JPH04280974A - 窒化ホウ素被覆硬質材料 - Google Patents

窒化ホウ素被覆硬質材料

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JPH04280974A
JPH04280974A JP4360691A JP4360691A JPH04280974A JP H04280974 A JPH04280974 A JP H04280974A JP 4360691 A JP4360691 A JP 4360691A JP 4360691 A JP4360691 A JP 4360691A JP H04280974 A JPH04280974 A JP H04280974A
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直也 大森
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材との高い密着強度
を持った窒化ホウ素被覆層を有する窒化ホウ素被覆硬質
材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】窒化ホウ素(BN)は六方晶窒化ホウ素
、立方晶窒化ホウ素(以下CBNとも呼ぶ)などの結晶
構造を持つことが知られており、そのうちのCBNはダ
イヤモンドに次ぐ常温硬度をもち、またダイヤモンドに
比べて高温で安定であり、強度も高いことが知られてい
る。このため、CBN、又はCBNを含む被覆層を切削
工具、耐摩工具その他の機械部品の表面に被覆した場合
、良好な耐磨耗性が期待できる。特に、被加工物や被削
材が鋼および鋳鉄である、ロール、ガイドローラー、シ
ールリング、ロッカーアームチップ、ノズル類およびダ
イス、金型類などの耐摩工具、切削工具の表面に被覆層
として用いた場合、良好な耐摩耗性が期待できる。そし
て実際にCBNを金属やセラミックで接合した切削工具
、耐摩工具は実用されている。
【0003】そして、人工窒化ホウ素の製造法のうち、
気相より窒化ホウ素被覆層を形成する方法としては、プ
ラズマCVD法、イオンプレーティング法、スパッタ法
、イオンビーム支援真空蒸着法など、種々の方法が知ら
れており、窒化ホウ素被覆材料製造の有利な方法である
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、窒化ホウ素
被覆硬質材料の多くは基材とダイヤモンド被覆層の密着
強度が不足しているため、特に切削工具などの過酷な条
件下での使用に適用した場合、窒化ホウ素被覆層が剥離
することにより寿命にいたる場合が多い。この大きな原
因として、他の物質との中間相を持たないことが考えら
れる。高い密着強度をもつ窒化ホウ素被覆硬質材料を得
るべく、基材と窒化ホウ素被覆層との間に中間層を設け
る、といった多くの試みがなされている(例えば特開昭
60−294687号公報、特開昭63−20446号
公報、特公昭63−35774号公報、特公昭63−2
39103号公報等)。しかし未だ良好な密着強度を持
つ窒化ホウ素被覆層は実現できてはいない。また、Ar
やH2 などのプラズマで基板を処理し、表面の不純物
を除去し、これにより得られた清浄表面上に窒化ホウ素
被覆層を成膜することで基材との密着強度を確保すると
いう方法も提案されている。しかしこの方法でも、充分
な密着強度は得られていない。本発明はこれらの問題点
を解消し、優れた密着強度をもつ窒化ホウ素被覆硬質材
料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は硬質材料の表面
に、窒化ホウ素被覆層を形成してなる被覆硬質材料にお
いて、基材表面と窒化ホウ素被覆層の間に1層以上の中
間層が存在し、中間層再表面の面粗度がRmax にて
0.5μm以上であることを特徴とする窒化ホウ素被覆
