JPH062348B1 - 繊維強化熱可塑性樹脂製スタンパブルシートおよびその成形物 - Google Patents
繊維強化熱可塑性樹脂製スタンパブルシートおよびその成形物Info
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- JPH062348B1 JPH062348B1 JP50946390A JP50946390A JPH062348B1 JP H062348 B1 JPH062348 B1 JP H062348B1 JP 50946390 A JP50946390 A JP 50946390A JP 50946390 A JP50946390 A JP 50946390A JP H062348 B1 JPH062348 B1 JP H062348B1
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、繊維強化熱可塑性樹脂製スタンパブルシート
およびその成形物に係り、特に、特定方向の機械的強度
が特に強いことが要求される自動車用バンパービーム等
のような成形部品にプレス成形するに適した繊維強化熱
可塑性樹脂性スタンパブルシートおよびこれを成形して
なる成形物に関する。
およびその成形物に係り、特に、特定方向の機械的強度
が特に強いことが要求される自動車用バンパービーム等
のような成形部品にプレス成形するに適した繊維強化熱
可塑性樹脂性スタンパブルシートおよびこれを成形して
なる成形物に関する。
[従来の技術] プレス成形が可能な繊維強化樹脂複合材料である繊維強
化熱可塑性樹脂製スタンパブルシート(以下、FRTP
スタンパブルシートと称する)は、その優れた製品強
度、加工性、量産性、軽量性、耐食性、弾性回復性等か
ら、金属材料の代替材料として、自動車用構造部品を中
心に需要が増えている。
化熱可塑性樹脂製スタンパブルシート(以下、FRTP
スタンパブルシートと称する)は、その優れた製品強
度、加工性、量産性、軽量性、耐食性、弾性回復性等か
ら、金属材料の代替材料として、自動車用構造部品を中
心に需要が増えている。
このFRTPスタンパブルシートは、強化材であるガラ
ス長繊維の配列の仕方の違いにより、一方向強化シー
ト、二方向強化シート、無方向強化シート、複合シート
(前記各シートの組合わせ構造となっているもの)に大
別することができる。これらの中で、無方向強化シート
と一方向強化シートとの組合わせ構造を有する複合シー
トは、特定方向(例えば自動車等のバンパービームの場
合、長手方向)の機械的強度が要求されるとともに軽量
性および形状の自由度も要求される部材の材料として、
従来の金属材料に代わって使用され始めている。
ス長繊維の配列の仕方の違いにより、一方向強化シー
ト、二方向強化シート、無方向強化シート、複合シート
(前記各シートの組合わせ構造となっているもの)に大
別することができる。これらの中で、無方向強化シート
と一方向強化シートとの組合わせ構造を有する複合シー
トは、特定方向(例えば自動車等のバンパービームの場
合、長手方向)の機械的強度が要求されるとともに軽量
性および形状の自由度も要求される部材の材料として、
従来の金属材料に代わって使用され始めている。
このような、特定方向の機械的強度に特に優れるFRT
Pスタンパブルシートは、ガラス長繊維束を渦巻状に振
り落とすこと等により方向性を持たせずに配したガラス
長繊維束積層物(以下、無方向性繊維層と称する)と、
複数本のガラス長繊維束を平行に引き揃えること等によ
り一定方向の方向性を持たせて配したガラス長繊維束配
列物(以下、一方向性繊維層と称する)とが、ニードル
パンチ等により機械的に絡み合わせて接合されてなるガ
ラス繊維マットを補強材とし、このガラス繊維マットに
熱可塑性樹脂を含浸させて製造される。
Pスタンパブルシートは、ガラス長繊維束を渦巻状に振
り落とすこと等により方向性を持たせずに配したガラス
長繊維束積層物(以下、無方向性繊維層と称する)と、
複数本のガラス長繊維束を平行に引き揃えること等によ
り一定方向の方向性を持たせて配したガラス長繊維束配
列物(以下、一方向性繊維層と称する)とが、ニードル
パンチ等により機械的に絡み合わせて接合されてなるガ
ラス繊維マットを補強材とし、このガラス繊維マットに
熱可塑性樹脂を含浸させて製造される。
ここで、一方向性繊維層を形成するにあたっては、製品
の特定方向の引張り強度、すなわち一方向性繊維層を構
成するガラス長繊維束の配列方向(以下、強化方向と称
する)の引張り強度を向上させるために、各ガラス長繊
維束に比較的高い張力をかけて、各ガラス長繊維束がで
きるだけ平行かつ直線状になるようにしている。
の特定方向の引張り強度、すなわち一方向性繊維層を構
成するガラス長繊維束の配列方向(以下、強化方向と称
する)の引張り強度を向上させるために、各ガラス長繊
維束に比較的高い張力をかけて、各ガラス長繊維束がで
きるだけ平行かつ直線状になるようにしている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来のFRTPスタンパブルシートは、
スタンピング成形(プレス成形)に際しての強化方向の
成形流動性が不十分であるため、以下のような問題点が
あった。
スタンピング成形(プレス成形)に際しての強化方向の
成形流動性が不十分であるため、以下のような問題点が
あった。
例えばバンパービームで両端にステイを取付けるため
の凹部を有するような複雑な形状に成形する場合には、
ブランク(成形用のFRTPスタンパブルシート裁断
物)サイズやチャージパターン(プレス成形に際して、
加熱したブランクを金型内に置くときの置き方)が複雑
化し、高い生産性を得ることが困難である。
の凹部を有するような複雑な形状に成形する場合には、
ブランク(成形用のFRTPスタンパブルシート裁断
物)サイズやチャージパターン(プレス成形に際して、
加熱したブランクを金型内に置くときの置き方)が複雑
化し、高い生産性を得ることが困難である。
長尺品に成形した場合に、長手方向の端部に欠肉を生
じやすい。
じやすい。
成形時において、一方向性繊維層を構成するガラス長
繊維に異常配向(ウエルド)が生じ易く、破壊荷重のバ
ラツキが小さく信頼性に優れた成形物を得ることが困難
である。
繊維に異常配向(ウエルド)が生じ易く、破壊荷重のバ
ラツキが小さく信頼性に優れた成形物を得ることが困難
である。
さらに、従来のFRTPスタンパブルシートは、一方向
性繊維層を構成するガラス長繊維束内への熱可塑性樹脂
の含浸性が不十分であるため、従来のFRTPスタンパ
ブルシートを用いた成形物には以下のような問題点があ
った。
性繊維層を構成するガラス長繊維束内への熱可塑性樹脂
の含浸性が不十分であるため、従来のFRTPスタンパ
ブルシートを用いた成形物には以下のような問題点があ
った。
強化方向の引張り強度については優れた物性が得られ
るものの、この方向の圧縮強度については、例えばバン
パービームのように優れた引張り強度とともに優れた圧
縮強度が要求される部材に適用した場合、安全性の向上
という観点から未だ不十分である。
るものの、この方向の圧縮強度については、例えばバン
パービームのように優れた引張り強度とともに優れた圧
縮強度が要求される部材に適用した場合、安全性の向上
という観点から未だ不十分である。
成形物の表面にガラス繊維が露出し易いため、成形物
の美観に劣るとともに手触りが悪く、露出したガラス繊
維により取扱い時に刺傷を負うことがある。
の美観に劣るとともに手触りが悪く、露出したガラス繊
