JP2546797B2 - 気体混合物の分離法 - Google Patents

気体混合物の分離法

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JP2546797B2 JP62052636A JP5263687A JP2546797B2 JP 2546797 B2 JP2546797 B2 JP 2546797B2 JP 62052636 A JP62052636 A JP 62052636A JP 5263687 A JP5263687 A JP 5263687A JP 2546797 B2 JP2546797 B2 JP 2546797B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、気体混合物の分離法に関する。さらに詳し
くは、化学組成の異なる少くとも2種の気体の混合物を
物理吸着により分離する方法に関する。
(従来の技術) 最近、半導体技術の技術革新に伴って半導体装置製造
の際の雰囲気ガスとして窒素ガスの使用が大幅に延びて
いる。そのような窒素ガスを製造する装置として、これ
までの深冷液化分離装置に代えて吸着剤の酸素吸着作用
を利用して窒素と酸素とを分離する装置が開発されてい
る。この装置は、分子ふるい効果を有する吸着剤、例え
ば粒状のモレキュラーシービングカーボン(MSC.Bergba
u Forshung社製)を吸着塔に詰め、原料空気を加圧下で
この吸着塔に送入して酸素分を選択的に吸着させて窒素
に富んだガスを製造するという圧力スイング吸着(Pres
sure Swing Adsorption以下PSAという)法を応用したも
のである。(特公昭54−17595参照)。これにより非吸
着成分として窒素ガスが得られ、また上記吸着剤に吸着
されているガスを脱離させることにより酸素に富んだガ
スを製造することができる。上記PSA法を利用した装置
は比較的小形で操作が簡便であり、無人連続運転が可能
であることから深冷液化分離装置に代えて使用されてき
ている。特に、上記PSA法では50〜1000Nm3/H程度の規模
の装置では、深冷液化分離装置に比較して動力原単位が
低く製品ガスが安価になるためこの点で有利となる。し
かし、約50Nm3/H以下の小規模の装置においては動力原
単位が非常に大きくなり、経済性が著しく劣るといわれ
ている。上記小形PSA装置の動力原単位の向上には吸着
剤のガス分離特性を向上させて吸着塔を小形化し、それ
に付随する空気圧縮機や真空ポンプ等の付帯設備を小形
化して所要動力を小さくする必要がある。吸着塔のサイ
ズはいうまでもなく吸着剤の特性により大きく左右され
る。吸着容量および吸脱着速度の大きい吸着剤を使用す
ることにより吸着帯を短くすれば、吸着塔を小さくする
ことが可能となり、上記のように動力原単位の向上を実
現させることが可能となる。
本発明者らは、従来のPSA装置に用いられている上記
モレキュラーシービングカーボン(MSC)の吸着特性
を、上記MSC(通常直径2〜4mm,長さ3〜5mmの小円柱
状)の吸脱着のメカニズムを走査型電子顕微鏡写真を撮
影しながら研究した。上記のような小チップ状の粒状MS
Cでは、上記MSCの表面側に原料空気を流入するための比
較的大きな気孔(マクロ孔)101が、第6図に模式的に
示すように形成されており、そのマクロ孔101の壁面
に、分子ふるい作用を有するミクロ孔102が分布形成さ
れて2元細孔構造となつており、原料空気は上記マクロ
孔101の開口101aからマクロ孔101内に入り、ここで酸素
が選択的に吸着され、ついで反転して上記マクロ孔101
内を逆に流れてマクロ孔101その開口101aから外部に流
出するようになっている。このような原料空気の流れに
よって空気の分離が行われる。そして、上記のような粒
状MSCを吸着塔内に充填した場合においては、小チップ
状のMSCとMSCとの間の空隙を原料空気が通って個々のMS
Cにおける上記マクロ孔101内に入って酸素の選択吸着を
受け、再びマクロ孔101内から外部に流出し、さらにつ
ぎのマクロ孔101内に入って酸素の選択吸着を受け、こ
のような動作を繰り返しMSC粒子とMSC粒子との間を通っ
て吸着塔の外部に導出されるようになっている。すなわ
ち、上記従来の粒状MSCにおいては、原料空気の分離に
要する流通路が比較的長くなり、これが吸脱着速度を遅
くする主原因となっていた。上記粒子状MSCの倍率100倍
の走査型電子顕微鏡写真を第7図に示す。図において、
比較的大きな孔状部分がマクロ孔の開口部である。
特開昭61−6108号公報には、フェノール樹脂とポリビ
ニルアルコール樹脂との混合物から製造された、細孔直
径10Å以下の領域に細孔径分布の極大値を有し、細孔直
径15〜200Åの範囲の細孔容積が0.1cm3/g以下である分
子ふるい炭素が開示されている。この分子ふるい炭素
は、吸着容量および吸脱着速度の大きい吸着剤の一つと
して位置づけることができる。
同公開公報の実施例には、n−ブタンとiso−ブタン
の混合ガス、iso−pentaneとneo−pentaneの混合ガスお
よびdichloromethaneとn−heptaneの混合ガスを、いず
れの場合もこれらの混合ガスが10容量%となるように窒
素ガスで稀釈して、上記分子ふるい炭素を充填した吸着
塔に通じ、基礎的な吸着データを得るための実験が開示
されている。一方、同公開公報の一般記載には、上記分
子ふるい炭素が炭化水素異性体および混合炭化水素ガス
の分離、水素ガスの分離精製あるいは圧力スイング吸着
による空気中の窒素と酸素の分離等に使用しうる可能性
が開示されている。しかしながら、それらについての具
体的記載は何んら示唆すらなされていない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、気体混合物の効率的な分離法を提供
することにある。
本発明の他の目的は、化学組成の異なる第1気体と第
2気体例えば窒素と酸素を全気体混合物の少くとも50容
