JP2734134B2 - ダイヤモンドコーティング工具およびその製造方法 - Google Patents

ダイヤモンドコーティング工具およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (1)産業上の利用分野 本発明は、Al−Si合金のような軽合金を高速で切削す
ることが可能なダイヤモンドコーティング工具に関する
ものである。
(2)従来の技術 ダイヤモンドは高硬度でAl,Cu等の軟質金属と殆ど反
応しないという特性を有するので、これらの軟質金属を
高速で切削することが可能な材料として、単結晶あるい
は焼結体として広く実用に供されている。一方近年、低
圧気相中よりダイヤモンドを合成する技術が開発され
た。この技術を用いて工具基体の表面にダイヤモンドを
被覆するダイヤモンドコーティング工具を作成すれば、
高価な単結晶や焼結体ダイヤモンド工具に次ぐ新しいダ
イヤ工具が実用に供されるものと期待されている。
(3)発明が解決しようとする課題 ダイヤモンドの気相合成技術を利用して、ダイヤモン
ドコーティング工具を作製しようとする試みは数多く行
われており、ダイヤモンドを被覆する基体としては、
超硬合金(特開昭61−242996号公報) セラミック(特開昭57−95881号公報)サーメッ
(特開昭61−52363号公報)タングスン(特開昭63−9
9102号公報)等が用いられている。またこれらの基体の
表面処理としてはダイヤモンド砥粒や砥石でこすったり
(特開昭60−86096号公報)、超音波を利用してダイヤ
モンド砥粒を振動させ、基体表面にぶつけて傷をつけた
りすることが行われる。また特に超硬合金を基体とした
場合には硬質相の結合相であるCo上に無定形炭素が析出
するため表層のCoを酸でエッチング除去したり、Co含有
量の少ないダイヤモンドコーティング専用の母材が用い
られている。一方これらの工具基体の表面に中間層を予
め被覆しておき、その上にダイヤモンドをコーティング
することも行われている。しかしながらこれらの改良努
力にもかかわらず、基体とダイヤモンドコーティング膜
との接着強度が不十分であり、Al−Si合金等の軽合金の
切削では切削途中でダイヤモンド膜が剥離してしまい工
具寿命が短いために、広範囲の実用には供せられていな
いと言う問題があった。
(4)課題を解決するための手段 本発明者らはダイヤモンドコーティング工具の接着強
度を向上させ、工具寿命を延長するために鋭意検討を重
ねた結果本発明に至ったのである。
即ち、低圧気相合成ダイヤモンドの表面被覆層を有す
るダイヤモンドコーティング工具において線膨張係数が
4.0×10-6以下で、かつ金属の結合相を含まないSi3N4
たはSiC焼結体を基体とし、この基体の表面に#100〜#
1000の大きさの鋭利な稜線を有するダイヤモンド砥粒を
電着した電着砥石を用いて鋭利なスクラッチを入れる処
理を施したのちに、ダイヤモンドの被覆を1000℃以上12
00℃以下の処理温度で0.1μm以上15μmの厚さで行
い、かつ該ダイヤモンドの膜質がラマン分光法で測定さ
れるダイヤモンドのピークの半価幅が8カイザー以上で
あり、ダイヤモンドのピーク強度に対する無定形炭素の
ピーク強度の比が0.3以下とすることにより、ダイヤモ
ンドコーティング工具のダイヤモンド膜と基体との接着
強度が著しく改善され、かつ耐摩耗生が向上し、工具寿
命を大幅に延長可能であることを見い出したのである。
(5)作用 ダイヤモンドコーティング工具においてダイヤモンド
膜と基体との接着強度が低い理由としては幾つかの要因
が考えられる。
ダイヤモンドは線膨張係数が極めて小さいが、通常用
いられる工具基体はダイヤモンドと比較してかなり大き
いので、熱膨張差に起因してダイヤモンド膜には大きな
圧縮の熱応力が入る。これはダイヤモンド膜を基体から
