JP2803379B2 - 気相合成ダイヤモンド被覆切削工具の製造法 - Google Patents
気相合成ダイヤモンド被覆切削工具の製造法Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、耐剥離性に優れた気
相合成ダイヤモンド被覆切削工具の製造法に関するもの
である。
相合成ダイヤモンド被覆切削工具の製造法に関するもの
である。
【０００２】
【従来の技術】近年、Ｃｏを結合相形成成分として含有
し、残りが炭化タングステン（以下、ＷＣと記す）およ
び不可避不純物からなるＷＣ基超硬合金基体の表面に、
気相合成法によりダイヤモンド被覆層を形成したダイヤ
モンド被覆切削工具が提供されており、このダイヤモン
ド被覆切削工具は、主としてＡｌまたはＡｌ合金の切削
に用いられている。このダイヤモンド被覆切削工具の表
面に形成されているダイヤモンド被覆層は、剥離しやす
いために工具寿命が短く、このダイヤモンド被覆切削工
具の工具寿命を延ばすためにはＷＣ基超硬合金基体表面
に形成されるダイヤモンド被覆層の密着強度を向上させ
る工夫がいろいろとなされている。
し、残りが炭化タングステン（以下、ＷＣと記す）およ
び不可避不純物からなるＷＣ基超硬合金基体の表面に、
気相合成法によりダイヤモンド被覆層を形成したダイヤ
モンド被覆切削工具が提供されており、このダイヤモン
ド被覆切削工具は、主としてＡｌまたはＡｌ合金の切削
に用いられている。このダイヤモンド被覆切削工具の表
面に形成されているダイヤモンド被覆層は、剥離しやす
いために工具寿命が短く、このダイヤモンド被覆切削工
具の工具寿命を延ばすためにはＷＣ基超硬合金基体表面
に形成されるダイヤモンド被覆層の密着強度を向上させ
る工夫がいろいろとなされている。
【０００３】例えば、Ｃｏ：０．１〜１重量％含有の低
Ｃｏ含有ＷＣ基超硬合金基体を熱間静水圧プレス（以
下、ＨＩＰという）により製造し、この低Ｃｏ含有ＷＣ
基超硬合金基体の表面に気相合成法によりダイヤモンド
被覆層を形成する方法（特開平２−４９３４号公報参
照）などが提案されている。
Ｃｏ含有ＷＣ基超硬合金基体を熱間静水圧プレス（以
下、ＨＩＰという）により製造し、この低Ｃｏ含有ＷＣ
基超硬合金基体の表面に気相合成法によりダイヤモンド
被覆層を形成する方法（特開平２−４９３４号公報参
照）などが提案されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平２−４９３
４号公報記載の方法で製造されるダイヤモンド被覆切削
工具は、低Ｃｏ含有ＷＣ基超硬合金基体の上に気相合成
ダイヤモンド被覆層が形成されるため、気相合成ダイヤ
モンド被覆層の超硬合金基体の表面に対する付着強度は
優れているが、ＷＣ基超硬合金基体のＣｏ含有量が少な
いために基体の靭性が十分でなく、十分な工具寿命は得
られなかった。
４号公報記載の方法で製造されるダイヤモンド被覆切削
工具は、低Ｃｏ含有ＷＣ基超硬合金基体の上に気相合成
ダイヤモンド被覆層が形成されるため、気相合成ダイヤ
モンド被覆層の超硬合金基体の表面に対する付着強度は
優れているが、ＷＣ基超硬合金基体のＣｏ含有量が少な
いために基体の靭性が十分でなく、十分な工具寿命は得
られなかった。
【０００５】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
気相合成ダイヤモンド被覆層の超硬合金基体表面に対す
る付着強度およびＷＣ基超硬合金基体の靭性がともに優
れ、連続および断続切削に際して工具寿命の長いダイヤ
モンド被覆切削工具を提供すべく研究を行った結果通常
