JPH06234504A - 酸素ガスの分離法 - Google Patents

酸素ガスの分離法

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JPH06234504A
JPH06234504A JP5045803A JP4580393A JPH06234504A JP H06234504 A JPH06234504 A JP H06234504A JP 5045803 A JP5045803 A JP 5045803A JP 4580393 A JP4580393 A JP 4580393A JP H06234504 A JPH06234504 A JP H06234504A
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JP
Japan
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gas
adsorption
adsorption tower
oxygen
product
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JP5045803A
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Inventor
Tsutomu Takahashi
勉 高橋
Eiji Hayata
英司 早田
Tatsuo Kinoshita
龍生 木下
Chiaki Marumo
千郷 丸茂
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B13/00Oxygen; Ozone; Oxides or hydroxides in general
    • C01B13/02Preparation of oxygen

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
  • Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 分子ふるい炭素を充填した2塔の吸着塔に加
圧空気を供給し、各吸着で順次、加圧減圧を繰り返し、
吸着成分である酸素ガスを回収する圧力スイッチング吸
着法において、吸着成分を回収して酸素ガスを分離精製
することを特徴とする。 【効果】 本発明によれば、空気中の酸素ガスを高濃度
で簡便かつ安価に分離することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分子ふるい炭素の選択
的吸着特性を利用して、空気中の酸素ガスを分離する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、空気中の酸素ガスを分離する技術
として圧力スイング吸着法(以下PSA法と略す)が開
発され実用化が進展しつつある。このPSA法によるガ
スの分離法は、吸着剤の選択的吸着特性を利用してガス
を分離するものであり、深冷分離法に比較して装置が小
型となり、操作が簡便で、オンサイトで連続無人運転が
可能であるなどの特徴がある。
【0003】従来、PSA法で空気中の酸素ガスを分離
する場合は、吸着剤としてゼオライトを使用し、加圧下
で窒素ガスを吸着除去して、非吸着成分の酸素ガスを製
品ガスとして分離する方法が採用されてきたが、ゼオラ
イトは親水性材料で、水の吸着力が強く、水を吸着する
と著しく性能が劣化するため、PSA操作に先立って、
あらかじめ原料ガス中の水分を十分除去しておかなけれ
ばならず、設備が煩雑になり、メンテナンス上も細かい
留意が必要であるなどの欠点を有している。
【0004】また、通常酸素製造に用いられる5A型や
13X型ゼオライトでは、窒素が吸着成分となり、酸素
とアルゴンが非吸着成分となるので、酸素とアルゴンの
分離が原理的に不可能である。そのため、空気中の酸素
を濃縮する酸素発生装置においては、原料空気中に含ま
れる約0.93%のアルゴンが酸素と共に濃縮され、酸
素濃度を最高でも約95%までしか高めることができ
ず、その用途が限定されているのが現状である。このた
め、高濃度の酸素ガスを得る場合には、あらたにアルゴ
ン除去のための装置が必要となり酸素ガス精製コストも
高くなる。
【0005】一方、分子ふるい炭素は、非極性の疎水性
材料であり、水分による極端な性能劣化がないこと、及
び、酸素が吸着成分となり、窒素とアルゴンが非吸着成
分となるため、酸素,窒素,アルゴンを含む原料空気よ
り、酸素のみを高濃度で取り出すことが可能になること
