JPH06230328A - 電界吸収型光変調器の実装方法 - Google Patents

電界吸収型光変調器の実装方法

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Publication number
JPH06230328A
JPH06230328A JP5040496A JP4049693A JPH06230328A JP H06230328 A JPH06230328 A JP H06230328A JP 5040496 A JP5040496 A JP 5040496A JP 4049693 A JP4049693 A JP 4049693A JP H06230328 A JPH06230328 A JP H06230328A
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JP
Japan
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capacitor
electro
optical modulator
chip resistor
frequency
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JP5040496A
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Inventor
Seishi Yoshida
誠史 吉田
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電界吸収型光変調器の実装方法において、チ
ップ抵抗器を終端抵抗器として使用する場合、バイアス
電圧の印加によるチップ抵抗器の発熱がなく、電界吸収
型光変調器の変調特性に影響を与えず、広帯域応答を実
現することができる電界吸収型光変調器の実装方法を提
供することを目的とするものである。 【構成】 チップ抵抗器を伝送路の終端抵抗器として電
界吸収型光変調器と並列に接続し、平行平板コンデンサ
等の高周波領域包合コンデンサと、積層セラミックコン
デンサ等の低周波領域包合コンデンサとを互いに並列に
接続し、高周波領域包合コンデンサと低周波領域包合コ
ンデンサとをチップ抵抗器と直列に接続するものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信システム等に用
いられる半導体電界吸収型光変調器の実装方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体電界吸収型光変調器は、PN接合
された半導体に逆バイアス電圧を印加したときに、フラ
ンツケルディッシュ効果によって、吸収端波長が長波長
側へシフトし、吸収係数が変化することを利用して光信
号の変調を行うものである。電界吸収型光変調器は、従
来用いられているLiNbO3 光変調器等と比較して、
高速応答、低駆動電圧動作等の特長を有することから、
近年盛んに研究が行われている。吸収係数変化を利用す
ることによって光強度変調器として用いることが可能に
なり、吸収変化と同時に生じる屈折率変化を利用するこ
とによって光位相変調器、光スイッチとして用いること
が可能になる。
【0003】特に、活性層に多重量子井戸構造を形成し
た場合、励起子吸収に伴う急峻なピークが吸収特性に存
在し、これが高電界下においても存在することから、大
きな吸収係数の変化が得られる。
【0004】この電界吸収型光変調器では、半導体レー
ザを直接変調する場合とは異なり、変調に際してキャリ
アの移動を伴わないことから、キャリアの緩和時間によ
る応答速度の制限を無視できる。応答速度は、ほぼ素子
のRC時定数によって決まるので、電気信号を光変調器
に入力する実装技術が重要となる。
【0005】電界吸収型光変調器を用いる場合、伝送路
とのインピーダンス整合をとるために、通常、その電界
吸収型光変調器と並列に終端抵抗器を接続する。この終
端抵抗器としては、チップ抵抗器を用いる方法と、外づ
け終端抵抗器を用いる方法とがある。
【0006】図7(1)は、チップ抵抗器を終端抵抗器
として使用する従来例P1の斜視図であり、図7(2)
は、外づけ終端抵抗器を終端抵抗器として使用する従来
例P2の斜視図である。
【0007】外づけ終端抵抗器30を終端抵抗器として
