JPH06229649A - 車両用冷暖房装置 - Google Patents

車両用冷暖房装置

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JPH06229649A
JPH06229649A JP1391493A JP1391493A JPH06229649A JP H06229649 A JPH06229649 A JP H06229649A JP 1391493 A JP1391493 A JP 1391493A JP 1391493 A JP1391493 A JP 1391493A JP H06229649 A JPH06229649 A JP H06229649A
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潤一郎 原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車室外の気候条件に左右されず安定した制御
で冷暖房能力を向上することができ、しかも窓晴れ性と
暖房能力を両立し、外気温が低い極寒環境からやや高い
環境まで暖房運転ができ、しかも省エネルギを図ること
ができる冷暖房装置の提供を目的とする。 【構成】 コンプレッサ31、車室外熱交換器38、放
熱用車室内熱交換器33、膨張手段34、吸熱用車室内
熱交換器35、第1の制御弁(第1の冷媒流路切換手
段)を設ける他に、車室外熱交換器38を、膨張手段3
4の冷媒流出側とコンプレッサ31の冷媒吸入側との間
に適宜挿入接続できるように、第1の切換用流路96と
第2の切換用流路97とを設け、その接続箇所に、弱暖
房運転モード時に車室外熱交換器38を吸熱用熱交換器
として利用可能とするための第2の制御弁92と第2の
制御弁91とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンプレッサの駆動
により冷媒を車室外熱交換器および車室内熱交換器に循
環させる蒸気圧縮サイクルを備えた車両用ヒートポンプ
式冷暖房装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車両用ヒートポンプ式冷暖房装置
としては、特開平2−290475号公報や実開平2−
130808号公報などに開示されているように、四方
弁で冷媒の流れを暖房運転時と冷媒運転時とで逆転さ
せ、暖房運転時には、車室外熱交換器を吸熱器として使
用すると共に、車室内熱交換器を放熱器として使用し、
冷房運転時には、車室外熱交換器を放熱器として使用す
ると共に、車室内熱交換器を吸熱器として使用するよう
にしたものが知られている。
【0003】具体的には、上記特開平2−290475
号公報に開示された冷暖房装置を、図23に図示して説
明する。つまり、暖房運転時には、四方弁2が実線示の
ように切り換えられ、冷媒がコンプレッサ1→四方弁2
→第1車室内熱交換器3→加熱用熱交換器4→第2車室
内熱交換器5→膨張弁6→車室外熱交換器7→四方弁2
→レシーバ8→コンプレッサ1と循環し、第1車室内熱
交換器3がコンプレッサ1から吐出された高温なる冷媒
の熱をブロワファン9で導入された空気に放熱して車室
内暖房用の温風を作り、加熱用熱交換器4がエンジン1
0からの廃熱を冷媒に吸熱し、この冷媒の熱を第2車室
内熱交換器5がブロワファン11で導入された空気に放
熱して車室内暖房用の温風を作り、車室外熱交換器7が
ファン12で導入された外気の熱を冷媒に吸熱する。冷
房運転時には、四方弁2が点線示のように切り換えら
れ、冷媒がコンプレッサ1→車室外熱交換器7→膨張弁
6→第2車室内熱交換器5→第1車室内熱交換器3→四
方弁2→レシーバ8→コンプレッサ1と循環し、車室外
熱交換器7がコンプレッサ1から吐出さたれ高温なる冷
媒の熱を外気に放熱し、第1,第2車室内熱交換器3,
5がブロワファン9,11で導入された空気の熱を冷媒
に放熱して車室内冷房用の冷風を作る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来例にあって
は、四方弁2で冷媒の流れを暖房運転時と冷媒運転時と
で逆転させ、暖房運転時には、車室外熱交換器7を吸熱
器として使用すると共に、車室内熱交換器3,5を放熱
器として使用して車室内暖房用の温風を作り、冷房運転
時には、車室外熱交換器7を放熱器として使用すると共
に、車室内熱交換器3,5を吸熱器として使用して車室
内冷房用の冷風を作るようになっているので、特に外気
温が低い時に暖房運転を行なうと、車室外熱交換器7で
の吸熱量が減少する。そして、コンプレッサ1の仕事量
が一定であると仮定すると、車室外熱交換器7からの吸
熱量とコンプレッサ1の仕事量との合計熱量を放熱する
車室内熱交換器3,5での放熱量が減少し、暖房能力が
低下する。しかも、降雨時や降雪時などの気候条件で
は、着霜現象が生じ易く、デフロスト運転の回数が増加
して安定した暖房運転が得られなくなる恐れがある。
【0005】また、冷房運転時と暖房運転時とで冷媒の
流れ方向が変わるため、車室外熱交換器7側、車室内熱
交換器3,5側のいずれの配管も高温、高圧に耐えられ
るよう管径等を変更する必要があった。
【0006】また、車両の暖房装置に要求される窓晴れ
性を確保するには、暖房運転ではなく冷房運転を行い、
車室内熱交換器3,5で空調風を一度冷却した後、これ
をさらにリヒートする必要がある。しかし、電気自動車
のように、エンジン等からの廃熱が得られず、充分なリ
ヒート熱源が供給できない場合は、暖房能力が不足して
しまい、暖房性能が全く確保できなくなる恐れがあっ
た。また、電気ヒータ等の他の熱源を設けてリヒートす
ることも可能であるが、この場合、充分な暖房能力を確
保するためには、多大な消費電力を要するという問題が
あった。
【0007】これに対し本願出願人は、特願平3−34
5950号として新たな車両用ヒートポンプ式冷暖房装
置を提案している。この装置は、吸熱用車室内熱交換器
の他に放熱用車室内熱交換器を設け、三方弁で切り換え
るようにしたものである。かかる装置によれば、車室外
の気候条件に左右されず安定した制御で冷暖房能力を向
上することができ、大幅な設計変更を必要とせず、電気
自動車などにも適し、しかも除湿暖房を行なうことがで
きる。
【0008】具体的には図24のようになっており、暖
房運転時には、三方弁32が実線示のように切り換えら
れ、冷媒が、コンプレッサ31→三方弁32→放熱用車
室内熱交換器33→液タンク36→膨脹弁34→吸熱用
車室内熱交換器35→コンプレッサ31と循環し、ブロ
ワファンで導入された空気は吸熱用車室内熱交換器35
での熱交換により冷やされ、冷却除湿された後、放熱用
車室内熱交換器33での熱交換により温められ、車室内
暖房用の温風が作られる。
【0009】また、冷房運転時には、三方弁32が点線
示のように切り換えられ、冷媒が、コンプレッサ31→
三方弁32→車室外熱交換器38→逆止弁70→放熱用
車室内熱交換器33→液タンク36→膨脹弁34→吸熱
用車室内熱交換器35→コンプレッサ31と循環し、車
室外熱交換器38がコンプレッサ1から吐出された高温
な冷媒の熱を外気に放熱し、ブロワファンで導入された
空気が吸熱用車室内熱交換器35で熱交換されて冷やさ
れ、車室内冷房用の冷風が作られる。
【0010】このように、新たな冷暖房装置では、暖房
運転時に吸熱用車室内熱交換器35の冷却で除湿し、放
熱用車室内熱交換器33でリヒートするため、理論的に
はコンプレッサ入力分の熱量を暖房熱とし、電気ヒータ
等の熱源を必要とせずに除湿暖房運転ができるのであ
る。従って、コンプレッサ31の入力を増加することに
より、充分な除湿暖房運転ができる。
【0011】ところで、このような冷暖房装置では、暖
房運転時に車室外熱交換器38を回避して冷媒が流れる
ため、外気温が5℃を下回るような場合であっても車室
外熱交換器38の凍結の影響を受けずに装置を作動させ
ることができる。
【0012】一方、コンプレッサ31への入力をW、車
室内の空気を冷却除湿する熱量をQE、密量の空気を加
熱する熱量をQCとすれば、 W=QC−QE となり、車室内の空気の加熱量は、 QC−QE であることから、コンプレッサ動力がそのまま車室内空
気の加熱量となり、コンプレッサ31の制御で車室内温
度の調整を行なうことができる。従って、外気温が5〜
15℃程度のやや寒い環境下では、コンプレッサ31へ
の入力制御で弱暖房運転をも行なうことができる。
【0013】しかしながら、外気温が5〜15℃程度の
やや寒い環境下では外気から吸熱できるにもかかわらず
車室外熱交換器38は使用されないので、車室外熱交換
器38での熱交換は行なわれず、成績係数の向上に限界
があった。特に、電気自動車ではガソリン車と異なり電
気エネルギの消費が走行距離に大幅に影響するため、コ
ンプレッサ31の厳密な消費エネルギ管理を必要とす
る。このため、成績係数のより一層の向上が望まれる。
【0014】そこでこの発明は、外気温が極寒の環境か
らやや高い環境に至るまで暖房運転を行なうことがで
き、しかも、窓曇りを防止し、より消費エネルギの少い
車両用冷暖房装置の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、冷媒に仕事量を加えるコ
ンプレッサと、冷媒を断熱膨張させる膨張手段と、前記
コンプレッサの冷媒吐出側と前記膨張手段の冷媒流入側
との間に挿入接続され、冷媒の熱を外気と熱交換する車
室外熱交換器と、前記コンプレッサの冷媒吐出側と前記
膨張手段の冷媒流入側との間に前記車室外熱交換器と並
列の関係で挿入接続され、冷媒の熱を送風手段により導
入された空気に放熱して温風を作る放熱用車室内熱交換
器と、前記膨張手段の冷媒吐出側と前記コンプレッサの
冷媒吸入側との間に挿入接続され、冷媒の熱を送風手段
により導入された空気に吸熱して冷風を作る吸熱用車室
内熱交換器と、前記コンプレッサの冷媒吐出側と前記車
室外熱交換器及び前記放熱用車室内熱交換器との間に設
けられ、コンプレッサから吐出される冷媒の、車室外熱
交換器と放熱用車室内熱交換器とへの流れを調節する第
1の冷媒流路切換手段と、前記車室外熱交換器を、前記
膨張手段の冷媒流出側と前記コンプレッサの冷媒吸入側
との間に挿入接続する切換用流路と、前記切換用流路を
通しての冷媒の流れを許容または遮断することで、前記
膨張手段から流出する冷媒を、前記車室外熱交換器を経
由して流すか否かを選択する第2の冷媒流路切換手段
と、前記第1の冷媒流路切換手段及び第2の冷媒流路切
換手段を制御することにより、コンプレッサから吐出さ
れた冷媒を、冷房運転モード時に、少なくとも前記車室
外熱交換器を経由して前記膨張手段、吸熱用車室内熱交
換器を順に経てコンプレッサへ循環させ、暖房運転モー
ド時に、前記車室外熱交換器を回避して前記放熱用車室
内熱交換器、膨張手段、吸熱用車室内熱交換器を順に経
てコンプレッサへ循環させ、弱暖房運転モード時に、前
記放熱用車室内熱交換器、膨張手段を順に経由し、さら
に少なくとも車室外熱交換器を経てコンプレッサへ循環
させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
車両用冷暖房装置であって、車室内熱環境状態を検出す
る車室内熱環境状態検出手段と、乗員により操作される
車室内熱環境状態設定手段とを備え、前記制御手段は、
前記車室内熱環境状態検出手段及び前記車室内熱環境状
態設定手段の出力に基づいて、前記第1及び第2の冷媒
流路切換手段を制御し、冷房運転モード、暖房運転モー
ド、弱暖房運転モードを選択的に実行することを特徴と
する。
【0017】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2記載の車両用冷暖房装置であって、前記切換用流路
は、第1の切換用流路と第2の切換用流路とからなり、
前記第1の冷媒流路切換手段は、第1の制御弁からな
り、前記第2の冷媒流路切換手段は、第2の制御弁と第
3の制御弁とからなり、冷房運転モード時に前記車室外
熱交換器の冷媒流入側を第1の側、冷媒流出側を第2の
側と称し、前記車室外熱交換器の第2の側と前記放熱用
車室内熱交換器の冷媒流出側とを接続し前記膨張手段へ
連通する接続点を第1の接続点と称した場合、前記膨張
手段の冷媒流出側と前記吸熱用車室内熱交換器の冷媒流
入側との間の流路上に第2の接続点を設けて、この第2
の接続点と、前記車室外熱交換器の第2の側とを、前記
第1の切換用流路で接続し、前記第2の接続点と前記吸
熱用車室内熱交換器の冷媒流入側との間の流路と、前記
第1の制御弁と前記車室外熱交換器の第1の側との間の
流路上に設けた第3の接続点とを、前記第2の切換用流
路で接続し、前記車室外熱交換器の第2の側と、前記第
1の接続点と、前記第2の接続点とを相互接続する箇所
に、前記第2の制御弁を配置し、前記第2の接続点と、
前記第3の接続点と、前記吸熱用車室内熱交換器の冷媒
流入側とを相互接続する箇所に、前記第3の制御弁を配
置し、前記制御手段が、前記第1〜第3の制御弁を制御
することにより、冷房運転モード時は、コンプレッサか
ら吐出された冷媒を、第1の制御弁、第3の接続点、車
室外熱交換器、第2の制御弁、第1の接続点、膨張手段
の順に経由する第1の経路と、第1の制御弁、放熱用車
室内熱交換器、第1の接続点、膨張手段の順に経由する
第2の経路のうち少なくとも一方を経て膨張手段に導入
し、さらに膨張手段以降は、第2の接続点、第3の制御
弁、吸熱用車室内熱交換器を経てコンプレッサへ循環さ
せ、暖房運転モード時は、コンプレッサから吐出された
冷媒を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の
接続点、膨張手段、第2の接続点、第3の制御弁、吸熱
用車室内熱交換器の順に経由してコンプレッサへ循環さ
せ、弱暖房運転モード時は、コンプレッサから吐出され
た冷媒を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1
の接続点、膨張手段、第2の接続点、第2の制御弁、車
室外熱交換器、第3の接続点、第3の制御弁、吸熱用車
室内熱交換器を順に経由してコンプレッサへ循環させる
ことを特徴とする。
【0018】請求項4に記載の発明は、請求項1または
2記載の車両用冷暖房装置であって、前記切換用流路
は、第1の切換用流路と第2の切換用流路とからなり、
前記第1の冷媒流路切換手段は、第1の制御弁からな
り、前記第2の冷媒流路切換手段は、第2の制御弁と第
3の制御弁とからなり、冷房運転モード時に前記車室外
熱交換器の冷媒流入側を第1の側、冷媒流出側を第2の
側と称し、前記車室外熱交換器の第2の側と前記放熱用
車室内熱交換器の冷媒流出側とを接続し前記膨張手段へ
連通する接続点を第1の接続点と称した場合、前記膨張
手段の冷媒流出側と前記吸熱用車室内熱交換器の冷媒流
入側との間の流路上に第2の接続点を設けて、この第2
の接続点と、前記車室外熱交換器の第2の側とを、前記
第1の切換用流路で接続し、前記膨張手段の冷媒流出側
と前記第2の接続点との間の流路と、前記第1の制御弁
と前記車室外熱交換器の第1の側との間の流路上に設け
た第3の接続点とを、前記第2の切換用流路で接続し、
前記車室外熱交換器の第2の側と、前記第1の接続点
と、前記第2の接続点とを相互接続する箇所に、前記第
2の制御弁を配置し、前記膨張手段の冷媒流出側と、前
記第2の接続点と、前記第3の接続点とを相互接続する
箇所に、前記第3の制御弁を配置し、前記制御手段が、
前記第1〜第3の制御弁を制御することにより、冷房運
転モード時は、コンプレッサから吐出された冷媒を、第
1の制御弁、第3の接続点、車室外熱交換器、第2の制
御弁、第1の接続点、膨張手段の順に経由する第1の経
路と、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接
続点、膨張手段の順に経由する第2の経路のうち少なく
とも一方を経て膨張手段に導入し、さらに膨張手段以降
は、第3の制御弁、第2の接続点、吸熱用車室内熱交換
器を経てコンプレッサへ循環させ、暖房運転モード時
は、コンプレッサから吐出された冷媒を、第1の制御
弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接続点、膨張手段、
第3の制御弁、第2の接続点、吸熱用車室内熱交換器の
順に経由してコンプレッサへ循環させ、弱暖房運転モー
ド時は、コンプレッサから吐出された冷媒を、第1の制
御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接続点、膨張手
段、第3の制御弁、第3の接続点、車室外熱交換器、第
2の制御弁、第2の接続点、吸熱用車室内熱交換器を順
に経由してコンプレッサへ循環させることを特徴とす
る。
【0019】請求項5に記載の発明は、請求項1または
2記載の車両用冷暖房装置であって、前記切換用流路
は、第1の切換用流路と第2の切換用流路とからなり、
前記第1の冷媒流路切換手段は、第1の制御弁からな
り、前記第2の冷媒流路切換手段は、第2の制御弁と第
3の制御弁とからなり、冷房運転モード時に前記車室外
熱交換器の冷媒流入側を第1の側、冷媒流出側を第2の
側と称し、前記車室外熱交換器の第2の側と前記放熱用
車室内熱交換器の冷媒流出側とを接続し前記膨張手段へ
連通する接続点を第1の接続点と称した場合、前記膨張
手段の冷媒流出側と前記吸熱用車室内熱交換器の冷媒流
入側との間の流路上に第2の接続点を設けて、この第2
の接続点と、前記車室外熱交換器の第2の側とを、前記
第1の切換用流路で接続し、前記第2の接続点と、前記
第1の制御弁と前記車室外熱交換器の第1の側との間の
流路上に設けた第3の接続点とを、前記第2の切換用流
路で接続し、前記車室外熱交換器の第2の側と、前記第
1の接続点と、前記第2の接続点とを相互接続する箇所
に、前記第2の制御弁を配置し、前記膨張手段の冷媒流
出側と、前記吸熱用車室内熱交換器の冷媒流入側と、前
記第3の接続点と、前記第2の制御弁とを相互接続する
前記第2の接続点上に、前記第3の制御弁を配置し、前
記制御手段が、前記第1〜第3の制御弁を制御すること
により、冷房運転モード時は、コンプレッサから吐出さ
れた冷媒を、第1の制御弁、第3の接続点、車室外熱交
換器、第2の制御弁、第1の接続点、膨張手段の順に経
由する第1の経路と、第1の制御弁、放熱用車室内熱交
換器、第1の接続点、膨張手段の順に経由する第2の経
路のうち少なくとも一方を経て膨張手段に導入し、さら
に膨張手段以降は、第3の制御弁、吸熱用車室内熱交換
器を経てコンプレッサへ循環させ、暖房運転モード時
は、コンプレッサから吐出された冷媒を、第1の制御
弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接続点、膨張手段、
第3の制御弁、吸熱用車室内熱交換器の順に経由してコ
ンプレッサへ循環させ、弱暖房運転モード時は、コンプ
レッサから吐出された冷媒を、第1の制御弁、放熱用車
室内熱交換器、第1の接続点、膨張手段、第3の制御
弁、第2の制御弁、車室外熱交換器、第3の接続点、第
3の制御弁、吸熱用車室内熱交換器を順に経由してコン
プレッサへ循環させることを特徴とする。
【0020】請求項6に記載の発明は、請求項1または
2記載の車両用冷暖房装置であって、前記切換用流路
は、第1の切換用流路と第2の切換用流路とからなり、
前記第1の冷媒流路切換手段は、第1の制御弁からな
り、前記第2の冷媒流路切換手段は、第2の制御弁と第
3の制御弁とからなり、冷房運転モード時に前記車室外
熱交換器の冷媒流入側を第1の側、冷媒流出側を第2の
側と称し、前記車室外熱交換器の第2の側と前記放熱用
車室内熱交換器の冷媒流出側とを接続し前記膨張手段へ
連通する接続点を第1の接続点と称した場合、前記膨張
手段の冷媒流出側と前記吸熱用車室内熱交換器の冷媒流
入側との間の流路上に第2の接続点を設けて、この第2
の接続点と、前記車室外熱交換器の第2の側とを、前記
第1の切換用流路で接続し、前記第2の接続点と、前記
第1の制御弁と前記車室外熱交換器の第1の側との間の
流路上に設けた第3の接続点とを、前記第2の切換用流
路で接続し、前記車室外熱交換器の第2の側と、前記第