などの点で、酸素濃縮に適した材料であると考えられ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記観
点より、鋭意研究の結果、新しい酸素ガスの分離方法と
して本発明を完成させたものである。本発明の目的は、
空気中の酸素ガスを高濃度で簡便かつ安価に分離するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的及び利
点は、分子ふるい炭素を充填した2塔の吸着塔に加圧空
気を供給し、各吸着塔で順次、加圧・減圧を繰り返し、
吸着成分である酸素ガスを回収する圧力スイング吸着法
において、 1)吸着塔に原料空気を供給して昇圧し、更に加圧状態
に保ちつつ原料空気の供給を継続し、酸素ガスを吸着す
る吸着工程 2)吸着工程終了後の吸着塔に製品酸素ガスの一部を導
入して洗浄する洗浄工程 3)洗浄工程終了後の吸着塔内を減圧し、吸着している
酸素ガスを回収する回収工程 4)回収工程終了後の吸着塔に、製品酸素ガスの一部を
導入して昇圧する還流工程 5)還流工程終了後の吸着塔に洗浄工程にある他方の吸
着塔から排出されるガスを導入し吸着する洗浄排出ガス
吸着工程の5工程からなる一連の操作を各吸着塔で順次
連続的に繰り返し、酸素ガスを継続して取り出すことを
特徴とする酸度ガスの分離法により達成される。
【0008】本発明に用いる分子ふるい炭素は、石炭,
ヤシ殻炭あるいは種々の合成高分子材料などより製造す
ることができる。そして、これらの製造法としては、例
えば、特公昭49−37036号公報,特公昭52−1
867号公報,特公昭52−47758号公報,特開昭
59−45914号公報,特開昭61−6108号公
報,特開昭62−59510号公報などに開示されてい
る。
【0009】本発明の酸素ガスの分離法に適用される分
子ふるい炭素は、公知の分子ふるい炭素より適宜選択す
れば良いが、特に特開平1−61306号公報に記載し
たフェノール樹脂微粉末、熱硬化性樹脂溶液及び高分子
バインダーを主原料として製造した分子ふるい炭素を充
填剤として用いた場合、一層好ましい結果が得られる。
この、特開平1−61306号公報に記載の分子ふるい
炭素は、(A)粒径0.8〜120μmの多数の球状炭
素粒子が三次元的に不規則に重なり、かつ合体された構
造を有し、(B)該多数の炭素粒子間には、三次元的に
不規則に走る連続通路が存在し、(C)該多数の炭素粒
子のおのおのは、該粒子の間の通路に連通する多数の細
孔を有し、そして、(D)少なくとも、85重量%の炭
素含有率を有することを特徴とする分子ふるい炭素であ
り、
【0010】その製造法は、 (イ)熱硬化性フェノール樹脂微粉末 (ロ)熱硬化性樹脂の溶液 ここで、熱硬化性樹脂はフェノール樹脂または、メラミ
ン樹脂である。及び (ハ)高分子バインダー ここで、該高分子バインダーは、ポリビニルアルコー
ル、及び水溶性または水膨潤性セルロース誘導体から選
ばれる。から構成され、
【0011】かつ該熱硬化性フェノール樹脂微粉末
(イ)100重量部当たり、該熱硬化性樹脂の溶液
(ロ)5〜50重量部(固形分として)および高分子バ
インダー(ハ)1〜30重量部である均一混合物を準備
し、この均一混合物を粒状物に成形し、そして、この粒
状物を非酸化性雰囲気下、500〜1100℃の範囲の
温度で加熱処理して炭化した粒状物を生成することを特
徴とするものである。
【0012】さて、分子ふるい炭素,活性炭等の炭素系
吸着剤は、多孔質材料であり、種々の大きさの細孔を有
している。吸着剤の細孔は通常その大きさにより直径2
0Å以下をミクロ孔、直径20〜500Åをメソ孔、直
径500Å以上をマクロ孔と呼ぶ。分子ふるい炭素の選
択的吸着特性は特に、ミクロ孔の細孔直径および細孔容
積と密接な関係にある。このミクロ孔の細孔直径及び細
孔容積は、後述の測定法の項で記載のモレキュラープロ
ーブ法により決定できる。
【0013】本発明に用いる分子ふるい炭素の細孔容積
(後述のモレキュラープローブ法で酸素ガス吸着により
測定)は、好ましくは、分子ふるい炭素1g当たり、
0.08〜0.7ccであり、より好ましくは、0.0
8〜0.4cc、もっとも好ましくは、0.1〜0.3
ccである。また、この分子ふるい炭素の細孔は、細孔
直径、3〜5Åの範囲が最も多いことが好ましく、5Å
以上の細孔直径を有するミクロ孔の細孔容積の割合は、
好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下、も
っとも好ましくは10%以下である。
【0014】また、この分子ふるい炭素は、組成上の特
徴として、少なくとも85重量%の炭素含有率を有し、
好ましくは少なくとも90重量%の炭素含有率を有す。
この分子ふるい炭素の比表面積は、N2 吸着によるB.