量%で含有する気体混合物例えば空気から、少くとも第
1気体を物理吸着により効率的に分離する方法を提供す
ることにある。
本発明のさらに他の目的は、吸着容量および吸脱着速
度の大きい吸着剤を使用するのみならず、該吸着剤の吸
脱着能力を最大限に活用するようにした、気体混合物の
効率的な分離法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、気体混合物を圧力スイン
グ吸着方式により分離して、所望の気体を効率的に取得
する方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から
明らかとなろう。
(問題点を解決するための手段) 本発明のかかる目的および利点は、化学組成の異なる
第1気体と第2気体を、全気体混合物の少なくとも50容
量%で含有する気体混合物を、 ポリビニルアルコール系樹脂が10〜50重量%、メラミ
ン樹脂が10〜40重量%およびフェノール樹脂が30〜70重
量%よりなる合成樹脂多孔体を、非酸化性雰囲気下、50
0〜700℃の温度領域で炭化するか、または炭化後さらに
酸化性雰囲気下500〜700℃の温度領域で、炭化物の15重
量%以内の重量減少となる範囲で賦活して得た、少なく
とも85重量%の炭素含有率を有し、且つ三次元網目状の
連続気孔を有する炭素質多孔体に対して、 該炭素質多孔体の上記三次元網目状の連続気孔が上記
気体混合物の実質的な流路を形成するように上記気体混
合物を接触せしめて、少なくとも第2気体を該炭素質多
孔体に物理的に吸着せしめ、上記第1気体と第2気体と
を分離する方法によって達成される。
本発明方法で分離の対象とされる気体混合物は、上記
のとおり、全気体混合物中に占める2種の気体(第1気
本と第2気体)の割合が少くとも50容量%、好ましくは
少くとも75容量%、より好ましくは少くとも90容量%の
ものである。ここで、容量%は標準状態、すなわち0
℃、1気圧における容積を基準とするものである。
本発明で分離の対象とするかかる気体混合物として
は、例えばエチレンプラントオフガス、コークス炉オフ
ガスの如き水素とメタンを主成分とする混合ガス;メタ
ノールと水蒸気の反応により生成するメタノール改質ガ
スおよびスチームリフォーミングガスの如き水素と二酸
化炭素を主成分とする混合ガス;コークス炉オフガスか
ら水素ガスを分離したのちに得られる気体混合物の如き
一酸化炭素とメタンを主成分とする混合ガス;メタノー
ルの分解により生成する混合ガスの如き水素と一酸化炭
素を主成分とする混合ガス;転炉オフガスの如き窒素と
一酸化炭素を主成分とする混合ガス;および窒素と酸素
とを主成分とする例えば空気の如き混合ガス等を好適な
ものとして挙げることができる。
上記混合ガスの組成はいずれも文献又は教科書に開示
されている。例えば、エチレンプラントオフガスは、典
型的には、水素94〜96%、メタン4〜6%が主成分をな
し、その他にエタン、エチレン、窒素等を僅かに含有す
る。また、コークス炉オフガスは、水素55〜57%、メタ
ン26〜27%、一酸化炭素6〜7%、および二酸化炭素2
〜8%含有する。さらに、メタノール改質ガスは、水素
約75%および二酸化炭素約24%を主成分とし、その他に
一酸化炭素、メタン等を僅かに含有する。
本発明で用いられる吸着剤は、少くとも85重量%、好
ましくは少くとも90重量%の炭素含有率を有する。炭素
含有率の上限値は実質的に100%に達し、通常約98%で
ある。炭素以外に含有される元素は通常酸素、水素およ
び窒素である。
また、本発明で用いられるかかる吸着剤は、三次元網
目状の連続気孔を有する炭素質多孔体をなしている。か
かる連続気孔は、後述するとおり、分離に付されるべき
気体混合物の実質的な流路となるものであり、その平均
孔径は好ましは1〜500μm、より好ましくは10〜300μ
mである。
また、かような連続気孔の存在によって、上記炭素質
多孔体は通常0.1〜0.8g/cm3、好ましくは0.3〜0.65g/cm
3の見掛け密度を有しそして通常50〜95%、好ましくは6
0〜82%の気孔率を有している。
本発明において用いられる上記炭素質多孔体は、例え
ばポリビニルアルコール、メラミン樹脂およびフェノー
ル樹脂とから例えば下記の如くして製造することができ
る。
その方法は、ポリビニルアルコール10〜50重量%、メ
ラミン樹脂10〜40重量%およびフェノール樹脂30〜70重
量%から製造される合成樹脂多孔体を、非酸化性雰囲気
下、500〜700℃の温度で炭化することから成る。得られ
た炭化物はそのまま本発明における炭素質多孔体として
使用することができるが、場合によってはその後該炭化
物を酸化性雰囲気下500〜700℃の温度で、該炭化物の重
量減が高々15重量%程度まで、加熱処理して賦活させた
のち、本発明の炭素質多孔体として使用する。
ポリビニルアルコールは、そのままあるいはポリビニ
ルアルコールのアセタール化反応により得られるポリビ
ニルホルマール、ポリビニルベンザール等のポリビニル
アセタール樹脂として使用することもできる。
またメラミン樹脂としては、メラミン−ホルムアルデ
ヒド初期縮合物であり通常水溶性を有するものが用いら
れる。
更にフェノール樹脂としては、溶液状のレゾール樹脂
またはノボラック樹脂などを好適に用いることが出来
る。
これらのポリビニルアルコール、メラミン樹脂及びフ
ェノール樹脂より合成樹脂多孔体を製造するには、ポリ
ビニルアルコールおよび上記2種の樹脂を原料とし、例
えば特公昭58−54082号、特開昭57−51109号、特公昭61
−31052号に開示された方法に従って、これらの原料に
対し下記具体的方法における任意の段階で、澱粉、澱粉
変性体、澱粉誘導体あるいは水溶性の金属塩等の気孔形
成材を加えることにより、上記網目状構造の連続したマ
クロ孔を有する合成樹脂多孔体を製造することができ
る。
上記原料からの具体的個々の方法としては、ポリビニ
ルアルコールに架橋剤と硬化触媒を加えて反応させポリ
ビニルホルマール、ポリビニルベンザール等のポリビニ
