JP7354545B2 - 熱収縮性フィルム、包装資材、成形品、容器 - Google Patents
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Description
さらに、印刷されたフィルムは端部を溶剤塗布しながら観音開き状に折り畳まれ、フィルム端部同士を溶剤シールして筒状のフィルムロールを得る製袋工程を経由する。そして、充填工程において、筒状のフィルムロールよりフィルムが繰り出され、容器の高さ方向の所定の長さに裁断後、容器に装着させ収縮される。
さらに、近年では各工程における生産性向上や設備改良に伴い、印刷、製袋、充填工程はいずれもさらに高速化が進んでおり、常温で測定される引張破断伸度が大きくても、高速化されたラインでは破断が生じる場合もある。
そのため、高速化された二次加工の安定生産のためには、より低温雰囲気下での引張破断伸度の向上が非常に重要となる。これはプラスチックフィルムに温度-時間換算則が成り立つため、低温雰囲気下での挙動が高速雰囲気下での挙動と対応することに起因する。
また、「X~Y」(X、Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含するものである。
また、本明細書における数値範囲の上限値及び下限値は、本発明が特定する数値範囲内から僅かに外れる場合であっても、当該数値範囲内と同様の作用効果を備えている限り本発明の均等範囲に包含するものとする。
本発明の熱収縮性フィルムは、フェノキシ樹脂(A)とポリエステル系樹脂(B)との混合樹脂組成物を主成分とする層を少なくとも1層有する熱収縮性フィルムある。
本発明で用いられるフェノキシ樹脂(A)は、下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂である。該繰り返し単位を有していれば、分子鎖末端の構造は特に限定されるものではない。
なお、上記Tgは、粘弾性スペクトロメーターDVA-200(アイティ計測社製)を用いて、振動周波数10Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分で測定し、得られたデータから損失弾性率(E”)のピーク値を求め、その時の温度をTgとするものである。
本発明で用いられるポリエステル系樹脂(B)は、主鎖にエステル結合を有する樹脂であれば、特にその種類を限定するものではない。例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ-1,4-シクロへキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸、ポリ-ε-カプロラクタム等のポリエステル系樹脂などを挙げることができる。中でも、ポリエチレンテレフタレートや、ポリブチレンテレフタレートなどの、ジカルボン酸成分と多価アルコール成分を構成ユニットとする共重合体が好ましい。
本発明のフィルムは、前記フェノキシ樹脂(A)と前記ポリエステル系樹脂(B)との混合樹脂組成物を主成分とする層を少なくとも1層有する熱収縮性フィルムである。
本発明の熱収縮性フィルムには、必要に応じて、低分子化合物、炭化水素樹脂類、添加物などを含有させることができる。
本発明の熱収縮性フィルムに低分子化合物を含有させることにより、フィルムの延伸性や収縮特性の向上と収縮応力の低減が期待できる。
本発明の熱収縮性フィルムに、炭化水素樹脂類を含有させることにより、フィルム表面の光沢度や収縮特性が向上するという効果が得られる。
さらに、上述した成分の他、本発明の効果を著しく阻害しない範囲で、成形加工性、生産性、熱収縮性フィルムの諸物性等を改良・調整するため、フィルムの耳等のトリミングロス等から発生するリサイクル樹脂や、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤等の添加剤を適宜含有させても構わない。
本発明の熱収縮性フィルムは、前記フェノキシ樹脂(A)と前記ポリエステル系樹脂(B)との混合樹脂組成物を主成分とする層を少なくとも1層有していればよく、当該層を(I)層とした場合、(I)層単層、(I)層/(II)層の2層構成や、(I)層/(II)層/(III)層、(II)層/(I)層/(III)層、(I)層/(II)層/(I)層、(II)層/(I)層/(II)層の3層構成などの構成を採用することができ、層数に制限はない。
また、(I)層以外の層は、(I)層と共に共押出によって積層としてもよいし、(I)層を少なくとも1層有するフィルムに、別工程で得たフィルムや不織布、紙、金属などをラミネートして積層してもよい。
