JPH0622895B2

JPH0622895B2 - 熱収縮性円筒

Info

Publication number: JPH0622895B2
Application number: JP41045090A
Authority: JP
Inventors: 勤井坂; 光伸川瀬; 熈永野
Original assignee: Toyobo Co Ltd
Current assignee: Toyobo Co Ltd
Priority date: 1990-12-12
Filing date: 1990-12-12
Publication date: 1994-03-30
Anticipated expiration: 2009-03-30
Also published as: JPH05131544A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、熱収縮性オレフィン
系フィルムからなる円筒状のものであって、びん、容
器、棒状体等の包装に適した熱収縮性円筒に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】最近、包装物品の外観向上のための外
装、内容物の直接衝撃を避けるためのタイト包装、ガラ
スびんもしくはプラスチック容器の保護と商品の表示と
を兼ねたラベル包装、その他輸送空間の減少、包装物品
の結束等を目的として、包装品の外装、各種成型品のラ
ベルシール、キャップシール等が広く使用されている。
これらの目的に使用されるプラスチックフィルムには、
異方性の熱収縮性、ヒートシール性、印刷性等を具備す
ることが要求されており、これらの目的を達するものと
して、従来、ポリ塩化ビニル、電子線照射したポリエチ
レン等からなるフィルムが使用され、またインスタント
カップラーメンの容器のような軽包装材料として２軸延
伸ポリプロピレンフィルムが使用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ポ
リ塩化ビニルフィルムは、熱収縮性が良い反面、ヒート
シール性に乏しくて接着剤を使用せねばならず、また廃
棄物の焼却に際して発生塩素ガスによる腐食、環境問題
があって好ましくない。また、上記ポリエチレンフィル
ムの場合は、透明性、光沢性が十分でなく、また縦、横
方向の熱収縮率が異なるフィルムを得難い。さらに２軸
延伸ポリプロピレンフィルムは、低温での熱収縮率が低
いために高温で熱収縮させる必要があり、その際、被包
装物の温度も上昇し、被包装物の変質、着色などの障
害、外装材あるいは容器自体の変形などを生ずる。この
発明者は、上記の問題を解決して市場の要求に応えるた
めに鋭意研究した結果、この発明を完成するに至ったの
である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
全共重合成分に対するエチレン含有量が 0.2〜10重量
％、炭素数４〜10のα−オレフィン含有量が 1.5〜25重
量％で、 230℃におけるメルトインデックスが 0.5〜15
であるプロピレン・エチレン・α−オレフィン三元共重
合体（α−オレフィンは炭素数４〜10）からなるフィル
ムにして、該フィルムの横方向の熱収縮率（ 120℃、５
分間の乾熱自由収縮率）が縦方向の熱収縮率に対して２
倍以上である熱収縮性フィルムを、軸方向に縦方向を設
定して用いて円筒状を形成したことを特徴とする熱収縮
性円筒である。

【０００５】この発明で用いるフィルムの厚みは、10〜
500 ミクロンの範囲である。通常は、厚み10〜250 ミク
ロンのものをフィルムと称し、また 250〜500 ミクロン
のものをシートと称しているが、この明細書においては
上記のフィルムとシートを区別することなく、フィルム
と総称する。

【０００６】フィルムを形成するプロピレン・エチレン
・α−オレフィン三元共重合体は、エチレンが 0.2〜10
重量％、炭素数４〜10のα−オレフィンが 1.5〜25重量
％、好ましくは３〜20重量％であり、残余はプロピレン
である。この組成範囲内において、三元共重合体はラン
ダム共重合体、ブロック共重合体、または各々のモノマ
ー比率の異なる共重合ユニットがブロック状に任意に共
重合されたものであってもよい。

【０００７】上記三元共重合体のメルトインデックス
（測定温度 230℃、単位ｇ／10分、以下ＭＩと略称す
る）は、 0.5〜15、好ましくは 1.0〜10である。ＭＩが
0.5未満であると、透明、平滑なフィルムを得るための
製膜速度が低下し、負荷動力の消費が多くなる。また、
ＭＩが15を超えると、熱収縮性が低下し、特に低温域に
おける熱収縮率が小さく、また透明性も低下する。

