JPH0622982A - 歯科用研削工具の製造方法 - Google Patents

歯科用研削工具の製造方法

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JPH0622982A
JPH0622982A JP20446992A JP20446992A JPH0622982A JP H0622982 A JPH0622982 A JP H0622982A JP 20446992 A JP20446992 A JP 20446992A JP 20446992 A JP20446992 A JP 20446992A JP H0622982 A JPH0622982 A JP H0622982A
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diamond
substrate
polishing
particle
sintered body
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JP20446992A
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Tamaki Iida
玉樹 飯田
Toshihiro Tsumori
俊宏 津森
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】WC焼結体、Si3N4焼結体、または SiC焼結体を研
削部基体の材質とし、基体表面を平均粒径10〜 300μm
のダイヤモンド砥粒による粗粒研磨および平均粒径0.2
〜5μmのダイヤモンド砥粒により細粒研磨を下記4種
から選択される研磨処理を施した後、基体全表面に気相
法を用いてダイヤモンド多結晶粒子を析出させる歯科用
研削工具の製造方法。基体全表面積の20〜80%を粗粒研
磨した後、残部80〜20%を細粒研磨するか基体全表
面を細粒研磨する。基体全表面積の20〜80%を細粒研
磨した後、残部20〜80%を粗粒研磨する、基体の全表
面を細粒研磨した後、基体全表面積の20〜80%を粗粒研
磨する。 【効果】ダイヤモンド多結晶粒子は研削部基体表面に良
く密着し、研削性能に優れ、被研削材表面に傷がつかな
いホイール、ダイス、ダイヤモンドポイント等のダイヤ
モンド研削工具、特には歯科用研削工具を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は研削部基体表面にダイヤ
モンド多結晶体粒子を析出させた研削性能に優れたホイ
ール、ダイス、ダイヤモンドポイント等の研削工具、特
には歯科用研削工具の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、歯科医療及び技工の分野において
研削工具の駆動源としてエアータービンが広く用いられ
ている。エアータービンは50万rpm にも及ぶ高速回転が
得られ、その先端に専用の研削工具を取りつけて種々の
加工に使用されている。この専用研削工具としては、鋼
又は不錆鋼よりなる円筒状基体の研削部(砥石)とすべ
き表面にメタルボンドを介してダイヤモンド粒子を固着
したダイヤモンドポイント等の研削工具が用いられてい
る。ダイヤモンドポイントは歯科医療の分野では最も優
れた研削性を有する工具として知られており、これをエ
アータービンで駆動することにより人歯、ニッケル−ク
ロム等の鋳造物、あるいは補填物であるコンポジットレ
ンジを効率良く研削加工できる。
【0003】このメタルボンドによるダイヤモンドポイ
ントの製造は電着装置を用いた分散メッキ法により行な
われている。通常の分散メッキ法は硫酸ニッケルを主体
とするメッキ浴で、天然ダイヤモンド原石を粉砕し、入
念に分級して得られた粒径10〜 300μmの粒子を入れた
メッシュ槽をメッキ浴中に浸漬し、攪拌又は振動を加え
ることでダイヤモンド粒子が一様に分散したメッキ液を
得る。このメッキ液に円筒状基体を浸漬し、電解メッキ
により析出するニッケルを結合相としてダイヤモンド粒
子を基体表面に一定の分布密度で電着させる。この様な