使用する従来例P2の場合は、電界吸収型変調器1とス
トリップライン10とをつなぐワイヤが必然的に長くな
り、高周波応答特性に劣化をもたらすという欠点があ
る。
【0008】チップ抵抗器3を終端抵抗器として使用す
る従来例P1の場合は、伝送路であるストリップライン
10の終端に変調器1を配置することからワイヤ長を短
くすることができるが、チップ抵抗器3の耐電圧は一般
に低いことから、バイアス電圧を印加した場合にチップ
抵抗器3が発熱し、特性が変化したり破損したりすると
いうおそれがあるという欠点がある。また、温度に敏感
な電界吸収型光変調器1の変調特性に影響をおよぼすこ
とがあるという欠点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】チップ抵抗器3を使用
する従来例P1における上記欠点を除去するには、チッ
プ抵抗器3とアースとの間にチップコンデンサを挿入す
ることが考えられ、これによって、チップ抵抗器3に直
流電流が流れないので、チップ抵抗器3の発熱、、特性
変化、破損や、電界吸収型光変調器1の変調特性への影
響を阻止することができる。
【0010】しかし、上記のようにチップ抵抗器3とア
ースとの間にチップコンデンサを挿入すると、チップ抵
抗器3の抵抗値とチップコンデンサの容量値とで決まる
低域遮断特性によって、信号の低周波成分が電界吸収型
光変調器1に作用しないという問題が生じる。
【0011】低域遮断周波数fL は、次式で表される。 fL =1/(2πRC) 低域遮断周波数を低減するには、容量の大きいチップコ
ンデンサを用いればよいが、一般に、高周波特性に優れ
た大容量のチップコンデンサを得ることは困難である。
【0012】一方、電界吸収型光変調器は、通常、その
吸収係数の変化を利用して光強度変調器として用いられ
るが、このほかに、吸収変化と同時に生じる屈折率の変
化を利用して光位相変調器として用いることもできる
(吉田他 1992年電子情報通信学会春季大会講演集
B−961)。さらに、電界吸収型光変調器は、近年、
吸収変化の電圧に対する非線形的な応答特性を利用し
て、短パルス発生源、光ゲートとしての用途が示されて
注目を集めている(鈴木他 1992電子情報通信学会
秋季大会講演集B−648)。
【0013】たとえば、図8(1)に示す従来例P3の
ように、2台の電界吸収型光変調器1a、1bを縦列に
結合し、電界吸収型光変調器1aを短パルス発生源と
し、電界吸収型光変調器1bを光強度変調器として用い
る場合や、電界吸収型光変調器1aを光ゲートとし、電
界吸収型光変調器1bを光電変換器として用いる場合
に、2台の変調器を光学的に結合する。
【0014】これらの場合、2台の変調器1a、1bを
光学的に結合する方法よりも、図8(2)に示す従来例
P4のように、2台の変調器1a、1bを接合したり、
図8(3)に示す従来例P5のように、1つの変調器1
cの電極を2つに分割することによって、挿入損失を大
幅に低減することが可能となる。しかし、この場合、2
つの電極同士の間隔が狭くなることから、電気信号間の
クロストークが多くなるという問題がる。
【0015】つまり、電界吸収型光変調器をタンデムに
接合し、それぞれに互いに独立な信号を印加する場合、
高周波応答特性の劣化を防止する以外にも、信号間のク
ロストークを低減する必要がある。
【0016】図9は、電界吸収型光変調器をタンデムに
接合し、外づけ終端抵抗器30を使用した従来例P6を
示す斜視図である。この従来例は、電界吸収型光変調器
1a、1bと信号線路とを接続するワイヤ長が必然的に
長くなり、高周波応答特性が劣化するという問題があ
る。また、信号線路間の間隔が狭く、信号線路間に平行
する部分が存在することから、電気的なクロストークを
生じやすいという問題もある。
【0017】電界吸収型光変調器をタンデムに接合した
場合、信号間のクロストークを低減させるには、図10
に示す従来例P7のように、チップ抵抗器3a、3bを
終端抵抗器として使用し、2つの電界吸収型光変調器1
a、1bに入力する電気信号の方向を、変調器1a、1
bを挟んで対向させればよく、これによって、クロスト
ークを大幅に低減することができる。しかし、この場合
には、バイアス電圧を印加したときにチップ抵抗器3
a、3bの発熱によって、抵抗器3a、3bの特性が変
化したり、破損したりするほか、温度に敏感な電界吸収