のＷＣ基超硬合金切削工具に通常のＨＩＰまたはホット
プレスを施してＷＣ基超硬合金基体を製造し、得られた
ＷＣ基超硬合金基体表面を研削することなくそのまま通
常の化学エッチングを施し、この化学エッチングしたＷ
Ｃ基超硬合金基体表面を更に微細硬質粒子が浮遊分散し
た沸騰温度直下の突沸可能な温度に加熱された溶液中で
超音波研摩し、ついで超音波研摩したＷＣ基超硬合金基
体の表面に、気相合成法によりダイヤモンド被覆層を形
成して得られたダイヤモンド被覆切削工具は、ダイヤモ
ンド被覆層のＷＣ基超硬合金基体に対する付着強度が優
れ、かつ靭性も優れている、という知見を得たのであ
る。
気相合成ダイヤモンド被覆層の超硬合金基体表面に対す
る付着強度およびＷＣ基超硬合金基体の靭性がともに優
れ、連続および断続切削に際して工具寿命の長いダイヤ
モンド被覆切削工具を提供すべく研究を行った結果通常
のＷＣ基超硬合金切削工具に通常のＨＩＰまたはホット
プレスを施してＷＣ基超硬合金基体を製造し、得られた
ＷＣ基超硬合金基体表面を研削することなくそのまま通
常の化学エッチングを施し、この化学エッチングしたＷ
Ｃ基超硬合金基体表面を更に微細硬質粒子が浮遊分散し
た沸騰温度直下の突沸可能な温度に加熱された溶液中で
超音波研摩し、ついで超音波研摩したＷＣ基超硬合金基
体の表面に、気相合成法によりダイヤモンド被覆層を形
成して得られたダイヤモンド被覆切削工具は、ダイヤモ
ンド被覆層のＷＣ基超硬合金基体に対する付着強度が優
れ、かつ靭性も優れている、という知見を得たのであ
る。
【０００６】この発明は、かかる知見にもとづいてなさ
れたものであって、通常のＷＣ基超硬合金切削工具を、 （ａ）圧力：４０〜３０００気圧、液相出現温度以上１
５００℃以下の温度範囲内でＨＩＰするか、または （ｂ）圧力：１０〜２００気圧、液相出現温度以上１７
００℃以下の温度範囲内でホットプレスし、得られたＷ
Ｃ基超硬合金基体の表面研削することなくそのままを通
常の方法で化学エッチングし、この化学エッチングした
ＷＣ基超硬合金基体表面を更に微細硬質粒子が浮遊分散
した沸騰温度直下の突沸可能な温度に加熱された溶液中
で超音波研摩し、ついで超音波研摩したＷＣ基超硬合金
基体の表面に、気相合成法によりダイヤモンド被覆層を
形成する気相合成ダイヤモンド被覆切削工具の製造法、
に特徴を有するものである。
れたものであって、通常のＷＣ基超硬合金切削工具を、 （ａ）圧力：４０〜３０００気圧、液相出現温度以上１
５００℃以下の温度範囲内でＨＩＰするか、または （ｂ）圧力：１０〜２００気圧、液相出現温度以上１７
００℃以下の温度範囲内でホットプレスし、得られたＷ
Ｃ基超硬合金基体の表面研削することなくそのままを通
常の方法で化学エッチングし、この化学エッチングした
ＷＣ基超硬合金基体表面を更に微細硬質粒子が浮遊分散
した沸騰温度直下の突沸可能な温度に加熱された溶液中
で超音波研摩し、ついで超音波研摩したＷＣ基超硬合金
基体の表面に、気相合成法によりダイヤモンド被覆層を
形成する気相合成ダイヤモンド被覆切削工具の製造法、
に特徴を有するものである。
【０００７】この発明の製造法で用いる「通常のＷＣ基
超硬合金切削工具」とは、周期律表の鉄族金属（Ｃｏ，
Ｎｉ，Ｆｅ）のうち１種または２種以上からなる結合相
形成成分粉末：４〜２０重量％配合し、さらに必要に応
じて、周期律表の４ａ，５ａおよび６ａ族金属の炭化
物、窒化物および酸化物、並びにこれらの固溶体からな
る粉末のうち１種または２種以上：０．５〜３０重量％
を配合し、残りがＷＣ粉末および不可避不純物、となる
ように配合し、かかる配合組成の混合粉末をプレス成形