ルアセタール樹脂を製造した後、該樹脂に所定量のメラ
ミン樹脂、およびフェノール樹脂を含浸などの手段で施
与する方法;ポリビニルアルコールと液状メラミン樹脂
あるいはポリビニルアルコールと液状フェノール樹脂を
均一に混合した後、架橋剤及び硬化剤あるいは硬化触媒
を加えて共重合させた後、残りの一種類の樹脂を施与す
る方法;または、ポリビニルアルコール、液状メラミン
樹脂、液状フェノール樹脂を均一に混合した後、架橋剤
及び硬化剤あるいは硬化触媒を加えて共重合反応を行な
う方法等を用いることができる。
これらの反応に用いる架橋剤あるいは硬化剤、硬化触
媒としては下記のものが好適である。即ちポリビニルア
ルコールの架橋剤としては、ホルムアルデヒド、ベンズ
アルデヒド等のアルデヒド類が好適であり、ポリビニル
アルコールのアセタール化反応及びフェノール樹脂の硬
化反応の触媒としては、塩酸、硫酸、蓚酸、乳酸、パラ
トルエンスルホン酸、マレイン酸、マロン酸等が好適で
あり、メラミン樹脂の硬化剤としては、塩酸、硫酸等の
無機酸や蓚酸ジメチルエステルの様なカルボン酸エステ
ル類、エチルアミン塩酸塩やトリエタノールアミン塩酸
塩のようなアミン類の塩酸塩等を用いることができる。
上記原料としては、ポリビニルアルコール15〜40重量
%、メラミン樹脂15〜30重量%およびフェノール樹脂40
〜65重量%の組合せが好ましく、ポリビニルアルコール
系樹脂20〜30重量%、メラミン樹脂15〜25重量%および
フェノール樹脂45〜60重量%の組合せがより好ましい。
上記原料組成の重量%は、ポリビニルアルコール、メ
ラミン樹脂およびフェノール樹脂の合計量を基準とす
る。
本発明で使用される炭素質多孔体は、上記の如くして
得られた合成樹脂多孔体を、前記の如く、非酸化性雰囲
気下で500〜700℃の温度で炭化せしめる。合成樹脂多孔
体から分子ふるい炭素質多孔体となる生成機構の詳細は
明らかではないが、制御された昇温速度で昇温していく
ことにより約200℃近傍より合成樹脂多孔体の熱分解が
進行し、300〜500℃附近で特に顕著となり、この昇温過
程で熱分解残留物である炭化物の表面に極めて微細な細
孔直径10Å以下のミクロ孔が生成するものと信じられ
る。このミクロ孔は500〜700℃の温度領域での賦活によ
り更に増加する。
ミクロ孔の細孔容積及び細孔半径の測定は後述する窒
素の吸着等温線及びKelvin式を用いて解析したものであ
る。上記の解析法により細孔直径10Å以下となるミクロ
孔の量は500〜700℃の温度領域での炭化により通常細孔
容積にして0.01〜0.1cm3/g程度生成することが判った。
また非酸化性雰囲気下での炭化により生成するミクロ
孔の細孔直径は、昇温速度にも依存し、昇温速度が大き
くなる程細孔直径が大きくなる傾向がある。従って分子
ふるい炭素質多孔体の製造にあたっては昇温速度は遅い
方が好ましい。通常200℃以上の温度領域に於ける昇温
速度は120℃/hr以下であることが好ましく、更に好まし
くは90℃/hr以下、最も好ましくは60℃/hr以下である。
上記の如くして得られた炭化物は、そのまま分子ふる
い炭素として用いることが出来るが、更に該炭化物を水
蒸気雰囲気、炭酸ガス雰囲気等の酸化性雰囲気下で500
〜700℃の温度領域で賦活することにより細孔直径10Å
以下のミクロ孔を著しく増加させることが出来、従って
分子ふるい能を顕著に向上させることが出来る。
賦活による重量減少が非酸化性雰囲気下での炭化によ
り得られた炭化物の重量の15重量%を越えるとミクロ孔
の細孔直径が増大し、分子ふるい効果が低くなる傾向が
顕著になる。
賦活による重量減少は、好ましくは賦活前の炭化物の
12重量%以内最も好ましくは10重量%以内である。
かくして、本発明方法では、上記の如くして得られる
炭素質多孔体、特に細孔直径10Å以下に細孔径分布の極
大値を有し、細孔直径15〜200Åの範囲の細孔容積が0.1
cm3/g以下である炭素質多孔体が吸着剤として好ましく
用いられる。そして、この吸着剤における細孔径分布が
シャープであるため、分子径差の小さい2種の気体につ
いての吸着速度差が大きく、効率的にこの2種の気体を
分離することができる。
本発明方法は、上記の如き炭素質多孔体と前記気体混
合物とを、該多孔体の三次元網目状の連続気孔が上記気
体混合物の実質的な流路を形成するように接触せしめる
ことによって、該多孔体に該気体混合物中の少くとも1
種の気体(第2気体)を物理吸着させ、そして少くとも
1種の他の気体(第1気体)を取得することにより実施
される。
例えば、気体混合物が空気であれば、第1気体は窒素
であり、そして第2気体は酸素であり、気体混合物がコ
ークス炉オフガスであれば第1気体は水素であり、そし
て第2気体はメタンである。また気体混合物がコークス
炉ガスから水素を分離した残りの混合ガスであれば第1
気体は一酸化炭素であり、そして第2気体はメタンであ
り、さらに気体混合物がメタノール改質ガスであれば第
1気体は水素であり、そして第2気体は二酸化炭素であ
る。
本発明方法において、多孔体の三次元網目状の連続気
孔が上記気体混合物の実質的な流路を形成するように接
触させるためには、例えば離れた位置に気体混合物の入
口と出口を有する容器中に、該入口から出口に向う方向
に直角方向の該容器の空間の断面の大きさおよび形状と
実質的に同じ輪郭大きさおよび輪郭形状の断面を有する
多孔体を充填し、そして気体混合物を該容器の入口から
通じることによって実施できる。すなわち、容器の内壁
面が多孔体の外周面(多孔体の三次元網目状の連続気孔
を気体混合物が通過する方向に平行方向の該多孔体の外
面)を封止するため、入口面から多孔体の三次元網目状
の連続気孔に一旦入った混合気体は、外周面から抜け出
る(リーフする)ことなく、出口面から抜け出ることに
なる。
また、多孔体の該外周面又は外面の少くとも一部分を
気体混合物に対して気密にシールすることにより、多孔
体の外周面の容器の内壁面による上記シールに代えるこ