E.T.法により測定した値として通常5〜600m2
/g、好ましくは10〜400m2 /g、更に好ましく
は20〜350m2 /g程度である。この分子ふるい炭
素は、例えば直径0.5〜5mm、長さ1〜10mm程
度の円柱状の形態あるいは直径0.5〜5mm程度の球
状の形態で提供される。
【0015】本発明の吸着工程とは、分子ふるい炭素を
充填した吸着塔の一端から、原料加圧空気を供給して昇
圧し、更に、吸着塔の他端より非吸着ガスを排出しなが
ら吸着塔内を一定の加圧状態に保ちつつ、原料の供給を
継続し、酸素ガスを吸着する工程である。この吸着工程
における吸着塔内の圧力は、通常0.1〜9.9kgf
/cm2・Gである。吸着剤の吸着容量は、吸着圧力が
高いほど大きくなるが、一方、吸着圧が高いほど、装置
の動力原単位も上昇するため、通常上記範囲で操作する
とよい。この圧力範囲は、好ましくは0.5〜7.0k
gf/cm2 ・G、最も好ましくは、1.0〜5.0k
gf/cm2 ・Gである。吸着工程を継続すると、分子
ふるい炭素への酸素ガスの吸着量が次第に増加し、吸着
塔の他端の出口より排出される非吸着ガス中の酸素濃度
が次第に増加する。吸着工程の所要時間は、吸着剤の吸
着容量,吸着塔内圧力,所望の製品ガスの純度などを考
慮して設定されるが、通常30〜240秒、好ましくは
60〜210秒、最も好ましくは90〜180秒であ
る。
【0016】本発明の洗浄工程とは、吸着工程終了後の
吸着塔の一端から製品酸素ガスの一部を供給し、他端か
ら排出させる工程である。この工程では、吸着塔内に滞
留している酸素濃度の低い混合ガスを塔内より排出し、
また吸着塔内の酸素分圧を高めて、分子ふるい炭素にわ
ずかに吸着している窒素ガスを脱着,排出させて、回収
工程での製品酸素ガスの濃度を向上させることができ
る。洗浄ガスの供給圧力は、通常大気圧以上製品ガス取
り出し圧力以下であり、好ましくは0.5〜7.0kg
f/cm2 ・G、更に好ましくは0.5〜5.0kgf
/cm2 ・Gである。また、洗浄ガスの供給量は、その
増加にともない製品ガス濃度も上昇するが、余り多量に
なると製品ガス収率の低下を来すので、通常製品ガス取
出量の10〜150vol%、好ましくは30〜120
vol%、更に好ましくは、40〜100vol%であ
る。
【0017】本発明の回収工程とは、洗浄工程終了後の
吸着塔内を真空ポンプで減圧し、分子ふるい炭素に吸着
している酸素ガスを脱着させ、サージタンクに回収する
工程である。この工程における吸着塔内の減圧度は、通
常200torr以下、好ましくは100torr以
下、更に好ましくは50torr以下である。また、回
収工程の所要時間は、通常30〜240秒、好ましくは
60〜210秒、更に好ましくは90〜180秒であ
る。
【0018】本発明の還流工程とは、回収工程終了後、
吸着塔の一端から製品酸素ガスの一部を供給して昇圧さ
せる工程である。この工程では、製品酸素ガスが再び吸
着ガスとして供給されるため、製品ガス中の酸素濃度を
一層高めることができる。還流工程における昇圧は、通
常0.1kgf/cm2 ・G以上、サージタンク内圧以
下である。
【0019】本発明の洗浄排出ガス吸着工程とは、還流
工程終了後、吸着塔の一端から、洗浄工程にあるもうひ
とつの吸着塔から排出されるガスを導入し吸着させる工
程である。洗浄工程では、製品酸素ガスを使用して洗浄
を行うので、ここで排出させるガスの酸素濃度は原料空
気より高くなっている。そこで、この排出ガスを還流工
程終了後の吸着塔へ導入し、分子ふるい炭素へ吸着させ
ることにより、洗浄工程で排出される酸素ガスを回収で
き、また空気を供給した場合よりも酸素ガスの吸着量が
大きくなるため、高濃度の製品酸素ガスを得ることがで
きる。この洗浄排出ガス吸着工程の所要時間は、通常、
吸着工程の所要時間に対して25〜150%、好ましく
は40〜125%、最も好ましくは60〜100%であ
る。
【0020】本発明においては、上記分子ふるい炭素を
充填した2塔の吸着塔よりなるPSA装置において、
