にあ
り、従来の粘着付与剤としての使用法とは本質的に異な
るものである。
ン、トール油ロジンは酸素吸収量が大き過ぎ、水添ロジ
ンは酸素吸収量が小さ過ぎる傾向があり、何れも単独で
は化合物(B)として使えない場合が多い。これらの多
価アルコールエステルも、酸素吸収量は同様の傾向を示
すが、適度な酸素吸収量を有するものもあり、エステル
R105などのようなロジンペンタエリスリトールエス
テルは化合物(B)として使用できる。重合ロジン及び
重合ロジン多価アルコールエステルは、概ね、酸素吸収
量が0.1〜3.0%(吸収酸素重量/化合物重量)、
活性酸素量も0.01〜1.0%(活性酸素重量/化合
物重量)であり、本発明の化合物(B)として適切なも
のが多い。特に好ましくは、ダイマレックスレジンのよ
うな重合ロジン、ペンタリンC−Jのような重合ロジン
ペンタエリスリトールエステルなどが化合物(B)とし
て好適である。酸素化合物(B)の添加量は、粘着性ゴ
ム系樹脂(A)100重量部に対し、30〜150重量
部であるが、40〜70重量部が保存安定性と硬化性の
両立に好ましい。なお、ロジン化合物は、粘着付与剤と
して使用できるが、本発明の使用目的は有機過酸化物生
成反応やディールスアルダー反応などその反応性にあ
り、従来の粘着付与剤としての使用法とは本質的に異な
るものである。
【0016】エチレン性不飽和基を有するモノマーとし
ては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサ(メタ)アクリレートなどの多価アルコール類
のポリ(メタ)アクリレートあるいはモノ(メタ)アク
リレートがあり、オリゴマーとしては、数平均分子量が
400〜10000、好ましくは5000までポリエス
テル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシオ
リゴマー系、ポリサルファイド系、ポリカプロラクトン
系、ポリカーボネート系などのポリ(メタ)アクリレー
トあるいはモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。とりわけ、特開昭61−126128号公報に製造
方法が記載されている不飽和ポリエステルオリゴマー
は、水酸基を有する化合物、環状酸無水物、エチレン性
不飽和基を有するエポキシドを開環重合して得られるも
のであり、化合物(C)として好適である。
ては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサ(メタ)アクリレートなどの多価アルコール類
のポリ(メタ)アクリレートあるいはモノ(メタ)アク
リレートがあり、オリゴマーとしては、数平均分子量が
400〜10000、好ましくは5000までポリエス
テル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシオ
リゴマー系、ポリサルファイド系、ポリカプロラクトン
系、ポリカーボネート系などのポリ(メタ)アクリレー
トあるいはモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。とりわけ、特開昭61−126128号公報に製造
方法が記載されている不飽和ポリエステルオリゴマー
は、水酸基を有する化合物、環状酸無水物、エチレン性
不飽和基を有するエポキシドを開環重合して得られるも
のであり、化合物(C)として好適である。
【0017】化合物(C)の配合量は、化合物(B)の
活性酸素1モルに対し、化合物(C)のエチレン性不飽
和基が0モルよりも多く140モルよりも少なくなるこ
とが好ましい。化合物(B)の活性酸素1モルに対し、
化合物(C)のエチレン性不飽和基が140モルより多
くなると、硬化性が乏しくなり、粘着特性と接着特性の
バランスも悪くなる。シートの保存安定性と硬化性の両
立及び硬化前の粘着特性と硬化後の接着特性の両立を図
るためには、粘着性ゴム系樹脂(A)、化合物(B)、
化合物(C)が、粘着性ゴム系樹脂(A)をマトリック
スとするミクロ相分離構造を形成することが必要であ
る。特に、化合物(C)を5〜50重量部配合した場
合、保存安定性と硬化性のバランスが優れている。
活性酸素1モルに対し、化合物(C)のエチレン性不飽
和基が0モルよりも多く140モルよりも少なくなるこ
とが好ましい。化合物(B)の活性酸素1モルに対し、
化合物(C)のエチレン性不飽和基が140モルより多
くなると、硬化性が乏しくなり、粘着特性と接着特性の