1の接続点と、前記第2の接続点とを相互接続する箇所
に、前記第2の制御弁を配置し、前記膨張手段の冷媒流
出側と、前記吸熱用車室内熱交換器の冷媒流入側と、前
記第3の接続点と、前記第2の制御弁とを相互接続する
前記第2の接続点上に、前記第3の制御弁を配置し、前
記制御手段が、前記第1〜第3の制御弁を制御すること
により、冷房運転モード時は、コンプレッサから吐出さ
れた冷媒を、第1の制御弁、第3の接続点、車室外熱交
換器、第2の制御弁、第1の接続点、膨張手段の順に経
由する第1の経路と、第1の制御弁、放熱用車室内熱交
換器、第1の接続点、膨張手段の順に経由する第2の経
路のうち少なくとも一方を経て膨張手段に導入し、さら
に膨張手段以降は、第3の制御弁、吸熱用車室内熱交換
器を経てコンプレッサへ循環させ、暖房運転モード時
は、コンプレッサから吐出された冷媒を、第1の制御
弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接続点、膨張手段、
第3の制御弁、吸熱用車室内熱交換器の順に経由してコ
ンプレッサへ循環させ、弱暖房運転モード時は、コンプ
レッサから吐出された冷媒を、第1の制御弁、放熱用車
室内熱交換器、第1の接続点、膨張手段、第3の制御
弁、第3の接続点、車室外熱交換器、第2の制御弁、第
3の制御弁、吸熱用車室内熱交換器を順に経由してコン
プレッサへ循環させることを特徴とする。
【0021】請求項7に記載の発明は、請求項1または
2記載の車両用冷暖房装置であって、前記切換用流路
は、第1の切換用流路と第2の切換用流路とからなり、
前記第1の冷媒流路切換手段は、第1の制御弁からな
り、前記第2の冷媒流路切換手段は、第2の制御弁と第
3の制御弁とからなり、冷房運転モード時に前記車室外
熱交換器の冷媒流入側を第1の側、冷媒流出側を第2の
側と称し、前記車室外熱交換器の第2の側と前記放熱用
車室内熱交換器の冷媒流出側とを接続し前記膨張手段へ
連通する接続点を第1の接続点と称した場合、前記吸熱
用車室内熱交換器の冷媒流出側と前記コンプレッサの冷
媒吸入側との間の流路上に第2の接続点を設けて、この
第2の接続点と、前記車室外熱交換器の第2の側とを、
前記第1の切換用流路で接続し、前記第2の接続点と、
前記第1の制御弁と前記車室外熱交換器の第1の側との
間の流路上に設けた第3の接続点とを、前記第2の切換
用流路で接続し、前記車室外熱交換器の第2の側と、前
記第1の接続点と、前記第2の接続点とを相互接続する
箇所に、前記第2の制御弁を配置し、前記吸熱用車室内
熱交換器の冷媒流出側と、前記コンプレッサの冷媒吸入
側と、前記第3の接続点と、前記第2の制御弁とを相互
接続する前記第2の接続点上に、前記第3の制御弁を配
置し、前記制御手段が、前記第1〜第3の制御弁を制御
することにより、冷房運転モード時は、コンプレッサか
ら吐出された冷媒を、第1の制御弁、第3の接続点、車
室外熱交換器、第2の制御弁、第1の接続点、膨張手段
の順に経由する第1の経路と、第1の制御弁、放熱用車
室内熱交換器、第1の接続点、膨張手段の順に経由する
第2の経路のうち少なくとも一方を経て膨張手段に導入
し、さらに膨張手段以降は、吸熱用車室内熱交換器、第
3の制御弁を経てコンプレッサへ循環させ、暖房運転モ
ード時は、コンプレッサから吐出された冷媒を、第1の
制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接続点、膨張手
段、吸熱用車室内熱交換器、第3の制御弁の順に経由し
てコンプレッサへ循環させ、弱暖房運転モード時は、コ
ンプレッサから吐出された冷媒を、第1の制御弁、放熱
用車室内熱交換器、第1の接続点、膨張手段、吸熱用車
室内熱交換器、第3の制御弁、第2の制御弁、車室外熱
交換器、第3の接続点、第3の制御弁を順に経由してコ
ンプレッサへ循環させることを特徴とする。
【0022】請求項8に記載の発明は、請求項1または
2記載の車両用冷暖房装置であって、前記切換用流路
は、第1の切換用流路と第2の切換用流路とからなり、
前記第1の冷媒流路切換手段は、第1の制御弁からな
り、前記第2の冷媒流路切換手段は、第2の制御弁と第
3の制御弁とからなり、冷房運転モード時に前記車室外
熱交換器の冷媒流入側を第1の側、冷媒流出側を第2の
側と称し、前記車室外熱交換器の第2の側と前記放熱用
車室内熱交換器の冷媒流出側とを接続し前記膨張手段へ
連通する接続点を第1の接続点と称した場合、前記吸熱
用車室内熱交換器の冷媒流出側と前記コンプレッサの冷
媒吸入側との間の流路上に第2の接続点を設けて、この
第2の接続点と、前記車室外熱交換器の第2の側とを、
前記第1の切換用流路で接続し、前記第2の接続点と、
前記第1の制御弁と前記車室外熱交換器の第1の側との
間の流路上に設けた第3の接続点とを、前記第2の切換
用流路で接続し、前記車室外熱交換器の第2の側と、前
記第1の接続点と、前記第2の接続点とを相互接続する
箇所に、前記第2の制御弁を配置し、前記吸熱用車室内
熱交換器の冷媒流出側と、前記コンプレッサの冷媒吸入
側と、前記第3の接続点と、前記第2の制御弁とを相互
接続する前記第2の接続点上に、前記第3の制御弁を配
置し、前記制御手段が、前記第1〜第3の制御弁を制御
することにより、冷房運転モード時は、コンプレッサか
ら吐出された冷媒を、第1の制御弁、第3の接続点、車
室外熱交換器、第2の制御弁、第1の接続点、膨張手段
の順に経由する第1の経路と、第1の制御弁、放熱用車
室内熱交換器、第1の接続点、膨張手段の順に経由する
第2の経路のうち少なくとも一方を経て膨張手段に導入
し、さらに膨張手段以降は、吸熱用車室内熱交換器、第
3の制御弁を経てコンプレッサへ循環させ、暖房運転モ
ード時は、コンプレッサから吐出された冷媒を、第1の
制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接続点、膨張手
段、吸熱用車室内熱交換器、第3の制御弁の順に経由し
てコンプレッサへ循環させ、弱暖房運転モード時は、コ
ンプレッサから吐出された冷媒を、第1の制御弁、放熱
用車室内熱交換器、第1の接続点、膨張手段、吸熱用車
室内熱交換器、第3の制御弁、第3の接続点、車室外熱
交換器、第2の制御弁、第3の制御弁を順に経由してコ
ンプレッサへ循環させることを特徴とする。
【0023】請求項9に記載の発明は、請求項1または
2記載の車両用冷暖房装置であって、前記切換用流路
は、第1の切換用流路と第2の切換用流路とからなり、
前記第1の冷媒流路切換手段は、第1の制御弁からな
り、前記第2の冷媒流路切換手段は、第2の制御弁と第
3の制御弁とからなり、冷房運転モード時に前記車室外
熱交換器の冷媒流入側を第1の側、冷媒流出側を第2の
側と称し、前記車室外熱交換器の第2の側と前記放熱用
車室内熱交換器の冷媒流出側とを接続し前記膨張手段へ
連通する接続点を第1の接続点と称した場合、前記吸熱
用車室内熱交換器の冷媒流出側と前記コンプレッサの冷
媒流入側との間の流路上に第2の接続点を設けて、この
第2の接続点と、前記車室外熱交換器の第2の側とを、
前記第1の切換用流路で接続し、前記第2の接続点と前
記コンプレッサの冷媒吸入側との間の流路と、前記第1
の制御弁と前記車室外熱交換器の第1の側との間の流路
上に設けた第3の接続点とを、前記第2の切換用流路で
接続し、前記車室外熱交換器の第2の側と、前記第1の
接続点と、前記第2の接続点とを相互接続する箇所に、
前記第2の制御弁を配置し、前記コンプレッサの冷媒吸
入側と、前記第2の接続点と、前記第3の接続点とを相
互接続する箇所に、前記第3の制御弁を配置し、前記制
御手段が、前記第1〜第3の制御弁を制御することによ
り、冷房運転モード時は、コンプレッサから吐出された
冷媒を、第1の制御弁、第3の接続点、車室外熱交換
器、第2の制御弁、第1の接続点、膨張手段の順に経由
する第1の経路と、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換
器、第1の接続点、膨張手段の順に経由する第2の経路
のうち少なくとも一方を経て膨張手段に導入し、さらに
膨張手段以降は、吸熱用車室内熱交換器、第2の接続
点、第3の制御弁を経てコンプレッサへ循環させ、暖房
運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷媒を、
第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接続点、
膨張手段、吸熱用車室内熱交換器、第2の接続点、第3
の制御弁の順に経由してコンプレッサへ循環させ、弱暖
房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷媒
を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接続
点、膨張手段、吸熱用車室内熱交換器、第2の接続点、
第2の接続点、第2の制御弁、車室外熱交換器、第3の
接続点、第3の制御弁を順に経由してコンプレッサへ循
環させることを特徴とする。
【0024】請求項10に記載の発明は、請求項1また
は2記載の車両用冷暖房装置であって、前記切換用流路
は、第1の切換用流路と第2の切換用流路とからなり、
前記第1の冷媒流路切換手段は、第1の制御弁からな
り、前記第2の冷媒流路切換手段は、第2の制御弁と第
3の制御弁とからなり、冷房運転モード時に前記車室外
熱交換器の冷媒流入側を第1の側、冷媒流出側を第2の
側と称し、前記車室外熱交換器の第2の側と前記放熱用
車室内熱交換器の冷媒流出側とを接続し前記膨張手段へ
連通する接続点を第1の接続点と称した場合、前記吸熱
用車室内熱交換器の冷媒流出側と前記コンプレッサの冷
媒吸入側との間の流路上に第2の接続点を設けて、この
第2の接続点と、前記車室外熱交換器の第2の側とを、
前記第1の切換用流路で接続し、前記吸熱用車室内熱交
換器の冷媒流出側と前記第2の接続点との間の流路と、
前記第1の制御弁と前記車室外熱交換器の第1の側との
間の流路上に設けた第3の接続点とを、前記第2の切換
用流路で接続し、前記車室外熱交換器の第2の側と、前
記第1の接続点と、前記第2の接続点とを相互接続する
箇所に、前記第2の制御弁を配置し、前記吸熱用車室内
熱交換器の冷媒流出側と、前記第2の接続点と、前記第
3の接続点とを相互接続する箇所に、前記第3の制御弁
を配置し、前記制御手段が、前記第1〜第3の制御弁を
制御することにより、冷房運転モード時は、コンプレッ
サから吐出された冷媒を、第1の制御弁、第3の接続
点、車室外熱交換器、第2の制御弁、第1の接続点、膨
張手段の順に経由する第1の経路と、第1の制御弁、放
熱用車室内熱交換器、第1の接続点、膨張手段の順に経
由する第2の経路のうち少なくとも一方を経て膨張手段
に導入し、さらに膨張手段以降は、吸熱用車室内熱交換
器、第3の制御弁、第2の接続点を経てコンプレッサへ
循環させ、暖房運転モード時は、コンプレッサから吐出
された冷媒を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、
第1の接続点、膨張手段、吸熱用車室内熱交換器、第3
の制御弁、第2の接続点の順に経由してコンプレッサへ
循環させ、弱暖房運転モード時は、コンプレッサから吐
出された冷媒を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換
器、第1の接続点、膨張手段、吸熱用車室内熱交換器、
第3の制御弁、第3の接続点、車室外熱交換器、第2の
制御弁、第2の接続点を順に経由してコンプレッサへ循
環させることを特徴とする。
【0025】請求項11に記載の発明は、請求項1〜1
0のいずれかに記載の車両用冷暖房装置であって、前記
制御手段は、冷房運転モード時に、車室内の熱環境をよ
り高温に制御する場合、前記第1の冷媒流路切換手段に
よる車室外熱交換器と放熱用車室内熱交換器への冷媒流
れの割合を、前者を低下させ、後者を増加させる方向に
設定することを特徴とする。
【0026】請求項12に記載の発明は、請求項1また
は2記載の車両用冷暖房装置であって、前記第1の冷媒
流路切換手段は、第1の冷媒流れ開閉弁と第2の冷媒流
れ開閉弁と圧力抵抗体とからなり、前記第1の冷媒流れ
開閉弁は、前記コンプレッサの冷媒吐出側から車室外熱
交換器及び放熱用車室内熱交換器への分岐点と前記車室
外熱交換器との間の流路上に配置され、前記第2の冷媒
流れ開閉弁は、前記分岐点と前記放熱用車室内熱交換器
との間に互いに並列な関係で設けられた2本の配管のう
ちの一方に設けられ、さらに、前記圧力抵抗体は、前記
2本の配管のうちの他方に設けられていることを特徴と
する。
【0027】請求項13に記載の発明は、請求項12記
載の車両用冷暖房装置であって、前記制御手段は、冷凍
サイクル関連温度と空調制御量とに基づいて前記第1、
第2の冷媒流れ開閉弁を制御することを特徴とする。
【0028】
【作用】請求項1に記載の発明では、冷房運転モード時
に、コンプレッサから吐出された冷媒が、車室外熱交換
器と放熱用車室内熱交換器の少なくとも一方を通って膨
張手段へ流入することにより、車室外熱交換器と放熱用
車室内熱交換器のうちの一方または両方で冷媒の熱を放
熱する。また、膨張手段を経た冷媒が、吸熱用車室内熱
交換器を通ってコンプレッサへ流入することにより、吸
熱用車室内熱交換器が、送風手段で導入された空気の熱
を冷媒に吸熱して冷風を作る。
【0029】また、暖房運転モード時に、コンプレッサ
から吐出された冷媒が、車室外熱交換器を回避し放熱用
車室内熱交換器を通って膨張手段へ流入することによ
り、放熱用車室内熱交換器が、コンプレッサから吐出さ
れた高温な冷媒の熱を送風手段で導入された空気に放熱
して温風を作る。また、膨張手段を経た冷媒が吸熱用車
室内熱交換器を通ってコンプレッサへ流入することによ
り、吸熱用車室内熱交換器が、送風手段で導入された空
気の熱を冷媒に吸熱して冷風を作る。
【0030】また、弱暖房運転モード時に、コンプレッ
サから吐出された冷媒が、放熱用車室内熱交換器を通っ
て膨張手段に流入し、膨張手段を流出した冷媒が少なく
とも車室外熱交換器を経てコンプレッサへ循環すること
により、放熱用車室内熱交換器が、コンプレッサから吐
出された高温な冷媒の熱を送風手段で導入された空気に
放熱して温風を作る。また、膨張手段を経た冷媒が車室
外熱交換器を通ってコンプレッサへ流入することによ
り、車室外熱交換器が、外気の熱を冷媒に吸熱する。
【0031】請求項2に記載の発明では、車室内熱環境
状態に応じて冷房、暖房、弱暖房のいずれかの運転モー
ドに切換わり、それにより、車室内が所望の熱環境状態
に調整される。特に、熱環境状態に応じて自動的に弱暖
房運転が実行されるので、効率の高い暖房運転を行うこ
とができる。
【0032】請求項3に記載の発明では、弱暖房運転モ
ード時に、コンプレッサから吐出された冷媒が、放熱用
車室内熱交換器、膨張手段を経て、車室外熱交換器に導
入され、さらに吸熱用車室内熱交換器を経た上でコンプ
レッサへ戻るので、放熱用車室内熱交換器がコンプレッ
サから吐出された高温な冷媒の熱を、送風手段で導入さ
れた空気に放熱して温風を作る。また、車室外熱交換器
が外気の熱を冷媒に吸熱するとともに、吸熱用車室内熱
交換器が、送風手段で導入された空気の熱を冷媒に吸熱
して冷風を作る。この場合、吸熱用車室内熱交換器より
も車室外熱交換器の方が上流側に位置するため、弱暖房
運転モードを比較的温度の高い条件で使う場合に有利と
なる。なお、第2の冷媒流路切換手段を構成する第2、
第3の制御弁として、それぞれ三方弁を用いることがで
きるので、三方弁を2個用いるという簡単な構成で、冷
房運転モード、暖房運転モードの他に、弱暖房運転モー
ドを実現することができる。
【0033】請求項4に記載の発明では、弱暖房運転モ
ード時に車室外熱交換器を通る冷媒の流れ方向が、冷房
運転モード時と同じ方向になる。従って、冷房運転から
弱暖房運転へ、またその逆へ切換えても、冷媒の流れ方
向が逆転しないため、切換えが滑らかに行われる。この
場合も、弱暖房運転モード時に、車室外熱交換器の方が
吸熱用車室内熱交換器よりも上流側に位置するため、弱
暖房運転モードを比較的温度の高い条件で使う場合に有
利となる。また、第2の冷媒流路切換手段を構成する第
2、第3の制御弁として、それぞれ三方弁を用いること
ができるので、三方弁を2個用いるという簡単な構成
で、冷房運転モード、暖房運転モードの他に、弱暖房運
転モードを実現することができる。
【0034】請求項5に記載の発明では、第2の制御弁
を三方弁で構成し、第3の制御弁を四方弁で構成するこ
とができ、三方弁1個と四方弁1個を用いるという簡単
な構成で、冷房、弱暖房、暖房の各運転モードを実現す
ることができる。なお、四方弁は生産量の関係で三方弁
よりも安価なためコスト的に有利になる。
【0035】請求項6に記載の発明では、請求項5に記
載の発明と同様に、第2の制御弁を三方弁で構成し、第
3の制御弁を四方弁で構成することができ、三方弁1個
と四方弁1個を用いるという簡単な構成で、冷房、弱暖
房、暖房の各運転モードを実現することができる。
【0036】請求項7に記載の発明では、弱暖房運転モ
ード時に、コンプレッサから吐出された冷媒が、放熱用
車室内熱交換器、膨張手段を経て、吸熱用車室内熱交換
器に導入され、さらに車室外熱交換器を経由した上でコ
ンプレッサへ戻るので、放熱用車室内熱交換器が、コン
プレッサから吐出された高温な冷媒の熱を、送風手段で
導入された空気に放熱して温風を作る。また、吸熱用車
室内熱交換器が、送風手段で導入された空気の熱を冷媒
に吸熱して冷風を作る。さらに、車室外熱交換器が外気
の熱を冷媒に吸熱する。この場合、吸熱用車室内熱交換
器が車室外熱交換器よりも上流側に位置するため、弱暖
房運転モードを比較的温度の低い条件で使う場合に有利
となる。なお、第2の冷媒流路切換手段を構成する第
2、第3の制御弁として、それぞれ三方弁と四方弁を用
いることができるので、三方弁1個と四方弁1個を用い
るという簡単な構成で、冷房、弱暖房、暖房の各運転モ
ードを実現することができる。
【0037】請求項8に記載の発明では、請求項7に記
載の発明と同様に、第2の制御弁を三方弁で構成し、第
3の制御弁を四方弁で構成することができ、三方弁1個
と四方弁1個を用いるという簡単な構成で、冷房、弱暖
房、暖房の各運転モードを実現することができる。ま
た、弱暖房運転モード時に車室外熱交換器を通る冷媒の
流れ方向が、冷房運転モード時と同じ方向になる。従っ
て、冷房運転から弱暖房運転へ、またその逆へ切換えて
も、冷媒の流れ方向が逆転しないため、切換えが滑らか
に行われる。この場合も、弱暖房運転モード時に、吸熱
用車室内熱交換器が車室外熱交換器よりも上流側に位置
するため、弱暖房運転モードを比較的温度の低い条件で
使う場合に有利となる。
【0038】請求項9に記載の発明では、第2の制御弁
と第3の制御弁を共に三方弁で構成することができ、三
方弁2個を用いるという簡単な構成で、冷房、弱暖房、
暖房の各運転モードを実現することができる。
【0039】請求項10に記載の発明では、請求項9に
記載の発明と同様に、第2の制御弁と第3の制御弁を共
に三方弁で構成することができ、三方弁2個を用いると
いう簡単な構成で、冷房、弱暖房、暖房の各運転モード
を実現することができる。
【0040】請求項11に記載の発明では、冷房運転モ
ード時、第1の冷媒流路切換手段を車室内熱環境で制御
することにより、エアミックスドアの作動を熱量制御的
に補助するので、より高精度の制御が実現できる。
【0041】請求項12に記載の発明では、冷房運転モ
ード時には、第1の冷媒流れ開閉弁と第2の冷媒流れ開
閉弁とを共に開放する。すると、コンプレッサから吐出
された冷媒は、車室外熱交換器と放熱用車室内熱交換器
の両方に流れる。両方の熱交換器の冷媒流路抵抗は多少
異なるため、冷媒流量は同じにはならないが、ほぼ同程
度の流量で冷媒が流れる。ここで、第2の冷媒流れ開閉
弁だけを閉止すると、放熱用車室内熱交換器へ向かう冷
媒は、圧力抵抗体を配置した配管を通って放熱用車室内
熱交換器に流れることになるが、圧力抵抗体の存在によ
り流量の減少を余儀無くされ、結果的に車室外熱交換器