して圧粉体を製造し、この圧粉体を通常の条件にて焼結
し、上記配合組成と実質的に同一の成分組成からなる焼
結体を製造し、この焼結体を所定の形状に研削して製造
したものである。
超硬合金切削工具」とは、周期律表の鉄族金属（Ｃｏ，
Ｎｉ，Ｆｅ）のうち１種または２種以上からなる結合相
形成成分粉末：４〜２０重量％配合し、さらに必要に応
じて、周期律表の４ａ，５ａおよび６ａ族金属の炭化
物、窒化物および酸化物、並びにこれらの固溶体からな
る粉末のうち１種または２種以上：０．５〜３０重量％
を配合し、残りがＷＣ粉末および不可避不純物、となる
ように配合し、かかる配合組成の混合粉末をプレス成形
して圧粉体を製造し、この圧粉体を通常の条件にて焼結
し、上記配合組成と実質的に同一の成分組成からなる焼
結体を製造し、この焼結体を所定の形状に研削して製造
したものである。
【０００８】このようにして製造された通常のＷＣ基超
硬合金切削工具は、上記の条件でＨＩＰまたはホットプ
レスしてＷＣ基超硬合金基体とした後は、研削しないこ
とが必要である。ＨＩＰまたはホットプレスを施した後
に再び表面研削を施すと、ＷＣ基超硬合金基体の表面に
歪が残留し、密着性に優れた気相合成ダイヤモンド被覆
層が得られないからである。
硬合金切削工具は、上記の条件でＨＩＰまたはホットプ
レスしてＷＣ基超硬合金基体とした後は、研削しないこ
とが必要である。ＨＩＰまたはホットプレスを施した後
に再び表面研削を施すと、ＷＣ基超硬合金基体の表面に
歪が残留し、密着性に優れた気相合成ダイヤモンド被覆
層が得られないからである。
【０００９】ＨＩＰまたはホットプレスして得られたＷ
Ｃ基超硬合金基体は、５％硝酸水溶液中で通常の方法に
より化学エッチングし、表面から３〜１５μｍの深さの
Ｃｏを除去する。
Ｃ基超硬合金基体は、５％硝酸水溶液中で通常の方法に
より化学エッチングし、表面から３〜１５μｍの深さの
Ｃｏを除去する。
【００１０】上記化学エッチングしたＷＣ基超硬合金基
体は、微細硬質粒子が浮遊分散した沸騰温度直下の高温
溶液中で超音波研摩され、その表面を活性化する。この
とき使用される微細硬質粒子は、例えば、平均粒径：１
０μｍのダイヤモンド粒子が用いられ、超音波研摩液は
沸騰温度直下の温度に加熱された状態で超音波研摩され
る。上記沸騰温度直下の温度に加熱された超音波研摩液
を用いると、超音波研摩時に突沸が起り、超音波研摩効
果が大幅に向上する。上記超音波研摩液に界面活性剤を
添加すると洗浄能力はさらに向上し、再現性が増して工
業的には好ましい。
体は、微細硬質粒子が浮遊分散した沸騰温度直下の高温
溶液中で超音波研摩され、その表面を活性化する。この
とき使用される微細硬質粒子は、例えば、平均粒径：１
０μｍのダイヤモンド粒子が用いられ、超音波研摩液は
沸騰温度直下の温度に加熱された状態で超音波研摩され
る。上記沸騰温度直下の温度に加熱された超音波研摩液
を用いると、超音波研摩時に突沸が起り、超音波研摩効
果が大幅に向上する。上記超音波研摩液に界面活性剤を
添加すると洗浄能力はさらに向上し、再現性が増して工
業的には好ましい。
【００１１】このようにして得られたＷＣ基超硬合金基
体の表面に通常の低圧気相合成法によりダイヤモンド被
覆層が形成され、気相合成ダイヤモンド被覆切削工具が
製造される。
体の表面に通常の低圧気相合成法によりダイヤモンド被
覆層が形成され、気相合成ダイヤモンド被覆切削工具が
製造される。
【００１２】この発明の製造法により得られた気相合成
ダイヤモンド被覆切削工具は、ダイヤモンド被覆層がＷ
Ｃ基超硬合金基体と接合する表面から１μｍの厚さにわ