1)吸着工程 2)洗浄工程 3)回収工程 4)還流
工程5)洗浄排出ガス吸着工程 の一連の工程を連続的
に繰り返し実施することにより、酸素ガスの分離を効率
的に実施することができる。また本発明においては、各
工程時間の適切な組み合わせや、原料空気供給量,製品
取出量,洗浄ガス供給量の設定により、製品酸素濃度を
20%台〜90%台まで任意に選ぶことができる。
【0021】以下、図1に示す2塔式PSA装置を使用
した場合について具体的に説明する。図1において、吸
着塔1,2には、それぞれ分子ふるい炭素が充填されて
いる。まず、電磁弁11,12を開状態とし、空気圧縮
機4により加圧された空気を、流入路パイプ1aを通し
て、吸着塔1に供給する。そして、所定の加圧状態に保
ちつつ、原料空気の供給を継続し、空気中の酸素ガスを
吸着させる吸着工程を行う。この間、主に窒素ガスより
なるガスが排出路パイプ1bを通り排出される。
【0022】吸着塔1が吸着工程にある時、吸着塔2
は、回収工程更に引き続き還流工程にある。すなわち、
電磁弁23を開状態とし、製品酸素ガス回収路2cを通
し、真空ポンプ6を分子ふるい炭素に吸着された酸素ガ
スを回収し、サージタンク3に導入する。更に引き続
き、電磁弁23を閉じ、24を開け、製品酸素ガス導入
路2dより、製品酸素ガスの一部を導入し、吸着塔を加
圧する。吸着塔1,2では、同一のサイクル操作を1/
2サイクルだけ時間差をとって操作するので、以下、吸
着塔1の場合の操作について主に説明する。
【0023】分子ふるい炭素への酸素ガスの吸着が飽和
する直前に吸着塔1の吸着工程を終了し、電磁弁11を
閉じ、14,16,25,22を開状態とし、製品酸素
ガス導入路1dを通し、吸着塔1へ製品酸素ガスを導入
し洗浄工程を行なう。この時排出されるガスは、更に、
洗浄排出ガス導入路1eを経て、吸着塔2へ供給され、
吸着塔2の洗浄排出ガス吸着工程に使用される。洗浄工
程は、吸着塔内に残留する窒素リッチガスを吸着塔外へ
排出し、吸着塔内の酸素ガスの分圧を高め、窒素ガスの
分圧を低くすることにより、分子ふるい炭素にわずかに
吸着している窒素を脱着,排出させるため、回収する製
品酸素ガスの濃度を上昇させることができる。なお、洗
浄工程に先立って、電磁弁13,31を開け、吸着塔内
に残留する窒素リッチガスを排出する排出工程を入れて
もよい。
【0024】吸着塔1が洗浄工程にある時、吸着塔2は
洗浄排出ガス吸着工程にある。洗浄工程終了後、電磁弁
14,16,25,22を閉じ、13を開け、製品酸素
ガス回収路1cを通し、真空ポンプ6で分子ふるい炭素
に吸着されている酸素ガスを回収し、サージタンク3に
貯留する回収工程を行う。吸着塔1が回収工程にある
時、吸着塔2は吸着工程にある。回収工程終了後、電磁
弁13を閉じ、14を開け、製品酸素ガス導入路1dを
通し、製品酸素ガスの一部を導入し、吸着塔内を加圧す
る還流工程を行う。吸着塔1が還流工程にある時吸着塔
2は吸着工程にある。
【0025】還流工程終了後、電磁弁14を閉じ、2
4,26,15,12を開け、洗浄工程にある吸着塔2
の洗浄排出ガスを洗浄排出ガス導入路2eを通し、吸着
塔1へ導入する洗浄排出ガス吸着工程を行う。この工程
により、洗浄工程で排出されるガス中に含まれる酸素ガ
スを回収することが可能であり、高濃度の製品酸素ガス
を得ることが可能となる。また、洗浄排出ガスの供給法
としては、上記方法以外に、あらかじめ原料空気と混合
してから供給する方法も可能である。すなわち、電磁弁
11,24,26,15,12を開け、原料空気と共に
吸着塔へ供給するものであり、洗浄排出ガス吸着工程と
吸着工程とを同時に行うことになる。
【0026】洗浄排出ガス吸着工程終了後、再び吸着工
程に移り、1サイクルが完了する。そして、吸着塔1,
2の間で1/2サイクルずつ工程をずらしてPSA装置
を運転することにより連続して酸素ガスを取り出すこと
ができる。本発明においては、上記のごとく、1)吸着
工程 2)洗浄工程 3)回収工程 4)還流工程
5)洗浄排出ガス吸着工程 の5つの工程よりなる一連
