JPH06229088A - 屋根の断熱構造 - Google Patents

屋根の断熱構造

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JPH06229088A
JPH06229088A JP1320493A JP1320493A JPH06229088A JP H06229088 A JPH06229088 A JP H06229088A JP 1320493 A JP1320493 A JP 1320493A JP 1320493 A JP1320493 A JP 1320493A JP H06229088 A JPH06229088 A JP H06229088A
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JP
Japan
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ridge
roof
air
space
ventilation
Prior art date
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JP1320493A
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English (en)
Inventor
Tomokazu Nishio
智和 西尾
Kazunori Hara
和憲 原
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RIBAA KENTETSU KK
National House Industrial Co Ltd
Original Assignee
RIBAA KENTETSU KK
National House Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by RIBAA KENTETSU KK, National House Industrial Co Ltd filed Critical RIBAA KENTETSU KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 屋根葺材から室内空間への伝熱を阻止して、
室内空間を快適な環境に維持できる屋根の断熱構造を提
供する。 【構成】 傾斜屋根において、野地板20の上面と金属
瓦30などの屋根葺材の間に、軒先から棟に至り、棟か
ら外部空間に通じる通気空間32からなる第1の通気路
が設けられる。野地板20の下面側の屋根裏には、軒先
から棟に至り、前記第1の通気路に合流する、屋根裏空
間80からなる第2の通気路が設けられる。両方の通気
路を流通する2段の空気流で、屋根葺材30に発生する
熱を、効率良く奪い去る。棟には棟包み部材90が設け
られ、第1および第2の通気路は、棟包み部材90の内
部を経て、棟包み部材90の側面から外部空間に通じて
おり、雨水や異物の浸入が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、屋根の断熱構造に関
し、詳しくは、金属瓦などの比較的熱容量が小さな屋根
葺材で仕上げる屋根構造において、日射による熱気が、
金属瓦などから室内空間へ伝達されて室内空間が熱くな
るのを防止するために、屋根構造に設けられる断熱構造
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工業化住宅などの屋根構造に適用される
屋根葺材として、金属の薄板をプレス加工した金属瓦が
あり、この金属瓦は、大量生産が可能であること、運搬
や取扱い施工が容易であること、着色やデザインが自由
に出来ることなどを理由として、広く利用されるように
なってきている。
【0003】しかし、金属瓦は、熱容量が少なく伝熱性
が高いため、夏季などの日射が強い環境では、強い日射
による熱気が、金属瓦から下方の室内空間へと伝わり易
く、室内空間が熱くなってしまうという欠点がある。金
属瓦の下面側に、断熱材を分厚く施工しておけば、室内
空間への伝熱を低減できるが、そうすると、屋根の構造
が複雑になり、製造の手間が増え、コスト的にも高くつ
くという問題が生じる。また、分厚い断熱材が設けられ
ていると、熱容量の大きな断熱材に溜まった熱あるいは
室内に溜まった熱は、外気温が下がっても、屋根から外
部空間へと放散され難くなったり、金属瓦側と室内側と
の温度差で、屋根裏に結露が生じ易くなったりするなど
の欠点も生じる。
【0004】分厚い断熱材を用いることなく、金属瓦か
ら室内空間への伝熱を防ぐ方法として、金属瓦と野地板
の間に、軒先から棟に通じる通気路を設けることが考え
られた。金属瓦からの伝熱で熱せられた通気路内の空気
は軽くなるので、屋根の傾斜にしたがって通気路内を上
昇して棟から外部空間に放出される。熱せられた空気が
通気路内を上昇すると、その代わりに、軒先からは熱せ
られていない空気が吸い込まれるという作用が生じるの
で、新たな空気が、軒先から棟へと常に供給されること
になる。その結果、金属瓦の熱は、通気路内を自然流通
する空気に運び去られて、通気路の下方の屋根裏や室内
空間までは伝わらない、というものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な従来における、通気路による屋根の断熱構造では、日
射が特に強い地域や季節では、いまだ十分な断熱性能が
発揮できず、室内空間が熱くなってしまうという問題が
あった。これは、従来の構造では、金属瓦と野地板の間
に形成される通気路が狭く、流通する空気の量が少ない
ので、金属瓦の発熱が迅速に除去されず、熱気が室内空
間側まで伝達されてしまうのである。
【0006】通常、金属瓦としては、屋根の傾斜と直交
する方向すなわち横方向に波状の凹凸が形成された板材
を、平坦な野地板の上に釘などで打ち付けて施工してい
る。また、本来の瓦と同じような外観を表現するため
に、屋根の傾斜方向に一定間隔毎に段差を設けておく場
合もある。このような波板材あるいは段差付波板材から
なる金属瓦と平坦な野地板の間に、軒先から棟へと通じ
る通気路が構成されるのである。したがって、金属瓦と
野地板の間の通気路は、金属瓦の山部分程度の高さしか
なく、しかも、金属瓦の谷部分では金属瓦と野地板が当
接したり間隔が狭くなっているため、通気路も狭くなっ
たり途切れたりする。
【0007】金属瓦と野地板の間に形成される通気路が
狭くなったり途切れたりしていては、軒先から棟への空
気の流通が阻害され、金属瓦で発生する熱が多くなる
と、この熱を迅速に運び去ることができなくなるのであ
る。このような問題は、金属瓦以外にも、比較的熱容量
の小さな材料や薄い材料からなる屋根葺材を用いた場合
には、同じように問題となっていた。
【0008】そこで、この発明の課題は、上記したよう
な、屋根葺材と野地板の間に通気路を設けて、屋根葺材
から室内空間への伝熱を防止する屋根の断熱構造を改良
して、日射が強くても、熱せられた屋根葺材から室内空
間への伝熱を良好に阻止して、室内空間を快適な環境に
維持することのできる屋根の断熱構造を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、こ
の発明にかかる屋根の断熱構造は、傾斜屋根において、
野地板の上面と屋根葺材の間に、軒先から棟に至り、棟
から外部空間に通じる第1の通気路が設けられ、前記野
地板の下面側の屋根裏には、軒先から棟に至り、前記第
1の通気路に合流する第2の通気路が設けられ、第1お
よび第2の通気路は、棟に設けられた棟包み部材の内部
を経て、棟包み部材の側面から外部空間に開放されてい
る。
【0010】この発明は、軒先から棟へと、ある程度の
傾斜がある傾斜屋根に対して適用される。屋根の傾斜が
大きい程、空気が通気路を流通し易くなる。但し、この
発明では、従来の構造に比べて空気の流通および熱の放
散が良好に行えるので、比較的傾斜の少ない屋根にも良
好に適用できる。具体的には、たとえば1/10程度の
傾斜があれば、この発明の作用効果が良好に発揮され、
雨水の排出などの機能も良好に発揮できる。
【0011】傾斜屋根の構造としては、木材や型鋼材な
どからなる梁や垂木で構築された傾斜屋根の基礎構造を
覆って、合板や木質板からなる野地板が敷設され、この
野地板の表面に屋根葺材が敷設される。野地板の表面
に、防水シートなどを介して屋根葺材を敷設してもよ
い。室内構造の天井面と野地板の間は、屋根裏空間とな
る。
【0012】屋根葺材は、前記した金属瓦のように、金
属薄板などの比較的熱容量の小さな板材料からなるもの
が、放熱性が良好であり、日中に昇温した室内空間や屋
根構造の熱を、屋根表面から迅速に放熱して温度を下げ
ることができる。また、金属瓦は、製造や取扱いも容易
で外観性にも優れたものである。屋根葺材は、野地板の
表面に敷設した状態で、屋根葺材と野地板の間に、軒先
から棟へと通じる空間が形成されるような凹凸構造を備
えている必要がある。具体的には、波状板材からなる屋
根葺材を用いたり、屋根葺材と野地板の間にスペーサを
挟んでおいたりすればよい。
【0013】野地板の表面に屋根葺材を敷設した状態
で、屋根葺材と野地板の間に形成される空間が第1の通
気路となる。第1の通気路は、軒先および棟の両端にお
いて、外部空間に開放されている。野地板と屋根葺材の
間には、野地板と屋根葺材の間に浸入した雨水を流す排
水路を屋根の傾斜方向に沿って設けておくことができ
る。上記通気路を排水路として利用することもできる
し、金属型材などからなる樋状の排水路を野地板と屋根
葺材の間に設けておいてもよい。
【0014】一定面積の矩形状等をなす野地板に屋根葺
材が取り付けられたパネル材を、工場生産などで予め製
造しておき、この屋根パネル材を、屋根の基礎構造の上
に並べて施工するようにすれば、施工の手間やコストが
省ける。この場合、屋根パネル材の継目になる個所から
は雨水などが浸入し易いので、前記のような排水路を設
けておくのが好ましい。
【0015】つぎに、野地板の裏面側の屋根裏、すなわ
ち野地板と室内天井面との間に、第2の通気路を設けて
おく。第2の通気路の上面は野地板の傾斜に沿って傾斜
しているが、下面については、室内天井面に沿って平坦
になっていてもよいし、下面の構造材が傾斜していれ
ば、それに合わせて傾斜している状態でもよい。第2の
通気路が、屋根内部の梁や壁材で遮断されたり、大きく
迂回させられたりする場合には、梁や壁材に通気孔や通
気溝を設けておくのが好ましい。
【0016】第2の通気路は、軒先で外部空間に開放さ
れている。軒先における、第2の通気路の開口と前記第
1の通気路の開口は、別々の構造として設けておいても
よいし、先端において第1および第2の通気路が同じ開
口につながっていても構わない。棟側では、第2の通気
路が第1の通気路に合流して、外部空間に通じる。第2
の通気路が第1の通気路に合流する位置は、棟に近い場
所が好ましい。第2の通気路は、その途中で、室内空間
とつながっていてもよい。第2の通気路が室内空間とつ
ながっていれば、室内空間の熱を逃がしたり、室内空間
の換気を行ったりすることができる。
【0017】傾斜屋根の棟には、棟包み部材が取り付け
られる。棟包み部材は、金属板の型材などからなり、両
側の傾斜屋根が連結される稜線部分に設けられ、連結部
分を覆って、外観上の体裁を良好にしたり、連結部分か
らの雨水の浸入を防止したりするものである。棟包み部
材の基本的な形状構造は、通常の傾斜屋根の場合と同様
でよい。
【0018】棟包み部材の内側で、第2の通気路が第1
の通気路に合流するようにするのが好ましい。第1およ
び第2の通気路は、棟包み部材の内部で、棟に向かう空
気の流れが、軒先側へと折り返されて、棟包み部材の側
面に設けた開口から外部空間に通じるようにしておく。
このように通気路を構成するには、棟包み部材の内部
に、金属薄板などからなる適宜形状の仕切り板を組み合
わせて配置し、仕切り板に沿って通気が流れるようにし
たり、棟包み部材を屋根構造に固定する支持板や仕切り
板の一部に通気孔を設けて、この通気孔を通じて通気が
行われるようにしておいたりすればよい。第1および第
2の通気路を、別々の経路で、軒先側へ折り返してもよ
いし、第1および第2の通気路を合流させた後で、軒先
側へ折り返すようにしてもよい。仕切り板は、通気路が
外部空間への開放される個所から雨水や異物が入り込ま
ないように構成しておくのが好ましい。そのため、通気
路を、軒先側から棟側へと交互に折り返して設けておけ
ばよい。
【0019】棟包み部材の側面すなわち軒先側を向いた
面に、通気路を外部空間に開放する開口が設けられる。
この開口は、棟包み部材の側端部材と屋根葺材の間に設
けた隙間であってもよいし、棟包み部材と屋根葺材の間
を塞ぐ側壁に貫通孔や貫通溝を設けておいてもよい。屋
根葺材のうち、上面側への突出部分では、その下面と野
地板との間に第1の通気路が形成されるので、上記開口
を、屋根葺材の上面が凹んだ部分に設けておけば、開口
のために棟包み部材の高さが増えることがなく、体裁が
良いとともに、雨水などの浸入も良好に阻止できる。
【0020】前記通気路の折り返し部分から開口までの
長さを十分に取ることによって、開口部分に雨水がかか
っても、折り返し部分から通気路の奥まで雨水が浸入す
るのを良好に阻止できる。通気路の上向き部分の高さを
十分に取れば、上向き部分の奥まで雨水が浸入するのを
良好に阻止できる。さらに、通気路を構成する仕切り材
に、垂直方向の壁片から軒先に向かう水平方向の折り返
し片を設けておけば、この折り返し片で雨水の浸入を良
好に阻止することができる。棟包み部材の内部で、野地
板の上に、棟包み部材の長手方向に沿って、排水路を設
けておくことができる。この排水路を、前記した屋根の
傾斜方向に沿った排水路につなげておけば、雨水などの
排水が良好に行われる。
【0021】この発明にかかる屋根の断熱構造は、工業
化生産される1戸建住宅や比較的低層の集合住宅などに
良好に適用されるが、前記のような問題を有する用途で
あれば、任意の建築物における屋根構造に適用すること
ができる。
【0022】
【作用】傾斜屋根の野地板の上面と屋根葺材の間に通気
路を設けておけば、この通気路を軒先から棟へと流通す
る空気で、屋根葺材で発生する熱気を奪い去る作用が生
じることは知られている。しかし、野地板と屋根葺材の
間に形成される通気路は狭いので、通気路を流通する空
気の量は少なく、屋根葺材から奪い取る熱量も小さくな
り、空気に奪い取られなかった熱気が、野地板から室内
空間側へと伝達されてしまう。
【0023】そこで、野地板の下面側の屋根裏に、軒先
から棟に至り、前記野地板の上面と屋根葺材の間の通気
路すなわち第1の通気路へと合流する第2の通気路を設
けておくと、この第2の通気路にも、軒先から棟に至る
空気の流れが生じる。この空気の流れは、つぎの2つの
作用によって生じる。まず、野地板から第2の通気路内
の空気に熱が伝わり、第2の通気路内の空気が暖まって
上昇するので、低い軒先側から高い棟側へと空気が上昇
することにより、軒先から棟への空気流が生じる。但
し、第2の通気路はその容積が大きく、収容された空気
の量も多いので、内部空気の温度上昇は少なく、温度上
昇に伴う空気流は、それほど大きなものとはならない。
このように弱い空気流だけでは、野地板から室内空間へ
と伝わる熱気を効率良く奪い去ることは困難である。す
なわち、第2の通気路を設けるだけでは、良好な断熱機
能は果たせない。
【0024】ところが、前記した第1の通気路において
は、比較的狭い空間の空気を、屋根葺材で発生する強い
熱気で直接加熱し、しかも、通気路が軒先から棟へと傾
斜してつづいているので、軒先から棟を経て外部空間へ
至る空気の流れは、かなり強いものとなる。この第1の
通気路に第2の通気路を合流させておくと、第1の通気
路における強い空気の流れに、第2の通気路内の空気が
吸い込まれることになる。その結果、第2の通気路内
で、前記内部空気の温度上昇による空気流と、第1の通
気路の空気流による吸い込み作用により、強い空気流が
生じることになる。このように、第2の通気路でも強い
空気流が発生すれば、野地板から第2の通気路の空気に
伝わった熱を、空気流とともに外部空間へと良好に放散
させることが可能になる。したがって、室内空間に伝わ
る熱が大幅に減少する。
【0025】以上のように、この発明では、第1の通気
路と第2の通気路の相乗作用で、両方の通気路におい
て、強い空気流を発生させることができ、その結果、屋
根葺材で発生する熱気を、両通気路の空気流で、2段階
に分けて効率的に奪い去ることが可能になり、室内空間
への熱気の伝達を良好に阻止することが可能になる。ま
た、第2の通気路を空気が流通すると、屋根裏空間に結
露が発生することが防げ、屋根裏空間の環境を良好に維
持できるという作用もある。これは、特に金属瓦などの
屋根葺材を用いた場合、夜間や寒冷時には、屋根葺材が
急激に冷却されるので、野地板の両面の温度差で、野地
板の裏面などに結露が発生する心配があるが、野地板の
裏面空間に空気が流通すれば、上記のような結露の発生
を防止することができるのである。
【0026】さらに、この発明では、棟には棟包み部材
が設けられ、第1および第2の通気路は、棟包み部材の
内部で、上向きから軒先側へと折り返されて、棟包み部
材の側面から外部空間に通じている。そのため、各通気
路の外部空間への開放個所から内側に雨水が浸入しよう
としても、各通気路の折り返し部分および上向き部分を
超えて、その内側まで雨水が浸入することはできない。
その結果、第1および第2の通気路における空気の流れ
を阻害することなく、雨水の浸入を確実に防止すること
ができるようになる。
【0027】
【実施例】ついで、この発明の実施例について、図面を
参照しながら以下に説明する。図1は棟部分、図2の軒
先部分における屋根構造を表している。各図に示すよう
に、型鋼材などからなる屋根の基礎構造部材10の上
に、合板などからなる野地板20が敷き詰められてい
る。屋根の基礎構造部材10および野地板20は、軒先
から棟へと高くなる比較的緩い傾斜(たとえば、1/1
0程度の傾斜)がつけられている。
【0028】野地板20の上面には、プレス加工された
金属薄板からなる金属瓦30すなわち屋根葺材が、釘で
打ち付けるなどして、取付固定されている。金属瓦30
は、図の紙面手前側から奥側に向かって、波状のうねり
が形成されており、図面に断面で表れている波状の谷部
分では、金属瓦30が野地板20に接触しているが、波
状の山部分では、金属瓦30と野地板20の間に、軒先
から棟までつづく通気空間32が形成される。また、金
属瓦30は、屋根の傾斜方向で一定間隔毎に段部34が
形成されていて、いわゆる瓦状の外観を呈している。
【0029】図2に示すように、金属瓦30の軒先部分
は、野地板20の先端よりも先に突出して、軒先に取り
付けられた樋40の中に配置されており、金属瓦30と
野地板20の隙間は、樋40の中で外部空間に開放され
ている。この構造により、通気空間32に雨水や異物が
入り込むことが防げる。野地板20の下面側では、屋根
の構造部材10が天井部材50に連結されたり、さらに
壁部材60に連結されたりしている。壁部材60の外面
から、屋根の構造部材10の軒先にかけて、軒天井部材
70が取り付けられている。軒天井部材70から壁部材
60および天井部材50と野地板20の間には、屋根裏
空間80が形成されている。屋根裏空間80は、軒先側
では、軒天井部材70の先端を覆う覆い部材72の下面
に貫通形成された通気孔74を通じて、外部空間に開放
されている。また、棟側では、屋根裏空間80は、屋根
の構造部材10に貫通形成された通気孔12、および、
左右の野地板20、20の間に設けられた隙間から、上
方に通じている。
【0030】軒天井部材70は、下面側の表面がセラミ
ック板72などで仕上げられており、軒部分を下から見
上げたときに、体裁の良い外観を表している。この軒天
井部材70を使用せず、壁部材60の上端部分から屋根
裏空間80が始まるようにしておくことも可能である。
図1に示すように、左右の傾斜屋根がつながる稜部分に
は、金属薄板などからなる棟包み部材90が取り付けら
れている。棟包み部材90は、断面が下向きの偏平なコ
字形をなし、左右の金属瓦30、30に跨がるように取
付固定されている。
【0031】棟包み部材90の内側で、野地板20の上
面には、金属板をプレス加工したりして作製された概略
J字形の仕切り部材92が取り付けられている。左右の
J字形仕切り部材92は、互いに背中合わせに取り付け
られ、その間に屋根裏空間80につながる隙間があけら
れている。第3図に詳しく説明するように、J字形仕切
り部材92は、野地板の上面に載置される水平取付片9
20と、水平取付片920の端部から立ち上がる垂直片
921と、垂直片921の上端に、斜め内側に屈曲され
た傾斜片923と、その先端に水平方向に延びる水平支
持片924で構成されている。
【0032】水平支持片924は、棟包み部材90の内
面に当接しており、棟包み部材90の中央をJ字形仕切
り部材92を介して野地板20上に支持して、棟包み部
材90の支持を確実にしている。このように、水平片9
24で棟包み部材90を支持しておくと、棟包み部材9
0が変形して、外観が悪くなるのを防ぐとともに、棟包
み部材90の内面が内側の仕切り部材と接触したりし
て、通気路を塞いだり狭くしたりすることを防止するた
めにも有効である。
【0033】傾斜片923には、多数の通気孔922が
あいており、この通気孔922が、棟包み部材90の内
側空間で、屋根裏空間80側と、J字形仕切り部材92
の軒先側の空間を連通させている。金属瓦30は、棟包
み部材90の内側で、J字形仕切り部材92の少し手前
部分まで配置されている。金属瓦30と野地板20の間
に形成された隙間は、その先端がJ字形仕切り部材92
の近くに開放されることになる。金属瓦30の端面上部
には、木質材などからなる面戸部材36が取り付けられ
ており、金属瓦30の上面軒先側の空間と、J字形仕切
り部材92側の空間を仕切っている。面戸部材36は、
金属瓦30の上面の波形状に合わせた波状に形成されて
いる。
【0034】面戸部材36の上部には、断面が概略√形
の仕切り部材94が取り付けられている。√形仕切り部
材94は、軒先側が面戸部材36よりも外側に突出し、
途中で上方側に屈曲した後、最先端は斜め下向きに屈曲
して、へ字形突出部942を構成している。このヘ字形
突出部942は、通気をスムーズに流すとともに、下方
から浸入してくる雨水の水滴などを遮断する機能があ
る。へ字形突出部942の上端は、棟包み部材90の下
面との間に少し隙間をあけた状態になっていて、空気の
流通が可能になっている。√形仕切り部材94のうち、
J字形仕切り部材92側は、面戸部材36よりも少し突
出した後、上方に直角に屈曲されて短く突出している。
【0035】棟包み部材90の側面には、下端が、金属
瓦30の上面の波形に沿う形状を有する端面部材902
が取り付けられており、端面部材902と金属瓦30の
上面との間に一定の狭い隙間があいていて、この隙間か
ら通気が行われるとともに、雨や異物が棟包み部材90
の内側に浸入しないようにしている。端面部材902に
内側には、直角に屈曲した型材からなるL形仕切り部材
904が取り付けられている。L形仕切り部材904の
水平先端は、帯状仕切り部材94の先端下方に配置され
ている。L形仕切り部材904は、端面部材902を超
えて浸入してきた雨水の水滴の飛沫などを遮断する機能
がある。
【0036】上記のような屋根の断熱構造の働きについ
て説明する。金属瓦30が太陽熱の照射を受けて加熱さ
れると、金属瓦30と野地板20の間の通気空間32に
存在する空気に熱が伝わり、空気の温度が上昇する。昇
温した空気は軽くなって上昇しようとするので、通気空
間32の傾斜に沿って、軒先から棟へと空気が移動す
る。
【0037】棟側へ移動した空気は、図3に詳しく説明
するように、棟包み部材90の内部に入り、金属瓦30
とJ字形仕切り部材92の間を上に移動し、棟包み部材
90の下面と√形仕切り部材94の間の空間を、軒先側
に折り返された形で移動する。√形仕切り部材94のへ
字形突出部942に沿って斜め上向きに移動した空気
は、へ字形突出部942の先端から下方向きに流れて、
へ字形突出部942の下側に入り、L字形仕切り部材9
04に沿って棟側に移動した後、L字形仕切り部材90
4の先端から下面側に再び折り返され、さらに、端面部
材902と金属瓦30の隙間から軒先側に向かって外部
空間へと放出される。
【0038】金属瓦30と野地板20の間の通気空間3
2に存在していた空気が、棟側に移動して外部空間に放
出されるのに伴って、軒先側では、金属瓦30の先端か
ら通気空間32へと外部空間から新たな空気が吸い込ま
れる。吸い込まれた空気は、金属瓦30から熱を受け
て、前記同様に棟側へと移動する。このようにして、通
気空間32から棟包み部材90の内側空間を経る通気
路、すなわち第1の通気路を通じて、空気が流通し、こ
の流通する空気に金属瓦30の熱が奪い去られることに
なる。但し、この通気空間32はそれほど容積がないの
で、流通する空気の量は十分ではなく、金属瓦30の熱
を完全に奪い去ることはできず、一部の熱は、野地板2
0に伝わる。
【0039】野地板20に熱が伝わると、この熱は、野
地板20の裏面側の屋根裏空間80に存在する空気を暖
めることになる。屋根裏空間80の空気が暖められる
と、この空気も上昇して、野地板20裏面の傾斜に沿っ
て軒先から棟側へと移動する。空気は、屋根の構造部材
10の通気孔12を経て、左右の野地板20の隙間、左
右のJ字形仕切り部材92、92の隙間を上昇し、通気
孔922を通過して、前記した第1の通気路を流通する
空気と合流することになる。第1の通気路を流通する空
気と合流した後の流れは、前記したとおりであり、棟包
み部材90の側面から外部空間に放出される。
【0040】屋根裏空間80の空気が棟側で外部空間に
放出されるのに伴って、軒先側では、覆い部材72の通
気孔74を通じて、外部空間から新たな空気が吸い込ま
れることになる。したがって、屋根裏空間80において
も、軒先から棟への空気の流れが生じ、この空気が野地
板20から伝わる熱を奪い去ることになる。屋根裏空間
80から棟包み部材90の内部に至る通気路が、第2の
通気路として機能するのである。
【0041】なお、前記通気空間32からなる第1の通
気路と、屋根裏空間80からなる第2の通気路とが合流
する個所では、J字形仕切り部材92の内壁面に沿って
流れる第1の通気路における比較的強い空気流が、通気
孔922を通じて、第2の通気路側の空気を吸い込む作
用が生じるので、第2の通気路側における空気の流れを
促進することになる。
【0042】屋根に雨水がかかったり、異物が飛んでき
たりした場合、軒先では、通気空間32は樋40の内部
に開口しており、屋根裏空間80は軒下の通気孔74で
開口しているので、この軒先部分から雨水などが浸入す
ることはない。また、棟側では、前記したように、棟包
み部材90に設けられた、端面部材902、L字形仕切
り部材904、√形仕切り部材94、面戸部材36およ
びJ字形仕切り部材92による、何重もの仕切り構造が
設けられているので、これらの仕切り構造を超えて、通
気路の奥や屋根裏空間80まで雨水などが浸入する心配
はない。
【0043】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかる屋根の
断熱構造によれば、屋根葺材と野地板との間に形成され
る第1の通気路と、野地板の下面側の屋根裏に形成され
る第2の通気路を設け、第1の通気路に第2の通気路を
合流させておくことにより、屋根葺材に発生する熱を、
各通気路を流通する空気流によって、効率的に奪い去る
ことができ、室内空間への熱の伝達を良好に阻止するこ
とができる。
【0044】特に、上記第1の通気路だけでは、屋根葺
材からの伝熱量に比べて通気路の容積が少ないため、熱
を十分に奪い去ることができず、また、第2の通気路だ
けでは、空気流が弱いので、やはり熱を十分に奪い去る
ことができないのに対し、第1の通気路と第2の通気路
を組み合わせ、第1の通気路に第2の通気路を合流させ
ておくことにより、第1の通気路に発生する強い空気流
で、第2の通気路から空気を吸い込み、第2の通気路の
空気流を増大させることができるようになり、前記のと
おり、効率的に熱を奪い去ることができるのである。
【0045】その結果、金属瓦のような熱容量が小さく
伝熱性の高い屋根葺材を用いても、室内空間が熱くなら
ず、快適な住環境を提供できることになる。しかも、各
通気路が外部空間に開放される棟包み部材の個所で、第
1および第2の通気路が、軒先側へと折り返された後、
棟包み部材の側面から外部空間に通じるようにしている
ので、雨水などが、通気路の棟側の奥まで浸入すること
を防げる。したがって、断熱構造のために防水性能が低
下することを防げる。
【0046】さらに、第2の通気路が、屋根裏空間の空
気を循環させるので、屋根裏空間に結露が発生するのを
良好に防止することができ、結露による構造部材な傷み
や環境の悪化を防ぐことができる。前記のような金属瓦
などの屋根葺材は、工業化住宅に適した材料であるか
ら、このような屋根葺材を良好に使用することのでき
る、この発明によれば、工業化住宅の品質性能を向上さ
せ、工業化住宅の用途拡大にも大きく貢献できることに
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例を表す棟部分の断面図
【図2】 軒先部分の断面図
【図3】 棟包み部材付近の拡大断面斜視図
【符号の説明】
10 屋根構造部材 20 野地板 30 金属瓦 32 通気空間(第1の通気路) 80 屋根裏空間(第2の通気路) 90 棟包み部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 傾斜屋根において、野地板の上面と屋根
    葺材の間に、軒先から棟に至り、棟から外部空間に通じ
    る第1の通気路が設けられ、前記野地板の下面側の屋根
    裏には、軒先から棟に至り、前記第1の通気路に合流す
    る第2の通気路が設けられ、第1および第2の通気路
    は、棟に設けられた棟包み部材の内部を経て、棟包み部
    材の側面から外部空間に開放されていることを特徴とす
    る屋根の断熱構造。
JP1320493A 1993-01-29 1993-01-29 屋根の断熱構造 Pending JPH06229088A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022123822A (ja) * 2021-02-12 2022-08-24 Jfe鋼板株式会社 建築物の屋根構造体

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JPH03244750A (ja) * 1990-02-22 1991-10-31 Gantan Biyuut Kogyo Kk 屋根構造における雨樋装置と換気装置との組み合せ構造

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