JPH0623232U

JPH0623232U - センター押さえ付き搬送治具兼巻線治具

Info

Publication number: JPH0623232U
Application number: JP6037392U
Authority: JP
Inventors: 憲一辻
Original assignee: Nittoku Engineering Co Ltd
Current assignee: Nittoku Engineering Co Ltd
Priority date: 1992-08-27
Filing date: 1992-08-27
Publication date: 1994-03-25
Anticipated expiration: 2007-08-27
Also published as: JP2567605Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】複数個のボビンＢ₁，Ｂ₂を破損させる虞れ無
く、確実に保持して、搬送することも出来、巻線作業を
行うこともできる治具を提供する。【構成】コの字形ヨーク１により、ボビン受け回転座
２およびボビン押し回転座３を、Ｚ軸の回りの回転自在
に同心状に支持し、これらによってボビンＢ₁，Ｂ₂を挾
みつけて保持する。上記ボビン受け回転座２は、アダプ
タ４を介して搬送具１２に取り付けたりスピンドル１３
に取り付けたりすることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コイル用の複数のボビンを同心状に並べて保持する巻線用の治具としての機能を有し、かつ、これら複数のボビンを同心状に揃えたままで受け渡しするための搬送治具としての機能も兼ね得るように改良したコイルボビン用の治具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ボビンにワイヤを巻回してコイルを構成する方式を大別すると、（ａ）該ボビンをスピンドルに取り付けて回転させつつ、ノズルから繰り出されるワイヤをボビンに巻きつけるスピンドル方式（別称、ボビン回し方式）と、（ｂ）該ボビンを固定的に支持しつつ、該ボビンの周囲を回転するフライヤに設けられたノズルからワイヤを繰り出されるワイヤをボビンに巻き付けるフライヤ方式とが有る。本考案は上記の内の前者、スピンドル方式を適用の対称とする。而して、一般にコイルを巻成するには複数の加工工程を経て行なわれ、複数の加工ステーションを順次に搬送しつつ遂行される。巻線や搬送のためにボビンを支持する場合、該ボビンに中心孔が無い場合は一般にコレットチャック式の治具によってボビンを把持するが、ボビンの形状によってはコレットチャックによる把持が容易でない場合も有る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ボビンにワイヤを巻回してコイルを構成する場合、上述のごとくボビンを支持して回転させること、及び、ボビンを把持して搬送することの両方が必要である。而して、ボビンを支持して回転させるための巻線治具、及び、ボビンを把持して搬送するための搬送治具が必要である。更に、上記巻線治具および搬送治具は、構成しようとするコイルの仕様により、特にボビンの型式により、それぞれの場合に応じた機能が要求される。図３（Ｂ）は、構成目的であるコイルの１例として示した偏光ヨークの補正コイルであって、２個のボビンＢ₁，Ｂ₂のそれぞれにワイヤＷを巻回して、コイルＣ₁，Ｃ₂が形成されている。このようなコイルを工業的に能率良く生産するため、同図３（Ａ）に示すように２個のボビンＢ₁，Ｂ₂を同心状に並べてワイヤＷを巻き付けてコイルＣ₁，Ｃ₂を形成した後、該ワイヤＷを折り曲げながら前記の（Ｂ）図のように加工される。こうした作業を遂行するには、図３（Ａ）に示したように２個のボビンＢ₁，Ｂ₂を同心状に並べて回転自在に支持すること、及び、該２個のボビンＢ₁，Ｂ₂を同心状に並べた侭で把持して搬送すること(複数の作業ステーション間を搬送すること)が必要になる。多数の単品のコイルボビンが連続的に搬送されてくる場合、従来技術を適用したワーク挿入装置によってこれらのコイルボビンの複数個を同心状に揃えて巻線治具に供給しようとすると、該挿入装置が複雑で大型大重量となり、従ってコスト高となる上に、メンティナンスも容易でない。本考案は上述の事情に鑑みて為されたもので、例えば図３（Ａ）に示した２個のボビンＢ₁，Ｂ₂を受け渡しながら巻線するのに好適なように、イ．複数個のボビンを同心状に揃えて保持することができ、ロ．フランジ状部が大きくて中心孔の無いボビンであっても、該フランジ状部を破損させる虞れ無く確実に保持することができ、ハ．１組の治具によって巻線にも搬送にも兼用し得る、搬送治具兼巻線治具を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために創作した本考案に係る治具について、図３（Ａ）を参照して基本的原理を略述すると次のごとくである。すなわち、２個のボビンＢ₁，Ｂ₂を、中心線Ｚに揃えて、１対の部材（図示せず）によって矢印Ｐ，Ｐ′方向に挾みつけ、かつ、該１対の部材を中心線Ｚの回りに自在に回転し得るように支承する。上述の原理に基づく構成として本考案に係る搬送治具兼巻線治具は、コの字形ヨークの平行２辺と直角に交わる中心軸Ｚを想定し、上記ヨークの平行２辺の一方にＺ軸を中心軸とする回転自在に支持されたボビン受座と、上記ヨークの平行２辺の他方にＺ軸を中心軸とする回転自在に支持されたセンター押さえ形のボビン押座とを具備していて、前記ボビン受座とボビン押座との間に複数のコイル用ボビンがＺ軸に沿って挾み付けられる構造であり、かつ、前記ボビン受座をヨークに対して回転自在に支持している軸は、巻線機のスピンドル，および搬送機の移動部材の何れかに対して任意に着脱し得る構造であることを特徴とする。