を流れる冷媒流量が、放熱用車室内熱交換器を流れる冷
媒流量よりも多くなる。これにより、放熱用車室内熱交
換器からの放熱量が低くてもよい場合には、第2の冷媒
流れ開閉弁を閉止することで、放熱用車室内熱交換器か
らの放熱量を減少させ、もってエアミックス開度を精度
良く制御できることになる。
【0042】一方、暖房運転モード時及び弱暖房運転モ
ード時には、コンプレッサからの吐出冷媒はすべて放熱
用車室内熱交換器へ向かわせるので、第1の冷媒流れ開
閉弁を閉止し、第2の冷媒流れ開閉弁を開放する。
【0043】この請求項12に記載の発明では、コンプ
レッサから車室外熱交換器へ流す冷媒量と、コンプレッ
サから放熱用車室内熱交換器へ流す冷媒量の割合を、よ
り簡単な構成で調整することができるので、安価に構成
できる。
【0044】請求項13に記載の発明では、請求項12
の発明をより高精度な制御で実現できる。
【0045】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。
【0046】図1は、この発明の第1実施例(請求項
1、2、3、11の発明に対応)の車両用ヒートポンプ
式冷暖房装置の概略構成図を示し、図2は、冷媒サイク
ルのみを示す概略構成図である。
【0047】これら、図1、図2に示すようにコンプレ
ッサ31は、エンジンルームのような車室外に設けら
れ、電動式コンプレッサや油圧駆動式コンプレッサのよ
うに、入力値が直接可変可能になっている。このコンプ
レッサ31の冷媒吐出側と、冷媒を断熱膨張させる膨張
弁(膨張手段)34の冷媒流入側との間には、冷媒の熱
を外気と熱交換する車室外熱交換器38と、冷媒の熱を
送風手段により導入された空気に放熱して温風を作る放
熱用車室内熱交換器33とが、互いに並列の関係で挿入
接続されている。なお、膨張弁34の冷媒流入側には隣
接して液タンク36が設けられている。
【0048】また、膨脹弁34の冷媒流出側とコンプレ
ッサ31の冷媒吸入側との間には、冷媒の熱を送風手段
により導入された空気に吸熱して冷風を作る吸熱用車室
内熱交換器35が挿入接続されている。
【0049】コンプレッサ31の冷媒吐出側から車室外
熱交換器38及び放熱用車室内熱交換器33への分岐点
には、コンプレッサ31から吐出される冷媒を、車室外
熱交換器38か放熱用車室内熱交換器33の一方に流す
よう切換え、または両者に適当な割合で分流するよう調
節する第1の冷媒流路切換手段としての第1の制御弁9
0が設けられている。
【0050】この第1の制御弁90は2方向流量制御弁
で構成され、車室外熱交換器38側へ流す冷媒の量と、
放熱用車室内熱交換器33側に流す冷媒の量とを、「0
%」と「100%」の間で任意に調節し得るようになっ
ている。
【0051】前記車室外熱交換器38は、エンジンルー
ム等の車室外に設けられ、コンプレッサ31から吐出さ
れる冷媒の熱を外気に放熱する車室外コンデンサとして
の働きをする。また、この車室外熱交換器38は、後述
するように、膨張弁34の冷媒流出側とコンプレッサ3
1の冷媒吸入側との間に適宜挿入接続されるようになっ
ており、このように接続状態が切換えられることによ
り、外気の熱を冷媒に吸熱するエバポレータとしての働
きもする。
【0052】前記放熱用車室内熱交換器33は、インス
トルメントパネルの裏側のような車室内前部に配置され
た装置本体としてのダクト39内に設けられ、コンプレ
ッサ31から吐出される冷媒の熱を送風手段としてのブ
ロワファン37によって導入された空気に放熱する放熱
タイプの車室内コンデンサになっている。
【0053】前記吸熱用車室内熱交換器35は、ダクト
39内の放熱用車室内熱交換器33よりも上流側に配置
されており、ブロワファン37によって導入された空気
の熱を、車室外熱交換器38および放熱用車室内熱交換
器33の少なくとも一方から膨張弁34を通して供給さ
れた冷媒に吸熱して冷風を作る吸熱タイプのエバポレー
タになっている。
【0054】ここで、冷房運転モード時に前記車室外熱
交換器38の冷媒流入側を第1の側R1と称し、冷媒流
出側を第2の側R2と称し、また、車室外熱交換器38
の第2の側R2と放熱用車室内熱交換器33の冷媒流出
側とを接続し、かつ液タンク36を介して膨張弁34へ
連通する接続点を、第1の接続点P1と称するものとす
る。
【0055】膨張弁34の冷媒流出側と吸熱用車室内熱
交換器35の冷媒流入側との間の流路上には、第2の接
続点P2が設けられており、この第2の接続点P2と、
車室外熱交換器38の第2の側R2とが、第1の切換用
流路96によって接続されている。
【0056】そして、車室外熱交換器38の第2の側R
2と、第1の接続点P1と、第2の接続点P2とを相互
接続する箇所に、三方弁からなる第2の制御弁(第2の
冷媒流路切換手段の一つの構成要素)92が配置されて
いる。
【0057】この第2の制御弁92は、車室外熱交換器
38の第2の側R2と第1の接続点P1とを連通させる
か、あるいは車室外熱交換器38の第2の側R2と第2
の接続点P2とを連通させるかを選択するものである。
この第2の制御弁91は、冷房運転モード時と暖房運転
モード時には実線示のように切換わり、弱暖房運転モー
ド時には点線示のように切換わる。
【0058】なお、第2の制御弁92と第1の接続点P
1との間の流路上には、逆止弁70が配置されている。
逆止弁70は、車室外熱交換器38側から第1の接続点
P1側への冷媒の流れを許容し、第1の接続点P1側か
ら車室外熱交換器38への冷媒の流れを阻止するもので
ある。
【0059】前記第1の制御弁90と前記車室外熱交換
器38の第1の側R1との間の流路上には、第3の接続
点P3が設けられており、この第3の接続点P3と、前
記第2の接続点P2と吸熱用車室内熱交換器35の冷媒
流入側との間の流路とが、第2の切換用流路97で接続
されている。
【0060】そして、第2の接続点P2と、第3の接続
点P3と、吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流入側とを
相互接続する箇所に、三方弁からなる第3の制御弁(第
2の冷媒流路切換手段のもう一つの構成要素)91が配
置されている。
【0061】この第3の制御弁91は、第2の接続点P
2と吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流入側とを連通さ
せるか、あるいは第3の接続点P3と吸熱用車室内熱交
換器35の冷媒流入側とを連通させるかを選択するもの
である。
【0062】前記放熱用車室内熱交換器33の空気流入
側には、補助ヒータ76が設けられている。補助ヒータ
76は入力電圧によって出力を任意に設定できる可変タ
イプの電熱ヒータで、入力電圧は制御装置43により制
御される。補助ヒータ76がONされると、放熱用車室
内熱交換器33を通過する空気が加熱され、放熱用車室
内熱交換器33を流通する冷媒の温度が上昇する。
【0063】前記ダクト39内の吸熱用車室内熱交換器
35よりも上流側には、車室内空気を導入する内気導入
管40と、走行風圧を受けて外気を導入する外気導入管
41とが接続されている。この内気導入管40と外気導
入管41とが分岐する部分には、内気導入管40から導
入された内気と外気導入管から導入された外気とを任意
の比率で供給するように開閉するインテークドア42が
設けられている。インテークドア42は、制御装置43
で駆動される図外のインテークドアアクチュエータによ
り開閉する。
【0064】前記内気導入管40と外気導入管41との
空気導出側(空気流の下流側)と吸熱用車室内熱交換器
35との間には、前記ブロワファン37が配置され、ブ
ロワファンモータ44で回転駆動されるようになってい
る。
【0065】前記放熱用車室内熱交換器33の上流側に
は、エアミックスドア46が設けられている。このエア
ミックスドア46は、制御装置43で駆動される図外の
エアミックスドアアクチュエータにより駆動され、吸熱
用車室内熱交換器35を通過して冷えている空気を、放
熱用車室内熱交換器33を回避して冷えたままの冷風
と、放熱用車室内熱交換器33を通過して暖められた温
風とに分ける比率(冷風と温風との風量配分)を調整す
る。エアミックスドア46の開度たるエアミックスドア
開度Xdscは、エアミックスドア46が一点鎖線示の
位置となり、冷風と温風との風量配分が冷風100%に
なる時を、エアミックスドア開度Xdsc=0%(全
閉)と設定し、エアミックスドア46が二点鎖線示の位
置となり、冷風と温風との風量配分が温風100%とな
る時を、エアミックスドア開度Xdsc=100%(全
開)と設定してある。
【0066】前記ダクト39の放熱用車室内熱交換器3
3よりも下流側には、上記冷風と温風との混合を良くす
ることにより、温度調整された空調風を作る部屋として
のエアミックスチャンバ47が設けられている。エアミ
ックスチャンバ47には、対象乗員の上半身に向けて空
調風を吹き出すベンチレータ吹出口51(51a,51
b,51c,51d)と、対象乗員の足元に向けて空調
風を吹き出すフット吹出口52(52a)と、フロント
ウィンドウに向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹出口
53(53a)とが連設されている。エアミックスチャ
ンバ47内には、ベンチレータドア55とフットドア5
6とデフロスタドア57とが設けられている。ベンチレ
ータドア55は、制御装置43で駆動される図外のベン
チレータドアアクチュエータにより、ベンチレータ吹出
口51を開閉する。フットドア56は、制御装置43で
駆動される図外のフットドアアクチュエータにより、フ
ット吹出口52を開閉する。デフロスタドア57は、制
御装置43で駆動される図外のデフロスタドアアクチュ
エータにより、デフロスタ吹出口53を開閉する。ま
た、前記エアミックスチャンバ47には、内気導入管4
0に連通する循環通路71が接続されている。循環通路
71からエアミックスチャンバ47への開口部72に
は、循環通路71の入口側ドア74が設けられ、循環通
路71と内気導入管40との分岐部73には、出口側ド
ア75が設けられている。入口側ドア74は、制御装置
43で駆動される図外の入口側ドアアクチュエータによ
り開口部72を開閉し、出口側ドア75は、制御装置4
3で駆動される図外の出口側ドアアクチュエータにより
分岐部73を切り換える。すなわち入口側ドア74およ
び出口側ドア75が開放した状態(出口側ドア75は内
気導入管40を閉じる。)において、エアミックスチャ
ンバ47からブロワファン37の上流側へ空調風が循環
する。
【0067】前記制御装置43は、吸熱用車室内熱交換
器吸い込み風温センサ58と、吸熱用車室内熱交換器吹
き出し風温センサ59と、ベンチレータ吹出口風温セン
サ60と、日射量センサ61と、外気温センサ62と、
室温センサ63と、空調設定パネル79に設けられた室
温設定器64(図1では便宜上、信号線で示している)
と、吹出口モードスイッチ65(同)と、ブロワファン
スイッチ66(同)と、冷媒温度センサ67と、放熱用
車室内熱交換器吹き出し風温センサ68などからの熱環
境情報により、エアミックスドア開度Xdscとコンプ
レッサ31の入力値Wcompと吸熱用車室内熱交換器35
を通過する通過風量Veva と目標吹出温度To などの目
標冷暖房条件を演算し、車室内の冷暖房条件が上記演算
された目標冷暖房条件を維持するように、コンプレッサ
31とブロワファンモータ44とエアミックスドアアク
チュエータとベンチレータドアアクチュエータとフット
ドアアクチュエータとデフロスタドアアクチュエータな
どを駆動する。
【0068】前記熱環境情報とは、吸熱用車室内熱交換
器35の吸い込み口空気温度Tsucと、吸熱用車室内熱
交換器35の吹き出し空気温度Tout と、放熱用車室内
熱交換器33の吹き出し空気温度Tv と、ベンチレータ
吹出口51の吹き出し空気温度Tventと、車両の日射量
sun と、車室外の外気温度Tamb と、車室内の検出室
温(車室内気温度)Troomと車室内の設定温度Tptc
放熱用車室内熱交換器33出口側の冷媒温度Tref など
である。従って、上記の各種センサが車室内熱環境状態
検出手段に相当し、室温設定器が車室内熱環境状態設定
手段に相当している。
【0069】一方、この車両用ヒートポンプ式冷暖房装
置の冷暖房の切換えは、前記第1〜第3の制御弁90〜
92が、制御装置43によって設定温度に応じて切換制
御されることにより行なわれる。
【0070】前記設定温度は、検出室温Troom及び外部
温度Tamb の関係での窓曇りを生じない境界の温度と熱
環境情報に応じた目標空調風温度とが略一致するものと
して定めている。また暖房運転時の空調風制御は、前記
吸熱用車室内熱交換器35の吹き出し温度が、検出室温
room及び外気温度Tamb の関係での窓曇りを生じない
温度Tfineを下回り、かつ前記吸熱用内熱交換器35の
凍結限界温度Tsetoを上回る範囲となることを優先して
行う。
【0071】制御装置43は、3つの運転モードを自動
的に選択するようになっており、その選択したモードに
応じて第1の制御弁90、第2の制御弁92、第3の制
御弁91を制御することにより、冷房運転、暖房運転、
弱暖房運転を実行する。
【0072】次に、各モード時における第1〜第3の制
御弁90〜92の状態と、その時の冷媒の流れる経路
と、車室外熱交換器38、放熱用車室内熱交換器33、
吸熱用車室内熱交換器35の働きとの関係を、図3の図
表を参照しながら説明する。
【0073】冷房運転モード時は、第1の制御弁90の
車室外熱交換器38側と放熱用車室内熱交換器33側へ
の開度を適当な割合で調節する。これについては後述す
る。また、第2の制御弁92及び第3の制御弁91を、
図1、図2の実線示の如く設定する。すなわち、第2の
制御弁92を、車室外熱交換器38の第2の側と第1の
接続点P1とを連通する位置に切換え(この状態で、車
室外熱交換器38の第2の側と第2の接続点P2とは遮
断される)、第3の制御弁91を、第2の接続点P2と
吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流入側とを連通する位
置に切換え(この状態で、第3の接続点P3と吸熱用車
室内熱交換器35の冷媒流入側とは遮断される)、前記
第1の切換用流路96及び第2の切換用流路97を経由
する冷媒の流れを遮断状態にする。
【0074】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図2に実線矢印で示す経路で循環
する。すなわち、第1の制御弁90→第3の接続点P3
→車室外熱交換器38→第2の制御弁92→逆止弁70
→第1の接続点P1→液タンク36→膨張弁34の順に
経由する第1の経路と、第1の制御弁90→放熱用車室
内熱交換器33→第1の接続点P1→液タンク36→膨
張弁34の順に経由する第2の経路のうち少なくとも一
方を経て膨張弁34に導入され、さらに膨張弁34以降
は、第2の接続点P2→第3の制御弁91→吸熱用車室
内熱交換器35を経てコンプレッサ31へ循環する。
【0075】この冷房運転時には、車室外熱交換器38
と放熱用車室内熱交換器33とが放熱器として働き、車
室外熱交換器38が、コンプレッサ31から吐出された
高温の冷媒の熱を外気に放熱し、残りの熱を放熱用車室
内熱交換器33がブロワファン37で導入された空気又
は車両走行時のラム圧によって導入された空気に放熱し
て温風を作る。また、吸熱用車室内熱交換器35が吸熱
器として働き、ブロワファン37で導入された空気又は
車両走行時のラム圧によって導入された空気の熱を冷媒
に放熱して冷風を作る。そのため、車室内空気を冷却除
湿すると共に加熱することにより、車室内に適温の空調
風を供給することができる。また、冷風と温風とを別々
に取り出すことで、例えば車室内の上下に温度差を持っ
た空調風を供給することもできる。
【0076】また、暖房運転モード時は、第1の制御弁
90の車室外熱交換器38側を閉じて車室外熱交換器3
8への冷媒の流入を遮断し、放熱用車室内熱交換器33
側を開いて放熱用車室内熱交換器33側に冷媒が全部流
れるようにする。また、第2の制御弁92及び第3の制
御弁91は、冷房運転モード時と同様に、図1、図2の
実線示の如く設定する。つまり、第1の切換用流路96
及び第2の切換用流路97を経由する冷媒の流れを遮断
状態にする。
【0077】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図2に点線矢印で示す回路で循環
する。すなわち、第1の制御弁90→放熱用車室内熱交
換器33→第1の接続点P1→液タンク36→膨張弁3
4→第2の接続点P2→第3の制御弁91→吸熱用車室
内熱交換器35の順に経由して、コンプレッサ31へ循
環する。
【0078】この暖房運転時には、放熱用車室内熱交換
器33がコンプレッサ31から吐出された高温な冷媒の
熱をブロワファン37で導入された空気又は車両走行時
のラム圧によって導入された空気に放熱して温風を作
り、吸熱用車室内熱交換器35がブロワファン37で導
入された空気又は車両走行時のラム圧によって導入され
た空気の熱を冷媒に吸熱して冷風を作る。ここで、送風
手段で導入する空気温度は、空気を循環することにより
適当な温度に保持されるので、外気が低温であっても充
分な暖房効果を得ることができる。また、吸熱用車室内
熱交換器35で冷却除湿した後、放熱用車室内熱交換器
33で加熱するので、除湿暖房が可能となり、窓の曇り
を防止することができる。また、このモードの場合は、
車室外熱交換器38は使用しない。このため、外気温が
低く5℃を下回る極寒の状態で車室外熱交換器38の凍
結のおそれがある場合にも、車室外熱交換器38に冷媒
を通さないことで、安定的に暖房運転を行うことができ
る。
【0079】また、弱暖房運転モード時は、第1の制御
弁90の車室外熱交換器38側を閉じ、放熱用車室内熱
交換器33側を開く。また、第2の制御弁92及び第3
の制御弁91は、冷房運転モード時及び暖房運転モード
時とは逆に、図1、図2の点線示の如く設定する。すな
わち、第2の制御弁92を、車室外熱交換器38の第2
の側と第2の接続点P2とを連通する位置に切換え(こ
の状態で、車室外熱交換器38の第2の側と第1の接続
点P1とは遮断される)、第3の制御弁91を、第3の
接続点P3と吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流入側と
を連通する位置に切換え(この状態で、第2の接続点P
2と吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流入側とは遮断さ
れる)、前記第1切換用流路96及び第2の切換用流路
97を経由する冷媒の流れを許す状態にする。
【0080】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図2の一点鎖線矢印で示す回路で
循環する。すなわち、第1の制御弁90→放熱用車室内
熱交換器33→第1の接続点P1→液タンク36→膨張
弁34→第2の接続点P2→第2の制御弁92→車室外
熱交換器38→第3の接続点P3→第3の制御弁91→
吸熱用車室内熱交換器35を順に経由してコンプレッサ
31へ循環する。
【0081】この弱暖房運転時には、放熱用車室内熱交
換器33がコンプレッサ31から吐出された高温な冷媒
の熱をブロワファン37で導入された空気又は車両走行
時のラム圧によって導入された空気に放熱して温風を作
り、吸熱用車室内熱交換器35がブロワファン37で導
入された空気又は車両走行時のラム圧によって導入され
た空気の熱を冷媒に吸熱して冷風を作る。さらに、車室
外熱交換器38が吸熱器として働くことにより、車室外
の空気から熱を汲み上げることができ、より効率的に暖
房運転を行うことができる。
【0082】こうして、やや寒い環境下では弱暖房運転
を行い、冷暖房装置の成績係数を1以上にすることがで
きるのである。
【0083】すなわち、コンプレッサ消費動力をW、車
室内の空気を冷媒除湿する熱量をQE、車室内の空気を