たって結合相形成成分量が１重量％以下の結合相形成成
分不足層の上に形成されており、さらにこの結合相形成
成分不足層から内部に向かって結合相形成成分濃度が漸
増する結合相形成成分濃度勾配を有する厚さ４μｍ以下
の結合相形成成分濃度勾配層が形成されており、この結
合相形成成分不足層および結合相形成成分濃度勾配層を
介することによりＷＣ基超硬合金基体表面に極めて付着
強度の優れたダイヤモンド被覆層が形成され、ＷＣ基超
硬合金基体自体の靭性も優れたものとなる。
ダイヤモンド被覆切削工具は、ダイヤモンド被覆層がＷ
Ｃ基超硬合金基体と接合する表面から１μｍの厚さにわ
たって結合相形成成分量が１重量％以下の結合相形成成
分不足層の上に形成されており、さらにこの結合相形成
成分不足層から内部に向かって結合相形成成分濃度が漸
増する結合相形成成分濃度勾配を有する厚さ４μｍ以下
の結合相形成成分濃度勾配層が形成されており、この結
合相形成成分不足層および結合相形成成分濃度勾配層を
介することによりＷＣ基超硬合金基体表面に極めて付着
強度の優れたダイヤモンド被覆層が形成され、ＷＣ基超
硬合金基体自体の靭性も優れたものとなる。
【００１３】
つぎに、この発明を実施例に基づいて具体的に説明す
る。
る。
【００１４】原料粉末としていずれも平均粒径：０．８
μｍのＷＣ粉末、Ｃｏ粉末、ＴａＣ粉末および（Ｔｉ，
Ｔａ）Ｃ粉末を用意した。
μｍのＷＣ粉末、Ｃｏ粉末、ＴａＣ粉末および（Ｔｉ，
Ｔａ）Ｃ粉末を用意した。
【００１５】 実施例１ 上記用意した原料粉末のうち、Ｃｏ粉末およびＷＣ粉末
を、Ｃｏ粉末：６重量％、ＷＣ粉末：残部、 となるように配合し、この配合粉末をボールミルで７２
時間湿式混合し、乾燥したのち、１．５ton ／cm2 の圧
力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を通常の条件で
焼結し、上記配合組成とほぼ同一の成分組成をもつＷＣ
基超硬合金焼結体をそれぞれ製造した。これら焼結体表
面を研削加工し、その形状をＩＳＯ規格ＳＰＧＮ１２０
３０８（Ｋ種）のチップに形成し、このチップに１００
０気圧、１３５０℃の条件でＨＩＰを施したのち、その
まま５％ＨＮＯ3 水溶液にて表面のＣｏを除去する化学
エッチングを行い、ついで、この化学エッチングしたチ
ップを、平均粒径：１０μｍのダイヤモンド微粉末が浮
遊分散している温度：６５℃のアルキルスルホン酸入り
の超音波研摩液に浸漬し、１MHz の超音波をかけて表面
を活性化した。
を、Ｃｏ粉末：６重量％、ＷＣ粉末：残部、 となるように配合し、この配合粉末をボールミルで７２
時間湿式混合し、乾燥したのち、１．５ton ／cm2 の圧
力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を通常の条件で
焼結し、上記配合組成とほぼ同一の成分組成をもつＷＣ
基超硬合金焼結体をそれぞれ製造した。これら焼結体表
面を研削加工し、その形状をＩＳＯ規格ＳＰＧＮ１２０
３０８（Ｋ種）のチップに形成し、このチップに１００
０気圧、１３５０℃の条件でＨＩＰを施したのち、その
まま５％ＨＮＯ3 水溶液にて表面のＣｏを除去する化学
エッチングを行い、ついで、この化学エッチングしたチ
ップを、平均粒径：１０μｍのダイヤモンド微粉末が浮
遊分散している温度：６５℃のアルキルスルホン酸入り
の超音波研摩液に浸漬し、１MHz の超音波をかけて表面
を活性化した。
【００１６】このようにして得られたチップを、金属Ｗ
フィラメントを備えた石英製反応容器に装入し、 雰囲気圧力：３０Torr、 基体温度：７５０℃、 反応ガス：メタンガス／水素ガス＝１．０の混合ガス、 の条件で、５時間保持し、気相合成反応を行って平均層