引き剥す方向に作用する。
ダイヤモンドは化学的に極めて安定なため、基体との
間で化合物や相互拡散層などの反応層を形成しない。他
のセラミックコーティングでは反応層が形成され接着強
度向上に寄与するので、反応層が形成されないダイヤモ
ンドコーティングではこの機構による接着強度向上は期
待できない。
ダイヤモンドが気相から析出可能な基体には制約があ
り、鉄族元素上にはまず最初に無定形炭素やグラファイ
トが析出したのちダイヤモンドが析出する。基体中にこ
れらの元素の結合相を含む場合には、基体表面の結合相
の上には無定形炭素やグラファイトが析出するので接着
強度が低下する。
ダイヤモンドは他の気相合成法で作製されるセラミッ
クとは異なり、核発生密度が非常に小さいので、結晶粒
が成長、合体して初めて膜が形成されるため、微細組織
が得ずらく、基体との接合界面に空隙が残存する。この
ことが接着強度を低下させる一因と考えられる。
気相合成ダイヤモンドは合成条件によってはダイヤモ
ンドとともに無定形炭素やグラファイトが同時に析出す
る。非ダイヤモンド相が多い結晶性の劣るダイヤモンド
膜の場合には、ダイヤモンドの耐摩耗性が低いことに加
えて、膜の強度が低いので、切削時に加わる力によって
膜が破壊され、これが引金となって膜の剥離に至る。ダ
イヤモンド膜の品質も間接的に接着強度に影響を及ぼす
ものと言える。
以上の様なダイヤモンドコーティング工具特有の問題
点を考慮した上で、耐摩耗性並びに接着強度を改善すべ
く鋭意検討を行った。以下に本発明のダイヤモンドコー
ティング工具の限定理由について述べる。
(i)基体の選定について 熱膨張差に起因して生ずる熱応力を軽減するために基
体の線膨張係数を4.0×10-6以下とし、かつ無定形炭素
やグラファイトが析出しやすい鉄族元素の結合相を含有
せず、切削工具材料として使用に耐え得るSi3N4またはS
iCを主成分とする焼結体を基体に選択した。線膨張係数
が4.0×10-6よりも大きいとダイヤモンド膜が剥離し易
くなる。
(ii)基体の表面処理について ダイヤモンドコーティングにおいてはダイヤモンド膜
と基体との接着強度に基体の表面状態が与える影響は極
めて大きい。本発明者らが種々の検討を行った結果、ラ
ッピングによる鏡面仕上げあるいはそれに近い滑らかな
表面(Rmax<0.5μm)ではダイヤモンド膜が剥離しや
すいことが判明した。またダイヤモンド砥粒を超音波で
振動させ基体表面に傷を入れる方法は核発生密度を著し
く向上させ、微細結晶粒のダイヤモンド膜の形成が可能
である。そのため基体とダイヤモンド膜の接触面積を増
やすことが出来るので、接着強度の向上が期待された
が、予想に反して剥離しやすいことが明らかとなった。
これは超音波処理を施す前の基体表面がラッピング仕上
げではもちろんのこと研削仕上げでも同様であった。高
い接着強度を得るためには、鋭利な稜線を有するダイヤ
モンド砥粒で基体を引っかいて鋭利なスクラッチを多数
導入し、ある程度表面を荒らすことが(0.5μm≦Rmax
≦10μm)有効であることを見い出した。この様な表面
処理を行うに当たり基体材質の加工性が問題となる。Mo
ではダイヤモンド砥粒で直接こすっても適切なスクラッ
チを導入することが可能であるが、超硬合金では同様の
方法ではうまくいかず、レジンボンドのダイヤモンド砥
石を用いる方が好ましい。Si3N4やSiCの場合には超硬合
金よりもさらに鋭利なスクラッチを入れずらく、レジン
ボンドのダイヤモンド砥石では鋭利なスクラッチを導入
することができなかった。そこで種々の検討を行った結
果、#100〜#1000の大きさの鋭利な稜線を有する破砕
性の高いダイヤモンド砥粒を電着した電着砥石を用いる
ことによって、初めて適切なスクラッチを入れることが
可能となり、接着強度を向上させることに成功したので
ある。なお安定したスクラッチを導入するためには砥石