ともできる。多孔体の外周面は例えばナイロン,ポリエ
チレンの如き熱可塑性樹脂、フェノール樹脂,エポキシ
樹脂の如き熱硬化性樹脂等でコーティングするかあるい
はポリ塩化ビニル,ポリオレフィン等を主成分とする熱
収縮フィルムで被覆することによって、シールすること
ができる。
これにより、気体混合物が上記連続孔を通じて流通す
るようになり、その流通の過程において流通路の壁面に
設けられているミクロ孔に第2の気体が選択吸着され第
1気体と分離されるようになる。したがって、吸脱着に
よる流路が短くなり、その過程で吸脱着が行われるよう
になるため、吸脱着速度の著しい向上効果が得られ、気
体混合物の分離効率の著しい向上が実現されるようにな
る。
上記多孔体は、例えば円筒状,円柱状,円板状又はレ
コード盤状であることができる。
本発明において、気体混合物は好ましくは常圧ないし
加圧下で、多孔体と接触せしめられる。加圧条件として
は、例えば2〜9kg/cm2(0.196〜0.883Mpa)の圧力が好
ましく採用される。また、接触の際の温度は通常0〜35
℃が好ましい。
気体混合物は、厳密にはその種類によって異なるが、
通常、空塔線流速(Superficial linear velocity)と
して、好ましくは3〜30cm/secで通じられる。
気体混合物との接触をつづけると、多孔体はやがて被
吸着物(第2気体)の物理吸着によって飽和に達する。
飽和に達する以前に通常気体混合物を多孔体に供給する
のを停止する。すなわち、通常、第2気体の吸着量が飽
和量に近くなると、多孔体中を通過してくる非吸着物で
ある第1気体中に第2気体の混入してくる割合が次第に
大きくなるからである。
多孔体に気体混合物を通じている間において、第2気
体が多孔体に吸着されそして第1気体が通過するので、
該気体混合物中の第1気体と第2気体とを分離すること
ができる。
第2気体が吸着した多孔体から該第2気体を脱着させ
るには、多孔体に気体混合物を通じるのを中止したの
ち、該多孔体を例えばより高い温度まで加熱すか、ある
いはより低い圧力に曝すことができる。例えば、吸着圧
力が4〜9kg/cm2程度と高い場合には、常圧で脱着させ
ることができ、一方吸着圧力が2〜5kg/cm2程度の比較
的低い圧力の場合には、真空ポンプによる減圧再生(脱
着)を行うことが好ましい。
本発明によれば、本発明の好ましい態様として、 (1)化学組成の異なる第1気体と第2気体を含有する
気体混合物を、加圧下において、 少くとも85重量%の炭素含有率を有し、且つ三次元網
目状の連続気孔を有する炭素質多孔体と、 該多孔体の上記三次元網目状の連続気孔が上記気体混
合物の実質的な流路を形成するように接触せしめて、該
多孔体に少くとも第2気体を物理吸着せしめ、次いで (2)炭素質多孔体に物理吸着された第2気体を、 該多孔体から常圧ないし減圧下において、脱着せし
め、そして (3)上記(1)および(2)の工程を繰返す、 ことを特徴とする気体混合物から少くとも第1気体を分
離する方法が提供される。
上記好ましい態様により、窒素(第1気体)と酸素
(第2気体)の混合物such as空気が極めて効率的に分
離できる。
(発明の効果) 上記本発明方法によれば、例えば (A)外部より取り入れた空気を圧縮する空気圧縮機、 (B)全体形状が柱状もしくは筒状であり、そして外周
面をシールした状態で収容する複数の吸着塔、 (C)上記空気圧縮機と上記複数の吸着塔の入口とをそ
れぞれ連通させる複数の流入路パイプ、 (D)上記複数の流入路パイプにそれぞれ設けられた複
数の第1の開閉弁、 (E)上記吸着塔の再生手段、 (F)上記再生手段と上記複数の吸着塔とを連通させる
複数の再生路、 (G)上記複数の再生路にそれぞれ設けられた複数の第
2の開閉弁、 (H)上記複数個の吸着塔のうちの任意の吸着塔が吸着
作動し残った吸着塔が再生または休止するよう上記第1
および第2の開閉弁の開閉を制御する開閉弁制御手段、
および (I)上記複数の吸着塔の出口または入口からそれぞれ
延びる製品ガス取出路 を備えたことを特徴とする分離装置(PSA装置)によっ
て有利に実施される。
上記分離装置は、後に実施例において詳述するとお
り、一般に、吸着−均圧(減圧)−排気−均圧(加圧)
−昇圧の5工程によって運転される。上記均圧工程は、
原料空気の流れ方向と同一方向にガスを流す並流均圧、
または逆の方向にガスを流す向流均圧のいずれかを採用
することによって行われる。並流均圧の方が高純度ガス
が得られ易いことが本発明者の研究によって明らかにな
っている。もちろん上記PSA装置においては、均圧工程
を除去し吸着−排気−昇圧の3工程、あるいは吸着−減
圧−パージー昇圧の4工程を採用することもできる。小
形PSA装置において、動力原単位を向上させるには、2
塔式の装置が有利なことが多いが、単塔式のPSA装置に
より吸脱着サイクルを早くするいわゆるラピッドPSA装
置を用いても本発明方法を実施することができる。
なお、本発明の諸物性値は下記のようにして測定し
た。
(1)細孔容積、細孔径分布の測定 本発明の分子ふるい炭素の細孔容積及び細孔径分布
は、細孔直径60Å〜500μmの範囲は、ポロシメーター
による水銀圧入法(島津製作所製、ポアサイザー9310)
により測定した。
また、細孔直径60Å以下は、窒素ガスの吸着等温線よ
りいわゆるケルビン式により求めた。
ケルビン式 P :吸着ガスが細孔に吸着するときの飽和蒸気圧 Po:常態での吸着ガスの飽和蒸気圧 γ :表面張力 V :液体窒素の1分子体積 R :ガス定数 T :絶対温度 γK:細孔のケルビン半径 細孔のケルビン半径に対する補正は、Cranston−InKley
法によりおこなった。
(2)気孔率: 気孔率(P)は空気比較式比重計(ベックマン社製98
0型)を用いヘリウムガス置換法により測定した真密度
(ρT)とノギスにより測定した見かけ密度(ρA)より
次式により計算した。
P=1−(ρA/ρT) (3)炭素含有量:柳本製作所製の元素分析装置(CHN
CORDER,MT−3型)で測定した。