加熱する熱量をQCとし、車室外の空気から吸熱する熱
量をQAとすれば、 W=QC−(QE+QA) となり、車室内の空気の加熱量は、 QC−QE であるから、成績係数εは、 ε=(QC−QE)/{QC−(QE+QA)} となって分子が分母よりも大きくなり、成績係数εは1
を越えることがわかる。従って、コンプレッサ31への
入力は、十分に低減され、消費エネルギを大幅に削減す
ることができ、電気自動車に搭載した場合には電気自動
車の走行距離を大幅に向上させることが可能となる。
【0084】また、この場合も、送風手段で導入する空
気温度は、空気を循環することにより適当な温度に保持
されるので、効率の良い充分な暖房効果を得ることがで
きる。さらに、暖房運転モード時と同様に、吸熱用車室
内熱交換器35で冷却除湿した後、放熱用車室内熱交換
器33で加熱するので、除湿暖房が可能となり、窓の曇
りを防止することができる。
【0085】また、この実施例では、弱暖房運転モード
時に吸熱用車室内熱交換器33よりも車室外熱交換器3
8の方が上流側に位置するため、弱暖房運転モードを比
較的温度の高い条件で使う場合に有利となる。なお、第
2の冷媒流路切換手段を構成する第2、第3の制御弁9
2、91として、それぞれ三方弁を用いることができる
ので、2個の三方弁を用いるという簡単な構成で、冷房
運転モード、暖房運転モードの他に、弱暖房運転モード
を実現することができる。
【0086】上記実施例に係る車両用冷暖房装置は、図
4、図5、図6に示すフローチャートに基づいて制御が
行なわれる。
【0087】冷暖房装置のスイッチがONされて制御装
置が作動することにより処理を開始し、ステップS90
1でこの制御フローチャートで用いる定数(A〜H,
P,Q)のセットが行われる。すなわち、目標吹出温度
ofの計算式に用いるA〜E、エアミックスドアの開度
Xの計算式に用いるF,G,H、設定室温の補正に用い
るP,Qをセットする。
【0088】ステップS902では、各種センサ出力が
読み込まれる。すなわち、室温センサ63の出力である
車室内温度Troom、日射量センサ61の出力である日射
量Qsun 、外気温センサ62の出力である外気温
amb 、室温設定器64の出力である車室内の設定室温
ptc 、ファンスイッチの設定Vfan,set の読み込みを
行う。
【0089】ステップS903では、ブロワファンの風
量を印加電圧により制御するため、乗員の設定する室温
設定値Tptc と室温Troomとの偏差(Troom−Tptc
に応じて空調風を発生するブロワファンの印加電圧V
fan をセットする。具体的には、この偏差が大きいほど
印加電圧を増加し、室温を設定室温に早急に近付けるよ
うにする。
【0090】ステップS904では、設定室温Tptc
補正を行う。この補正は、定数P,Q及び外気温Tamb
を用い、次式により行なう。
【0091】Tptc ′=Tptc +P×Tamb +Q 具体的には、外気温が低い場合には設定室温を上昇さ
せ、外気温が高い場合には、設定室温を低下させる。通
常、人間の体感では、周囲が暑い環境下で室温を低下さ
せると「涼しい」といった温冷感が得られ、逆に、周囲
が寒い環境下で室温を上昇させると「暖かい」といった
温冷感が得られる。このように周囲の温度に逆比例する
ような温度を設定することで温冷感が刺激されて快適と
なる。
【0092】ステップS905では、目標吹出温度Tof
を算出する。この算出は、定数A,B,C,D,E、外
気温Tamb 、室温Troom、補正設定室温T′ptc 、日射
量Qsun を用い次式によって算出する。
【0093】Tof=A×Tamb +B×Troom+C×T′
ptc +D×Qsun +E ステップS906では、目標吹出温度Tofに基づいてエ
アミックスドアの開度Xを算出する。この算出は定数
F,G,Hを用い次式によって行う。
【0094】X=F×Tof 2 +G×Tof+H ステップS907では、目標吹出温度Tofに基づいて吹
出モードを決定する。すなわち、目標吹出温度が高けれ
ば主として前席乗員の足元に吹き出すFOOT(フート
モード)、同中程度であれば前席乗員の胸部と足元に吹
き出すBI−LEVEL(バイレベルモード)、同低け
れば前席乗員の胸部に吹き出すVENT(ベントモー
ド)を選択する。
【0095】ステップS908では、乗員によってマニ
ュアルファンスイッチが押されたかどうかを判断する。
マニュアルファンスイッチが押されていればその操作に
応じるためステップS909によってファン設定値V
fan ′=Vfan,set を最終的なブロワファン電圧とす
る。マニュアルファンスイッチが押されていなければ、
ステップS910において、以前のステップS903で
自動的に定めたブロワファン電圧をそのまま用いる。
【0096】ステップS911では、ステップS909
あるいはステップS910で決められたブロワファン電
圧をブロワファンモータ44へ出力する。
【0097】ステップS912では、各ドアアクチュエ
ータに出力し、ドアを所定位置に自動セットする。
【0098】ステップS913では、目標吹出温度Tof
がどの領域にあるかを判断する。目標吹出温度Tofが2
0℃未満であれば、冷房運転が要求されていると判断
し、ステップS914へ進む。目標吹出温度Tofが20
℃以上で30℃以下であれば、冷房も暖房も必要ではな
く単に送風のみが要求されていると判断し、ステップS
915へ進む。目標吹出温度Tofが30℃を超えていれ
ば、暖房運転が要求されていると判断し、ステップS9
16へ進む。
【0099】ステップS914に進んだ場合は、冷房運
転モードに設定する。すなわち、図4を用いて示した前
述の説明のように、第1〜第3の制御弁90〜92の状
態を設定する。
【0100】ステップS915に進んだ場合は、冷凍サ
イクルを停止し、空調風の送風だけを行う。
【0101】ステップS916に進んだ場合は、暖房運
転か弱暖房運転かを判定するために次のステップS91
7へ進む。
【0102】ステップS917では、外気温Tamb が5
℃より高いか否かで、通常の暖房運転を行うべきか、弱
暖房運転を行うべきかを判断する。外気温Tamb が5℃
より高い場合はステップS918へ進み、外気温Tamb
が5℃以下の場合はステップS919へ進む。この場合
の5℃という値は、外気から吸熱できるか否かの基準と
して設定した値であり、5℃以上の場合は吸熱可能な状
態であると判断し、5℃未満の場合は吸熱できない、つ
まり車室外熱交換器38を吸熱用熱交換器として使うと
凍結を生じるおそれがあると判断する。
【0103】ステップS918では、弱暖房運転モード
に設定する。また、ステップS919では、暖房運転モ
ードに設定する。すなわち、それぞれ図3を用いて示し
た前述の説明のように、第1〜第3の制御弁90〜92
の状態を設定する。
【0104】次いで、ステップS920では、コンプレ
ッサとコンプレッサモータを制御する。
【0105】その後、ステップS921では、図示する
ようなマップにより第1の制御弁90の開閉状態を制御
する。ここで便宜上、コンプレッサ31から車室外熱交
換器38へ向かう方の弁を「A」と称し、放熱用車室内
熱交換器33へ向かう方の弁を「B」と呼称する。弁
A、Bの開度はエアミックス開度に応じて調節する。エ
アミックス開度が0%(最大冷房側)にあれば、弁Aを
最大開度100%に設定し、弁Bは最低開度0%にす
る。つまり、放熱用車室内熱交換器33では放熱を必要
としていないため、冷媒を流さない。
【0106】エアミックス開度が0%から約80%の間
にある時は、弁Aを最大開度100%のまま維持し、弁
Bを最小開度0%から最大開度100%まで、エアミッ
クス開度に応じて増加させる。
【0107】エアミックス開度が約80%から100%
の間にある時は、弁Aを最大開度から中間開度50%に
減じ、弁Bを最大開度100%のまま維持する。
【0108】こうすることで、エアミックス開度が50
%程度では、車室外熱交換器38よりも少ない冷媒を放
熱用車室内熱交換器33に供給することができ、エアミ
ックス開度が100%近くでは、その逆に車室外熱交換
器38への冷媒量を減じて、放熱用車室内熱交換器33
への冷媒量を多くすることができる。このようにエアミ
ックス開度に応じて、弁A、Bを制御することで、エア
ミックス開度の制御を補助することができ、より精度の
高い温度制御を実現することができる。
【0109】こうして1回のループを終了すると、ステ
ップS902へ戻り、このループを再度繰り返す。
【0110】要するに、上記のような制御により、必要
に応じて車室外熱交換器38を外気に対する放熱器ある
いは吸熱器として使うことができ、また車室外熱交換器
38への冷媒の循環を遮断することができるので、外気
が極寒の環境であれば冷媒の循環を遮断、またやや寒い
環境であれば吸熱器として使用し、さらにまた暑い条件
では放熱器として使用することができる。よって、暖房
運転に際しては、非常に寒い条件からやや寒い条件まで
効率良く使用することができると共に、やや寒い環境で
は成績係数を1以上にすることができる。
【0111】次に、本発明のその他の実施例を説明す
る。なお、以下の各実施例において、基本的な構成は第
1実施例と同様であるため、同一構成要素には同符号を
付して重複説明を略す。
【0112】図7は、本発明の第2実施例(請求項4の
発明に対応)の冷凍サイクルの構成図である。
【0113】この実施例の冷凍サイクルでは、膨張弁3
4の冷媒流出側と吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流入
側との間にある、第3の制御弁91と第2の接続点P2
の順序が、前記第1実施例のものと逆になっている。す
なわち、第2の接続点P2と膨張弁34の冷媒流出側と
の間に第3の制御弁91が配置され、この第3の制御弁
91により、第3の接続点P3と、膨張弁34の冷媒流
出側と、第2の接続点P2とが相互に接続されている。
【0114】この第3の制御弁91は、膨張弁34の冷
媒流出側と第2の接続点P2とを連通させるか、あるい
は膨張弁34の冷媒流出側と第3の接続点P3とを連通
させるかを選択するものである。
【0115】このサイクルにおいても、運転モードに応
じて第1の制御弁90、第2の制御弁92、第3の制御
弁91が制御されることにより、冷房運転、暖房運転、
弱暖房運転が実行される。
【0116】各モード時における第1〜第3の制御弁9
0〜92の状態と、その時の冷媒の流れる経路と、車室
外熱交換器38、放熱用車室内熱交換器33、吸熱用車
室内熱交換器35の働きとの関係を、図8の図表を参照
しながら説明する。
【0117】冷房運転モード時は、第1の制御弁90の
車室外熱交換器38側と放熱用車室内熱交換器33側へ
の開度を適当な割合で調節する。また、第2の制御弁9
2及び第3の制御弁91を、図7の実線示の如く設定す
る。すなわち、第2の制御弁92を、車室外熱交換器3
8の第2の側R2と第1の接続点P1とを連通する位置
に切換え(この状態で、車室外熱交換器38の第2の側
R2と第2の接続点P2とは遮断される)、第3の制御
弁91を、膨張弁34の冷媒流出側と第2の接続点P2
とを連通する位置に切換え(この状態で、膨張弁34の
冷媒流出側と第3の接続点P3とは遮断される)、前記
第1の切換用流路96及び第2の切換用流路97を経由
する冷媒の流れを遮断状態にする。
【0118】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図7の実線矢印で示すように、第
1の制御弁90→第3の接続点P3→車室外熱交換器3
8→第2の制御弁92→逆止弁70→第1の接続点P1
→液タンク36→膨張弁34の順に経由する第1の経路
と、第1の制御弁90→放熱用車室内熱交換器33→第
1の接続点P1→液タンク36→膨張弁34の順に経由
する第2の経路のうち少なくとも一方を経て膨張弁34
に導入し、さらに膨張弁34以降は、第3の制御弁91
→第2の接続点P2→吸熱用車室内熱交換器35を経て
コンプレッサ31へ循環する。
【0119】この冷房運転時には、車室外熱交換器38
と放熱用車室内熱交換器33とが放熱器として働き、車
室外熱交換器38がコンプレッサ31から吐出された高
温の冷媒の熱を外気に放熱し、残りの熱を放熱用車室内
熱交換器33がブロワファン37で導入された空気又は
車両走行時のラム圧によって導入された空気に放熱して
温風を作る。また、吸熱用車室内熱交換器35が吸熱器
として働き、ブロワファン37で導入された空気又は車
両走行時のラム圧によって導入された空気の熱を冷媒に
放熱して冷風を作る。
【0120】また、暖房運転モード時は、第1の制御弁
90の車室外熱交換器38側を閉じて車室外熱交換器3
8への冷媒の流入を遮断し、放熱用車室内熱交換器33
側を開いて放熱用車室内熱交換器33側に冷媒が全部流
れるようにする。また、第2の制御弁92及び第3の制
御弁91は、冷房運転モード時と同様に、図7の実線示
の如く設定する。つまり、第1切換用流路96及び第2
の切換用流路97を経由する冷媒の流れを遮断状態にす
る。
【0121】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図7の点線矢印で示すように、第
1の制御弁90→放熱用車室内熱交換器33→第1の接
続点P1→液タンク36→膨張弁34→第3の制御弁9
1→第2の接続点P2→吸熱用車室内熱交換器35の順
に経由してコンプレッサ31へ循環する。
【0122】この暖房運転時には、放熱用車室内熱交換
器33がコンプレッサ31から吐出された高温な冷媒の
熱をブロワファン37で導入された空気又は車両走行時
のラム圧によって導入された空気に放熱して温風を作
り、吸熱用車室内熱交換器35がブロワファン37で導
入された空気又は車両走行時のラム圧によって導入され
た空気の熱を冷媒に吸熱して冷風を作る。
【0123】また、弱暖房運転モード時は、第1の制御
弁90の車室外熱交換器38側を閉じ、放熱用車室内熱
交換器33側を開く。また、第2の制御弁92及び第3
の制御弁91は、冷房運転モード時及び暖房運転モード
時とは逆に、図7の点線示の如く設定する。すなわち、
第2の制御弁92を、車室外熱交換器38の第2の側R
2と第2の接続点P2とを連通する位置に切換え(この
状態で、車室外熱交換器38の第2の側R2と第1の接
続点P1とは遮断される)、第3の制御弁91を、膨張
弁34の冷媒流出側と第3の接続点P3とを連通する位
置に切換え(この状態で、膨張弁34の冷媒流出側と第
2の接続点P2とは遮断される)、前記第1切換用流路
96及び第2の切換用流路97を経由する冷媒の流れを
許す状態にする。
【0124】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図7の一点鎖線矢印で示すよう
に、第1の制御弁90→放熱用車室内熱交換器33→第
1の接続点P1→液タンク36→膨張弁34→第3の制
御弁91→第3の接続点P3→車室外熱交換器38→第
2の制御弁92→第2の接続点P2→吸熱用車室内熱交
換器35を順に経由してコンプレッサ31へ循環する。
【0125】この弱暖房運転時には、放熱用車室内熱交
換器33がコンプレッサ31から吐出された高温な冷媒
の熱をブロワファン37で導入された空気又は車両走行
時のラム圧によって導入された空気に放熱して温風を作
り、吸熱用車室内熱交換器35がブロワファン37で導
入された空気又は車両走行時のラム圧によって導入され
た空気の熱を冷媒に吸熱して冷風を作る。さらに、車室
外熱交換器38が吸熱器として働くことにより、車室外
の空気から熱を汲み上げることができ、より効率的に暖
房運転を行うことができ、成績係数を1以上にすること
ができるようになる。
【0126】この第2の実施例の冷凍サイクルでは、第
3の制御弁91と第2の接続点P2の順番を、第1の実
施例とは逆にしてあることにより、車室外熱交換器38
に対する冷媒流れ方向が、冷房運転モード時と弱暖房運
転モード時とで同方向となっている(第1実施例では逆
方向になっている)。従って、車室外熱交換器38の冷
媒流れ方向が、冷房運転モード時と弱暖房運転モード時
とで逆転しなくなり、それにより冷房運転から弱暖房運
転へ切換える場合、またはその逆に切換える場合に、切
換えが滑らかに行われるようになる。
【0127】また、この実施例も、弱暖房運転モード時
に、吸熱用車室内熱交換器35よりも車室外熱交換器3
8の方が上流側に位置するため、弱暖房運転モードを比
較的温度の高い条件で使う場合に有利となる。なお、第
2の冷媒流路切換手段を構成する第2、第3の制御弁9
2、91として、それぞれ三方弁を用いているので、三
方弁を2個用いるという簡単な構成で、冷房運転モー
ド、暖房運転モードの他に、弱暖房運転モードを実現す
ることができる。
【0128】図9は、本発明の第3実施例(請求項5の
発明に対応)の冷凍サイクルの構成図である。
【0129】この実施例の冷凍サイクルでは、膨張弁3
4の冷媒流出側と吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流入
側との間に第2の接続点P2が設けられており、この第
2の接続点P2と、前記車室外熱交換器38の第2の側
R2とが、第1の切換用流路96によって接続されてい
る。また、第1の制御弁90と前記車室外熱交換器38
の第1の側R1との間の流路上に第3の接続点P3が設
けられており、この第3の接続点P3と第2の接続点P
2とが、第2の切換用流路97によって接続されてい
る。
【0130】そして、車室外熱交換器の第2の側と、前
記第1の接続点P1と、第2の接続点P2とを相互接続
する箇所に、前記第1、第2実施例と同様に、三方弁か
らなる第2の制御弁92が配置されている。
【0131】また、膨張弁34の冷媒流出側と、吸熱用
車室内熱交換器35の冷媒流入側と、第3の接続点P3
と、第2の制御弁92とを相互接続する前記第2の接続
点P2上に、四方弁からなる第3の制御弁91が配置さ
れている。
【0132】すなわち、この第3実施例と第1実施例と
の違いは、第3の制御弁91を三方弁から四方弁に代え
た点にある。これにより、第2の接続点P2上に第3の
制御弁91が位置することになった。この第3の制御弁
91は、図9に実線示するように膨張弁34の冷媒流出
側と吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流入側とを連通す
る状態と、点線示するように膨張弁34の冷媒流出側と
第2の制御弁92とを連通しかつ吸熱用車室内熱交換器
35の冷媒流入側と第3の接続点P3とを連通する状態
と、を選択切換えするものである。冷房運転モード時と
暖房運転モード時には前者(実線示)の切換状態とな
り、弱暖房運転モード時には後者(点線示)の切換状態
となる。
【0133】この冷凍サイクルにおいても、運転モード
に応じて第1の制御弁90、第2の制御弁92、第3の
制御弁91が制御されることにより、冷房運転、暖房運
転、弱暖房運転が実行される。
【0134】各モード時における第1〜第3の制御弁9
0〜92の状態と、その時の冷媒の流れる経路と、車室
外熱交換器38、放熱用車室内熱交換器33、吸熱用車
室内熱交換器35の働きとの関係を、図10の図表を参
照しながら説明する。
【0135】冷房運転モード時は、第1の制御弁90の
車室外熱交換器38側と放熱用車室内熱交換器33側へ
の開度を適当な割合で調節する。また、第2の制御弁9
2及び第3の制御弁91を、図9の実線示の如く設定す
る。すなわち、第2の制御弁92を、車室外熱交換器3
8の第2の側R2と第1の接続点P1とを連通する位置
に切換え(この状態で、車室外熱交換器38の第2の側
R2と第2の接続点P2上の第3の制御弁91とは遮断
される)、第3の制御弁91を、膨張弁34の冷媒流出
側と吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流入側とを連通す
る位置に切換え、前記第1の切換用流路96及び第2の
切換用流路97を経由する冷媒の流れを遮断状態にす
る。
【0136】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図9の実線矢印で示すように、第