ダイヤモンドポイントの一例を図4に示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
にして得られたダイヤモンドポイントを歯科用研削工具
として人歯等の研削に用いた場合、 1)基体表面に対するダイヤモンド粒子の密着性が必ず
しも十分ではない為に人歯等の研削中にダイヤモンド粒
子が欠落して研削効率が著しく低下したり、又これが原
因で患者に不快感をあたえる。 2)ダイヤモンド粒子を付着させるのに電着方式を用い
る為ダイヤモンド粒子の付着状態が均一でなく被研削物
である人歯等に深い傷が生じやすいという欠点があっ
た。 本発明はかかる欠点を解決し、研削部基体表面に付着し
ているダイヤモンド多結晶粒子が容易に脱落せず密着性
が良好であり、かつ研削性能に優れた歯科用研削工具の
製造方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決する為の手段】本発明者等は、気相ダイヤ
モンド合成法を用いて析出するダイヤモンド多結晶粒子
の研削部基体表面に対する密着性が良好であり、研削性
能に優れた歯科用研削工具の製造方法について検討を重
ねてきたが、特定材質の研削部基体を用い、気相ダイヤ
モンド合成法によりダイヤモンド多結晶粒子を析出させ
る前処理として粒径の異なるダイヤモンド砥粒で2段階
に分けて研磨することにより、基体表面に析出するダイ
ヤモンド多結晶粒子の分布密度が部分的に異なるものが
得られ、このものは析出したダイヤモンド多結晶粒子の
基体表面に対する密着性が良好であり、かつ高い研削力
を有することを見出し本発明を完成させた。即ち本発明
は、WC焼結体、Si3N4焼結体、または SiC焼結体を研削部
基体の材質とし、該基体表面を平均粒径10〜 300μmの
ダイヤモンド砥粒による粗粒研磨および平均粒径0.2 〜
5μmのダイヤモンド砥粒により細粒研磨を下記4種の
組合せの内から選択される1種の研磨処理を施した後、
該基体全表面に気相ダイヤモンド合成法を用いてダイヤ
モンド多結晶粒子を析出させることを特徴とする歯科用
研削工具の製造方法。 該基体全表面積の20〜80%を粗粒研磨した後、残部80
〜20%を細粒研磨する。 該基体全表面積の20〜80%を細粒研磨した後、残部80
〜20%を粗粒研磨する。 該基体全表面積の20〜80%を粗粒研磨した後、基体の
全表面を細粒研磨する。 該基体の全表面を細粒研磨した後、基体全表面積の20
〜80%を粗粒研磨する。 を要旨とするものである。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
歯科用研削工具に用いられる研削部基体の材質として
は、WC焼結体、Si3N4焼結体または SiC焼結体が用いられ
る。 Al2O3焼結体を基材として用いた場合は、研削中に
析出したダイヤモンド多結晶粒子が容易に脱落して研削
効果が著しく低下してしまい、又、Ni、Cu、W等の金属
材料を基体として用いた場合は、基体の強度が不十分で
あり、高速回転で用いられることの多い歯科用研削工具
の基体としては切損等の危険性が有り不適当である。
【0007】WC焼結体を用いる場合は、WCを80重量%以
上含有したものを用いるのが好ましく、同焼結体中には
結合相としてCo、Ni等の金属相が含有されており、これ
らは1種、又は2種以上適宜選択して用いられる。これ
ら金属の含有量は1〜10重量%が良く、好ましくは3〜
8重量%である。1重量%未満では研削工具の基体とし
て用いる上で強度不足となり、10重量%を超えると基体
表面に析出したダイヤモンド多結晶粒子が脱落し易くな
る。また同焼結体中には、硬度、靭性、耐熱性を向上さ
せる目的で TaC、TiC、VC、CrC 等が1〜15%重量%の割合
で含有され、1種又は2種以上適宜選択して配合され
る。
【0008】また、Si3N4焼結体を用いる場合は Si3N4
50重量%以上含有したものが良く、好ましくは80重量%
以上含有したものが良い。同焼結体中には結合相として
MgO、Al2O3、Y2O3等が1〜20重量%の割合で含有され
る。これらの中で Al2O3、Y2O3は必須成分で通常1〜12
重量%含有されている。本発明においては、この必須成
