JPH0623460B2 - コンクリ−ト床板の施工法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、建造物のコンクリート床板の施工法に関す
る。

〔従来技術〕 従来、水平保持梁を使用するコンクリート床板の施工法
は、一般に水平保持梁上に型枠を設置し、その上に鉄筋
コンクリートの床を打ち、水平保持梁および型枠を撤去
する工法が実施されている。

〔この発明が解決すべき問題点〕

しかしこの従来の工法では、支保梁および型枠の撤去に
手間がかかり、かつ打設された床板の下側において高重
量の保持梁の解体撤去作業をするという作業員による高
所危険作業が必要である等の問題点があった。

この発明は前述した事情に鑑み創案されたもので、その
目的は型枠の撤去作業を必要とせず、しかも保持梁の撤
去作業を安全かつ容易に行うことができるコンクリート
床板の施工法を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明によれば型枠に堰板を使用して、コンクリート
打設後にコンクリート床板として一体化させる。また堰
板を支持する保持梁は、構造用の梁への係止解除および
解除後の吊り下げ降下撤去を、コンクリート打設後のコ
ンクリート床板上面から行えるようにして、梁間に係止
して架渡すこととする。

そして型枠の撤去作業を無くすと共に、支保梁の撤去作
業を成形後のコンクリート床板上面で作業員が安全かつ
容易に行えるようにしたものである。

〔実施例〕

以下この発明を図示する実施例によって説明する。

まずこの発明方法を行うべく支保梁１を梁２に係止させ
る係止金具３を説明する。

係止金具３は、支保梁１が取付けられる取付部材４と、
梁２に係止する係止部材５と、この係止部材５の上端面
に立設されており、少なくとも成形されるコンクリート
床板６の厚さと同じ距離の立設長さを有するケーシング
パイプ７、と取付部材４側から取付部材４，係止部材５
およびケーシングパイプ７内を貫通していると共に、ケ
ーシングパイプ７の立設端に螺合ナット８により固定さ
れており、ケーシングパイプ７内から突出する先端部に
ロープ９の取付け用孔１０ａが設けられている吊持用ボ
ルト１０とからなっている。（第５図、第６図参照） このような構成からなる係止金具３を使用して、この発
明方法によりコンクリート床板６を施工するに際して
は、まず支保梁１の長手方向両端部に、係止金具３をそ
の取付部材４にボルト接合することで取付ける。そして
この支保梁１を梁２，２間に、係止金具３の係止部材５
を係止させることで架渡す。（第１図，第５図参照） 次に架渡した支保梁１の上端面上に、堰板１１を載置し
て支保梁１で支持されるようにする。その後この堰板１
１上に鉄筋１２の配筋等を行ってから、コンクリート１
３の打設を行う。（第２図参照） 次に打設コンクリートが硬化してコンクリート床板６の
成形が完了したら、吊持用ボルト１０の取付け用孔１０
ａにロープ９を巻回して取付ける。その後ナット８の吊
持用ボルト１０への螺合を解除して、ロープ９を人力お
よびウインチ等の機械力によりケーシングパイプ７内へ
繰り出す。

このことにより吊持用ボルト１０は、その頭部１０ｂ
で、支保梁１に取付けた取付部材４を支持しながら降
下、即ち支保梁１を吊り下げながら降下させることにな
る。（第３図，第５図参照） そしてこの降下作業を、第３図，第４図に示すごとく支
保梁１の一端部毎に行うか、または両端部で同時に行う
（図示せず）かして行い、支保梁１を撤去する。なお、
この時に支保梁１と、係止金具３の取付部材４とをピン
接合にて取付ければ、第３図におけるＢ部の状態となる
ことも容易に対処できる。

このようにして堰板１１を一体化したコンクリート床板
６の施工が完了する。

なお第７図〜第９図は、係止金具３の別態様を示すもの
である。

第７図のものは、吊持用ボルト１０の頭部１０ｂに、支
保梁１を取付ける取付け部１０ｃを一体形成したもの
で、第１図に示したものに比べて取付部材４が必要なく
部品点数を減らすことができる。

第８図のものは、吊持用ボルト１０の全長をコンクリー
ト床板６の厚みよりも小さくすると共に、吊持用ボルト
１０とナット８とで取付部材４および係止部材５を直接
締付けている。またケーシングパイプ７を太くして、内
部においてナット８の支持用ボルト１０からの螺合解除
作業およびロープ９の取付用孔１０への巻回作業を行え
るようにしたものである。

このようにすると、硬化成形されたコンクリート床板６
の上面から吊持用ボルト１０が突出することなく、コン
クリート床板６上での作業が円滑に行えるようになる。

第９図のものは、係止金具３への支保梁１の取付けを、
取付部材４に取付けた支保梁受けビーム１４を介して行
うものである。

このようにすると、支保梁受けビーム１４がその長手方
向に複数の支保梁１の端部を受けることができるので、
複数の支保梁１を一度に降下撤去させることができる。

なお支保梁を梁間に係止して架渡す手段としては、前述
した各実施例のものに限らずに、この発明方法である硬
化形成されたコンクリート床板の上面で支保梁の係止解
除および解除後の吊り下げ降下撤去を行えるものなら
ば、どのようなものでもよい。

〔発明の効果〕

この発明は、以上のような構成からなり、次に述べる効
果を有する。

コンクリート床板打設用の堰板を支持する支保梁を、効
果形成後のコンクリート床板上面において係止解除およ
び係止解除後の吊り下げ降下作業が行えるようにして、
梁間に係止して架渡したことにより、支持梁の撤去作業
をコクリート床板上で安全に行うことができる。

またコンクリート床板の下部で撤去作業を行う時のよう
に、特別な機材を用いることもなく、容易に撤去作業を
行うことができる。

さらに撤去作業が特別な機材を必要とすることなく、し
かも安全に行えることは、撤去作業を短時間で安価に行
えることとなる。そしてこのことにより、コンクリート
床板の施工作業全体も、短時間かつ安価に行えることと
なる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図はこの発明方法によるコンクリート床板
の施工方法を示す工程図、第５図は係止金具部分拡大断
面図、第６図は係止金具を示す斜視図、第７図および第
８図、第９図は係止金具の別態様を示す斜視図および拡
大断面図である。 １……支保梁、２……梁、３……係止金具、４……取付
部材、５……係止部材、６……コンクリート床板、７…
…ケーシングパイプ、８……ナット、９……ロープ、１
０……吊持用ボルト、１０ａ……取付け用孔、１０ｂ…
…頭部、１０ｃ……取付け部、１１……堰板、１２……
鉄筋、１３……コンクリート、 １４……支保梁受けビーム。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】コンクリート床板打設用堰板を支持する仮
   設の支保梁を梁間に、コンクリート打設後その上面から
   解除可能に係止して架渡し、この支保梁の上に前記堰板
   および鉄筋を配置した後コンクリートを打設し、次にコ
   ンクリート硬化後、前記支保梁の係止を硬化形成された
   コンクリート床板上面から解除すると共に、この係止解
   除された支保梁を、コンクリート床板上面から吊り下げ
   降下させて撤去することを特徴とするコンクリート床板
   の施工法。