JPH06229517A - ガスバーナの固定構造 - Google Patents

ガスバーナの固定構造

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JPH06229517A
JPH06229517A JP1763893A JP1763893A JPH06229517A JP H06229517 A JPH06229517 A JP H06229517A JP 1763893 A JP1763893 A JP 1763893A JP 1763893 A JP1763893 A JP 1763893A JP H06229517 A JPH06229517 A JP H06229517A
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burner pipe
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政俊 小柳津
Masao Aramatsu
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ノズル(24)からガス供給を受けるバーナパイ
プ(21)と該バーナパイプ(21)の上方に所定の間隔を開け
て配設した熱板(22)とからなり、上記バーナパイプ(21)
からの燃焼炎で熱板(22)を赤熱させてその輻射熱等で上
方に載置した被焼成物を加熱するようにした熱板加熱式
のガスバーナに関して、ガスバーナの固定部近傍の損傷
を生じ難くし、しかも、このための固定構造を簡略化す
ること。 【構成】 バーナパイプ(21)の上流側開放端をノズル(2
4)に摺動自在に外嵌すると共に、該バーナパイプ(21)の
下流端を扁平化して閉塞し、この部分を固定したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、魚や肉類等の被焼成物
を焼く焼物器に使用されるガスバーナ、特に、強制燃焼
方式のガスバーナによって熱板を赤熱状態に加熱し、こ
の熱板からの輻射熱と、燃焼排気による加熱とによって
前記被焼成物を焼き上げる形式の所謂熱板加熱式のガス
バーナに関するものである。
【0002】
【従来技術及び課題】魚や肉類等の被焼成物を焼く焼物
器に使用される強制燃焼方式のガスバーナとして、バー
ナパイプの上方に対向配設した熱板を該バーナパイプか
らの燃焼炎でで赤熱させ、このときに該熱板から生じる
輻射熱等で前記被焼成物を焼き上げるものがある。この
ものは、図11に示すように、ケーシング(1) 内の火床
(10)には、バーナパイプ(21)と熱板(22)とからなる複数
のガスバーナ(2)(2)がケーシング(1) の前後方向に走行
する態様で並設されている。
【0003】上記バーナパイプ(21)は、上流端が開放
し、下流端が扁平化されて閉塞されており、その上面に
は、複数の炎孔(25)(25)が穿設されている。又、ケーシ
ング(1) の正面側に突設した前箱(3) 内には、バーナパ
イプ(21)の前記上流端が突出し、前記上流端にはバーナ
パイプ(21)にガス供給するノズル(24)が固定されている
と共に前記上流端の近傍には、複数の一次空気孔(29)(2
9)が形成されており、他方の下流端は火床(10)の後壁(1
10) 内に固定されている。又、前記ノズル(24)は水平配
設された共通の分配管(K) の側壁に突設されていると共
に、これら分配管(K) やノズル(24)は、密閉された給気
室(31)に収容されている。又、前記給気室(31)のケーシ
ング(1) 正面側の側壁には、ファン(30)を設けている。
【0004】上記のものでは、ファン(30)から供給され
る一次空気が、給気室(31)からバーナパイプ(21)の一次
空気孔(29)(29)に流入し、該バーナパイプ(21)内でノズ