硬質材料を提供するものである。さらに本発明は硬質材
料の表面に、窒化ホウ素被覆層を形成してなる被覆硬質
材料において、基材表面と窒化ホウ素被覆層の間に1層
以上の中間層が存在し、(1)微視的凹凸が存在し、(
2)基準長さを50μmとしたとき、この基準長さ内の
面粗度がRmax にて0.5〜30μmであることを
特徴とする窒化ホウ素被覆硬質材料を提供するものであ
る。
【0006】前述した通り、窒化ホウ素は極めて化学的
に安定しているため、あらゆる物質と中間化合物を作ら
ない。このため、優れた密着強度を持つ窒化ホウ素被覆
硬質材料を作製する場合、窒化ホウ素被覆層と基材がな
んらかの物理的な強い力にて接合されている状態を作り
出さねばならない。本発明者は、これを実現するため、
基材表面に、基材と高い密着強度をもち、窒化ホウ素と
の濡れ性がよい中間層を少なくとも1層以上設け、その
中間層最外表面の面粗度が、(1)巨視的にその面粗度
がRmax にて0.5μm以上である場合、および/
または(2)微視的凹凸が存在し、中間層−窒化ホウ素
被覆層界面における基準長さを50μmとし、この基準
長さ内の面粗度がRmax にて0.5μm〜30μm
で、凸部が窒化ホウ素被覆中に侵入した状態となってい
る場合、窒化ホウ素被覆層の物理的発着力が高まり、窒
化ホウ素被覆層と基材との密着強度が非常に高くなるこ
とを発見した。これは、まず中間層と基材は、化学的ま
たは/および機械的に結合するものを選択することで、
非常に高い密着強度となる。また、窒化ホウ素被覆層と
中間層との接触面積は、粗面とすることにより増大し、
物理的な高い密着強度を持つためである。さらに微小な
凹凸が窒化ホウ素被覆層のアンカー作用を持ち、窒化ホ
ウ素被覆層が剥がれにくくなったためと考えられる。
【0007】ここで述べる面粗度とは、(1)ダイヤモ
ンド砥石、(2)ダイヤモンド砥粒による傷つけ処理、
などにより形成される面粗度計にて測定可能な巨視的に
みた面粗度のみならず、微小区間内における凹凸の存在
による面粗度も含む。微小区間における面粗度とは、窒
化ホウ素被覆層−中間層最外表面界面において、基準長
さを50μmなどの微小区間とした、この基準長さ内に
おける面粗度のことである。本発明者たちは種々の面粗
度状態を作り出した結果、50μmの基準長さ内におい
て、基材界面での面粗度が、Rmax にて、0.5〜
30μmである状態が、密着強度が高くなることを発見
した。この最外表面面粗度は、窒化ホウ素被覆後の基材
の断面をラッピング後観察し、写真撮影を行ない、窒化
ホウ素被覆層と中間層最外表面との界面の境界線をもっ
て被覆後の基材の表面面粗度(Rmax )とする。但
し、この際、巨視的なうねりは直線近似して計算する。
【0008】本発明による窒化ホウ素被覆層−中間層界
面の状態を模式的に示すと図1のようになる。すなわち
、該界面には巨視的なうねりが認められるが、図2のよ
うにこれを擬似的に直線とみなしRmax を算出する
【0009】窒化ホウ素を被覆する面を粗面とする具体
的方法としては、 ■砥石等による傷つけ処理 ■中間層表面に柱状晶および/または針状晶となる、ま
たはこれらを含む物質を被覆する方法。 ■中間層表面をエッチングにより粗面とする■中間層最
外表面にマスクを施してからエッチングし、その後マス
クを取り除く方法 ■レーザー、ブラシ、砥石等による物理的加工による方
法 ■粒の粗い粒子を基材の一部に被覆する方法■基材表面
において、被覆する部分と、被覆しない部分を設ける 等、基材に応じて適当な方法を選択する。■の方法は、
中間層最外表面をダイヤモンド、BN砥粒を用いたレジ
ンボンド砥石、メタルボンド砥石、電着砥石などにより
加工する方法であり、例えば図3に示すような粗面が得
られる。■は一般に行われているCVD法、プラズマC
VD法、RFCVD法などにより、中間層最外表面に針
状または/および柱状晶の窒化珪素、炭化珪素、酸化ア