(4)ガス濃度分析:島津ガスクロマトグラフGC−9A及
びベックマン社製酸素濃度分析計(Model 0260)により
分析した。
以下実施例により具体的に説明する。
実施例1 (1)重合度1700、けん化度99%のポリビニルアルコー
ル500gを水に分散し、加熱溶解後、馬鈴薯澱粉300gを加
えて糊化した。これを室温に冷却後、37重量%ホルマリ
ン700g及び50重量%硫酸250gを加え、均一に混合した後
適量の水で液量調整し、総液量を10lとした。
この混合液を250×250mm角の型枠内に注型し、60℃の
温水中で24時間架橋反応を行なってから水洗し、網状構
造を有するポリビニルホルマール(PVF)多孔体を得
た。該PVF多孔体を40×40×250mmの角柱に成形後、固形
分濃度10〜50重量%のメラミン樹脂(住友化学工業
(株)製品、スミテックスレジンM−3、硬化剤スミテ
ックスレジンACX)に浸漬後、遠心分離してから90℃で2
4時間硬化し、更に固形分濃度20〜50重量%の水溶性レ
ゾール樹脂(昭和高分子(株)製品、BRL−2854)に浸
漬後、90℃で24時間硬化し、第1表に示す組成の3種類
の合成樹脂多孔体を得た。
該合成樹脂多孔体を電気炉に入れ、窒素雰囲気中で80
℃/hrで昇温し670℃で炭化した。得られた炭化品の特性
値を第1表に示す。
各試料の細孔径分布及び細孔容積は窒素ガスの吸着等
温線より求めた。細孔直径が小さくなる程Kelvin式の精
度は低下するが、細孔直径10ÅまでKelvin式を適用する
ことにより細孔径分布の極大値が10Å以下にあるかどう
かを判定した。
(2)次に各試料を用い−50℃に於ける空気分離実験を
行なった。空気の吸着分離実験は、流通式吸着装置のス
テンレス製吸着塔に80mmφ×500mmLの充填長さで試料を
セットし、He 90%、乾燥空気10%よりなる混合ガスを2
0Nml/minの流速で流し、吸着塔出口ガスの濃度の経時変
化を測定し、出口ガス濃度(C)と入口ガス濃度(Co)
の比C/Coを求めて破過曲線を作成した。吸着塔の温度制
御は液体窒素とバンドヒーターを組合せて用いることに
より実施し、まだ窒素及び酸素ガスの濃度測定には、ガ
スクロマトグラフ(TCD検出器,カラム;モレキュラー
シーブ5A)を使用した。第1図に破過曲線測定結果を示
す。
第1図からわかる様に試料No.2では、窒素と酸素の効
果的な分離が認められたが、試料No.1及びNo.3では、窒
素、酸素ともほぼ同程度吸着し、両者を分離することが
極めて困難であることが判明した。
実施例2 実施例1と同様にして、重合度1700,けん化度88%の
ポリビニルアルコール4kgを熱水で溶解後、小麦粉澱粉3
kgを加えて糊化した。この溶解液に固形分濃度60重量%
の水溶性レゾール樹脂(昭和高分子(株)製品,BRL−28
54)20kgを加えて十分に攪拌した後、更に37重量%のホ
ルマリン7kg及び30重量%の蓚酸3kgを加えて均一に混合
し、適量の水で液量調整し、総液量を100lとした。この
混合液を620×620mm角の型枠内に注型し、実施例1と同
様に反応させて、PVA/フェノール系合成樹脂多孔体を得
た。該合成樹脂多孔体を100×100×500mmの角柱に成形
後、実施例1と同様にメラミン樹脂を施与し、ポリビニ
ルアルコール20重量%、メラミン樹脂20重量%、フェノ
ール樹脂60重量%よりなる合成樹脂多孔体を得た。
該合成樹脂多孔体を電気炉に入れ、窒素雰囲気下で50
℃/hrの昇温速度で所定の温度まで昇温し、水蒸気雰囲
気下で所定時間賦活した。得られた賦活品の物性値を第
2表に示す。
上記の2試料を用い圧力スイング吸着(PSA)法によ
る空気中の窒素と酸素の分離を試みた。
2塔式PSA装置の30mmφ×1200mmLの吸着塔内に上記試
料を成形して挿入し、以下の操作条件で吸着分離実験を
行なった。即ち、吸着圧力4kg/cm2、空気流量200Nml/mi
n、吸着時間1分、脱着時間1分で2塔を交互に切換
え、脱着時には真空ポンプで強制排気した。
吸着塔出口ガスの濃度を分析した結果、試料No.4では
窒素濃度99.2%であったが、試料No.5では、窒素濃度7
9.1%で入口空気組成と同じであった。
実施例3 (1)重合度1700,けん化度99%のポリビニルアルコー
ル(PVA)7kgを水に分散させて加熱溶解後、馬鈴薯澱粉
2.5kgを加えて攪拌しながら加熱溶解した。これを室温
まで冷却後、37%ホルマリン9kgおよび50%硫酸2kgを加
え、さらに適量の水を加えて混合液の総量が100lになる
ように調整した。
この混合液を400×200角の型枠に注型し、60℃の温水
中で3日間架橋反応を行ってから水洗いし、網目状構造
を有するポリビニルホルマール多孔体を得た。つぎに、
このポリビニルホルマール多孔体を170mmφ×400mmLの
円柱に成形後、濃度調整を行った水溶性レゾール樹脂
(昭和ユニオン合成(株)製,BRL−2854)に浸漬し、80
℃で24時間乾燥してフェノール樹脂量70%の合成樹脂多
孔体を得た。
この合成樹脂多孔体を電気炉に入れ、窒素雰囲気中に
おいて200℃まで100℃/hr、その後30℃/hrで昇温させ、
660℃で炭化しマクロ孔の平均気孔径が200μm,見掛密度
0.52g/cm3,気孔率68%,寸法100mmφ×250mmLの円柱状
吸着剤を製造した。この吸着剤の断面の倍率100倍の走
査型電子顕微鏡写真図を第2図に示す。第2図におい
て、空洞部分がマクロ孔である。
(2)このようにして得られた円柱状吸着剤を、吸着塔
内にそれぞれ4本ずつ縦に連結して充填した(各吸着塔
内の吸着剤充填容積は100mmφ×1000mmL)。この場合、
上記吸着剤は、吸着塔の内壁面によってシールされた状
態になっている。つぎに、このようにして得られた吸着
塔を2本用い、第3図に示すようなPSA装置を構成し
た。第3図において、1は空気圧縮機、2はエアードラ
イヤーである。3,3aは内部に吸着剤がシール状態で収容
されている吸着塔であり、それぞれその入口が第1の開
閉弁4,4aを備えた流入路パイプ5,5aによって上記エアー