バランスも悪くなる。シートの保存安定性と硬化性の両
立及び硬化前の粘着特性と硬化後の接着特性の両立を図
るためには、粘着性ゴム系樹脂(A)、化合物(B)、
化合物(C)が、粘着性ゴム系樹脂(A)をマトリック
スとするミクロ相分離構造を形成することが必要であ
る。特に、化合物(C)を5〜50重量部配合した場
合、保存安定性と硬化性のバランスが優れている。
【0018】硬化前の粘着特性を改善し、特に凝集力を
高めるために、本発明では、さらにポリイソシアネート
(D)を添加して、粘着性アクリル樹脂(A)、化合物
(B)、化合物(C)を部分架橋させる。このようなポ
リイソシアネートとしてはトリレンジイソシアネート、
4、4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネ
ート、p−キシレンジイソシアネート、1、5−ナフタ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
リジンジイソシアネート、水添4、4´−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート
などのジイソシアネート類、あるいはこれらとグリコー
ル類またはジアミン類との両末端イソシアネートアダク
ト体、あるいはこれらの混合物があり、必要に応じてト
リフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポ
リフェニルイソシアネートなどの3官能以上のポリイソ
シアネート類もジイソシアネート類と混合して用いるこ
とができる。ポリイソシアネート(D)は、粘着性ゴム
系樹脂(A)、化合物(B)、及び/または化合物
(C)からなる硬化性粘着剤100重量部に対し、0.
05〜2.0重量部、好ましくは0.2〜1.5重量部
の割合で用いられる。
高めるために、本発明では、さらにポリイソシアネート
(D)を添加して、粘着性アクリル樹脂(A)、化合物
(B)、化合物(C)を部分架橋させる。このようなポ
リイソシアネートとしてはトリレンジイソシアネート、
4、4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネ
ート、p−キシレンジイソシアネート、1、5−ナフタ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
リジンジイソシアネート、水添4、4´−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート
などのジイソシアネート類、あるいはこれらとグリコー
ル類またはジアミン類との両末端イソシアネートアダク
ト体、あるいはこれらの混合物があり、必要に応じてト
リフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポ
リフェニルイソシアネートなどの3官能以上のポリイソ
シアネート類もジイソシアネート類と混合して用いるこ
とができる。ポリイソシアネート(D)は、粘着性ゴム
系樹脂(A)、化合物(B)、及び/または化合物
(C)からなる硬化性粘着剤100重量部に対し、0.
05〜2.0重量部、好ましくは0.2〜1.5重量部
の割合で用いられる。
【0019】本発明の硬化性粘着剤は、必要に応じて顔
料、染料、無機充填剤、金属粉、シランカップリング
剤、重合禁止剤、粘着付与剤などを加えることができ
る。本発明の硬化性粘着剤は、シリコーン処理を施した
紙や布などからなる剥離ライナー上に塗工し、必要があ
れば乾燥により溶媒を除去し、必要があれば裁断などの
加工を行ない、両面または片面の硬化性粘着シートの形
にする。補強や衝撃緩和のためにセロファン、ポリエチ
レンテレフタレートフィルムなど非通気性基材を芯材と
して、硬化性粘着剤を塗工して用いることもできる。ま
た、不織布などの通気性基材に硬化性粘着剤を非通気的
に含浸して用いることもできる。このようにして得られ
た両面粘着シートは、2つの同種または異種の被着体間
に挟持され、その良好な粘着性によって仮接着した後、
室温でそのまま放置して硬化し、被着体同士を強固に接
着させることができる。本発明の硬化性粘着シートは、
数時間から1週間で硬化し、実用強度に達する。
料、染料、無機充填剤、金属粉、シランカップリング
剤、重合禁止剤、粘着付与剤などを加えることができ
る。本発明の硬化性粘着剤は、シリコーン処理を施した
紙や布などからなる剥離ライナー上に塗工し、必要があ