ルミニウムなどの結晶を析出させる方法であり、例えば
図4に示すような粗面が得られる。■はチタンの炭化物
、窒化物および炭窒化物等を最外表面として、王水など
の酸にてエッチングして表面を粗面とする方法であり、
例えば図5に示すような粗面が得られる。■の方法はホ
トマスクを用い任意のパターンにマスクを設けた後、エ
ッチング等によりマスクを取り除く方法であり、例えば
図6に示すような粗面が得られる。図6において中間層
の最外表面の平坦部がマスクされていた部分である。■
はアルゴンレーザー等により中間層最外表面に溝入れ加
工したり、ダイヤモンドブラシや各種砥石にて溝入れ加
工するなどの方法であり、例えば図7に示すような粗面
が得られる。■、■はイオンプレーティング法などによ
り、基材表面に粗粒のタングステン、モリブデン、チタ
ンおよび/またはこれらの窒化物、炭化物、炭窒化物を
被覆する、あるいは一般に行われているCVD法、プラ
ズマCVD法、RFCVD法等で核発生をコントロール
し膜厚分布の不均一な被覆層を設ける方法である。図8
は中間層最外表面が微粒の集合体からなり、基材の全面
を被覆した状態を示す。図9は中間層最外表面が粗粒か
らなり、基材の全面を被覆した状態を示す。図10は微
粒の集合体で基材を部分的に被覆した状態を示す。図1
1は粗粒により基材を部分的に被覆した状態を示す。
【0010】いずれにしても、このようにして形成され
る中間層最外表面は、窒化ホウ素被覆層−中間層界面に
おいて、基準長さを50μmとした時、この基準長さ内
において、基材界面での面粗度が、Rmax にて、0
.5〜30μmにあることが必要で、凸部が窒化ホウ素
被覆層中に侵入長さ0.2μm以上を以って侵入してい
ることが好ましい。基材界面での面粗さが、Rmax 
にて、0.5μm未満の場合、密着強度の向上は見られ
ず、30μmを越えると逆に密着強度の低下が見られた
。また、凸部の最大侵入深さが0.2μm未満の場合、
密着強度はほぼ変わらない。
【0011】そして、基材そのものを粗面とした場合に
比べると、中間層を全面に被覆した場合、表面状態が均
一となるため、核発生が均一に起こり、均質な膜が得ら
れることも判った。
【0012】また、ここで述べる中間層は、窒化ホウ素
が被覆される全表面に対して少なくとも10%の面積以
上被覆されれば、密着強度の向上が見られることも判っ
た。つまり、面積の90%は基材むき出しでも効果があ
り、前記■の手段による場合(図10、図11)に対応
する。
【0013】さらに、中間層最外表面が、アスペクト比
1.5以上の柱状結晶を含む物質である場合や、針状結
晶を含む物質である場合、さらに密着強度が高くなるこ
とも判った。
【0014】中間層を構成する材料としては、、窒化珪
素、窒化珪素を含む物質、サイアロン、サイアロンを含
む物資、炭化珪素、炭化珪素を含む物質、酸化アルミニ
ウム、酸化アルミニウムを含む物質、IVa族、Va族
、VIa族、VII a族の中から選ばれる少なくとも
1種以上の金属、これらの合金、これらの炭化物、窒化
物および/または炭窒化物、例えばチタン、チタンの炭
化物もしくは炭窒化物、チタンと他の1種もしくは2種
以上の金属の炭化物または炭窒化物およびこれらを含む
物質、タングステン、タングステンの炭化物もしくは炭
窒化物、タングステンと他の1種もしくは2種以上の金
属の炭化物または炭窒化物およびこれらを含む物質等、
からなる群から選ばれる。そしてこれらから構成された
中間層最外表面は、巨視的粗面または微視的な凹凸が存
在する粗面が望ましい。ここでサイアロン(Sialo
n)は、窒化珪素結晶のSiおよびNの一部がそれぞれ
AlとOで置換されたものであり、α−サイアロン、β
−サイアロンがある。
【0015】中間層は1層であっても2層以上の多層構
造であってもよい。中間層が多層構造の場合、基材と接
する層として基材との密着強度が高い材料を選択し、ま