ル(24)から供給されるガスと混合せしめられる。そし
て、これが、バーナパイプ(21)の炎孔(25)(25)から噴出
して、これが燃焼することとなる。このものでは、ファ
ン(30)から強制供給される一次空気で強制燃焼せしめら
れるから、発熱量を大きくすることができ、燃焼炎で赤
熱せしめられる熱板(22)の輻射熱と、燃焼排気による加
熱とによって、その上方の焼網に載置した被焼成物が効
率的に焼き上げられる。
【0005】ところが、上記構造の強制燃焼方式のガス
バーナでは、ガスバーナ(2)(2)の固定部近傍が損傷し易
いという問題がある。これは、バーナパイプ(21)は、そ
の両端部が火床(10)の構成壁等の固定部に固定されてい
るためである。即ち、燃焼時にバーナパイプ(21)が熱膨
張すると該バーナパイプ(21)の固定部に力学的な負荷が
作用する。すると、該固定部は、上記力学的な力によっ
てバーナパイプ(21)の膨張を吸収するように強制的に若
干歪ませられる。又、燃焼停止によってバーナパイプ(2
1)が冷却せしめられると該バーナパイプ(21)やその両端
の固定部は、ほぼ初期の状態に復帰する。そして、長期
使用によって、上記歪みの発生と消失が繰り返される
と、上記バーナパイプ(21)の固定部が次第に疲労して損
傷が生じ易くなるのである。特に、上方に熱板(22)を配
設して輻射熱によりバーナパイプ(21)が高熱状態になる
この種ガスバーナでは、バーナパイプ(21)の熱膨張が著
しいことから該バーナパイプ(21)の固定部が一層損傷を
受け易くなる。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、『ノズル(24)からガス供給を受けるバーナパイプ
(21)と該バーナパイプ(21)の上方に所定の間隔を開けて
配設した熱板(22)とからなり、上記バーナパイプ(21)か
らの燃焼炎で熱板(22)を赤熱させてその輻射熱等で上方
に載置した被焼成物を加熱するようにした熱板加熱式の
ガスバーナ』において、ガスバーナ(2) の固定部近傍の
損傷を生じ難くし、しかも、このための固定構造を簡略
化することをその課題とする。
【0007】
【技術的手段】上記課題を解決するための本発明の技術
的手段は、『バーナパイプ(21)の上流側開放端をノズル
(24)に摺動自在に外嵌すると共に、該バーナパイプ(21)
の下流端を扁平化して閉塞し、この部分を固定した』こ
とである。
【0008】
【作用】上記技術的手段は次のように作用する。ガスバ
ーナ(2) のバーナパイプ(21)の上方には、所定の間隔を
開けて熱板(22)が配設されているので、該バーナパイプ
(21)からの燃焼炎によって熱板(22)は赤熱せしめられ、
この熱板(22)の輻射熱と、燃焼排気による加熱とによっ
て、その上方の被焼成物が焼き上げられる。このとき、
バーナパイプ(21)には熱膨張が生じるが、バーナパイプ
(21)の一端は、軸線方向に移動自在に支持されているか
ら、該支持部分で熱膨張による歪みを吸収することがで
きる。
【0009】
【効果】バーナパイプ(21)の一端は、常に軸線方向に移
動自在に支持されて熱膨張による歪みを吸収することが
できるので、ガスバーナ(2) の固定部近傍に無理な負荷
が作用せず該部分の損傷が生じ難くなる。又、バーナパ
イプ(21)の上流端は、これにノズル(24)を内挿するだけ
で支持できるから、ガスバーナの固定構造を簡略化でき
る。
【0010】
【実施例】次に、上記した本発明の実施例を図面に従っ
て詳述する。この実施例は、上記構成のガスバーナを矩
形の火床に並設し、その上方域で被焼成物を焼き上げる
形式の焼物器に実施したものであり、以下、この焼物器
の詳細について説明する。
【0011】この焼物器は、図1及び図2に示すよう
に、ケーシング(1) には上面に開放する矩形の火床(10)
が形成されており、この火床(10)内の前後の側壁間には
