JPH06170735A - 多結晶ダイヤモンド砥石の製造方法 - Google Patents

多結晶ダイヤモンド砥石の製造方法

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JPH06170735A
JPH06170735A JP35047592A JP35047592A JPH06170735A JP H06170735 A JPH06170735 A JP H06170735A JP 35047592 A JP35047592 A JP 35047592A JP 35047592 A JP35047592 A JP 35047592A JP H06170735 A JPH06170735 A JP H06170735A
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polycrystalline diamond
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Toshihiro Tsumori
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】研削部基体表面の1部に銀又は黒鉛によりマス
キング層を形成した後、ダイヤモンド気相合成法により
該基体表面に部分的に多結晶ダイヤモンド粒子を析出さ
せることを特徴とする多結晶ダイヤモンド砥石の製造方
法。 【効果】本発明によれば、砥石基体表面の一部分をマス
キングすることにより基体表面上の多結晶ダイヤモンド
粒子の析出点または面積を制御でき、これにより基体と
多結晶ダイヤモンド粒子との密着強度を低下させること
なく、実用的な研磨性能を有するダイヤモンド砥石の製
造方法を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は研磨特性に優れた多結晶
ダイヤモンド砥石の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電磁波等により原料ガスを励起
し、大気圧以下の減圧下で研削部基体表面に多結晶ダイ
ヤモンドを析出させる気相合成方法が盛んに研究されて
いる。このダイヤモンド合成方法により得られるダイヤ
モンドは、従来の天然又は人工合成ダイヤモンドが単結
晶であったのに対し、多結晶の粒子、又は膜状である。
多結晶ダイヤモンドはその角が鈍く、応力や衝撃力に対
しての破壊強度が単結晶に比べて高く、砥粒として見た
場合、微粒で均一性が高いという特徴を有している。こ
の為気相合成法により多結晶ダイヤモンドを析出させた
砥石は、クリープフィールド研磨等の重研削及び仕上げ
研磨等の精密研磨に適する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ダイヤモンド気相合成
法により研削部基体表面にダイヤモンドを析出させて砥
石を製造した場合、基体とダイヤモンドとの接合強度が
弱く実用上問題とされている。そのため基体を前処理
(キズ付け処理、熱処理)してダイヤモンドの核の発生
数を高めたり(特公平1-4586号参照)、中間層を形成さ
せる例えば非化学量論組成の炭化物、窒化物を被覆して
ダイヤモンドの気相合成を行う方法(特開昭61-104078
号参照 )が提案されている。しかしながら、これらの方
法により得られる多結晶ダイヤモンドは、析出密度が高
くなり過ぎて膜状となってしまう。この様な膜状となっ
たダイヤモンドの表面は、砥石としては平滑であり、研
磨に必要な凹凸を持たない為、表面のダイヤモンド多結
晶の特性が研磨に適しているにも拘らず実用的な研削性
能を有する砥石にならない。本発明は前記多結晶ダイヤ
モンド気相合成法の欠点を改善し、凹凸のある多結晶ダ
イヤモンド層を析出させて優れた研削性能を持つ砥石の
製造方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる課題を
解決すべく種々検討を行った結果、研削部基体に部分的
なマスキングを施した後、ダイヤモンド気相合成法を行
うことで多結晶ダイヤモンドを所望のパターン部に析出
させてやれば表面に適度な凹凸を有する砥石が出来るこ
とを見い出した。さらに、このマスキング材料について
検討を進めた結果、銀及び黒鉛がダイヤモンドの気相合