維により取扱い時に刺傷を負うことがある。
したがって本発明の目的は、上記問題点の解決されたF
RTPスタンパブルシートおよびその成形物を提供する
ことにある。
RTPスタンパブルシートおよびその成形物を提供する
ことにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記目的を達成するためになされたものであ
り、本発明のFRTPスタンパンブルシートは、方向性
を持たせずに配したガラス長繊維束からなる無方向性繊
維層と、一定方向の方向性を持たせて配したガラス長繊
維束からなる一方向性繊維層とが機械的に接合されてな
るガラス繊維マットに、熱可塑性樹脂を含浸させてなる
繊維強化熱可塑性樹脂製スタンパブルシートにおいて、
この繊維強化熱可塑性樹脂製スタンパブルシートにおけ
る前記ガラス繊維マットの割合が20〜55wt%であ
り、このガラス繊維マットにおける、前記一方向性繊維
層を構成するガラス長繊維束の割合が20〜80wt%で
あり、この一方向性繊維層を構成するガラス長繊維束中
の15〜100wt%のガラス長繊維束が実質的に弛緩状
態にあることを特徴とするものである。
り、本発明のFRTPスタンパンブルシートは、方向性
を持たせずに配したガラス長繊維束からなる無方向性繊
維層と、一定方向の方向性を持たせて配したガラス長繊
維束からなる一方向性繊維層とが機械的に接合されてな
るガラス繊維マットに、熱可塑性樹脂を含浸させてなる
繊維強化熱可塑性樹脂製スタンパブルシートにおいて、
この繊維強化熱可塑性樹脂製スタンパブルシートにおけ
る前記ガラス繊維マットの割合が20〜55wt%であ
り、このガラス繊維マットにおける、前記一方向性繊維
層を構成するガラス長繊維束の割合が20〜80wt%で
あり、この一方向性繊維層を構成するガラス長繊維束中
の15〜100wt%のガラス長繊維束が実質的に弛緩状
態にあることを特徴とするものである。
また本発明の成形物は、上記FRTPスタンパブルシー
トの単体または積層物をプレス成形してなることを特徴
とするものである。
トの単体または積層物をプレス成形してなることを特徴
とするものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のFRTPスタンパブルシートにおいて、強化材
であるガラス繊維マット中の無方向性繊維層および一方
向性繊維層を構成するガラス長繊維束の材質および形状
は特に限定されるものではなく、繊維強化樹脂複合材料
の強化材として従来より一般的に用いられている、繊維
径13〜26μmのEガラスの連続長繊維を100〜4
000本集束してなるガラス長繊維束を用いることがで
きる。このとき、無方向性繊維層を構成するガラス長繊
維束と、一方向性繊維層を構成するガラス長繊維束と
で、ガラス長繊維束を構成するガラス長繊維の繊維径お
よび集束本数を異にしてもよいし、同一としてもよい。
であるガラス繊維マット中の無方向性繊維層および一方
向性繊維層を構成するガラス長繊維束の材質および形状
は特に限定されるものではなく、繊維強化樹脂複合材料
の強化材として従来より一般的に用いられている、繊維
径13〜26μmのEガラスの連続長繊維を100〜4
000本集束してなるガラス長繊維束を用いることがで
きる。このとき、無方向性繊維層を構成するガラス長繊
維束と、一方向性繊維層を構成するガラス長繊維束と
で、ガラス長繊維束を構成するガラス長繊維の繊維径お
よび集束本数を異にしてもよいし、同一としてもよい。
本発明のFRTPスタンパブルシートにおいて用いられ
るガラス繊維マットは、例えば、上述のガラス長繊維束
をスチール製メッシュコンベアー上に直径20〜50cm
の渦巻状に均一に振り落とすことにより無方向性繊維層
を形成し、この上に、複数本の上記ガラス長繊維束をメ
ッシュコンベアーの進行方向と平行に配列させることに
より一方向性繊維層を形成した後、ニードルパンチング
によりガラス長繊維同士を絡み合わせて両層を機械的に
接合させることにより得ることができる。
るガラス繊維マットは、例えば、上述のガラス長繊維束
をスチール製メッシュコンベアー上に直径20〜50cm
の渦巻状に均一に振り落とすことにより無方向性繊維層
を形成し、この上に、複数本の上記ガラス長繊維束をメ
ッシュコンベアーの進行方向と平行に配列させることに
より一方向性繊維層を形成した後、ニードルパンチング
によりガラス長繊維同士を絡み合わせて両層を機械的に
接合させることにより得ることができる。
本発明のFRTPスタンパブルシートにおいては、上記
ガラス繊維マット中の一方向性繊維層を構成するガラス
長繊維束の割合は、20〜80wt%に限定される。その
理由は、ガラス繊維マット中の一方向性繊維層を構成す
るガラス長繊維束の割合が20wt%未満では、強化方向
の機械的強度を特に向上させることが困難となり、また
80wt%を超えると、得られるFRTPスタンパブルシ
ートを成形して成形物を得る際の、加熱されたブランク
の強化方向に対して直角方向の強力が低下するために、
取扱いが困難となり、生産性が低下するため好ましくな
いからである。
ガラス繊維マット中の一方向性繊維層を構成するガラス
長繊維束の割合は、20〜80wt%に限定される。その
理由は、ガラス繊維マット中の一方向性繊維層を構成す
るガラス長繊維束の割合が20wt%未満では、強化方向
の機械的強度を特に向上させることが困難となり、また
80wt%を超えると、得られるFRTPスタンパブルシ
ートを成形して成形物を得る際の、加熱されたブランク
の強化方向に対して直角方向の強力が低下するために、
取扱いが困難となり、生産性が低下するため好ましくな
いからである。
また本発明のFRTPスタンパブルシートにおいては、
1方向性繊維層を構成するガラス長繊維束中の15〜1
00wt%のガラス長繊維束が実質的に弛緩状態にあるこ
とを必須要件とする。その理由は、ガラス繊維マット中
の一方向性繊維層を構成するガラス長繊維束が緊張状態
にあると、これらのガラス長繊維束内への熱可塑性樹脂
の含浸が不十分となるとともに、スタンピング成形に際
しての強化方向の成形流動性が低下するため、前述した
従来のFRTPスタンパブルシートと同様の問題が生じ
るからである。
1方向性繊維層を構成するガラス長繊維束中の15〜1
00wt%のガラス長繊維束が実質的に弛緩状態にあるこ
とを必須要件とする。その理由は、ガラス繊維マット中
の一方向性繊維層を構成するガラス長繊維束が緊張状態
にあると、これらのガラス長繊維束内への熱可塑性樹脂
の含浸が不十分となるとともに、スタンピング成形に際
しての強化方向の成形流動性が低下するため、前述した
従来のFRTPスタンパブルシートと同様の問題が生じ
るからである。
本発明でいう実質的な弛緩状態とは、FRTPスタンパ
ブルシートをスタンピング成形する際に、強化方向の成
形流動性を妨げず、しかも得られたFRTPスタンパブ
ルシートをスタンピング成形して得られる成形物の強化
方向の引張り強度を低下させ過ぎない程度に、一方向性
繊維層を構成するガラス長繊維束が弛んでいることを意
味する。一方向性繊維層を構成するガラス長繊維束を実
質的な弛緩状態とするには、一方向性繊維層を構成する
ガラス長繊維束の長さを、ブランクの強化方向の長さの
1.005〜1.10倍とすればよい。そして、一方向
性繊維層を構成するガラス長繊維束中の上記長さ範囲の
ガラス長繊維束の割合を15〜100wt%とすることに
より、本発明の効果を得ることができる。特に好ましい
割合は、50〜100wt%である。
ブルシートをスタンピング成形する際に、強化方向の成