の操作を各吸着塔で順次連続的に繰り返すことにより、
空気中から酸素ガスを分離することができる。また、本
発明においては、上記5工程以外の工程をつけ加えるこ
とはなんら制限するものではない。
【0027】
【発明の効果】本発明の酸素ガス分離法は、空気に比較
してやや酸素ガス濃度を高めた酸素富化空気の製造か
ら、酸素濃度95%以上の高濃度酸素の製造まで広範囲
の濃度の酸素ガス製造装置として用いることができるた
め、その応用範囲は多岐にわたる。例えば、本発明の装
置で製造した酸素富化空気は、各種燃焼設備の酸素富化
燃焼用ガスとして用いることができ、酸素濃度30〜4
5%程度の製品ガスは、各種バイオリアクター用の酸素
富化空気として利用できる。また、酸素濃度90〜95
%程度の製品酸素ガスは、廃水処理での曝気用,医療
用,その他,各種用途に対し、安価な酸素供給源として
利用できる。更にまた、98%以上の高濃度酸素は、特
に、溶接,溶断用など高温を必要とする分野で利用する
ことができる。本発明で得られる酸素ガスは、上記用途
以外にも、各種の用途に対し、酸素ボンベの代替用とし
ても用いることができる。以下、実施例を挙げて本発明
を具体的に説明する。
【0028】なお、本発明で使用した分子ふるい炭素の
ミクロ孔の細孔直径および容積の測定は、全自動ガス吸
着測定装置(BELLSORP28)(日本ベル(株)
製)を用いて、モレキュラープローブ法により行なっ
た。測定法は、298Kにおける酸素(分子径2.8
Å),エタン(分子径4.0Å),イソブタン(分子径
5.0Å)の0〜760mmHgにおける吸着等温線の
測定結果を式(1),(2)のDubinin−Ast
akhov式により整理して、吸着の特性エネルギー
E,ミクロ孔容積Wo を決定し、細孔径分布ヒストグラ
ムを作成した。 W/Wo =exp{−(A/E)n } (1) A =R・T・ln(Po /P) (2) ここで、 W:平衡圧Pにおける吸着量 Wo :極限吸着量(ミクロ孔容積) A:吸着ポテンシャル E:吸着特性エネルギー R:気体定数 T:測定温度 Po :飽和蒸気圧 P:平衡圧 n:酸素吸着の場合n=2、エタン,イソブタン吸着の
場合n=3
【0029】実施例1 400 lの反応容器に、塩酸18%およびホルムアルデ
ヒド9%からなる混合水溶液300kgを入れ、温度を
20℃とした。次に、この反応容器に、濃度98%(2
%は水)のフェノールと水を用いて調製した濃度90%
のフェノール水溶液(20℃)を12kg添加した。添
加後30〜40秒間攪拌し、反応容器内の内容物が急激
に白濁すると同時に攪拌を中止し静置した。静置を続け
ると内温が徐々に上昇し、内容物は次第に淡いピンクに
変色し、白濁してから30分後にはいずれもスラリー状
あるいは樹脂状物の生成が見られた。上記工程後、引き
続いて内容物を75〜76℃まで30分間で昇温し、こ
の温度で攪拌しながら40分間保持した。次に、この内
容物を水洗した後、濃度0.1%のアンモニア水溶液中
で、50℃において6時間中和処理し、ついで水洗濾過
し80℃において6時間乾燥した。その結果、目的とす
る粒子形状が球状のフェノール樹脂粉末が得られた。
【0030】つぎに上記方法により作製した球状フェノ
ール樹脂10kgを計量し、さらに該球状フェノール樹
脂粉末100重量部に対し、水溶性メラミン樹脂(住友
化学(株)製,スミテックスレジンM−3,固形分濃度
80%)を固形分の量で20重量部、重合度1700け
ん化度88%のポリビニルアルコール4重量部、馬鈴薯
澱粉20重量部およびエチレングリコール4重量部を計
量した。上記原料のうちポリビニルアルコールを温水で
20重量%の水溶液となるように溶解し、このポリビニ
ルアルコール水溶液に水溶性メラミン樹脂,馬鈴薯澱粉
およびエチレングリコールを加えて更に10分間混合し
た。
【0031】この混合組成物を2軸押出造粒機(不二パ
ウダル(株)製,ペレッタダブル,EXDF−100
型)で押出し、平均粒子径が3mmφ×6mmLの粒状
体を造粒した。該粒状体を80℃で24時間熱処理した