成法では極めて優れたマスキング材料であることを見い
出し、諸条件を究明して本発明を完成させた。本発明の
要旨は、研削部基体表面の1部に銀又は黒鉛によりマス
キング層を形成した後、ダイヤモンド気相合成法により
該基体表面に部分的に多結晶ダイヤモンド粒子を析出さ
せることを特徴とする多結晶ダイヤモンド砥石の製造方
法にある。
【0005】以下、本発明を詳しく説明する。本発明に
おける砥石の研削部基体としては、セラミック材では S
i3N4焼結体、WC焼結体、金属材料ではMo、W、Ni、Cu等
の金属、及びこれらを主成分としたハステロイ C-274、
コンスタンタン等の合金が挙げられ、被研削材、研削機
械、研削条件等に応じて適宜選択される。例えば、分速
2万回転以上で用いられる棒状砥石の場合は、その基体
に強度の高い Si3N4焼結体、WC焼結体、またはハステロ
イ C-274が好ましく、工作物の仕上げ研磨等に分速1万
回転以下で用いられるディスク状砥石については、靭
性、延性の高いMo、Ni、Cu及びコンスタンタンといった
金属材料が適する。これらの基体材料のうち、特にWC焼
結体については10重量%以下の金属Coを助材として含有
するものが好ましい。これは10重量%以上のCoを含有す
る材料ではCoによりダイヤモンドが吸収されてしまい、
グラファイト成分のみが生成するためである。砥石の形
状については特に制限は無いが通常は直方体、円筒、円
錐、円板状で砥石、電動工具用のホイール、ドリル、ダ
イス、ダイヤモンドポイント等と呼ばれているものに加
工される。
【0006】本発明の最大の特徴は多結晶ダイヤモンド
気相合成法により多結晶ダイヤモンドを析出させるに際
し、前処理として前記砥石の研削部基体の1部即ち多結
晶ダイヤモンドを析出させない部分に銀または黒鉛のマ
スキング層を形成させることにあり、以下このマスキン
グ方法とマスキング材について述べる。先ず、マスキン
グ処理の前に表面処理、例えばダイヤモンド砥粒による
ラッピングや、酸による表面酸化膜の除去等を行う。こ
れらの前処理により析出する多結晶ダイヤモンド粒子の
生成密度が高くなり、又その付着強度が向上する。次い
で研削部基体表面にマスキング処理を施すが、マスキン
グ材に銀又は黒鉛を使用することに特徴がある。銀は炭
素との反応性が低い物質でありダイヤモンド気相合成中
の黒鉛及びダイヤモンドの付着が見られない。又黒鉛は
ダイヤモンド気相合成中に微量のダイヤモンドの付着が
見られるが、析出するダイヤモンド粒子との密着性が 3
0g/cm2以下と極めて小さいため、気相合成後の洗浄処理
等によりマスキング材及びマスキング部表面のダイヤモ
ンド粒子材を容易に除去できる。
【0007】さらに銀及び黒鉛は、人体に対する毒性及
び発癌性が他の重金属類に比べて極めて小さいため、こ
れらマスキング材の残留付着により砥石が汚染される心
配が無く、医療用の研削材の製造に適するという利点が
ある。このマスキング層の膜厚は5〜 200μmの範囲が
好ましい。5μm未満ではダイヤモンド気相合成時の励
起ガスによるスパッタリング効果によりマスキング層が
消失してしまう。又 200μmを越えると基体との熱膨張
率の違いによりダイヤモンド気相合成中に剥離し易くな
る。マスキング材を基体上に塗布する方法は、銀は湿式
メッキ、真空蒸着、銀粉印刷、銀粉スプレー、また黒鉛
は真空蒸着、黒鉛粉印刷、黒鉛スプレーによって可能で
ある。湿式メッキ及び真空蒸着によりマスキング材を塗
布する場合には、予め多結晶ダイヤモンドを析出させる
部分を電気絶縁性テープ又は電気絶縁性塗料でマスキン
グを施してから行なう。印刷によりマスキング材を塗布
する場合には、銀又は黒鉛微粉末を有機溶材中に分散さ
せた塗料を用いて印刷する。尚、マスキング材を塗布す
る基体の表面は、マスキング材の濡れ性を向上させるた
めに粗面化、或いは凹形状の溝を形成しても良い。
【0008】基体表面にマスキングされる面積割合は、
研削部基体表面に対して10〜80%の範囲が好ましく、更
に好ましくは20〜60%である。この範囲外では研削効果
が低下し、好ましくない。また、マスキングの形状は、
線状、まだら模様等特に限定されないが、基体表面全面
に対して均一にマスキングされることが望ましい。図1
〜図3にマスキングパターンを例示するが、本願発明は