形流動性を妨げず、しかも得られたFRTPスタンパブ
ルシートをスタンピング成形して得られる成形物の強化
方向の引張り強度を低下させ過ぎない程度に、一方向性
繊維層を構成するガラス長繊維束が弛んでいることを意
味する。一方向性繊維層を構成するガラス長繊維束を実
質的な弛緩状態とするには、一方向性繊維層を構成する
ガラス長繊維束の長さを、ブランクの強化方向の長さの
1.005〜1.10倍とすればよい。そして、一方向
性繊維層を構成するガラス長繊維束中の上記長さ範囲の
ガラス長繊維束の割合を15〜100wt%とすることに
より、本発明の効果を得ることができる。特に好ましい
割合は、50〜100wt%である。
なお、ここでいう一方向性繊維層を構成するガラス長繊
維束の長さは、実際のガラス繊維束の長さではなく、例
えば、FRTPスタンパブルシートから強化方向の長さ
が200mmのサンプルを切出し、このサンプルを燃焼さ
せて樹脂分を焼却した後、再度燃焼させてススも除去し
て得られるガラス繊維マットを写真撮影し、2倍に引伸
ばした写真上のガラス長繊維束の長さをキルビメーター
等の測長器具で測定することにより求められる、一方向
性繊維層を構成するガラス長繊維束の長さを意味する。
このとき、ガラス繊維マットを得る際に、一方向性繊維
層を形成するガラス長繊維束を例えば青インキで着色す
ることにより、青インキ中の鉄を含む顔料が燃焼時にい
わゆる釉薬の作用をして赤色に発色するため、ススを焼
却除去した後のガラス長繊維束の測定が容易になる。ま
た、ススを焼却除去したガラス繊維マット中の一方向性
繊維層を構成するガラス長繊維束のなかから複数本のガ
ラス長繊維束を特定し、例えば油性マーキングペンでマ
ーキングすることによっても、ガラス長繊維束の測長が
容易になる。
維束の長さは、実際のガラス繊維束の長さではなく、例
えば、FRTPスタンパブルシートから強化方向の長さ
が200mmのサンプルを切出し、このサンプルを燃焼さ
せて樹脂分を焼却した後、再度燃焼させてススも除去し
て得られるガラス繊維マットを写真撮影し、2倍に引伸
ばした写真上のガラス長繊維束の長さをキルビメーター
等の測長器具で測定することにより求められる、一方向
性繊維層を構成するガラス長繊維束の長さを意味する。
このとき、ガラス繊維マットを得る際に、一方向性繊維
層を形成するガラス長繊維束を例えば青インキで着色す
ることにより、青インキ中の鉄を含む顔料が燃焼時にい
わゆる釉薬の作用をして赤色に発色するため、ススを焼
却除去した後のガラス長繊維束の測定が容易になる。ま
た、ススを焼却除去したガラス繊維マット中の一方向性
繊維層を構成するガラス長繊維束のなかから複数本のガ
ラス長繊維束を特定し、例えば油性マーキングペンでマ
ーキングすることによっても、ガラス長繊維束の測長が
容易になる。
一方向性繊維層を構成するガラス長繊維束を実質的な弛
緩状態とするには、例えば、ガラス繊維マットの一方向
性繊維層を形成する際に、各ガラス長繊維束にかける張
力を弱くするか、一方向性繊維層のニードルパンチ機へ
の供給速度をニードルパンチ機の取引り速度より速くす
ればよい。
緩状態とするには、例えば、ガラス繊維マットの一方向
性繊維層を形成する際に、各ガラス長繊維束にかける張
力を弱くするか、一方向性繊維層のニードルパンチ機へ
の供給速度をニードルパンチ機の取引り速度より速くす
ればよい。
ニードルパンチングによってガラス長繊維同士を機械的
に接合させる場合には、ニードルパンチングの振動によ
る、一方性繊維層を構成するガラス長繊維束の配列の乱
れが、得られるFRTPスタンパブルシートの強化方向
の引張り強度を低下させ過ぎない範囲であれば、一方向
性繊維層の側あるいは無方向性繊維層の側のいずれから
ニードルパンチングしてもよく、さらには両側からニー
ドルパンチングしてもよい。
に接合させる場合には、ニードルパンチングの振動によ
る、一方性繊維層を構成するガラス長繊維束の配列の乱
れが、得られるFRTPスタンパブルシートの強化方向
の引張り強度を低下させ過ぎない範囲であれば、一方向
性繊維層の側あるいは無方向性繊維層の側のいずれから
ニードルパンチングしてもよく、さらには両側からニー
ドルパンチングしてもよい。
本発明のFRTPスタンパブルシートは、上述のガラス
繊維マットを強化材とし、このガラス繊維マットに、ポ
リプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスル
フィド、ポリフェニレンオキシド、ポリアセタール、ポ
リアリレート、ポリエチレン、ポリエーテルケトン、熱
可塑性ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリスチレン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂の単
体または2種以上からなるポリマーブレンドもしくはポ
リマーアロイを溶融状態で含浸させ、この後、熱可塑性
樹脂を固化させることにより得ることができる。
繊維マットを強化材とし、このガラス繊維マットに、ポ
リプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスル
フィド、ポリフェニレンオキシド、ポリアセタール、ポ
リアリレート、ポリエチレン、ポリエーテルケトン、熱
可塑性ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリスチレン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂の単
体または2種以上からなるポリマーブレンドもしくはポ
リマーアロイを溶融状態で含浸させ、この後、熱可塑性
樹脂を固化させることにより得ることができる。
本発明のFRTPスタンパブルシートにおいては、ガラ
ス繊維マットの割合は20〜55wt%に限定される。そ
の理由は、FRTPスタンパブルシートにおけるガラス
繊維マットの割合が20wt%未満では、ガラス繊維マッ
トによる補強効果が不十分となるため、機械的強度に優
れた成形物を得ることができず、一方55wt%を超える
と、ガラス繊維マットを構成するガラス長繊維束内への
熱可塑性樹脂の含浸性が低下するため、圧縮強度に優れ
た成形物を得ることができないからである。
ス繊維マットの割合は20〜55wt%に限定される。そ
の理由は、FRTPスタンパブルシートにおけるガラス
繊維マットの割合が20wt%未満では、ガラス繊維マッ
トによる補強効果が不十分となるため、機械的強度に優
れた成形物を得ることができず、一方55wt%を超える
と、ガラス繊維マットを構成するガラス長繊維束内への
熱可塑性樹脂の含浸性が低下するため、圧縮強度に優れ
た成形物を得ることができないからである。
本発明の成形物は、上記FRTPスタンパブルシートを
用いて、その単体または積層物をスタンピング成形する
ことにより得られる。
用いて、その単体または積層物をスタンピング成形する
ことにより得られる。
[作用] (1)本発明のFRTPスタンパブルシートは、強化材と
して、無方向性繊維層と一方向性繊維層とが機械的に接
合されてなるガラス繊維マットを20〜55wt%の割合
で含み、このガラス繊維マット中には、一方向性繊維層
を構成するガラス長繊維束が20〜80wt%の割合で含
まれている。このため本発明のFRTPスタンパブルシ
ートを用いて得られた成形物は、あらゆる方向の引張り
強度に優れているとともに、強化方向の引張り強度に特
に優れている。
して、無方向性繊維層と一方向性繊維層とが機械的に接
合されてなるガラス繊維マットを20〜55wt%の割合
