JPH06231963A - トロイダルコイルの端子台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トロイダルコイルの組立において、作業性が
よく、端子部への接着剤の流れ出しの心配のないトロイ
ダルコイル用端子台を供する。 【構成】 絶縁樹脂より成り端子台本体７と端子固定部
品８よりなる矩形板状の端子台３で、端子台本体７は、
矩形板状の１つの隅が円弧状で弧の底部分を含む形状の
トロイダルコア収納用切り欠き部１０に加工され、この
対向する位置に端子４線を収納する端子収納用切り欠き
部１１が加工され、前記トロイダルコア収納用切り欠き
部１０の底部９より高い位置から端子収納用切り欠き部
１１に至る２本の貫通孔６又は溝が設けられ、端子固定
部品８は、端子台本体７に、係止用の係止突起１５又は
係止凹部１６により一体に固定され、端子収納用切り欠
き部１１の接合面又は端子固定部品８の接合面には、溝
又は突起状の端子案内が加工されている構造を特徴とす
るトロイダルコイル用端子台である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は電子機器のノイズ除去等
に使用するトロイダルコイルの端子台に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来の電子機器のノイズ除去対策等に用
いられる端子台付きトロイダルコイルを構成する端子台
は、図８のトロイダルコア１を組み付けた端子台３の外
観斜視図、及び図７の端子４の引き出し用貫通孔６の中
央部からの断面で示す側面図が示すような箱型の形状の
ものが一般的である。巻線２されたトロイダルコア１が
ほぼ半分程度収納できる大きさのトロイダルコア収納部
１８が設けられた箱型で、長さ方向の中央部の底にはト
ロイダルコア１に巻かれた巻線２の端末部分を通す貫通
孔６が設けられた構造である。トロイダルコイルは、上
述のような端子台３に、巻線されたトロイダルコア１の
巻線２の端部を端子台３中央の貫通孔６に嵌め込みなが
ら、全体を凹状のトロイダルコア収納部１８に嵌め込
み、トロイダルコイルを作成する。端子台３から引き出
された巻線２の端部は外部と接続用の端子４として使用
するが、基板等に装着する際、この端子４が浮いてしま
うことがあり、その対策として図７に示すように、端子
台３の内側に接着剤５で固定している。このとき接着剤
５が底部に溜り、更に、巻線２の引き出し部を伝わって
貫通孔６を通り端子４部まで流れ出し、端子４が汚れた
り、直径が太くなり基板に入らなくなったりして組立不
良を起し、信頼性を低下させているという問題がある。
又流れ出さない接着作業も粘度や注入量の管理等に時間
と熟練が必要であるという問題があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、基板
等への実装において、端子の浮き上がりや線径の肥大が
なく、装着作業性がよく、信頼性の高いトロイダルコイ
ルが供給でき、又、トロイダルコイルの組立においても
作業性がよく、端子部への接着剤の流れ出しの心配のな
いトロイダルコイル用端子台を供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の端子台は、絶縁
性樹脂より成る矩形の板状の端子台で、端子台本体と端
子固定部品より成る。端子台本体は１つの隅に取り付け
られる巻線上がりのトロイダルコアの外径にほぼ等しい
円弧状で弧の底部分を含む形状のトロイダルコア収納用
切り欠き部が加工され、この切り欠き部分と対向する位
置の角部に設けられた端子線を収納するほぼ矩形状の端
子収納用切り欠き部が加工された形状で、前記トロイダ
ルコア収納用切り欠きの底面より高い位置から端子収納
用切り欠き部に至る２本の貫通孔又は溝が設けられ、端
子固定部品は前記端子収納用切り欠き部に係合して切り
欠き部をほぼ補う形状で、端子線を端子台に固定し、こ
の端子固定部品は係止片又は係止片と蝶番を有する構造
で、端子線を収納する端子収納用切り欠き部か端子固定
部品の係合面には端子線の位置決めをする溝又は突起等
の端子案内が加工されている構造のトロイダルコイル用
端子台である。即ち、本発明は、絶縁樹脂より成り端子
台本体と端子固定部品よりなる矩形板状の端子台で、端
子台本体は、矩形板状の１つの隅が円弧状で弧の底部分
を含む形状のトロイダルコア収納用切り欠き部に加工さ
れ、この切り欠き部分と対向する位置に端子線を収納す
る端子収納用切り欠き部が加工され、前記トロイダルコ
ア収納用切り欠き部の切り欠き面の、その底部より高い
位置から端子収納用切り欠き部に至る２本の貫通孔又は
溝が設けられた構造を有し、端子固定部品は、前記端子
収納用切り欠き部に係合し係止用の係止突起又は係止凹
部が設けられた構造で、端子収納用切り欠き部の接合面
又は端子固定部品の接合面に溝又は突起状の端子案内が
加工されている構造を特徴とするトロイダルコイル用端
子台である。