これらに限定されるものではない。以上のようなマスキ
ング処理を施すことにより基体表面にダイヤモンド多結
晶が析出した時にこのマスキング処理面である非析出部
分に対して凸のダイヤモンド多結晶が形成され、これに
より研削性が向上する。
【0009】次に以上のようにしてマスキング処理を施
した研削部基体表面に公知のダイヤモンド気相合成法に
よりダイヤモンド多結晶粒子を析出させる。多結晶ダイ
ヤモンド気相合成法とは、一般に、ガス状の炭化水素化
合物と、水素ガス、酸素ガス、二酸化炭素ガス又はヘリ
ウム、ネオン、アンゴン等の不活性ガスとからなる混合
原料ガスを励起させ、得られる活性ガスを基体表面に接
触させて多結晶ダイヤモンド粒子を多結晶粒状又は薄膜
状に被覆する方法である。原料ガスの励起方法としては
熱フィラメント法、直流プラズマ CVD法、マイクロ波プ
ラズマ CVD法、燃焼炎法、イオンビーム蒸着法等の何れ
の方法でも良い。この活性ガスを接触させる際の基体の
表面温度は、本発明においては 500〜 900℃、好ましく
は 700〜 850℃の範囲である。この表面温度が 500℃未
満ではダイヤモンドの析出速度が遅くなったり析出物の
結晶性、均質性が失われたりする。一方900℃を超える
とマスキング材の軟化、劣化が起こり好ましくない。反
応圧力は通常10-2〜 760Torrの減圧系であり、マイクロ
波プラズマ CVD装置等の無極放電 CVD装置においては10
-1〜 300Torrの範囲が好ましい。反応時間は基体表面上
に析出する多結晶ダイヤモンド層の厚みに比例してお
り、目標の厚みに応じて設定される。印加するマイクロ
波の電力は用いる基体、反応圧力により大きく異なる
が、通常 0.5〜 2.0Kwの範囲である。
【0010】マイクロ波プラズマ CVD法を用いた場合の
原料ガスとしては、炭化水素ガス(A)としてはメタ
ン、エタン、プロパン、エチレン、アセチレン等が例示
され、これらと第1エッチングガス(B)として水素ガ
スとの混合割合(モル比)は、A/(A+B)= 0.001
〜0.06の範囲であることが好ましい。さらに第2エッチ
ングガス(D)として酸素、二酸化炭素、水蒸気等の含
酸素ガスが例示され、これらのガス(D)の混合は析出
する多結晶ダイヤモンド粒子の純度、及び析出速度の向
上に有効である。これらのガス(D)を併用する場合
は、上記(A)と(B)の混合条件に加えて、D/(A
+D)≦0.4(モル比)の範囲とするが良い。
【0011】砥石として用いる場合、析出する多結晶ダ
イヤモンド層が非析出部表面に対して5〜 300μmの範
囲で突き出しているのが良く、特に歯科用研削具として
は10〜 200μmの範囲が適する。5μm未満の場合には
砥石としての切り込み量が不十分であり、研削性能が劣
る。一方 300μmを超えると多結晶ダイヤモンド粒子層
が容易に剥離してしまう。
【0012】気相合成法により、所定の厚みの多結晶ダ
イヤモンド粒子層を析出させた後、必要に応じてマスキ
ング材の除去を行う。研削効果を向上させるためにはマ
スキング材を除去することが好ましい。マスキング材の
除去方法としては、有機溶媒中での超音波印加、酸によ
るエッチング処理、ブレードによるカッティング、プラ
ズマエッチング等が挙げられる。これらの除去方法は基
体材種及びマスキング材の組み合わせを勘案してより最
適なものを選択する。以上述べた製法により研削部基体
のマスキング部を除く表面に多結晶ダイヤモンドが粒子
状に析出し、基材表面に強固に接着しており、優れた研
削性能を発揮する。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施態様を実施例を挙げて具
体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。 (実施例1)Coを5重量%含有した12mm角、高さ 3.5mm
の直方形のWC焼結体を研削部基体とし、これをHNO38重
量%水溶液 100gに20℃で30分間浸漬し、その後十分水
洗いして乾燥した。次にマスキング材としていで銀ペー
スト”シルベスト”( (株)徳力化学研究所製商品名)
をトルエンで希釈した液を、スプレーガンを用いて基体
表面に吹き付け、図1に示したように銀ペーストが点々
とランダムに付着した基体を得た。この基体を外気中で