厚：３μｍを有するダイヤモンド被覆層を有する本発明
ダイヤモンド被覆チップを作製した。
フィラメントを備えた石英製反応容器に装入し、 雰囲気圧力：３０Torr、 基体温度：７５０℃、 反応ガス：メタンガス／水素ガス＝１．０の混合ガス、 の条件で、５時間保持し、気相合成反応を行って平均層
厚：３μｍを有するダイヤモンド被覆層を有する本発明
ダイヤモンド被覆チップを作製した。
【００１７】 実施例２ 実施例１で用意した基体表面を研削加工したＩＳＯ規格
ＳＰＧＮ１２０３０８（Ｋ種）のチップに１００気圧、
１４５０℃の条件でホットプレスし、以下、実施例１と
同一条件にて本発明ダイヤモンド被覆チップを作製し
た。
ＳＰＧＮ１２０３０８（Ｋ種）のチップに１００気圧、
１４５０℃の条件でホットプレスし、以下、実施例１と
同一条件にて本発明ダイヤモンド被覆チップを作製し
た。
【００１８】 実施例３ 上記原料粉末のうちＣｏ粉末、ＴａＣ粉末およびＷＣ粉
末を、Ｃｏ粉末：６重量％、ＴａＣ粉末：１重量％、Ｗ
Ｃ粉末：残部、となるように配合し、この配合粉末から
実施例１と同一の条件でＷＣ基超硬合金焼結体を複数個
製造し、これら焼結体表面を研削加工し、その形状をＩ
ＳＯ規格ＳＰＧＮ１２０３０８（Ｋ種）のチップに形成
し、このチップに実施例１と同一条件でＨＩＰを施した
のち、実施例１と同一条件で化学エッチング、超音波研
摩および気相合成ダイヤモンド被覆層の形成を行ない、
本発明ダイヤモンド被覆チップを作製した。
末を、Ｃｏ粉末：６重量％、ＴａＣ粉末：１重量％、Ｗ
Ｃ粉末：残部、となるように配合し、この配合粉末から
実施例１と同一の条件でＷＣ基超硬合金焼結体を複数個
製造し、これら焼結体表面を研削加工し、その形状をＩ
ＳＯ規格ＳＰＧＮ１２０３０８（Ｋ種）のチップに形成
し、このチップに実施例１と同一条件でＨＩＰを施した
のち、実施例１と同一条件で化学エッチング、超音波研
摩および気相合成ダイヤモンド被覆層の形成を行ない、
本発明ダイヤモンド被覆チップを作製した。
【００１９】 実施例４ 実施例３で作製したＩＳＯ規格ＳＰＧＮ１２０３０８
（Ｋ種）のチップを、圧力：１００気圧、温度：１４５
０℃の条件でホットプレスし、以下、実施例１と同一条
件にて本発明ダイヤモンド被覆チップを作製した。
（Ｋ種）のチップを、圧力：１００気圧、温度：１４５
０℃の条件でホットプレスし、以下、実施例１と同一条
件にて本発明ダイヤモンド被覆チップを作製した。
【００２０】 実施例５ 上記用意した原料粉末のうち、Ｃｏ粉末、Ｎｉ粉末、
（Ｔｉ，Ｔａ）Ｃ粉末およびＷＣ粉末を、 Ｃｏ粉末：６重量％、Ｎｉ粉末：３重量％、（Ｔｉ，Ｔ
ａ）Ｃ粉末：３重量％、ＷＣ粉末：残部、 となるように配合して配合粉末とする以外は実施例１と
全く同一条件でＩＳＯ規格ＳＰＧＮ１２０３０８（Ｋ
種）のチップを作製し、このチップから実施例１と同一
条件で本発明ダイヤモンド被覆チップを作製した。
（Ｔｉ，Ｔａ）Ｃ粉末およびＷＣ粉末を、 Ｃｏ粉末：６重量％、Ｎｉ粉末：３重量％、（Ｔｉ，Ｔ
ａ）Ｃ粉末：３重量％、ＷＣ粉末：残部、 となるように配合して配合粉末とする以外は実施例１と
全く同一条件でＩＳＯ規格ＳＰＧＮ１２０３０８（Ｋ
種）のチップを作製し、このチップから実施例１と同一
条件で本発明ダイヤモンド被覆チップを作製した。
【００２１】 実施例６ 実施例５で作製したＩＳＯ規格ＳＰＧＮ１２０３０８
（Ｋ種）のチップを圧力：１００気圧、温度：１４５０
℃の条件でホットプレスし、以下、実施例１と同一条件
にて本発明ダイヤモンド被覆チップを作製した。