型光変調器1a、1bの変調特性に影響を与えるという
欠点がある。この欠点を除去するには、チップ抵抗器3
a、3bのそれぞれと直列にコンデンサを接続し、抵抗
器3a、3bに流れる直流電流を遮断することが考えら
れるが、このようにすると、抵抗値とコンデンサの容量
とで決まる低減遮断特性によって、信号波形劣化が生じ
るという問題がある。
【0018】低域遮断周波数はコンデンサの容量に反比
例するため、容量を大きくすることによって信号波形劣
化を低減することができるが、一般に、高周波特性に優
れたコンデンサの大容量化は難しいので、広帯域な変調
を行うことが困難になる。
【0019】本発明は、チップ抵抗器を終端抵抗器とし
て使用する場合、バイアス電圧の印加によるチップ抵抗
器の発熱がなく、電界吸収型光変調器の変調特性に影響
を与えず、広帯域応答を実現することができる電界吸収
型光変調器の実装方法を提供することを目的とするもの
である。
【0020】また、本発明は、複数の電界吸収型光変調
器をタンデムに結合することによって電界吸収型光変調
器のそれぞれを互いに異なる電気信号で変調し、しかも
チップ抵抗器を終端抵抗器として使用する場合、低クロ
ストーク、広帯域応答を同時に実現することができる電
界吸収型光変調器の実装方法を提供することを目的とす
るものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、チップ抵抗器を伝送路の終端抵抗器として電界吸収
型光変調器と並列に接続し、高周波領域包合コンデンサ
と低周波領域包合コンデンサとを互いに並列に接続し、
高周波領域包合コンデンサと低周波領域包合コンデンサ
とをチップ抵抗器と直列に接続するものである。
【0022】請求項2に記載の発明は、タンデムに接合
された第1、第2の電界吸収型光変調器のそれぞれに入
力する電気信号の第1、第2の伝送路を、第1、第2の
電界吸収型光変調器を挟んで対向するように配置し、第
1、第2のチップ抵抗器をそれぞれ第1、第2の伝送路
の終端抵抗器として第1、第2の電界吸収型光変調器と
並列に接続し、第1の高周波領域包合コンデンサと第1
の低周波領域包合コンデンサとを互いに並列に接続し、
第1の高周波領域包合コンデンサと第1の低周波領域包
合コンデンサとを第1のチップ抵抗器と直列に接続し、
第2の高周波領域包合コンデンサと第2の低周波領域包
合コンデンサとを互いに並列に接続し、第2の高周波領
域包合コンデンサと第2の低周波領域包合コンデンサと
を第2のチップ抵抗器と直列に接続するものである。
【0023】
【作用】請求項1に記載の発明は、チップ抵抗器を伝送
路の終端抵抗器として電界吸収型光変調器と並列に接続
し、高周波領域包合コンデンサと低周波領域包合コンデ
ンサとを互いに並列に接続し、高周波領域包合コンデン
サと低周波領域包合コンンンサとをチップ抵抗器と直列
に接続し、直流成分をカットするので、バイアス電圧の
印加によるチップ抵抗器の発熱がなく、チップ抵抗器の
発熱による電界吸収型光変調器の変調特性の影響がな
く、また、高周波領域包合コンデンサは高周波特性に優
れ、低周波領域包合コンデンサは低域遮断周波数が低い
ので、広帯域応答を実現できる。
【0024】請求項2に記載の発明は、2つの電界吸収
型光変調器をタンデムに接合し、これらを挟むように2
つの伝送路を対向させるので、2つの電界吸収型光変調
器の各電極間の間隔が狭くなり、低クロストークを実現
でき、さらに、電界吸収型光変調器のそれぞれに並列に
第1、第2のチップ抵抗器を接続し、高周波領域包合コ
ンデンサと低周波領域包合コンデンサとを互いに並列に
接続した並列回路を2つ設け、1つの目の並列回路を第
1のチップ抵抗器と直列に接続し、2つの目の並列回路
を第2のチップ抵抗器と直列に接続するので、バイアス
電圧の印加によるチップ抵抗器の発熱がなく、発熱によ
る電界吸収型光変調器の変調特性の影響がなく、また、
高周波領域包合コンデンサは高周波特性に優れ、低周波
領域包合コンデンサは低域遮断周波数が低いので、広帯
域応答を実現できる。
【0025】
【実施例】図1は、本発明の第1の実施例E1を示す回
路図であり、図2は、第1の実施例E1を示す斜視図で
ある。
【0026】この第1の実施例E1は、電界吸収型変調
器1と並列にチップ抵抗器3が接続され、しかもチップ
抗器3と直列に平行平板コンデンサ4と積層セラミック
コンデンサ5とが接続され、平行平板コンデンサ4と積