(常温引張破断伸度)
本発明の熱収縮性フィルムは、雰囲気温度23℃、引張速度200mm/分の条件下で、JISK7127に準拠して測定される、主収縮方向に直交する方向の引張破断伸度が、100%以上であることが重要である。より好ましくは150%以上、さらに好ましくは200%以上である。23℃環境下での引張破断伸度が上記範囲内であれば、印刷・製袋などの工程時にフィルム状物が破断するなどの不具合が生じにくく、好ましい。また被覆物との密着部分から破袋等が発生しにくく、好ましい。なお、主収縮方向に直交する方向は、フィルム状物の引き取り(流れ)方向(又は、MD)であることが好ましい。
雰囲気温度23℃での引張破断伸度を上記範囲とするには、配合の調整、製膜工程での押出条件の調整ならびに延伸条件の調整、熱収縮率の調整などを適宜行うことによって調整できる。
本発明の熱収縮性フィルムは、雰囲気温度0℃、引張速度100mm/分の条件下で、JISK7127に準拠して測定される、主収縮方向に直交する方向の引張破断伸度が、100%以上であることが好ましく、より好ましくは150%以上、さらに好ましくは200%以上である。0℃環境下での引張破断伸度が上記範囲内であれば、印刷・製袋などの工程時にフィルム状物が破断するなどの不具合が生じにくく、好ましい。また被覆物との密着部分から破袋等が発生しにくく、好ましい。なお、主収縮方向に直交する方向は、フィルム状物の引き取り(流れ)方向(又は、MD)であることが好ましい。
雰囲気温度0℃での引張破断伸度を上記範囲とするには、配合の調整、製膜工程での押出条件の調整ならびに延伸条件の調整、熱収縮率の調整などを適宜行うことによって調整できる。
本発明の熱収縮性フィルムは、雰囲気温度-10℃、引張速度100mm/分の条件下で、JISK7127に準拠して測定される、主収縮方向に直交する方向の引張破断伸度が、100%以上であることが好ましい。より好ましくは150%以上、さらに好ましくは200%以上である。-10℃環境下での引張破断伸度が上記範囲内であれば、印刷・製袋などの工程時にフィルム状物が破断するなどの不具合が生じにくく、高速化されたラインにおいても耐破断性を維持できるため、好ましい。また被覆物との密着部分から破袋等が発生しにくく、好ましい。なお、主収縮方向に直交する方向は、フィルム状物の引き取り(流れ)方向(又は、MD)であることが好ましい。
雰囲気温度-10℃での引張破断伸度を上記範囲とするには、配合の調整、製膜工程での押出条件の調整ならびに延伸条件の調整、熱収縮率の調整などを適宜行うことによって調整できる。
(熱収縮性)
本発明の熱収縮性フィルムは、100℃の温水中に10秒浸漬したときの少なくとも一方向(主収縮方向)の熱収縮率が50%以上であることが好ましい。また、該一方向は、熱収縮フィルムの押出機からの流れ方向(MD)を縦方向、その直交方向(TD)としたとき、押出機からの直交方向(TD)であることが好ましい。また、容器の収縮ラベルは、収縮加工工程において比較的短時間(数秒~十数秒程度)で収縮する必要がある。熱収縮率は、熱収縮性フィルムが収縮ラベル用途に適応できるかどうかの可能性を判断する際の指標となる。すなわち、容器のラベル装着用途に工業的に最も多く用いられている収縮加工機は、収縮加工を行う加熱媒体として水蒸気を用いる蒸気シュリンカーと一般に呼ばれているものであり、熱収縮性フィルムは被覆対象物への熱の影響等の点からできるだけ短時間で十分熱収縮することが必要である。
このような工業生産性を考慮すると、上記条件における熱収縮率が50%以上であれば、収縮加工時間内に十分に被覆対物に密着することができると判断することができる。
本発明の熱収縮性フィルムの自然収縮率はできるだけ小さい方が望ましく、熱収縮性フィルムの自然収縮率は、例えば、30℃、50%RH雰囲気下で30日間程度放置する条件において2.0%未満であれば一般的には実用上問題を生じにくい。より好ましくは1.5%未満である。本発明の熱収縮性フィルムの自然収縮率を2.0%未満とするためには、前記フェノキシ樹脂(A)をガラス転移温度(Tg)50℃以上のものを使用したり、延伸温度を樹脂のガラス転移温度(Tg)や熱収縮性フィルムに要求される特性によって適宜調整したりすればよい。一般には、概ね60℃以上130℃以下、好ましくは70℃以上110℃以下の範囲で制御すればよい。
そのため、本発明の熱収縮性フィルムの50℃の温水中に10秒浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が-5%以上5%以下であることが好ましく、-2%以上2%以下であることがより好ましく、0%であることがさらに好ましい。なお、本発明の熱収縮性フィルムの自然収縮率を2.0%未満とする方法が上記の方法に限定されるものではない。