れば乾燥により溶媒を除去し、必要があれば裁断などの
加工を行ない、両面または片面の硬化性粘着シートの形
にする。補強や衝撃緩和のためにセロファン、ポリエチ
レンテレフタレートフィルムなど非通気性基材を芯材と
して、硬化性粘着剤を塗工して用いることもできる。ま
た、不織布などの通気性基材に硬化性粘着剤を非通気的
に含浸して用いることもできる。このようにして得られ
た両面粘着シートは、2つの同種または異種の被着体間
に挟持され、その良好な粘着性によって仮接着した後、
室温でそのまま放置して硬化し、被着体同士を強固に接
着させることができる。本発明の硬化性粘着シートは、
数時間から1週間で硬化し、実用強度に達する。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。例
中、部とは重量部を、%とは重量%を、それぞれ表わ
す。
中、部とは重量部を、%とは重量%を、それぞれ表わ
す。
【0021】粘着性ゴム系樹脂(A)溶液の作製 ポリマー1 ブチルアクリレート 92.0部 アクリルアミド 2.8部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5.2部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 窒素雰囲気中80℃に加熱した上記のそれぞれの組成の
混合物125部に、上記の同組成の混合物125部を滴
下し、滴下終了後、12時間加熱還流させ、冷却し、ポ
リマー1の溶液(固形分40%)を得た。
混合物125部に、上記の同組成の混合物125部を滴
下し、滴下終了後、12時間加熱還流させ、冷却し、ポ
リマー1の溶液(固形分40%)を得た。
【0022】ポリマー2 ブチルアクリレート 93.5部 アクリル酸 1.4部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 5.1部 アゾビスイソブチロニトリル 0.2部 酢酸エチル 150.0部 窒素雰囲気中80℃に加熱した上記のそれぞれの組成の
混合物125部に、上記の同組成の混合物125部を滴
下し、滴下終了後、12時間加熱還流させ、冷却し、ポ
リマー2の溶液(固形分40%)を得た。
混合物125部に、上記の同組成の混合物125部を滴
下し、滴下終了後、12時間加熱還流させ、冷却し、ポ
リマー2の溶液(固形分40%)を得た。
【0023】ポリマー3 カリフレックス TR−1101 40.0部 (SBS、シェル化学(株)製粘着性ゴム系ポリマー) トルエン 60.0部 上記組成物を窒素雰囲気中50℃で撹拌溶解し、ポリマ
ー3の溶液(固形分40%)を得た。
ー3の溶液(固形分40%)を得た。
【0024】化合物(B)溶液の作製 ロジン化合物1 ダイマレックスレジン 40.0部 (ハーキュリーズ社製重合ロジン) 酢酸エチル 60.0部 室温で上記組成の混合物を1時間撹拌し、ロジン化合物
1の溶液(固形分40%)を得た。
1の溶液(固形分40%)を得た。
【0025】ロジン化合物2 エステルR105 40.0部 (ハーキュリーズ社製ロジンペンタエリスリトールエス
テル) 酢酸エチル 60.0部 室温で上記組成の混合物を1時間撹拌し、ロジン化合物
2の溶液(固形分40%)を得た。
テル) 酢酸エチル 60.0部 室温で上記組成の混合物を1時間撹拌し、ロジン化合物
2の溶液(固形分40%)を得た。
【0026】ロジン化合物3 ペンタリンC−J 40.0部 (ハーキュリーズ社製重合ロジンペンタエリスリトール
エステル) 酢酸エチル 60.0部 室温で上記組成の混合物を1時間撹拌し、ロジン化合物
3の溶液(固形分40%)を得た。
エステル) 酢酸エチル 60.0部 室温で上記組成の混合物を1時間撹拌し、ロジン化合物
3の溶液(固形分40%)を得た。
【0027】ロジン化合物4 中国ロジン 40.0部 酢酸エチル 60.0部 室温で上記組成の混合物を1時間撹拌し、ロジン化合物
4の溶液(固形分40%)を得た。
4の溶液(固形分40%)を得た。
【0028】ロジン化合物5 フォーラル85 40.0部 (ハーキュリーズ社製水添ロジングリセリンエステル) 酢酸エチル 60.0部 室温で上記組成の混合物を1時間撹拌し、ロジン化合物
5の溶液(固形分40%)を得た。
5の溶液(固形分40%)を得た。
【0029】化合物(C)溶液の作製 不飽和ポリエステルオリゴマー1 エチレングリコール 2.0部 ヘキサヒドロ無水フタル酸 51.0部 グリシジルメタクリレート 47.0部 N、N−ジメチルベンジルアミン 0.9部 ハイドロキノン 0.2部 酢酸エチル 25.0部 上記組成物をそれぞれ混合し、空気雰囲気中、80℃で