層セラミックコンデンサ5とが互いに並列に接続されて
いる。平行平板コンデンサ4は、高周波特性に優れたコ
ンデンサであり、積層セラミックコンデンサ5は、容量
の大きなコンデンサである。なお、チップ抵抗器3と直
列に接続され、かつ互いに並列に接続されるコンデンサ
は3つ以上であってもよい。
【0027】また、第1の実施例E1において、マイク
ロストリップライン10は、誘電体基板11と心線12
とで構成されている。誘電体基板11には、アルミナ、
サファイア、石英等が使用され、チップ抵抗器3の一方
の電極は、ボンディングワイヤ2等によって、マイクロ
ストリップライン10の心線12に接続され、チップ抵
抗器3の他方の電極は、ボンディングワイヤ2等によっ
て、平行平板コンデンサ4の上面電極に接続されてい
る。平行平板コンデンサ4の下面の電極は、アース6に
接続され、平行平板コンデンサ4の上面電極は、積層セ
ラミックコンデンサ5の一方の電極が接続され。また、
積層セラミックコンデンサ5の他方の電極は、アース6
に接続されている。電界吸収型光変調器1の電極は、ボ
ンディングワイヤ2によって、チップ抵抗器3の心線1
2側の電極に接続されている。
【0028】すなわち、第1の実施例E1は、チップ抵
抗器3を伝送路の終端抵抗器として電界吸収型光変調器
1と並列に接続し、平行平板コンデンサ4と積層セラミ
ックコンデンサ5とを互いに並列に接続し、平行平板コ
ンデンサ4と積層セラミックコンデンサ5とをチップ抵
抗器3と直列に接続することによって、電界吸収型光変
調器1を実装するものである。
【0029】第1の実施例E1において、チップ抵抗器
3と直列に接続されるコンデンサの容量をC1 、C2
3 …とすれば、これらの合成容量Cは、以下の式で与
えられる。 C=C1 +C2 +C3 … また、この場合における低域遮断周波数fL は、 fL =1/(2πRC)=1/{2πR(C1 +C2
3 …)} で与えられる。なお、Rは、終端抵抗器であるチップ抵
抗器3の抵抗値であり、R=50Ω、C=0.01μF
としたときに、fL =320kHzとなる。
【0030】実施例E1において、終端抵抗器としてチ
ップ抵抗器3を用いることによって素子間の配線を短く
することが可能になり、高周波応答特性の劣化を防止す
ることができる。また、実施例E1においては、チップ
抵抗器3と直列に、チップコンデンサ4、5を接続して
おり、チップ抵抗器3に直流電流が流れず、バイアス電
圧を印加した場合にチップ抵抗器3が発熱することがな
いので、発熱による特性変化、破損が生じず、また、チ
ップ抵抗器3が発熱しないので、電界吸収型光変調器1
の変調特性に影響が及ばない。
【0031】さらに、一般に、電界吸収型光変調器1の
低域遮断周波数は最も容量の大きなコンデンサの容量値
で決まるが、実施例E1においては、平行平板コンデン
サ4が十分大きな容量のチップコンデンサであるので、
低域遮断周波数を低減することができる。また、一般
に、電界吸収型光変調器1の高周波特性は最も高周波特
性の優れたコンデンサの周波数特性が支配的となるが、
実施例E1においては、積層セラミックコンデンサが高
周波特性に優れているので、高周波応答特性が優れ、し
たがって、第1の実施例E1では広帯域応答を実現でき
る。
【0032】なお、マイクロストリップライン10にお
ける誘電体基板11は、誘電率が9.8、厚さが0.5
mm、長さが3.5mmのアルミナで構成され、インピ
ーダンスを50Ωに設定するために、心線12の幅を
0.5mmに設定してある。平行平板コンデンサ4は、
動作帯域50GHz、容量100pFであり、積層セラ
ミックコンデンサ5は、容量0.01μFである。ま
た、チップ抵抗器3は、石英基板を用いたもので抵抗値
は50Ωである。ストリップライン10とチップ抵抗器
3、チップ抵抗器3とチップコンデンサ4、5との接続
は金リボンを用い、チップ抵抗器3と電界吸収型光変調
器1との接続には、直径20μmのボンディングワイヤ
2を使用している。
【0033】図3は、本発明の第2の実施例E2を示す
斜視図である。
【0034】この第2の実施例E2は、基本的には第1
の実施例E1と同じであるが、マイクロストリップライ
ン10の代わりに、コプレーナーストリップライン20
を使用したものであり、コプレーナーストリップライン
20は、誘電体基板21の上に心線22とアース23と
を有している。