【０００８】この発明で用いるフィルムの樹脂には、本
発明の目的を逸脱しない範囲で他の重合体、帯電防止
剤、滑剤、アンチブロッキング剤などの添加剤を混合
し、自動包装性、被包装物の滑り性を向上することがで
きる。帯電防止剤としては、アルキルアミンのエチレン
オキシド付加物、アルキルアミドのエチレンオキシド付
加物、ベタイン型帯電防止剤、その他脂肪酸エステルの
モノグリセリド、ポリオキシエチレンアルキルフエニル
エーテルなどが例示され、また滑剤としては、高級脂肪
酸アミド系、高級脂肪酸エステル系、ワックス系、金属
石けん等が一般的である。アンチブッロキング剤として
は、シリカ、炭酸カルシウム、けい酸マグネシウム、り
ん酸カルシウムのような無機系添加剤、非イオン系界面
活性剤、陰イオン系界面活性剤、非相溶性の有機重合体
( 例えばポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート
など) が用いられる。

【０００９】これらの添加剤は、樹脂成分に対して0.05
〜５重量％、好ましくは 0.1〜３重量％混合される。な
お、上記添加剤のほかに、顔料、染料、紫外線吸収剤等
を目的に応じて添加することができる。

【００１０】この発明で用いるフィルムの一つの特長
は、横方向の熱収縮率（120℃、５分間の乾熱自由収縮
率）が縦方向の乾熱自由収縮率に対して２倍以上である
ことである。これにより、フィルムを円筒状に形成して
非包装物に被覆し、熱収縮させて被包装物に密着させる
際、縦方向の熱収縮率の大きい場合に比べて裁断性が良
好になる。

【００１１】横方向の熱収縮率が縦方向の熱収縮率に対
して２倍未満の場合、すなわち縦方向の熱収縮率が横方
向の熱収縮率の 0.5倍を超える場合は、このフィルムを
使用して円筒を製造し、熱収縮させたときの外観が低下
する。例えば、フィルムの縦方向を軸方向、横方向を円
周方向として軸方向にヒートシールし、被包装物の高さ
と同じ長さを有するフィルム円筒を作成し、このフィル
ム円筒を被包装物に被覆させて熱収縮させた場合、フィ
ルム円筒は被包装物の外周面に沿って横収縮して密着す
るが、フィルム円筒の長さも縦収縮のために被包装物の
高さよりも短くなって、フィルム円筒の上下の端部が被
包装物の上下の端部よりも内側に引っ込み、しかもその
上下の端縁がジグザグ状となって外観不良になる。特に
印刷したフィルムの円筒を使用した場合は、上下の端縁
において印刷模様の歪を生じて外観が低下する。

【００１２】上記の説明から理解されるように、縦方向
の熱収縮率は小さい方が好ましく、一般に 120℃、５分
間の乾熱自由収縮率が15％以下である。一方、横方向の
熱収縮率は大きい方が好ましいが、通常は縦方向の熱収
縮率の 3.5〜4.0 倍であり、具体的には熱収縮率が15〜
80％であることが好ましい。被包装物の外形の凹凸が大
きい程、横方向の熱収縮率の大きいことが要求される。

【００１３】この発明で用いるフィルムは、通常のＴダ
イ法、インフレーション法において、横方向を主体にし
た延伸を行うことや、延伸、熱固定を特定の条件下で行
うことによって製造される。また、別個の押出機を用い
て一つのダイから共押出するか、もしくは一層を押出し
製膜した片面に更に積層して未延伸フィルムを製造し、
この未延伸フィルムを少なくとも横方向に延伸、好まし
くは縦方向および横方向に逐次、または同時に延伸す
る。また、一層を押出し製膜し、必要に応じて縦延伸し
たのち、少なくとも一面に押出しラミネートし、さらに
横方向に延伸する方法や、別個に押出し製膜したのち、
両者を縦延伸しながらラミネートし、さらに横方向に延
伸する方法を使用することもできる。そして、上記両者
をラミネートするに際し、必要に応じて接着剤を使用し
てもよい。