1の制御弁90→第3の接続点P3→車室外熱交換器3
8→第2の制御弁92→逆止弁70→第1の接続点P1
→液タンク36→膨張弁34の順に経由する第1の経路
と、第1の制御弁90→放熱用車室内熱交換器33→第
1の接続点P1→液タンク36→膨張弁34の順に経由
する第2の経路のうち少なくとも一方を経て膨張弁34
に導入し、さらに膨張弁34以降は、第3の制御弁91
→吸熱用車室内熱交換器35を経てコンプレッサ31へ
循環する。
【0137】この冷房運転時には、車室外熱交換器38
と放熱用車室内熱交換器33とが放熱器として働き、車
室外熱交換器38がコンプレッサ31から吐出された高
温の冷媒の熱を外気に放熱し、残りの熱を放熱用車室内
熱交換器33がブロワファン37で導入された空気又は
車両走行時のラム圧によって導入された空気に放熱して
温風を作る。また、吸熱用車室内熱交換器35が吸熱器
として働き、ブロワファン37で導入された空気又は車
両走行時のラム圧によって導入された空気の熱を冷媒に
放熱して冷風を作る。
【0138】また、暖房運転モード時は、第1の制御弁
90の車室外熱交換器38側を閉じて車室外熱交換器3
8への冷媒の流入を遮断し、放熱用車室内熱交換器33
側を開いて放熱用車室内熱交換器33側に冷媒が全部流
れるようにする。また、第2の制御弁92及び第3の制
御弁91は、冷房運転モード時と同様に、図9の実線示
の如く設定する。つまり、第1切換用流路96及び第2
の切換用流路97を経由する冷媒の流れを遮断状態にす
る。
【0139】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図9の点線矢印で示すように、第
1の制御弁90→放熱用車室内熱交換器33→第1の接
続点P1→液タンク36→膨張弁34→第3の制御弁9
1→吸熱用車室内熱交換器35の順に経由してコンプレ
ッサ31へ循環する。
【0140】この暖房運転時には、放熱用車室内熱交換
器33がコンプレッサ31から吐出された高温な冷媒の
熱をブロワファン37で導入された空気又は車両走行時
のラム圧によって導入された空気に放熱して温風を作
り、吸熱用車室内熱交換器35がブロワファン37で導
入された空気又は車両走行時のラム圧によって導入され
た空気の熱を冷媒に吸熱して冷風を作る。
【0141】また、弱暖房運転モード時は、第1の制御
弁90の車室外熱交換器38側を閉じ、放熱用車室内熱
交換器33側を開く。また、第2の制御弁92及び第3
の制御弁91は、冷房運転モード時及び暖房運転モード
時とは逆に、図9の点線示の如く設定する。すなわち、
第2の制御弁92を、車室外熱交換器38の第2の側R
2と第2の接続点P2上の第3の制御弁91とを連通す
る位置に切換え(この状態で、車室外熱交換器38の第
2の側R2と第1の接続点P1とは遮断される)、第3
の制御弁91を、膨張弁34の冷媒流出側と第2の制御
弁92とを連通し、かつ吸熱用車室内熱交換器35の冷
媒流入側と第3の接続点P3とを連通する位置に切換え
(この状態で、膨張弁34の冷媒流出側と吸熱用車室内
熱交換器35の冷媒流入側とは遮断される)、前記第1
切換用流路96及び第2の切換用流路97を経由する冷
媒の流れを許す状態にする。
【0142】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図9の一点鎖線矢印で示すよう
に、第1の制御弁90→放熱用車室内熱交換器33→第
1の接続点P1→液タンク36→膨張弁34→第3の制
御弁91→第2の制御弁92→車室外熱交換器38→第
3の接続点P3→第3の制御弁91→吸熱用車室内熱交
換器35を順に経由してコンプレッサ31へ循環する。
【0143】この弱暖房運転時には、放熱用車室内熱交
換器33がコンプレッサ31から吐出された高温な冷媒
の熱をブロワファン37で導入された空気又は車両走行
時のラム圧によって導入された空気に放熱して温風を作
り、吸熱用車室内熱交換器35がブロワファン37で導
入された空気又は車両走行時のラム圧によって導入され
た空気の熱を冷媒に吸熱して冷風を作る。さらに、車室
外熱交換器38が吸熱器として働くことにより、車室外
の空気から熱を汲み上げることができ、より効率的に暖
房運転を行うことができ、成績係数を1以上にすること
ができるようになる。
【0144】この第3実施例の冷凍サイクルでは、第1
実施例と冷媒の流れが同じになる。しかし、第3の制御
弁91を三方弁より安価な四方弁で構成しているので、
コスト的に有利になる。
【0145】図11は、本発明の第4実施例(請求項6
の発明に対応)の冷凍サイクルの構成図である。
【0146】この第4実施例の冷凍サイクルは、前記第
3実施例の冷凍サイクルと次の点で異なるだけで、他は
同じである。すなわち、第3の制御弁91に対する第1
の切換用流路96と第2の切換用流路97の接続の仕方
を、第3実施例と異ならせているのである。この場合の
第3の制御弁91は、図11に実線示するように膨張弁
34の冷媒流出側と吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流
入側とを連通する状態と、点線示するように膨張弁34
の冷媒流出側と第3の接続点P3とを連通しかつ吸熱用
車室内熱交換器35の冷媒流入側と第2の制御弁92と
を連通する状態と、を選択切換えするものである。冷房
運転モード時と暖房運転モード時には前者(実線示)の
切換状態となり、弱暖房運転モード時には後者(点線
示)の切換状態となる。
【0147】この冷凍サイクルにおいても、運転モード
に応じて第1の制御弁90、第2の制御弁92、第3の
制御弁91が制御されることにより、冷房運転、暖房運
転、弱暖房運転が実行される。
【0148】各モード時における第1〜第3の制御弁9
0〜92の状態と、その時の冷媒の流れる経路と、車室
外熱交換器38、放熱用車室内熱交換器33、吸熱用車
室内熱交換器35の働きとの関係を、図12の図表を参
照しながら説明する。
【0149】冷房運転モード時及び暖房運転モード時
は、前記第3実施例と全く同じ経路で冷媒が流れる。
【0150】弱暖房運転モード時には、第3の制御弁9
1に対する、第1の切換用流路96と第2の切換用流路
第1の制御弁90の接続の仕方が第3実施例と異なるた
め、車室外熱交換器38を通る冷媒の流れ方向が第3実
施例の場合と反対になる。
【0151】この場合は、第1の制御弁90の車室外熱
交換器38側を閉じ、放熱用車室内熱交換器33側を開
く。また、第2の制御弁92及び第3の制御弁91は、
冷房運転モード時及び暖房運転モード時とは逆に、図1
1の点線示の如く設定する。すなわち、第2の制御弁9
2を、車室外熱交換器38の第2の側R2と第2の接続
点P2上の第3の制御弁91とを連通する位置に切換え
(この状態で、車室外熱交換器38の第2の側R2と第
1の接続点P1とは遮断される)、第3の制御弁91
を、膨張弁34の冷媒流出側と第3の接続点P3とを連
通し、かつ吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流入側と第
2の制御弁92とを連通する位置に切換え(この状態
で、膨張弁34の冷媒流出側と吸熱用車室内熱交換器3
5の冷媒流入側とは遮断される)、前記第1切換用流路
96及び第2の切換用流路97を経由する冷媒の流れを
許す状態にする。
【0152】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図11の一点鎖線矢印で示すよう
に、第1の制御弁90→放熱用車室内熱交換器33→第
1の接続点P1→液タンク36→膨張弁34→第3の制
御弁91→第3の接続点P3→車室外熱交換器38→第
2の制御弁92→第3の制御弁91→吸熱用車室内熱交
換器35を順に経由してコンプレッサ31へ循環する。
【0153】この第4の実施例の冷凍サイクルでは、第
3の制御弁91に対する、第1の切換用流路96と第2
の切換用流路第1の制御弁90の接続の仕方が第3実施
例と異なるため、車室外熱交換器38を通る冷媒の流れ
方向が、冷房運転モード時と弱暖房運転モード時とで同
方向となっている(第3実施例では逆方向になってい
る)。従って、車室外熱交換器38の冷媒流れ方向が、
冷房運転モード時と弱暖房運転モード時とで逆転しなく
なり、それにより冷房運転から弱暖房運転へ切換える場
合、またはその逆に切換える場合に、切換えが滑らかに
行われるようになる。
【0154】以上の第1〜第4実施例においては、弱暖
房運転モード時に、車室外熱交換器38を、膨張弁34
の冷媒流出側と吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流入側
との間に挿入接続する場合を述べたが、以下の第5〜8
実施例では、弱暖房運転モード時に、車室外熱交換器3
8を、吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流出側とコンプ
レッサ31の冷媒流入側との間に挿入接続する場合を述
べる。
【0155】図13は、本発明の第5実施例(請求項7
の発明に対応)の冷凍サイクルの構成図である。
【0156】この実施例の冷凍サイクルでは、吸熱用車
室内熱交換器35の冷媒流出側とコンプレッサ31の冷
媒吸入側との間に第2の接続点P2が設けられており、
この第2の接続点P2と、前記車室外熱交換器38の第
2の側R2とが、第1の切換用流路96によって接続さ
れている。また、第1の制御弁90と前記車室外熱交換
器38の第1の側R1との間の流路上に第3の接続点P
3が設けられており、この第3の接続点P3と第2の接
続点P2とが、第2の切換用流路97によって接続され
ている。
【0157】そして、車室外熱交換器38の第2の側
と、前記第1の接続点P1と、第2の接続点P2とを相
互接続する箇所に、前記第1〜4実施例と同様に、三方
弁からなる第2の制御弁92が配置されている。
【0158】また、吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流
出側と、コンプレッサ31の冷媒吸入側と、第3の接続
点P3と、第2の制御弁92とを相互接続する前記第2
の接続点P2上に、四方弁からなる第3の制御弁91が
配置されている。
【0159】この第3の制御弁91は、図13に実線示
するように吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流出側とコ
ンプレッサ31の冷媒吸入側とを連通する状態と、点線
示するように吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流出側と
第2の制御弁92とを連通しかつコンプレッサ31の冷
媒吸入側と第3の接続点P3とを連通する状態と、を選
択切換えするものである。冷房運転モード時と暖房運転
モード時には前者(実線示)の切換状態となり、弱暖房
運転モード時には後者(点線示)の切換状態となる。
【0160】この冷凍サイクルにおいても、運転モード
に応じて第1の制御弁90、第2の制御弁92、第3の
制御弁91が制御されることにより、冷房運転、暖房運
転、弱暖房運転が実行される。
【0161】各モード時における第1〜第3の制御弁9
0〜92の状態と、その時の冷媒の流れる経路と、車室
外熱交換器38、放熱用車室内熱交換器33、吸熱用車
室内熱交換器35の働きとの関係を、図14の図表を参
照しながら説明する。
【0162】冷房運転モード時は、第1の制御弁90の
車室外熱交換器38側と放熱用車室内熱交換器33側へ
の開度を適当な割合で調節する。また、第2の制御弁9
2及び第3の制御弁91を、図13の実線示の如く設定
する。すなわち、第2の制御弁92を、車室外熱交換器
38の第2の側R2と第1の接続点P1とを連通する位
置に切換え(この状態で、車室外熱交換器38の第2の
側R2と第2の接続点P2上の第3の制御弁91とは遮
断される)、第3の制御弁91を、吸熱用車室内熱交換
器35の冷媒流出側とコンプレッサ31の冷媒吸入側と
を連通する位置に切換え、前記第1の切換用流路96及
び第2の切換用流路97を経由する冷媒の流れを遮断状
態にする。
【0163】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図13の実線矢印で示すように、
第1の制御弁90→第3の接続点P3→車室外熱交換器
38→第2の制御弁92→逆止弁70→第1の接続点P
1→液タンク36→膨張弁34の順に経由する第1の経
路と、第1の制御弁90→放熱用車室内熱交換器33→
第1の接続点P1→液タンク36→膨張弁34の順に経
由する第2の経路のうち少なくとも一方を経て膨張弁3
4に導入し、さらに膨張弁34以降は、吸熱用車室内熱
交換器35→第3の制御弁91を経てコンプレッサ31
へ循環する。
【0164】この冷房運転時には、車室外熱交換器38
と放熱用車室内熱交換器33とが放熱器として働き、車
室外熱交換器38がコンプレッサ31から吐出された高
温の冷媒の熱を外気に放熱し、残りの熱を放熱用車室内
熱交換器33がブロワファン37で導入された空気又は
車両走行時のラム圧によって導入された空気に放熱して
温風を作る。また、吸熱用車室内熱交換器35が吸熱器
として働き、ブロワファン37で導入された空気又は車
両走行時のラム圧によって導入された空気の熱を冷媒に
放熱して冷風を作る。
【0165】また、暖房運転モード時は、第1の制御弁
90の車室外熱交換器38側を閉じて車室外熱交換器3
8への冷媒の流入を遮断し、放熱用車室内熱交換器33
側を開いて放熱用車室内熱交換器33側に冷媒が全部流
れるようにする。また、第2の制御弁92及び第3の制
御弁91は、冷房運転モード時と同様に、図13の実線
示の如く設定する。つまり、第1切換用流路96及び第
2の切換用流路97を経由する冷媒の流れを遮断状態に
する。
【0166】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図13の点線矢印で示すように、
第1の制御弁90→放熱用車室内熱交換器33→第1の
接続点P1→液タンク36→膨張弁34→吸熱用車室内
熱交換器35→第3の制御弁91の順に経由してコンプ
レッサ31へ循環する。
【0167】この暖房運転時には、放熱用車室内熱交換
器33がコンプレッサ31から吐出された高温な冷媒の
熱をブロワファン37で導入された空気又は車両走行時
のラム圧によって導入された空気に放熱して温風を作
り、吸熱用車室内熱交換器35がブロワファン37で導
入された空気又は車両走行時のラム圧によって導入され
た空気の熱を冷媒に吸熱して冷風を作る。
【0168】また、弱暖房運転モード時は、第1の制御
弁90の車室外熱交換器38側を閉じ、放熱用車室内熱
交換器33側を開く。また、第2の制御弁92及び第3
の制御弁91は、冷房運転モード時及び暖房運転モード
時とは逆に、図13の点線示の如く設定する。すなわ
ち、第2の制御弁92を、車室外熱交換器38の第2の
側R2と第2の接続点P2上の第3の制御弁91とを連
通する位置に切換え(この状態で、車室外熱交換器38
の第2の側R2と第1の接続点P1とは遮断される)、
第3の制御弁91を、吸熱用車室内熱交換器35の冷媒
流出側と第2の制御弁92とを連通し、かつコンプレッ
サ31の冷媒吸入側と第3の接続点P3とを連通する位
置に切換え(この状態で、吸熱用車室内熱交換器35の
冷媒流出側とコンプレッサ31の冷媒吸入側とは遮断さ
れる)、前記第1切換用流路96及び第2の切換用流路
97を経由する冷媒の流れを許す状態にする。
【0169】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図13の一点鎖線矢印で示すよう
に、第1の制御弁90→放熱用車室内熱交換器33→第
1の接続点P1→液タンク36→膨張弁34→吸熱用車
室内熱交換器35→第3の制御弁91→第2の制御弁9
2→車室外熱交換器38→第3の接続点P3→第3の制
御弁91を順に経由してコンプレッサ31へ循環する。
【0170】この弱暖房運転時には、放熱用車室内熱交
換器33がコンプレッサ31から吐出された高温な冷媒
の熱をブロワファン37で導入された空気又は車両走行
時のラム圧によって導入された空気に放熱して温風を作
り、吸熱用車室内熱交換器35がブロワファン37で導
入された空気又は車両走行時のラム圧によって導入され
た空気の熱を冷媒に吸熱して冷風を作る。さらに、車室
外熱交換器38が吸熱器として働くことにより、車室外
の空気から熱を汲み上げることができ、より効率的に暖
房運転を行うことができ、成績係数を1以上にすること
ができるようになる。
【0171】また、この実施例では、弱暖房運転モード
時に、吸熱用車室内熱交換器35が車室外熱交換器38
よりも上流側に位置するため、弱暖房運転モードを比較
的温度の低い条件で使う場合に有利となる。なお、第2
の冷媒流路切換手段を構成する第2、第3の制御弁9
1、92として、それぞれ三方弁と四方弁を用いている
ので、三方弁1個と四方弁1個を用いるという簡単な構
成で、冷房、弱暖房、暖房の各運転モードを実現するこ
とができる。
【0172】図15は、本発明の第6実施例(請求項8
の発明に対応)の冷凍サイクルの構成図である。
【0173】この第6実施例の冷凍サイクルは、前記第
5実施例の冷凍サイクルと次の点で異なるだけで、他は
同じである。すなわち、第3の制御弁91に対する第1
の切換用流路96と第2の切換用流路97の接続の仕方
を、第5実施例と異ならせているのである。この場合の
第3の制御弁91は、図15に実線示するように吸熱用
車室内熱交換器35の冷媒流出側とコンプレッサ31の
冷媒吸入側とを連通する状態と、点線示するように吸熱
用車室内熱交換器35の冷媒流出側と第3の接続点P3
とを連通しかつコンプレッサ31の冷媒吸入側と第2の
制御弁92とを連通する状態と、を選択切換えするもの
である。冷房運転モード時と暖房運転モード時には前者
(実線示)の切換状態となり、弱暖房運転モード時には
後者(点線示)の切換状態となる。
【0174】この冷凍サイクルにおいても、運転モード
に応じて第1の制御弁90、第2の制御弁92、第3の
制御弁91が制御されることにより、冷房運転、暖房運
転、弱暖房運転が実行される。
【0175】各モード時における第1〜第3の制御弁9
0〜92の状態と、その時の冷媒の流れる経路と、車室
外熱交換器38、放熱用車室内熱交換器33、吸熱用車
室内熱交換器35の働きとの関係を、図16の図表を参
照しながら説明する。
【0176】冷房運転モード時及び暖房運転モード時
は、前記第5実施例と全く同じ経路で冷媒が流れる。
【0177】弱暖房運転モード時には、第3の制御弁9
1に対する、第1の切換用流路96と第2の切換用流路
第1の制御弁90の接続の仕方が第5実施例と異なるた
め、車室外熱交換器38を通る冷媒の流れ方向が第5実
施例の場合と反対になる。
【0178】この場合は、第1の制御弁90の車室外熱
交換器38側を閉じ、放熱用車室内熱交換器33側を開
く。また、第2の制御弁92及び第3の制御弁91は、
冷房運転モード時及び暖房運転モード時とは逆に、図1
5の点線示の如く設定する。すなわち、第2の制御弁9
2を、車室外熱交換器38の第2の側R2と第2の接続
点P2上の第3の制御弁91とを連通する位置に切換え
(この状態で、車室外熱交換器38の第2の側R2と第
1の接続点P1とは遮断される)、第3の制御弁91
を、吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流出側と第3の接
続点P3とを連通し、かつコンプレッサ31の冷媒流入
側と第2の制御弁92とを連通する位置に切換え(この
状態で、吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流出側とコン
プレッサ31の冷媒吸入側とは遮断される)、前記第1
切換用流路96及び第2の切換用流路97を経由する冷
媒の流れを許す状態にする。
【0179】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図15の一点鎖線矢印で示すよう
