JPH06231917A - 希土類−遷移金属系永久磁石およびその製造方法 - Google Patents
希土類−遷移金属系永久磁石およびその製造方法Info
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- JPH06231917A JPH06231917A JP5018777A JP1877793A JPH06231917A JP H06231917 A JPH06231917 A JP H06231917A JP 5018777 A JP5018777 A JP 5018777A JP 1877793 A JP1877793 A JP 1877793A JP H06231917 A JPH06231917 A JP H06231917A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 実質的に、 RE2TMI14 BNx 相と RE TM
II12-yAy NZ 相の2相からなる2相分離型磁石とす
る。 【表1】ここでRE:Y, Sc及びランタノイドのうちから
選んだ一種又は二種以上 TMI , TMII:Fe, Co及びNiのうちから選んだ一種又は二
種以上 A:Ti, V, Zr, Mo, Nb, Ta, Cr, W, Mn, Zn, Cd, G
a, Al, In,Si, Ge, Sn及びPbのうちから選んだ少なくと
も一種 0.2 ≦x≦ 1.5、0.1 ≦y≦ 5.0、0.2 ≦z≦ 1.5 【効果】 磁気特性に優れるのは言うまでもなく、とく
に保磁力の温度に対する安定性が向上する。
II12-yAy NZ 相の2相からなる2相分離型磁石とす
る。 【表1】ここでRE:Y, Sc及びランタノイドのうちから
選んだ一種又は二種以上 TMI , TMII:Fe, Co及びNiのうちから選んだ一種又は二
種以上 A:Ti, V, Zr, Mo, Nb, Ta, Cr, W, Mn, Zn, Cd, G
a, Al, In,Si, Ge, Sn及びPbのうちから選んだ少なくと
も一種 0.2 ≦x≦ 1.5、0.1 ≦y≦ 5.0、0.2 ≦z≦ 1.5 【効果】 磁気特性に優れるのは言うまでもなく、とく
に保磁力の温度に対する安定性が向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、磁気特性に優れた希
土類−遷移金属系永久磁石及びその製造方法に関し、と
くにその熱安定性の向上を図ったものである。
土類−遷移金属系永久磁石及びその製造方法に関し、と
くにその熱安定性の向上を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】電子機器の小型化、高性能化に伴い、そ
こに使われる永久磁石もフェライト系からエネルギー積
の大きな希土類系へと移行しつつある。中でもネオジム
磁石は資源的な豊富さ及び高特性を武器に近年急速に生
産量を伸ばしてきた。一方これとは別に最近、希土類−
遷移金属化合物を窒化することによって異方性を大きく
した新材料が発見され、ポストネオジム磁石の候補とし
て期待され、精力的に研究開発が進められている。その
一例が Sm2Fe17N〜3 (ここで〜3 は約3を意味する)
である(例えば特開平2-57663号公報)。この材料は S
m2Fe17では面内異方性しか持ち得ず永久磁石材料として
不適格であったものに、Nを固容させることによって格
子を伸ばし、またNの電荷によってSm3+の4f電子分布
を変化させることによって、非常に大きな一軸異方性を
持たせたものである。
こに使われる永久磁石もフェライト系からエネルギー積
の大きな希土類系へと移行しつつある。中でもネオジム
磁石は資源的な豊富さ及び高特性を武器に近年急速に生
産量を伸ばしてきた。一方これとは別に最近、希土類−
遷移金属化合物を窒化することによって異方性を大きく
した新材料が発見され、ポストネオジム磁石の候補とし
て期待され、精力的に研究開発が進められている。その
一例が Sm2Fe17N〜3 (ここで〜3 は約3を意味する)
である(例えば特開平2-57663号公報)。この材料は S
m2Fe17では面内異方性しか持ち得ず永久磁石材料として
不適格であったものに、Nを固容させることによって格
子を伸ばし、またNの電荷によってSm3+の4f電子分布
を変化させることによって、非常に大きな一軸異方性を
持たせたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述したとおり、希土
類−遷移金属化合物の窒化することによって得られたSm
−Fe−N系磁石は、極めて大きな一軸異方性を有する
が、その一方で保磁力の温度に対する変化が大きいとこ
ろに問題を残していた。この原因は、本質的にこの磁石
の保磁力機構がNd−Fe−B系と同じニュークリエーショ
ン型に属するところにある。
類−遷移金属化合物の窒化することによって得られたSm
−Fe−N系磁石は、極めて大きな一軸異方性を有する
が、その一方で保磁力の温度に対する変化が大きいとこ
ろに問題を残していた。この原因は、本質的にこの磁石
の保磁力機構がNd−Fe−B系と同じニュークリエーショ
ン型に属するところにある。
【0004】表3に、各種磁石の保磁力の温度係数につ
いて調べた結果を示す。
いて調べた結果を示す。
【表3】 同表より明らかなように、Sm−Fe−N系磁石は、Nd−Fe
−B系磁石ほどではないにしても、Sm−Co系磁石に較べ
ると保磁力の温度係数が極めて大きい。従って、使用環
境が限られ、また高温減磁を防ぐために室温で非常に大
きな保磁力を必要としたのである。しかしながら、大き
な保磁力を有する材料は、製造が難しいことの他、コス
トが嵩み、また着磁がしずらいという実用上の欠点を有
している。
−B系磁石ほどではないにしても、Sm−Co系磁石に較べ
ると保磁力の温度係数が極めて大きい。従って、使用環
境が限られ、また高温減磁を防ぐために室温で非常に大
きな保磁力を必要としたのである。しかしながら、大き
な保磁力を有する材料は、製造が難しいことの他、コス
トが嵩み、また着磁がしずらいという実用上の欠点を有
している。
【0005】
【課題を解決するための手段】さて、発明者は、上記の
問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、磁石組織をRE
2TMI14 BNx と RE TMII12-yAy NZ の2相分離型磁
石とすることにより、保磁力の温度係数を効果的に低下
させ得ることの知見を得た。この発明は、上記の知見に
立脚するものである。
問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、磁石組織をRE
2TMI14 BNx と RE TMII12-yAy NZ の2相分離型磁
石とすることにより、保磁力の温度係数を効果的に低下
させ得ることの知見を得た。この発明は、上記の知見に
立脚するものである。
【0006】すなわち、この発明の要旨構成は次のとお
りである。 1.実質的に、 RE2TMI14 BNx 相と RE TMII12-yAy
NZ 相の2相からなることを特徴とする希土類−遷移金
属系永久磁石。
りである。 1.実質的に、 RE2TMI14 BNx 相と RE TMII12-yAy
NZ 相の2相からなることを特徴とする希土類−遷移金
属系永久磁石。
【表4】ここでRE:Y, Sc及びランタノイドのうちから
選んだ一種又は二種以上 TMI , TMII:Fe, Co及びNiのうちから選んだ一種又は二
種以上 A:Ti, V, Zr, Mo, Nb, Ta, Cr, W, Mn, Zn, Cd, G
a, Al, In,Si, Ge, Sn及びPbのうちから選んだ少なくと
も一種 0.2 ≦x≦ 1.5、0.1 ≦y≦ 5.0、0.2 ≦z≦ 1.5
選んだ一種又は二種以上 TMI , TMII:Fe, Co及びNiのうちから選んだ一種又は二
種以上 A:Ti, V, Zr, Mo, Nb, Ta, Cr, W, Mn, Zn, Cd, G
a, Al, In,Si, Ge, Sn及びPbのうちから選んだ少なくと
も一種 0.2 ≦x≦ 1.5、0.1 ≦y≦ 5.0、0.2 ≦z≦ 1.5
【0007】2.上記1において、 RE TMII12-yAy N
Z マトリックス中に、2μm 以下の大きさの RE2TMI14
BNx が析出してなる希土類−遷移金属系永久磁石。
Z マトリックス中に、2μm 以下の大きさの RE2TMI14
BNx が析出してなる希土類−遷移金属系永久磁石。
【0008】3.化学式:RE1-a-b-c TMa Ab Bc
【表5】ここでRE:Y, Sc及びランタノイドのうちから
選んだ一種又は二種以上 TM:Fe, Co及びNiのうちから選んだ一種又は二種以上 A:Ti, V, Zr, Mo, Nb, Ta, Cr, W, Mn, Zn, Cd, G