【0035】図4は、第2の実施例E2において、電界
吸収型光変調器1としてInGaAlAs/InAlA
s多重量子井戸電界吸収型光変調器を使用し、これを実
装した場合における周波数特性を示す図である。
【0036】上記第2の実施例E2は、図4に示すよう
に3dB帯域18GHzの良好な特性が得られた。これ
は、電界吸収型光変調器1の寄生容量を0.15pF、
ボンディングワイヤ2のインダクタンスを0.2nHと
した場合の計算値とほぼ一致する。
【0037】なお、ボンディングワイヤ2のインダクタ
ンスをL、電界吸収型光変調器1の寄生容量をCp とし
た場合の周波数伝達関数は次式で表される。 H(ω)=[{1−(ω/ω022 +{ω/(ω0
Q)}2-1/2 なお、ω0 はカットオフ周波数であり、ω0 およびQは
次式で表される。 ω0 ={(Rg+R)/(RCp L)}1/2 Q={RCp L(Rg+R)}1/2 /{L+(RgCp
R)} なお、Rgは伝送路のインピーダンスであり、通常は5
0Ωである。たとえば電界吸収型光変調器1の寄生容量
を0.15pF、ボンディングワイヤ2のインダクタン
スを0.2nH(ワイヤ長約0.3mmに相当)、Rを
50Ωとした場合のカットオフ周波数は約18GHzと
なる。
【0038】図5は、本発明の第3の実施例E3を示す
斜視図である。
【0039】この第3の実施例E3は、縦列に接合され
た電界吸収型光変調器1a、1bのそれぞれによって、
互いに独立な電気信号に変調する場合に、信号間のクロ
ストークを著しく低減するものである。
【0040】第3の実施例E3において、電界吸収型光
変調器1a、1bはタンデムに接合されている。また、
チップ抵抗器3aの一方の電極は、マイクロストリップ
ライン10aの心線12aに接続され、チップ抵抗器3
aの他方の電極は、チップコンデンサである平行平板コ
ンデンサ4aの上面電極に接続され、平行平板コンデン
サ4aの下面電極はアース6に接続されている。チップ
コンデンサである積層セラミックコンデンサ5aの一方
の電極は、平行平板コンデンサ4aの一方の電極に接続
されており、積層セラミックコンデンサ5aの他方の電
極はアース6に接続されている。すなわち、平行平板コ
ンデンサ4aと積層セラミックコンデンサ5aとの並列
回路が、チップ抵抗器3aと直列に接続されている。ま
た、電界吸収型光変調器1aの一方の電極は、チップ抵
抗器3aの一方の電極に接続され、電界吸収型光変調器
1aの他方の電極は、アース6に接続されている。
【0041】これと同様に、チップ抵抗器3bの一方の
電極は、マイクロストリップライン10bの心線12b
に接続され、チップ抵抗器3bの他方の電極は、チップ
コンデンサである平行平板コンデンサ4bの上面電極に
接続され、平行平板コンデンサ4bの下面電極はアース
6に接続されている。チップコンデンサである積層セラ
ミックコンデンサ5bの一方の電極は、平行平板コンデ
ンサ4bの一方の電極に接続されており、積層セラミッ
クコンデンサ5bの他方の電極はアース6に接続されて
いる。すなわち、平行平板コンデンサ4bと積層セラミ
ックコンデンサ5bとの並列回路が、チップ抵抗器3b
と直列に接続されている。また、電界吸収型光変調器1
bの一方の電極は、チップ抵抗器3bの一方の電極に接
続され、電界吸収型光変調器1bの他方の電極は、アー
ス6に接続されている。
【0042】つまり、第3の実施例E3は、タンデムに
接合された第1、第2の電界吸収型光変調器の実装方法
において、第1、第2の電界吸収型光変調器のそれぞれ
に入力する電気信号の第1、第2の伝送路を、第1、第
2の電界吸収型光変調器を挟んで対向するように配置
し、第1、第2の電界吸収型光変調器のそれぞれに並列
に第1、第2の終端抵抗器を接続し、第1の平行平板コ
ンデンサと第1の積層セラミックコンデンサとを互いに
並列に接続し、第1の平行平板コンデンサと第1の積層
セラミックコンデンサとを第1のチップ抵抗器と直列に
接続し、第2の平行平板コンデンサと第2の積層セラミ
ックコンデンサとを互いに並列に接続し、第2の平行平
板コンデンサと第2の積層セラミックコンデンサとを第
2のチップ抵抗器と直列に接続したものである。
【0043】第3の実施例E3において、平行平板コン
デンサ4a、4bとしては、40GHz程度の帯域の高
周波特性に優れたものが得られており、積層セラミック