分の含有量が12重量%を越えると、研削中にダイヤモン
ド多結晶粒子が脱落し易くなる。又、同焼結体中には硬
度、靭性、耐熱性を向上させる目的で SiC、βサイアロ
ン、ZrO、ZrN、BN等が1〜40重量%、好ましくは1〜19重
量%の割合で含有され、これらは1種又は2種以上適宜
選択して用いられる。
【0009】SiC焼結体を用いる場合には、SiCを90重量
%以上含有したものが好ましい。同焼結体中には通常焼
結助剤としてFe、B、BN等の化合物が1〜10重量%含有
される。これら焼結助剤の中でBまたはBNを用いるのが
ダイヤモンド多結晶粒子の密着性増強の点から好まし
い。以上述べた歯科用研削工具の研削部基体となる焼結
体の製造方法については特に制限は無く、反応焼結、常
圧焼結、ホットプレス等何れの方法でも良い。又、本発
明における基体の形状及び成形加工方法についても通常
用いられている形状、方法で良く特に制限はない。
【0010】本発明の最大の特徴は、前述した研削部基
体表面に気相ダイヤモンド合成法を用いてダイヤモンド
多結晶粒子を析出させるに際し、前処理として該基体表
面を粒径10〜 300μmのダイヤモンド砥粒による粗粒研
磨および粒径0.2 〜5μmのダイヤモンド砥粒による細
粒研磨を施すことにある。この2段階に分けた粒径の異
なるダイヤモンド砥粒による研磨処理の手順としては、
次の4種の内から選択される1種によれば良い。 該基体全表面積の20〜80%を粗粒研磨した後、残部80
〜20%を細粒研磨する。 該基体全表面積の20〜80%を細粒研磨した後、残部80
〜20%を粗粒研磨する。 該基体全表面積の20〜80%を粗粒研磨した後、基体の
全表面を細粒研磨する。 該基体の全表面を細粒研磨した後、基体全表面積の20
〜80%を粗粒研磨する。
【0011】要するに基体表面に一部の粗粒研磨面と残
部の細粒研磨面とが混在(前記の方法)するか、細
粒による全面研磨面と粗粒による一部研磨面とが共存
(前記の方法)することが重要である(粗粒による
全面研磨面と細粒による一部研磨面とが共存する場合を
除く)。この2段階研磨面積の割合は、2段階研磨後の
基体表面状態として粗粒研磨面積の割合が基体全表面積
の20〜80%で、残部80〜20%が細粒によってのみ研磨さ
れていることが好ましい。即ち、イ)基体の全表面積を
100%、ロ)粒径10〜 300μmのダイヤモンド砥粒によ
る粗粒研磨面積の基体全表面積に対する割合をA%、
ハ)粒径10〜 300μmのダイヤモンド砥粒による粗粒研
磨が施されておらず、粒径0.2 〜5μmのダイヤモンド
砥粒による細粒研磨面積の基体全表面積に対する割合を
B%とすると、A+B=100 、A/B=4/1〜1/4
であることが好ましい。
【0012】以上の2段階研磨により基体表面に析出す
るダイヤモンド多結晶粒子の分布密度が上記面積比で異
なるため、分布密度が均一なものと比較して格段に研削
性能が優れている。またダイヤモンド砥粒による研削痕
は析出したダイヤモンド多結晶粒子の基体表面に対する
密着性が高い。この2段階研磨面の形状は、基体が円筒
形の場合は粗粒研磨面と細粒研磨面とが円筒形基体表面
の軸方向に帯状に交互に配置されているものを基本とす
れば良く、他の研磨面形状としては、螺旋状帯、横帯、
縦横帯等が例示される。また、基体が円錐形、円錐台形
の場合も円筒形の場合と同様に縦帯、横帯、縦横帯、螺
旋状帯等が挙げられる。
【0013】平均粒径0.2 〜5μmのダイヤモンド砥粒
による細粒研磨はダイヤモンド多結晶粒子を低い分布密
度で基体表面に析出させるための処理であり、さらに好
ましくは0.2 〜2μmがよい。平均粒径が 0.2μm未満
ではダイヤモンド多結晶粒子の析出分布密度を高める効
果に乏しく、一方平均粒径が5μmを超えると析出分布
密度が高くなり過ぎ、平均粒径10〜 300μmのダイヤモ
ンド砥粒により研磨された面のダイヤモンド多結晶粒子
の分布密度と同程度となり、目的とする上記面積比で分
布密度に高低差のあるものが得られなくなる。この粒径
0.2 〜5μmのダイヤモンド砥粒の形状については天然
ダイヤモンドのニードル、フラットフレートを用いるの
