JPH06231884A - 薄膜el素子の製造方法 - Google Patents
薄膜el素子の製造方法Info
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- JPH06231884A JPH06231884A JP5304883A JP30488393A JPH06231884A JP H06231884 A JPH06231884 A JP H06231884A JP 5304883 A JP5304883 A JP 5304883A JP 30488393 A JP30488393 A JP 30488393A JP H06231884 A JPH06231884 A JP H06231884A
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- JP
- Japan
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- target
- thin film
- emitting layer
- zinc
- sputtering
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Abstract
(57)【要約】
【目的】薄膜EL素子のZnS:Mn発光層を反応性スパッ
タリングで形成する際の成膜速度を、放電電力を高めて
向上する際に、発光層の特性が落ちないようにする。 【構成】スパッタリングガス中のH2 S濃度に応じて最
適放電電力が決まることを利用し、20容量%より高い25
〜50%のH2 S濃度のスパッタリングを用い、それに対
応する2〜6W/cm2 の高い放電電力でスパッタリング
を行うことにより、20容量%以下のH2 S濃度のスパッ
タリングガスを用いた場合の5倍以上の成膜速度を実現
することができる。
タリングで形成する際の成膜速度を、放電電力を高めて
向上する際に、発光層の特性が落ちないようにする。 【構成】スパッタリングガス中のH2 S濃度に応じて最
適放電電力が決まることを利用し、20容量%より高い25
〜50%のH2 S濃度のスパッタリングを用い、それに対
応する2〜6W/cm2 の高い放電電力でスパッタリング
を行うことにより、20容量%以下のH2 S濃度のスパッ
タリングガスを用いた場合の5倍以上の成膜速度を実現
することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパッタリングによっ
て成膜される発光層を有する薄膜EL (エレクトロルミ
ネセンス) 素子の製造方法に関する。
て成膜される発光層を有する薄膜EL (エレクトロルミ
ネセンス) 素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、高解像度および大容量表示が可能
な平面型表示素子として全固体素子である薄膜EL素子
が注目されている。薄膜EL素子は一般に、図2に示す
ようなガラス基板11上に透明電極12、第一絶縁層13、E
L発光層14、第二絶縁層15、裏面電極16を積層した二重
絶縁構造を有する。この中で発光層14は、硫化亜鉛 (Zn
S) 、硫化カルシウム (CaS) 、硫化ストロンチウム
(SrS) 等のII−VI族元素硫化物を母材とし、その中に
少量のMn、Tb、Sm、Tm、Pr等の発光中心材料を添加して
構成されている。
な平面型表示素子として全固体素子である薄膜EL素子
が注目されている。薄膜EL素子は一般に、図2に示す
ようなガラス基板11上に透明電極12、第一絶縁層13、E
L発光層14、第二絶縁層15、裏面電極16を積層した二重
絶縁構造を有する。この中で発光層14は、硫化亜鉛 (Zn
S) 、硫化カルシウム (CaS) 、硫化ストロンチウム
(SrS) 等のII−VI族元素硫化物を母材とし、その中に
少量のMn、Tb、Sm、Tm、Pr等の発光中心材料を添加して
構成されている。
【0003】このようなEL素子の発光層の製造方法に
は、真空蒸着法、CVD法の一つである原子層結晶成長
(ALE) 法あるいはスパッタリング法が検討されてき
た。この中で、スパッタリング法は大面積で均一な膜が
成膜でき、量産性にすぐれる成膜方法である。しかし、
スパッタリング法でEL素子の発光層を作製する場合、
ACTA POLYTECHNICA SCANDINAVICA Applied Physics Ser