た窒化ホウ素被覆層と接する層つまり最外表面を構成す
る層としては窒化ホウ素との密着強度の高い材料を選択
することが好ましい。中間層が1層でも多層であっても
、中間層全体の平均層厚に関しては、0.2μm未満で
、被覆面積が10%未満の場合、中間層による密着強度
の向上が認められず、また300μmを越える中間層を
形成した場合、逆に密着強度が低くなるため、平均層厚
は0.2μm〜300μmが望ましい。本発明の中間層
は、CVD法、PVD法、スパッタリング法など、公知
のどのような方法で形成してよく、いずれも本発明の効
果を奏する。
【0016】基材は、超硬合金、サーメット、Al2 
O3 、窒化珪素、炭化珪素など各種セラミックを始め
とする硬質材料であれば何でも可能である。この中で、
特に、窒化珪素、炭化珪素、炭化チタン、窒化チタン、
炭窒化チタンのようなチタンの化合物および/またはチ
タンの化合物を含む物質、タングステンの炭化物および
/またはタングステン合金の炭化物および/またはこれ
らを含む物質による凹凸が存在する場合、高い密着強度
を示すことも判った。
【0017】なお、窒化ホウ素被覆層の平均層厚は、0
.1μm未満では被覆層による耐磨耗性など諸性能の向
上が認められず、また300μmを越える被覆層を形成
した場合でも、もはや大きな性能の向上が認められない
ため、平均層厚0.1μm〜300μmが望ましい。
【0018】また、窒化ホウ素被覆層として上記では窒
化ホウ素一般について説明したが、これはすべてCBN
でなくとも実用上問題はない。少なくとも1容量%以上
のCBNを含み、その他の部分が他結晶型の窒化ホウ素
あるいはホウ素、炭素、酸素、鉄またはコバルトなどの
他元素であっても被覆層の存在による耐摩耗性の向上が
認められる。さらにまた、六方晶窒化ホウ素などの他の
結晶型をした窒化ホウ素を被覆した後、なんらかの熱処
理を行い、これらの被覆層の結晶構造などに変化を起こ
した場合でも、本発明は密着強度向上の効果が認められ
る。また、これらの単層または多層以上で構成されてい
るものでも同様の効果が認められる。次に本発明を実施
例により具体的に説明する。
【0019】
【実施例】実施例1母材として、K10超硬合金(具体
的にはWC−1.5wt%NbC−5%Co)および窒
化珪素基のセラミック(具体的にはSi3 N4 −4
wt%Al2 O3 −4wt%ZrO2 −3wt%
Y2 O3 )で形状がSPG422のスローアウェイ
チップを作製した。本チップ表面に、公知の気相合成法
を用いて、(1)Al2 O3 −TiC被覆層を、3
μmの平均層厚にて形成(超硬母材) (2)Al2 O3 −TiC被覆層を、3.5μmの
平均層厚にて形成(セラミック母材) (3)TiN被覆層を、2.5μmの平均層厚にて形成
(超硬母材) (4)TiN被覆層を、4.0μmの平均層厚にて形成
(セラミック母材) (5)SiC被覆層を、3.5μmの平均層厚にて形成
(超硬母材) (6)Si3 N4 被覆層を、3.0μmの平均層厚
にて形成(超硬母材) (7)SiC被覆層を、30μmの平均層厚にて形成(
超硬母材) (8)SiC被覆層を、100μmの平均層厚にて形成
(超硬母材) (9)Si3 N4 被覆層を、15μmの平均層厚に
て形成(超硬母材) (10)Si3 N4 被覆層を、80μmの平均層厚
にて形成(超硬母材) した。 チップ最外表面には、(1)、(2)には、短径1.0
μm、長径10μmのα−Al2 O3 を析出させた
。 (3)、(4)には、短径2.0μm、長径5.0μm
の針状窒化珪素を析出させた。 (5)には、短径1.5μm、長径9.0μmのSiC
ウイスカーを析出させた。 (6)には、短径2.0μm、長径6.0μmのSi3
 N4 柱状晶を析出させた。 (7)、(8)には、短径1.5μm、長径10μmの
ウイスカーを最外表面に形成し、(9)、(10)には