10時間反応させ、冷却後、酢酸エチル125部を加え
て、不飽和ポリエステルオリゴマー1(数平均分子量1
670)の溶液(固形分40%)を得た。
10時間反応させ、冷却後、酢酸エチル125部を加え
て、不飽和ポリエステルオリゴマー1(数平均分子量1
670)の溶液(固形分40%)を得た。
【0030】不飽和ポリエステルオリゴマー2 エチレングリコール 2.5部 無水こはく酸 40.3部 グリシジルメタクリレート 57.2部 N、N−ジメチルベンジルアミン 1.1部 ハイドロキノン 0.2部 酢酸エチル 25.0部 上記組成物をそれぞれ混合し、空気雰囲気中、80℃で
10時間反応させ、冷却後、酢酸エチル125部を加え
て、不飽和ポリエステルオリゴマー2(数平均分子20
50)の溶液(固形分40%)を得た。
10時間反応させ、冷却後、酢酸エチル125部を加え
て、不飽和ポリエステルオリゴマー2(数平均分子20
50)の溶液(固形分40%)を得た。
【0031】エポキシアクリレート1 リポキシ SP1509 40.0部 (昭和高分子(株)製エポキシアクリレート) 酢酸エチル 60.0部 上記組成物を室温で撹拌溶解し、エポキシアクリレート
1の溶液(固形分40%)を得た。
1の溶液(固形分40%)を得た。
【0032】
【実施例1】ポリマー1の溶液45.0部、ロジン化合
物1の溶液30.0部を十分に混合し、シリコーン処理
を施したポリエチレン塗工上質紙(以下剥離ライナーと
する)上に乾燥後の厚さが30μmとなるように塗布
し、60℃で3分間乾燥して剥離ライナーを重ね合わ
せ、粘着シートを得た。また上記組成の樹脂混合溶液
(40%溶液)に、さらにコロネートL(日本ポリウレ
タン工業(株)製アダクトポリイソシアネート、75%
溶液)0.3部を加え、同様に粘着シートを得、さらに
50℃で3日間熟成させ、粘着シートを得た。得られた
粘着シートについて、硬化前の粘着特性(剥離接着力、
タック、保持力)、硬化後の剪断接着力、粘着シートの
保存安定性の測定を次のようにして行ない、表1の結果
を得た。
物1の溶液30.0部を十分に混合し、シリコーン処理
を施したポリエチレン塗工上質紙(以下剥離ライナーと
する)上に乾燥後の厚さが30μmとなるように塗布
し、60℃で3分間乾燥して剥離ライナーを重ね合わ
せ、粘着シートを得た。また上記組成の樹脂混合溶液
(40%溶液)に、さらにコロネートL(日本ポリウレ
タン工業(株)製アダクトポリイソシアネート、75%
溶液)0.3部を加え、同様に粘着シートを得、さらに
50℃で3日間熟成させ、粘着シートを得た。得られた
粘着シートについて、硬化前の粘着特性(剥離接着力、
タック、保持力)、硬化後の剪断接着力、粘着シートの
保存安定性の測定を次のようにして行ない、表1の結果
を得た。
【0033】(1)硬化前の剥離接着力 片方の剥離ライナーを剥し、得られた粘着シートの粘着
面に厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート
を貼着し、幅25mmに切断し、次にもう一方の剥離ラ
イナーを剥離させ、生じた粘着面を#280の紙やすり
で研磨したステンレススチール板(SUS304)に貼
着し、30分間放置した後、25℃、相対湿度65%の
条件下、剥離速度300mm/分で180度剥離接着力
を測定した。
面に厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート
を貼着し、幅25mmに切断し、次にもう一方の剥離ラ
イナーを剥離させ、生じた粘着面を#280の紙やすり
で研磨したステンレススチール板(SUS304)に貼
着し、30分間放置した後、25℃、相対湿度65%の
条件下、剥離速度300mm/分で180度剥離接着力
を測定した。
【0034】(2)硬化前のタック 傾斜角30度の斜面に得られた粘着シートの片方の剥離
ライナーを剥離し、剥離面をセットして、25℃、相対
湿度65%の条件下、助走距離10cmで、ステンレス
スチール製ボールを転がし、粘着面10cm以内のとこ
ろで停止する最大のボールの番号を測定した。ボールの
番号は1/16から1まで31種類ある「ボールの呼
称」の32倍の数値で表示した。
ライナーを剥離し、剥離面をセットして、25℃、相対
湿度65%の条件下、助走距離10cmで、ステンレス
スチール製ボールを転がし、粘着面10cm以内のとこ