のドレッシングを頻繁に行う必要がある。
(iii)コーティング処理温度について ダイヤモンド膜と基体の接着強度に及ぼすコーティン
グ処理温度の影響について調査した結果、処理温度がダ
イヤモンドが合成可能な温度範囲の中で高い温度でコー
ティングを行う方が、高い接着強度が得られることが判
明した。超硬合金を基体とした場合には、1000℃を超す
温度でコーティングを行うと結合相であるCoが表面に染
みだしてくるので、高い接着強度で高品質のダイヤモン
ドをコーティングすることができないと言う問題があっ
た。しかし、Si3N4やSiCを基体として用いる場合にはこ
のような問題がないので、1000℃を超す温度でコーティ
ングを行うことが可能であり、初めて高い接着強度を得
ることに成功した。処理温度の上限を1200℃としたのは
1200℃を超える温度でコーティングを行うと析出するダ
イヤモンド中に無定形炭素やグラファイトが混入し、ダ
イヤモンドの品質が低下するからである。
(iv)ダイヤモンド膜厚について 接着強度に及ぼすダイヤモンド膜厚について検討を行
ったところ、膜厚が厚いほどダイヤモンド膜がAl−Si合
金等の軽合金の切削時に剥離しやすいことが明らかとな
った。特に15μmを超えるとこの傾向が顕著となるので
膜厚の上限を15μmとした。一方下限については核発生
したダイヤモンドがつながって膜が形成される0.1μm
とした。
また、この上限値は4μm以下になると剥離しにくく
なり、さらに好ましくは2μm以下である。ダイヤモン
ドは極めて硬いので被削材によってはこの様な薄膜でも
十分な実用性能を有している。
(v)ダイヤモンドの品質について 低圧気相合成ダイヤモンドは製造条件により、無定形
炭素やグラファイトを含有する。ダイヤモンド相並びに
非ダイヤモンド相はラマン分光法によって検出すること
ができる。ダイヤモンドのピーク強度(D)に対する非
ダイヤモンドのピーク強度(G)の比G/Dをダイヤモン
ドの品質の尺度としてとると、この値が0.3よりも大き
いと切削時に粒子の微小破砕や脱落による摩耗が顕著と
なり、耐摩耗性が低下する。また非ダイヤモンド相は基
体との界面にも存在して、接着強度を低下させるのでこ
の値はより小さいことが好ましい。一方ラマン分光法で
得られるダイヤモンドのピークの半価幅はダイヤモンド
結晶の完全性や内部応力に関係があり、例えば天然の高
純度単結晶ダイヤモンドで欠陥の少ないものでは5カイ
ザー以下である。本発明者らの検討によると前述のラマ
ンピーク比が0.3以下の品質レベルの時ダイヤモンドの
ピークの半価幅が8カイザー以上であると、ダイヤモン
ドの耐摩耗性が高いことを見い出した。ダイヤモンドは
剛性が高く、応力による格子歪は他の物質ほど大きくな
いので、この半価幅の広がりは結晶欠陥によるところが
大きいものと思われる。適度な欠陥の存在が亀裂の進展
を阻害し、粒子の微小破砕を抑制するので耐摩耗性が向
上したものと推測される。
(vi)ダイヤモンド組織について 本発明のように結晶性がよく、高純度のダイヤモンド
膜においても基体の表面処理やコーティング条件の選択
により、組織の微細化することが可能である。本発明の
ように膜厚の上限を15μmに規定すると、成長上面の結
晶粒径は10μm以下、さらに好ましくは5μm以下であ
るのが望ましい。結晶粒径が小さく組織が微細であると
ダイヤモンド膜の強度の向上が期待される。また組織が
微細で成長上面がなめらかであれば軽合金の切削におい
てきれいな仕上げ面が得られ、また切削抵抗が小さくな
るので工具の摩耗が抑制される効果もある。
本発明のダイヤモンドコーティング工具の製造方法は
一般に使用されるダイヤモンドの気相合成法を用いるこ
とができる。ダイヤモンドの品質を向上させるためには
原料ガス中に酸素もしくは酸素を含む化合物を添加する