十分乾燥させた後、マッフル炉内で 300℃×4Hrの焼成
を行い有機バインダーを除去した。この時の研削部基体
表面に対するマスキング面積割合は40%であった。この
マスキング点の銀の厚みを 400倍光学顕微鏡により調べ
た所20〜60μmの範囲であった。次いでこの基体を熱フ
ィラメント CVD装置の内部に設置し、フィラメント温度
2,400℃、基体とフィラメントの間隔11mm、圧力 100To
rrの条件下で1モル% CH4を含む水素ガスを100cc/min
の速度で流通させつつ20Hrの多結晶ダイヤモンド合成を
行った。反応終了後基体表面を光学顕微鏡50〜1,000 倍
で調べたところ銀の付着した部分を除く、基体表面に多
結晶ダイヤモンドが析出し、表面が銀マスク面と多結晶
ダイヤモンド析出面とがまだらとっている様子が認め
られた。又、銀付着マスキング面と多結晶ダイヤモンド
析出面との凹凸を調べた所、多結晶ダイヤモンド面が10
〜30μmの範囲で銀付着マスキング面に対して凸となっ
ている様子が認められた。
【0014】(実施例2)Coを6重量%含有した 2.4mm
φのWC焼結体丸棒を研削部基体とし、これをHNO38重量
%水溶液40gに20℃で30mm間浸漬し、その後充分水洗い
し乾燥した。この基体の外周に線径 0.2mm銅線を等間隔
となる様にして25回巻き付けた。次にマスキング材とし
てカーボンスプレー(オリエンタル産業 (株) 社製トヨ
カエース)をこの基体表面に吹き付けた後、外周に巻い
た銅線を取り除き、図2に示したようにカーボンが螺旋
状に付着した基体を得た。この時の研削部基体表面に対
するマスキング面積割合は40%であった。この基体を外
気で充分乾燥させた後、オーブン内で 100℃×5Hrの乾
燥を行い残溶剤を除去した。螺旋状に基体表面に付着し
た黒鉛の厚みを光学顕微鏡により 1,000倍で調べた所32
〜40μmの範囲であった。この基体をマイクロ波プラズ
マ CVD装置の内部に設置し、基体温度 820℃、反応圧力
80Torr条件下で4モル%の CH4及び2モル%の CO2を含
む水素ガスを100cc/min.の速度で流通させつつ15Hrのダ
イヤモンド合成を行った。反応終了後、基体をベンゼン
中に浸漬し、超音波洗浄器(周波数26KHZ、出力 150W)
により20分間の超音波洗浄を行なって黒鉛を除去し、棒
状の多結晶ダイヤモンド付き砥石を得た。この砥石表面
を光学顕微鏡50〜 100倍で調べたところ黒鉛の付着して
いた螺旋状部分を除く螺旋状基体表面に多結晶ダイヤモ
ンドの膜が析出している様子が認められた。基体表面と
多結晶ダイヤモンド膜との凹凸、即ちダイヤモンド膜の
厚さを調べたところ13μmであった。このダイヤモンド
砥石の研磨性を知る為に砥石を高速ボール盤の回転軸に
取付け、毎分 2.4万回転で回転させつつ砥石棒の側面に
幅 1.4mmのガラス板を荷重0.1kgfで押しつけて研磨速度
を調べた所、0.8mm/min.の速度でガラス板が研磨され
た。
【0015】(実施例3)純Moのφ25mm、厚さ 0.5mmで
中央に3mmの穴を有するドーナツ状の円板を研削部基体
とし、これを 0.5μmのダイヤモンド砥粒を 0.2重量%
となる様に分散したエタノール中に浸漬し、超音波洗浄
器(周波数 26KHZ、出力 150W)により30分間処理し
た。その後アセトンで水洗いし乾燥した。次に、銀ペー
ストを実施例1と同様基体表面に吹きつけ焼成を行った
後、銀が点々と付着した基体を得た。この時の研削部基
体表面に対するマスキングの面積割合は60%であった。
また基体表面に付着した銀の厚みを光学顕微鏡により 4
00倍で調べた所、60〜 150μmの範囲であった。この基
体をマイクロ波プラズマ CVD装置の内部に設置し、基体
温度 800℃、反応圧力40Torrの条件下で4モル%の CH4
及び2モル%の CO2を含む水素ガスを100cc/min.の速度
で流通させつつ6Hrのダイヤモンド合成を行った。反応
終了後、基体をHNO3の10重量%溶液に30分間浸漬し、液
を攪拌することで表面に付着した銀を除去し、ダイヤモ
ンド付き砥石板を得た。この砥石板の表面を光学顕微鏡
1,000 倍で調べた所、平均粒径5μmのダイヤモンド粒
子群が点々と析出している様子が認められた。このドー
ナ状砥石板の中央にマンドレル軸を接合し軸付き砥石と