ドライヤー2の出口と連通状態になっている。6は真空
ポンプであり、弁7,7aを備えた吸引路パイプ8によって
上記吸着塔3,3aの入口と連結されている。9,9aは上記吸
着塔3,3aの出口からそれぞれ延びる取出路パイプであっ
て、第2の開閉弁10,10aを備えており、メインパイプ11
に連結されている。12は弁13,13aを備えた均圧用パイプ
であり、上記吸着塔3,3aの出口に連通状態になってい
る。上記メインパイプ11はリザーバータンク14に連結さ
れており、ニードル弁15を備えた製品ガス取り出しパイ
プ16から製品を取り出すようになっている。
(3)この装置において、原料空気中の酸素,窒素の分
離は、つぎのようにして行われる。すなわち、原料空気
を空気圧縮機1で圧縮してエアードライヤー2で乾燥さ
せ、その状態で一方の吸着塔3の入口から流入路パイプ
5を経由させて内部に送入する。このとき、他方の吸着
塔3aの流入路パイプ5aの弁4aは閉状態になっている。そ
して、上記一方の吸着塔3に入った圧縮空気は、内蔵さ
れている吸着剤の、三次元の網目で形成された連続気孔
を流通路として上昇し、その過程で酸素分子が吸着除去
され、吸着塔3の出口では高濃度窒素ガスとなる。この
高濃度窒素ガスは取出路パイプ9からメインパイプ11を
経由し、リザーバータンク14内に一旦貯蔵され、そこか
ら製品ガス取出パイプ16を経由して取り出される。この
とき、他方の吸着塔3aの取出路パイプ9aの弁10aおよび
均圧用パイプ12の弁13,13aは、いずれも閉じた状態にな
っている。一方の吸着塔3が上記のような吸着動作を行
っている間、他方の吸着塔3aでは排気により内蔵吸着剤
の再生が行われている。すなわち、他方の吸着塔3aの出
口側は、上記弁10a,13,13aで閉じられた状態になってお
り、吸引路パイプ8の弁7を閉じ弁7aを開いた状態で真
空ポンプ6を駆動させることにより、吸着塔3a内が向流
で減圧されて排気され吸着剤の再生がなされる。吸着工
堂終了後の吸着塔3と再生工程終了後の吸着塔3aはパイ
プ17,弁13,弁7aにより連通され均圧化される。すなわ
ち、吸着塔3の出口側の弁13および吸着塔3aの入口側の
弁7aだけが開状態でその他の弁は全て閉状態となり、高
圧側の吸着塔3内のガスが吸着塔3の出口より出て吸着
塔3aの入口より吸着塔3aに入り均圧化が行われる。
その後、弁13,7aが閉じ、弁4aが開いて吸着塔3aが昇
圧,吸着工程に入る。一方、吸着塔3では、弁4,10が閉
じ、弁7が開いて再生工程に移る。なお、上記の弁はい
ずれも電磁弁であって、上記のような一連の弁操作は弁
の開閉制御装置(図示せず)の制御によって行われる。
この場合、吸着圧力はゲージ圧4kg/cm2とし、吸着剤の
再生のための真空排気は真空ポンプで100torr以下まで
減圧して行われる。なお、上記吸着剤は比表面積640m2/
gであり、450ccの容器中に試料13gを入れ、初期圧力2.5
kg/cm2(ゲージ圧)でO2およびN2の吸着量を試験的に測
定したとき、1分後の吸着量がO2;24.1mg/g,N2;3.4mg/g
であった。
上記のような一連の操作によって生じる上記吸着塔3,
3a内の圧力状態等を第3表に示す。その製品ガスの取り
出し量と純度の関係を第4表に示した。
なお、第4表において、比較例1の値は、実施例3と同
じ2本の吸着塔に粒径約1mmφ×3mmLの粒状MSCを100mm
φ×1000mmLになるよう充填し、これを用い実施例3と
同様にして空気の分離実験を行ったときの値である。こ
の場合、MSCの充填密度は0.61g/cm3であった。なお、上
記粒状MSCの比面積は560m2/gで、実施例3と同様にして
測定したO2およびN2の1分後の吸着量は、O2が22.1mg/
g,N2が3.8mg/gであった。
実施例4 (1)重合度1700、けん化度99%のポリビニルアルコー
ル5kgを水に分散し、加熱溶解後、馬鈴薯澱粉3kgを加え
て糊化した。これを室温に冷却後、37%ホルマリン7kg
および50%硫酸2.5kgを加え、均一に混合したのち適量
の水で液量調整し、総液量を100lとした。
この混合液を420φ×28φ×900mmLの型枠内に注型
し、60℃の温水中で24時間架橋反応を行ってから水洗い
し、網状構造を有するポリビニルホルマール(PVF)多
孔体を得た。このPVF多孔体を400φ×28φ×350mmLに成
形したのち、固形分濃度を40%に調整したメラミン樹脂
(住友化学工業(株)製,スミテックスレジンM−3)
に浸漬し、遠心分離してから90℃で24時間硬化させ、さ
らに固形分濃度を40%に調整した水溶性レゾール樹脂
(昭和高分子(株)製,BRL−2854)に浸漬後、90℃で24
時間硬化させ円筒状に成形して該ポリビニルホルマール
20%,メラミン樹脂40%,フェノール樹脂40%よりなる
合成樹脂多孔体を得た。
この合成樹脂多孔体を電気炉に入れ、窒素雰囲気中で
60℃/hrで昇温し670℃で炭化し吸着剤を得た。これを外
径250mmφ,内20mmφ,高さ60mm(平均気孔径100μm,見
掛密度0.56g/cm3、気孔率65%)の円筒状吸着剤に成形
した。そして、これを外周面と内周面との間の部分が原
料空気の流通路となるよう、第4図に示すように、上端
面および下端面をそれぞれ遮蔽板20でシールし、図示の
ように、吸着塔内に充填した。この装置のそれ以外の部
分は、第2図と同じであり動作も実質的に同じであるか
ら説明を省略する。第4図では吸着塔3aで吸着動作が行
われ、吸着塔3で脱着動作が行われている。
この装置において、原料空気の流通および真空排気
は、図示の矢印のように、円筒状吸着剤の内周面と外周
面との間の部分によって行われる。この場合、吸着時の
圧力はゲージ圧5kg/cm2,減圧時の圧力が約100torrにな
るよう真空吸入される。この装置における、吸着塔3,3a
内の圧力状態等を第5表に示すとともに、その製品窒素
ガスの取り出し量と純度との関係を第6表に示した。