が好ましい。この研磨方法については特に制限はなく通
常のラッピングに加え、バレル研磨、超音波研磨等を用
いればよい。
【0014】次に平均粒径10〜 300μmのダイヤモンド
砥粒による粗粒研磨について説明すると、これはダイヤ
モンド多結晶粒子を高い分布密度で基体表面に析出させ
るものであり、さらに好ましくは20〜 300μmの範囲が
良い。平均粒径が10μm未満では、前述した細粒により
研磨された部分とダイヤモンド多結晶粒子の析出分布密
度に差が生じず、十分な研削性能を得ることができな
い。300 μmを越えるとダイヤモンド多結晶粒子の析出
分布密度が低下して好ましくない。この平均粒径10〜 3
00μmのダイヤモンド砥粒の形状については天然ダイヤ
モンドのニードル、フラットフレートを用いるのが好ま
しい。この研磨方法については、必要な部分のみが研磨
出来る方法であれば特に制限は無く、この様な研磨方法
としてはダイヤモンド砥石、ダイヤモンドパウダーによ
る部分ラッピングに加え、非研磨部分を生ゴム等でマス
キングした後ブラスト処理する等の方法が挙げられる。
【0015】次にこのようにして2段階研磨を施した研
削部基体表面に気相ダイヤモンド合成法を用いてダイヤ
モンド多結晶粒子を析出させる。本発明で使用する気相
ダイヤモンド合成法は公知の方法で良く、一般にガス状
の炭化水素化合物と水素ガス、酸素ガス、二酸化炭素ガ
スまたはヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性ガスと
からなる混合原料ガスを励起させ、得られた活性ガスを
基体表面に接触させてダイヤモンド多結晶粒子を粒子状
又は薄膜状に被覆する方法である。原料混合ガスの励起
方法としては、熱フィラメント法、高温プラズマ CVD
法、マイクロ波プラズマ CVD法、燃焼炎法、イオンビー
ム蒸着法等が例示されるが、この中でも反応時間中に基
体表面のダイヤモンド多結晶粒の生長点数が自然増加す
ることの少ないマイクロ波プラズマ CVD法を用いるのが
好ましい。
【0016】原料混合ガスのうち、炭化水素ガス(M)
としてはメタン、エタン、プロパン、エチレン、アセチ
レン等が例示され、これらと水素ガス(N)との混合割
合(モル比)はM/(M+N)= 0.001〜0.06の範囲で
あることが好ましい。又、不活性ガス(L)を併用する
場合の混合割合は、前記MとNの混合条件に加えL/N
≦0.3(モル比)の範囲とするのが好ましい。さらにエッ
チングガス(P)としては酸素ガス、二酸化炭素ガス等
の含酸素ガスが例示され、これらのガスの混合は析出す
るダイヤモンド多結晶粒子の純度の向上に有効であり、
これらのガスを併用する場合には、前記MとNの混合条
件に加えP/(M+N)≦0.9(モル比)の範囲とするの
が好ましい。
【0017】前述の励起方法により得られる活性ガスを
基体表面に接触させる際の基体の表面温度は前述した原
料混合ガス及び基材により異なるが、通常 500〜1,200
℃、好ましくは 700〜1,100 ℃、より好ましくは 800〜
900℃である。 800〜 900℃であると高硬度の高純度ダ
イヤモンド多結晶粒子が析出した耐久性の良好な工具が
得られる。この表面温度が 500℃未満ではダイヤモンド
の析出速度が遅くなったり、析出物の結晶性、均質性が
失われたりする。一方1,200 ℃を越えると析出が充分で
なく、形成されたダイヤモンドが炭化されてしまうこと
がある。
【0018】反応圧力は通常10-2〜103Torr、好ましくは
10-1〜 300Torrである。反応圧力が10-2Torr未満ではダ
イヤモンドの析出速度が遅くなくなったり、析出が見ら
れなくなったりする。一方、103Torrを越えても析出が見
られない。又、原料混合ガスの流量は通常1〜1,000cc/
min 、好ましくは10〜 300cc/minである。反応時間は析
出するダイヤモンド多結晶粒子の粒径に直接関係してお
り、適宜に設定されるが通常3〜 150時間である。歯科
用研削工具として用いる場合、析出するダイヤモンド多
結晶粒子の粒径の範囲は 0.2〜 300μmである。 0.2μ
m未満では粒径が小さ過ぎて研削性能が不十分であり、