バーナパイプ(21)と熱板(22)とからなる複数のガスバー
ナ(2)(2)が並設され、前記ケーシング(1) の前面壁上部
には、操作部を具備させた前箱(3) が配備され、この前
箱(3) 内にはファン(30)を具備し且前記各ガスバーナ
(2) に燃焼用一次空気を供給する給気装置が収容される
と共に、点火装置が装備されている。一方、火床(10)の
後面壁には炎検知装置が配設されている。
【0012】以下、これら各部について説明する。 [ガスバーナ(2) について]ガスバーナ(2) は、図2〜
図5に示すように、バーナパイプ(21)と熱板(22)とから
なる。このバーナパイプ(21)は、前方が開放し、後方端
部が扁平化されて閉塞された金属パイプからなり、前記
開放端の近傍には一対の一次空気孔(29)(29)がその側方
壁面に形成されている。前記閉塞端(23)は火床(10)の後
壁内に当該壁面に沿って設けた後桟(11)にネジ止めさ
れ、他方の前方開放端は後述の給気装置内に収容される
ノズル(24)に外嵌して支持されている。バーナパイプ(2
1)の後端が前記後桟(11)によってネジ止めされているか
ら、前方開放端がノズル(24)に外嵌するだけであっても
バーナパイプ(21)の火床(10)内における前後方向の配設
位置は固定されている。そして、複数のバーナパイプ(2
1)(21)が同様に支持されて平行に配列されている。
【0013】各バーナパイプ(21)の頂面には図4に示す
ように多数の炎孔(25)が長手方向に沿って所定の間隔で
配列されており、閉塞端(23)の近傍には複数の補助炎孔
(26)(26)が形成される。尚、この補助炎孔(26)(26)の開
口方向は加工を容易にするため図7のようにバーナパイ
プ(21)の半径方向に設定されている。この実施例のガス
バーナ(2) は、天然ガス及びLPガス用としてあり、こ
れら炎孔を開放端側の第1炎孔(25a)(25a)群と、中央部
の第2炎孔(25b)(25b)群と、閉塞端(23)側の第3炎孔(2
5c)(25c)群の3種類に区分し、閉塞端(23)側の炎孔直径
が他方のそれよりも小さく設定されている。
【0014】因に、一つのバーナパイプ(21)による燃焼
量を1200Kcalとしたこの実施例では、第1炎孔(25
a) は直径:1.9mm ,個数:16個、第2炎孔(25b) は直
径:1.8mm ,個数:12個、第3炎孔(25c) は直径:1.7m
m ,個数:23個に設定している。また、第3炎孔(25c)
の閉塞端(23)側の端部の近傍に補助炎孔(26)として直径
1.6mm の炎孔が更に2個形成されている。
【0015】上記バーナパイプ(21)の上方には一定の間
隔をあけて熱板(22)が前後に架設されている。この熱板
(22)は、図3に示すように、耐熱性のある帯状金属板を
半円弧状断面となるように屈曲した構成であり、その断
面の開放部が下向きとなる姿勢で支持されている。この
バーナパイプ(21)と熱板(22)との間隔を維持するため、
熱板(22)の後端部は、図2に示すように、上記後桟(11)
から火床(10)内に突出させたブラケット(12)によって支
持され、他方の前方端はバーナパイプ(21)に設けたブラ
ケット(27)によって支持される。尚、バーナパイプ(21)
は、耐食性を確保するため表面にセラミックコーティン
グが施された構造用炭素鋼鋼管で形成されている。セラ
ミックコーティングを施したので更に耐熱性の向上も図
れる。バーナパイプ(21)の表面処理はニッケルメッキ等
を施してもよい。又、熱板(22)は耐熱性と耐食性を考慮
してニッケルクロム鋼で形成されている。
【0016】前記ブラケット(12)は、図6のように、上
記閉塞端(23)と共に後桟(11)に固定ビス(120) でネジ止
めされる取付片(12b) と、この前方端から上方に屈曲す
る立上がり片(12c) と、その上端から前方に突出した支