コンデンサ5a、5bは容量が比較的大きいものが実現
しやすく0.01μF程度の容量のものが実用化されて
いる。チップ抵抗器3aに直列に接続されたコンデンサ
の容量は、平行平板コンデンサ4aの容量と積層セラミ
ックコンデンサ5aの容量との和で与えられることか
ら、大容量の積層セラミックコンデンサ5aを用いるこ
とによって、低域遮断周波数を低減させることが可能に
なる。
【0044】電界吸収型光変調器1a、1bの低域遮断
周波数fL は、抵抗値をR、容量をCとした場合に、次
式で表される。 fL =1/(2πRC) ここで、R=50Ω、C=0.01μFとすれば、低域
遮断周波数fL は約300KHzとなる。
【0045】電界吸収型光変調器1a、1bのそれぞれ
の高周波特性は、平行平板コンデンサ4aと積層セラミ
ックコンデンサ5aとのうちで優れたものの特性に支配
され、また、平行平板コンデンサ4bと積層セラミック
コンデンサ5bとのうちで優れたものの特性に支配され
るので、高周波特性に優れた平行平板コンデンサ4a、
4bが使用されていることによって、良好な高速応答を
得られる。すなわち、第3の実施例E3は、低い低遮断
周波数と良好な高速応答とを同時に実現し、広帯域な応
答特性を得ることが可能になる。
【0046】また、第3の実施例E3において、電界吸
収型光変調器1a、1bを挟んで、2つのマイクロスト
リップライン10a、10bを対向するように配置し、
信号を異なる方向から入力すれば、2つのマイクロスト
リップライン10a、10bである信号線路に平行する
部分が存在しないので、電気的な結合が生じにくく、電
気的なクロストークを有効に低減することができる。
【0047】図6は、第3実施例E3の特性を示す図で
あり、図6(1)は、第3実施例E3におけるInGa
AlAs/InAlAs多重量子井戸電界吸収型光変調
器の周波数応答特性を示すグラフであり、図6(2)
は、クロストークの周波数特性を示すグラフである。
【0048】タンデムに接合した電界吸収型光変調器1
a、1bは、その素子長がそれぞれ300μmであり、
電極間の間隔は50μmである。チップ抵抗器3a、3
bとして抵抗値50Ωの石英基板チップ抵抗器、平行平
板コンデンサ4a、4bとして、コンデンサ容量100
pFのチップコンデンサ、積層セラミックコンデンサ5
a、5bとして、容量0.01μFのチップコンデンサ
を用いた。図6(1)に示すように(図中、(a)の曲
線は電界吸収型光変調器1aの特性、(b)の曲線は電
界吸収型光変調器1aの特性を示す)、2台の電界吸収
型光変調器1a、1bはいずれも変調帯域18GHzの
良好な応答特性を示した。また、図6(2)から明らか
なように、26.5GHzまでの測定周波数範囲で、電
気的クロストークが20dB以下と極めて良好な特性が
得られている。
【0049】上記第3の実施例E3において、電界吸収
型光変調器1a、1bは、初めから独立した2つの電界
吸収型光変調器がタンデムに接合されたものであるが、
電界吸収型光変調器1a、1bの代わりに、1つの電界
吸収型光変調器の電極を2つに分割したものを使用して
もよく、この場合も、2つの電界吸収型光変調器がタン
デムに接合されていると考えられる。
【0050】上記各実施例において、平行平板コンデン
サ4、4a、4bは、高周波領域の周波数特性が優れた
高周波領域包合コンデンサの例であるが、平行平板コン
デンサ4、4a、4bの代わりに、他の高周波領域包合
コンデンサを使用するようにしてもよい。また、積層セ
ラミックコンデンサ5、5a、5bは、低周波領域の周
波数特性が優れた低周波領域包合コンデンサの例である
が、積層セラミックコンデンサ5、5a、5bの代わり
に、他の低周波領域包合コンデンサを使用するようにし
てもよい。
【0051】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、電界吸
収型光変調器において、チップ抵抗器を終端抵抗器とし
て使用する場合、バイアス電圧の印加によるチップ抵抗
器の発熱がなく、電界吸収型光変調器の変調特性に影響
を与えず、広帯域応答を実現することができるという効
果を奏する。
【0052】また、請求項2に記載の発明によれば、複
数の電界吸収型光変調器をタンデムに結合した電界吸収
型光変調器において、チップ抵抗器を終端抵抗器として
使用する場合、電界吸収型光変調器のそれぞれを互いに