後、有効寸法800mmφ×2000mmLのロータリ
ーキルンに入れ、窒素雰囲気下60℃/hrで昇温し、
780℃で1時間保持し、その後炉冷し、平均粒子径
2.4mmφ×4mmLのペレット状の分子ふるい炭素
を得た。
【0032】この分子ふるい炭素の特性を評価するた
め、図2に示す吸着特性測定装置により、酸素ガスおよ
び窒素ガスの吸着量を測定した。同図において、試料室
4(200ml)に3gの試料を入れ、バルブ11,8を
閉じ、2,3を開けて、30分間脱気した後、バルブ
2,3を閉じ、バルブ11を開け、調整室5(200m
l)内に酸素ガスまたは窒素ガスを送り込み、所定圧
(6.00kgf/cm2 ・G)になったところで、バ
ルブ11を閉じ、3を開け、所定時間における内部圧力
の変化を測定して、酸素ガスおよび窒素ガスの吸着量を
求めた。測定の結果、この分子ふるい炭素1g当たりの
吸着量は、24℃において吸着開始1分後で酸素が2
0.9mg/g(吸着圧2.532kgf/cm2
G)、窒素が1.5mg/g(吸着圧2.635kgf
/cm2 ・G)、平衡吸着量は、酸素が23.4mg/
g(吸着圧2.519kgf/cm2 ・G)、窒素が2
0.9mg/g(吸着圧2.516kgf/cm2
G)であった。この分子ふるい炭素を図1に示す2塔式
PSA装置の吸着塔(内径53.5mmφ×800L)
に充填し、表1に示す運転サイクルおよび操作時間で運
転した。
【0033】
【表1】
【0034】この時、吸着工程での吸着塔内圧力は、3
kgf/cm2 ・G、回収工程における減圧度は50t
orr、製品ガス取出量は0.3Nl/min、原料空
気供給量は5Nl/minとし、洗浄ガス流量は0.2
Nl/min、塔内圧力1.0kgf/cm2 ・G、サ
ージタンク内圧力を1.0kgf/cm2 ・Gとした。
この結果得られた製品酸素ガスの濃度,収率を表2に示
す。ここで、製品酸素ガスの収率Y(%)は次式に従い
求めた。
【0035】
【表2】
【0036】本実施例により酸素濃度64.2〜98.
4%の製品ガスが収率18.4〜28.2%で得られ、
特に実験4,5,6では酸素濃度90%以上の高濃度の
製品ガスが高収率で得られた。
【0037】実施例2 実施例1と同様にして準備した分子ふるい炭素を図1に
示す2塔式PSA装置の吸着塔に充填し、PSA装置の
操作条件を洗浄ガス流量,製品取出量は表3に示す条件
で、その他の条件は実施例1の実験番号5と同一として
実験を行った。この結果得られた、製品酸素ガスの取出
量,濃度,収率を合わせて表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】本実施例により、洗浄ガス流量を多くする
と製品酸素ガス濃度が高くなり、洗浄ガス流量が製品ガ
ス取出量に対して66%以上において製品ガス濃度が9
8%の高濃度となった。一方、実験番号10では、洗浄
ガス流量が少ないため製品ガス濃度が低く、実験番号1
5では、洗浄ガス流量が多すぎるため収率が低くなる。
【0040】実施例3 実施例1と同様にして準備した分子ふるい炭素を図1に
示す2塔式PSA装置の吸着塔に充填し、回収工程にお
ける減圧度を表4の如く設定し、その他の条件は実施例
1の実験番号5と同一として実験を行った。この結果得
られた製品酸素ガスの取出量,濃度,収率を合わせて表
4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】本実施例により、回収工程における塔内圧
力が低くなる程、製品酸素ガス濃度が高くなり収率も向
上した。後に100torr以下の場合に95%以上の
濃度の製品酸素ガスが収率27%以上で得られた。
【0043】実施例4 実施例1と同様にして準備した分子ふるい炭素を図1に
示す2塔式PSA装置の吸着塔に充填し、洗浄排出ガス
吸着工程時間を表5の如く設定し、その他の条件は実施
例1の実験番号5と同一として実験を行った。この結果
得られた製品酸素ガスの取出量,濃度,収率を合わせて
表5に示す。
【0044】
【表5】
【0045】本実施例により、洗浄排出ガス吸着工程時