持部(12a) からなり、この支持部(12a) が前記熱板(22)
の断面内周と一致するように設定され、この上面に熱板
(22)の後端部が載置されている。
【0017】他方のブラケット(27)は図4及び図5のよ
うに、熱板(22)の前方端の投影面よりも大きな直立板を
具備する当て板(27a) と、これの基端部からバーナパイ
プ(21)の長手方向に突出し当て板(27a) にスポット溶接
された受け板(27b) とからなり、前記当て板(27a) の下
端からバーナパイプ(21)の開放端側に延びる水平板部(2
7a1)の両側には一対の取付け舌片(27a2)が設けられ、バ
ーナパイプ(21)の断面両側部にスポット溶接によって固
着されている。これにより前記受け板(27b) がバーナパ
イプ(21)の頂部に沿って平行に配設される。この受け板
(27b) の左右両側には直立片(27c)(27c)が連設され、こ
れら直立片の間隔を熱板(22)の断面の両端部の間隔に適
合させ、この直立片(27c)(27c)の間に熱板(22)の前方の
端部が載置されると共に熱板(22)の前方の端面が前記当
て板(27a) に所定の間隔をあけて対向している。
【0018】また、この受け板(27b) の高さと前記支持
部(12a) の高さとの間に所定の高低差を設けることによ
り、後桟(11)と前記ブラケット(27)とによってその両端
が支持された熱板(22)がバーナパイプ(21)と平行とな
る。このガスバーナ(2) では、バーナパイプ(21)の炎孔
部から噴出されるガスによって熱板(22)が加熱され、赤
熱状態となる。従って、このバーナパイプ(21)及び熱板
(22)には使用時に熱膨張が生じるが、バーナパイプ(21)
については、後方端の閉塞端(23)のみがネジ止めされ、
その前方開放端がノズル(24)に対して外嵌するだけであ
るから、前記熱膨張が生じてもこれを吸収できる。な
お、この熱膨張により、一次空気孔(29)(29)の位置もノ
ズル(24)側に移動することとなるが、この実施例では、
熱膨張が生じていない状態におけるノズル(24)の先端
(ガス吐出口)と一次空気孔(29)との距離を、通常のブ
ンゼンバーナのそれよりも大きく設定している。従っ
て、前記熱膨張が生じた状態においても、一次空気孔(2
9)(29)とノズル(24)の先端との距離が十分大きく保たれ
ることとなり、バーナパイプ(21)が熱膨張すると否とに
関わらず、ノズル(24)からのガス噴出によるエゼクタ効
果を等しくして一次空気量のバラツキが生じるのを防止
している。
【0019】尚、上記実施例では熱板(22)の両端部をブ
ラケット(12)(27)に載置状態にして該熱板(22)を着脱自
在に構成したが、該熱板(22)とブラケット(12)を固定し
ても良い。即ち、熱板(22)の後端部をブラケット(12)に
固定し他方の前方端をバーナパイプ(21)に固定したブラ
ケット(27)によって相対摺動可能に支持するのである。
これにより、熱板(22)が安定化する。又、該熱板(22)の
一端を固定して他端をバーナパイプ(21)に固定したブラ
ケット(27)で摺動自在に支持しているから、熱板(22)の
熱膨張とほぼ同期してバーナパイプ(21)が熱膨張してそ
の支持位置が前方に移動することとなる。従って、ブラ
ケット(27)による熱板(22)の前方端の前記支持部におけ
る相対移動量も極少ないものとなり、熱膨張による不都
合が一層生じにくくなる。 [給気装置]給気装置は、上記したファン(30)と、これ
の吐出口に連通させた給気室(31)からなり、図2に示す
ように、この給気室(31)内に上記ノズル(24)及びバーナ
パイプ(21)の開放端部近傍が収容されている。そして、
前記バーナパイプ(21)の一対の一次空気孔(29)(29)はこ
の給気室(31)内に位置することとなる。
【0020】前記給気装置は、火床(10)内に並設される