ろで停止する最大のボールの番号を測定した。ボールの
番号は1/16から1まで31種類ある「ボールの呼
称」の32倍の数値で表示した。
【0035】(3)硬化前の保持力 片方の剥離ライナーを剥し、得られた粘着シートの粘着
面に厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート
を貼着し、幅25mm、長さ100mmの大きさに切断
し、次にもう一方の剥離ライナーを剥離させ、生じた粘
着面のうち、たて25mm、横25mmの部分を紙やす
り#280で研磨したステンレススチール板(SUS3
04)に貼着し、40℃、荷重1kgで粘着シートがス
テンレススチール板より落下するまでの時間(秒)を測
定した。
面に厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートシート
を貼着し、幅25mm、長さ100mmの大きさに切断
し、次にもう一方の剥離ライナーを剥離させ、生じた粘
着面のうち、たて25mm、横25mmの部分を紙やす
り#280で研磨したステンレススチール板(SUS3
04)に貼着し、40℃、荷重1kgで粘着シートがス
テンレススチール板より落下するまでの時間(秒)を測
定した。
【0036】(4)硬化後の剪断接着力 縦50mm、横10mm、厚さ0.5mmの2枚のアル
ミニウム板片側の一端に、縦10mm、横10mmに切
断した粘着シートの、片方の剥離ライナーを剥離して得
られた粘着シートの粘着面を貼着し、もう一方の剥離ラ
イナーを剥離させ、生じた粘着面に気泡が入らないよう
に貼着し、20℃で1週間放置して硬化させた後、25
℃、相対湿度65%の条件下、引張り速度5mm/分で
剪断強度を測定した。
ミニウム板片側の一端に、縦10mm、横10mmに切
断した粘着シートの、片方の剥離ライナーを剥離して得
られた粘着シートの粘着面を貼着し、もう一方の剥離ラ
イナーを剥離させ、生じた粘着面に気泡が入らないよう
に貼着し、20℃で1週間放置して硬化させた後、25
℃、相対湿度65%の条件下、引張り速度5mm/分で
剪断強度を測定した。
【0037】(5)粘着シートの保存安定性 片方の剥離ライナーを剥し、得られた粘着シートの粘着
面にシリコン処理した厚さ50μmのポリエチレンテレ
フタレートシートを貼着し、もう一方の剥離ライナーを
剥し、更にもう一枚のシリコン処理した厚さ50μmの
ポリエチレンテレフテレートシートを貼り合わせ、50
℃、2週間保存後粘着性があるかどうかで保存安定性を
評価した。硬化して粘着性のないものを不良、十分粘着
性があるものを良好とした。
面にシリコン処理した厚さ50μmのポリエチレンテレ
フタレートシートを貼着し、もう一方の剥離ライナーを
剥し、更にもう一枚のシリコン処理した厚さ50μmの
ポリエチレンテレフテレートシートを貼り合わせ、50
℃、2週間保存後粘着性があるかどうかで保存安定性を
評価した。硬化して粘着性のないものを不良、十分粘着
性があるものを良好とした。
【0038】
【実施例2】ポリマー1の溶液45.0部、ロジン化合
物1の溶液30.0部、不飽和ポリエステルオリゴマー
1の溶液25、0部を十分に混合し、剥離ライナー上に
乾燥後の厚さが30μmとなるように塗布し、60℃で
3分間乾燥して剥離ライナーを重ね合わせ、粘着シート
を得た。また上記組成の樹脂混合溶液(40%溶液)
に、さらにコロネートL(日本ポリウレタン工業(株)
製アダクトポリイソシアネート、75%溶液)0.3部
を加え、同様に粘着シートを得、さらに50℃で3日間
熟成させ、粘着シートを得た。得られた粘着シートにつ
いて、硬化前の粘着特性(剥離接着力、タック、保持
力)、硬化後の剪断接着力、粘着シートの保存安定性の
測定を行ない表1の結果を得た。
物1の溶液30.0部、不飽和ポリエステルオリゴマー
1の溶液25、0部を十分に混合し、剥離ライナー上に
乾燥後の厚さが30μmとなるように塗布し、60℃で
3分間乾燥して剥離ライナーを重ね合わせ、粘着シート
を得た。また上記組成の樹脂混合溶液(40%溶液)
に、さらにコロネートL(日本ポリウレタン工業(株)
製アダクトポリイソシアネート、75%溶液)0.3部
を加え、同様に粘着シートを得、さらに50℃で3日間
熟成させ、粘着シートを得た。得られた粘着シートにつ
いて、硬化前の粘着特性(剥離接着力、タック、保持
力)、硬化後の剪断接着力、粘着シートの保存安定性の
測定を行ない表1の結果を得た。
【0039】
【実施例3〜10】ポリマーの溶液、ロジン化合物の溶