、短径1.5μm、長径5μmのSiN4 柱状晶を最
外表面に析出させた。それぞれの表面面粗度は、Rma
xにて3〜5μmであった。このようにして作製したチ
ップを、公知のRFプラズマCVD法セチイテ、基板温
度を500℃とし、ジボランガス:N2 ガス=1:2
の比にて0.05Torrまで導入し、切削チップの切
れ刃近傍で3.0μmの平均層厚を持つ本発明の窒化ホ
ウ素被覆切削チップ(1)〜(10)を作製した。また
、比較のため、同一形状、同一組成で、中間層を被覆し
なかったチップ(比較チップ1:超硬合金母材)と、こ
の中間層なしのチップにも同じ条件で窒化ホウ素被覆層
を設けた比較チップ2(超硬合金母材)も準備した。な
お、本試験において、基材の表面に析出した被覆層は、
赤外線吸収分析、オージェ分析、透過電子線回折法によ
って、CBNを1容量%以上含む窒化ホウ素被覆層であ
ることを確認した。
【0020】これらの切削チップを用いて、被削材  
  :  H230を有するFC30の丸棒切削速度 
 :  1000m/min送り      :  0
.3mm/rev.切込み    :  1.5mm 切削油    :  エマルジョンタイプの条件にて湿
式連続切削を行い、使用寿命とされる切れ刃の逃げ面摩
耗量が0.1mmに至るまでの切削時間を調べたところ
、本発明切削チップが18〜22分であったのに対して
、比較チップ1は2分、比較チッフ2は3.5分であり
、窒化ホウ素被覆層が大きく剥離しているのが観察でき
た。
【0021】切削試験後のチップを切断、ラッピング後
、中間層最外表面−ダイヤモンド被覆層界面を光学顕微
鏡にて観察したところ、本発明切削チップ(1)、(2
)においてはα−Al2 O3 が、(3)、(4)に
おいては針状TiNが、(5)、(7)、(8)におい
てはSiCウイスカーが、(6)、(9)、(10)に
おいては窒化珪素柱状晶が、窒化ホウ素被覆層に最大2
μm〜4μmの深さにて侵入しており、中間層最外表面
−窒化ホウ素被覆層界面において50μm基準長さにお
ける微視的面粗度は、Rmax にて3μm〜4μmで
あった。また、比較チップ1、2においては、基材への
窒化ホウ素被覆層中への侵入は観察されなかった。
【0022】実施例2 母材として、K10超硬合金(具体的にはWC−5%C
o)および窒素含有サーメット(具体的には38wt%
TiC−12wt%TiN−10wt%TaN−10w
t%Mo2 C−15wt%WC−5wt%Ni−10
wt%Co)で形状がSPG422のスローアウェイチ
ップを作製した。本チップ表面に、公知のイオンプレー
ティング法を用いて、 (1)粒径0.5μmのW  切れ刃近傍における被覆
面積30%(超硬母材) (2)粒径1μmのW      切れ刃近傍における
被覆面積60%(超硬母材) (3)粒径1.2μmのW  切れ刃近傍における被覆
面積100%(超硬母材) (4)粒径1μmのW  切れ刃近傍における被覆面積
60%(サーメット母材) (5)粒径1μmのTi    切れ刃近傍における被
覆面積60%(超硬母材) (6)粒径1.5μmの  Ti切れ刃近傍における被
覆面積60%(サーメット母材) (7)粒径2.0μmのMo  切れ刃近傍における被
覆面積60%(超硬母材) (8)粒径2.5μmのMo  切れ刃近傍における被
覆面積100%(超硬母材)をそれぞれ中間層として被
覆した。 これらのチップ表面面粗度は(3)を除くとRmax 
にて2μm〜2.5μmとなった。(3)はRmax 
にて0.7μmであった。また、比較のため、これらの
中間層を設けなかった比較チップ1(超硬合金)、2(
サーメット)を準備した。比較チップも含めたこれらの
チップに、公知の高周波スパッタリング法により、ター
ゲットとては六方晶BNターゲットを用い、基本加熱温
度200〜500としー、雰囲気N2 /Ar比が1/
10、雰囲気圧力0.01Torr、バイアス電圧10