三つのガスバーナ(2)(2)に対して1つのファン(30)及び
給気室(31)が対応する構成となり、直方体状の箱体に構
成された給気室(31)の底壁で3つのノズル(24)(24)の並
設部の下方に形成された開口(32)とファン(30)の吐出口
とが案内ダクト(33)によって連通される。従って、ファ
ン(30)の吐出口から給気室(31)内に燃焼用一次空気が強
制的に送り込まれ、これが三つのバーナパイプ(21)(21)
内に一次空気孔(29)(29)を介して強制的に供給されるこ
ととなる。
【0021】このガスバーナ(2) は、全一次空気式とな
っており、前記給気によって燃焼に必要な空気が供給さ
れることとなる。尚、前記給気室(31)の上面には、各ガ
スバーナ(2) のバックファイヤ時の安全性を高めるた
め、温度ヒューズ(34)が取付けらており、これが、ガス
回路に挿入されるガス開閉装置を開閉制御する電磁弁駆
動用電気回路内に挿入接続され、給気室(31)内が異常加
熱温度になったときに、この温度ヒューズ(34)がオフと
なって、該ガス開閉装置が閉弁して燃焼が停止され安全
性が確保される。 [点火装置]点火装置は、各ガスバーナ(2) 毎に設けら
れ、図2に示すように、前箱(3) におけるバーナパイプ
(21)の下方に配設される。
【0022】前記点火装置は、比較的細い金属パイプを
L字状に屈曲させたパイロットバーナ(41)と、このパイ
ロットバーナ(41)の上端で水平方向に延びる水平管に添
設される陰極部(42)に対向させた電極(43)と、前記水平
管の端部に開口したパイロット炎孔(41a) と対向するよ
うに配設されパイロットバーナ(41)の炎を上方に案内す
る案内筒(44)とから構成される。この案内筒(44)は、断
面矩形の箱体で、先端壁面が斜め上方に向きその上方域
に開口(45)が形成されている。
【0023】このものでは、点火制御装置の出力によっ
てパイロットバーナ(41)の下端に装備させたパイロット
ノズル(46)からガスが吐出すると、このときに一定時間
前記電極(43)から陰極部(42)に放電されて、これにより
パイロットバーナ(41)に点火され、このパイロットバー
ナの炎が上方に案内されて、図8のように開口(45)から
バーナパイプ(21)の外周を介してバーナパイプ(21)と熱
板(22)との間の空間に案内される。この点火動作の一定
時間前にファン(30)が「オン」状態になると共に、この
点火動作と同時にノズル(24)へのガス回路が開放される
から、バーナパイプ(21)の頂部に形成された炎孔(25)(2
5)からの吐出する空気−ガス混合気に火移りしてガスバ
ーナ(2) が燃焼状態となる。このように、上記のもので
は、パイロットバーナ(41)の火焔がバーナパイプ(21)の
両側外周を伝ってバーナパイプ(21)と熱板(22)の間隙深
く侵入させた状態で点火動作が行えるから、点火時に横
風が生じても、バーナパイプ(21)の両側に形成されるパ
イロットバーナの炎のうち一方は必ず炎孔の近傍まで侵
入するためガスバーナ(2) の点火動作が確実となる。
【0024】この後、前記パイロットバーナ(41)へのガ
ス回路が遮断されて該パイロットバーナ(41)が消火し、
ガスバーナ(2) のみが燃焼状態となる。 [炎検知装置]各ガスバーナ(2) には、閉塞端(23)の近
傍に炎検知装置が設けられている。この装置は、図2及
び図6に示すように、閉塞端(23)の近傍に設けた補助炎
孔(26)(26)から噴出する混合気による燃焼炎及び熱板(2
2)からの輻射熱によって加熱される炎検知センサたる熱
電対(51)と、これの熱起電力が点火動作開始後設定時間
内に所定の出力レベルに達したときに所定の出力信号を
出す炎検知回路(C1)と、この炎検知回路(C1)からの所定
の出力が入力されたときにガス回路に挿入されたガス開