こと並びに原料ガスを分解、活性化する励起源を強力化
(プラズマCVD法では熱プラズマの利用、フィラメントC
VDでは超高温フィラメントの利用やプラズマの併用等)
することが有効であるが本発明のダイヤモンドコーティ
ングを製造可能であるならばいずれの方法によっても構
わない。
(6)実施例 実施例1 ダイヤモンドの気相合成装置としてはW−フィラメン
トCVD装置を使用した。Si3N4またはSiCを主成分とし、
線膨張係数の異なる焼結体を型番SPGN120308のスローア
ウェイチップに加工した。その後加工条件を変化させて
表面処理を施し、コーティングの基体として使用した。
フィラメント温度を2200℃、フィラメントと基体表面と
の間隔を7mmに設定し、表面温度を冷却機構のついた基
材支持台の冷却能を変化させて所定温度に調節した。ま
たダイヤモンドの品質に影響を及ぼす原料ガス組成につ
いても組成を変化させたが、反応容器内の圧力は80Torr
に固定してダイヤモンドコーティングを実施した。ダイ
ヤモンドの膜厚に関してはコーティング時間を調節して
所定の膜厚が得られるようにした。第1表(a)に基材
材質並びに表面処理に用いた砥石の種類に示した。第1
表(b)にはコーティング条件を示した。第1表(c)
には基材材質、表面処理およびコーティング条件を各々
より選択して作製したコーティング工具のダイヤモンド
膜厚、成長上面から見たダイヤモンドの結晶粒径、ラマ
ン分光法によるダイヤモンドのピークの半価幅とダイヤ
モンドのピーク強度に対する無定形炭素のピーク強度の
比を示した。
No.19の試料は0.1μ以下の膜厚を狙ったが、完全に成
膜しなかった。この試料を除く他の試料について切削性
能を評価するために、幅100mm,長さ400mmのAl−12%Si
合金(AC8A−T6)を用いて、第2表に示す条件でフライ
ス切削試験を実施した。また比較のためにダイヤモンド
コーティングを施さないSi3N4切削チップとして住友電
気工業(株)製NS130を取り上げ、同一の条件で性能評
価を実施した。30pass切削後の結果を第3表に取りまと
めて示した。
ダイヤモンドコーティングを行わないSi3N4は2Pass切
削後に逃げ面摩耗幅が0.21mmに達し、寿命と判断され
た。本発明のダイヤモンドコーティング工具である試料
2,3,4,7,9,10,13,14,15,17,18,20,21,22,23,25及び26
は、被削材を20pass切削後においてもダイヤモンド膜の
剥離が生せず、逃げ面摩耗幅も0.05mm以下に抑えられて
いた。その結果ほぼ初期の切削性能が保たれており、ダ
イヤモンドコーティングを行うことによって、著しく工
具寿命が延長された。これに大して本発明の範囲をはず
れる試料1,5,6,8,11,12,16及び24は、被削材を20Passを
切削する以前にダイヤモンド膜の剥離が生じ、剥離した
部分では摩耗が急激に進行して工具寿命に至った。
実施例2 ダイヤモンドの気相合成装置として実開昭62−198277
号公報に開示したマイクロ波プラズマCVD装置を使用し
た。実施例1で基体材質及び表面処理を施した基体の中
から一部を選択して、第4表に示す条件でダイヤモンド
コーティングを実施した。この際基体表面温度はマイク
ロ波出力を変化させて調節し、反応容器内の圧力は100T
orrとした。第5表に作製したコーティング工具のダイ
ヤモンド膜厚,成長上面から見たダイヤモンドの結晶粒
径,ラマン分光法によるダイヤモンドのピークの半価幅
とダイヤモンドのピーク強度に対する無定形炭素のピー
ク強度の比を示した。
作製したダイヤモンドコーティング工具の切削性能を
評価するために、被削材として10mmの幅を有する溝が90
度ごとの角度をなして4本、軸方向に沿って外周面に入
れられたAl−12%Si合金(AC8A−T6)を使用し、第6表