液、不飽和ポリエステルオリゴマーまたはエポキシアク
リレートの溶液を表1の割合で十分に混合し、コロネー
トL(日本ポリウレタン工業(株)製アダクトポリイソ
シアネート、75%溶液)を均一に混合し、実施例2と
同様にして粘着シートを得た。得られた粘着シートにつ
いて、硬化前の粘着特性、硬化後の剪断接着力、粘着シ
ートの保存安定性を同様に測定した。以上の測定結果は
表1に示した。
液、不飽和ポリエステルオリゴマーまたはエポキシアク
リレートの溶液を表1の割合で十分に混合し、コロネー
トL(日本ポリウレタン工業(株)製アダクトポリイソ
シアネート、75%溶液)を均一に混合し、実施例2と
同様にして粘着シートを得た。得られた粘着シートにつ
いて、硬化前の粘着特性、硬化後の剪断接着力、粘着シ
ートの保存安定性を同様に測定した。以上の測定結果は
表1に示した。
【0040】
【比較例1〜2】実施例2で、ロジン化合物1の代わり
に、ロジン化合物4(比較例1)及びロジン化合物5
(比較例2)を用いる以外は同様の組成で、コロネート
L(日本ポリウレタン工業(株)製アダクトポリイソシ
アネート、75%溶液)0.3部を均一に混合し、実施
例2と同様にして粘着シートを得た。得られた粘着シー
トについて、硬化前の粘着特性、硬化後の剪断接着力、
粘着シートの保存安定性を同様に測定した。以上の測定
結果は表1に示した。
に、ロジン化合物4(比較例1)及びロジン化合物5
(比較例2)を用いる以外は同様の組成で、コロネート
L(日本ポリウレタン工業(株)製アダクトポリイソシ
アネート、75%溶液)0.3部を均一に混合し、実施
例2と同様にして粘着シートを得た。得られた粘着シー
トについて、硬化前の粘着特性、硬化後の剪断接着力、
粘着シートの保存安定性を同様に測定した。以上の測定
結果は表1に示した。
【0041】
【比較例3】ポリマー1の溶液45.0部、ロジン化合
物1の溶液20.0部、不飽和ポリエステルオリゴマー
1の溶液75.0部を十分に混合し、化合物(B)の活
性酸素1モルに対し、化合物(C)のエチレン性飽和基
を140モルより多くした組成とし、コロネートL(日
本ポリウレタン工業(株)製アダクトポリイソシアネー
ト、75%溶液)0.3部を均一に混合し、実施例2と
同様にして粘着シートを得た。得られた粘着シートにつ
いて、硬化前の粘着特性、硬化後の剪断接着力、粘着シ
ートの保存安定性を同様に測定した。以上の測定結果は
表1に示した。
物1の溶液20.0部、不飽和ポリエステルオリゴマー
1の溶液75.0部を十分に混合し、化合物(B)の活
性酸素1モルに対し、化合物(C)のエチレン性飽和基
を140モルより多くした組成とし、コロネートL(日
本ポリウレタン工業(株)製アダクトポリイソシアネー
ト、75%溶液)0.3部を均一に混合し、実施例2と
同様にして粘着シートを得た。得られた粘着シートにつ
いて、硬化前の粘着特性、硬化後の剪断接着力、粘着シ
ートの保存安定性を同様に測定した。以上の測定結果は
表1に示した。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明の硬化性粘着剤は、表に示された
ように硬化前の剥離接着力が1500g/25mm幅以
上、タックが3以上、保持力はポリイソシアネートを添
加しなくても1000秒以上である。更に、貼り合わせ
1週間後の剪断接着力が15kg/cm2以上となり、
硬化前の粘着特性、硬化後の接着力ともに優れている。
このように、本発明により、接合時には粘着特性に優
れ、貼り合わせ後には徐々に硬化して強固な接着力を示
す、硬化前の粘着特性と硬化後の接着力とのバランスに
優れた硬化性粘着剤が得られるようになった。また、こ
れを用いた硬化性粘着シートは、シートに加工した後の
保存安定性と使用時の硬化性の両方に優れていた。更
に、貼り合わせ後は接着剤並みの強度に達し、熱オーブ
ン等の特別な硬化装置を必要としないことから、様々な
用途に使用することが可能になった。
ように硬化前の剥離接着力が1500g/25mm幅以
上、タックが3以上、保持力はポリイソシアネートを添
加しなくても1000秒以上である。更に、貼り合わせ
1週間後の剪断接着力が15kg/cm2以上となり、
硬化前の粘着特性、硬化後の接着力ともに優れている。
このように、本発明により、接合時には粘着特性に優
れ、貼り合わせ後には徐々に硬化して強固な接着力を示
す、硬化前の粘着特性と硬化後の接着力とのバランスに
優れた硬化性粘着剤が得られるようになった。また、こ