閉装置を開弁状態に維持する出力装置(C2)とからなる。
従って、点火操作開始後前記設定時間内に前記炎検知回
路(C1)から所定の出力信号が出力装置(C2)に入力される
と、ガス開閉装置が開弁状態に維持されてガスバーナ
(2) の燃焼が継続し、逆に、設定時間経過時点において
も、熱電対(51)からの熱起電力が所定の出力レベルに達
しない場合には、ガス開閉装置が開弁状態に維持されな
いこととなり、つまり、このガス開閉装置が閉弁される
こととなり、点火不良時の安全が確保される。
【0025】尚、前記熱電対(51)は、その先端部が所定
の温度に加熱されることによって熱起電力が発生する
が、この実施例では、ブラケット(12)及び止め板(13)の
立上がり片(12c)(13c)を貫通するように取付けらてい
る。そして、後桟(11)にネジ止めされる押え板(53)によ
って水平姿勢に保持されている。図10に示すように前
記止め板(13)の両脇には閉塞端(23)の位置ズレ防止のた
めの側脚(13d)(13d)が垂下している。
【0026】又、上記押え板(53)の前後端に垂下させた
支持壁(530) (530) の熱電対(51)後端近傍の2か所に周
設した固定溝(510) (510) に嵌入されている。上記のも
のでは補助炎孔(26)(26)を二個形成したから、一列の炎
孔群のうち炎孔(25)及び補助炎孔(26)(26)からの燃焼は
互いに加熱されて保炎され、バーナパイプ(21)から離れ
た熱板(22)の下面に形成される薄形状の燃焼炎が安定的
に燃焼し、熱電対(51)の先端部がバラツキなく確実に加
熱されることとなる。
【0027】またこのものでは、熱電対(51)の近傍の火
力が小さくなるように、該熱電対近傍に穿設した補助炎
孔(26)(26)を第1,第2,第3炎孔(25a)(25b)(25c) よ
り小さくしているから、熱電対(51)が異常加熱されずこ
れが熱的損傷を受ける心配が少なくなる。尚、上記実施
例では補助炎孔(26)(26)を二個形成しているが、熱電対
(51)を異常加熱しない限り、該補助炎孔(26)(26)の数は
三個またはそれ以上に設定してもよい。
【0028】又、上記実施例では炎検知センサとして熱
電対(51)を採用したが、これに代えてサーミスタ等の電
気素子を使用してもよい。尚、バーナパイプ(21)の前方
開放端はノズル(24)に対して外嵌するだけであるから、
固定ビス(120) を取り外してバーナパイプ(21)を移動さ
せて、前方開放端をノズル(24)から外すことにより該バ
ーナパイプ(21)を容易に取り外すことができる。 [ガスバーナ(2) の燃焼について]上記したように、こ
の実施例のガスバーナ(2) は、一次空気がファン(30)に
よって強制的に供給されて燃焼することとなるが、前記
一次空気の空気過剰率は1〜1.2に設定されているこ
とから、各炎孔から吐出した空気−ガス混合気は、断面
半円弧状の熱板(22)の内面に衝突した状態で燃焼し、燃
焼炎はバーナパイプ(21)の炎孔部から離れて、図3のよ
うに、熱板(22)の内面に沿って形成された、所謂薄膜燃
焼となり、燃焼炎の温度は著しく高温となる。又、熱板
(22)が断面半円弧状であることから、この燃焼炎が熱板
(22)の外部に溢れることもない。従って熱板(22)が効率
的に加熱されることとなり、熱板(22)の断面全域が均一
に加熱されることとなる。
【0029】このことは補助炎孔(26)(26)によって形成
される炎についても同様である。尚、天然ガス及びLP
用のガスバーナ(2) の場合、安定燃焼を確保しようとす
ると、燃焼速度と炎孔からの混合気の噴出速度との関係
から、バーナパイプ(21)の炎孔総面積が他の低ウオッベ
ガス種(Aガスは除く)用のものに比べて大幅に大きく
なる。従って、バーナパイプ(21)内に上記空気過剰率で
強制的に空気−ガス混合気が供給された場合には、図9