【０００５】

【作用】

上記の構成によれば、ボビン受座とボビン押座との間に複数のボビンを挾み付けて保持することができ、かつ、上記ボビン受座とボビン押座とは、上記複数のボビンを挾み付けて保持したままで搬送機の移動部材に装着して搬送することができ、その上、上記ボビン受座とボビン押座とで上記ボビンを挾み付けて保持したままで、前記ボビン受座をスピンドルに装着して回転させることができる。回転させることによってワイヤを巻きつけてコイルを巻成することができる。このようにして、搬送治具としても巻線治具としも機能することができる。

【０００６】

【実施例】

図１（Ａ）は本考案に係る搬送治具兼巻線治具の１実施例を示す断面図であって、中心線Ｚに沿わしめて２個のボビンＢ₁，Ｂ₂を保持している状態を描いてある。１はコの字形ヨークであって、前記の中心線Ｚは上記コの字形の平行２辺と直角に交わっている。２はボビン受け用の回転座であって、ボビンＢ₁のフランジ状部に嵌合する凹部２ａと、Ｚ軸上に位置する軸部２ｂとを有し、前記コの字形ヨークに対してベアリングを介して回転自在に支承されている。３はボビン押し用の回転座であって、ボビンＢ₂のフランジ状部に嵌合する凹部３ａを有し、操作軸６の先端に固着されている。この操作軸６は中心軸Ｚと同心に配置されたスリーブ７に対して軸心方向の摺動自在に挿通されており、該スリーブ７は前記コの字形ヨーク１に対し、ベアリングを介して回転自在に支承されている。そして前記の操作軸６に固着されたボビン押し回転座３は圧縮コイルバネ８によって、ボビン受け回転座２に接近する方向に付勢されている。かつ、上記操作軸６に対して取付ネジ１０によって操作ノブ９が取り付けられていて、指先で摘んで図の右方へ（ボビン受け回転座２から離間する方向に）移動せしめることができる。

【０００７】４はアダプタであって、図２について後述するように、前記ボビン受け回転座２の軸部２ｂを巻線用のスピンドルに装着したり搬送用の移動部材に装着したりするための部材である。その外観図を図１（Ｂ）に示した。上記のアダプタ４は、前記ボビン受け回転座２の軸部２ｂを嵌着するための軸受穴４ｂ，および、該軸受穴４ｂと同心の取付軸４ａを有しており、上記取付軸４ａの先端部付近にはボールプランジャ（図示せず）に係合するボール係合溝４ｄが設けられている。４ｃは、図２について後述する挟持具と係合する挟持溝である。４ｅは、図２について後述する伝動用の植設ピン、５は絡げピンである。