【００１４】フィルムの製造における縦方向の延伸倍率
は 1.0〜2.0 倍、好ましくは 1.0〜1.5 倍である。すな
わち、縦方向の延伸を省く場合もある。また、延伸温度
は、70〜160 ℃、好ましくは80〜140 ℃であり、縦方向
の延伸温度が70℃未満では、フィルムの透明性が低くな
り、また延伸温度が160 ℃を超えると、フィルムが延伸
ロールに粘着し、中間延伸ロールを用いない場合にネッ
クインの変動が大きくなって、次工程における横方向の
延伸が不安定になるなどの問題がある。

【００１５】横方向の延伸倍率は、 5.0〜16倍、好まし
くは 6.0〜12倍であり、横方向の熱収縮性が更に大きい
ことを要求される場合は 7.0〜13倍が好ましい範囲であ
る。また、延伸温度は80〜160 ℃、好ましくは90〜140
℃であり、80℃未満ではフィルムの破断回数が多くな
り、歩留りが低下し、これに反して 160℃を超えると、
テンターのクリップ部における破断、フィルム中央部の
熱軟化による破断を生ずる。

【００１６】上記のように延伸されたフィルムは、引き
続き 120℃、好ましくは80℃以下に温度を下げるか、も
しくは０℃、好ましくは10℃付近に急冷して上記の延伸
状態に保持し、もしくは±10％程度の寸法変化をさせた
状態を保持しながら、室温に至るまで２〜10秒間放置す
る。この延伸後の冷却は、空冷、冷却ロール、冷却ベル
ト、もしくはこれらの組み合わせによって行われる。

【００１７】上記のようにして得られた延伸フィルムの
表面には、コロナ放電処理、各種ガス雰囲気中における
放電処理、酸処理、火炎処理などによる表面活性化処理
を施し、必要に応じて印刷、金属蒸着を施すことができ
る。

【００１８】この発明で用いるフィルムは、熱収縮性を
有するだけでなく、一般のポリオレフィンフィルムに比
べて優れた高速超音波シール性を有する。もちろん、通
常の熱板シール、マルチポイントシール、溶断シールな
どの熱的方法による熱接着、および接着剤による接着が
可能であることはいうまでもない。

【００１９】この発明に用いる熱収縮性フィルムは、こ
れを縦方向を軸とした円筒状に形成し、このフィルム円
筒を被包装物に被覆したのち加熱して熱収縮させ、被包
装物の外面に密着させるようにする外装材料として好適
である。熱収縮させるための条件は、熱風の場合 160〜
200 ℃、２〜10秒間であり、そのときのフィルム温度は
70〜150 ℃が好ましい。加熱温度と時間の関係は、熱風
の風速、吹付け角度などにより決定される。

【００２０】被包装物としては、ガラスもしくはプラス
チック製のびん、紙、プラスチック、金属その他の材料
による容器や、机、椅子等の脚などの棒状体、あるいは
球状体があげられる。そして、被包装物の保護のみなら
ず、上記外装材料に印刷して品名、宣伝、注意書きなど
の表示を行うことができる。

【００２１】以下にこの発明の実施例を説明する。実施例１ＭＩ 4.5のプロピレン・エチレン・ブテン−１三元共重
合体（エチレン含有量 4.5重量％、ブテン−１含有量16
重量％）に、ステアリン酸のグリセリンエステル0.35重
量部、アルキルアミン型帯電防止剤 0.8重量部およびエ
ルカ酸アミド 0.1重量部を添加した組成物を調製した。
該組成物を溶融押出し、未延伸フィルム（厚さ 530μ）
を製造し、次いで 114℃で縦方向に 1.1倍延伸し、引き
続き 120℃で横方向に 9.5倍延伸し、この緊張状態で60
℃まで冷却し、次いで緩和率 1.5％で４秒間に室温まで
冷却した。さらに片面にコロナ放電処理を行って厚み50
μの熱収縮性フィルムを得た。

【００２２】この熱収縮性フィルムの放電処理面に印刷
を施し、円筒状に成形した。このフィルム円筒を直径50
mm、高さ 150mmの紙製管状体及びプラスチック管状体の
外側にかぶせ、 210℃に加熱して加熱収縮時間による収
縮状態を評価した。なお、比較のために、２軸方向収縮
性ポリプロピレンフィルム（比較例１）および１軸方向
収縮性ポリ塩化ビニルフィルム（比較例２）について同
様の試験を行った。