（Ｋ種）のチップを圧力：１００気圧、温度：１４５０
℃の条件でホットプレスし、以下、実施例１と同一条件
にて本発明ダイヤモンド被覆チップを作製した。
【００２２】 従来例 さらに、比較のために、通常の真空雰囲気中で焼結して
得られたＷＣ基超硬合金焼結体にＨＩＰを施し、ついで
表面を研削して得られたＷＣ基超硬合金基体を化学エッ
チングして表面のＣｏを除去し、さらに平均粒径：１０
μｍのダイヤモンド微粉末が浮遊分散している通常のア
ルキルスルホン酸入り超音波研摩液に浸漬し、１MHz の
超音波をかけて表面を活性化したのち、気相合成法によ
りダイヤモンド被覆層を形成する方法により従来ダイヤ
モンド被覆チップを作製した。
得られたＷＣ基超硬合金焼結体にＨＩＰを施し、ついで
表面を研削して得られたＷＣ基超硬合金基体を化学エッ
チングして表面のＣｏを除去し、さらに平均粒径：１０
μｍのダイヤモンド微粉末が浮遊分散している通常のア
ルキルスルホン酸入り超音波研摩液に浸漬し、１MHz の
超音波をかけて表面を活性化したのち、気相合成法によ
りダイヤモンド被覆層を形成する方法により従来ダイヤ
モンド被覆チップを作製した。
【００２３】このようにして作製された本発明ダイヤモ
ンド被覆チップおよび従来ダイヤモンド被覆チップを用
いて、 被削材：Ａｌ−１２％Ｓｉ、 切削速度Ｖ：１０００ｍ／min 、 切込みｄ：３．０mm、 送りＳｚ：０．２mm／rev 、 の条件にて乾式連続切削試験を行い、さらに、 被削材：Ａｌ−１２％Ｓｉ、 切削速度Ｖ：１２００ｍ／min 、 切込みｄ：１．５mm、 送りＳｚ：０．２mm／rev 、 の条件にて、フライス切削の断続切削試験を行い、チッ
プのダイヤモンド被覆層がマクロ的に剥離することなく
被削材の面精度が良好に切削できるまでの時間を測定
し、その測定結果を表１に示した。
ンド被覆チップおよび従来ダイヤモンド被覆チップを用
いて、 被削材：Ａｌ−１２％Ｓｉ、 切削速度Ｖ：１０００ｍ／min 、 切込みｄ：３．０mm、 送りＳｚ：０．２mm／rev 、 の条件にて乾式連続切削試験を行い、さらに、 被削材：Ａｌ−１２％Ｓｉ、 切削速度Ｖ：１２００ｍ／min 、 切込みｄ：１．５mm、 送りＳｚ：０．２mm／rev 、 の条件にて、フライス切削の断続切削試験を行い、チッ
プのダイヤモンド被覆層がマクロ的に剥離することなく
被削材の面精度が良好に切削できるまでの時間を測定
し、その測定結果を表１に示した。
【００２４】
【表１】
【００２５】
【発明の効果】表１に示された測定結果から、本発明の
実施例１〜６の製造法によるダイヤモンド被覆チップ
は、従来例のダイヤモンド被覆チップよりもダイヤモン
ド被覆層が剥離することなく被削材の面精度が良好に切
削できる時間が長い。しかし、従来例の製造法で製造さ
れたダイヤモンド被覆チップは、ダイヤモンド被覆層の
付着強度が低下し、使用寿命が短いことがわかる。
実施例１〜６の製造法によるダイヤモンド被覆チップ
は、従来例のダイヤモンド被覆チップよりもダイヤモン
ド被覆層が剥離することなく被削材の面精度が良好に切
削できる時間が長い。しかし、従来例の製造法で製造さ
れたダイヤモンド被覆チップは、ダイヤモンド被覆層の
付着強度が低下し、使用寿命が短いことがわかる。
【００２６】この発明の製造法によると、従来よりも長
寿命の気相合成ダイヤモンド被覆切削工具を提供するこ
とができ、切削工具の交換回数を減らすことができ、作
業効率を大幅に向上させることができるなどの優れた効
果を奏するものである。
寿命の気相合成ダイヤモンド被覆切削工具を提供するこ
とができ、切削工具の交換回数を減らすことができ、作