【０００８】図２は、図１に示した構成部分を搬送機の搬送具１２に装着した状態を示す断面図である。前記アダプタ４の取付軸４ａが搬送具１２の軸受穴１２ａに嵌合され、ボールプランジャ１４によって節度を与えて抜け止めされている。１１は作業機の挟持具であって、１対の挾みアーム１１ａ，１１ｂが矢印ａ− ｂ，ａ′−ｂ′のごとく開閉回動し、アダプタ４の挟持溝４ｃに係合してこれを把持し、図の右方へ引き抜いたり、図の左方へ押し込んだりする機能を有している。この挟持具１１によってアダプタ４を搬送具１２から引き抜くと、図１（Ａ）に示した構成部分が搬送具１２から離脱せしめられる。そして、これを再び搬送具１２に装着することもでき、また、仮想線で示したスピンドル１３に装着することもできる。スピンドル１３に装着した状態で該スピンドルを回転させると、その回転は植設ピン４ｅを介してボビン受け回転座２に伝えられる。操作ノブ９を指先で摘んで、圧縮コイルバネ８の伸張力に抗してボビン押し回転座３を図の右方へ引くとボビンＢ₁，Ｂ₂を取り外すことができ、指先を放すとボビン押し回転座３は圧縮コイルバネ８の力でボビンＢ₁，Ｂ₂をボビン受け回転座２に押し付けて保持する。上記のようにしてボビンを保持すると、該ボビンは両持ち形に強固に保持され、巻線作業中にずれたり搬送中に脱落したりする虞れが無い。ボビンＢ₁，Ｂ₂を保持して、アダプタ４を搬送具１２に装着すると該ボビンを搬送することができ、上記アダプタ４をスピンドル１３に装着すると巻線作業を行うことができる。巻線作業の際、適宜の手段によってコの字形ヨーク１を固定的に支持すると、ボビンＢ₁，Ｂ₂が中心軸Ｚと同心に確実に保持され、巻線用ワイヤの反力に耐える。

【０００９】

【考案の効果】

以上に説明したごとく、本考案を適用すると、イ．複数個のボビンを同心状に揃えて保持することができ、ロ．フランジ状部が大きくて中心孔の無いボビンであっても、該フランジ状部を破損させる虞れ無く確実に保持することができ、ハ．１組の治具によって巻線にも搬送にも兼用し得る、という、優れた実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るセンター押さえ付き搬送治具兼巻
線治具の１実施例を示し、（Ａ）は断面図、（Ｂ）はア
ダプタの外観図である。

【図２】上記実施例の使用状態を示し、作用，効果を説
明するための模式的な断面図である。

【図３】コイルの巻線作業の１例を示し、（Ａ）は巻線
作業の途中の状態を描いた図、（Ｂ）は完了状態を描い
た図である。

【符号の説明】

１…コの字形ヨーク、２…ボビン受け回転座、３…ボビ
ン押し回転座、４…アダプタ、６…操作軸、８…圧縮コ
イルバネ、１１…挟持具、１２…搬送具、１３…スピン
ドル。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】コの字形ヨークの平行２辺と直角に交わ
る中心軸Ｚを想定し、上記ヨークの平行２辺の一方にＺ
軸を中心軸とする回転自在に支持されたボビン受座と、
上記ヨークの平行２辺の他方にＺ軸を中心軸とする回転
自在に支持されたセンター押さえ形のボビン押座とを具
備していて、前記ボビン受座とボビン押座との間に複数のコイル用ボ
ビンがＺ軸に沿って挾み付けられる構造であり、かつ、前記ボビン受座をヨークに対して回転自在に支持してい
る軸は、巻線機のスピンドル，および搬送機の移動部材
の何れかに対して任意に着脱し得る構造であることを特
徴とする、センター押さえ付き搬送治具兼巻線治具。
【請求項２】前記ボビン受座をヨークに対して回転自
在に支持している軸はアダプタに装着されており、上記アダプタには、巻線機のスピンドル，および搬送機
の搬送具の何れに対しても嵌合し得る取付軸を有し、か
つ、スピンドルの回転を伝動される係合部を有している
ことを特徴とする、請求項１に記載したセンター押さえ
付き搬送治具兼巻線治具。
【請求項３】上記のアダプタには、挟持具に係合する
１対の凹凸が設けられるとともに、該アダプタの取付軸
にはボールプランジャのボールに係合する輪状の溝が設
けられていることを特徴とする、請求項２に記載したセ
ンター押さえ付き搬送治具兼巻線治具。
【請求項４】前記のボビン押座は、前記コの字形ヨー
クの平行２辺の他方に対してＺ軸まわりの回転自在かつ
Ｚ軸方向の摺動自在に支持された操作軸の１端に取り付
けられており、前記ボビン受座に接近する方向に付勢す
るバネ部材を備えていることを特徴とする、請求項１若
しくは請求項２に記載したセンター押さえ付き搬送治具
兼巻線治具。