JPH0623484B2

JPH0623484B2 - 貼着式の化粧板とこれを使用した貼付施工法

Info

Publication number: JPH0623484B2
Application number: JP63167950A
Authority: JP
Inventors: 武士泉谷
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1988-07-06
Filing date: 1988-07-06
Publication date: 1994-03-30
Anticipated expiration: 2009-03-30
Also published as: JPH0220760A

Description

【発明の詳細な説明】「産業上の利用分野」この発明は、貼着式の化粧板と当該化粧板を使用した貼
付施工法に関する。

「従来の技術」軟質の壁紙と異なり、壁，天井若しくは床面に敷設しよ
うとする硬質の化粧板にあっては、裏面に糊，貼着剤，
接着剤などからなる接着剤層をもつものは存在していな
い。

それは、この種のものにあっては、前もって貼着対象面
が判っていない為にどうしても接着力の強い貼着層を持
たせねばならないが、一旦貼着対象面に接触させると、
折り曲げて貼着対象面の確認が可能な軟質の壁紙と異な
り、硬質の化粧板にあっては確認することが出来ず、こ
れによって生じる誤差の手直しのための移動が不可能で
あるので、正確な突き合わせが出来ないからである。

尚、化粧板は、上述の如く、突き合わせていって敷設す
るものであるが、突き合った板同志を相互に係止一体化
して浮き上りを防止すべく、実加工が施こされるのが通
常であるが、当該実加工の嵌合は化粧板を貼着対象面に
接触後移動させてとり行なわねばならず、この事情から
しても化粧板に接着剤層をもたせることは出来ないので
ある。かかる化粧板の現状の貼付施工は次記の通りであ
る。

先ず、貼着対象面の下地に接着剤を塗布し、当該塗布面
上に化粧板を一枚一枚突き合わせて敷込む。

当該突き合わせは、塗布接着剤の貼着の強度が弱い間に
なされる後行の化粧板の実加工部嵌合のための調整移動
によってなされる。

しかして、突き合わせされた化粧板の接着剤による固定
度は極めて弱く、手を離すと移動してしまうので拘束力
を付加すべく、通常約200〜300mm間隔をもって、実部に
釘打ちを施こして固定する。当該釘頭はボンチ締めにて
しづめる。この釘締めは化粧板の一端（実部）のみを下
地に対して押止するものであるから、あまり強すぎれば
他方端の浮き上りを招ねき、後行の化粧板と間の実加工
部の嵌合に支障をきたすので高度の技能を要し、専門職
によって行なわれるのが普通である。

叙上作業をい繰返していって化粧板の敷込みがなされる
ものであって、通常１坪の施工に72枚〜48枚程度の能率
である。

「発明が解決しようとする課題」上述の如く、従来の化粧板の貼付施工にあっては、正確
な突き合わせをもたらすべく、貼着対象面に塗布される
接着剤の貼着の強度は弱くしなければならず、これに基
づく固定不安定を捕捉すべく、高度の技能を要する釘斜
めを要するものとなっていて、極めて非能率なことが難
点となっている。

本発明は、叙上の事情に鑑みなされたもので、接着力の
強い貼着層を裏面にもつも、貼着対象面での調整移動が
自在で、且つ、突き合わせ後は強力な貼着層の接着力で
強固に固定し得る化粧板を得ることを目的としており、
さらに当該化粧板を用いた針付施工法を提供することを
目的としている。

「課題を解決するための手段」上記目的を達成するために、本発明の貼付式の化粧板に
おいては、側面に実加工部を設け、裏面に瞬間接着性の
貼着層を設けると共に貼着対象面には貼付けに際して該
貼着層の接着力を一時的に停止させる液剤を塗布すると
したものである。

また、側面に実加工部を設け、裏面を発泡シート等の緩
衝材で裏打ちし、当該緩衝材に瞬間接着性の貼着層を積
層させると共に貼着対象面には貼付けに際して該貼着層
の接着力を一時的に停止させる液剤を塗布するとしたも
のである。

さらに、本発明の貼付施工法においては、上記の化粧板
を貼着対象面に上記の液剤を塗布しつつ押し付け、該液
剤の貼着層の接着力の一時的停止作用の間に調整移動で
実加工部の嵌合を果たして突き合わせ、貼着層の接着力
の発現で固定させるとしたものである。

また、叙上の施工法において、貼着対象面がモルタル及
び石膏系等の貼着剤で接着しにくい下地である場合に
は、液剤中に合成樹脂系エマルジョン若しくは合成樹脂
溶液を混合させて貼着対象面の粉末状ほこりを押えると
共に表面の固化を計るとよい。