で含み、このガラス繊維マット中には、一方向性繊維層
を構成するガラス長繊維束が20〜80wt%の割合で含
まれている。このため本発明のFRTPスタンパブルシ
ートを用いて得られた成形物は、あらゆる方向の引張り
強度に優れているとともに、強化方向の引張り強度に特
に優れている。
(2)さらに、ガラス繊維マット中の一方向性繊維層を構
成するガラス長繊維束中の15〜100wt%のガラス長
繊維束が実質的に弛緩状態にあるため、これらのガラス
長繊維束内への熱可塑性樹脂の含浸性が向上し、成形流
動性に優れたFRTPスタンパブルシートとなる。
成するガラス長繊維束中の15〜100wt%のガラス長
繊維束が実質的に弛緩状態にあるため、これらのガラス
長繊維束内への熱可塑性樹脂の含浸性が向上し、成形流
動性に優れたFRTPスタンパブルシートとなる。
そして熱可塑性樹脂の含浸性が向上したことにより、強
化方向の圧縮強度に優れた成形物を得ることができ、ま
た成形物の表面にガラス繊維が露出することも極めて少
なく、成形物の美観が向上するとともに取扱いが容易に
なる。また成形流動性に優れているため、成形に際して
ブランクサイズの種類を少なくすることが可能となり、
またチャージパターンを従来より簡略化することが可能
となるので、複雑な形状の成形物の場合は特に、生産性
を向上させることができる。また欠肉の発生やウエルド
の発生も低減させることができ、信頼性に優れた成形物
を効率よく得ることができる。
化方向の圧縮強度に優れた成形物を得ることができ、ま
た成形物の表面にガラス繊維が露出することも極めて少
なく、成形物の美観が向上するとともに取扱いが容易に
なる。また成形流動性に優れているため、成形に際して
ブランクサイズの種類を少なくすることが可能となり、
またチャージパターンを従来より簡略化することが可能
となるので、複雑な形状の成形物の場合は特に、生産性
を向上させることができる。また欠肉の発生やウエルド
の発生も低減させることができ、信頼性に優れた成形物
を効率よく得ることができる。
(3)なお本発明のFRTPスタンパブルシートは、一方
向性繊維層を構成するガラス長繊維束中の15〜100
wt%のガラス長繊維束が実質的に弛緩状態にあるため、
凹凸のある成形物にスタンピング成形した場合にも、ガ
ラス長繊維が全体に分布した成形物を得ることができ
る。また成形時の応力により、一方向性繊維層を構成す
る実質的に弛緩状態のガラス長繊維束が成形物の凹凸部
分においてより緊張状態となるため、強化方向の引張り
強度にも優れた成形物となる。
向性繊維層を構成するガラス長繊維束中の15〜100
wt%のガラス長繊維束が実質的に弛緩状態にあるため、
凹凸のある成形物にスタンピング成形した場合にも、ガ
ラス長繊維が全体に分布した成形物を得ることができ
る。また成形時の応力により、一方向性繊維層を構成す
る実質的に弛緩状態のガラス長繊維束が成形物の凹凸部
分においてより緊張状態となるため、強化方向の引張り
強度にも優れた成形物となる。
[実施例] 以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1 無方向性繊維層用のガラス繊維束として、繊維径23μ
mのEガラスの連続長繊維を400本集束してなるガラ
ス長繊維束を用い、このガラス長繊維束をエンドレスの
メッシュコンベアー上に直径20〜50cmの渦巻状に所
定厚みだけ均一に振り落として、無方向性繊維層を形成
した。また、一方向性繊維層用のガラス長繊維束とし
て、繊維径23μmのEガラスの連続長繊維を1000
本集束してなるガラス長繊維束を用い、このガラス長繊
維束を所定本数、メッシュコンベアーの進行方向と平行
に配列させてニードルパンチ機へ供給し、一方向性繊維
層の側からニードルパンチングして両層を機械的に接合
させて、一方向性繊維層の割合が55wt%であるガラス
繊維マットを得た。この際に、一方向性繊維層のニード
ルパンチ機への供給速度をニードルパンチ機の引取り速
度の0.99倍とした。なお、この時の一方向性繊維層
を構成するガラス長繊維束には、1束当たり25gの張
力がかかっていた。
mのEガラスの連続長繊維を400本集束してなるガラ
ス長繊維束を用い、このガラス長繊維束をエンドレスの
メッシュコンベアー上に直径20〜50cmの渦巻状に所
定厚みだけ均一に振り落として、無方向性繊維層を形成
した。また、一方向性繊維層用のガラス長繊維束とし
て、繊維径23μmのEガラスの連続長繊維を1000
本集束してなるガラス長繊維束を用い、このガラス長繊
維束を所定本数、メッシュコンベアーの進行方向と平行
に配列させてニードルパンチ機へ供給し、一方向性繊維
層の側からニードルパンチングして両層を機械的に接合
させて、一方向性繊維層の割合が55wt%であるガラス
繊維マットを得た。この際に、一方向性繊維層のニード
ルパンチ機への供給速度をニードルパンチ機の引取り速
度の0.99倍とした。なお、この時の一方向性繊維層
を構成するガラス長繊維束には、1束当たり25gの張
力がかかっていた。
次に、得られたガラス繊維マットを2枚用い、各ガラス
繊維マットの無方向性繊維層側にそれぞれポリプロピレ
ンシートを配すとともに、両ガラス繊維マット間にポリ
プロピレンの押出し溶融物を介在させて、両ガラス繊維
マットの一方向性繊維層が内側となるようにガラス繊維
マット同士を重合せ、加熱してポリプロピレンシートを
溶融させ、加圧下で溶融状態のポリプロピレンをガラス
繊維マット中に含浸させた後、加圧下で冷却して、ガラ
ス繊維マットの割合が42wt%であるFRTPスタンパ
ブルシートを得た。
繊維マットの無方向性繊維層側にそれぞれポリプロピレ
ンシートを配すとともに、両ガラス繊維マット間にポリ
プロピレンの押出し溶融物を介在させて、両ガラス繊維
マットの一方向性繊維層が内側となるようにガラス繊維
マット同士を重合せ、加熱してポリプロピレンシートを
溶融させ、加圧下で溶融状態のポリプロピレンをガラス
繊維マット中に含浸させた後、加圧下で冷却して、ガラ
ス繊維マットの割合が42wt%であるFRTPスタンパ
ブルシートを得た。
このようにして得られるFRTPスタンパブルシート中
の、一方向性繊維層を構成するガラス長繊維束の弛緩の
程度を、下記の方法で測定した。
の、一方向性繊維層を構成するガラス長繊維束の弛緩の
程度を、下記の方法で測定した。
まず、一方向性繊維層を形成するガラス長繊維束のうち
の10束を青インキ(パイロットインキ(株)製ブルー
ブラック)で着色し、これらの着色したガラス長繊維束
を約10cm間隔で配列させて、前述の方向でガラス繊維
マットを作製した。次に、このガラス繊維マットを用い
て、前述の方法でFRTPスタンパブルシートを得た。
この後、得られたシートから幅1000mm、長さ200
mmの原板を切出し、この原板を幅200mmに5分割し
て、燃焼炉で約20分燃焼させて樹脂分を焼却した後、
650℃の電気炉に約20分入れてススも焼却除去して
から写真を撮り、それを2倍に引伸ばしてから焼付け
て、青インキにより着色されたガラス長繊維束の長さを
キルビメーター(商品名:デジタルキルビメーターS
型、(株)内田洋行製)で測定し、このガラス長繊維束
の長さと原板の長さ(200mm)とを比較することによ
り、原板中の一方向性繊維層を構成するガラス長繊維束
の弛緩の程度を測定した。このとき、青インキ中の鉄を
含む顔料が電気炉内でいわゆる釉薬の作用をして赤色に
発色するため、焼却後のガラス繊維マットでも測定が可
能であった。
の10束を青インキ(パイロットインキ(株)製ブルー