実施例5 (1)実施例4と同様にして、重合度1700,けん化度88
%のポリビニルアルコール4kgを熱水で溶解後、小麦粉
澱粉3kgを加えて糊化した。この溶解液に固形分濃度60
%の水溶性レゾール樹脂(昭和高分子(株)製,BRL−28
54)20kgを加えて充分に攪拌したのち、さらに37%のホ
ルマリン7kgおよび30%の蓚酸3kgを加えて均一に混合
し、適量の水で液量調整し、総液量を100lとした。この
混合液を320φ×28φ×1000mmLの型枠内に注型し、実施
例3と同様に反応させて、PVA/フェノール系合成樹脂多
孔体を得た。この合成樹脂多孔体を300φ×28φ×750mm
Lの円筒に成形後、実施例3と同様にしてメラミン樹脂
を施与し、ポリビニルアルコール20%,メラミン樹脂20
%,フェノール樹脂60%よりなる合成樹脂多孔体を得
た。
この合成樹脂多孔体を電気炉に入れ、窒素雰囲気下に
おいて50℃/hrの昇温速度で所定の温度まで昇温させ、
水蒸気雰囲気下で所定時間賦活し、外径200mmφ,内径2
0mmφ,高さ500mmLの円筒状の吸着剤をつくった。この
吸着剤は平均気孔径300μm,見掛密度0.60g/cm3,気孔率
62%であった。
(2)これを内径220mmφ,有効高さ1000mmLの吸着塔内
にそれぞれ2本ずつ縦に連結して充填し、連結部を密着
すると同時に、第5図に示すように、連結体の上下の端
面を熱可塑性樹脂板21でシールし、図示のように、吸着
塔3,3a内に装填した。なお、22は弁23を備えたパージ用
パイプで、リザーバータンク14と吸着塔3,3aの出口とを
連通状態にしている。24は放出パイプである。それ以外
の部分は第3図と実質的に同じである。
この装置は、酸素富化空気製造用のものであって、吸
着塔3で酸素の吸着がなされ窒素分に富んだ空気を、吸
着塔3の出口から放出パイプ24で矢印のように放出する
と同時に、他方の吸着塔3aの吸着剤に吸着されている酸
素の脱離に、リザーバータンク14内に収容されている酸
素富化空気をパージ用パイプ22から送り込んでパージす
る。そして、これと同時に、真空ポンプ6で吸着塔3aの
入口から吸引して酸素を取り出し、リザーバータンク14
に収容するようになっている。
なお、上記吸着剤の比面積は625m2/gであり、実施例
3と同様の方法で測定したO2およびN2の吸着量は、それ
ぞれO2;23.8mg/g,N2;3.2mg/gであった。
上記の装置を用いて酸素富化空気の製造を行った場合
の各吸着塔内の圧力状態等を第7表に示す。製品空気の
取り出し量と純度の関係を第8表に示した。
実施例6 実施例3と同様にしてマクロ径の平均気孔径300μm,
見掛密度0.58g/cm3,気孔率64%の吸着剤を製造し、実
施例3と同様の装置に組み込んだ。この場合、吸着時の
圧力は7kg/cm2Gとし、吸着剤の再生には真空ポンプを
用いず常圧再生をした。
このようにして得られた窒素ガスの純度は、窒素ガス
取り出し量が10l/minで0.09%O2を含んでおり、20l/min
で0.9%O2を含んでいた。
実施例7 実施例5と同様にして、ポリビニルアルコール25重量
%,フェノール樹脂75重量%よりなる170mmφ×400mmL
の円柱状PVA/フェノール系合成樹脂多孔体を得た。
この合成樹脂多孔体を電気炉に入れ、窒素雰囲気下で
60℃/hrで昇温し、680℃で2時間保持することにより炭
化した。こうしてマクロ孔の平均気孔径が250μm,見掛
密度0.54g/cm3,気孔率67%,寸法100mmφ×250mmLの円
柱状吸着剤を製造した。この様にして得られた円柱状吸
着剤を実施例3と同様に2本の吸着塔内にそれぞれ4本
ずつ縦に連結した充填した。(各吸着塔内の吸着剤充填
容積は、100mmφ×1000mmL)この場合、上記吸着剤の側
面は、エポキシ系樹脂によりシールし、また、端面はパ
ッキングを用いてシールした。この様にして第3図と同
様のPSA装置を構成した。本装置に水素ガス70%,メタ
ン30%よりなる原料ガスを導入し、水素ガスの分離精製
をおこなった。
実施例3と同様にして、第9表に示す操作条件により
水素ガスの取り出し量と純度の関係について検討した。
吸着圧力は9kg/cm2、再生は100torr以下の減圧で行なっ
た。第9表の操作条件により操作したときの製品水素ガ
スの取り出し量と純度の関係を第10表に示す。なお、上
記吸着塔に充填した円柱状吸着剤の比表面積は、564m2/
gであった。
また第10表において比較例2の値は、実施例3と同じ
2本の吸着塔に粒径約3mmφ×6mmLのMSCを100mmφ×100
0mmLになるように充填し、これを用い実施例7と同様に
して水素の分離精製操作を行なったときの値である。こ
の粒状MSCの充填密度は、0.57g/cm3,比表面積は610m2/
gであった。
実施例8 実施例7と同様にして、水素ガス75%,二酸化炭素25
%よりなる原料ガスを導入し、水素ガスの分離精製をお
こなった。PSA装置の操作条件は実施例7と同様であ
り、また比較例3も比較例2と同様にして実施したもの
である。第11表に製品ガスの取り出し量と純度の関係を
示す。
実施例9 実施例7と同様にして一酸化炭素50%,メタン50%よ
りなる原料ガスを導入し、一酸化炭素の分離実験を行な
った。PSA装置の操作条件を第12表に示す。吸着圧力は9
kg/cm2、再生は100torr以下で実施した。
製品ガスの一酸化炭素の取り出し量と純度の関係を第
13表に示す。また第13表において、比較例3の値は、比
較例2と同様にして、粒状MSCを用いて分離実験を行な
ったときの値である。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明で用いている炭素間の多孔体を用いた
空気の吸着分離試験における破過曲線であり、横軸は時
間(分)縦軸は出口ガス濃度(C)と入口ガス濃度(C
o)の比C/Coを表わしている。 第2図は、本発明で用いられる炭素質の多孔体の粒子構
造を示す倍率100倍の走査型電子顕微鏡写真図である。 第3図は、本発明を実施するための装置の一実施例の構