一方 300μmを超えると研削中にダイヤモンド多結晶粒
子が容易に脱落してしまう不都合が生じる。なお、マイ
クロ波プラズマ CVD法を用いた場合、印加するマイクロ
波の電力は用いる気体の反応圧力により大きく異なる
が、通常 0.1〜 2.5KWの範囲である。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施態様を実施例を挙げて具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。 (実施例1〜3、比較例1〜3)表1に記載の各種研削
部基体材質を用いて図1(a)に示す様な円筒状の基体
を作成した。これらの基体を細粒研磨として表1に記載
の所定の粒径を有するフラット形状の天然ダイヤモンド
砥粒を 0.2重量%分散させたエタノール中に浸漬し、超
音波洗浄器(周波数26KHz、出力150W)により20分間基体
全表面を均一に超音波研磨(第1研磨)を施した。次い
で粗粒研磨としてラップ盤研磨(第2研磨)を行った。
即ち、表1に記載の所定の粒径を有するフラット形状の
天然ダイヤモンドをグリース中に分散させたダイヤモン
ドペーストを圧縮木材より成るラップ砥石に塗布し、図
2に示した様にこのラップ軸を4,000rpmで(a)基体の
表面を基体の軸方向に沿って上下に研磨し(帯状の研磨
面)、(b)さらに基体をその軸を中心に僅か回転させ
て固定して、(a)の研磨を施し、この(a)(b)の
操作を交互に順次行って全円周に縦帯状の粗粒研磨面が
細粒研磨面と交互に配置された研削部基体をを作製し
た。この研磨面積比(A/B前出)を表1に示した。
【0020】この様にして2段階の研磨処理を施した基
体をマイクロ波プラズマ CVD装置(新日本無線 (株) 製
NJE2928型)内に設置し、反応系内の圧力を3×10-3To
rrまで減圧した。この後水素ガス、メタンガス、及び二
酸化炭素ガスの混合ガス(水素ガス:メタンガス:二酸
化炭素ガス=94:4:2(モル比))を、 100cc/minの
速度で流通させつつ反応系内の圧力を30Torrに維持し
た。この状態で反応器外部より周波数2.45GHz のマイク
ロ波を 1.9KW印加して基体表面にプラズマを発生させ、
表1に記載の処理温度及び処理時間でダイヤモンド多結
晶粒子を析出させた。この析出粒子を1000倍の光学顕微
鏡で細粒研磨面及び粗粒研磨面について観察し、析出し
たダイヤモンド多結晶の粒径及びその分布密度を調べて
その結果を表1に示した。
【00021】次にこのダイヤモンド多結晶粒子が析出
した円筒状の研削部基体(図1(a))を図1(b)に
示した研削工具柄部(SUS304NI製)に熱硬化型エポキシ
系接着剤を用いて接合し、 100℃に加熱したオーブン内
で3時間硬化させて図1(c)に示した歯科用研削工具
を得た。次いで、下記の条件で研削試験を行ない研削
量、研削後の基体表面のダイヤモンド多結晶粒子の付着
状況及び被研削体表面の研削状況を観察してその結果を
表1に併記した。
【0022】(実施例4)表1に記載した組成のWC焼結
体を基体として下記以外は実施例1と同様に処理して歯
科用工具を作製し、研削試験に供し、試験結果を表1に
併記した。先ず、粗粒研磨として平均粒径30μmのフラ
ット形状天然ダイヤモンドペーストを用いて実施例1と
同様のラップ盤によりラッピングを施し、次いで細粒研
磨として平均粒径0.25μmのフラット形状天然ダイヤモ
ンド 0.2重量%分散エタノール中に浸積し、超音波研磨
を20分間施した。
【0023】(研削試験方法)図3に示した様な定荷重
側刃切削試験により研削量を測定した。被研削材:歯科
用陶材(松風社製ユニボンド、板厚3mm)、研削回転
数:30万rpm (空転時)、研削荷重:100gf、注水:10cc
/min、研削時間:10分。 研削試験後の基体表面のダイヤモンド多結晶粒子の付着
状況の目視による観察評価 ○:ダイヤモンド多結晶粒子の欠落が全く見られない。 △:ダイヤモンド多結晶粒子の欠落が一部見られた。 ×:ダイヤモンド多結晶粒子の欠落が著しかった。 研削後における被研削材表面の被研状況の観察評価(目