ブラック)で着色し、これらの着色したガラス長繊維束
を約10cm間隔で配列させて、前述の方向でガラス繊維
マットを作製した。次に、このガラス繊維マットを用い
て、前述の方法でFRTPスタンパブルシートを得た。
この後、得られたシートから幅1000mm、長さ200
mmの原板を切出し、この原板を幅200mmに5分割し
て、燃焼炉で約20分燃焼させて樹脂分を焼却した後、
650℃の電気炉に約20分入れてススも焼却除去して
から写真を撮り、それを2倍に引伸ばしてから焼付け
て、青インキにより着色されたガラス長繊維束の長さを
キルビメーター(商品名:デジタルキルビメーターS
型、(株)内田洋行製)で測定し、このガラス長繊維束
の長さと原板の長さ(200mm)とを比較することによ
り、原板中の一方向性繊維層を構成するガラス長繊維束
の弛緩の程度を測定した。このとき、青インキ中の鉄を
含む顔料が電気炉内でいわゆる釉薬の作用をして赤色に
発色するため、焼却後のガラス繊維マットでも測定が可
能であった。
この結果、表−1に示すように、青インキで着色した1
0束のガラス長繊維束の長さの、原板の長さ(200m
m)に対する比(弛緩度)は1.00〜1.015の範
囲にあり、本発明でいう実質的な弛緩状態にあるガラス
長繊維束、すなわち上記弛緩度が1.005〜1.10
の範囲にあるガラス長繊維束は6束(実質的な弛緩状態
にあるガラス繊維束の割合:60wt%)であった。
0束のガラス長繊維束の長さの、原板の長さ(200m
m)に対する比(弛緩度)は1.00〜1.015の範
囲にあり、本発明でいう実質的な弛緩状態にあるガラス
長繊維束、すなわち上記弛緩度が1.005〜1.10
の範囲にあるガラス長繊維束は6束(実質的な弛緩状態
にあるガラス繊維束の割合:60wt%)であった。
また、得られたFRTPスタンパブルシートの引張り強
度および圧縮強度を測定するにあたり、FRTPスタン
パブルシートから240×240mmの大きさのブランク
を2枚切出し、ブランクの表面温度が200±10℃に
なるように加熱した後、各ブランクを強化方向を一致さ
せて重ね、金型温度40℃、プレス圧力135トン、プ
レスの加圧速度12mm/秒、冷却時間30秒なる条件で
成形して、大きさが300×300mmである平板を得
た。この後、成形された平板から、長手方向が強化方向
と一致する強度測定用試験片(以下、MD試験片と称す
る)と長手方向が強化方向と直交する強度測定用試験片
(以下、TD試験片と称する)を切出し、下記の要領で
引張り強度と圧縮強度を測定した。
度および圧縮強度を測定するにあたり、FRTPスタン
パブルシートから240×240mmの大きさのブランク
を2枚切出し、ブランクの表面温度が200±10℃に
なるように加熱した後、各ブランクを強化方向を一致さ
せて重ね、金型温度40℃、プレス圧力135トン、プ
レスの加圧速度12mm/秒、冷却時間30秒なる条件で
成形して、大きさが300×300mmである平板を得
た。この後、成形された平板から、長手方向が強化方向
と一致する強度測定用試験片(以下、MD試験片と称す
る)と長手方向が強化方向と直交する強度測定用試験片
(以下、TD試験片と称する)を切出し、下記の要領で
引張り強度と圧縮強度を測定した。
(a).引張り強度 ASTM D−638に準ずる形状のMD試験片および
TD試験片を切出し、ASTM D−638に準じて、
MD試験片およびTD試験片毎に引張り強度を測定し
た。
TD試験片を切出し、ASTM D−638に準じて、
MD試験片およびTD試験片毎に引張り強度を測定し
た。
(b).圧縮強度 成形された平板から、第1図に示すように短辺側の両端
部1が76mmの曲率半径(R)で末広がりに拡がり、中
央部2が幅(W)12.5mm長さ(L1)57mmの矩形
である、全長(L2)90mmの強度測定用試験片3をM
D試験片およびTD試験片毎に切出した。
部1が76mmの曲率半径(R)で末広がりに拡がり、中
央部2が幅(W)12.5mm長さ(L1)57mmの矩形
である、全長(L2)90mmの強度測定用試験片3をM
D試験片およびTD試験片毎に切出した。
次に、第2図(a)、(b)に示すように、固定用治具
10を備えたロードセル11上に固着された試験片保持
具12と、ロードセル11の上方に位置するクロスヘッ
ド13のロードセル11側に固着された試験片保持具1
4とを有する圧縮強度試験装置15を用い、この圧縮強
度試験装置15の試験片保持具12、14に、試験片保
持具12および14間の距離dが20mmとなるように第
1図に示した強度測定用試験片3を縦長の状態で保持さ
せ、クロスヘッド13を2mm/分の速さでロードセル1
1側に移動させて、強度試験片3の圧縮強度をMD試験
片およびTD試験片毎に測定した。
10を備えたロードセル11上に固着された試験片保持
具12と、ロードセル11の上方に位置するクロスヘッ
ド13のロードセル11側に固着された試験片保持具1
4とを有する圧縮強度試験装置15を用い、この圧縮強
度試験装置15の試験片保持具12、14に、試験片保
持具12および14間の距離dが20mmとなるように第
1図に示した強度測定用試験片3を縦長の状態で保持さ
せ、クロスヘッド13を2mm/分の速さでロードセル1
1側に移動させて、強度試験片3の圧縮強度をMD試験
片およびTD試験片毎に測定した。
これらの測定結果を表−1に示す。
実施例2〜3および比較例1 ガラス繊維マットとして、それぞれ下記のガラス繊維マ
ットを用いた以外は実施例1と同様にして、計3種類の
FRTPスタンパブルシートを得た。
ットを用いた以外は実施例1と同様にして、計3種類の
FRTPスタンパブルシートを得た。
一方向性繊維層の供給速度をニードルパンチ機の引取
り速度よりも3%増大(張力は0g/束)させて、一方
向性繊維層を構成するガラス長繊維束の弛緩の程度が実
施例1の場合と異なるようにした以外は実施例1と同様
にして得た、一方向性繊維層の割合が55wt%であるガ
ラス繊維マット(実施例2)。
り速度よりも3%増大(張力は0g/束)させて、一方
向性繊維層を構成するガラス長繊維束の弛緩の程度が実
施例1の場合と異なるようにした以外は実施例1と同様
にして得た、一方向性繊維層の割合が55wt%であるガ
ラス繊維マット(実施例2)。
一方向性繊維層の供給速度をニードルパンチ機の引取
り速度よりも5%増大(張力は0g/束)させて、一方
向性繊維層を構成するガラス長繊維束の弛緩の程度が実
施例1および2の場合と異なるようにした以外は実施例
1と同様にして得た、一方向性繊維層の割合が55wt%
であるガラス繊維マット(実施例3)。
り速度よりも5%増大(張力は0g/束)させて、一方
向性繊維層を構成するガラス長繊維束の弛緩の程度が実
施例1および2の場合と異なるようにした以外は実施例
1と同様にして得た、一方向性繊維層の割合が55wt%
であるガラス繊維マット(実施例3)。
一方向性繊維層の供給速度をニードルパンチ機の引取
り速度よりも5%低下(張力は125g/束)させて、
一方向性繊維層を構成するガラス長繊維束の弛緩の程度
が本発明の範囲外となるようにした以外は実施例1と同
様にして得た、一方向性繊維層の割合が55wt%である
ガラス繊維マット(比較例1)。
り速度よりも5%低下(張力は125g/束)させて、
一方向性繊維層を構成するガラス長繊維束の弛緩の程度
が本発明の範囲外となるようにした以外は実施例1と同
様にして得た、一方向性繊維層の割合が55wt%である
ガラス繊維マット(比較例1)。
そして、各シート中の一方向性繊維層を構成するガラス
長繊維束の弛緩の程度を、実施例1と同様にして測定し