0V、反応温度10時間にて、層厚5μmの窒化ホウ素
被覆切削チップ1〜6(以下本発明切削チップ1〜6と
呼ぶ)、比較チップ1、2を作製した。なお、本試験に
おいて基材の表面に析出した被覆層は、赤外線吸収分析
、オージェ分析、透過電子線回折法によって、CBNを
1容量%以上含む窒化ホウ素被覆層あることを確認した
【0023】これらの切削チップを用いて、被削材  
  :  H230を有するFC30の丸棒切削速度 
 :  1000m/min送り      :  0
.3mm/rev.切込み    :  1.5mm 切削油    :  エマルジョンタイプの条件にて湿
式連続切削を行い、使用寿命とされる切れ刃の逃げ面摩
耗量が0.1mmに至るまでの切削時間を調べたところ
、本発明切削チップで(3)を除いたものは22〜24
分、比較チップ1は2分、比較チップ2は3分であり、
被覆層が大きく剥離しているのが観察できた。本発明チ
ップ(3)は18分で、窒化ホウ素被覆層が若干剥離し
ているのが観察できた。
【0024】切削試験後のチップを切断、ラッピング後
、基材−窒化ホウ素被覆層界面を光学顕微鏡にて観察し
たところ、本発明切削チップにおいては、W粒またはT
i粒が窒化ホウ素被覆層に最大2.0μmの深さにて侵
入しており、50μmの基準長さ内における表面面粗度
は、Rmax にて1.5μm〜2.5μmであった。 なお(3)は微視的Rmax 0.4μmであった。
【0025】
【発明の効果】本発明窒化ホウ素被覆硬質材料において
は、いずれも従来の窒化ホウ素被覆硬質材料と比べると
、良好な耐剥離性を持つことがわかる。本実施例は超硬
合金、窒化珪素基セラミック、窒素含有サーメットを基
材として、切削工具に適用した場合に付いて示したが、
炭化珪素、Al2 O3 を主体とした各種セラミック
など、各種硬質材料を基材とした場合も、良好な結果が
得られることは十分予想できる。また、TABツールな
どの耐摩工具や機械部品に応用した場合も、良好な結果
が得られることは、十分予想できる。そのほか、エンド
ミル、ドリル、プリント基板穴あけ用ドリル、リーマー
にも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中間層−窒化ホウ素被覆層界面の状態
を模式的に示す概念図である。
【図2】図1に示される状態を直線に擬似化した説明図
である。
【図3】本発明において、砥石等の傷つけ処理により粗
面とした例の説明図である。
【図4】本発明において、中間層表面に柱状晶および/
または針状晶を被覆して粗面とした例の説明図である。
【図5】本発明において、中間層表面をエッチングして
粗面とした例の説明図である。
【図6】本発明において、中間層最外表面にマスクを施
してからエッチングして粗面といた例の説明図である。
【図7】本発明において、レーザー等による物理的加工
により粗面とした例の説明図である。
【図8】本発明において、微粒の集合体を基材の全面に
被覆した例の説明図である。
【図9】本発明において、粗粒を基材の前面に被覆した
例の説明図である。
【図10】本発明において、微粒の集合体を基材に部分
被覆した例の説明図である。
【図11】本発明において、粗粒を基材に部分被覆した
例の説明図である。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  硬質材料の表面に、窒化ホウ素被覆層
    を形成してなる被覆硬質材料において、基材表面と窒化
    ホウ素被覆層の間に1層以上の中間層が存在し、中間層
    最外表面の面粗度がRmax にて0.5μm以上であ
    ることを特徴とする窒化ホウ素被覆硬質材料。
  2. 【請求項2】  硬質材料の表面に、窒化ホウ素被覆層
    を形成してなる被覆硬質材料において、基材表面と窒化
    ホウ素被覆層の間に1層以上の中間層が存在し、中間層