視、及び光学顕微鏡) ○:被研削材表面に幅 200μmを超える傷やうねりが認
められなかった。 ×:被研削材表面に幅 200μmを超える傷やうねりが認
められた。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明によればWC焼結体、 Si3N4焼結
体、SiC焼結体を研削工具の基材とし、その表面に気相ダ
イヤモンド合成法によりダイヤモンド多結晶粒子を析出
させ、その分布密度を粗密に調整することにより、ダイ
ヤモンド多結晶粒子は基体表面に良く密着し、研削性能
に優れ、被研削材表面に傷がつかないダイヤモンド研削
工具を提供することができる。従って本発明のホイー
ル、ダイス、ダイヤモンドポイント等の研削研磨工具分
野における利用価値は極めて高く、特に歯科用研削工具
に用いた場合には有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の研削部基体の一例を示す斜視図
である。 (b)柄部の一例を示す斜視図である。 (c)(a)に(b)を接合した歯科用研削工具の一例
を示す斜視図である。
【図2】ダイヤモンド粗粒研磨処理を示す説明図であ
る。
【図3】定荷重側刃切削試験を示す説明図である。
【図4】従来のダイヤモンド研削工具の一例を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 研削部基体 2 柄部 歯科用研削工具 4 細粒研磨面に析出した多結晶ダイヤモンド粒子 5 粗粒研磨面に析出した多結晶ダイヤモンド粒子 6 粗粒研磨面 7 ラップ砥石 8 陶板 9 駆動軸 10 ダイヤモンド砥粒

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】WC焼結体、Si3N4焼結体、または SiC焼結体
    を研削部基体の材質とし、該基体表面を平均粒径10〜 3
    00μmのダイヤモンド砥粒による粗粒研磨および平均粒
    径0.2 〜5μmのダイヤモンド砥粒により細粒研磨を下
    記4種の組合せの内から選択される1種の研磨処理を施
    した後、該基体全表面に気相ダイヤモンド合成法を用い
    てダイヤモンド多結晶粒子を析出させることを特徴とす
    る歯科用研削工具の製造方法。 該基体全表面積の20〜80%を粗粒研磨した後、残部80
    〜20%を細粒研磨する。 該基体全表面積の20〜80%を細粒研磨した後、残部80
    〜20%を粗粒研磨する。 該基体全表面積の20〜80%を粗粒研磨した後、基体の
    全表面を細粒研磨する。 該基体の全表面を細粒研磨した後、基体全表面積の20
    〜80%を粗粒研磨する。
  2. 【請求項2】 Si3N4焼結体の結合剤であるAl2O3 および
    Y2O3の含有量が12重量%以下である請求項1に記載の歯
    科用研削工具の製造方法。
  3. 【請求項3】 SiC焼結体の焼結助剤がBおよび/または
    BNである請求項1に記載の歯科用研削工具の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5823775A (en) * 1994-12-09 1998-10-20 Kabushiki Kaisha Matsutani Seisakusho Practical cutting bur and method of training using same for the cutting of human teeth

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US5823775A (en) * 1994-12-09 1998-10-20 Kabushiki Kaisha Matsutani Seisakusho Practical cutting bur and method of training using same for the cutting of human teeth

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