【００２３】上記実施例１と比較例１、２のフィルムの
性質、収縮評価の結果を下記の表１に示した。

【００２４】

【表１】

【００２５】上記の表１でみられるように、実施例１の
フィルムの透明性は、比較例に比べて若干劣るが、実用
的な透明性を有しており、また実施例１のフィルムはヒ
ートシール強度が大きく、かつ表面固有抵抗が小さくて
帯電防止性が優れている。また、実施例１のフィルム
は、従来のポリ塩化ビニルフィルムと同様に、包装後の
外観が良好であり、しかもポリ塩化ビニルフィルムに比
べてヒートシール性があり、かつヒートシール時の臭気
の発生がない。

【００２６】上記の表１における透明度および曇価は、
ＪＩＳ−Ｋ６７１４に準じて東洋精機社製ヘーズテスタ
ーで測定した値である。ヒートシール強度は、東洋精機
社製熱傾斜ヒートシーラーにより圧力１kg／cm²、0.5
秒間の条件でヒートシールしたのち、その剥離強度を 2
00mm／分の速さで測定した値である。表面固有抵抗は、
フィルムを23℃、65％ＲＨの雰囲気中に24時間放置した
後、宍戸商会製スタチックオネストメータを用いて測定
した値である。５分加熱収縮率中、Ｍは縦方向、Ｔは横
方向を示し、また熱収縮の評価は、◎が最高、〇が良
好、△が実用限界、×が不良を示し、変形はプラスチッ
ク管が変形したことを示す。

【００２７】実施例２上記実施例１において、モノマー含有量が異なる種々の
共重合体を用い、全厚み60μの熱収縮性フィルムを得、
このフィルムのコロナ放電処理をした片面に、ポリプロ
ピレン用印刷インク（商品名ＰＰ−ＳＴ、東洋インキ社
製）を用いて印刷した。これらのフィルムでその縦方向
を軸方向として円筒を形成したときのヒートール性、ヒ
ートシール部のしわの発生、熱収縮後のヒートシール部
の外観状況などについて評価した結果を表２に示す。

【００２８】重合体の種類名称
ＭＩＡアイソタクチックポリプロピレン
2.5 Ｂプロピレン・エチレン共重合体（エチレン含有量
0.4重量％） 4.0 Ｃプロピレン・エチレン共重合体（エチレン含有量
3.0重量％） 2.5 Ｄプロピレン・エチレン・ブテン−１三元共重合体（エチレン含有量 3.0重量％、ブテン−１含有量
2.0重量％） 7.0 Ｅプロピレン・エチレン・ブテン−１三元共重合体（エチレン含有量 3.0重量％、ブテン−１含有量20
重量％） 7.0 Ｆプロピレン・エチレン・ブテン−１三元共重合体（エチレン含有量20重量％、ブテン−１含有量15重
量％） 4.0

【００２９】

【表２】

【００３０】上記表２におけるチューブ装填性は、フィ
ルムを円周 162mmの円筒状とし、この円筒フィルムを、
直径50mmの円筒体にしてその一部に直径44mmの環状凹部
を形成した異径部を有する容器の外面にかぶせ、軽くた
たいてフィルムが上記容器に装填できる難易性を示すも
のであり、このチューブ装填性は自動包装機による高速
で連続的に装填できるか否かの基準となる。このチュー
ブ装填性は、フィルムの腰、帯電防止性、屈曲固定性、
容器に対する滑性などが重要な要素となるものであっ
て、単に熱収縮し易い樹脂とその延伸条件だけで決定さ
れるものではない。チューブ装填性が良好なものを〇、
やや良好なものを△、不良なものを×で示す。

【００３１】また、熱収縮後の外観は、ヒートシール部
に 210℃の熱風を５秒間吹付けて熱収縮させたのちのヒ
ートシール部の外観（しわ、たるみなど）を肉眼で評価
した。ヒートシールが不完全、不十分なものは、熱収縮
によって剥離、浮き上がりなどが発生する。