(透湿度)
本発明の熱収縮性フィルムは、JISZ0208(防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法))の諸条件に準拠したて測定した透湿度が40g/m2・day以下であることが好ましい。より好ましくは35g/m2・day以下であり、さらに好ましくは30g/m2・day以下である。透湿度が上記範囲内であれば、水蒸気バリア性として十分な性能を示し、熱収縮性フィルムの装着の有無による内容物の蒸散抑制効果を明確に確認することができる。
フィルムの透湿度は、フィルムが厚い方が透湿度が小さくなり、薄い方が透湿度が大きくなる。そのため、厚さが異なるフィルムにおける透湿度の優劣を明確にするため、厚さ換算した透湿度を指標の一つに用いる。例えば、厚さd(μm)のフィルムの透湿度がX(g/m2・day)であった場合、フィルム厚さ40μm換算の透湿度Y(g/m2・day)は、Y=X・d/40として算出することができる。
本発明の熱収縮性フィルムは、フィルム厚さ40μm換算の透湿度は、40g/m2・day以下であることが好ましい。より好ましくは35g/m2・day以下であり、さらに好ましくは30g/m2・day以下である。
(ヘイズ)
本発明の熱収縮性フィルムの透明性は、通常、ヘイズで10%以下であることが好ましく、7%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。フィルムのヘイズが10%以下であれば、クリアーなディスプレー効果が得られるため好ましい。フィルムのヘイズは、JISK7136に準拠して測定することができる。
本発明の熱収縮性フィルムは、フィルムの腰(常温での剛性)の観点から、フィルム主収縮方向と直交する方向(以下「直交方向」ともいう)の、雰囲気温度23℃における引張弾性率が1500MPa以上であることが好ましく、1600MPa以上であることがより好ましく、1700MPa以上であることがさらに好ましい。また、フィルム直交方向の引張弾性率の上限は特に制限されないが、通常使用される熱収縮性フィルムの引張弾性率の上限値を考慮すれば、上限値は2500MPa~3000MPa程度であるのが好ましい。フィルム直交方向の引張弾性率が1500MPa以上であれば、フィルム全体としての腰(常温での剛性)が高く、特にフィルムの厚さを薄くしていった場合にも、容器に製袋したフィルムをラベリングマシン等で被せる際に斜めに被る、フィルムの腰折れ等で歩留まりが低下しやすい等の問題点が発生し難く、好ましい。
本発明の熱収縮性フィルムは、80℃シリコンオイルに10秒間浸漬したときのフィルム主収縮方向の最大収縮応力が10MPa以下、好ましくは8MPa以下、さらに好ましくは6MPa以下であることが好ましい。一方、フィルム主収縮方向の最大収縮応力の下限は、ボトルと熱収縮性フィルムとの密着性を維持する観点から0.5MPa以上であることが好ましい。フィルム主収縮方向の最大収縮応力が10MPa以下であれば、蒸気シュリンカーでのラベル装着時、シュリンカー内の温度斑に対して、フィルムの収縮挙動の異なる部位が発生し難く、斑、皺、アバタ等が発生し難いため、収縮仕上がりが良好となりやすい。
本発明の熱収縮性フィルムの厚さは特に限定されるものではないが、通常10μm以上、好ましくは15μm以上であり、80μm以下、好ましくは70μm以下の厚さである。フィルムの厚さが10μm以上であれば、フィルムのハンドリング性が良好であると共に、十分な水蒸気バリア性を有する。一方、フィルムの厚さが80μm以下であれば透明性や収縮加工性に優れ、経済的にも好ましい。
本発明の熱収縮性フィルムは、従来公知の製造方法において条件を適宜変更して製造することができ、特に製造方法が限定されるものではない。
本発明の熱収縮性フィルムは、各種用途への利用が可能であるが、好ましくは、フィルムの片面又は両面に印刷層を形成して、ガラス製容器やペットボトル等のプラスチック製容器に装着する熱収縮性ラベルなどの包装資材を形成することができる。
本発明の熱収縮性フィルムは、フィルムの腰(常温での剛性)、耐指紋白化性、収縮仕上がり性、透明性、再生添加性等の機械的強度等に優れ、かつ自然収縮及び収縮応力が小さいため、成形品又は容器に装着する際、複雑な形状(例えば、中心がくびれた円柱、角のある四角柱、五角柱、六角柱など)の成形品又は容器であっても該形状に密着可能であり、シワやアバタ等のない美麗に装着する包装資材とすることができる。よって、本発明の熱収縮性フィルムを装着する対象物としては、例えば瓶、ボトル(ブローボトル)、トレー、弁当箱、総菜容器、乳製品容器など、様々な形状の成形品又は容器が挙げられる。