に、第1の制御弁90→放熱用車室内熱交換器33→第
1の接続点P1→液タンク36→膨張弁34→吸熱用車
室内熱交換器35→第3の制御弁91→第3の接続点P
3→車室外熱交換器38→第2の制御弁92→第3の制
御弁91を順に経由してコンプレッサ31へ循環する。
【0180】この第6の実施例の冷凍サイクルでは、第
3の制御弁91に対する、第1の切換用流路96と第2
の切換用流路第1の制御弁90の接続の仕方が第5実施
例と異なるため、車室外熱交換器38を通る冷媒の流れ
方向が、冷房運転モード時と弱暖房運転モード時とで同
方向となっている(第5実施例では逆方向になってい
る)。従って、車室外熱交換器38の冷媒流れ方向が、
冷房運転モード時と弱暖房運転モード時とで逆転しなく
なり、それにより冷房運転から弱暖房運転へ切換える場
合、またはその逆に切換える場合に、切換えが滑らかに
行われるようになる。
【0181】図17は、本発明の第7実施例(請求項9
の発明に対応)の冷凍サイクルの構成図である。
【0182】この実施例の冷凍サイクルでは、吸熱用車
室内熱交換器35の冷媒流出側とコンプレッサ31の冷
媒吸入側との間の流路上に、第2の接続点P2が設けら
れており、この第2の接続点P2と、車室外熱交換器3
8の第2の側R2とが、第1の切換用流路96によって
接続されている。
【0183】そして、車室外熱交換器38の第2の側R
2と、第1の接続点P1と、第2の接続点P2とを相互
接続する箇所に、三方弁からなる第2の制御弁92が、
前述の第1〜6実施例と同様に配置されている。
【0184】また、前記第1の制御弁90と前記車室外
熱交換器38の第1の側R1との間の流路上に設けた第
3の接続点P3と、前記第2の接続点P2とコンプレッ
サ31の冷媒吸入側との間の流路とが、第2の切換用流
路97で接続されている。
【0185】そして、第2の接続点P2と、第3の接続
点P3と、コンプレッサ31の冷媒吸入側とを相互接続
する箇所に、三方弁からなる第3の制御弁91が配置さ
れている。この第3の制御弁91は、第2の接続点P2
とコンプレッサ31の冷媒吸入側とを連通させるか、あ
るいは第3の接続点P3とコンプレッサ31の冷媒吸入
側とを連通させるかを選択するものである。
【0186】このサイクルにおいても、運転モードに応
じて第1の制御弁90、第2の制御弁92、第3の制御
弁91が制御されることにより、冷房運転、暖房運転、
弱暖房運転が実行される。
【0187】各モード時における第1〜第3の制御弁9
0〜92の状態と、その時の冷媒の流れる経路と、車室
外熱交換器38、放熱用車室内熱交換器33、吸熱用車
室内熱交換器35の働きとの関係を、図18の図表を参
照しながら説明する。
【0188】冷房運転モード時は、第1の制御弁90の
車室外熱交換器38側と放熱用車室内熱交換器33側へ
の開度を適当な割合で調節する。また、第2の制御弁9
2及び第3の制御弁91を、図17の実線示の如く設定
する。すなわち、第2の制御弁92を、車室外熱交換器
38の第2の側と第1の接続点P1とを連通する位置に
切換え(この状態で、車室外熱交換器38の第2の側と
第2の接続点P2とは遮断される)、第3の制御弁91
を、第2の接続点P2とコンプレッサ31の冷媒吸入側
とを連通する位置に切換え(この状態で、第3の接続点
P3とコンプレッサ31の冷媒吸入側とは遮断され
る)、前記第1の切換用流路96及び第2の切換用流路
97を経由する冷媒の流れを遮断状態にする。
【0189】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図17に実線矢印で示す経路で循
環する。すなわち、第1の制御弁90→第3の接続点P
3→車室外熱交換器38→第2の制御弁92→逆止弁7
0→第1の接続点P1→液タンク36→膨張弁34の順
に経由する第1の経路と、第1の制御弁90→放熱用車
室内熱交換器33→第1の接続点P1→液タンク36→
膨張弁34の順に経由する第2の経路のうち少なくとも
一方を経て膨張弁34に導入され、さらに膨張弁34以
降は、吸熱用車室内熱交換器35→第2の接続点P2→
第3の制御弁91を経てコンプレッサ31へ循環する。
【0190】この冷房運転時には、車室外熱交換器38
と放熱用車室内熱交換器33とが放熱器として働き、車
室外熱交換器38が、コンプレッサ31から吐出された
高温の冷媒の熱を外気に放熱し、残りの熱を放熱用車室
内熱交換器33がブロワファン37で導入された空気又
は車両走行時のラム圧によって導入された空気に放熱し
て温風を作る。また、吸熱用車室内熱交換器35が吸熱
器として働き、ブロワファン37で導入された空気又は
車両走行時のラム圧によって導入された空気の熱を冷媒
に放熱して冷風を作る。
【0191】また、暖房運転モード時は、第1の制御弁
90の車室外熱交換器38側を閉じて車室外熱交換器3
8への冷媒の流入を遮断し、放熱用車室内熱交換器33
側を開いて放熱用車室内熱交換器33側に冷媒が全部流
れるようにする。また、第2の制御弁92及び第3の制
御弁91は、冷房運転モード時と同様に、図17の実線
示の如く設定する。つまり、第1の切換用流路96及び
第2の切換用流路97を経由する冷媒の流れを遮断状態
にする。
【0192】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図2に点線矢印で示す回路で循環
する。すなわち、第1の制御弁90→放熱用車室内熱交
換器33→第1の接続点P1→液タンク36→膨張弁3
4→吸熱用車室内熱交換器35→第2の接続点P2→第
3の制御弁91の順に経由して、コンプレッサ31へ循
環する。
【0193】この暖房運転時には、放熱用車室内熱交換
器33がコンプレッサ31から吐出された高温な冷媒の
熱をブロワファン37で導入された空気又は車両走行時
のラム圧によって導入された空気に放熱して温風を作
り、吸熱用車室内熱交換器35がブロワファン37で導
入された空気又は車両走行時のラム圧によって導入され
た空気の熱を冷媒に吸熱して冷風を作る。
【0194】また、弱暖房運転モード時は、第1の制御
弁90の車室外熱交換器38側を閉じ、放熱用車室内熱
交換器33側を開く。また、第2の制御弁92及び第3
の制御弁91は、冷房運転モード時及び暖房運転モード
時とは逆に、図17の点線示の如く設定する。すなわ
ち、第2の制御弁92を、車室外熱交換器38の第2の
側と第2の接続点P2とを連通する位置に切換え(この
状態で、車室外熱交換器38の第2の側と第1の接続点
P1とは遮断される)、第3の制御弁91を、第3の接
続点P3とコンプレッサ31の冷媒吸入側とを連通する
位置に切換え(この状態で、第2の接続点P2とコンプ
レッサ31の冷媒流入側とは遮断される)、前記第1切
換用流路96及び第2の切換用流路97を経由する冷媒
の流れを許す状態にする。
【0195】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図17の一点鎖線矢印で示す回路
で循環する。すなわち、第1の制御弁90→放熱用車室
内熱交換器33→第1の接続点P1→液タンク36→膨
張弁34→吸熱用車室内熱交換器35→第2の接続点P
2→第2の制御弁92→車室外熱交換器38→第3の接
続点P3→第3の制御弁91を順に経由してコンプレッ
サ31へ循環する。
【0196】この弱暖房運転時には、放熱用車室内熱交
換器33がコンプレッサ31から吐出された高温な冷媒
の熱をブロワファン37で導入された空気又は車両走行
時のラム圧によって導入された空気に放熱して温風を作
り、吸熱用車室内熱交換器35がブロワファン37で導
入された空気又は車両走行時のラム圧によって導入され
た空気の熱を冷媒に吸熱して冷風を作る。さらに、車室
外熱交換器38が吸熱器として働くことにより、車室外
の空気から熱を汲み上げることができ、より効率的に暖
房運転を行うことができ、成績係数を1以上にすること
ができるようになる。
【0197】また、この実施例では、弱暖房運転モード
時に、吸熱用車室内熱交換器35が車室外熱交換器38
よりも上流側に位置するため、弱暖房運転モードを比較
的温度の低い条件で使う場合に有利となる。なお、第2
の冷媒流路切換手段を構成する第2、第3の制御弁9
1、92として、それぞれ三方弁を用いているので、三
方弁を2個用いるという簡単な構成で、冷房運転モー
ド、暖房運転モードの他に、弱暖房運転モードを実現す
ることができる。
【0198】図19は、本発明の第8実施例(請求項1
0の発明に対応)の冷凍サイクルの構成図である。
【0199】この実施例の冷凍サイクルでは、吸熱用車
室内熱交換器35の冷媒流出側とコンプレッサ31の冷
媒吸入側との間にある、第3の制御弁91と第2の接続
点P2の順序が、前記第7実施例のものと逆になってい
る。すなわち、第2の接続点P2と吸熱用車室内熱交換
器35の冷媒流出側との間に第3の制御弁91が配置さ
れ、この第3の制御弁91により、第3の接続点P3
と、膨張弁34の冷媒流出側と、第2の接続点P2とが
相互に接続されている。
【0200】この第3の制御弁91は、吸熱用車室内熱
交換器35の冷媒流出側と第2の接続点P2とを連通さ
せるか、あるいは吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流出
側と第3の接続点P3とを連通させるかを選択するもの
である。
【0201】このサイクルにおいても、運転モードに応
じて第1の制御弁90、第2の制御弁92、第3の制御
弁91が制御されることにより、冷房運転、暖房運転、
弱暖房運転が実行される。
【0202】各モード時における第1〜第3の制御弁9
0〜92の状態と、その時の冷媒の流れる経路と、車室
外熱交換器38、放熱用車室内熱交換器33、吸熱用車
室内熱交換器35の働きとの関係を、図20の図表を参
照しながら説明する。
【0203】冷房運転モード時は、第1の制御弁90の
車室外熱交換器38側と放熱用車室内熱交換器33側へ
の開度を適当な割合で調節する。また、第2の制御弁9
2及び第3の制御弁91を、図19の実線示の如く設定
する。すなわち、第2の制御弁92を、車室外熱交換器
38の第2の側R2と第1の接続点P1とを連通する位
置に切換え(この状態で、車室外熱交換器38の第2の
側R2と第2の接続点P2とは遮断される)、第3の制
御弁91を、吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流出側と
第2の接続点P2とを連通する位置に切換え(この状態
で、吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流出側と第3の接
続点P3とは遮断される)、前記第1の切換用流路96
及び第2の切換用流路97を経由する冷媒の流れを遮断
状態にする。
【0204】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図19の実線矢印で示すように、
第1の制御弁90→第3の接続点P3→車室外熱交換器
38→第2の制御弁92→逆止弁70→第1の接続点P
1→液タンク36→膨張弁34の順に経由する第1の経
路と、第1の制御弁90→放熱用車室内熱交換器33→
第1の接続点P1→液タンク36→膨張弁34の順に経
由する第2の経路のうち少なくとも一方を経て膨張弁3
4に導入し、さらに膨張弁34以降は、吸熱用車室内熱
交換器35→第3の制御弁91→第2の接続点P2を経
てコンプレッサ31へ循環する。
【0205】この冷房運転時には、車室外熱交換器38
と放熱用車室内熱交換器33とが放熱器として働き、車
室外熱交換器38がコンプレッサ31から吐出された高
温の冷媒の熱を外気に放熱し、残りの熱を放熱用車室内
熱交換器33がブロワファン37で導入された空気又は
車両走行時のラム圧によって導入された空気に放熱して
温風を作る。また、吸熱用車室内熱交換器35が吸熱器
として働き、ブロワファン37で導入された空気又は車
両走行時のラム圧によって導入された空気の熱を冷媒に
放熱して冷風を作る。
【0206】また、暖房運転モード時は、第1の制御弁
90の車室外熱交換器38側を閉じて車室外熱交換器3
8への冷媒の流入を遮断し、放熱用車室内熱交換器33
側を開いて放熱用車室内熱交換器33側に冷媒が全部流
れるようにする。また、第2の制御弁92及び第3の制
御弁91は、冷房運転モード時と同様に、図19の実線
示の如く設定する。つまり、第1切換用流路96及び第
2の切換用流路97を経由する冷媒の流れを遮断状態に
する。
【0207】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図19の点線矢印で示すように、
第1の制御弁90→放熱用車室内熱交換器33→第1の
接続点P1→液タンク36→膨張弁34→吸熱用車室内
熱交換器→第3の制御弁91→第2の接続点P2の順に
経由してコンプレッサ31へ循環する。
【0208】この暖房運転時には、放熱用車室内熱交換
器33がコンプレッサ31から吐出された高温な冷媒の
熱をブロワファン37で導入された空気又は車両走行時
のラム圧によって導入された空気に放熱して温風を作
り、吸熱用車室内熱交換器35がブロワファン37で導
入された空気又は車両走行時のラム圧によって導入され
た空気の熱を冷媒に吸熱して冷風を作る。
【0209】また、弱暖房運転モード時は、第1の制御
弁90の車室外熱交換器38側を閉じ、放熱用車室内熱
交換器33側を開く。また、第2の制御弁92及び第3
の制御弁91は、冷房運転モード時及び暖房運転モード
時とは逆に、図19の点線示の如く設定する。すなわ
ち、第2の制御弁92を、車室外熱交換器38の第2の
側R2と第2の接続点P2とを連通する位置に切換え
(この状態で、車室外熱交換器38の第2の側R2と第
1の接続点P1とは遮断される)、第3の制御弁91
を、吸熱用車室内熱交換器35の冷媒流出側と第3の接
続点P3とを連通する位置に切換え(この状態で、吸熱
用車室内熱交換器35の冷媒流出側と第2の接続点P2
とは遮断される)、前記第1切換用流路96及び第2の
切換用流路97を経由する冷媒の流れを許す状態にす
る。
【0210】そうすることにより、コンプレッサ31か
ら吐出された冷媒が、図19の一点鎖線矢印で示すよう
に、第1の制御弁90→放熱用車室内熱交換器33→第
1の接続点P1→液タンク36→膨張弁34→吸熱用車
室内熱交換器35→第3の制御弁91→第3の接続点P
3→車室外熱交換器38→第2の制御弁92→第2の接
続点P2を順に経由してコンプレッサ31へ循環する。
【0211】この弱暖房運転時には、放熱用車室内熱交
換器33がコンプレッサ31から吐出された高温な冷媒
の熱をブロワファン37で導入された空気又は車両走行
時のラム圧によって導入された空気に放熱して温風を作
り、吸熱用車室内熱交換器35がブロワファン37で導
入された空気又は車両走行時のラム圧によって導入され
た空気の熱を冷媒に吸熱して冷風を作る。さらに、車室
外熱交換器38が吸熱器として働くことにより、車室外
の空気から熱を汲み上げることができ、より効率的に暖
房運転を行うことができ、成績係数を1以上にすること
ができるようになる。
【0212】この第8の実施例の冷凍サイクルでは、第
3の制御弁91と第2の接続点P2の順番を、第7の実
施例とは逆にしてあることにより、車室外熱交換器38
に対する冷媒流れ方向が、冷房運転モード時と弱暖房運
転モード時とで同方向となっている(第7実施例では逆
方向になっている)。従って、車室外熱交換器38の冷
媒流れ方向が、冷房運転モード時と弱暖房運転モード時
とで逆転しなくなり、それにより冷房運転から弱暖房運
転へ切換える場合、またはその逆に切換える場合に、切
換えが滑らかに行われるようになる。
【0213】次に、本発明の第9実施例(請求項12、
13に対応)を説明する。
【0214】図21は、第9実施例の冷凍サイクルの構
成図である。前記第1〜第8実施例では、第1の冷媒流
路切換手段を2位置流量制御弁からなる第1の制御弁9
0で構成していたが、この第9実施例の冷凍サイクルで
は、その第1冷媒流路切換手段を別の手段、すなわち第
1の冷媒流れ開閉弁100と第2の冷媒流れ開閉弁10
1と圧力抵抗体104とで構成している。
【0215】ここでは、基本構成が第1実施例と同じ冷
凍サイクルを例にとって説明する。コンプレッサ31か
ら車室外熱交換器38、放熱用車室内熱交換器33への
分岐点をP9とすると、その分岐点P9と第3の接続点
P3との間の流路上に、第1の冷媒流れ開閉弁100が
配置されている。
【0216】また、前記分岐点P3と放熱用車室内熱交
換器33の冷媒流入側との間には、互いに並列な関係で
2本の配管103、105が設けられている。配管10
5は配管103のバイパス用の配管であり、接続点P1
1とP12とで配管103に接続している。そして、こ
れら2本のうち、配管103には第2の冷媒流れ開閉弁
101が配置され、この第2の冷媒流れ開閉弁101と
放熱用車室内熱交換器33側の接続点P12との間に
は、接続点12側から接続点11側への冷媒の逆流を阻
止する逆止弁102が設けられている。また、もう一方
のバイパス用の配管105に、流路抵抗の大きな圧力抵
抗体104が配置されている。
【0217】次に作動を説明する。
【0218】冷房運転モード時には、第1の冷媒流れ開
閉弁100と第2の冷媒流れ開閉弁101とを共に開放
する。すると、コンプレッサ31から吐出された冷媒
は、車室外熱交換器38と放熱用車室内熱交換器33の
両方に流れる。両方の熱交換器の冷媒流路抵抗は多少異
なるため、冷媒流量は同じにはならないが、ほぼ同程度
の流量で冷媒が流れる。
【0219】ここで、第2の冷媒流れ開閉弁101だけ
を閉止する。そうすると、放熱用車室内熱交換器33へ
向かう冷媒は、圧力抵抗体104を配置した配管103
を通って放熱用車室内熱交換器33に流れることになる
が、圧力抵抗体104の流路抵抗により流量の減少を余
儀無くされる。そして、結果的に、車室外熱交換器38
側を流れる冷媒流量が、放熱用車室内熱交換器33を流
れる冷媒流量よりも多くなる。これにより、放熱用車室
内熱交換器33からの放熱量が低くてもよい場合には、
第2の冷媒流れ開閉弁101を閉止するだけで、放熱用
車室内熱交換器33を通る冷媒量を減少させて、放熱用
車室内熱交換器33からの放熱量を少なくすることがで
きる。従って、この作動により、ダクト内の冷風と温風
とバランスを調整し得、もってエアミックス開度を精度
良く制御できることになる。
【0220】一方、暖房運転モード時及び弱暖房運転モ
ード時には、コンプレッサ31からの吐出冷媒はすべて
放熱用車室内熱交換器33へ向かわせるので、第1の冷
媒流れ開閉弁100は閉止し、第2の冷媒流れ開閉弁1
01だけを開放する。
【0221】この実施例によれば、コンプレッサ31か
ら車室外熱交換器38へ流す冷媒量と、コンプレッサ3
1から放熱用車室内熱交換器33へ流す冷媒量の割合
を、より簡単な構成で調整することができるので、コス
ト的に有利になる。
【0222】次に、この実施例における制御の例を、図
22のフローチャートを用いて説明する。この例では、
前述の図4、5、6に示したフローチャートと、ステッ
プS921以降が異なるのみであるため、ステップS9
21以降だけを説明する。
【0223】ステップS921では、コンプレッサ吐出
温度Td が90℃を超えているかどうかを判定する。9
0℃という値は、それを超えた状態のまま運転状態を続
けるのは危険であると判断し得る基準温度である。90
℃を超えていればステップS923へ進み、超えていな
ければステップS922へ進む。
【0224】ステップS922では、放熱用車室内熱交
換器33の温度Tscが65℃を超えているか否かを判定
する。この65℃という値も、それを超えた状態のまま
運転状態を続けるのは危険であると判断し得る基準温度
である。65℃を超えていればステップS923へ進
み、超えていなければステップS924へ進む。
【0225】Td あるいはTscが所定の温度を超えてい
てこのまま運転状態を継続するのは危険であると判定さ
れて、ステップS923に進んだ場合は、このステップ
S923で第1の冷媒流れ開閉弁(弁Aという)100