した。この軸付き砥石の研削性能を調べる為、マイクロ
モータの回転軸に取付、毎分1,000 回転でガラス板の表
面仕上げを行った。被研磨体であるガラスの仕上げ面の
粗さを調べた所平均で 1.2μmであった。
【0016】(実施例4)窒化珪素を98%含有した20mm
角×5mm高さの直方体の焼結体を基体とし、これを1μ
mのダイヤモンド砥粒を 0.1重量%となる様に分散した
エタノール中に浸積し、超音波洗浄器(周波数26KHz、出
力150W)により30分間処理した。その後、アセトンで洗
浄して乾燥した。次に、この表面に接着テープにより図
3に示す様な線状マスキングパターンを形成した。次に
この基体を眞空蒸着装置内に設置し、系内を 5.6×10-4
Paまで減圧した後、イオンビームガンにより銀を蒸発さ
せ30min 間の蒸着操作を行った。この時の研削部基体表
面に対するマスキングの面積割合は40%であった。次い
で装置内より基体を取り出し、接着テープを剥すことに
より銀20μm厚さの銀が線状にマスキングされた基体を
得た。この基体をマイクロ波でプラズマCVD装置、基
体温度 750℃、反応圧力30Torrの条件下で3モル%のC
4 および 1.5モル%のCO2 を含む水素ガスを100cc/mi
n の速度で流通させつつ 30 時間のダイヤモンド合成を
行った。反応終了後、基体を25℃40重量%の硝酸中に浸
積して銀マスキング層を溶解させ、基体表面に帯状にダ
イヤモンド多結晶が付着した基体を得た。この基体の非
ダイヤモンド析出面とダイヤモンド多結晶表面との凹
凸、即ち ダイヤモンド膜の厚さをマイクロメーターに
より調べたところ、8μmであった。
【0017】(比較例1)実施例2で用いたのと同様の
基体を研削部基体として用い、これを1μmのダイヤモ
ンド砥粒0.25重量%を分散したエタノール中に浸積し、
超音波洗浄器(周波数26KHz,出力150W)により20分間処
理した。その後、アセトンで洗浄して乾燥した。次いで
この基体に実施例2と同様の条件でマイクロ波プラズマ
処理し、基体表面にダイヤモンドを合成した。反応終了
後、棒状の多結晶ダイヤモンド付き砥石を得た。この砥
石の表面を光学顕微鏡50〜100 倍で調べたところ、全面
に膜状の多結晶ダイヤモンドが析出していることが認め
られ、その表面の凹凸は平均0.9 μmであった。このダ
イヤモンド砥石の研削性を実施例2と同様の条件で調べ
たところ0.06mm/min. の低速度でしかガラス板を研磨す
ることができなかったた。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、砥石基体表面の一部分
をマスキングすることにより基体表面上の多結晶ダイヤ
モンド粒子の析出点または面積を制御でき、これにより
基体と多結晶ダイヤモンド粒子との密着強度を低下させ
ることなく、実用的な研磨性能を有するダイヤモンド砥
石の製造方法を提供することができ、産業上その利用価
値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明実施例1のマスキングパターンを示す
説明図である。
【図2】本願発明実施例2のマスキングパターンを示す
説明図である。
【図3】本願発明実施例4のマスキングパターンを示す
説明図である。
【符号の説明】
1 基体、 2 マスキング部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】研削部基体表面の1部に銀又は黒鉛により
    マスキング層を形成した後、ダイヤモンド気相合成法に
    より該基体表面に部分的に多結晶ダイヤモンド粒子を析
    出させることを特徴とする多結晶ダイヤモンド砥石の製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006073468A (ja) * 2004-09-06 2006-03-16 Ngk Spark Plug Co Ltd ヒータ用成形体及びセラミックヒータ
JP2012509164A (ja) * 2008-11-20 2012-04-19 エリコン・トレーディング・アクチェンゲゼルシャフト,トリュープバッハ コーティング設備のための洗浄方法
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