a, Al, In,Si, Ge, Sn及びPbのうちから選んだ少なくと
も一種 0.3≦a≦0.85、0.05≦b≦0.2 、0.01≦c≦0.1 の組成になる合金溶湯を、急冷し、実質的にアモルファ
ス構造の合金組成物としたのち、 500〜1000℃でアニー
ルし、ついで 500〜800 ℃の温度で窒化処理を施すこと
を特徴とする希土類−遷移金属系永久磁石の製造方法。
選んだ一種又は二種以上 TM:Fe, Co及びNiのうちから選んだ一種又は二種以上 A:Ti, V, Zr, Mo, Nb, Ta, Cr, W, Mn, Zn, Cd, G
a, Al, In,Si, Ge, Sn及びPbのうちから選んだ少なくと
も一種 0.3≦a≦0.85、0.05≦b≦0.2 、0.01≦c≦0.1 の組成になる合金溶湯を、急冷し、実質的にアモルファ
ス構造の合金組成物としたのち、 500〜1000℃でアニー
ルし、ついで 500〜800 ℃の温度で窒化処理を施すこと
を特徴とする希土類−遷移金属系永久磁石の製造方法。
【0009】4.上記3において、窒化処理を(N2+
H2)ガス雰囲気(ただしP(H2)/P(N2+H2) ≦ 0.5)中
で行うことを特徴とする希土類−遷移金属系永久磁石の
製造方法。
H2)ガス雰囲気(ただしP(H2)/P(N2+H2) ≦ 0.5)中
で行うことを特徴とする希土類−遷移金属系永久磁石の
製造方法。
【0010】5.上記3において、窒化処理を NH3ガス
雰囲気中で行うことを特徴とする希土類−遷移金属系永
久磁石の製造方法。
雰囲気中で行うことを特徴とする希土類−遷移金属系永
久磁石の製造方法。
【0011】6.上記3において、窒化処理を(NH3+
H2)ガス雰囲気(ただしP(H2)/P(NH3+H2) ≦ 0.5)
中で行うことを特徴とする希土類−遷移金属系永久磁石
の製造方法。
H2)ガス雰囲気(ただしP(H2)/P(NH3+H2) ≦ 0.5)
中で行うことを特徴とする希土類−遷移金属系永久磁石
の製造方法。
【0012】
【作用】この発明は、 RE2TMI14 BNx と RE TMII12-y
Ay NZ の2相で構成される2相分離型磁石とすること
により、保磁力の発現機構をピンニング型とすることで
保磁力の温度に対する安定性を高めたものである。ここ
にREは、Yを含むランタノイドから選んだ一種又は二種
以上であればいずれもが適合するが、中でも、一軸異方
性を示すPr, Ndp Tb, Dy及びHoなどがとりわけ好まし
い。しかし、経済性、耐食性の点から、また不可避不純
物として、他のYを含むランタノイドを含むことも可能
である。さらにTMI 及びTMIIはそれぞれ、Fe, Co及びNi
等のいわゆる遷移金属であれば良く、またTMI とTMIIと
は必ずしも同一でなくても良い。なお、かかる2相分離
型磁石は、後述する方法によって得ることができる。
Ay NZ の2相で構成される2相分離型磁石とすること
により、保磁力の発現機構をピンニング型とすることで
保磁力の温度に対する安定性を高めたものである。ここ
にREは、Yを含むランタノイドから選んだ一種又は二種
以上であればいずれもが適合するが、中でも、一軸異方
性を示すPr, Ndp Tb, Dy及びHoなどがとりわけ好まし
い。しかし、経済性、耐食性の点から、また不可避不純
物として、他のYを含むランタノイドを含むことも可能
である。さらにTMI 及びTMIIはそれぞれ、Fe, Co及びNi
等のいわゆる遷移金属であれば良く、またTMI とTMIIと
は必ずしも同一でなくても良い。なお、かかる2相分離
型磁石は、後述する方法によって得ることができる。
【0013】0.2 ≦x≦ 1.5、0.2 ≦z≦ 1.5 上記の2相のうちいずれも、N量がこの範囲にないと十
分な一軸異方性を発現できない。従って、N量は上記の
範囲に限定した。
分な一軸異方性を発現できない。従って、N量は上記の
範囲に限定した。
【0014】0.1 ≦y≦ 5.0 Aは、 RE TMII12-yAy NZ がThMn12型構造を作るに必
要な元素であるが、yが0.1 に満たなかったり 5.0を超
えると、その効果が十分とは言えないので、0.1≦y≦
5.0 の範囲に限定した。ここにAは、Ti, V, Zr, Mo,
Nb, Ta, Cr, W, Mn, Zn, Cd, Ga, Al, In, Si, Ge, Sn
及びPbのうちから選んだ少なくとも一種である。
要な元素であるが、yが0.1 に満たなかったり 5.0を超