を開放し、外気に対する放熱量を大きくして、Td およ
びTscを減少させる。
【0226】ステップS924では、エアミックス開度
Xが30%よりも小さいかどうかを判定する。エアミッ
クス開度Xが30%よりも小さい場合は、放熱用車室内
熱交換器33へ向かう冷媒量を少なくしても十分な放熱
量を確保し得るので、この30%という値を、放熱用車
室内熱交換器33へ向かう冷媒量を少なくする場合の判
定基準値としている。エアミックス開度Xが30%より
も小さい場合はステップS925へ進み、そうでない場
合はステップS926へ進む。
【0227】ステップS925では、エアミックス開度
Xが30%よりも小さく、放熱用車室内熱交換器33へ
向かう冷媒量を少なくしても十分な放熱量を確保し得る
場合であるから、第2の冷媒流れ開閉弁101(弁Bと
いう)を閉止する。
【0228】ステップS926では、エアミックス開度
Xが80%を超えているかどうかを判定する。エアミッ
クス開度Xが80%を超えている場合は、放熱用車室内
熱交換器33の温度を上昇させないと室温制御ができな
くなるおそれがあるので、80%という値を、その判定
基準値としている。エアミックス開度Xが80%を超え
ている場合はステップS928へ進み、そうでない場合
はステップS927へ進む。
【0229】ステップS927では、放熱用車室内熱交
換器33の温度Tscが40℃未満であるかどうかを判定
する。放熱用車室内熱交換器33の温度Tscが40℃未
満である場合は、そのままであると室温制御ができなく
なるおそれがあるので、40℃という値を、その判定基
準値としている。放熱用車室内熱交換器33の温度Tsc
が40℃未満である場合はステップS928へ進み、そ
うでない場合はステップS902へ戻る。
【0230】ステップS928では、放熱用車室内熱交
換器33の温度を上昇させないと室温制御ができなくな
る場合であるから、第1の冷媒流れ開閉弁101(弁
A)を閉止し、コンプレッサ31からの吐出冷媒をすべ
て放熱用車室内熱交換器33側に流入させる。
【0231】この制御によれば、コンプレッサ31の吐
出温度や、エアミックス開度や、放熱用車室内熱交換器
の温度等に基づいて、車室外熱交換器38及び放熱用車
室内熱交換器33へ導く冷媒の流れを制御するので、き
め細かい冷房制御を行うことができる。
【0232】なお、以上の各実施例では、弱暖房運転モ
ード時に、車室外熱交換器38を、膨張弁34の冷媒流
出側とコンプレッサ31の冷媒吸入側との間に、吸熱用
車室内熱交換器35と直列の関係で挿入接続するように
した場合を説明したが、弱暖房運転モード時に、車室外
熱交換器38を、膨張弁34の冷媒流出側とコンプレッ
サ31の冷媒吸入側との間に、吸熱用車室内熱交換器3
5と並列の関係で挿入接続するようにしてもよい。そし
て、車室外熱交換器38を流れる冷媒量と吸熱用車室内
熱交換器35を流れる冷媒量を調節手段で調節するよう
に構成してもよい。
【0233】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に記
載の発明によれば、暖房運転時には放熱用車室内熱交換
器で放熱すると共に、吸熱用車室内熱交換器で吸熱し、
冷房運転時には車室外熱交換器または車室外熱交換器と
放熱用車室内熱交換器との双方で放熱すると共に、吸熱
用車室内熱交換器で吸熱しているので、暖房運転時には
吸熱用車室内熱交換器の吸熱量と、コンプレッサの仕事
熱量とを放熱用車室内熱交換器で放熱し暖房能力が向上
すると共に外気の気象条件に左右されず低外気温でも運
転が可能となり安定した制御が可能となる。吸熱用車室
内熱交換器で除湿した後、放熱用車室内熱交換器で加熱
するので、除湿暖房が可能となり、窓の曇り防止を図る
ことができる。空調風の除湿をした後のリヒートは電気
ヒータ等を使う必要がなく消費電力を削減することがで
きる。電気ヒータやエンジンの排熱を用いることなく効
率良く暖房ができるためエンジンを持った車に限らずソ
ーラーカーや電気自動車のような大きな熱源を持たない
場合でも適用することができる。
【0234】さらに、必要に応じて車室外熱交換器によ
り外気に対し放熱、吸熱あるいは遮断することができる
ので、外気が極寒の環境であれば遮断、またやや寒い環
境では吸熱、さらにまた暑い条件では放熱することがで
き、暖房運転時には、非常に寒い条件からやや寒い条件
まで使用することができるとともに、やや寒い環境では
成績係数を1以上にすることができ、省エネルギを図る
ことができる。
【0235】請求項2に記載の発明では、車室内熱環境
状態に応じて冷房、暖房、弱暖房のいずれかの運転モー
ドを選択することができるので、車室内を所望の熱環境
状態に効率良く調整することができる。
【0236】請求項3に記載の発明では、三方弁を2個
用いるという簡単な構成で、冷房運転モード、暖房運転
モードの他に、弱暖房運転モードを実現することができ
る。また、弱暖房運転モード時に、吸熱用車室内熱交換
器よりも車室外熱交換器の方が上流側になるため、弱暖
房運転モードを比較的温度の高い条件で有利に使うこと
ができる。
【0237】請求項4に記載の発明では、弱暖房運転モ
ード時と冷房運転モード時とで、車室外熱交換器内を流
れる冷媒の方向が同じになるので、請求項3に記載の発
明と比較して、冷房運転から弱暖房運転へ、またその逆
へ切換えても、冷媒の流れ方向が逆転しないため切換え
を滑らかに行うことができる。
【0238】請求項5に記載の発明では、三方弁1個と
それより安価な四方弁1個を用いるという簡単な構成
で、冷房、弱暖房、暖房の各運転モードを実現すること
ができる。
【0239】請求項6に記載の発明では、弱暖房運転モ
ード時と冷房運転モード時とで、車室外熱交換器内を流
れる冷媒の方向が同じになるので、請求項5に記載の発
明に比較して、冷房運転から弱暖房運転へ、またその逆
へ切換えても、冷媒の流れ方向が逆転しないため切換え
を滑らかに行うことができる。
【0240】請求項7に記載の発明では、三方弁1個と
四方弁1個を用いるという簡単な構成で、冷房、弱暖
房、暖房の各運転モードを実現することができる。しか
も、弱暖房運転モード時に、吸熱用車室内熱交換器が車
室外熱交換器よりも上流側になるため、弱暖房運転モー
ドを比較的温度の低い条件で使う場合に有利となる。
【0241】請求項8に記載の発明では、弱暖房運転モ
ード時と冷房運転モード時とで、車室外熱交換器内を流
れる冷媒の方向が同じになるので、請求項7に記載の発
明と比較して、冷房運転から弱暖房運転へ、またその逆
へ切換えても、冷媒の流れ方向が逆転しないため切換え
を滑らかに行うことができる。
【0242】請求項9に記載の発明では、三方弁2個を
用いるという簡単な構成で、冷房、弱暖房、暖房の各運
転モードを実現することができる。しかも、弱暖房運転
モード時に、吸熱用車室内熱交換器が車室外熱交換器よ
りも上流側になるため、弱暖房運転モードを比較的温度
の低い条件で使う場合に有利となる。
【0243】請求項10に記載の発明では、弱暖房運転
モード時と冷房運転モード時とで、車室外熱交換器内を
流れる冷媒の方向が同じになるので、請求項9に記載の
発明と比較して、冷房運転から弱暖房運転へ、またその
逆へ切換えても、冷媒の流れ方向が逆転しないため切換
えを滑らかに行うことができる。
【0244】請求項11に記載の発明では、冷房運転モ
ード時に第1の冷媒流路切換手段を車室内熱環境で制御
するので、エアミックスドアの作動を熱量制御的に補助
することができ、高精度の制御を実現することができ
る。
【0245】請求項12に記載の発明では、第1の冷媒
流路切換手段を簡単な構造とすることができ、低コスト
化を図ることができる。
【0246】請求項13に記載の発明では、請求項12
の発明をより高精度な制御で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例に係るブロック図であ
る。
【図2】この発明の第1実施例に係る冷凍サイクルの構
成図である。
【図3】この発明の第1実施例に係る運転モード毎の各
制御弁の状態と各熱交換器の働きの関係を示す図表であ
る。
【図4】この発明の第1実施例に係るフローチャートで
ある。
【図5】この発明の第1実施例に係るフローチャートで
ある。
【図6】この発明の第1実施例に係るフローチャートで
ある。
【図7】この発明の第2実施例に係る冷凍サイクルの構
成図である。
【図8】この発明の第2実施例に係る運転モード毎の各
制御弁の状態と各熱交換器の働きの関係を示す図表であ
る。
【図9】この発明の第3実施例に係る冷凍サイクルの構
成図である。
【図10】この発明の第3実施例に係る運転モード毎の
各制御弁の状態と各熱交換器の働きの関係を示す図表で
ある。
【図11】この発明の第4実施例に係る冷凍サイクルの
構成図である。
【図12】この発明の第4実施例に係る運転モード毎の
各制御弁の状態と各熱交換器の働きの関係を示す図表で
ある。
【図13】この発明の第5実施例に係る冷凍サイクルの
構成図である。
【図14】この発明の第5実施例に係る運転モード毎の
各制御弁の状態と各熱交換器の働きの関係を示す図表で
ある。
【図15】この発明の第6実施例に係る冷凍サイクルの
構成図である。
【図16】この発明の第6実施例に係る運転モード毎の
各制御弁の状態と各熱交換器の働きの関係を示す図表で
ある。
【図17】この発明の第7実施例に係る冷凍サイクルの
構成図である。
【図18】この発明の第7実施例に係る運転モード毎の
各制御弁の状態と各熱交換器の働きの関係を示す図表で
ある。
【図19】この発明の第8実施例に係る冷凍サイクルの
構成図である。
【図20】この発明の第8実施例に係る運転モード毎の
各制御弁の状態と各熱交換器の働きの関係を示す図表で
ある。
【図21】この発明の第9実施例に係る冷凍サイクルの
構成図である。
【図22】この発明の第9実施例に係るフローチャート
である。
【図23】従来例に係る冷凍サイクルの構成図である。
【図24】新たな車両用ヒートポンプ式冷暖房装置の冷
凍サイクルの構成図である。
【符号の説明】
31 コンプレッサ 33 放熱用車室内熱交換器 34 膨脹弁(膨脹手段) 35 吸熱用車室内熱交換器 37 ブロワファン(送風手段) 38 車室外熱交換器 43 制御装置 90 第1の制御弁(第1の冷媒流路切換手段) 91 第3の制御弁(第2の冷媒流路切換手段) 92 第2の制御弁(第2の冷媒流路切換手段) 96 第1の切換用流路 97 第2の切換用流路 100 第1の冷媒流れ開閉弁 101 第2の冷媒流れ開閉弁 103 一方の配管 104 圧力抵抗体 105 他方の配管 P1 第1の接続点 P2 第2の接続点 P3 第3の接続点 R1 第1の側 R2 第2の側

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒に仕事量を加えるコンプレッサと、 冷媒を断熱膨張させる膨張手段と、 前記コンプレッサの冷媒吐出側と前記膨張手段の冷媒流
    入側との間に挿入接続され、冷媒の熱を外気と熱交換す
    る車室外熱交換器と、 前記コンプレッサの冷媒吐出側と前記膨張手段の冷媒流
    入側との間に前記車室外熱交換器と並列の関係で挿入接
    続され、冷媒の熱を送風手段により導入された空気に放
    熱して温風を作る放熱用車室内熱交換器と、 前記膨張手段の冷媒吐出側と前記コンプレッサの冷媒吸
    入側との間に挿入接続され、冷媒の熱を送風手段により
    導入された空気に吸熱して冷風を作る吸熱用車室内熱交
    換器と、 前記コンプレッサの冷媒吐出側と前記車室外熱交換器及
    び前記放熱用車室内熱交換器との間に設けられ、コンプ
    レッサから吐出される冷媒の、車室外熱交換器と放熱用
    車室内熱交換器とへの流れを調節する第1の冷媒流路切
    換手段と、 前記車室外熱交換器を、前記膨張手段の冷媒流出側と前
    記コンプレッサの冷媒吸入側との間に挿入接続する切換
    用流路と、 前記切換用流路を通しての冷媒の流れを許容または遮断
    することで、前記膨張手段から流出する冷媒を、前記車
    室外熱交換器を経由して流すか否かを選択する第2の冷
    媒流路切換手段と、 前記第1の冷媒流路切換手段及び第2の冷媒流路切換手
    段を制御することにより、コンプレッサから吐出された
    冷媒を、冷房運転モード時に、少なくとも前記車室外熱
    交換器を経由して前記膨張手段、吸熱用車室内熱交換器
    を順に経てコンプレッサへ循環させ、暖房運転モード時
    に、前記車室外熱交換器を回避して前記放熱用車室内熱
    交換器、膨張手段、吸熱用車室内熱交換器を順に経てコ
    ンプレッサへ循環させ、弱暖房運転モード時に、前記放
    熱用車室内熱交換器、膨張手段を順に経由し、さらに少
    なくとも車室外熱交換器を経てコンプレッサへ循環させ
    る制御手段とを備えたことを特徴とする車両用冷暖房装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用冷暖房装置であっ
    て、 車室内熱環境状態を検出する車室内熱環境状態検出手段
    と、 乗員により操作される車室内熱環境状態設定手段とを備
    え、 前記制御手段は、前記車室内熱環境状態検出手段及び前
    記車室内熱環境状態設定手段の出力に基づいて、前記第
    1及び第2の冷媒流路切換手段を制御し、冷房運転モー
    ド、暖房運転モード、弱暖房運転モードを選択的に実行
    することを特徴とする車両用冷暖房装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の車両用冷暖房装
    置であって、 前記切換用流路は、第1の切換用流路と第2の切換用流
    路とからなり、 前記第1の冷媒流路切換手段は、第1の制御弁からな
    り、 前記第2の冷媒流路切換手段は、第2の制御弁と第3の
    制御弁とからなり、 冷房運転モード時に前記車室外熱交換器の冷媒流入側を
    第1の側、冷媒流出側を第2の側と称し、前記車室外熱
    交換器の第2の側と前記放熱用車室内熱交換器の冷媒流
    出側とを接続し前記膨張手段へ連通する接続点を第1の
    接続点と称した場合、 前記膨張手段の冷媒流出側と前記吸熱用車室内熱交換器
    の冷媒流入側との間の流路上に第2の接続点を設けて、
    この第2の接続点と、前記車室外熱交換器の第2の側と
    を、前記第1の切換用流路で接続し、 前記第2の接続点と前記吸熱用車室内熱交換器の冷媒流
    入側との間の流路と、前記第1の制御弁と前記車室外熱
    交換器の第1の側との間の流路上に設けた第3の接続点
    とを、前記第2の切換用流路で接続し、 前記車室外熱交換器の第2の側と、前記第1の接続点
    と、前記第2の接続点とを相互接続する箇所に、前記第
    2の制御弁を配置し、 前記第2の接続点と、前記第3の接続点と、前記吸熱用
    車室内熱交換器の冷媒流入側とを相互接続する箇所に、
    前記第3の制御弁を配置し、 前記制御手段が、前記第1〜第3の制御弁を制御するこ
    とにより、 冷房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷媒
    を、第1の制御弁、第3の接続点、車室外熱交換器、第
    2の制御弁、第1の接続点、膨張手段の順に経由する第
    1の経路と、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第
    1の接続点、膨張手段の順に経由する第2の経路のうち
    少なくとも一方を経て膨張手段に導入し、さらに膨張手
    段以降は、第2の接続点、第3の制御弁、吸熱用車室内
    熱交換器を経てコンプレッサへ循環させ、 暖房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷媒
    を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接続
    点、膨張手段、第2の接続点、第3の制御弁、吸熱用車
    室内熱交換器の順に経由してコンプレッサへ循環させ、 弱暖房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷
    媒を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接
    続点、膨張手段、第2の接続点、第2の制御弁、車室外
    熱交換器、第3の接続点、第3の制御弁、吸熱用車室内
    熱交換器を順に経由してコンプレッサへ循環させること
    を特徴とする車両用冷暖房装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の車両用冷暖房装
    置であって、 前記切換用流路は、第1の切換用流路と第2の切換用流
    路とからなり、 前記第1の冷媒流路切換手段は、第1の制御弁からな
    り、 前記第2の冷媒流路切換手段は、第2の制御弁と第3の
    制御弁とからなり、 冷房運転モード時に前記車室外熱交換器の冷媒流入側を
    第1の側、冷媒流出側を第2の側と称し、前記車室外熱
    交換器の第2の側と前記放熱用車室内熱交換器の冷媒流
    出側とを接続し前記膨張手段へ連通する接続点を第1の
    接続点と称した場合、 前記膨張手段の冷媒流出側と前記吸熱用車室内熱交換器
    の冷媒流入側との間の流路上に第2の接続点を設けて、
    この第2の接続点と、前記車室外熱交換器の第2の側と
    を、前記第1の切換用流路で接続し、 前記膨張手段の冷媒流出側と前記第2の接続点との間の
    流路と、前記第1の制御弁と前記車室外熱交換器の第1
    の側との間の流路上に設けた第3の接続点とを、前記第
    2の切換用流路で接続し、 前記車室外熱交換器の第2の側と、前記第1の接続点
    と、前記第2の接続点とを相互接続する箇所に、前記第
    2の制御弁を配置し、 前記膨張手段の冷媒流出側と、前記第2の接続点と、前
    記第3の接続点とを相互接続する箇所に、前記第3の制
    御弁を配置し、 前記制御手段が、前記第1〜第3の制御弁を制御するこ
    とにより、 冷房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷媒
    を、第1の制御弁、第3の接続点、車室外熱交換器、第
    2の制御弁、第1の接続点、膨張手段の順に経由する第
    1の経路と、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第
    1の接続点、膨張手段の順に経由する第2の経路のうち
    少なくとも一方を経て膨張手段に導入し、さらに膨張手
    段以降は、第3の制御弁、第2の接続点、吸熱用車室内
    熱交換器を経てコンプレッサへ循環させ、 暖房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷媒
    を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接続
    点、膨張手段、第3の制御弁、第2の接続点、吸熱用車
    室内熱交換器の順に経由してコンプレッサへ循環させ、 弱暖房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷
    媒を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接
    続点、膨張手段、第3の制御弁、第3の接続点、車室外
    熱交換器、第2の制御弁、第2の接続点、吸熱用車室内
    熱交換器を順に経由してコンプレッサへ循環させること
    を特徴とする車両用冷暖房装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の車両用冷暖房装
    置であって、 前記切換用流路は、第1の切換用流路と第2の切換用流