【０００５】

【作用】本発明では、巻線の端末は端子台のトロイダル
コア収納用切り欠き部の底部より高い位置から貫通孔又
は溝を通して引き出し、他端の端子収納用切り欠き部
で、端子固定部品により固定して端子台より引き出すの
で、端子線は接着剤を使用することなく固定でき、又ト
ロイダルコアの接着固定は端子線に影響与えることなく
接着固定できる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図１は、本発明の実施例１の端子台を用い
たトロイダルコイルの分解組立斜視図、図２は、図１に
示す本発明の実施例１の端子台を用いたトロイダルコイ
ルの分解側面図、図３は、図１に示す本発明の実施例１
の端子台を用いたトロイダルコイルの端子固定部品を下
側から見た平面図である。本発明の実施例１の端子台３
は、図１及び図２において示すように、矩形状絶縁性樹
脂の板より成り、図中右上隅部分は円弧状に切り欠き加
工され、トロイダルコア収納用切り欠き部１０が設けら
れ、巻線２されたトロイダルコア１が接着剤５により固
定される。円弧状のトロイダルコア収納用切り欠き部１
０には底部９が残るような形状で加工されている。その
ためトロイダルコア１は底部９で接着剤５により接着さ
れ、余分な接着剤は底部に集まり他の部分と一緒に固化
して、トロイダルコア１、巻線２、端子台３を固着す
る。トロイダルコア１を端子台本体７に装着するとき、
始めに巻線２の端末の端子４部分を、端子台本体７に加
工された貫通孔６を通して対向面にある端子収納用切り
欠き部１１の接合面に引き出し、下方向に成形し、側方
から端子固定部品８の端子案内１２の溝に巻線２の引き
出し部分を合せながら押し込み、係止片１４の係止突起
１５と端子台本体７の係止凹部１６を嵌め合せて、端子
４の根本を固定する。上記の端子台本体７に設けた貫通
孔６はトロイダルコア収納用切り欠き部１０の底部より
高い位置から設けられ、接着剤５が巻線２の引き出し部
分を伝わって流れ出ない構造である。又、端子収納用切
り欠き部１１には、端子固定部品８の係止片１４先端に
加工されている係止突起１５に嵌め合いとなり端子固定
部品８を固定する係止凹部１６が設けられている。端子
固定部品８の内側の接合面には図３に示すようにほぼ巻
線の直径に等しい大きさの溝が上下方向に加工され巻線
２の引き出し部分を所定の距離に保ち、絶縁を確保し、
又、端子間距離を固定する端子案内１２が設けられてい
る。又、端子固定部品８には前述のように端子台本体７
に係止固定するための係止突起１５が先端に加工された
係止片１４が加工されている。以上説明したように、本
発明の実施例の端子台３を用いてトロイダルコイルを組
み立てた場合端子４が接着剤により汚れたり、変形する
ことなく、組立作業も簡単に正確に行えた。

【０００７】次に図４に本発明の他の実施例２の端子台
３を示す。図４に示すように本実施例の端子台３では、
端子台本体７と端子固定部品８が樹脂製の蝶番１７によ
り接続された形状に一体に加工されている。端子固定部
品８は蝶番１７の反対側に設けた係止片１４先端の係止
凹部１６により端子台本体７の側面に設けた係止突起１
５に係合して固定される。従って、部品が一体になって
おり、取り扱い易い利点がある。又、端子台本体７の端
子収納用切り欠き部１１の接合面に端子案内１３の突起
が、帯状でほぼ巻線２の直径に等しい間隔を隔てて、上
下方向に２組設けられ、線間の絶縁と端子間の距離を確
保し端子４の根元を押えている。本実施例においては、
貫通孔６から引き出された巻線２の引き出し部分は、す
ぐ端子台本体７に、端子案内１３で位置決めされるので
端子の固定が正確で手速くでき、端子固定作業の作業性
がよくなる。他の取り扱いは前記実施例１と同様で、信
頼性のあるトロイダルコイルを作業性よく組み立てるこ
とができた。