成図である。 第4図は、本発明を実施するための装置の他の実施例の
構成図である。 第5図は、本発明を実施するための装置のさらに他の実
施例の構成図である。 第6図は、粒状MSCのマクロ孔の模式的説明図である。 第7図は、粒状MSCの粒子構造を示す倍率100倍の走査型
電子顕微鏡写真である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C01B 31/18 C01B 31/18 B 31/20 31/20 B

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学組成の異なる第1気体と第2気体を、
    全気体混合物の少なくとも50容量%で含有する気体混合
    物を、 ポリビニルアルコール系樹脂が10〜50重量%、メラミン
    樹脂が10〜40重量%およびフェノール樹脂が30〜70重量
    %よりなる合成樹脂多孔体を、非酸化性雰囲気下、500
    〜700℃の温度領域で炭化するか、または炭化後さらに
    酸化性雰囲気下500〜700℃の温度領域で、炭化物の15重
    量%以内の重量減少となる範囲で賦活して得た、少なく
    とも85重量%の炭素含有率を有し、且つ三次元網目状の
    連続気孔を有する炭素質多孔体に対して、 該炭素質多孔体の上記三次元網目状の連続気孔が上記気
    体混合物の実質的な流路を形成するように上記気体混合
    物を接触せしめて、少なくとも第2気体を該炭素質多孔
    体に物理的に吸着せしめ、上記第1気体と第2気体とを
    分離する気体混合物の分離方法。
  2. 【請求項2】上記第1気体が窒素であり、上記第2気体
    が酸素であり、気体混合物が空気である特許請求の範囲
    第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】上記第1気体が水素であり、上記第2気体
    がメタンである特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】上記第1気体が水素であり、上記第2気体
    が二酸化炭素である特許請求の範囲第1項に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】上記第1気体が一酸化炭素であり、上記第
    2気体がメタンである特許請求の範囲第1項に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】上記第1気体と第2気体が全気体混合物の
    少なくとも75容量%を占める特許請求の範囲第1項に記
    載の方法。
  7. 【請求項7】上記炭素質多孔体の三次元網目状の連続気
    孔の平均孔径が1〜500μmである特許請求の範囲第1
    項に記載の方法。
  8. 【請求項8】上記炭素質多孔体が少なくとも90重量%の
    炭素含有率を有するものである特許請求の範囲第1項に
    記載の方法。
  9. 【請求項9】上記炭素質多孔体が0.1〜0.8g/cm3の見掛
    密度および50〜95%の気孔率有するものである特許請求
    の範囲第1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】離れた位置に上記気体混合物の入口と出
    口を有する容器中に、該入口から出口に向かう方向に対
    して直角方向の該容器の空間の断面の大きさおよび形状
    と実質的に同じ輪郭大きさおよび輪郭形状の断面を有す
    る上記炭素質多孔体が充填されており、 上記気体混合物を該容器の入口から通ずることにより、
    上記炭素質多孔体の三次元網目状の連続気孔を、上記気
    体混合物の実質的な流路とする特許請求の範囲第1項に
    記載の方法。
  11. 【請求項11】上記炭素質多孔体の三次元網目状の連続
    気孔を上記気体混合物が通過する方向に対して平行方向
    の上記炭素質多孔体の外面の少なくとも一部分が上記気
    体混合物に対し気密にシールされている特許請求の範囲
    第1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】上記炭素質多孔体が円筒状、円柱状、円
    板状又はレコード盤状である特許請求の範囲第1項に記
    載の方法。
  13. 【請求項13】上記気体混合物を、常圧〜加圧下で上記
    炭素質多孔体と接触せしめる特許請求の範囲第1項に記
    載の方法。
  14. 【請求項14】(a)化学組成の異なる第1気体と第2
    気体を、全気体混合物の少なくとも50容量%で含有する
    気体混合物を、加圧下において、 ポリビニルアルコール系樹脂10〜50重量%、メラミン樹
    脂10〜40重量%およびフェノール樹脂30〜70重量%より
    なる合成樹脂多孔体を、非酸化性雰囲気下、500〜700℃
    の温度領域で炭化するか、または炭化後さらに酸化性雰
    囲気下500〜700℃の温度領域で、炭化物の15重量%以内
    の重量減少となる範囲で賦活して得た、少なくとも85重
    量%の炭素含有率を有し、且つ三次元網目状の連続気孔
    を有する炭素質多孔体に対して、該炭素質多孔体の上記
    三次元網目状の連続気孔が上記気体混合物の実質的な流
    路を形成するように接触せしめて、少なくとも第2気体
    を該炭素質多孔体に物理的に吸着せしめる工程と、 (b)ついで、上記炭素質多孔体に物理的に吸着された
    第2気体を、常圧ないし減圧下において該炭素質多孔体
    から脱着せしめる工程とからなり、 (c)これら吸着工程,脱着工程を交互に繰り返して、
    上記第1気体と第2気体とを分離する気体混合物の分離
    方法。
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