    最外表面−窒化ホウ素被覆層界面において、(1)微視
    的凹凸が存在し、(2)基準長さを50μmとしたとき
    、この基準長さ内の面粗度がRmax にて0.5〜3
    0μmであることを特徴とする窒化ホウ素被覆硬質材料
  3. 【請求項3】  中間層の被覆面積が、窒化ホウ素が被
    覆される面積の10%以上であることを特徴とする請求
    項1または2記載の窒化ホウ素被覆硬質材料。
  4. 【請求項4】  中間層最外表面が、窒素珪素、窒化珪
    素を含む物質、サイアロン、サイアロンを含む物質およ
    びまたはこれらを含む物質からなる群れから選ばれるも
    ので構成されることを特徴とする請求項1〜3の何れか
    に記載の窒化ホウ素被覆硬質材料。
  5. 【請求項5】  中間層最外表面が、炭化珪素および/
    または炭化珪素を含む物質で構成されることを特徴とす
    る請求項1〜3の何れかに記載の窒化ホウ素被覆硬質材
    料。
  6. 【請求項6】  中間層最外表面が、酸化アルミニウム
    および/または酸化アルミニウムを含む物質で構成され
    ることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の窒化
    ホウ素被覆硬質材料。
  7. 【請求項7】  中間層最外表面が、(1)IVa族、
    Va族、VIa族、VII a族の中から選ばれる少な
    くとも1種以上の金属および/またはこれらの合金、(
    2)これらの炭化物、窒化物および/または炭窒化物か
    らなる群から選ばれる少なくとも1種の材料で構成され
    ることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の窒化
    ホウ素被覆硬質材料。
  8. 【請求項8】  中間層最外表面が、(1)チタン、(
    2)チタンの炭化物または炭窒化物、(3)チタンと他
    の1種または2種以上の金属の炭化物または炭窒化物お
    よび(4)これらを含む物質からなる群から選ばれる少
    なくとも1種の材料で構成されることを特徴とする請求
    項7記載の窒化ホウ素被覆硬質材料。
  9. 【請求項9】  中間層最外表面が、(1)タングステ
    ン、(2)タングステンの炭化物または炭窒化物、(3
    )タングステンと他の1種または2種以上の金属の炭化
    物または炭窒化物および(4)これらを含む物質からな
    る群から選ばれる少なくとも1種の材料で構成されるこ
    とを特徴とする請求項7記載の窒化ホウ素被覆硬質材料
  10. 【請求項10】  中間層の最外表面に、アスペクト比
    が1.5以上の柱状形状の物質が存在することを特徴と
    する請求項1〜9の何れかに記載の窒化ホウ素被覆硬質
    材料。
  11. 【請求項11】  中間層の最外表面に、針状形状であ
    る物質が存在することを特徴とする請求項1〜9の何れ
    かに記載の窒化ホウ素被覆硬質材料。
  12. 【請求項12】  硬質材料が、(1)超硬合金、(2
    )サーメット、(3)Al2 O3 、窒化珪素、炭化
    珪素などの各種セラミック、または(4)これらの複合
    材料であることを特徴とする請求項1〜11の何れかに
    記載の窒化ホウ素被覆硬質材料。
  13. 【請求項13】  中間層全体の平均層厚が、0.2μ
    m〜300μmであることを特徴とする請求項1〜12
    の何れかに記載の窒化ホウ素被覆硬質材料。
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Cited By (6)

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