    路とからなり、 前記第1の冷媒流路切換手段は、第1の制御弁からな
    り、 前記第2の冷媒流路切換手段は、第2の制御弁と第3の
    制御弁とからなり、 冷房運転モード時に前記車室外熱交換器の冷媒流入側を
    第1の側、冷媒流出側を第2の側と称し、前記車室外熱
    交換器の第2の側と前記放熱用車室内熱交換器の冷媒流
    出側とを接続し前記膨張手段へ連通する接続点を第1の
    接続点と称した場合、 前記膨張手段の冷媒流出側と前記吸熱用車室内熱交換器
    の冷媒流入側との間の流路上に第2の接続点を設けて、
    この第2の接続点と、前記車室外熱交換器の第2の側と
    を、前記第1の切換用流路で接続し、 前記第2の接続点と、前記第1の制御弁と前記車室外熱
    交換器の第1の側との間の流路上に設けた第3の接続点
    とを、前記第2の切換用流路で接続し、 前記車室外熱交換器の第2の側と、前記第1の接続点
    と、前記第2の接続点とを相互接続する箇所に、前記第
    2の制御弁を配置し、 前記膨張手段の冷媒流出側と、前記吸熱用車室内熱交換
    器の冷媒流入側と、前記第3の接続点と、前記第2の制
    御弁とを相互接続する前記第2の接続点上に、前記第3
    の制御弁を配置し、 前記制御手段が、前記第1〜第3の制御弁を制御するこ
    とにより、 冷房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷媒
    を、第1の制御弁、第3の接続点、車室外熱交換器、第
    2の制御弁、第1の接続点、膨張手段の順に経由する第
    1の経路と、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第
    1の接続点、膨張手段の順に経由する第2の経路のうち
    少なくとも一方を経て膨張手段に導入し、さらに膨張手
    段以降は、第3の制御弁、吸熱用車室内熱交換器を経て
    コンプレッサへ循環させ、 暖房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷媒
    を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接続
    点、膨張手段、第3の制御弁、吸熱用車室内熱交換器の
    順に経由してコンプレッサへ循環させ、 弱暖房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷
    媒を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接
    続点、膨張手段、第3の制御弁、第2の制御弁、車室外
    熱交換器、第3の接続点、第3の制御弁、吸熱用車室内
    熱交換器を順に経由してコンプレッサへ循環させること
    を特徴とする車両用冷暖房装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の車両用冷暖房装
    置であって、 前記切換用流路は、第1の切換用流路と第2の切換用流
    路とからなり、 前記第1の冷媒流路切換手段は、第1の制御弁からな
    り、 前記第2の冷媒流路切換手段は、第2の制御弁と第3の
    制御弁とからなり、 冷房運転モード時に前記車室外熱交換器の冷媒流入側を
    第1の側、冷媒流出側を第2の側と称し、前記車室外熱
    交換器の第2の側と前記放熱用車室内熱交換器の冷媒流
    出側とを接続し前記膨張手段へ連通する接続点を第1の
    接続点と称した場合、 前記膨張手段の冷媒流出側と前記吸熱用車室内熱交換器
    の冷媒流入側との間の流路上に第2の接続点を設けて、
    この第2の接続点と、前記車室外熱交換器の第2の側と
    を、前記第1の切換用流路で接続し、 前記第2の接続点と、前記第1の制御弁と前記車室外熱
    交換器の第1の側との間の流路上に設けた第3の接続点
    とを、前記第2の切換用流路で接続し、 前記車室外熱交換器の第2の側と、前記第1の接続点
    と、前記第2の接続点とを相互接続する箇所に、前記第
    2の制御弁を配置し、 前記膨張手段の冷媒流出側と、前記吸熱用車室内熱交換
    器の冷媒流入側と、前記第3の接続点と、前記第2の制
    御弁とを相互接続する前記第2の接続点上に、前記第3
    の制御弁を配置し、 前記制御手段が、前記第1〜第3の制御弁を制御するこ
    とにより、 冷房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷媒
    を、第1の制御弁、第3の接続点、車室外熱交換器、第
    2の制御弁、第1の接続点、膨張手段の順に経由する第
    1の経路と、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第
    1の接続点、膨張手段の順に経由する第2の経路のうち
    少なくとも一方を経て膨張手段に導入し、さらに膨張手
    段以降は、第3の制御弁、吸熱用車室内熱交換器を経て
    コンプレッサへ循環させ、 暖房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷媒
    を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接続
    点、膨張手段、第3の制御弁、吸熱用車室内熱交換器の
    順に経由してコンプレッサへ循環させ、 弱暖房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷
    媒を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接
    続点、膨張手段、第3の制御弁、第3の接続点、車室外
    熱交換器、第2の制御弁、第3の制御弁、吸熱用車室内
    熱交換器を順に経由してコンプレッサへ循環させること
    を特徴とする車両用冷暖房装置。
  7. 【請求項7】 請求項1または2記載の車両用冷暖房装
    置であって、 前記切換用流路は、第1の切換用流路と第2の切換用流
    路とからなり、 前記第1の冷媒流路切換手段は、第1の制御弁からな
    り、 前記第2の冷媒流路切換手段は、第2の制御弁と第3の
    制御弁とからなり、 冷房運転モード時に前記車室外熱交換器の冷媒流入側を
    第1の側、冷媒流出側を第2の側と称し、前記車室外熱
    交換器の第2の側と前記放熱用車室内熱交換器の冷媒流
    出側とを接続し前記膨張手段へ連通する接続点を第1の
    接続点と称した場合、 前記吸熱用車室内熱交換器の冷媒流出側と前記コンプレ
    ッサの冷媒吸入側との間の流路上に第2の接続点を設け
    て、この第2の接続点と、前記車室外熱交換器の第2の
    側とを、前記第1の切換用流路で接続し、 前記第2の接続点と、前記第1の制御弁と前記車室外熱
    交換器の第1の側との間の流路上に設けた第3の接続点
    とを、前記第2の切換用流路で接続し、 前記車室外熱交換器の第2の側と、前記第1の接続点
    と、前記第2の接続点とを相互接続する箇所に、前記第
    2の制御弁を配置し、 前記吸熱用車室内熱交換器の冷媒流出側と、前記コンプ
    レッサの冷媒吸入側と、前記第3の接続点と、前記第2
    の制御弁とを相互接続する前記第2の接続点上に、前記
    第3の制御弁を配置し、 前記制御手段が、前記第1〜第3の制御弁を制御するこ
    とにより、 冷房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷媒
    を、第1の制御弁、第3の接続点、車室外熱交換器、第
    2の制御弁、第1の接続点、膨張手段の順に経由する第
    1の経路と、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第
    1の接続点、膨張手段の順に経由する第2の経路のうち
    少なくとも一方を経て膨張手段に導入し、さらに膨張手
    段以降は、吸熱用車室内熱交換器、第3の制御弁を経て
    コンプレッサへ循環させ、 暖房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷媒
    を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接続
    点、膨張手段、吸熱用車室内熱交換器、第3の制御弁の
    順に経由してコンプレッサへ循環させ、 弱暖房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷
    媒を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接
    続点、膨張手段、吸熱用車室内熱交換器、第3の制御
    弁、第2の制御弁、車室外熱交換器、第3の接続点、第
    3の制御弁を順に経由してコンプレッサへ循環させるこ
    とを特徴とする車両用冷暖房装置。
  8. 【請求項8】 請求項1または2記載の車両用冷暖房装
    置であって、 前記切換用流路は、第1の切換用流路と第2の切換用流
    路とからなり、 前記第1の冷媒流路切換手段は、第1の制御弁からな
    り、 前記第2の冷媒流路切換手段は、第2の制御弁と第3の
    制御弁とからなり、 冷房運転モード時に前記車室外熱交換器の冷媒流入側を
    第1の側、冷媒流出側を第2の側と称し、前記車室外熱
    交換器の第2の側と前記放熱用車室内熱交換器の冷媒流
    出側とを接続し前記膨張手段へ連通する接続点を第1の
    接続点と称した場合、 前記吸熱用車室内熱交換器の冷媒流出側と前記コンプレ
    ッサの冷媒吸入側との間の流路上に第2の接続点を設け
    て、この第2の接続点と、前記車室外熱交換器の第2の
    側とを、前記第1の切換用流路で接続し、 前記第2の接続点と、前記第1の制御弁と前記車室外熱
    交換器の第1の側との間の流路上に設けた第3の接続点
    とを、前記第2の切換用流路で接続し、 前記車室外熱交換器の第2の側と、前記第1の接続点
    と、前記第2の接続点とを相互接続する箇所に、前記第
    2の制御弁を配置し、 前記吸熱用車室内熱交換器の冷媒流出側と、前記コンプ
    レッサの冷媒吸入側と、前記第3の接続点と、前記第2
    の制御弁とを相互接続する前記第2の接続点上に、前記
    第3の制御弁を配置し、 前記制御手段が、前記第1〜第3の制御弁を制御するこ
    とにより、 冷房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷媒
    を、第1の制御弁、第3の接続点、車室外熱交換器、第
    2の制御弁、第1の接続点、膨張手段の順に経由する第
    1の経路と、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第
    1の接続点、膨張手段の順に経由する第2の経路のうち
    少なくとも一方を経て膨張手段に導入し、さらに膨張手
    段以降は、吸熱用車室内熱交換器、第3の制御弁を経て
    コンプレッサへ循環させ、 暖房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷媒
    を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接続
    点、膨張手段、吸熱用車室内熱交換器、第3の制御弁の
    順に経由してコンプレッサへ循環させ、 弱暖房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷
    媒を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接
    続点、膨張手段、吸熱用車室内熱交換器、第3の制御
    弁、第3の接続点、車室外熱交換器、第2の制御弁、第
    3の制御弁を順に経由してコンプレッサへ循環させるこ
    とを特徴とする車両用冷暖房装置。
  9. 【請求項9】 請求項1または2記載の車両用冷暖房装
    置であって、 前記切換用流路は、第1の切換用流路と第2の切換用流
    路とからなり、 前記第1の冷媒流路切換手段は、第1の制御弁からな
    り、 前記第2の冷媒流路切換手段は、第2の制御弁と第3の
    制御弁とからなり、 冷房運転モード時に前記車室外熱交換器の冷媒流入側を
    第1の側、冷媒流出側を第2の側と称し、前記車室外熱
    交換器の第2の側と前記放熱用車室内熱交換器の冷媒流
    出側とを接続し前記膨張手段へ連通する接続点を第1の
    接続点と称した場合、 前記吸熱用車室内熱交換器の冷媒流出側と前記コンプレ
    ッサの冷媒流入側との間の流路上に第2の接続点を設け
    て、この第2の接続点と、前記車室外熱交換器の第2の
    側とを、前記第1の切換用流路で接続し、 前記第2の接続点と前記コンプレッサの冷媒吸入側との
    間の流路と、前記第1の制御弁と前記車室外熱交換器の
    第1の側との間の流路上に設けた第3の接続点とを、前
    記第2の切換用流路で接続し、 前記車室外熱交換器の第2の側と、前記第1の接続点
    と、前記第2の接続点とを相互接続する箇所に、前記第
    2の制御弁を配置し、 前記コンプレッサの冷媒吸入側と、前記第2の接続点
    と、前記第3の接続点とを相互接続する箇所に、前記第
    3の制御弁を配置し、 前記制御手段が、前記第1〜第3の制御弁を制御するこ
    とにより、 冷房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷媒
    を、第1の制御弁、第3の接続点、車室外熱交換器、第
    2の制御弁、第1の接続点、膨張手段の順に経由する第
    1の経路と、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第
    1の接続点、膨張手段の順に経由する第2の経路のうち
    少なくとも一方を経て膨張手段に導入し、さらに膨張手
    段以降は、吸熱用車室内熱交換器、第2の接続点、第3
    の制御弁を経てコンプレッサへ循環させ、 暖房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷媒
    を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接続
    点、膨張手段、吸熱用車室内熱交換器、第2の接続点、
    第3の制御弁の順に経由してコンプレッサへ循環させ、 弱暖房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷
    媒を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接
    続点、膨張手段、吸熱用車室内熱交換器、第2の接続
    点、第2の接続点、第2の制御弁、車室外熱交換器、第
    3の接続点、第3の制御弁を順に経由してコンプレッサ
    へ循環させることを特徴とする車両用冷暖房装置。
  10. 【請求項10】 請求項1または2記載の車両用冷暖房
    装置であって、 前記切換用流路は、第1の切換用流路と第2の切換用流
    路とからなり、 前記第1の冷媒流路切換手段は、第1の制御弁からな
    り、 前記第2の冷媒流路切換手段は、第2の制御弁と第3の
    制御弁とからなり、 冷房運転モード時に前記車室外熱交換器の冷媒流入側を
    第1の側、冷媒流出側を第2の側と称し、前記車室外熱
    交換器の第2の側と前記放熱用車室内熱交換器の冷媒流
    出側とを接続し前記膨張手段へ連通する接続点を第1の
    接続点と称した場合、 前記吸熱用車室内熱交換器の冷媒流出側と前記コンプレ
    ッサの冷媒吸入側との間の流路上に第2の接続点を設け
    て、この第2の接続点と、前記車室外熱交換器の第2の
    側とを、前記第1の切換用流路で接続し、 前記吸熱用車室内熱交換器の冷媒流出側と前記第2の接
    続点との間の流路と、前記第1の制御弁と前記車室外熱
    交換器の第1の側との間の流路上に設けた第3の接続点
    とを、前記第2の切換用流路で接続し、 前記車室外熱交換器の第2の側と、前記第1の接続点
    と、前記第2の接続点とを相互接続する箇所に、前記第
    2の制御弁を配置し、 前記吸熱用車室内熱交換器の冷媒流出側と、前記第2の
    接続点と、前記第3の接続点とを相互接続する箇所に、
    前記第3の制御弁を配置し、 前記制御手段が、前記第1〜第3の制御弁を制御するこ
    とにより、 冷房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷媒
    を、第1の制御弁、第3の接続点、車室外熱交換器、第
    2の制御弁、第1の接続点、膨張手段の順に経由する第
    1の経路と、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第
    1の接続点、膨張手段の順に経由する第2の経路のうち
    少なくとも一方を経て膨張手段に導入し、さらに膨張手
    段以降は、吸熱用車室内熱交換器、第3の制御弁、第2
    の接続点を経てコンプレッサへ循環させ、 暖房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷媒
    を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接続
    点、膨張手段、吸熱用車室内熱交換器、第3の制御弁、
    第2の接続点の順に経由してコンプレッサへ循環させ、 弱暖房運転モード時は、コンプレッサから吐出された冷
    媒を、第1の制御弁、放熱用車室内熱交換器、第1の接
    続点、膨張手段、吸熱用車室内熱交換器、第3の制御
    弁、第3の接続点、車室外熱交換器、第2の制御弁、第
    2の接続点を順に経由してコンプレッサへ循環させるこ
    とを特徴とする車両用冷暖房装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の車
    両用冷暖房装置であって、 前記制御手段は、 冷房運転モード時に、車室内の熱環境をより高温に制御
    する場合、前記第1の冷媒流路切換手段による車室外熱
    交換器と放熱用車室内熱交換器への冷媒流れの割合を、
    前者を低下させ、後者を増加させる方向に設定すること
    を特徴とする車両用冷暖房装置。
  12. 【請求項12】 請求項1または2記載の車両用冷暖房
    装置であって、 前記第1の冷媒流路切換手段は、第1の冷媒流れ開閉弁
    と第2の冷媒流れ開閉弁と圧力抵抗体とからなり、 前記第1の冷媒流れ開閉弁は、前記コンプレッサの冷媒
    吐出側から車室外熱交換器及び放熱用車室内熱交換器へ
    の分岐点と前記車室外熱交換器との間の流路上に配置さ
    れ、 前記第2の冷媒流れ開閉弁は、前記分岐点と前記放熱用
    車室内熱交換器との間に互いに並列な関係で設けられた
    2本の配管のうちの一方に設けられ、 さらに、前記圧力抵抗体は、前記2本の配管のうちの他
    方に設けられていることを特徴とする車両用冷暖房装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の車両用冷暖房装置で
    あって、 前記制御手段は、冷凍サイクル関連温度と空調制御量と
    に基づいて前記第1、第2の冷媒流れ開閉弁を制御する
    ことを特徴とする車両用冷暖房装置。
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