異なる電気信号で変調する場合に、低クロストーク、広
帯域応答を同時に実現することができるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例E1を示す回路図であ
る。
【図2】第1の実施例E1を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施例E2を示す斜視図であ
る。
【図4】上記実施例において、電界吸収型光変調器とし
てInGaAlAs/InAlAsMQW電界吸収型光
変調器を使用し、これを実装した場合における周波数特
性の測定結果を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施例E3を示す斜視図であ
る。
【図6】第3実施例E3の特性を示す図であり、図6
(1)は、第3実施例E3におけるInGaAlAs/
InAlAs多重量子井戸電界吸収型光変調器の周波数
応答特性を示すグラフであり、図6(2)は、クロスト
ークの周波数特性を示すグラフである。
【図7】従来例の斜視図であり、図7(1)は、チップ
抵抗器を終端抵抗器として使用する従来例P1の斜視図
であり、図7(2)は、外づけ終端抵抗器を終端抵抗器
として使用する従来例P2の斜視図である。
【図8】従来例の説明図であり、図8(1)は、2台の
電界吸収型光変調の光学的結合を示す従来例P3の斜視
図であり、図8(2)は、タンデムに接合した電界吸収
型光変調器を示す従来例P4の模式図であり、図8
(3)は、電極を2つに分割した電界吸収型光変調器を
示す従来例P5の模式図である。
【図9】電界吸収型光変調器をタンデムに接合し、外づ
け終端抵抗器を使用した従来例P6を示す斜視図であ
る。
【図10】電界吸収型光変調器をタンデムに接合し、チ
ップ抵抗器を終端抵抗器として使用した従来例P7を示
す斜視図である。
【符号の説明】
1、1a、1b…電界吸収型光変調器、 2…ボンディングワイヤ、 3、3a、3b…チップ抵抗器、 4、4a、4b…平行平板コンデンサ、 5、5a、5b…積層セラミックコンデンサ、 6…アース、 10、10a、10b…マイクロストリップライン、 11、21…誘電体基板、 12、22…心線、 20…コプレーナーストリップライン。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電界吸収型光変調器の実装方法におい
    て、 チップ抵抗器を伝送路の終端抵抗器として上記電界吸収
    型光変調器と並列に接続する段階と;高周波領域の周波
    数特性が優れた高周波領域包合コンデンサと低周波領域
    の周波数特性が優れた低周波領域包合コンデンサとを互
    いに並列に接続する段階と;上記高周波領域包合コンデ
    ンサと上記低周波領域包合コンデンサとを上記チップ抵
    抗器と直列に接続する段階と;とを有することを特徴と
    する電界吸収型光変調器の実装方法。
  2. 【請求項2】 タンデムに接合された第1、第2の電界
    吸収型光変調器の実装方法において、 上記第1、第2の電界吸収型光変調器のそれぞれに入力
    する電気信号の第1、第2の伝送路を、上記第1、第2
    の電界吸収型光変調器を挟んで対向するように配置する
    段階と;第1、第2のチップ抵抗器をそれぞれ上記第
    1、第2の伝送路の終端抵抗器として上記第1、第2の
    電界吸収型光変調器と並列に接続する段階と;高周波領
    域の周波数特性が優れた第1の高周波領域包合コンデン
    サと低周波領域の周波数特性が優れた第1の低周波領域
    包合コンデンサとを互いに並列に接続する段階と;上記
    第1の高周波領域包合コンデンサと上記第1の低周波領
    域包合コンデンサとを上記第1のチップ抵抗器と直列に
    接続する段階と;高周波領域の周波数特性が優れた第2
    の高周波領域包合コンデンサと低周波領域の周波数特性
    が優れた第2の低周波領域包合コンデンサとを互いに並
    列に接続する段階と;上記第2の高周波領域包合コンデ
    ンサと上記第2の低周波領域包合コンデンサとを上記第
    2のチップ抵抗器と直列に接続する段階と;を有するこ
    とを特徴とする電界吸収型光変調器の実装方法。
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