えると、その効果が十分とは言えないので、0.1≦y≦
5.0 の範囲に限定した。ここにAは、Ti, V, Zr, Mo,
Nb, Ta, Cr, W, Mn, Zn, Cd, Ga, Al, In, Si, Ge, Sn
及びPbのうちから選んだ少なくとも一種である。
【0015】RE2TMI14 BNx 粒の大きさ:2μm 以下 この析出粒子は、磁壁をピンニングする役目を担うが、
2μm を超えるとそのピンニング効果が十分には発揮さ
れないので、 RE2TMI14 BNx 粒の大きさは2μm 以下
にすることが好ましい。なお望ましい析出粒子の大きさ
の下限は 0.003μm である。
2μm を超えるとそのピンニング効果が十分には発揮さ
れないので、 RE2TMI14 BNx 粒の大きさは2μm 以下
にすることが好ましい。なお望ましい析出粒子の大きさ
の下限は 0.003μm である。
【0016】次に、この発明に従う製造方法の製造条件
について説明する。出発材料は、次の化学式:RE
1-a-b-c TMa Ab Bc で示される合金である。
について説明する。出発材料は、次の化学式:RE
1-a-b-c TMa Ab Bc で示される合金である。
【表6】ここでRE:Y, Sc及びランタノイドのうちから
選んだ一種又は二種以上 TM:Fe, Co及びNiのうちから選んだ一種又は二種以上 A:Ti, V, Zr, Mo, Nb, Ta, Cr, W, Mn, Zn, Cd, G
a, Al, In,Si, Ge, Sn及びPbのうちから選んだ少なくと
も一種 0.3≦a≦0.85、0.05≦b≦0.2 、0.01≦c≦0.1
選んだ一種又は二種以上 TM:Fe, Co及びNiのうちから選んだ一種又は二種以上 A:Ti, V, Zr, Mo, Nb, Ta, Cr, W, Mn, Zn, Cd, G
a, Al, In,Si, Ge, Sn及びPbのうちから選んだ少なくと
も一種 0.3≦a≦0.85、0.05≦b≦0.2 、0.01≦c≦0.1
【0017】ここに 0.3≦a≦0.85としたのは、aが
0.3未満では磁石の飽和磁化が低下し、一方0.85を超え
ると相対的にRE量が低下して十分な保磁力を発現できな
くなるからである。また0.05≦b≦0.2 とした理由は、
上記yについて限定した理由と同じである。さらにB
は、析出相 RE2TMI14 BNx を形成するのに不可欠な元
素であるが、cが0.01未満ではこの相を形成できず、一
方 0.1を超えると相対的に他元素が減少し磁気特性が低
下するので、0.01≦c≦0.1 の範囲に限定した。
0.3未満では磁石の飽和磁化が低下し、一方0.85を超え
ると相対的にRE量が低下して十分な保磁力を発現できな
くなるからである。また0.05≦b≦0.2 とした理由は、
上記yについて限定した理由と同じである。さらにB
は、析出相 RE2TMI14 BNx を形成するのに不可欠な元
素であるが、cが0.01未満ではこの相を形成できず、一
方 0.1を超えると相対的に他元素が減少し磁気特性が低
下するので、0.01≦c≦0.1 の範囲に限定した。
【0018】急冷処理 この急冷処理は、上記組成の合金をアモルファス構造と
し、次のアニール工程で効果的に RE2TMI14 BNx 相と
RE TMII12-yAy NZ 相の2相に分離させるために行う
ものである。急冷速度は、好ましくは105 〜107 ℃/s
であるが、合金組成等によってこの速度は変化するの
で、アモルファス構造となる速度とする必要がある。な
お急冷方式としては、溶湯を高速回転するロールで急速
冷却する単ロール法や双ロール法などが有効である。
し、次のアニール工程で効果的に RE2TMI14 BNx 相と
RE TMII12-yAy NZ 相の2相に分離させるために行う
ものである。急冷速度は、好ましくは105 〜107 ℃/s
であるが、合金組成等によってこの速度は変化するの
で、アモルファス構造となる速度とする必要がある。な
お急冷方式としては、溶湯を高速回転するロールで急速
冷却する単ロール法や双ロール法などが有効である。
【0019】アニール温度:500 〜1000℃ このアニールは、上述のようにして得たアモルファス単
相合金を2相分離合金とするために施すものであるが、
温度が 500℃に満たないとその効果に乏しく、一方1000
℃を超えると析出粒が粗大化し十分な保磁力を得られな
いので、アニール温度は 500〜1000℃の範囲に限定し
た。