間が吸着工程時間に対して25%以上において酸素濃度
80%以上の製品ガスが得られた。一方、実験番号21
では工程時間が短いため、洗排出ガスの供給量が少なく
製品酸素濃度が上がらない。逆に実験番号28では、工
程時間が長く、洗浄工程の時間も長くなるため、洗浄ガ
スの供給量が増加し、洗浄ガス取出量が減少する。その
結果、製品酸素収率が低下する。
【0046】実施例5 実施例1と同様にして準備した分子ふるい炭素を図1に
示す2塔式PSA装置の吸着塔に充填し、表6に示す運
転サイクル及び時間で運転した。この時、吸着工程での
吸着塔内圧力は3kgf/cm2 ・G,回収工程におけ
る減圧度は50torr,原料空気供給量は5Nl/m
in,製品ガス取出量0.3Nl/minとし、洗浄ガ
ス流量は0.2Nl/min,塔内圧力1.0kgf/
cm2 ・G,サージタンク内圧1.0kgf/cm2
Gとした。
【0047】
【表6】
【0048】この結果、酸素濃度99.1%の製品ガス
が収率28.4%で得られ、洗浄工程に先立って排出工
程を導入することにより、製品ガス濃度が上昇すること
が分かる。
【0049】実施例6 実施例1と同様にして、表7に示す酸素,窒素吸着特性
の異なる分子ふるい炭素を準備し、この分子ふるい炭素
を図1に示す2塔式PSA装置の吸着塔に充填し、PS
A装置の操作条件を実施例1の実験番号5と同一として
実験を行った。この結果得られた、製品酸素ガスの濃度
および収率を合わせて表7に示す。
【0050】
【表7】
【0051】本実施例により実験番号31では、98.
4%と高濃度の製品酸素ガスが得られた。一方、実験番
号30では、窒素の吸着速度が小さいため、逆に実験3
2,33では、窒素の吸着速度が大きすぎるため製品酸
素濃度が低くなった。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明で使用した2塔式PSA試験装置の概略
図であり、同図において、 1,2 ・・・・・ 吸着塔 3 ・・・・・ サージタンク 4 ・・・・・ 空気圧縮機 5 ・・・・・ エアードライヤー 6 ・・・・・ 真空ポンプ 11〜16,21〜26,31 ・・・・・ 電磁弁 1a,2a ・・・・・ 原料空気流入路パイプ 1b,2b ・・・・・ 排出路パイプ 1c,2c ・・・・・ 製品ガス回収路パイプ 1d,2d ・・・・・ 製品ガス流入路パイプ 1e,2e ・・・・・ 洗浄ガス排出路パイプである。 図2は、本発明で使用した分子ふるい炭素の吸着特性測
定装置の概略図であり、同図において、 1 ・・・・・ 真空ポンプ 2,3,8,11,12,13 ・・・・・ バルブ 4 ・・・・・ 試料室 5 ・・・・・ 調整室 6,7 ・・・・・ 圧力センサー 9 ・・・・・ 記録計 10 ・・・・・ 圧力計 14,15 ・・・・・ ガスレギュレーターである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子ふるい炭素を充填した2塔の吸着塔
    に加圧空気を供給し、各吸着塔で順次、加圧・減圧を繰
    り返し、吸着成分である酸素ガスを回収する圧力スイン
    グ吸着法において、 1)吸着塔に原料空気を供給して昇圧し、更に加圧状態
    に保ちつつ原料空気の供給を継続し、酸素ガスを吸着す
    る吸着工程 2)吸着工程終了後の吸着塔に製品酸素ガスの一部を導
    入して洗浄する洗浄工程 3)洗浄工程終了後の吸着塔内を減圧し、吸着している
    酸素ガスを回収する回収工程 4)回収工程終了後の吸着塔に、製品酸素ガスの一部を
    導入して昇圧する還流工程 5)還流工程終了後の吸着塔に洗浄工程にある他方の吸
    着塔から排出されるガスを導入し吸着する洗浄排出ガス
    吸着工程の5工程からなる一連の操作を各吸着塔で順次
    連続的に繰り返し、酸素ガスを継続して取り出すことを
    特徴とする酸度ガスの分離法
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