ies No.170 " 5th International Workshop on Electro
luminescence " pp41 〜48に記載されているように、そ
の発光輝度が低いという問題点があった。これに対し、
特開昭62−271396号公報に示されている亜鉛ターゲツト
と硫化水素ガスとを用いた反応性スパッタリングは、一
様で高品質な発光層が得られる成膜方法として期待され
ている。この特開昭62−271396号公報で示されている薄
膜EL素子の製造方法では、用いられるスパッタガスは
5〜20容量%の硫化水素 (H2 S) を含む不活性ガス
で、基板温度として100 〜350 ℃の範囲で良い発光層が
得られることが示されている。そして、基板温度200 〜
250 ℃、硫化水素10容量%、放電圧力10mTorr、放電電
力8W/in2 (1.2W/cm2 ) において特に良い結果が得
られている。
は、真空蒸着法、CVD法の一つである原子層結晶成長
(ALE) 法あるいはスパッタリング法が検討されてき
た。この中で、スパッタリング法は大面積で均一な膜が
成膜でき、量産性にすぐれる成膜方法である。しかし、
スパッタリング法でEL素子の発光層を作製する場合、
ACTA POLYTECHNICA SCANDINAVICA Applied Physics Ser
ies No.170 " 5th International Workshop on Electro
luminescence " pp41 〜48に記載されているように、そ
の発光輝度が低いという問題点があった。これに対し、
特開昭62−271396号公報に示されている亜鉛ターゲツト
と硫化水素ガスとを用いた反応性スパッタリングは、一
様で高品質な発光層が得られる成膜方法として期待され
ている。この特開昭62−271396号公報で示されている薄
膜EL素子の製造方法では、用いられるスパッタガスは
5〜20容量%の硫化水素 (H2 S) を含む不活性ガス
で、基板温度として100 〜350 ℃の範囲で良い発光層が
得られることが示されている。そして、基板温度200 〜
250 ℃、硫化水素10容量%、放電圧力10mTorr、放電電
力8W/in2 (1.2W/cm2 ) において特に良い結果が得
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記の亜鉛タ
ーゲツトと硫化水素ガスを用いた反応性スパッタリング
によった場合、その成膜速度は約13nm/min であること
が確かめられ、実用化には遅すぎることがわかった。通
常、成膜速度は放電電力に比例するので、放電電力を上
げて成膜速度を向上させようとする場合、高品質の発光
層を維持するためには同時に硫化水素の濃度を上げるこ
とが必要である。そして放電電力と硫化水素濃度とが適
当な条件にて、高品質の発光層が得られ、高発光輝度の
EL素子が得られている。図3は、薄膜EL素子の発光
輝度と放電電力との関係を示し、斜線を引いた領域41が
輝度の出る領域、領域42が輝度の低い領域、領域43が透
明なZnSができない領域である。
ーゲツトと硫化水素ガスを用いた反応性スパッタリング
によった場合、その成膜速度は約13nm/min であること
が確かめられ、実用化には遅すぎることがわかった。通
常、成膜速度は放電電力に比例するので、放電電力を上
げて成膜速度を向上させようとする場合、高品質の発光
層を維持するためには同時に硫化水素の濃度を上げるこ
とが必要である。そして放電電力と硫化水素濃度とが適
当な条件にて、高品質の発光層が得られ、高発光輝度の
EL素子が得られている。図3は、薄膜EL素子の発光
輝度と放電電力との関係を示し、斜線を引いた領域41が
輝度の出る領域、領域42が輝度の低い領域、領域43が透
明なZnSができない領域である。
【0005】しかし、さらに成膜速度を向上させようと
すると、反応性スパッタリングの場合、単に放電電力を
増すだけでは良い特性の発光層が得られなかった。この
原因は、単に放電電力を増加するだけでは亜鉛やマンガ
ンの供給が増えるだけであり、硫黄の供給が追いつかず
成膜された膜の亜鉛と硫黄の比が1対1よりずれるため
良い特性の発光層が得られないためと考えられる。
すると、反応性スパッタリングの場合、単に放電電力を
増すだけでは良い特性の発光層が得られなかった。この
原因は、単に放電電力を増加するだけでは亜鉛やマンガ
ンの供給が増えるだけであり、硫黄の供給が追いつかず
成膜された膜の亜鉛と硫黄の比が1対1よりずれるため
良い特性の発光層が得られないためと考えられる。
【0006】本発明の目的は、反応性スパッタリングで
放電電力を増加して成膜速度を向上させると共に、亜鉛
と硫黄との比が1対1よりずれることが少ない、良い特
性を持った発光層の形成することのできる薄膜EL素子
の製造方法を提供することにある。
放電電力を増加して成膜速度を向上させると共に、亜鉛
と硫黄との比が1対1よりずれることが少ない、良い特
性を持った発光層の形成することのできる薄膜EL素子
の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、硫化亜鉛を母材とし、発光中心材料が
添加された発光層を反応性スパッタリングにより成膜す
る薄膜EL素子の製造方法において、発光層成膜のため
の反応性スパッタリングに20容量%より高い濃度で硫化
水素を含む不活性ガスよりなるスパッタリングガスを使
用し、硫化水素濃度に対応して定められる大きさの放電
電力を供給するものとする。スパッタリングガス中の硫
化水素濃度が25〜50容量%で、ターゲツトに供給される
放電電力密度が2〜6W/cm2 であることが有効であ
る。そして、亜鉛と発光中心材料との合金からなるター
ゲツトを用いること、亜鉛基板上に亜鉛の露出面積に対
して所定の比率の面積を有する発光中心材料板を被着し
たターゲツトを用いること、あるいは亜鉛からなるター
ゲツトと発光中心材料からなるターゲツトの双方を用い
る共スパッタリング発光層を成膜することが有効であ
る。
めに、本発明は、硫化亜鉛を母材とし、発光中心材料が
添加された発光層を反応性スパッタリングにより成膜す
る薄膜EL素子の製造方法において、発光層成膜のため
の反応性スパッタリングに20容量%より高い濃度で硫化
水素を含む不活性ガスよりなるスパッタリングガスを使
用し、硫化水素濃度に対応して定められる大きさの放電
電力を供給するものとする。スパッタリングガス中の硫
化水素濃度が25〜50容量%で、ターゲツトに供給される
放電電力密度が2〜6W/cm2 であることが有効であ
る。そして、亜鉛と発光中心材料との合金からなるター
ゲツトを用いること、亜鉛基板上に亜鉛の露出面積に対
して所定の比率の面積を有する発光中心材料板を被着し
たターゲツトを用いること、あるいは亜鉛からなるター
ゲツトと発光中心材料からなるターゲツトの双方を用い
る共スパッタリング発光層を成膜することが有効であ
る。
【0008】
【作用】直径100mm のターゲツトを用いたスパッタリン
グ試験の結果である図4に示すようにスパッタリングガ
ス中のH2 S濃度が一定の場合、放電電力の最適値が存
在する。従って、成膜速度向上のためにいたずらに放電
電力を上げるだけでなく、H2 S濃度に見合った放電電
力を供給することにより高品質の発光層を成膜すること
ができる。
グ試験の結果である図4に示すようにスパッタリングガ
ス中のH2 S濃度が一定の場合、放電電力の最適値が存
在する。従って、成膜速度向上のためにいたずらに放電
電力を上げるだけでなく、H2 S濃度に見合った放電電
力を供給することにより高品質の発光層を成膜すること
ができる。
【0009】
【実施例】以下、図を引用して本発明の実施例について
述べる。本発明の一実施例では、図2に示した構造の薄
膜EL素子で、ITOからなるターゲツトを用いたスパ
ッタリングで、表面上に厚さ1700ÅのITOからなる透
明電極12を形成したガラス基板11の上に、酸化珪素、窒
化珪素よりなる厚さ2100Åの第一絶縁層13、厚さ7000Å
の発光層14、窒化珪素、酸化珪素よりなる厚さ2100Åの
第二絶縁層15、アルミニウムよりなる厚さ7000Åの裏面
電極16を順次積層して作製した。
述べる。本発明の一実施例では、図2に示した構造の薄
膜EL素子で、ITOからなるターゲツトを用いたスパ
ッタリングで、表面上に厚さ1700ÅのITOからなる透
明電極12を形成したガラス基板11の上に、酸化珪素、窒
化珪素よりなる厚さ2100Åの第一絶縁層13、厚さ7000Å
の発光層14、窒化珪素、酸化珪素よりなる厚さ2100Åの
第二絶縁層15、アルミニウムよりなる厚さ7000Åの裏面
電極16を順次積層して作製した。
【0010】発光層14の成膜には、図1に示すスパッタ
リング装置を用いた。図1において、反応室1内にター
ゲツト2を被着した陰極3と、すでに透明電極12、第一
絶縁層13を形成した基板11を設置した陽極4とが対向し
ている。陰極3は、マッチング回路5を介して13.56MHz
のRF電源6に接続され、陽極4は接地されている。タ
ーゲツト2としては、亜鉛にMnを添加して〔Mn/Zn+M
n〕が0.3wt%となるように調整したZn:Mn合金からな
る直径100mm のターゲツトを用いた。そしてアルゴン(A
r)にH2 Sを添加した混合ガスをスパッタリングガスと
して、ガス導入口7から流量40sccmで反応室1内に導入
した。スパッタリング条件としては、ガス圧力10mTor
r、基板温度400 ℃に固定し、H2 S濃度、放電電力を
変化させて成膜を行った。成膜条件を表1に示す。どの
条件においてもターゲツト表面は硫化された条件となっ
ている。発光層は成膜後、500 ℃の温度で熱処理を行っ
ている。
リング装置を用いた。図1において、反応室1内にター
ゲツト2を被着した陰極3と、すでに透明電極12、第一
絶縁層13を形成した基板11を設置した陽極4とが対向し
ている。陰極3は、マッチング回路5を介して13.56MHz
のRF電源6に接続され、陽極4は接地されている。タ
ーゲツト2としては、亜鉛にMnを添加して〔Mn/Zn+M
n〕が0.3wt%となるように調整したZn:Mn合金からな
る直径100mm のターゲツトを用いた。そしてアルゴン(A
r)にH2 Sを添加した混合ガスをスパッタリングガスと
して、ガス導入口7から流量40sccmで反応室1内に導入
した。スパッタリング条件としては、ガス圧力10mTor
r、基板温度400 ℃に固定し、H2 S濃度、放電電力を
変化させて成膜を行った。成膜条件を表1に示す。どの
条件においてもターゲツト表面は硫化された条件となっ
ている。発光層は成膜後、500 ℃の温度で熱処理を行っ
ている。
【0011】
【表1】 表1の条件、すなわちH2 S濃度25〜50容量%で、放電
電力密度が2〜6W/cm2 の条件で得られた発光層は発
光輝度が高く、かつ成膜速度が42〜95nm/minと、従来
の条件の3〜7倍に改善されている。
電力密度が2〜6W/cm2 の条件で得られた発光層は発
光輝度が高く、かつ成膜速度が42〜95nm/minと、従来
の条件の3〜7倍に改善されている。
【0012】本発明の別の実施例では、第一絶縁層13、
第二絶縁層15に、酸化珪素 (SiO2) 、五酸化タンタル
(Ta2 O5 ) を1:9の厚さの比で積層したものを用い
た。Ta2 O5 は誘電率が大きく、素子駆動時に絶縁層に
かかる電圧を小さくし、駆動電圧を低下させるのに有効
であるが、第一絶縁層13の場合、ITO膜の上に直接着
けるとITOの特性を損なうので、中間にSiO2 を介在
させた。第二絶縁層15の場合SiO2 は、発光層14と第二
絶縁層15の接着性をよくする効果がある。発光層14の成
膜には、図1のスパッタリング装置を用いた。ターゲツ
ト2は、ZnにMn0.5 wt%を添加したZn:Mn合金からな
る。スパッタリング条件としては、H2 S濃度40容量
%、ガス圧力10 mTorr、基板温度400 ℃、放電電力密度
3.8W/cm2で、0.7μmの厚さの発光層14を成膜し
た。成膜速度は70nm/min の高い値が得られた。なお、
ガス圧力は5〜20 mTorrの範囲で、またガス流量は10〜
60sccmの範囲で調整でき、発光層14の膜厚と0.6〜1.0
μmの範囲で調整できる。放電電力密度3.8W/cm2 は
図4の線Bのピーク値である300 Wの放電電力に対応す
る。背面電極16は、Al膜とNi膜とを1:1の厚さ比で積
層して形成した。Alは絶縁層15との接着性がよく、Niは
はんだ付け性が良いという利点をもつ。このようにして
製造された薄膜EL素子の発光輝度は250 cd/m2 で、
高輝度であった。なお本実施例ではZn−Mn合金ターゲツ
トを用いたが、Znターゲツト上にマンガン板を組成に対
応する面積比で被着した。いわゆるモザイクターゲツト
を用いてもよい。
第二絶縁層15に、酸化珪素 (SiO2) 、五酸化タンタル
(Ta2 O5 ) を1:9の厚さの比で積層したものを用い
た。Ta2 O5 は誘電率が大きく、素子駆動時に絶縁層に
かかる電圧を小さくし、駆動電圧を低下させるのに有効
であるが、第一絶縁層13の場合、ITO膜の上に直接着
けるとITOの特性を損なうので、中間にSiO2 を介在
させた。第二絶縁層15の場合SiO2 は、発光層14と第二
絶縁層15の接着性をよくする効果がある。発光層14の成
膜には、図1のスパッタリング装置を用いた。ターゲツ
ト2は、ZnにMn0.5 wt%を添加したZn:Mn合金からな
る。スパッタリング条件としては、H2 S濃度40容量
%、ガス圧力10 mTorr、基板温度400 ℃、放電電力密度
3.8W/cm2で、0.7μmの厚さの発光層14を成膜し
た。成膜速度は70nm/min の高い値が得られた。なお、
ガス圧力は5〜20 mTorrの範囲で、またガス流量は10〜
60sccmの範囲で調整でき、発光層14の膜厚と0.6〜1.0
μmの範囲で調整できる。放電電力密度3.8W/cm2 は
図4の線Bのピーク値である300 Wの放電電力に対応す
る。背面電極16は、Al膜とNi膜とを1:1の厚さ比で積
層して形成した。Alは絶縁層15との接着性がよく、Niは
はんだ付け性が良いという利点をもつ。このようにして
製造された薄膜EL素子の発光輝度は250 cd/m2 で、
高輝度であった。なお本実施例ではZn−Mn合金ターゲツ
トを用いたが、Znターゲツト上にマンガン板を組成に対
応する面積比で被着した。いわゆるモザイクターゲツト
を用いてもよい。
【0013】図5は共スパッタリングにより発光層14を
成膜する本発明の別の実施例に用いたスパッタリング装
置を示し、図1と共通の部分には同一の符号が付されて
いる。この場合は、陽極4に回転機構8が連結され、陰
極は31、32の2個で、それぞれマッチング回路5を介し
てRF電源6に接続されている。そして、一方の陰極31
上にはZnターゲツト21を、他方の陰極32上にはMnターゲ
ツト22を設置した。スパッタリング条件としては、ガス
圧力10mTorr、基板温度350 ℃と上記実施例と同一であ
り、陽極4を50rpm で回転させながら、放電電力は陰極
21上のZnターゲツトには3.8W/cm2 、陰極22上のMnタ
ーゲツトには0.5W/cm2 にして0.5重量%のMnを含む
発光層4を成膜した。この場合の成膜速度も約70nm/mi
n であり、前記の実施例と同様に発光輝度の高い薄膜E
L素子が得られた。この共スパッタリングによる発光層
の成膜は、二つのターゲツト21、22の放電電力比を変え
るだけで発光層4中のMn濃度を制御できるため、発光層
中の最適Mn濃度の達成およびその維持、管理が容易であ
るという利点をもつ。
成膜する本発明の別の実施例に用いたスパッタリング装
置を示し、図1と共通の部分には同一の符号が付されて
いる。この場合は、陽極4に回転機構8が連結され、陰
極は31、32の2個で、それぞれマッチング回路5を介し
てRF電源6に接続されている。そして、一方の陰極31
上にはZnターゲツト21を、他方の陰極32上にはMnターゲ
ツト22を設置した。スパッタリング条件としては、ガス
圧力10mTorr、基板温度350 ℃と上記実施例と同一であ
り、陽極4を50rpm で回転させながら、放電電力は陰極
21上のZnターゲツトには3.8W/cm2 、陰極22上のMnタ
ーゲツトには0.5W/cm2 にして0.5重量%のMnを含む
発光層4を成膜した。この場合の成膜速度も約70nm/mi
n であり、前記の実施例と同様に発光輝度の高い薄膜E
L素子が得られた。この共スパッタリングによる発光層
の成膜は、二つのターゲツト21、22の放電電力比を変え
るだけで発光層4中のMn濃度を制御できるため、発光層
中の最適Mn濃度の達成およびその維持、管理が容易であ
るという利点をもつ。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、マンガンと亜鉛の合金
のターゲツト、モザイクターゲツトあるいはマンガンと
亜鉛の別々のターゲツトを使用し、硫化水素を含むスパ
ッタリングガスを用いる反応性スパッタリング法によっ
て発光層を成膜する際、20容量%より高いスパッタリン
グガス中の硫化水素濃度に対して適応した放電電力を供
給することにより放電電力を高くして成膜速度を向上さ
せることが実現できた。この結果、従来技術の場合の3
倍〜7倍で、実用化十分な成膜速度で高品質の発光層を
形成して薄膜EL素子を製造することが可能になった。
のターゲツト、モザイクターゲツトあるいはマンガンと
亜鉛の別々のターゲツトを使用し、硫化水素を含むスパ
ッタリングガスを用いる反応性スパッタリング法によっ
て発光層を成膜する際、20容量%より高いスパッタリン
グガス中の硫化水素濃度に対して適応した放電電力を供
給することにより放電電力を高くして成膜速度を向上さ
せることが実現できた。この結果、従来技術の場合の3
倍〜7倍で、実用化十分な成膜速度で高品質の発光層を
形成して薄膜EL素子を製造することが可能になった。
【図1】本発明の一実施例の発光層成膜に用いるスパッ
タリング装置の断面図
タリング装置の断面図
【図2】本発明の実施例により製造される薄膜EL素子
の断面図
の断面図
【図3】薄膜EL素子の発光輝度と発光層スパッタリン
グ時の放電電力との関係線図
グ時の放電電力との関係線図
【図4】異なるH2 S濃度のスパッタリングガスを用い
たスパッタリングの際の放電電力と成膜された発光層の
発光輝度との関係線図
たスパッタリングの際の放電電力と成膜された発光層の
発光輝度との関係線図
【図5】本発明の別の実施例の発光層成膜に用いるスパ
ッタリング装置の断面図
ッタリング装置の断面図
1 反応室 2 ターゲツト 21 Znターゲツト 22 Mnターゲツト 3,31,32 陰極 4 陽極 6 RF電源 7 ガス導入口 8 陽極回転機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲俣 伸一 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 柴田 一喜 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】硫化亜鉛を母材とし、発光中心材料が添加
された発光層を反応性スパッタリングにより成膜する薄
膜EL素子の製造方法において、発光層成膜のための反
応性スパッタリングに20容量%より高い濃度で硫化水素
を含む不活性ガスよりなるスパッタリングガスを使用
し、硫化水素濃度に対応して定められる大きさの放電電
力を供給することを特徴とする薄膜EL素子の製造方
法。 - 【請求項2】スパッタリングガス中の硫化水素濃度が25
〜50容量%で、ターゲツトに供給される放電電力密度が
2〜6W/cm2 である請求項1記載の薄膜EL素子の製
造方法。 - 【請求項3】亜鉛と発光中心材料との合金からなるター
ゲツトを用いる請求項1あるいは2記載の薄膜EL素子
の製造方法。 - 【請求項4】亜鉛基板上に亜鉛の露出面積に対して所定
の比率の面積を有する発光中心材料板を被着したターゲ
ツトを用いる請求項1あるいは2記載の薄膜EL素子の
製造方法。 - 【請求項5】亜鉛からなるターゲツトと発光中心材料か
らなるターゲツトの双方を用いる共スパッタリングによ
り発光層を成膜する請求項1あるいは2記載の薄膜EL
素子の製造方法。 - 【請求項6】発光中心材料がマンガンである請求項1な
いし5のいずれかに記載の薄膜EL素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5304883A JPH06231884A (ja) | 1992-12-07 | 1993-12-06 | 薄膜el素子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32586492 | 1992-12-07 | ||
JP4-325864 | 1992-12-07 | ||
JP5304883A JPH06231884A (ja) | 1992-12-07 | 1993-12-06 | 薄膜el素子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06231884A true JPH06231884A (ja) | 1994-08-19 |
Family
ID=26564078
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5304883A Pending JPH06231884A (ja) | 1992-12-07 | 1993-12-06 | 薄膜el素子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06231884A (ja) |
-
1993
- 1993-12-06 JP JP5304883A patent/JPH06231884A/ja active Pending
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