に示す条件で切削試験を実施した。30分切削後の結果を
第7表に示した。また比較のためにダイヤモンドコーテ
ィングを施さないSi3N4切削チップとして住友電気工業
(株)製NS130を取り上げ、同一の条件で性能評価を実
施した。
ダイヤモンドコーティングを行わないSi3N4は2分切
削後に逃げ面摩耗幅が0.18mmに達し、寿命と判断され
た。本発明のダイヤモンドコーティング工具である試料
27,30,31,32,33及び34は被削材を30分切削後においても
ダイヤモンド膜の剥離が生せず、逃げ面摩耗幅も0.05mm
以下に抑えられていた。その結果ほぼ初期の切削性能が
保たれており、ダイヤモンドコーティングを行うことに
よって、著しく工具寿命が延長された。これに対して本
発明の範囲をはずれる試料28,29及び35は5分以内の切
削でダイヤモンド膜の剥離を生じ、剥離した部分では摩
耗が急激に進行して工具寿命に至った。
(7)発明の効果 以上説明した様に、本発明による気相合成ダイヤモン
ドコーティング工具では従来のダイヤモンドコーティン
グ工具の問題点であったダイヤモンド膜と基体との接着
強度を著しく向上させることができた。また併せてダイ
ヤモンド膜の高品質化を実現したことにより、ダイヤモ
ンド膜の強度及び耐摩耗性が向上し、高性能かつ長寿命
の工具が作製できた。ダイヤモンド切削工具の主な用途
であるAl−Si合金等の軽合金の切削に用いると特に効果
的である。このダイヤモンドコーティング工具の性能は
軽合金の切削に用いられる超硬合金工具の性能をはるか
に凌ぐものであり、大幅な工具費用の削減が可能になる
ものと期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図は気相合成ダイヤモンド膜のラマン分光分析結果
の一例である。Dはダイヤモンドのピーク強度、Gは無
定形炭素のピーク強度、Fは半価幅を示す。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低圧気相合成ダイヤモンドの表面被覆層を
    有するダイヤモンドコーティング工具において、基体の
    表面が#100〜#1000の大きさの鋭利な稜線のスクラッ
    チを有し、該基体が線膨張係数として4.0×10-6以下のS
    i3N4またはSiC焼結体であって、ダイヤモンドの表面被
    覆層の厚さが0.1μm以上15μmであり、気相合成ダイ
    ヤモンドの膜質がラマン分光法で測定されるダイヤモン
    ドのピークの半価幅が8カイザー以上であり、ダイヤモ
    ンドのピーク強度に対する無定形炭素のピーク強度の比
    が0.3以下であることを特徴とするダイヤモンドコーテ
    ィング工具。
  2. 【請求項2】スクラッチが#100〜#1000のダイヤモン
    ド砥粒を電着した電着砥石によって形成されたものであ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載のダ
    イヤモンドコーティング工具。
  3. 【請求項3】基体の結合相が鉄族金属元素を含まないこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載のダイヤ
    モンドコーティング工具。
  4. 【請求項4】線膨張係数として4.0×10-6以下のSi3N4
    たはSiC焼結体の表面を、#100〜#1000の大きさのダイ
    ヤモンド砥粒を電着した電着砥石を用いてスクラッチを
    形成せしめ、しかる後1000℃以上、1200℃以下の温度で
    ダイヤモンドコーティングすることを特徴とするダイヤ
    モンドコーティング工具の製造方法。
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