た。また各シートの引張り強度および圧縮強度を、実施
例1と同様にして測定した。
長繊維束の弛緩の程度を、実施例1と同様にして測定し
た。また各シートの引張り強度および圧縮強度を、実施
例1と同様にして測定した。
これらの結果を表−1に示す。
表−1から明らかなように、実施例1〜3で得られたF
RTPスタンパブルシート中のガラス繊維マットの一方
向性繊維層を構成するガラス長繊維束中には、本発明で
いう実質的な弛緩状態にあるガラス長繊維束が60〜1
00wt%存在する。そして、これらのFRTPスタンパ
ブルシートを材料として実施例1〜3で得られた平板成
形物の圧縮強度は、比較例1で得られた、本発明でいう
実質的な弛緩状態にあるガラス長繊維束の割合が15〜
100wt%の範囲にないFRTPスタンパブルシートを
材料とする平板成形物の圧縮強度より増加している。ま
た、実施例1〜2で得られた平板成形物の引張り強度
は、比較例1で得られた平板成形物の引張り強度とほぼ
同等である。
RTPスタンパブルシート中のガラス繊維マットの一方
向性繊維層を構成するガラス長繊維束中には、本発明で
いう実質的な弛緩状態にあるガラス長繊維束が60〜1
00wt%存在する。そして、これらのFRTPスタンパ
ブルシートを材料として実施例1〜3で得られた平板成
形物の圧縮強度は、比較例1で得られた、本発明でいう
実質的な弛緩状態にあるガラス長繊維束の割合が15〜
100wt%の範囲にないFRTPスタンパブルシートを
材料とする平板成形物の圧縮強度より増加している。ま
た、実施例1〜2で得られた平板成形物の引張り強度
は、比較例1で得られた平板成形物の引張り強度とほぼ
同等である。
なお、実施例3で得られた平板成形物の引張り強度は、
比較例1で得られた平板成形物の引張り強度より低下し
ているが、後述する実施例6および9より明らかなよう
に、凹凸のある成形物にスタンピング成形した場合に
は、成形時の応力により、一方向性繊維層を構成する実
質的に弛緩状態のガラス長繊維束が成形物の凹凸部分に
おいてより緊張状態となるため、平板成形物よりも強化
方向の引張り強度に優れた成形物となる。
比較例1で得られた平板成形物の引張り強度より低下し
ているが、後述する実施例6および9より明らかなよう
に、凹凸のある成形物にスタンピング成形した場合に
は、成形時の応力により、一方向性繊維層を構成する実
質的に弛緩状態のガラス長繊維束が成形物の凹凸部分に
おいてより緊張状態となるため、平板成形物よりも強化
方向の引張り強度に優れた成形物となる。
また、実施例1〜3および比較例1で得られた各FRT
Pスタンパブルシートの断面を観察したところ、比較例
1のシートではガラス繊維マット間に介在させたポリプ
ロピレンの押出し溶融物のガラス長繊維束内への含浸が
不十分で、このポリプロピレンが1.6mm程の厚さで存
在していたが、実施例1〜3のシートではガラス長繊維
束内への含浸が十分に進み、このポリプロピレンの厚さ
は1mm以下であった。
Pスタンパブルシートの断面を観察したところ、比較例
1のシートではガラス繊維マット間に介在させたポリプ
ロピレンの押出し溶融物のガラス長繊維束内への含浸が
不十分で、このポリプロピレンが1.6mm程の厚さで存
在していたが、実施例1〜3のシートではガラス長繊維
束内への含浸が十分に進み、このポリプロピレンの厚さ
は1mm以下であった。
実施例4〜9および比較例2〜3 実施例1〜3で得られたFRTPスタンパブルシートを
用い、下記の要領でバンパービーム用のテストビームを
成形した。
用い、下記の要領でバンパービーム用のテストビームを
成形した。
実施例1で得られたFRTPスタンパブルシートか
ら、強化方向の長さが1450mm、強化方向と直交する
方向の長さが100mmであるブランク(以下、Aタイプ
ブランクと称する)を3枚、また強化方向の長さが78
5mm、強化方向と直交する方向の長さが100mmである
ブランク(以下、Bタイプブランクと称する)を8枚そ
れぞれ切出した。次に、これらのブランクの表面温度が
200±10℃になるように加熱した後、加熱されたA
タイプブランクを3枚強化方向を揃えて重ね、この上に
加熱されたBタイプブランクを8枚強化方向を揃えて重
ねて、金型温度40℃、プレス圧力300トン、プレス
の加圧速度12mm/秒、冷却時間50秒の条件で成形し
て、重量5.0kgのテストビームを作製し、同様にして
計10本のテストビームを得た(実施例4)。
ら、強化方向の長さが1450mm、強化方向と直交する
方向の長さが100mmであるブランク(以下、Aタイプ
ブランクと称する)を3枚、また強化方向の長さが78
5mm、強化方向と直交する方向の長さが100mmである
ブランク(以下、Bタイプブランクと称する)を8枚そ
れぞれ切出した。次に、これらのブランクの表面温度が
200±10℃になるように加熱した後、加熱されたA
タイプブランクを3枚強化方向を揃えて重ね、この上に
加熱されたBタイプブランクを8枚強化方向を揃えて重
ねて、金型温度40℃、プレス圧力300トン、プレス
の加圧速度12mm/秒、冷却時間50秒の条件で成形し
て、重量5.0kgのテストビームを作製し、同様にして
計10本のテストビームを得た(実施例4)。
実施例2で得られたFRTPスタンパブルシートを用
いた以外は実施例4と同様にして、実施例4と同一形
状、同一重量のテストビームを計10本得た(実施例
5)。
いた以外は実施例4と同様にして、実施例4と同一形
状、同一重量のテストビームを計10本得た(実施例
5)。
実施例3で得られたFRTPスタンパブルシートを用
いた以外は実施例4と同様にして、実施例4と同一形
状、同一重量のテストビームを計10本得た(実施例
6)。
いた以外は実施例4と同様にして、実施例4と同一形
状、同一重量のテストビームを計10本得た(実施例
6)。
比較例1で得られたFRTPスタンパブルシートを用
いた以外は実施例4と同様にして、実施例4と同一形
状、同一重量のテストビームを計10本得た(比較例
2)。
いた以外は実施例4と同様にして、実施例4と同一形
状、同一重量のテストビームを計10本得た(比較例
2)。
実施例1で得られたFRTPスタンパブルシートから
切出すブランクの形状を、強化方向の長さが1450m
m、強化方向と直交する方向の長さが91.7mmとし、
このブランクを8枚用いた以外は実施例4と同一条件で
成形して、実施例4と同一形状、同一重量のテストビー
ムを計10本得た(実施例7)。
切出すブランクの形状を、強化方向の長さが1450m
m、強化方向と直交する方向の長さが91.7mmとし、
このブランクを8枚用いた以外は実施例4と同一条件で
成形して、実施例4と同一形状、同一重量のテストビー
ムを計10本得た(実施例7)。
実施例2で得られたFRTPスタンパブルシートを用
いた以外は実施例7と同様にして、実施例7と同一形
状、同一重量のテストビームを計10本得た(実施例
8)。
いた以外は実施例7と同様にして、実施例7と同一形
状、同一重量のテストビームを計10本得た(実施例
8)。
実施例3で得られたFRTPスタンパブルシートを用
いた以外は実施例7と同様にして、実施例7と同一形
状、同一重量のテストビームを計10本得た(実施例
9)。
いた以外は実施例7と同様にして、実施例7と同一形
状、同一重量のテストビームを計10本得た(実施例
9)。
比較例1で得られたFRTPスタンパブルシートを用
いた以外は実施例7と同様にして、実施例7と同一形
状、同一重量のテストビームを計10本得た(比較例
3)。
いた以外は実施例7と同様にして、実施例7と同一形