特に本発明の熱収縮性フィルムを食品容器(例えば清涼飲料水用又は食品用のPETボトル、ガラス瓶、好ましくはPETボトル)用の収縮性ラベルとして用いた場合には、前述のように複雑な形状であっても該形状に密着可能であり、シワやアバタ等のない美麗なラベルが装着された容器が得られる点で特に優れている。
JISK7136に準拠して、実施例、比較例で採取した未延伸シート、及び、熱収縮性フィルムのヘイズ値を測定した。
得られた熱収縮性フィルムをMDに120mm、TDに15mmの大きさに切り出し、JISK7127に準拠し、引張速度200mm/minで、雰囲気温度23℃におけるフィルムのMDの引張破断強度、引張破断伸度を測定し、10回の測定値の平均値を測定した。
得られた熱収縮性フィルムをTDに120mm、MDに15mmの大きさに切り出し、JISK7127に準拠し、引張速度200mm/minで、雰囲気温度23℃におけるフィルムのTDの引張破断強度、引張破断伸度を測定し、10回の測定値の平均値を測定した。
得られた熱収縮性フィルムをMDに120mm、TDに15mmの大きさに切り出し、JISK7127に準拠し、引張速度100mm/minで雰囲気温度0℃におけるフィルムの引き取り方向(MD)の引張破断強度、引張破断伸度を測定し、10回の測定値の平均値を測定した。
得られた熱収縮性フィルムをJISK7127に準じて、雰囲気温度23℃におけるフィルムの引き取り方向(MD)、及び、TDの引張弾性率を測定した。
得られた熱収縮性フィルムをMD10mm、TD200mmの大きさに切り取り、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃の温水バスに10秒間それぞれ浸漬し、TDの収縮量を測定した。熱収縮率は、収縮前の原寸に対する収縮量の比率を%値で表示した。また、得られた熱収縮性フィルムをMD200mm、TD10mmの大きさに切り取り、TDの熱収縮率測定と同様の測定条件にて、MDの熱収縮率を測定した。
得られた熱収縮性フィルムの水蒸気バリア性を評価するため、JISZ0208(防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法))の諸条件に準拠し、透湿度を測定した。吸湿剤として塩化カルシウムを20g用い、温度40℃、相対湿度90%の恒温恒湿環境下で測定した。
また、フィルム厚さ40μm換算の透湿度Y(g/m2・day)は、透湿度測定に用いたフィルム厚さd(μm)を測定し、そのフィルムの透湿度がX(g/m2・day)であった場合、Y=X・d/40として算出した。
<フェノキシ樹脂(A)>
・GabrielPhenoxies社製、フェノキシ樹脂、商品名:PKHH、Tg:94℃、数平均分子量13,000、重量平均分子量52,000(「A-1」と略する。)
<ポリエステル系樹脂(B)>
・SKケミカル社製、共重合ポリエステル、商品名;SKYGREEN PETG S2008、Tg:82℃(「B-1」と略する。)
<スチレン系樹脂(C)>
・旭化成社製、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン含有量82wt%、Tg:74℃(「C-1」と略する。)
表1に示す配合に基づき、「A-1」20質量%、「B-1」80質量%を混合し、設定温度を210℃とした2軸押出機に導入し、溶融混練を行い、溶融樹脂をTダイ(口金)から77℃に設定したキャストロールで引き取り、冷却固化させて厚さ200μmの単層シートを得た。得られた未延伸シートのヘイズ値を表1に示す。次いで、得られた未延伸シートをフィルムテンターを用いて、105℃の予熱ゾーンで予熱した後、96℃の延伸ゾーンにて、幅方向の延伸倍率5倍にて延伸し、次いで76℃の熱処理ゾーンで熱処理を行い、熱収縮性フィルムを得た。これについて評価を行った結果を表2に示す。
表1に示す配合に基づき、「A-1」40質量%、「B-1」60質量%を混合し、設定温度を210℃とした2軸押出機に導入し、溶融混練を行い、溶融樹脂をTダイ(口金)から82℃に設定したキャストロールで引き取り、冷却固化させて厚さ200μmの単層シートを得た。得られた未延伸シートのヘイズ値を表1に示す。次いで、得られた未延伸シートをフィルムテンターを用いて、108℃の予熱ゾーンで予熱した後、99℃の延伸ゾーンにて、幅方向の延伸倍率5倍にて延伸し、次いで76℃の熱処理ゾーンで熱処理を行い、熱収縮性フィルムを得た。これについて評価を行った結果を表2に示す。