相合金を2相分離合金とするために施すものであるが、
温度が 500℃に満たないとその効果に乏しく、一方1000
℃を超えると析出粒が粗大化し十分な保磁力を得られな
いので、アニール温度は 500〜1000℃の範囲に限定し
た。
【0020】窒化処理温度:500 〜800 ℃ この処理は、析出相に一軸異方性をもたせるために施す
ものであるが、 500℃に満たないとその効果に乏しく、
一方 800℃を超えるとRE−N化合物とTM相に分離して磁
気特性が急激に低下する。従って窒化温度は 500〜800
℃の範囲に限定した。
ものであるが、 500℃に満たないとその効果に乏しく、
一方 800℃を超えるとRE−N化合物とTM相に分離して磁
気特性が急激に低下する。従って窒化温度は 500〜800
℃の範囲に限定した。
【0021】窒化処理は、N2やNH3 雰囲気中で行うが、
このときH2ガスを導入すると窒化が促進され、短時間で
処理が終了する。しかしながらH2を、P(H2)/P(N2+
H2) 又はP(H2)/P(NH3+H2) で 0.5を超えて混入させ
ると、合金のアモルファス化が起こり磁気特性の低下を
招くので、H2ガス分圧比は 0.5以下に限定した。
このときH2ガスを導入すると窒化が促進され、短時間で
処理が終了する。しかしながらH2を、P(H2)/P(N2+
H2) 又はP(H2)/P(NH3+H2) で 0.5を超えて混入させ
ると、合金のアモルファス化が起こり磁気特性の低下を
招くので、H2ガス分圧比は 0.5以下に限定した。
【0022】
【実施例】表7,8に示す組成の合金を、高周波溶解に
て作製し、これを再び溶解したのち、急冷リボン法にて
急冷凝固し、アモルファスリボンとした。ついで、作製
されたリボンを、同表に示す温度でアニールした後、同
じく同表に示す条件で窒素化処理を施した。かくして得
られた磁石の磁気特性及び保磁力の温度係数を表7.8
に併せて示す。ここで磁気特性は、合金を5mmφ程度の
サンプルに詰め、90 kOeのパルス着磁を行った後、VS
M(振動試料型磁力計)で磁化曲線を測定することによ
り求めた。また、保磁力の温度係数は、同じ測定装置で
温度を変化させつつ、磁化曲線を測定して求めた。
て作製し、これを再び溶解したのち、急冷リボン法にて
急冷凝固し、アモルファスリボンとした。ついで、作製
されたリボンを、同表に示す温度でアニールした後、同
じく同表に示す条件で窒素化処理を施した。かくして得
られた磁石の磁気特性及び保磁力の温度係数を表7.8
に併せて示す。ここで磁気特性は、合金を5mmφ程度の
サンプルに詰め、90 kOeのパルス着磁を行った後、VS
M(振動試料型磁力計)で磁化曲線を測定することによ
り求めた。また、保磁力の温度係数は、同じ測定装置で
温度を変化させつつ、磁化曲線を測定して求めた。
【0023】
【表7】
【0024】
【表8】
【0025】表7及び8を比較すれば明らかなように、
この発明に従い得られた磁石は、磁気特性に優れるだけ
でなく、保磁力の温度係数が格段に向上している。
この発明に従い得られた磁石は、磁気特性に優れるだけ
でなく、保磁力の温度係数が格段に向上している。
【0026】
【発明の効果】かくしてこの発明によれば、磁気特性に
優れるのは言うまでもなく、保磁力の温度係数が小さ
い、換言すると熱に対する安定性に優れ、信頼性の高い
永久磁石を得ることができる。
優れるのは言うまでもなく、保磁力の温度係数が小さ
い、換言すると熱に対する安定性に優れ、信頼性の高い
永久磁石を得ることができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 実質的に、 RE2TMI14 BNx 相と RE TM
II12-yAy NZ 相の2相からなることを特徴とする希土
類−遷移金属系永久磁石。 【表1】ここでRE:Y, Sc及びランタノイドのうちから
選んだ一種又は二種以上 TMI , TMII:Fe, Co及びNiのうちから選んだ一種又は二
種以上 A:Ti, V, Zr, Mo, Nb, Ta, Cr, W, Mn, Zn, Cd, G
a, Al, In,Si, Ge, Sn及びPbのうちから選んだ少なくと
も一種 0.2 ≦x≦ 1.5、0.1 ≦y≦ 5.0、0.2 ≦z≦ 1.5 - 【請求項2】 請求項1において、 RE TMII12-yAy N
Z マトリックス中に、2μm 以下の大きさの RE2TMI14