のように、この供給圧力によるバーナパイプ(21)内の圧
力分布が上流側から下流側に向って高圧となり、炎孔直
径を一定にした場合には、各炎孔からの噴出ガス量分布
が前記圧力分布に倣ったものとなる。
【0030】ところが、この実施例では、上記のよう
に、バーナパイプ(21)の炎孔群を、上流側の第1炎孔(2
5a)(25a)群、中間域の第2炎孔(25b)(25b)群、及び、下
流側の第3炎孔(25c)(25c)群の三つに区分し、上流側か
ら下流側に向って、炎孔直径を徐々に小さくしている。
したがって、炎孔直径を一定とした場合の前記噴出ガス
量分布が補正されて、バーナパイプ(21)の炎孔群の各部
からの噴出ガス量が均一化できる。低ウオッベガス種の
場合には、炎孔総面積が小さいから、一定の直径の炎孔
を所定のピッチで配列する構成としてもよい。
【0031】尚、このガスバーナ(2) では、一列に並ん
だ炎孔群の最端炎孔に熱電対(51)を臨ませているため、
該炎孔に形成される炎は、外気に冷やされて不安定とな
り勝ちであり、該部分の燃焼炎が安定化しない。従っ
て、熱電対(51)が安定的に加熱されずその出力も不安定
となって失火検知に誤りが生じ易い。そこで、本実施例
では複数の補助炎孔(26)(26)を設けて該部分の炎を安定
化させる所謂「保炎」を行い、熱電対から安定した出力
が得られるようにした。又、上記したようにファン(30)
によって強制的に供給される全一次空気式であること及
び熱板(22)の下面に衝突拡散した炎孔からの噴出ガスが
燃焼することから、図7のように、補助炎孔(26)(26)の
上方の熱板(22)の下面に形成される薄い高温度の燃焼炎
によって直接的に又はこの燃焼膜からの輻射熱によって
熱電対(51)の先端部が加熱される。従って、この補助炎
孔(26)(26)の直径を第3炎孔(25c) 等の主炎孔よりも小
さく設定して、熱電対(51)を加熱する補助炎孔(26)(26)
による燃焼炎の温度は前記主炎孔によるそれよりも低く
して熱電対(51)が異常過熱される不都合を防止した。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃焼気の全体図
【図2】ガスバーナ(2) の配設部の縦断面図
【図3】ガスバーナ(2) の縦断面図
【図4】バーナパイプ(21)の平面図
【図5】バーナパイプ(21)の側面図
【図6】バーナパイプ(21)と熱電対(51)の固定部の拡大
断面図
【図7】補助炎孔(26)の近傍に於けるガスバーナ(2) の
縦断面図
【図8】案内筒(44)とガスバーナ(22)の関係説明図
【図9】バーナパイプ(21)に沿った内部圧力の説明図
【図10】熱電対(51)の固定部の詳細図
【図11】従来例の説明図
【符号の説明図】
(2) ・・・バーナ (21)・・・バーナパイプ (22)・・・熱板 (24)・・・ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒松 政男 名古屋市中川区福住町2番26号 リンナイ 株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル(24)からガス供給を受けるバーナ
    パイプ(21)と該バーナパイプ(21)の上方に所定の間隔を
    開けて配設した熱板(22)とからなり、上記バーナパイプ
    (21)からの燃焼炎で熱板(22)を赤熱させてその輻射熱等
    で上方に載置した被焼成物を加熱するようにした熱板加
    熱式のガスバーナにおいて、バーナパイプ(21)の上流側
    開放端をノズル(24)に摺動自在に外嵌すると共に、該バ
    ーナパイプ(21)の下流端を扁平化して閉塞し、この部分
    を固定したガスバーナの固定構造。
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