【００３２】ヒートシール部収縮性は、２枚のフィルム
を合掌貼り、あるいは重ね貼りなどによって熱接着した
ときの接着部が熱履歴を受けているので、該接着部が次
の熱収縮工程において十分に熱収縮するか、またはシワ
やヒキツリが生じたり、熱収縮が不十分になったりする
かどうかを評価するものである。

【００３３】超音波シール性は、フィルムからチューブ
状フィルムを製作する場合に高速でシールできるか否か
を示すものである。〇印は完全に接着しているもの、△
印は接着はしているが、シール線の太さの変動によって
シール強度が弱いか、或いは不十分なシール部分がある
もの、×印はシールが不十分で熱収縮工程でシール部が
剥離しているものを示す。この超音波シール性は、工業
的生産に大きな意味があり、高速の超音波シール性は低
いエネルギーで十分にシールでき、熱収縮工程で十分な
収縮能を保持した状態であることを意味している。

【００３４】実施例３上記実施例１において、横方向の延伸倍率を変えて、 1
20℃における熱収縮率の横／縦の比率の異なるフィルム
を製造し、このフィルムを、縦方向を軸方向として円筒
状に形成して、直径50mm、高さ 150mmの紙製円筒の外側
にかぶせ、次いで 210℃の熱風を10秒間吹付けて熱収縮
させた。このときの紙製円筒の下端からフィルム下端の
浮き上がり距離および円筒の周面における浮き上がり距
離の変動範囲を測定した結果を表３に示す。

【００３５】

【表３】

【００３６】表３でみられるように、横の熱収縮率が縦
の熱収縮率に対して２倍以上のときは、フィルムは、熱
収縮がされてもほとんど浮き上がることがない。

【００３７】実施例４上記実施例１において、プロピレン・エチレン・ブテン
−１三元共重合体のメルトインデックスＭＩを変えて、
厚み50μの熱収縮性フィルムを製造した。このフィルム
を実施例３と同じ方法で円筒状に形成し、紙製円筒にか
ぶせて熱収縮させた。このフィルムのフィルム製造性お
よび熱収縮率、熱収縮後の外観を表４に示す。

【００３８】

【表４】

【００３９】表４でみられるように、ＭＩが 1.0、 4.
5、12のものは、製造性、フィルムの外観、収縮包装後
の外観が良好であるのに対し、ＭＩが 0.3のものは、押
出し時の負荷動力が大きくて生産性が劣り、かつフィル
ムの外観が劣る。また、ＭＩが20のものは、低温での熱
収縮率が小さくなり、収縮包装後の外観が劣っている。

【００３８】

【発明の効果】上記のとおり、この発明の熱収縮性円筒
は、プロピレン・エチレン・α−オレフィン三元共重合
体からなるフィルムで作成され、該フィルムの横方向の
熱収縮率を縦方向の２倍以上とし、この縦方向を円筒の
軸方向に使用したものであるから、その円筒状の形成が
容易であると共に、びん、容器、棒状体等の被包装物に
かぶせ、熱風を吹き付けて熱収縮させることにより、上
記被包装物の表面に上記フィルムを密着させて包装する
ことができる。そして、上記のフィルムがプロピレン・
エチレン・α−オレフィン三元共重合体からなるもので
あるから、超音波シール性等のシール性が良好で、臭気
を発生することがなく、かつシール強度および帯電防止
性等に優れ、包装が容易であり、また包装後にフィルム
の浮き上がりや歪みがなく、透明性および光沢に優れて
いて外観が良好である。また、上記三元共重合体のメル
トインデックスが 0.5〜15であるから、生産性にも優れ
ている。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｂ２９Ｌ 7:00 4ＦＣ０８Ｌ 23:00

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】全共重合成分に対するエチレン含有量が
0.2 〜10重量％、炭素数４〜10の−オレフィン含有量が
1.5〜25重量％で、 230℃におけるメルトインデックス
が 0.5〜15であるプロピレン・エチレン・α−オレフィ
ン三元共重合体（α−オレフィンは炭素数４〜10）から
なるフィルムにして、該フィルムの横方向の熱収縮率
（ 120℃、５分間の乾熱自由収縮率）が縦方向の熱収縮
率に対して２倍以上である熱収縮性フィルムを、軸方向
に縦方向を設定して用いて円筒状を形成したことを特徴
とする熱収縮性円筒。