状、同一重量のテストビームを計10本得た(比較例
3)。
なお第3図(a)〜(c)に示すように、テストビーム
20はいずれも、開放面側の端部にフランジ21を有す
る断面U字状の成形物であり、開放面側の全長(l1)
が1500mmで幅(w1)が160mm、閉鎖面側の全長
(l2)が1200mmで幅(w2)が100mmである。
また、閉鎖面側の両端部には、ステイ取付け用凹部22
が中心間距離1200mmで設けられている。
20はいずれも、開放面側の端部にフランジ21を有す
る断面U字状の成形物であり、開放面側の全長(l1)
が1500mmで幅(w1)が160mm、閉鎖面側の全長
(l2)が1200mmで幅(w2)が100mmである。
また、閉鎖面側の両端部には、ステイ取付け用凹部22
が中心間距離1200mmで設けられている。
このようにして得られた各テストビームについて、欠肉
の有無を目視観察により確認した。また、テストビーム
の長手方向の両側面に、特に、ステイ取付け用凹部の側
方部から中央部よりの部分(つまり、テストビーム1本
につき4箇所)におけるウエルドの有無を、軟X線を用
いて確認した。この結果を表−2に示す。
の有無を目視観察により確認した。また、テストビーム
の長手方向の両側面に、特に、ステイ取付け用凹部の側
方部から中央部よりの部分(つまり、テストビーム1本
につき4箇所)におけるウエルドの有無を、軟X線を用
いて確認した。この結果を表−2に示す。
さらに、各テストビームの破壊荷重を、下記の要領で測
定した。
定した。
すなわち、第4図に示すように、4本のガイドポスト3
0と1台のロードセル31により支持され、上面の長さ
方向の両端部に支え治具係支部32を有するフレーム3
3と、このフレーム33の各支え治具体支部32上に回
動自在に設けられた支え治具34と、これら支え治具3
4の間の上方に位置する圧子(先端半径90mm)35と
を有する3点曲げ試験装置36を用い、テストビーム2
0のステイ取付け部22の底部に支え治具34を当接さ
せてこのテストビーム20を支持し、圧子35の降下速
度2mm/秒、雰囲気温度23±3℃の条件で3点曲げ試
験を行い、テストビームが破壊されたときの荷重(破壊
荷重)を測定した。また同時に、破壊モードの同定を行
った。
0と1台のロードセル31により支持され、上面の長さ
方向の両端部に支え治具係支部32を有するフレーム3
3と、このフレーム33の各支え治具体支部32上に回
動自在に設けられた支え治具34と、これら支え治具3
4の間の上方に位置する圧子(先端半径90mm)35と
を有する3点曲げ試験装置36を用い、テストビーム2
0のステイ取付け部22の底部に支え治具34を当接さ
せてこのテストビーム20を支持し、圧子35の降下速
度2mm/秒、雰囲気温度23±3℃の条件で3点曲げ試
験を行い、テストビームが破壊されたときの荷重(破壊
荷重)を測定した。また同時に、破壊モードの同定を行
った。
これらの結果を、破壊荷重については10サンプルの平
均値()とその標準偏差(σ)および下方管理限界値
(−3σ)として、また破壊モードについては中央部
の圧縮破壊(中央圧縮)とステイ取付け部近傍の剪断破
壊(ステイ剪断)とを大別にして、表−2に示す。
均値()とその標準偏差(σ)および下方管理限界値
(−3σ)として、また破壊モードについては中央部
の圧縮破壊(中央圧縮)とステイ取付け部近傍の剪断破
壊(ステイ剪断)とを大別にして、表−2に示す。
表−2から明らかなように、ブランクサイズを2種類と
した実施例4〜6のテストビームには欠肉が認められな
かった。またブランクサイズを1種類と簡略化した実施
例7〜9でも欠肉が認められなかったが、これは実施例
7〜9で用いたFRTPスタンパブルシートの強化方向
の成形流動性が優れているためである。これに対して、
ブランクサイズを2種類とした比較例2のテストビーム
では欠肉が認められなかったが、ブランクサイズを1種
類とした比較例3のテストビームでは全てに欠肉が認め
られた。これは、用いられたFRTPスタンパブルシー
トの強化方向の成形流動性が低いためである。
した実施例4〜6のテストビームには欠肉が認められな
かった。またブランクサイズを1種類と簡略化した実施
例7〜9でも欠肉が認められなかったが、これは実施例
7〜9で用いたFRTPスタンパブルシートの強化方向
の成形流動性が優れているためである。これに対して、
ブランクサイズを2種類とした比較例2のテストビーム
では欠肉が認められなかったが、ブランクサイズを1種
類とした比較例3のテストビームでは全てに欠肉が認め
られた。これは、用いられたFRTPスタンパブルシー
トの強化方向の成形流動性が低いためである。
また、実施例4〜6で用いたFRTPスタンパブルシー
トは比較例2で用いたものよりも強化方向の成形流動性
に優れているため、実施例4〜6でウエルドが発生した
テストビームの数は比較例2より少なかった。
トは比較例2で用いたものよりも強化方向の成形流動性
に優れているため、実施例4〜6でウエルドが発生した
テストビームの数は比較例2より少なかった。
さらに、実施例4〜9のテストビームの破壊荷重の平均
値はいずれも、比較例2〜3のテストビームの破壊荷重
の平均値より大幅に大きい値であり、実施例4〜9のテ
ストビームは機械的強度に優れていた。また、実施例4
〜9のテストビームの下方管理限界値は比較例2〜3の
テストビームの下方管理限界値より大幅に大きい値であ
り、実施例4〜9、特に実施例7〜9のテストビーム
は、品質のバラツキが小さく信頼性の高いものであるこ
とが確認された。
値はいずれも、比較例2〜3のテストビームの破壊荷重
の平均値より大幅に大きい値であり、実施例4〜9のテ
ストビームは機械的強度に優れていた。また、実施例4
〜9のテストビームの下方管理限界値は比較例2〜3の
テストビームの下方管理限界値より大幅に大きい値であ
り、実施例4〜9、特に実施例7〜9のテストビーム
は、品質のバラツキが小さく信頼性の高いものであるこ
とが確認された。
なお、平板成形物にしたときの強化方向の引張り強度が
比較例1のFRTPスタンパブルシートよりも小さい実
施例3のFRTPスタンパブルシートを用いて得られた
実施例6および9のテストビームでも、比較例1のFR
TPスタンパブルシートを用いて得られた比較例2〜3
のテストビームより優れた結果が得られたが、これは、
実施例6および9のテストビームが比較例2〜3のテス
トビームより強化方向の圧縮強度に優れているためと、
実施例3のFRTPスタンパブルシートを凹凸のある成
形物にスタンピング成形したことで、成形時の応力によ
り、一方向性繊維層を構成する実質的に弛緩状態のガラ
ス長繊維束が成形物の凹凸部分においてより緊張状態と
なり、平板成形物よりも強化方向の引張り強度が向上し
たためである。
比較例1のFRTPスタンパブルシートよりも小さい実
施例3のFRTPスタンパブルシートを用いて得られた
実施例6および9のテストビームでも、比較例1のFR
TPスタンパブルシートを用いて得られた比較例2〜3
のテストビームより優れた結果が得られたが、これは、
実施例6および9のテストビームが比較例2〜3のテス
トビームより強化方向の圧縮強度に優れているためと、
実施例3のFRTPスタンパブルシートを凹凸のある成
形物にスタンピング成形したことで、成形時の応力によ
り、一方向性繊維層を構成する実質的に弛緩状態のガラ
ス長繊維束が成形物の凹凸部分においてより緊張状態と
なり、平板成形物よりも強化方向の引張り強度が向上し
たためである。
テストビームの破壊モードは、ウエルドを生じていた実