【０００８】図５は、本発明の他の実施例３の端子台３
を示す。図５で示すように、本実施例は、図４に示す実
施例２において、貫通孔６を面内方向の一端を切り開き
溝状にした貫通孔６である。本実施例によれば組立時に
巻線２の引き出し部を端子台３に装着する際、孔に挿通
する作業を溝に嵌め込む作業で行えるので組立性が更に
改善された。

【０００９】図６は、本発明の他の実施例４の端子台３
を示す。図６で示すように、本実施例は、図６に示す実
施例３において、矩形状板の１つの隅をトロイダルコア
収納用切り欠き部１０として、底部を残した円弧状部分
に加工する際、切り欠き部の両側に側壁１９を残し、該
側壁１９の２枚に、巻線上がりのトロイダルコアの幅よ
り狭い幅に内側向きの突起が、コア係止突起２０として
設けられた構造である。本実施例によれば組立時にコア
係止突起２０により所定の位置に接着剤が固化するまで
支えの必要なく固定してくれる。又、小型軽量のコアで
接着の必要のないものはこの側壁１９とコア係止突起２
０のみで端子台３に固定でき、組立作業性よく組み立て
られた。以上の各実施例共、基板等への実装は、端子の
浮上もなく又確実に端子の挿通が行え、作業性よく高い
信頼性が得られる状態で使用できた。

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、端
子を汚したり変形させたりすることなく、トロイダルコ
イルを作業性よく組立てられ、経済的で信頼性の高い端
子台付きトロイダルコイルを供給できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の端子台を用いたトロイダルコ
イルの分解組立斜視図。

【図２】図１に示す本発明の実施例の端子台を用いたト
ロイダルコイルの分解側面図。

【図３】図１に示す本発明の実施例の端子台を用いたト
ロイダルコイルの端子固定部品を下側から見た平面図。

【図４】本発明の他の実施例２の端子台を示す斜視図。

【図５】本発明の他の実施例３の端子台を示す斜視図。

【図６】本発明の他の実施例４の端子台を示す斜視図。

【図７】従来の端子台を用いたトロイダルコイルの斜視
図。

【図８】図７に示す従来の端子台付きトロイダルコイル
の貫通孔中心近辺における断面側面図。

【符号の説明】

１ トロイダルコア ２ 巻線 ３ 端子台 ４ 端子 ５ 接着剤 ６ 貫通孔 ７ 端子台本体 ８ 端子固定部品 ９ 底部 １０ トロイダルコア収納用切り欠き部 １１ 端子収納用切り欠き部 １２ 端子案内（溝） １３ 端子案内（突起） １４ 係止片 １５ 係止突起 １６ 係止凹部 １７ 蝶番 １８ トロイダルコア収納部 １９ 側壁 ２０ コア係止突起

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 絶縁樹脂より成り端子台本体と端子固定
   部品よりなる矩形板状の端子台で、端子台本体は、矩形
   板状の１つの隅が円弧状で弧の底部分を含む形状のトロ
   イダルコア収納用切り欠き部に加工され、この切り欠き
   部分と対向する位置に端子線を収納する端子収納用切り
   欠き部が加工され、前記トロイダルコア収納用切り欠き
   部の切り欠き面の、その底部より高い位置から端子収納
   用切り欠き部に至る２本の貫通孔又は溝が設けられた構
   造を有し、端子固定部品は、前記端子収納用切り欠き部
   に係合し係止用の係止突起又は係止凹部が設けられた構
   造で、端子収納用切り欠き部の接合面又は端子固定部品
   の接合面に溝又は突起状の端子案内が加工されている構
   造を特徴とするトロイダルコイル用端子台。