れを用いた硬化性粘着シートは、シートに加工した後の
保存安定性と使用時の硬化性の両方に優れていた。更
に、貼り合わせ後は接着剤並みの強度に達し、熱オーブ
ン等の特別な硬化装置を必要としないことから、様々な
用途に使用することが可能になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中泉 早苗 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内
Claims (5)
- 【請求項1】 粘着性ゴム系樹脂(A)100重量部、
及び共役二重結合を有し酸素吸収能と過酸化物生成能を
併せ持ち、酸素吸収量が0.1〜3.0%(吸収酸素重
量/重量)かつ活性酸素量が0.01〜1.0%(活性
酸素重量/重量)である化合物(B)30〜150重量
部からなることを特徴とする硬化性粘着剤。 - 【請求項2】 粘着性ゴム系樹脂(A)100重量部、
及び化合物(B)30〜150重量部からなる請求項1
の組成物に、エチレン性不飽和基を有するモノマーもし
くはオリゴマー(C)を、化合物(B)の活性酸素1モ
ルに対し、化合物(C)のエチレン性不飽和基が0〜1
40モルとなるように配合してなることを特徴とする硬
化性粘着剤。 - 【請求項3】 化合物(B)が、ロジン、重合ロジン、
及びそれらの多価アルコールエステルから選ばれる少な
くとも1種である請求項1又は2記載の硬化性粘着剤。 - 【請求項4】 請求項1又は請求項2の硬化性組成物1
00重量部にポリイソシアネート(D)を0.05〜
2.0重量部を加えてなることを特徴とする硬化性粘着
剤。 - 【請求項5】 請求項1ないし4の硬化性粘着剤を、非
通気性基材に積層するか、或いは多孔質基材に非通気的
に含浸してなることを特徴とする硬化性粘着シートもし
くはテープ
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2306293A JPH06234965A (ja) | 1993-02-10 | 1993-02-10 | 硬化性粘着剤及びシートもしくはテープ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2306293A JPH06234965A (ja) | 1993-02-10 | 1993-02-10 | 硬化性粘着剤及びシートもしくはテープ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06234965A true JPH06234965A (ja) | 1994-08-23 |
Family
ID=12099940
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2306293A Pending JPH06234965A (ja) | 1993-02-10 | 1993-02-10 | 硬化性粘着剤及びシートもしくはテープ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06234965A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997004947A1 (en) * | 1995-07-26 | 1997-02-13 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Pressure sensitive adhesive patch |
-
1993
- 1993-02-10 JP JP2306293A patent/JPH06234965A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1997004947A1 (en) * | 1995-07-26 | 1997-02-13 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Pressure sensitive adhesive patch |
US5643648A (en) * | 1995-07-26 | 1997-07-01 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Pressure sensitive adhesive patch |
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