BNx が析出してなる希土類−遷移金属系永久磁石。 - 【請求項3】 化学式:RE1-a-b-c TMa Ab Bc 【表2】ここでRE:Y, Sc及びランタノイドのうちから
選んだ一種又は二種以上 TM:Fe, Co及びNiのうちから選んだ一種又は二種以上 A:Ti, V, Zr, Mo, Nb, Ta, Cr, W, Mn, Zn, Cd, G
a, Al, In,Si, Ge, Sn及びPbのうちから選んだ少なくと
も一種 0.3≦a≦0.85、0.05≦b≦0.2 、0.01≦c≦0.1 の組成になる合金溶湯を、急冷し、実質的にアモルファ
ス構造の合金組成物としたのち、 500〜1000℃でアニー
ルし、ついで 500〜800 ℃の温度で窒化処理を施すこと
を特徴とする希土類−遷移金属系永久磁石の製造方法。 - 【請求項4】 請求項3において、窒化処理を(N2+
H2)ガス雰囲気(ただしP(H2)/P(N2+H2) ≦ 0.5)中
で行うことを特徴とする希土類−遷移金属系永久磁石の
製造方法。 - 【請求項5】 請求項3において、窒化処理を NH3ガス
雰囲気中で行うことを特徴とする希土類−遷移金属系永
久磁石の製造方法。 - 【請求項6】 請求項3において、窒化処理を(NH3+
H2)ガス雰囲気(ただしP(H2)/P(NH3+H2) ≦ 0.5)
中で行うことを特徴とする希土類−遷移金属系永久磁石
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5018777A JPH06231917A (ja) | 1993-02-05 | 1993-02-05 | 希土類−遷移金属系永久磁石およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5018777A JPH06231917A (ja) | 1993-02-05 | 1993-02-05 | 希土類−遷移金属系永久磁石およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06231917A true JPH06231917A (ja) | 1994-08-19 |
Family
ID=11981069
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5018777A Pending JPH06231917A (ja) | 1993-02-05 | 1993-02-05 | 希土類−遷移金属系永久磁石およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06231917A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6582538B1 (en) * | 1998-07-08 | 2003-06-24 | Japan Science And Technology Corporation | Method for producing an amorphous alloy having excellent strength |
JP2005268718A (ja) * | 2004-03-22 | 2005-09-29 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 希土類−鉄−マンガン−窒素系磁石粉末およびその製造方法 |
CN1294285C (zh) * | 2005-01-13 | 2007-01-10 | 中国科学院物理研究所 | 钪基大块非晶合金及其制备方法 |
JP2010283359A (ja) * | 2010-07-05 | 2010-12-16 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 希土類−鉄−マンガン−窒素系磁石粉末 |
JP2011214148A (ja) * | 2010-03-17 | 2011-10-27 | Daihatsu Motor Co Ltd | アモルファス金属および磁性材料 |
JP4936593B2 (ja) * | 1998-03-27 | 2012-05-23 | 株式会社東芝 | 磁石粉末の製造方法 |
-
1993
- 1993-02-05 JP JP5018777A patent/JPH06231917A/ja active Pending
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