業効率を大幅に向上させることができるなどの優れた効
果を奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｃ２３Ｃ 16/26 Ｂ２２Ｆ 3/14 Ｍ (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B23P 15/28 B22F 3/14 B22F 3/24 B23B 27/14 C22C 1/05 C23C 16/26
Claims (2)
- 【請求項１】 通常の炭化タングステン（以下、ＷＣと
記す）基超硬合金切削工具を、上記ＷＣ基超硬合金切削
工具の結合相形成成分の液相出現温度以上１５００℃以
下の温度範囲内で熱間静水圧プレスしてＷＣ基超硬合金
基体を製造し、このＷＣ基超硬合金基体の表面を研削す
ることなくそのまま通常の方法で化学エッチングし、こ
の化学エッチングしたＷＣ基超硬合金基体表面を更に微
細硬質粒子が浮遊分散した沸騰温度直下の突騰可能な温
度に加熱された溶液中で超音波研摩し、ついで超音波研
摩したＷＣ基超硬合金基体の表面に、気相合成法により
ダイヤモンド被覆層を形成する、ことを特徴とする気相
合成ダイヤモンド被覆切削工具の製造法。 - 【請求項２】 上記ＷＣ基超硬合金切削工具を、結合相
形成成分の液相出現温度以上１５００℃以下の温度範囲
内でホットプレスすることを特徴とする請求項１記載の
気相合成ダイヤモンド被覆切削工具の製造法。
Applications Claiming Priority (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2-258280 | 1990-09-27 | ||
| JP25828090 | 1990-09-27 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04217428A JPH04217428A (ja) | 1992-08-07 |
| JP2803379B2 true JP2803379B2 (ja) | 1998-09-24 |
Family
ID=17318056
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3060930A Expired - Fee Related JP2803379B2 (ja) | 1990-09-27 | 1991-02-12 | 気相合成ダイヤモンド被覆切削工具の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2803379B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH08277469A (ja) * | 1995-04-06 | 1996-10-22 | Japan Energy Corp | ウエハークランプ装置の再生方法 |
| US7682557B2 (en) | 2006-12-15 | 2010-03-23 | Smith International, Inc. | Multiple processes of high pressures and temperatures for sintered bodies |
-
1991
- 1991-02-12 JP JP3060930A patent/JP2803379B2/ja not_active Expired - Fee Related
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