表1に示す配合に基づき、「C-1」100質量%を、設定温度を210℃とした2軸押出機に導入し、溶融混練を行い、溶融樹脂をTダイ(口金)から70℃に設定したキャストロールで引き取り、冷却固化させて厚さ200μmの単層シートを得た。得られた未延伸シートのヘイズ値を表1に示す。次いで、得られた未延伸シートをフィルムテンターを用いて、97℃の予熱ゾーンで予熱した後、88℃の延伸ゾーンにて、幅方向の延伸倍率5倍にて延伸し、次いで76℃の熱処理ゾーンで熱処理を行い、熱収縮性フィルムを得た。これについて評価を行った結果を表2に示す。
表1に示す配合に基づき、「A-1」100質量%を、設定温度を210℃とした2軸押出機に導入し、溶融混練を行い、溶融樹脂をTダイ(口金)から92℃に設定したキャストロールで引き取り、冷却固化させて厚さ200μmの単層シートを得た。得られた未延伸シートのヘイズ値を表1に示す。次いで、得られた未延伸シートをフィルムテンターを用いて、115℃の予熱ゾーンで予熱した後、102℃の延伸ゾーンにて、幅方向の延伸倍率5倍にて延伸したが、破断してフィルムが採取できなかった。そのため、延伸ゾーン温度を106℃に変更したが、延伸温度を上げても、破断してフィルムが採取できなかった。
表1に示す配合に基づき、「A-1」20質量%、「C-1」80質量%を混合し、設定温度を210℃とした2軸押出機に導入し、溶融混練を行い、溶融樹脂をTダイ(口金)から82℃に設定したキャストロールで引き取り、冷却固化させて厚さ200μmの単層シートを得た。しかしながら、表1に示すように、未延伸シートのヘイズ値が60%となり、熱収縮フィルムに求められる透明性が得られなかった。そのため、延伸は行わなかった。
表1に示す配合に基づき、「A-1」40質量%、「C-1」60質量%を混合し、設定温度を210℃とした2軸押出機に導入し、溶融混練を行い、溶融樹脂をTダイ(口金)から82℃に設定したキャストロールで引き取り、冷却固化させて厚さ200μmの単層シートを得た。しかしながら、表1に示すように、未延伸シートのヘイズ値が72%となり、熱収縮フィルムに求められる透明性が得られなかった。そのため、延伸は行わなかった。
一方、比較例1で得られた熱収縮性フィルムは、透湿性が高く、水蒸気バリア性が求められる用途に用いる熱収縮性フィルムとしては、不十分であった。また、比較例2では、本発明が規定するポリエステル系樹脂(B)を含有していないため、延伸性に乏しく、熱収縮性フィルムを採取することができなかった。さらに、比較例3、4では、未延伸シートにおいて不透明であり、透明性が求められる熱収縮性フィルムとして不適であった。
Claims (6)
- フェノキシ樹脂(A)とポリエステル系樹脂(B)との混合樹脂組成物を主成分とする層を少なくとも1層有する熱収縮性フィルムであって、
前記ポリエステル系樹脂(B)は、ジカルボン酸残基の第1残基がテレフタル酸残基、ジオール残基の第1残基がエチレングリコール残基、ジオール残基の第2残基が1,4-シクロヘキサンジメタノール残基であり、該ポリエステル系樹脂(B)のジカルボン酸残基の総量(100モル%)とジオール残基の総量(100モル%)との合計(200モル%)に対して、ジオール残基の第2残基である1,4-シクロヘキサンジメタノール残基の含有率が20モル%以上40モル%以下であり、雰囲気温度23℃、引張速度200mm/分の条件下で測定される主収縮方向に直交する方向の引張破断伸度が100%以上である、熱収縮性フィルム。 - 雰囲気温度0℃、引張速度100mm/分の条件下で測定される主収縮方向に直交する方向の引張破断伸度が100%以上である、請求項1または請求項1に記載の熱収縮性フィルム。
- 100℃の温水中に10秒浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が50%以上であり、かつ、50℃の温水中に10秒浸漬したときの主収縮方向の熱収縮率が-5%以上5%以下である、請求項1または請求項2に記載の熱収縮性フィルム。
- 透湿度が40g/m2・day以下である請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の熱収縮性フィルム。
- 請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の熱収縮性フィルムを用いてなる、包装資材。
- 請求項5に記載の包装資材が装着された成形品又は容器。
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