施例4〜6のうち実施例4〜5では、ステイ剪断と中央
圧縮の両方が認められたが、実施例6ではウエルドが生
じていたが軽微であったため、ステイ剪断には至らず中
央圧縮のみであった。一方比較例2では、ウエルドのた
めステイ剪断が多く、中央圧縮で破壊するものも荷重が
低かった。また、ウエルドの生じていなかった実施例7
〜9および比較例3では、破壊モードは全て中央圧縮で
あった。
施例4〜6のうち実施例4〜5では、ステイ剪断と中央
圧縮の両方が認められたが、実施例6ではウエルドが生
じていたが軽微であったため、ステイ剪断には至らず中
央圧縮のみであった。一方比較例2では、ウエルドのた
めステイ剪断が多く、中央圧縮で破壊するものも荷重が
低かった。また、ウエルドの生じていなかった実施例7
〜9および比較例3では、破壊モードは全て中央圧縮で
あった。
なお、実施例1〜9で得られた各テストビームの表面に
は、露出しているガラス繊維がほとんど認められず、ガ
ラス繊維が多数露出していた比較例2〜3のテストビー
ムに比べて美観に優れているとともに、取扱いが容易で
あった。
は、露出しているガラス繊維がほとんど認められず、ガ
ラス繊維が多数露出していた比較例2〜3のテストビー
ムに比べて美観に優れているとともに、取扱いが容易で
あった。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明のFRTPスタンパブルシ
ートは、一方向性繊維層を構成するガラス長繊維束内へ
の熱可塑性樹脂の含浸性が向上しているとともに強化方
向の成形流動性に優れている。また、上記FRTPスタ
ンパブルシートを材料とする本発明の成形物は、強化方
向の引張り強度に優れているとともにこの方向への圧縮
強度にも優れており、さらに、美観および取扱いの容易
さにも優れている。
ートは、一方向性繊維層を構成するガラス長繊維束内へ
の熱可塑性樹脂の含浸性が向上しているとともに強化方
向の成形流動性に優れている。また、上記FRTPスタ
ンパブルシートを材料とする本発明の成形物は、強化方
向の引張り強度に優れているとともにこの方向への圧縮
強度にも優れており、さらに、美観および取扱いの容易
さにも優れている。
したがって本発明を実施することにより、機械的強度、
信頼性および美観に優れたFRTPスタンパブルシート
およびその成形物を、高い生産性の下に容易に得ること
が可能となる。
信頼性および美観に優れたFRTPスタンパブルシート
およびその成形物を、高い生産性の下に容易に得ること
が可能となる。
図面の簡単な説明 第1図はFRTPスタンパブルシートの圧縮強度測定用
試験片を示す上面図、第2図(a)は圧縮強度試験装置
を示す正面図、第2図(b)は圧縮強度試験装置を示す
側面図、第3図(a)はテストビームを示す斜視図、第
3図(b)は第3図(a)のA−A′線断面図、第3図
(c)は第3図(a)のB−B′線断面図、第4図
(a)は3点曲げ試験装置を示す正面図、第4図(b)
は第4図(a)のC−C′線断面図である。
試験片を示す上面図、第2図(a)は圧縮強度試験装置
を示す正面図、第2図(b)は圧縮強度試験装置を示す
側面図、第3図(a)はテストビームを示す斜視図、第
3図(b)は第3図(a)のA−A′線断面図、第3図
(c)は第3図(a)のB−B′線断面図、第4図
(a)は3点曲げ試験装置を示す正面図、第4図(b)
は第4図(a)のC−C′線断面図である。
3…測定用試験片、15…圧縮強度試験装置、 20…テストビーム、36…3点曲げ試験装置。
Claims (2)
- 【請求項1】方向性を持たせずに配したガラス長繊維束
からなる無方向性繊維層と、一定方向の方向性を持たせ
て配したガラス長繊維束からなる一方向性繊維層とが機
械的に接合されてなるガラス繊維マットに、熱可塑性樹
脂を含浸させてなる繊維強化熱可塑性樹脂製スタンパブ
ルシートにおいて、 この繊維強化熱可塑性樹脂製スタンパブルシートにおけ
る前記ガラス繊維マットの割合が20〜55wt%であ
り、このガラス繊維マットにおける、前記一方向性繊維
層を構成するガラス長繊維束の割合が20〜80wt%で
あり、この一方向性繊維層を構成するガラス長繊維束中
の15〜100wt%のガラス長繊維束が実質的に弛緩状
態にあることを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂製スタ
ンパブルシート。 - 【請求項2】請求項(1)記載の繊維強化熱可塑性樹脂製
スンパブルシートの単体または積層物をプレス成形して
なることを特徴とする成形物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP50946390A JPH062348B1 (ja) | 1989-07-10 | 1990-07-10 | 繊維強化熱可塑性樹脂製スタンパブルシートおよびその成形物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17769989 | 1989-07-10 | ||
JP1-177699 | 1989-07-10 | ||
JP50946390A JPH062348B1 (ja) | 1989-07-10 | 1990-07-10 | 繊維強化熱可塑性樹脂製スタンパブルシートおよびその成形物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH062348B1 true JPH062348B1 (ja) | 1994-01-12 |
Family
ID=26498160
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP50946390A Withdrawn JPH062348B1 (ja) | 1989-07-10 | 1990-07-10 | 繊維強化熱可塑性樹脂製スタンパブルシートおよびその成形物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH062348B1 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5834292A (ja) * | 1981-07-29 | 1983-02-28 | 株式会社クボタ | 断熱管の曲管部の施工方法 |
JPS62240514A (ja) * | 1985-12-26 | 1987-10-21 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 複合長繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシ−ト及びそれを成形してなるバンパ−ビ−ム |
-
1990
- 1990-07-10 JP JP50946390A patent/JPH062348B1/ja not_active Withdrawn
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5834292A (ja) * | 1981-07-29 | 1983-02-28 | 株式会社クボタ | 断熱管の曲管部の施工方法 |
JPS62240514A (ja) * | 1985-12-26 | 1987-10-21 | Nippon Sheet Glass Co Ltd | 複合長繊維強化熱可塑性樹脂スタンパブルシ−ト及びそれを成形してなるバンパ−ビ−ム |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |