JPH0623184B2 - 新規な9,10−セコ−5,7,10(19)−プレグナトリエン誘導体 - Google Patents

新規な9,10−セコ−5,7,10(19)−プレグナトリエン誘導体

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JPH0623184B2
JPH0623184B2 JP60264963A JP26496385A JPH0623184B2 JP H0623184 B2 JPH0623184 B2 JP H0623184B2 JP 60264963 A JP60264963 A JP 60264963A JP 26496385 A JP26496385 A JP 26496385A JP H0623184 B2 JPH0623184 B2 JP H0623184B2
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榮五郎 村山
勝仁 宮本
登 久保寺
清成 越智
功 松永
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Chugai Pharmaceutical Co Ltd
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Chugai Pharmaceutical Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は免疫調節作用および腫瘍細胞の分化誘導能を有
し医薬,例えば抗アレルギー剤,抗リウマチ剤および抗
腫瘍剤として有用な9,10−セコ−5,7,10(19)−プ
レグナトリエン誘導体に関する。
従来の技術 ビタミンD3は生体内で最初肝臓においてその25位が水
酸化されて25−ヒドロキシビタミンD3となり,次いで
腎臓において1α位あるいは24位が水酸化され1α,25
−ジヒドロキシビタミンD3と24R,25−ジヒドロキシ
ビタミンD3となる。これらの代謝産物の中で1α,25
−ジヒドロキシビタミンD3およびその合成アナローグ
である1α−ヒドロキシビタミンD3等が強い小腸から
のカルシウム吸収作用および骨塩動員能を有し種々のカ
ルシウム代謝異常に基づく疾患の治療薬として有用であ
ることはよく知られている。また近年これらのビタミン
3誘導体がヒト又はマウスの骨髄性白血病細胞に対し
強い分化誘導能を有すること[プロシーディング オブ
ザ ナショナル アカデミー オブ サイエンス オ
ブ アメリカ(Proc.Natl.Acad.Sci.USA.)78,4990(198
0),バイオケミカル アンド バイオフィジカル リサ
ーチコミュニケーション(Biochem.Biophys.Res.Commu
n.)102,937(1980)]および免疫能の異常亢進に
基づく疾患,例えば慢性関節リウマチ等に有効であるこ
と(特開昭56-26820号公報)が明らかにされている。
発明が解決しようとする問題 前述したビタミンD類は強い分化誘導能等の活性は有し
ているものの一方では生体内カルシウム代謝に及ぼす影
響も強く,投与量如何によっては高カルシウム血症を引
き起し,場合によっては大量かつ連続的な投与が必要と
なる白血病等の腫瘍の治療薬または抗リウマチ剤として
は難点を有している。本発明者等はこれらの事情を鑑み
鋭意研究した結果9,10−セコ−5,7,10(19)−プレ
グナトリエン誘導体の中に免疫調節作用および骨髄性白
血病細胞に対する強い分化誘導能を有しており,しかも
生体内カルシウム代謝に対する影響が少いものがあるこ
とを見い出し,更に検討を加え本発明に至った。
問題点を解決するための手段 本発明は一般式I [式中R1,R2およびR3は各々同一又は異なって水素
原子又は水酸基を意味し,Xは酸素原子又は式N−OR
4(R4は水素原子か又は水酸基,アミノ基,炭素数1乃
至3の低級アルキルアミノ基で置換されているか若しく
は非置換の炭素数1乃至5の低級アルキル基である)を
意味する]で示される9,10−セコ−5,7,10(19)−
プレグナトリエン誘導体に関する。
本発明の一般式Iで示される化合物において,R4で示
される低級アルキル基としては炭素数1乃至5の直鎖又
は分岐状の低級アルキル基であり,好ましい例としては
メチル基,エチル基,プロピル基,イソブチル基等が挙
げられる。またこれらのアルキル基は水酸基,アミノ
基,炭素数1乃至3の低級アルキルアミノ基の中の1つ
又は2つ以上で置換されていてもよい。
本発明の一般式Iで示される化合物は新規化合物であ
り,例えばプレグネノロンアセテート又はデヒドロエピ
アンドロステロンを原料物質とし以下述べる方法によっ
て製造される。
(A)プレグネノロン アセテート(3β−ヒドロキシ−
5−プレグネン−20−オン アセテート)を原料物質と
する方法 プレグネノロン アセテートを不活性溶媒中炭酸水素ナ
トリウム等の塩基の存在下N−ブロムコハク酸イミドと
加熱還流することにより7位のブロム化を行い,次いで
不活性溶媒中コリジンにより脱臭化水素化を行う。得ら
れた5,7−ジエン体を,加水分解すると3β−ヒドロ
キシ−5,7−プレグナジエン−20−オン(化合物1)
を得る。以下この化合物1を出発物質とし,以下に記す
2つの方法により本発明の化合物が製造される。
第1の方法は,化合物1を不活性溶媒中紫外線照射を行
い,次いで不活性溶媒中加熱するというビタミンD骨格
を製造するための常套手段に付し,3β−ヒドロキシ−
9,10,−セコ−5,7,10,(19)−プレグナトリエン
−20−オン(化合物2)を製造する。次いでこの化合物
2をDeluco等の方法(特開昭58-135855号,同58-135856
号,同58-135857号公報)に従い,1α位への水酸基導
入反応を行い1α,3β−ジヒドロキシ−9,10,−セ
コ−5,7,10(19)−プレグナトリエン−20−オン(化
合物3)に変換した後,ピリジン中ヒドロキシルアミル
塩酸塩と反応させると20−ヒドロキシイミノ−9,10,
−セコ−5,7,10(19)−プレグナトリエン−1α,3
β−ジオール(化合物4)が得られる。
この一連の反応で得られる化合物2,3および4はいず
れも本発明の化合物である。
第2の方法は,化合物1をジヒドロピランと酸触媒によ
り3位をテトラヒドロピラニルエーテルとし,次いでピ
リジン中ヒドロキシルアミン塩酸塩と反応させて得られ
る20−ヒドロキシイミノ−3β(2−テトラヒドロピラ
ニル)オキシ−5,7−プレグナジエン(化合物5)又
は化合物1の3位の水酸基を保護することなく直接20位
をヒドロキシイミノ化した20−ヒドロキシイミノ−5,
7−プレグナトジエン−3β−オール(化合物6)に塩
基の存在下,一般式▲R ▼−Z(式中▲R ▼は
水素原子を除き前記R4と同じものを意味し,Zはハロ
ゲン原子またはp−トシルオキシ等の電子吸引性基の結
合したアシルオキシ基を意味する)で示されるアルキル
化剤を反応させると化合物5又は化合物6に対応する20
−アルキルオキシイミノ−5,7−プレグナジエン−3
β−オール類(一般式II)を得る。
(式中▲R は前記と同じものを意味し,R5は水素
原子又は2−テトラヒドロピラニル基を意味する)な
お,この▲R ▼−Zで示されるアルキル化剤に代え
て一般式IIIで示されるアルキルオキシラン類も使用さ
れる。
(式中R6およびR7は水素原子又は低級アルキル基を意
味する。) 例えば化合物5を塩基の存在下,一般式IIIで示される
アルキルオキシラン類においてR6,R7が共にメチル基
の化合物を反応させると20−(2−ヒドロキシ−2−メ
チルプロピル)オキシイミノ−3β−(2−テトラヒド
ロピラニル)オキシ−5,7−プレグナジエン(化合物
7)を得る。
また▲R ▼−Zで示されるアルキル化剤としてエピ
ブロモヒドリンを用い化合物5と反応せしめると20−
(2,3−エポキシプロピル)オキシイミノ−3β−
(2−テトラヒドロピラニル)オキシ−5,7−プレグ
ナジエン(化合物8)を得る。次いでこの化合物8にR
8−NH2(式中R8は低級アルキル基を意味する)で示
される低級アルキルアミン類を反応させると20−(2−
ヒドロキシ−3−低級アルキルアミノプロピル)オキシ
イミノ−3β−(2−テトラヒドロピラニル)オキシ−
5,7−プレグナジエン(化合物9)が得られる。
このようにして製造した一般式IIで示される化合物を不
活性溶媒中紫外線を照射し,次いで加熱することにより
前記一般式Iで示される本発明の化合物でR4が置換ま
たは非置換の低級アルキル基である20−アルキルオキシ
イミノ−9,10,−セコ−5,7,10(19)−プレグナト
リエン−3β−オール類を得る。なお一般式(II)で示
される化合物においてR5が2−テトラヒドロピラニル
基の場合は,この紫外線照射−加熱という一連の手段に
付す前に除去するのが好ましい。
第1の方法によって得られる20−ヒドロキシイミノ体
(化合物4)を第2の方法の際に述べたアルキル化法に
従うか、または20−ケト体(化合物3)に直接メトキシ
アミノ,エトキシアミン等の低級アルキルオキシアミン
類を反応せしめることにより,一般式Iで示される本発
明の化合物においてR1が水酸基でR4が置換又は非置換
のアルキル基である。20−アルキルオキシイミノ−9,
10,−セコ−5,7,10(19)−プレグナトリエン−
1α,3β−ジオール類が製造できる。なおこれらの反
応において水酸基に適当な保護基を導入しても目的は達
成される。
(B)デヒドロエピアンドロステロンを原料物質とする方
法 デヒドロエピアンドロステロンの微生物変換によって得
られる1α−ヒドロキシデヒドロエピアンドロステロン
の1α位と3β位の水酸基をtert−ブチルジメチルシリ
ル化し,1α,3β−ビス(tert−ブチルジメチルシリ
ルオキシ)−5−アンドロステン−17−オン(化合物
10)を製造する。次いでこの化合物10を7位のブロム化
−脱臭化水素化という前記(A)に記す一連の反応に付す
と1α,3β−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキ
シ)−5−アンドロステン−17−オン(化合物11)が
得られる。この化合物11を用い以下Neef等の方法
[Chem.Ber.,113,1184(1980)]に従い製造した1α,3
β−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−20−
メトキシ−5,7,17(20)−プレグナトリエン−21−オ
ール(化合物12)を出発物質とし、以下i)およびii)に
式示する方法により本発明の一般式Iで示される化合物
のうち1α位17α位又は21位に水酸基の結合した化合物
を製造することができる。
(反応式中Yはtert−ブチルジメチルシリル基意味す
る) 反応式i)において,化合物13は化合物12をNeef等の方法
[Chem.Ber.,113,1184(1980)]に従いシュウ酸で処理す
ることにより得られる。次いで化合物13を塩基の存在下
tert−ブチルジメチルシリルクロライドと反応させ,1
α位と21位の水酸基を保護し化合物14を製造する。この
化合物14を不活性溶媒中紫外線を照射−加熱という一連
の手段に付した後、テトラブチルアンモニウムフルオラ
イドまたはトリフルオロ酢酸で処理し水酸基の保護基を
除去すると1α,3β,21−トリヒドロキシ−9,10,
−セコ−5,7,10(19)−プレグナトリエン−20−オン
(化合物15)を得る。
反応式ii)において,化合物16は化合物12をm−クロロ
過安息香酸で処理することによって得られる。以下,化
合物16から化合物17を得る反応および化合物17から化合
物18を得る反応は反応式i)に記した化合物13→14および
化合物14→15の場合と同じである。
作用 本発明の一般式Iで示される化合物は,腫瘍細胞の分化
誘導能および免疫調節作用を有し,しかもカルシウム代
謝に対する影響が少いという特性を有している。これら
の作用は以下に記す形態変化NBT還元試験,抗
SRBC PFC試験抗DNP−Ficoll PFC試験
およびカルシウム代謝に及ぼす影響を調べることによ
り確認した。
形態変化 HL−60細胞(ヒト骨髄性白血病細胞)をRPMI−16
40培地に,56℃,30分間熱処理を行って不活性化した牛
胎児血清を10%となるように混合し,5%二酸化炭素/
95%空気の気相下で2〜3日毎に培地交換を行った。本
発明の化合物はエタノールに溶解し,培養液中のエタノ
ールが0.1%となるように調整して添加した。
HL−60細胞に本発明の化合物を添加するとマクロファ
ージへの分化が形態学的に観察される。分化した細胞を
計測し全細胞に対する比率を計算し,分化した細胞の割
合が0〜数%の場合を(−)または(±)で示し,数%
乃至30%の場合を(+)で示し,30〜60%の場合を
()で示し,60〜100%の場合を()で示し,次表
1に示す。なお表中の化合物NO.は後記実施例の各NO.に
対応している。(以下に記す表2乃至11においても同じ
である) NBT還元試験 平底96穴マイクロプレートを用い,HL−60細胞(ヒト
骨髄性白血病細胞)を本発明の化合物および対照として
用いた1α,25−ジヒドロキシビタミンD3[1α,25
−(OH)23]と一緒に一定時間(3〜4日間)培養
した。次いで遠心操作により細胞を沈殿させ,上清を除
いた後,NBT(ニトロブルーテトラゾリウム,1mg/
ml)およびTPA(12−O−デカノイルフォルボール−
13−アセテート,100ng/ml)を含むRPMI−1640培
地を各穴に100μlずつ加え細胞を再浮遊させた。37
℃,20分間炭酸ガス恒温器に放置後,遠心操作により全
ての細胞を底面に落下させ,倒立顕微鏡を用い一定視野
内の全細胞数およびNBT還元陽性細胞数(淡黄色のN
BTが還元されて生成する水不溶性のホルマザンにより
青く染色される細胞数)を計測した。(NBT還元陽性
細胞数/全細胞数)×100を求めて分化誘導の指標とし
た。その結果を次表2に示す。
抗SRBC PFC試験 (免疫スケジュール) BALB/Cマウス(一群5〜6匹)を用い,SRBC
(ヒツジ赤血球,0.2%,0.2ml/head)を腹腔内投与し
一次感作した。一次感作直後および24時間後に本発明の
化合物をMCT(中鎖脂肪酸のトリグリセライド)に溶
解し経口投与した。
(試験) i)標的細胞の調整:よく洗浄したSRBCを培地で40%
に調整した。
ii)PFC試験:マウスを脱血後脾臓細胞を摘出し,シ
ングルセル サスペンジョンにし,細胞数を測定した。
補体はデンカ生研乾燥補体を2倍希釈し用意した。40%
SRBC25μl,補体25μl,および脾臓細胞のサスペ
ンジョン200μlをよく混和後100μlをカンニンガム
(Cunningham)チャンバーに入れて1時間,37℃にて培
養し,その後PFC(プラーク形成細胞)数を測定し
た。
iii)結果:脾臓細胞数,全脾臓細胞数当りのPFC数,
一定の脾臓細胞数当りのPFC数を算出した結果を次表
3乃至5に示す。
抗DNP−Ficoll PFC試験 (免疫スケジュール) BALB/Cマウス(1群5〜6匹)を用い,DNP−
Ficoll(10μg/head,100μl)を腹腔内投与し一次感
作した。一次感作直後および試験の前日迄5日間毎日本
発明の化合物をMTCに溶解し経口投与した。
(試験) i)標的細胞の調整 50%SRBC:0.75%DNP−BSA(7.5mg/ml):
0.5mM CrO3・6H2O=1:10:10の割合で0℃
でよく混和後、37℃で1時間ゆるやかに撹拌した。その
後生理食塩水で洗浄後,40%DNP−BSA−SRBC
とした。
ii)PFC試験:マウスを脱血後脾臓細胞を摘出し,シ
ングルセル サスペンジョンにし細胞数を測定した。補
体はデンカ生研乾燥補体を2倍希釈して用意し,40%D
NP−BSA−SRBC25μl,補体25μlおよび脾臓
細胞のサスペンジョン200μlをよく混和後100μlをカ
ンニンガム チャンバーに入れ2時間,37℃にて培養
し、その後PFC数を測定した。
iii)結果:脾臓細胞数,全脾臓細胞数当りのPC数,一
定の脾臓細胞数当りのPFC数を算出した結果を次表6
乃至8に示す。
カルシウム代謝に及ぼす影響 i)単回投与 離乳直後のスプラークドーレイ(Spra-que Dawley)系
雄性ラット(体重45〜50g,一群6匹)をダイエット11
と脱イオン水で3週間白熱灯下飼育した。本発明の化合
物,対照として用いた25−ヒドロキシビタミンD3(25
−OH−D3)又は1α−ヒドロキシビタミンD3(1α
−OH−D3)はエタノールに溶解し,これを静脈内投
与した。各検体を投与後24時間絶食し,心臓より採血し
た。採血した血液から血漿を分離し,この中に含まれる
カルシウムと無機リンをそれぞれOCPC法[Am.
J.Clin.Path.,45,290(1966)およびBiochem.J.,
65,709(1957)]にて測定した。
ii)5日間連投 前記i)と同様に飼育したラットを用いた。本発明の化合
物および対照として用いた25−OH−D3はMCTに溶
解し,5日間連続経口投与した。各検体の最終投与後24
時間絶食し,心臓より採血した。採血した血液中のカル
シウムおよび無機リンの測定法は前記i)の場合と同じで
ある。
iii)結果 上記i),ii)の方法によって調べた,本発明の化合物の
カルシウム代謝に及ぼす影響を次表9乃至11に示す。な
お,表9および10には単回投与(i.v.)と連投(p.o.)の両
方の結果を示し,表11には単回投与の結果のみを示す。
実施例1. a)3β−ヒドロキシ−5,7−プレグナジエン−20−オ
ンの製造 プレグネノロンアセテート15.0gを四塩化炭素100mlに
溶解し,N−ブロムコハク酸イミド8.95g,微粉状重炭
酸ナトリウム8gを加え,30分間加熱還流する。冷後反
応液を水洗し,乾燥し減圧下溶媒留去する。黄色固化物
をキシレン100mlに溶解し、コリジン4.5mlを加え,油浴
上で1時間加熱還流する。冷却後酢酸エチルを加え,
水,稀塩酸,水,重炭酸ナトリウム水溶液の順に洗浄
し,乾燥,減圧下溶解留去する。残渣をメタノール100m
lに加熱熔解し,冷却後水酸化カリウム4gを加え,室
温で4時間撹拌する。析出する白沈をろ過して除き,メ
タノールで洗浄する。
ろ液を減圧下溶媒留去し,目的物である粗5,7−ジエ
ン体6.46gを得る。
UVスペクトル ▲λEtOH max▼(nm):293,280,270,262
(sh) b)20−ヒドロキシイミン−5,7−プレグナジエン−3
β−オールの製造 前記a)で得た粗3β−ヒドロキシ−5,7−プレグナジ
エン−20−オン1.3gをピリジン30mlに溶解し,ヒドロ
キシルアミン塩酸塩863.2mgを加え,室温で5時間撹拌
する。ピリジンを減圧下留去し,残渣にメタノールを加
え,析出する結晶をろ取し,目的とするオキシム体1.04
gを得る。mp216〜218℃(エタノールより再結晶)。
c)20−(2−メチルプロピル)オキシイミノ−5,7−
プレグナジエン−3β−オールの製造 前記b)で得た20−ヒドロキシイミノ−5,7−プレグナ
ジエン−3β−オール152.2mgを乾燥ジメチルホルムア
ミド10mlに溶解し,水素化ナトリウム(60%油性)50mg
を加え,40〜50℃に加熱後室温で30分間撹拌する。イソ
ブチルブロマイド0.2mlを加え,室温で一夜撹拌する。
エーテルを加え有機層を水洗し、乾燥し、減圧下溶媒留
去する。残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラ
フィーに付し,クロロホルムで溶出する。目的物を含有
するフラクションを集めて減圧下溶媒留去し目的とする
オキシム体(針状晶)102.4mgを得る。mp148〜150℃
(メタノールより再結晶)。
NMR δ(CDCl3):0.60,0.86(each3H,
s),0.97(6H,s),1,82(3H,s),3.20〜3.
90(1H,m),5.47(2H,q,J=5Hz)。
d)20−(2−メチルプロピル)オキシイミノ−9,10−
セコ−5,7,10,(19)−プレグナトリエン−3β−オ
ールの製造 前記c)で得た20−(2−メチルプロピル)オキシイミノ
−9,10−セコ−5,7,10,(19)−プレグナトリエン
−3β−オール102.4mgを特級エタノール400mlに溶解
し,アルゴンガスを通じながら,氷水冷却下7分間400
W高圧水銀燈で光照射する。減圧下溶媒留去した後,無
水テトラヒドロフラン(パーオキサイド除去)5mlに溶
解し,1時間加熱還流する。冷却後減圧下溶媒留去し,
残油状物をセファデックスLH−20(ファルマシア製)
を用いたカラムクロマトグラフィーに付し,クロロホル
ム−ヘキサン(65:35)で溶出する。目的物を含むフラ
クションを集め,減圧下溶媒留去し,油状の目的とする
ビタミンD体26.8mgを得る。
UVスペクトル 264 マススペクトル (m/e):385(M+) 実施例2. a)20−ヒドロキシイミノ−3β−(2−テトラヒドロピ
ラニル)オキシ−5,7−プレグナジエンの製造 実施例1のa)で得た粗3β−ヒドロキシ−5,7−プレ
グナジエン−20−オン2.0gを乾燥ジオキサン50mlに懸
濁し,ジヒドロピラン1ml,p−トルエンスルホン酸0.
1gを加え,室温で3時間撹拌する。黄色澄明な反応液
にクロロホルムを加え,重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄
する。水洗後,乾燥し,減圧下溶媒留去する。残渣をピ
リジン5mlに溶解し,ヒドロキシルアミン塩酸塩1.33g
を加え,室温で3時間撹拌する。反応液にクロロホルム
を加え,有機層を水洗し,乾燥,減圧下溶媒留去する。
残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーに
付し,クロロホルムで溶出する。目的とするオキシム体
1.17gを得る(淡黄色固化物)。
NMR δ(CDCl3):0.59,0.95(each 3H,
s),4.78(1H,m),5,33,5.53(each1H,d.J
=6Hz)。
b)20−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルオキシイ
ミノ)−5,7−プレグナジエン−3β−オールの製造 前記a)で得た20−ヒドロキシイミノ−3β−2−テトラ
ヒドロピラニル)オキシ−5,7−プレグナジエン606m
gを乾燥ジメチルホルムアミド10mlに溶解し,水素化ナ
トリウム(60%油性)100mgを加え,室温で30分間激し
く撹拌する。イソブチレンオキサイド0.5mlを加え、浴
温80〜100℃の油浴上で1時間加熱する。冷却後ジエチ
ルエーテルを加え,水洗,乾燥し,減圧下溶媒留去す
る。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し,油状の20−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル
オキシイミノ)−3β−(2−テトラヒドロピラニルオ
キシ)−5,7−プレグナジエン271mgを得る。
NMR δ(CDCl3):0.58,0.92(each3H,
s),1.22(6H,d,J=5Hz),1.86(3H,
s),4.70(1H,m),5.20〜5.80(2H,m)。
このオキシムエーテル271mgをメタノール30mlに溶解
し,アンバーリスト15(ロームアンドハース社製)1g
を加え,室温で1時間撹拌する。アンバーリストをろ去
し,メタノールで洗い,ろ液,洗液を減圧下溶媒留去す
る。残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィ
ーに付し,5%メタノール含有クロロホルムで溶出す
る。目的とするオキシム体111.4mgを得る。mp187〜18
9℃(メタノールより再結晶)。
UVスペクトル 294,282,270,262,253(sh) c)20−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルオキシイ
ミノ)−9,10−セコ−5,7,10(19)−プレグナト
リエン−3β−オールの製造 前記b)で得た20−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピ
ル)オキシイミノ−5,7−プレグナジエン−3β−オ
ール111.4mgを特級エタノール400mlに溶解し,アルゴン
ガスを通じながら,氷水冷却下7分間400W高圧水銀燈
で光照射する。減圧下溶媒留去した後無水テトラヒドロ
フラン(パーオキサイド除去)5mlに溶解し,1時間加
熱還流する。冷却後減圧下溶媒留去し,シリカゲルを用
いたカラムクロマトグラフィーに付し,3%アセトン含
有クロロホルムで溶出する。目的物を純粋に含むフラク
ションを集め,減圧下溶媒留去し油状の目的とするビタ
ミンD体11.4mgを得る。
UVスペクトル 263,213 マススペクトル (m/e):401(M+) 実施例3. 20−ヒドロキシイミノ−9,10−セコ−5,7,10(19)
−プレグナトリエン−3β−オールの製造 実施例1のb)で得た20−ヒドロキシイミノ−5,7−プ
レグナジエン−3β−オール118.4mgを特級エタノール4
00mlに溶解し,アルゴンガスを通じながら,氷水冷却下
200W高圧水銀燈でバイコールフィルターを通して8分
間光照射する。照射後減圧下溶媒を留去し,残渣を無水
テトラヒドロフラン(パーオキサイド除去)10mlに溶解
し,1.5時間加熱還流する。減圧下溶媒を留去した後セ
ファデックスLH−20(ファルマシア製)を用いたカラ
ムクロマトグラフィーに付し,クロロホルム:ヘキサン
(65:35)で溶出する。目的物を含むフラクションを集
めて,減圧下溶媒留去し,目的とするビタミンD体16.3
mgを得る。
UVスペクトル 265 マススペクトル (m/e):329(M+) 実施例4. 3β−ヒドロキシ−9,10−セコ−5,7,10(19)−プ
レグナトリエン−20−オンの製造 実施例1のa)で得た3β−ヒドロキシ−5,7−プレグ
ナジエン−20−オン300mgを特級エタノール400mlに溶解
し,アルゴンガスを通じながら,氷水冷却下,400W高
圧水銀燈を用い,パイレックスフィルターを通して光照
射する(60分)。照射後減圧下溶媒を留去し,残渣を無
水テトラヒドロフラン(パーオキサイド除去)10mlに溶
解し,1時間加熱還流する。減圧下溶媒を留去した後,
シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーに付し,
5%アセトン−クロロホルムで溶出する。目的物を含む
フラクションを集め,減圧下溶媒を留去し,3β−ヒド
ロキシ−9,10−セコー5,7,10(19)−プレグナト
リエン−20−オン30mgを得る。
UVスペクトル 263 実施例5. 20−ヒドロキシイミノ−9,10−セコ−5,7,10(19)
−プレグナトリエン−3β−オールの製造 実施例4で得た3β−ヒドロキシ−9,10−セコ−5,
7,10(19)−プレグナトリエン−20−オン30mgをピリジ
ン5mlに溶解し,ヒドロキシルアミン塩酸塩10.4mgを加
え,室温で5時間撹拌する。ピリジンを減圧下留去し,
クロロホルムに溶解し,クロロホルム層を水洗,乾燥
後,減圧下溶媒を留去する。セファデックスLH−20を
用いたカラムクロマトグラフィーに付し,クロロホル
ム:ヘキサン(65:35)で溶出し,目的物を含むフラクシ
ョンを集め,減圧下溶媒を留去し,目的とするオキシム
体25mgを得る。
なお,このものは先に実施例3で合成したものとその物
性値が一致した。
実施例6. a)6ξ−メトキシ−3,5−シクロ−9,10−セコ−
7,10(19)−プレグナトリエン−20−オンの製造 実施例4で得た3β−ヒドロキシ−9,10−セコ−5,
7,10(19)−プレグナトリエン−20−オン96.8mgをピリ
ジン10mlに溶解し,p−トルエンスルホニルクロライド
882.7mgを氷冷下加え,5℃で36時間放置する。反応液
を冷重炭酸ナトリウム水中に注ぎエーテルで抽出する。
エーテル層を水洗し,乾燥し,溶媒留去し,油状の3−
トシレート1.03gを得る。
3−トシレートをメタノール100mlに溶解し,重炭酸ナ
トリウム5gを加え,6時間加熱還流する。減圧下溶媒
を留去し,残渣をエーテル抽出し,エーテル層を水洗
し,乾燥し,溶媒留去する。残渣をシリカゲルを用いた
カラムクロマトグラフィーに付し,クロロホルムで溶出
する。油状の目的とする3,5−シクロ体292.4mgを得
る。
NMR δ(CDCl3):0.49(3H,s),2.09
(3H,s),3.22(3H,s),4.05(1H,d,J
=10Hz),4.70〜5.20(3H,m)。
b)1α,3β−ジヒドロキシ−9,10−セコ−5,7,
10(19)−プレグナトリエン−20−オンの製造 t−ブチルハイドロパーオキサイド(70%水溶液)0.5m
lをジクロルメタン50mlに加え,40℃の浴温下減圧留去
し,約20mlとする。再び50mlのジクロルメタンを加え同
様に処理し,得たジクロルメタン溶液に二酸化ゼレン56
mgを加え30分室温で撹拌する。この溶液に前記a)で得た
6ξ−メトキシ−3,5−シクロ−9,10−セコ−7,
10(19)−プレグナジエン−20−オン292.4mgを10mlのジ
クロルメタンに溶解した溶液を加え室温で30分間撹拌す
る。10%水酸化ナトリウム水溶液5mlを加え,30分間撹
拌する。エーテルを加え,水洗し,次いで5%亜硫酸ナ
トリウム水溶液で洗滌し有機層を乾燥し,減圧下溶媒を
留去する。残渣をシリカゲルを用いたカラムクロマトグ
ラフィーに付し10%アセトン含有クロロホルムで溶出す
る。
最初に1−オキソ体が溶出する。油状の1−オキソ体6
4.1mgを得る。
NMR δ(CDCl3):0.45(3H,s),2.09
(3H,s)3.25(3H,s),3.99(1H,d,J=
9Hz),4.98(1H,d,J=9Hz),5.49,5.91,
(each1H,s)。
次に目的物の1α−OH体1α−ヒドロキシ−6ξ−メ
トキシ−3,5−シクロ−9,10−セコ−7,10(19)−
プレグナジエン−20オンが溶出する。油状の1α−OH
体60.5mgを得る。
NMR δ(CDCl3):0.49(3H,s,18−C
3),2.09(3H,s,21−(CH3)3.22(3H,
s,OCH3),3.95〜4.35(1H,m,1−H),4.1
1(1H,d,J=9Hz,6−H),4.99(1H,d,
J=9Hz,7−H),4.99〜5.35(2H,m,19−
H)。
1α−OH体60.5mgをピリジン1.5mlに溶解し,無水酢
酸0.5mlを加え,55〜60℃で2時間撹拌する。冷却後,
冷重炭酸ナトリウム水に注ぎ,エーテル抽出する。エー
テル層を水洗後,有機層を乾燥し,溶媒を留去し,油状
の1α−アセトキシ体65mgを得る。
NMR δ(CDCl3):0.50(3H,s),2.05
(3H,s)2.10(3H,s),3.22(3H,s),4.
06(1H,d,J=9Hz),4.88〜5.40(3H,m)。
1α−アセトキシ体65mgをジオキサン3mlに溶解し,水
1mlを加え,次いでp−トルエンスルホン酸10mgを加
え,室温で1時間撹拌する。重炭酸ナトリウム水溶液を
加え,エーテルで抽出する。エーテル層を水洗し,有機
層を乾燥し,溶媒を留去する。シリカゲルを用いたカラ
ムクロマトグラフィーに付し,酢酸エチル:ヘキサン
(3:7)で溶出する。目的物のフラクションを集め,
濃縮し,次いでエタノール3mlに溶解し,10%水酸化ナ
トリウム水1mlを加え一夜室温で撹拌する。減圧下溶媒
を留去し,エーテル抽出する。エーテル層を水洗し,有
機層を乾燥し,溶媒を留去する。残渣をセファデックス
LH−20のカラムクロマトグラフィーに付し,クロロホ
ルム:ヘキサン(65:35)で溶出し,目的物1α−OH
−D体24.9mgを得る。
UVスペクトル 265,210 マススペクトル(m/e):330(M+) 実施例7. 20−ヒドロキシイミノ−9,10−セコ−5,7,10(19)
−プレグナトリエン−1α,3β−ジオールの製造 前記実施例6で得た1α,3β−ジヒドロキシ−9,10
−セコ−5,7,10(19)−プレグナトリエン−20−オン
11.95mgをピリジン1mlに溶解し,ヒドロキシルアミン
塩酸塩50mgを加え,室温で3時間撹拌する。溶媒を減圧
下留去し,残渣をエーテルで抽出する。有機層を水洗
し,乾燥し,溶媒を留去する。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーに付し,20%アセトン含有クロロホ
ルムで溶出する。目的物のフラクションを集めて減圧下
溶媒を留去し,目的とする油状のオキシム体9.72mgを得
る。
UVスペクトル 266,208 マススペクトル(m/e):345(M+) 実施例8. a)20−(2,3−エポキシプロピルオキシイミノ)−3
β−(2−テトラヒドロピラニル)オキシ−5,7−プ
レグナジエンの製造 実施例2のa)で得た20−ヒドロキシイミノ−3−β−
(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−5,7−プレグ
ナジエン862.5mgを乾燥ジメチルホルムアミド10mlに溶
解し,水素化ナトリウム(60%油性)150mgを加え,室
温で30分間撹拌する。エピブロムヒドリン429.9mgを加
え,80℃の油浴中で1.5時間加熱撹拌する。冷却後エー
テルを加え、有機層を水洗し,乾燥し,溶媒を留去す
る。得られた油状物をシリカゲルを用いたカラムクロマ
トグラフィーに付し,クロロホルムで溶出する。目的物
を含むフラクションを集め,溶媒を留去し,目的とする
2,3−エポキシプロピル体727.1mgを得る。
NMR δ(CDCl3):0.59(3H,s),0.92
(3H,s)1.83(3H,s),2.50〜4.40(10H,
m),4.68(1H,bs),5.42(2H,q,J=6H
z)。
b)20−[2−ξ−ヒドロキシ−3−(メチルアミノ)プ
ロピルオキシイミノ]−5,7−プレグナジエン−3β
−オールの製造 前記a)で得た20−(2,3−エポキシプロピルオキシイ
ミノ)−3β−(2−テトラヒドロピラニル)オキシ−
5,7−プレグナジエン465.6mgをエタノール5mlに溶
解し,40%メチルアミン水溶液1mlを加え室温で5時間
撹拌する。エーテルを加え,エーテル層を水洗し,乾燥
し,溶媒留去する。得られた残渣をメタノール20mlに溶
解し,p−トルエンスルホン酸0.5gを加え,室温で2
時間撹拌する。5%重炭酸ナトリウム水溶液を加えた後
クロロホルム抽出する。クロロホルム層を水洗し,乾燥
し,減圧下溶媒を留去する。残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィーに付し,30%メタノール含有クロロホ
ルムで溶出する。目的物のフラクションを集め,溶媒留
去し,淡黄色固化物として目的物212.6mgを得る。
NMR δ(CDCl3):0.57(3H,s),0.94
(3H,s)1.82(3H,s),2.29(3H,s),2.
94(2H,t),3.17〜3.77(3H,m),3.87〜4.47
(3H,m),5.45(2H,q,J=6Hz)。
c)20−[2−ξ−ヒドロキシ−3−(メチルアミノ)プ
ロピルオキシイミノ]−9,10−セコ−5,7,10(19)
−プレグナトリエン−3β−オールの製造 前記b)で得た20−(2−ξ−ヒドロキシ−3−メチルア
ミノプロピル)オキシイミノ−5,7−プレグナジエン
−3β−オール106.3mgを特級エタノール400mlに溶解
し,アルゴンガスを通じながら、氷水冷却下200W高圧
水銀燈で18分間光照射する。減圧下溶媒を留去した後,
無水テトラヒドロフラン(パーオキサイド除去)に溶解
し,加熱還流し熱異性化する。溶媒留去した後セファデ
ックスLH−20を用いたカラムクロマトグラフィーに付
し,クロロホルム:ヘキサン(65:35)で溶出する。
目的物を含むフラクションを集め,溶媒を留去し,油状
の目的とするビタミンD体14.5mgを得る。
UVスペクトル 265,207 マススペクトル(m/e):416(M+) 実施例9. a)メチル1α,3β−ビス(tert−ブチルジメチルシリ
ルオキシ)−17β−ヒドロキシ−20−メトキシ−5,7
−プレグナジエン−21−オエートの製造 ジイソプロピルアミン10.93gをテトラヒドロフラン80m
lに溶解し,−78℃に冷却する。1.5M−ブチルリチウム
のヘキサン溶液64ml(96mmol)をゆっくり加える。反応温
度を−20℃まで上げ,次に再び−78℃まで冷却する。次
いでメトキシ酢酸メチル11.24gを30分間で滴下する。
−65℃まで温度を上げ,ここから40分間で温度を−60℃
にする。再び温度を−78℃とし,1α,3β−ビス(te
rt−ブチルジメチルシリルオキシ)−5,7アンドロス
タジエン−17−オン6.37gの20mlテトラヒドロフラン溶
液を30分間で滴下する。温度を−65℃乃至−55℃の間に
保ちながら3時間撹拌した後,反応溶液をそのまま水に
あけ酢酸エチルで3回抽出する。抽出液を硫酸ナトリウ
ムで乾燥後溶媒を留去する。シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶媒:30%酢酸エチル−ヘキサン)で精製
し目的化合物5.32gを得る。
NMR δ(CDCl3):0.07(3H,s),0.08
(3H,s)0.09(3H,s),0.13(3H,s),0.
84(3H,s),0.88(9H,s),0.90(12H.
s),2.70〜2.84(1H,m),3.34(3H,s),3.
70(1H,bs),3.79(1H,s),3.80(3H,
s),3.91〜4.11(1H,m),5.30(1H,dt,J
=5.7and2.3Hz),5.56(1H,d,J=5.7Hz) b)メチル1α,3β−ビス(tert−ブチルジメチルシリ
ルオキシ)−20−メトキシ−5,7,17(20)−プレグナ
トリエン−21−オエートの製造 前記a)で得た化合物5.10gをピリジン40mlに溶解し,−
40℃に冷却する。チオニルクロライド2.9mlをシリン
ジにゆっくり滴下する。−20℃で2時間撹拌する。反応
溶液を直ちに食塩水にあける。酢酸メチル300mlで抽出
後,抽出液を食塩水で2回洗い,硫酸ナトリウムで乾燥
後,分取用薄層クロマトグラフィー(溶媒:15%酢酸エ
チル−ヘキサン)で精製し目的化合物2.37gを得る。
NMR δ(CDCl3):0.05(3H,s),0.06
(6H,s)0.11(3H,s),0.88(12H,s),0.
89(9H,s),0.92(3H,s),2.29〜2.89(6
H,m),3.57(3H,s)3.70(1H,bs),3.78
(3H,s),3.93〜4.15(1H,m),5.39(1H,
dt,J=5.7and2.9Hz),5.59(1H,d,J=5.7Hz) c)1α,3β−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキ
シ)−20−メトキシ−5,7,17(20)−プレグナトリエ
ン−21−オールの製造 前記b)で得た化合物2.34gをヘキサン30mlに溶かし,−
40℃に冷却する。シリンジでジイソブチルアルミニウム
ハイドライドのヘキサン溶液15.2ml(15.2mmol)をゆっく
り滴下し,滴下終了後温度を−20℃にして,同温で1時
間撹拌する。次いで水2mlを滴下し温度を徐々に0℃ま
であげる。反応溶液を食塩水にあけ,酢酸エチルで3回
抽出する。抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を留去
し,シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:30%
酢酸エチル−ヘキサン)で精製し目的化合物1.84gを得
る。
NMR δ(CDCl3):0.05(3H,s),0.06(3
H,s)0.07(3H,s),0.11(3H,s),0.84(3
H,s),0.88(18H,s),0.92(3H,s)2.20〜
2.57(6H,m),2.74〜2.89(1H,m),3.55(3
H,s),3.71(1H,bs),3.45〜4.19(1H,
m),4.13〜4.28(2H,m),5.36(1H,dt,J=
5.7and2.9Hz),5.58(1H,d,J=5.7Hz) d)1α−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−3
β,21−ジヒドロキシ−5,7−プレグナジエン−20−
オンの製造 前記c)で得た化合物324mgとシュウ酸・2水和物1.6gを
70mlメタノールと7mlの水に懸濁させ50〜55℃で3時間
撹拌する。冷却後約500mlの食塩水にあけ酢酸エチルで
3回抽出する。抽出液を合わせて飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液で洗い,更に飽和食塩水で洗う。硫酸ナトリウ
ムで乾燥後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶
液:50%酢酸エチル−ヘキサン)で精製し目的化合物22
6mgを得る。
NMR δ(CDCl3):0.06(3H,s),0.14
(3H,s)0.61(3H,s),0.89(21H,s),2.
58(1H,t,J=8.5Hz),2.83(1H,t,J〜8.6
Hz),3.26(1H,t,J〜4.6Hz),3.75(1H,b
s),3.94〜4.16(2H,m),4.21(2H,bs),5.3
6(1H,dt,J=5.7and2.9Hz),5.62(1H,d
d,J=5.7and2.6Hz)。
e)1α,3β,21−トリス(tert−ブチルジメチルシリ
ルオキシ)−5,7−プレグナジエン−20−オンの製造 前記d)で得た化合物270mgを2mlのジメチルホルムアミ
ドに溶かし,イミダゾール560mgおよびtert−ブチルジ
メチルシリルクロライド500mgを加えて撹拌する。更に
テトラヒドロフラン3mlを加えて30分間撹拌する。次い
でn−ヘキサン300mlに溶かし,食塩水で3回抽出す
る。水層からバックエクストラクションし,有機層を合
わせて硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を留去する。シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶媒:クロロホルム)
で精製し目的化合物299mgを得る。
NMR δ(CDCl3):0.05(3H,s),0.06
(3H,s)0.07(3H,s),0.08(6H,s),0.
11(3H,s),0.59(3H,s),0.88(9H,
s),0.89(12H,s),0.92(9H,s),2.75〜2.
90(1H,m),2.85(1H,t,J=8.6Hz),3.71
(1H,bs),3.91〜4.14(1H,m),4.17(1H,
d,J=17.7Hz),4.21(1H,d,J=17.7Hz),5.
34(1H,dt,J=5.7and2.3Hz),5.58(1H,d,
J=5.7Hz) f)1α,3β,21−トリヒドロキシ−9,10−セコ−
5,7,10(19)−プレグナトリエン−20−オンの製造 前記e)で得た化合物178mgをヘキサン400mlに溶かし,20
0W高圧水銀灯で36分間光照射する。次いで溶媒を約半
分に濃縮し1時間加熱還流する。シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(溶媒:クロロホルム)に付し,原料物
質とビタミンD体との混合物30mgを得る。次いでこの混
合物をテトラヒドロフラン3mlとメタノール3mlに溶か
し,トリフルオロ酢酸500μlを加えて室温で1.5時間撹
拌する。更にトリフルオロ酢酸100μlを加えて7時間
撹拌する。氷冷下炭酸水素ナトリウム1gを加えるる。
次いで室温で15分間撹拌後、ろ過し,溶媒を留去後残渣
を分取用薄層クロマトグラフィー(溶液:10%メタノー
ル−クロロホルム)に付すと2.4mgの1α,3β,21−
トリヒドロキシ−9,10−セコ−5,7,10(19)−プレ
グナトリエン−20−オンを得る。
NMR δ(CDCl3):0.53(3H,s),2.52〜
2.68(2H,m)2.87(1H,d,J〜12Hz),3.26
(2H,bs),4.12〜4.34(4H,m),4.38〜4.49
(1H,m),4.98(1H,t,J=1.7Hz),5.33
(1H,t,J=1.7Hz),6.05(1H,d,J=10.8H
z),6.34(1H,d,J=10.8Hz)。
UVスペクトル 262 実施例10. a)1α,3β−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキ
シ)−17,21−ジヒドロキシ−5,7−プレグナジエン
−20−オンの製造 実施例9c)で得た1α,3β−ビス(tert−ブチルジメ
チルシリルオキシ)−20−メトキシ−5,7,17(20)−
プレグナトリエン−21−オール330mgをジクロルメタン2
00mlに溶かし,m−クロロ過安息香酸100mgのジクロル
メタン20ml溶液を−74℃で40分間で滴下する。同温で1
時間撹拌した後3時間かけて徐々に5℃まで温度を上げ
る。次いで炭酸水素ナトリウム5gを加えて激しく撹拌
し、更に室温で15分間撹拌する。反応溶液をろ過し,ろ
液を濃縮し残渣を分取用薄層クロマトグラフィー(溶
媒:30%酢酸エチル−ヘキサン)に付し目的化合物187m
gを得る。
NMR δ(CDCl3):0.06(3H,s),0.07
(3H,s),0.10(3H,s),0.13(3H,s),
0.63(3H,s),0.88(12H,s),0.90(9H,
s),2.24〜2.90(4H,m)3.11(1H,t,J=5.
1Hz),3.42(1H,s),3.70(1H,bs),3.92〜
4.14(1H,m),4.36(1H,dd,J=20.5and5.1H
z),4.68(1H,dd,J=20.5and5.1Hz),5.37(1
H,dt,J=5.7and2.9Hz),5.58(1H,d,J=5.7
Hz) b)1α,3β,21−トリス(tert−ブチルジメチルシリ
ルオキシ)−17−ヒドロキシ−5,7−プレグナジエン
−20−オンの製造 前記a)で得た化合物204mgを用い,以下実施例9.e)に
記載の方法と同様に21位の水酸基をtert−ブチルジメチ
ルシリル化し,目的化合物208.3mgを得る。
NMR δ(CDCl3):0.05(3H,s),0.07
(3H,s),0.08(3H,s),0.12(6H,s),
0.13(3H,s),0.63(3H,s),0.88(12H,
s),0.89(9H,s)0.94(9H,s),2.26〜2.88
(4H,m),3.66(1H,bs),3.71(1H,bs),
3.92〜4.14(1H,m),4.48(2H,s),5.35(1
H,dt,J=5.7and2.9Hz),5.58(1H,d,J=5.7
Hz c)1α,3β,17,21−テトラヒドロキシ−9,10−セ
コ−5,7,10(19)−プレグナトリエン−20−オンの製
造 前記b)で得た化合物104mgを用い,以下実施例9.f)に
記載の方法と同様に処理し目的とするビタミンD体7mg
を得る。
NMR δ(CDCl3):0.58(3H,s),2.35
(1H,dd,J=12.5and6.3Hz),2.55〜2.96(4H,
m),3.10(1H,t,J=4.9Hz),4.21〜4.31(1
H,m),4.35(1H,dd,J=20.0and4.9Hz),4.38
〜4.51(1H,m),4.66(1H,dd,J=20.0and4.9
Hz),5.01(1H,t,J=1.5Hz),5.35(1H,
t,J=1.5Hz),6.09(1H,d,J=11.4Hz),6.3
8(1H,d,J=11.4Hz) UVスペクトル 264
フロントページの続き (72)発明者 松永 功 東京都豊島区高田3丁目41番8号 中外製 薬株式会社内 審査官 關 政立 (56)参考文献 J.Steroid Biochem. Vol.17 No.6 P.615−619 (1982)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 [式中R1,R2およびR3は各々同一または異なって水
    素原子、又は水酸基を意味し、Xは酸素原子又は式N−
    OR4(R4は水素原子か又は水酸基、アミノ基、炭素数
    1乃至3の低級アルキルアミノ基で置換されているか若
    しくは非置換の炭素数1乃至5の低級アルキル基であ
    る)を意味する。但し、R1,R2およびR3がすべて水
    素原子である場合Xは酸素原子ではない]で示される
    9,10−セコ−5,7,10(19)−プレグナトリ
    エン誘導体。
JP60264963A 1984-11-27 1985-11-27 新規な9,10−セコ−5,7,10(19)−プレグナトリエン誘導体 Expired - Lifetime JPH0623184B2 (ja)

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JP25029184 1984-11-27

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Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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J.SteroidBiochem.Vol.17No.6P.615−619(1982)

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