また、施工後の気温の変化等から施工面に於ける接着力
の劣化が予測される場合には、液剤中に貼着剤について
の硬化剤若しくは硬化促進剤を配合するとよい。

「作用」貼着対象面に塗布された液剤は、化粧板の貼着層との間
に隔膜として介在するので、貼着層の貼着対象面への接
触は阻害され、接着は一時的に停止し、化粧板の移動は
自在となる。

当該一時的の停止は、液剤が貼付対象面に吸収されるか
若しくは揮発するか等にて消滅することによって解除さ
れる。

しかして、上記の一時的停止の間に化粧板は自由に移動
し得位置調整が可能となって、実加工部の嵌合をなし得
ると共に一時停止の終了後には、貼着層の強力な接着力
が働らいて、化粧板は貼着対象面に対して接着固定す
る。

この際、化粧板に緩衝材が裏打ちされていると、フロー
リングの如く載荷々重のかかる場合には下地の凹凸を吸
収し得るので好適である。

また、施工に際して、液剤に他の効能が付加さていると
好適である。

例えば、下地がモルタル及び石膏等の如く貼着材の作用
しにくい面の場合には液剤中に合成樹脂エアルジョン若
しくは合成樹脂溶液等のプライマー基剤が含まれている
と、下地改良がなされるし、また、硬化剤が含まれてい
れば、貼着剤の経時劣化に対措し得る。

「実施例」実施例について図面を参照して説明すると、第１図ａ，
ｂにおいて、化粧板１，１′は夫々側面に実加工部2a，
2bを設けており、ａ図の化粧板１にあっては裏面に瞬間
接着性の貼着層３を設けてなる。

また、ｂ図の化粧板１′にあっては、裏面を発泡シート
等の緩衝材４で裏打ちしており、貼着層３は当該緩衝材
４に設けてなる。

叙上化粧板１，１′は壁，天井，床等の貼着対象面への
貼付けに際して、当該貼着対象面に該貼着層３の接着力
を一時的に停止させる液剤を塗布しておいて押し付けら
れるものであって、貼着層３と下地との間に該液剤が隔
膜として介在するために、化粧板１，１′は下地に押し
当てられても自由に移動し得、所定の実加工部2a，2b間
の嵌合を果たす。

尚、実加工はやとい実であっても差し支えない。当該液
剤は、下地に吸収されるか揮発するか等して経時消滅す
る。

すると、下地との接触を阻止していたものがなくなった
ことによって、貼着層３はそれまで差し止められていた
強力な接着能を発揮して下地に貼付き、何んらの固定用
拘束力付加を不要とする。

ｂ図の緩衝材４の裏打ちがある場合には、下地に多少の
凹凸不整があっても吸収されるので好適である。

以上より明らかな如く、本発明に於ける液剤は、隔膜と
して一定時間存在し得るものであることからして、例え
ばゴム，アクリルに対する水の如く、貼着層３に対して
出来るだけ非溶性であることが好ましい。

また、液剤については、下地又は貼着層３に対して積層
されることを利用して、有効な効能剤の含有をすると便
利である。

例えば、合成樹脂エマルジョン若しくは合成樹脂溶液等
のプライマー基材を含ませれば、モルタル及び石膏等の
下地の改善が同時になされる。

又、硬化材を踏ませれば、貼着層３が温度変化で劣化す
ることに対して補完し得る。

「発明の効果」本発明は、以上説明したように構成されているので、以
下に記載されるような効果を奏する。

押し付け後の調整移動が可能となったので、貼着式の利
点を享受し得ることとなり、これによって専門職にたよ
ることなく日曜大工的ない技能レベルで高能率に施工可
能となった。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは本発明になる化粧板の縦断面である。１……化粧板、2a,2b……実加工部、３……貼着層、４
……緩衝材。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】側面に実加工部を設け、裏面に瞬間接着性
の貼着層を設けると共に貼着対象面には貼付けに際して
該貼着層の接着力を一時的に停止させる液剤を塗布する
としてなることを特徴とする貼着式の化粧板。
【請求項２】側面に実加工部を設け、裏面を発泡シート
等の緩衝材で裏打ちし、当該緩衝材に瞬間接着性の貼着
層を積層させると共に貼着対象面には貼付けに際して該
貼着層の接着力を一時的に停止させる液剤を塗布すると
してなることを特徴とする貼着式の化粧板。
【請求項３】請求項１又は２記載の化粧板を貼着対象面
に液剤を塗布しつつ押しつけ、該液剤の貼着層の接着力
の一時的停止作用の間に調整移動で実加工部の嵌合を果
たして突き合わせ、貼着層の接着力の発現で固定させる
としてなることを特徴とする貼付施工法。
【請求項４】液剤中に合成樹脂系エマルジョン若しくは
合成樹脂溶液を混合した請求項３記載の貼付施工法。
【請求項５】液剤中に貼着材についての硬化剤若しくは
硬化促進剤を配合した請求項３記載の貼付施工法。